JP2005211827A - Pcb汚染物の除染装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】設備費用を増大させることなく、PCB汚染物から蒸発・除去される溶剤の大部分を1次凝縮器において液化・回収可能とする。
【解決手段】予め溶剤等を使用して洗浄処理したPCB汚染物を真空加熱炉内に収容し、前記PCB汚染物に付着しているPCBや溶剤等の各物質の沸点に基づいて設定した複数の異なる設定圧力下において所定温度で所定時間真空加熱処理を行って、前記PCB汚染物からPCBや溶剤等の各物質を個別に蒸発・除去するとともに、前記PCB汚染物から蒸発・除去したPCBや溶剤等の各物質を、前記真空加熱炉の後段に配設した複数の凝縮器において所定温度に保持された冷媒と接触させることで冷却・液化して回収するように構成したことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、予め所定の溶剤を用いて洗浄処理したPCB(ポリ塩化ビフェニル)汚染物を、真空加熱炉において所定の温度及び減圧状態下で真空加熱処理することにより、前記PCB汚染物に付着しているPCB及び溶剤を蒸発・除去するようにしたPCB汚染物の除染装置の改良に関する。
変圧器やコンデンサ等の電気機器には、過去において、PCB、あるいは、PCBを含有する絶縁油が使用されていた。PCBは、優れた電気絶縁性,難燃性を備えている反面、人体に悪影響を及ぼす有害な物質であるため、今日では使用が禁止されている。このため、例えば、前記電気機器を解体して有価物(銅類,鉄類)を回収する場合には、そのケースとか、鉄心やコイル等の内部部品からPCBを確実に分離・除去する必要があった。
前記電気機器のケースとか、鉄心やコイル等の内部部品からPCBを分離・除去する場合には、例えば、電気機器からPCB、あるいは、PCBを含有する絶縁油を抜き取った後、前記電気機器をケース,鉄心,コイル等に解体した状態で真空加熱炉内に収容し、所定の温度及び減圧状態下(例えば、約200℃,約6.7Pa)で真空加熱処理を行うことにより、前記ケース等に付着・残存しているPCBを蒸発・除去するとともに、前記ケース等から蒸発・除去されたPCBを、真空加熱炉の後段に配設した1次及び2次凝縮器において、所定温度に冷却・保持された冷媒と接触させることにより冷却・凝縮(液化)して回収するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−320219号公報
然るに、前記のようにして電気機器のケースとか、鉄心やコイル等の内部部品からPCBを分離・除去する場合、真空加熱炉における温度及び圧力、並びに、1次及び2次凝縮器における冷媒の温度は、一般に前記電気機器のケース等からPCBを蒸発・除去し、かつ、前記蒸発・除去したPCBを冷却・凝縮(液化)して回収するのに最適な条件に設定されているので、例えば、前記電気機器のケース等が予め所定の溶剤(例えば、パラフィン系の溶剤)を使用して洗浄処理されている場合等のように、前記電気機器のケース等にPCBだけでなく溶剤も付着している場合には、真空加熱炉において前記電気機器のケース等から蒸発・除去されたPCBは、その大部分が前記真空加熱炉の直後に配設した1次凝縮器において液化・回収されるものの、同様に真空加熱炉において前記電気機器のケース等から蒸発・除去された溶剤は、前記真空加熱炉の直後に配設した1次凝縮器においてほとんど液化・回収されることなく、その後段に配設した2次凝縮器に大部分の溶剤が流入する。
これは、洗浄処理に使用される溶剤の沸点がPCBの沸点よりも低いため、前記PCBを比較的低い温度で蒸発・除去するために真空加熱炉内を所定の圧力(例えば、約6.7Pa)まで減圧すると、前記溶剤の沸点は、1次凝縮器における冷媒の温度(例えば、約−15℃)に近い(あるいは下回る)温度まで低下する結果、ケース等から蒸発・除去された溶剤は、1次凝縮器においてほとんど液化・回収されることなく、2次凝縮器に大部分が流入するものと考えられる。
しかし、前記のように、2次凝縮器に流入する大量の溶剤をほぼ全量液化して回収するためには、1次凝縮器における冷媒よりも低温に保持されている前記2次凝縮器における冷媒の冷却能力を向上させる、即ち、前記冷媒を冷却するための冷凍機を大形化する等の対応が必要となる結果、設備費用が増大するという問題があった。また、1次凝縮器において大部分の溶剤を液化・回収するために、前記1次凝縮器における冷媒の温度を現状より低く設定することも考えられるが、この場合も前記と同様に、極低温下において大量の溶剤を液化させるには前記冷媒を冷却するための冷凍機を大形化する等の対応が必要となるため、設備費用が増大する要因となっていた。
本発明は、前記種々の問題点に鑑み、設備費用を増大させることなく、PCB汚染物から蒸発・除去される溶剤の大部分を1次凝縮器において液化・回収することが可能なPCB汚染物の処理装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、予め溶剤等を使用して洗浄処理したPCB汚染物を真空加熱炉内に収容し、前記PCB汚染物に付着しているPCBや溶剤等の各物質の沸点に基づいて設定した複数の異なる設定圧力下において所定温度で所定時間真空加熱処理を行って、前記PCB汚染物からPCBや溶剤等の各物質を個別に蒸発・除去するとともに、前記PCB汚染物から蒸発・除去したPCBや溶剤等の各物質を、前記真空加熱炉の後段に配設した複数の凝縮器において所定温度に保持された冷媒と接触させることで冷却・液化して回収するように構成したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1または2記載のPCB汚染物の除染装置において、前記PCB汚染物からPCBや溶剤等の各物質を個別に蒸発・除去させる際の各設定圧力は、前記PCBや溶剤等の各物質の沸点が、真空加熱炉の直後に配設した1次凝縮器における冷媒の温度を下回らない圧力に設定するように構成したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のPCB汚染物の除染装置において、前記PCB汚染物に付着しているPCBや溶剤等の各物質は、真空加熱炉内を大気圧から沸点の最も高い物質を蒸発・除去する際の設定圧力まで減圧する過程において、沸点の低い物質から順次個別に蒸発・除去するように構成したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3記載のPCB汚染物の除染装置において、前記PCB汚染物に付着している溶剤等の物質は、前記PCB汚染物の温度を、該PCB汚染物からPCBを蒸発・除去することが可能な温度まで昇温する過程において、前記PCB汚染物から蒸発・除去するように構成したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし3記載のPCB汚染物の除染装置において、前記真空加熱炉の直後に配設した1次凝縮器から所定の容器へ液化されたPCBや溶剤等の各物質を排出するための排出バルブを、前記所定の容器に既に排出・回収されている物質よりも沸点の高い物質をPCB汚染物から蒸発・除去するために真空加熱炉内の圧力を所定の設定圧力へ減圧する過程で閉鎖するように構成したことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載のPCB汚染物の除染装置において、前記所定の容器を、1次凝縮器に対して複数個直列状、あるいは、並列状に配設するように構成したことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、PCB汚染物から蒸発・除去しようとするPCBや溶剤等の各物質の沸点に基づいて設定した複数の異なる設定圧力下において、前記PCB汚染物の真空加熱処理を行うようにしたので、前記PCB汚染物に付着しているPCBよりも沸点の低い溶剤等の沸点が必要以上に低下するのを良好に防ぐことが可能となり、この結果、前記溶剤等は真空加熱炉の後段に配設した複数の凝縮器においてそれぞれ所定温度に保持されている冷媒と接触することにより、前記各凝縮器においてそれぞれ適切な割合で冷却・凝縮(液化)して回収することができる。
請求項2記載の発明によれば、PCBや溶剤等の各物質をPCB汚染物から個別に蒸発・除去する際の各設定圧力を、前記PCBや溶剤等の各物質の沸点が真空加熱炉の直後に配設した1次凝縮器における冷媒の温度を下回らない圧力に設定するようにした、即ち、前記PCBや溶剤等の各物質は、1次凝縮器における冷媒の温度よりも高い温度で蒸発(気化)させることができるので、例えば、前記PCB汚染物から蒸発・除去された溶剤は、その大部分が1次凝縮器において冷媒と接触することにより良好に冷却・液化される結果、前記1次凝縮器の後段に配設した2次凝縮器へ大量の溶剤が流入するのを確実に阻止することが可能となる。これにより、前記1次凝縮器の後段に配設した2次凝縮器における冷媒を所定の極低温に冷却するための冷凍機を大形化する等の対応が不要となるので、設備費用の増大を良好に抑制することができる。
請求項3記載の発明によれば、前記PCB汚染物に付着しているPCBや溶剤等の各物質は、真空加熱炉内を大気圧から沸点の最も高い物質を蒸発・除去する際の設定圧力まで減圧する過程において、沸点の低い物質から順次個別に蒸発・除去するようにした、即ち、真空加熱炉内を大気圧からPCB汚染物に付着している物質の中では沸点の最も高い物質であるPCBを蒸発・除去する際の設定圧力まで順次減圧させていく過程において、前記PCBよりも沸点の低い溶剤等をPCB汚染物から順次蒸発・除去することが可能となり、この結果、前記PCBや溶剤等の各物質を異なる設定圧力下において蒸発・除去するようにしても、前記PCBよりも沸点の低い溶剤等を蒸発・除去するために別途時間を必要としないので、真空加熱処理全体の時間が長くなるのを良好に防ぐことができ、大変利便である。
請求項4記載の発明によれば、PCB汚染物を所定温度(PCB汚染物からPCBを蒸発・除去することが可能な温度)まで昇温する過程、即ち、前記PCB汚染物が所定温度に到達するまでの間において、前記PCB汚染物から溶剤等を蒸発・除去するようにしたので、前記PCB汚染物に付着している溶剤等は、所定温度まで昇温する途中であって、かつ、前記溶剤等を蒸発・除去する際の設定圧力下における前記溶剤等の沸点を上回る温度に到達している前記PCB汚染物から容易に蒸発・除去することが可能となり、この結果、前記PCB汚染物から溶剤等を蒸発・除去するために別途時間を必要としないので、PCBを蒸発・除去する際とは異なる設定圧力下で前記溶剤等を蒸発・除去するようにしても、真空加熱処理全体の時間が長くなるのを良好に防ぐことができる。
請求項5記載の発明によれば、真空加熱炉の直後に配設した1次凝縮器から所定の容器へ液化されたPCBや溶剤等の物質を排出するための排出バルブを、前記所定の容器に既に排出・回収されている物質よりも沸点の高い物質をPCB汚染物から蒸発・除去するために真空加熱炉内の圧力を所定の設定圧力へ減圧する過程で閉鎖するようにしたので、例えば、真空加熱炉内をPCBよりも沸点の低い溶剤を蒸発・除去する際の設定圧力から前記PCBを蒸発・除去する際の設定圧力へ減圧することにより、前記1次凝縮器において液化され所定の容器に排出・回収されている溶剤が、その沸点が1次凝縮器における冷媒の温度に近づくことにより再度気化し、排出バルブを介して前記1次凝縮器の後段に配設した2次凝縮器へ流入するのを確実に阻止することができる。
請求項6記載の発明によれば、1次凝縮器において液化したPCBや溶剤等の各物質を回収するための所定の容器を、前記1次凝縮器に対して複数個直列状、あるいは、並列状に配設するようにしたので、異なる設定圧力下において蒸発・除去したPCBや溶剤等の各物質を個別に所定の容器に回収し、別途無害化処理等を行うことが可能となり、大変利便である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1ないし図3を参照しながら説明する。はじめに、図1は本発明におけるPCB汚染物の除染装置Aを示す概略構成図である。図1において、1は除染装置Aを構成する真空加熱炉であり、その一側面(図1の左側)には、真空加熱処理を行うPCB汚染物、例えば、PCBを含有する絶縁油を充填した電気機器のケースとか、前記電気機器を構成する鉄心やコイル等の内部部品を出し入れするための開口部を開閉する開閉扉1aが具備されている。また、前記真空加熱炉1の炉壁には、該炉壁を所定温度に加熱・保持するための電熱ヒータ等からなる加熱手段2が埋設されている。
次に、3は前記真空加熱炉1の上部炉壁を貫通させて外方へ導出した排気管であり、前記排気管3には、図1で示すように、1次凝縮器4と、補助ポンプ5と、2次凝縮器6a,6bと、真空ポンプ7と、排ガス処理装置8とが、それぞれ直列的に配管接続されている。
前記1次及び2次凝縮器4,6a,6bは、真空加熱炉1から排出される排ガス中に含まれる気化状態のPCBや溶剤を、所定温度に保持された冷媒と接触させることにより冷却・凝縮(液化)するもので、前記1次凝縮器4における冷媒の温度は、例えば、約−15℃に、前記2次凝縮器6a,6bにおける冷媒の温度は、例えば、それぞれ約−40℃及び約−70℃に設定されている。なお、図1で示すように、前記1次凝縮器4には、排出バルブV1を介して貯留容器4aが接続されており、1次凝縮器4において冷媒と接触することにより液化され、前記貯留容器4aに一時的に貯留されるPCBや溶剤は、更に、排出バルブV2を介して密閉可能な回収容器(図示せず)に排出・回収され、別途無害化処理が行われる。また、図1で示すように、2次凝縮器6a,6bにも、それぞれ排出バルブV3,V4が設けられており、前記2次凝縮器6a,6bにおいて冷却・凝縮(液化)されたPCBや溶剤は、前記排出バルブV3,V4を開放することにより、図示しない密閉可能な回収容器に排出・回収され、別途無害化処理が行われる。
次に、前記補助ポンプ5は、例えば、メカニカルブースター等からなり、必要に応じて起動して真空加熱炉1内から強制的に排気を行うことにより、真空ポンプ7による排気を補助するものである。また、前記真空ポンプ7は、例えば、ロータリーポンプ等からなり、単独で真空加熱炉1内から順次排気を行うとともに、必要に応じて前記補助ポンプ5による補助を受けながら排気を行うことにより、前記真空加熱炉1内を所定の圧力に減圧・保持するものである。なお、本発明においては、前記真空加熱炉1内の圧力を、PCBや溶剤の沸点に基づいて、例えば、溶剤を蒸発・除去する際には第1の設定圧力(例えば、約100Pa)に、PCBを蒸発・除去する際には第2の設定圧力(例えば、約6.7Pa)に、それぞれ所定時間減圧・保持するように設定されている。また、前記設定圧力は、必要に応じて任意に可変できることはいうまでもない。
つづいて、前記排ガス処理装置8は、例えば、3次凝縮器8aと、活性炭吸着塔8bからなり、真空加熱炉1から排出される排ガス中に含まれる悪臭成分等を吸着・除去したり、あるいは、前記排ガス中に含まれる気化状態のPCBや溶剤が、不測の事態により1次及び2次凝縮器4,6a,6bにおいて十分に冷却・凝縮(液化)されないまま通過した場合等に、前記排ガス中に含まれる気化状態のPCBや溶剤を冷却・凝縮(液化)して除去したりすることにより、前記排ガスを清浄な空気として外部に排気するようにしたものである。
なお、前記真空加熱炉1の加熱手段2,1次及び2次凝縮器4,6a,6b,補助ポンプ5,真空ポンプ7,排ガス処理装置8は、それぞれ図示しない制御装置からの指令により動作するものである。
次に、本発明の動作について、図2を参照しながら説明する。はじめに、本発明の処理装置Aを使用して、廃棄処理する電気機器からPCBを分離・除去するに当たっては、例えば、事前に電気機器に充填されているPCBを含有する絶縁油(以下、PCB含有絶縁油と称する)をポンプ等を用いて抜き取って、前記電気機器を解体するとともに、前記解体した電気機器の鉄心やコイル等の内部部品を所定の大きさに破砕し(必要に応じてコイルの破砕物は銅線と紙・木類とに分離する)、この状態で、前記電気機器のケースや内部部品の破砕物を所定の溶剤(例えば、パラフィン系の溶剤)を使用して洗浄処理しておく。そして、前記のように洗浄処理したケースは原姿の状態で、また、鉄心やコイル等の内部部品の破砕物は図1に示すバケット9に収容した状態で、それぞれ真空加熱炉1内に搬入し(図1ではバケット9のみを搬入した状態を示す)、この後、開閉扉1aにより開口部を閉鎖する。
前記のように、洗浄処理した電気機器のケースとか、鉄心やコイル等の内部部品の破砕物(以下、PCB汚染物と称する)を真空加熱炉1内に収容したら、つづいて、真空ポンプ7を起動して真空加熱炉1内から順次排気を行うとともに、必要に応じて補助ポンプ5を起動して真空加熱炉1内からの排気を補助することにより、前記真空加熱炉1内の圧力を、溶剤の沸点が1次凝縮器4における冷媒の温度を下回らないような圧力である第1の設定圧力(例えば、約100Pa)まで減圧させる。また、これと同時に、加熱手段2により真空加熱炉1の炉壁をその温度が第1の設定温度(例えば、約250℃)に到達するまで加熱する。なお、この際、真空加熱炉1内の圧力が、例えば、約930Pa以下に減圧されるまでの間は、前記真空加熱炉1の炉壁温度を、例えば、約40℃以下に保持するとともに、前記真空加熱炉1内の圧力が約930Pa以下に減圧されたら(図2のt1点参照)、炉壁温度が第1の設定温度に到達するまで加熱するようにするとよい。これにより、酸素が残存した状態で急速に高温まで加熱することでPCB汚染物に付着しているPCB含有絶縁油や溶剤が発火する等の危険を未然に防ぐことができる。
そして、前記真空加熱炉1内の圧力が第1の設定圧力まで減圧され、かつ、真空加熱炉1の炉壁温度が第1の設定温度に到達したら(図2のt2点参照)、この状態を所定時間保持することにより、PCB汚染物に付着している溶剤を蒸発・除去する。このとき、真空加熱炉1内を第1の設定圧力まで減圧することにより、PCB汚染物に付着している溶剤の沸点は、例えば、約10〜20℃程度まで低下している。一方、真空加熱炉1の炉壁温度は、第1の設定温度に到達しているものの、前記溶剤が付着しているPCB汚染物は、前記真空加熱炉1の炉壁からの輻射熱等により、前記PCB汚染物に付着しているPCB含有絶縁油を蒸発・除去することができる温度(例えば、約215℃)まで順次加熱されている最中である(図2の太点線参照)。しかし、前記PCB汚染物の温度は、溶剤を気化(蒸発)させることが可能な温度(即ち、溶剤の沸点(例えば、約10〜20℃)以上)には十分到達しているため、前記溶剤をPCB汚染物から良好に蒸発・除去することができる。なお、前記のように、真空加熱炉1内の圧力を第1の設定圧力まで減圧し、かつ、真空加熱炉1の炉壁を第1の設定温度まで加熱した状態で、例えば、約30分程度保持することにより、PCB汚染物に付着している溶剤の大部分を蒸発・除去することができる。
次に、前記PCB汚染物から蒸発・除去された溶剤は、排ガスとともに真空加熱炉1内から排気管3を通って1次凝縮器4に流入する。このとき、真空ポンプ7単独で排気を行うとともに、必要に応じて補助ポンプ5にて補助的に排気を行うことにより、真空加熱炉1内が第1の設定圧力に保持されている関係上、前記真空加熱炉1と排気管3を介して配管接続されている1次及び2次凝縮器4,6a,6b内も前記第1の設定圧力に保持されているので、前記溶剤の沸点は1次凝縮器4においても約10〜20℃となっている。従って、1次凝縮器4に気化状態の溶剤が流入し、例えば、図示しない冷凍機により約−15℃に保持されている冷媒と接触すると、前記溶剤は沸点以下の温度に急速に冷却される結果、その大部分が1次凝縮器4において凝縮(液化)される。前記1次凝縮器5において液化された溶剤は、排出バルブV1を開放することにより貯留容器4aに排出され、一時的に貯留される。
一方、1次凝縮器4を通過した(即ち、1次凝縮器4で回収しきれなかった)微量の溶剤は、排ガスとともに2次凝縮器6a,6bに流入し、例えば、図示しない冷凍機により約−40℃及び約−70℃に保持されている冷媒と接触することで、前記2次凝縮器6a,6bにおいて確実に冷却・凝縮(液化)される。前記2次凝縮器6a,6bにおいて液化された溶剤は、該2次凝縮器6a,6bに設けた排出バルブV3,V4を開放することにより図示しない密閉可能な回収容器に排出・回収され、別途無害化処理が行われる。
そして、前記1次及び2次凝縮器4,6a,6bを通過することにより溶剤が除去された排ガスは、最終的に排ガス処理装置8において悪臭成分等が吸着・除去され、清浄化した状態で大気中に排出される。また、不測の事態により前記排ガス中に含まれる溶剤が、1次及び2次凝縮器4,6a,6bにおいて十分に冷却・凝縮(液化)されないまま通過し、前記排ガス処理装置8に流入した場合には、該排ガス処理装置8において排ガス中に含まれる溶剤を良好に冷却・凝縮(液化)して除去し、前記排ガスを清浄化した状態で大気中に排出する。
前記のように、真空加熱炉1内の圧力を第1の設定圧力まで減圧し、かつ、真空加熱炉1の炉壁を第1の設定温度まで加熱した状態で所定時間保持することにより、PCB汚染物に付着している溶剤を蒸発・除去したら(図2のt3点参照)、つづいて、真空ポンプ7単独で排気を行うとともに、必要に応じて補助ポンプ5にて補助的に排気を行うことにより、前記真空加熱炉1内の圧力を、PCBの沸点が1次凝縮器4における冷媒の温度を下回らないような圧力である第2の設定圧力(例えば、約6.7Pa)まで減圧する。一方、加熱手段2は、真空加熱炉1の炉壁からの輻射熱等によりPCB汚染物の温度が、該PCB汚染物に付着・残存しているPCB含有絶縁油を蒸発・除去することが可能な温度(例えば、約215℃)に到達するまでの間、前記真空加熱炉1の炉壁温度を第1の設定温度(例えば、約250℃)に加熱・保持する。なお、このとき、1次凝縮器4と貯留容器4aとの間に設けた排出バルブV1は、前記1次凝縮器4において冷却・凝縮(液化)され、貯留容器4aに一時的に貯留されている溶剤が、真空加熱炉1内を第2の設定圧力まで減圧させることにより再度気化し(第2の設定圧力まで減圧されることにより、溶剤の沸点が1次凝縮器4における冷媒の温度(例えば、約−15℃)に近づくことで気化する)、2次凝縮器6a,6bへ流入するのを防ぐために、前記真空加熱炉1内の圧力を第1の設定圧力から第2の設定圧力まで減圧させる過程(例えば、減圧させる前、あるいは、減圧させる途中の段階)で予め閉鎖しておく。
そして、前記真空加熱炉1内の圧力が第2の設定圧力まで減圧され、かつ、真空加熱炉1の炉壁からの輻射熱等によりPCB汚染物の温度が、該PCB汚染物に付着・残存しているPCB含有絶縁油を蒸発・除去することが可能な温度(例えば、約215℃)に到達したら(図2のt4点参照)、PCB汚染物を前記温度(例えば、約215℃)に保持するために、真空加熱炉1の炉壁温度を第1の設定温度(例えば、約250℃)から第2の設定温度(例えば、約220℃)に切換えて加熱し、この状態を所定時間保持することにより、PCB汚染物に付着・残存しているPCB含有絶縁油を蒸発・除去する。このとき、真空加熱炉1内を第2の設定圧力まで減圧することにより、PCB汚染物に付着しているPCB含有絶縁油の沸点は、例えば、約160〜170℃程度まで低下している。一方、前記PCB含有絶縁油が付着・残存しているPCB汚染物は、第2の設定温度で加熱・保持されている前記真空加熱炉1の炉壁からの輻射熱等により、PCB含有絶縁油を蒸発・除去することができる温度(例えば、約215℃)に保持されているので、前記PCB含有絶縁油をPCB汚染物から良好に蒸発・除去することができる。なお、前記のように、真空加熱炉1内の圧力を第2の設定圧力まで減圧し、かつ、真空加熱炉1の炉壁を第2の設定温度に加熱した状態で、例えば、約2時間程度保持することにより、PCB汚染物に付着しているPCB含有絶縁油の大部分を蒸発・除去することができる。
つづいて、前記PCB汚染物から蒸発・除去されたPCB含有絶縁油は、前記した溶剤の場合と同様に、排ガスとともに真空加熱炉1内から排気管3を通って1次凝縮器4に流入する。このとき、真空ポンプ7単独で排気を行うとともに、必要に応じて補助ポンプ5にて補助的に排気を行うことにより、真空加熱炉1内が第2の設定圧力に保持されている関係上、前記真空加熱炉1と排気管3を介して配管接続されている1次及び2次凝縮器4,6a,6b内も第2の設定圧力に保持されているので、前記PCB含有絶縁油の沸点は1次凝縮器4においても約160〜170℃となっている。従って、1次凝縮器4に気化状態のPCB含有絶縁油が流入し、例えば、図示しない冷凍機により約−15℃に保持されている冷媒と接触すると、前記PCB含有絶縁油は沸点以下の温度まで急速に冷却される結果、その大部分が1次凝縮器4において凝縮(液化)される。前記1次凝縮器4において液化されたPCB含有絶縁油は、排出バルブV1が閉鎖されている関係上、前記1次凝縮器4に一旦貯留され、真空加熱処理の終了後(即ち、真空加熱炉1,排気管3,1次及び2次凝縮器4,6a,6b内を常圧に戻した後)、前記排出バルブV1を開放することにより貯留容器4aに排出される。更に、前記貯留容器4aに排出されたPCB含有絶縁油は、排出バルブV2を開放することにより、溶剤とともに図示しない密閉可能な回収容器に排出・回収され、別途無害化処理が行われる。
一方、1次凝縮器4を通過した(即ち、1次凝縮器4で回収しきれなかった)微量のPCB含有絶縁油は、排ガスとともに2次凝縮器6a,6bに流入し、例えば、図示しない冷凍機により約−40℃及び約−70℃に保持されている冷媒と接触することで、前記2次凝縮器6a,6bにおいて確実に冷却・凝縮(液化)される。前記2次凝縮器6a,6bにおいて液化されたPCB含有絶縁油は、該2次凝縮器6a,6bに設けた排出バルブV3,V4を開放することにより図示しない密閉可能な回収容器に排出・回収され、1次凝縮器4において回収されたPCB含有絶縁油及び溶剤とともに別途無害化処理が行われる。
そして、前記1次及び2次凝縮器4,6a,6bを通過することによりPCB含有絶縁油が除去された排ガスは、最終的に排ガス処理装置8において悪臭成分等が吸着・除去され、清浄化した状態で大気中に排出される。また、不測の事態により前記排ガス中に含まれるPCB含有絶縁油が、1次及び2次凝縮器4,6a,6bにおいて十分に冷却・凝縮(液化)されないまま通過し、前記排ガス処理装置8に流入した場合には、該排ガス処理装置8において排ガス中に含まれるPCB含有絶縁油を良好に冷却・凝縮(液化)して除去し、前記排ガスを清浄化した状態で大気中に排出する。
前記のように、真空加熱炉1内の圧力を第2の設定圧力まで減圧し、かつ、真空加熱炉1の炉壁を第2の設定温度に加熱した状態で所定時間保持することにより、PCB汚染物からPCB含有絶縁油を蒸発・除去したら(図2のt5点参照)、つづいて、真空ポンプ7及び補助ポンプ5を停止して、真空加熱炉1内の圧力を第2の設定圧力に減圧した状態から順次常圧(大気圧)に戻すとともに、加熱手段2による真空加熱炉1の炉壁の加熱を停止して、前記炉壁からの輻射熱等によるPCB汚染物の加熱を終了する。そして、真空加熱炉1内の圧力が常圧に戻り、かつ、真空加熱炉1の炉壁温度及びPCB汚染物の温度が常温まで冷却されたら(図2のt6点参照)、前記真空加熱炉1の開閉扉1aを開放し、真空加熱処理を終えたPCB汚染物を搬出する。以上のように、PCB汚染物に付着しているPCB含有絶縁油や溶剤は、真空加熱炉1において真空加熱処理を行うことにより、前記PCB汚染物から完全に除去することが可能となるため、前記PCB汚染物から有価物(銅類,鉄類)を安全に回収して再利用することができる。以後、PCB汚染物の真空加熱処理を行う場合は、前記の動作を繰り返し行えばよい。
このように、本発明においては、溶剤の沸点が1次凝縮器4における冷媒の温度を下回らないような圧力である第1の設定圧力下で、PCB汚染物の真空加熱処理を行うことにより、前記PCB汚染物に付着している溶剤を蒸発・除去するようにしたので、前記PCB汚染物から蒸発・除去された溶剤は、前記1次凝縮器4において、例えば、約−15℃に保持されている冷媒と接触することにより、その大部分を冷却・凝縮(液化)して回収することが可能となり、この結果、前記溶剤が2次凝縮器6a,6bへ大量に流入するのを確実に阻止することができる。これにより、従来のように、2次凝縮器6a,6bにおいて大量の溶剤を冷却・凝縮(液化)して回収するために、前記2次凝縮器6a,6bにおける冷媒を極低温(例えば、−40℃及び−70℃)に冷却・保持するための冷凍機を大形化する等の対応が不要となるので、この種の除染装置Aにおける設備費用の増大を良好に抑制することができる。
また、PCB汚染物から蒸発・除去した溶剤を1次凝縮器4において冷却・凝縮(液化)して貯留容器4aに回収した後、真空加熱炉1内の圧力を、前記溶剤を蒸発・除去する際の第1の設定圧力から、前記溶剤よりも沸点の高いPCBを蒸発・除去する際の第2の設定圧力まで減圧させる過程において、前記1次凝縮器4と貯留容器4aとの間に設けた排出バルブV1を閉鎖し、この状態で、前記第2の設定圧力下においてPCB汚染物からPCBを蒸発・除去するようにしたので、前記PCBを蒸発・除去するために真空加熱炉1内を第2の設定圧力まで減圧することにより、1次凝縮器4において冷却・凝縮(液化)され、貯留容器4aに貯留されている溶剤が再度気化し、前記排出バルブV1を介して2次凝縮器7a,7bへ流入するのを確実に阻止することができる。
更に、真空加熱炉1内を大気圧から第2の設定圧力(例えば、約6.7Pa)まで減圧する途中の圧力である第1の設定圧力(例えば、約100Pa)下において、所定温度(PCBを蒸発・除去することが可能な温度)まで昇温する途中のPCB汚染物から、PCBよりも沸点の低い溶剤を蒸発・除去するようにしたので、前記溶剤を蒸発・除去させるために別途時間を必要としない結果、前記PCBや溶剤の蒸発・除去を異なる設定圧力下で行うようにしても、真空加熱処理全体の時間が長くなるのを良好に防ぐことができる。また、前記PCB汚染物から溶剤を蒸発・除去するのに必要な時間は、前記PCB汚染物を所定温度まで昇温させるのに必要な時間に比べて短時間であるので、前記PCB汚染物の昇温途中において、該PCB汚染物から溶剤を蒸発・除去することで、前記PCB汚染物の昇温状態に悪影響を及ぼすことはない。
なお、本発明においては、図1で示すように、1次凝縮器4に排出バルブV1を介して貯留容器4aを接続した場合を一例として説明したが、これに限定することなく、例えば、図3で示すように、前記1次凝縮器4に対して複数(例えば、PCB汚染物から蒸発・除去する物質と同数)の貯留容器4a,4bを直列状(図3(a)参照)、あるいは、並列状(図3の(b)参照)に接続するようにしてもよい(図3(a),(b)においては、貯留容器4a,4bを1次凝縮器4に対して2個直列状、あるいは、並列状に接続した場合を一例として示す)。この場合、前記PCB汚染物から蒸発・除去されるPCBや溶剤を個別に貯留容器4a,4bに回収することが可能となる、即ち、PCBよりも沸点の低い溶剤を貯留容器4bに回収した後、真空加熱炉1内を第2の設定圧力に減圧させる過程において、前記溶剤が再度気化するのを防ぐ目的で貯留容器4bと他の貯留容器4aとの間に設けた排出バルブV5(図3(a)参照)、あるいは、貯留容器4bと1次凝縮器4との間に設けた排出バルブV6(図3(b)参照)を閉鎖しても、前記第2の設定圧力下で真空加熱処理を行うことによりPCB汚染物から蒸発・除去されるPCBは、1次凝縮器4において冷却・凝縮(液化)された後、前記1次凝縮器4から速やかに、前記溶剤を回収した貯留容器4bとは別の貯留容器4aに回収することができるので、大変利便である。
また、本発明においては、PCB汚染物から溶剤を蒸発・除去するに際し、第1の設定圧力を約100Pa、処理時間を約30分と設定した場合を一例として説明したが、前記第1の設定圧力は真空加熱処理するPCB汚染物の昇温状態に応じて、また、処理時間はPCB汚染物に付着している溶剤の量に応じてそれぞれ変動するため、前記の数値に限定されるものではなく、真空加熱処理を行うPCB汚染物の昇温状態や溶剤の付着量に応じて適宜変更可能であることはいうまでもない。更に、第1の設定温度(約250℃)、PCB汚染物からPCB含有絶縁油を蒸発・除去する際の第2の設定圧力(約6.7Pa),第2の設定温度(約220℃),PCB汚染物の温度(約215℃)、並びに、第1及び第2凝縮器における冷媒の温度(約−15℃,約−40℃,約−70℃)についても一例を示しているものであり、この数値に限定されるものではない。
更に、本発明は、PCB含有絶縁油を充填した電気機器の構成部材(前記電気機器のケースとか、鉄心やコイル等の内部部品等)を真空加熱処理する場合に限らず、前記PCB含有絶縁油の代わりにPCB自体を絶縁物として充填した電気機器の構成部材を真空加熱処理する場合においても適用可能であることはいうまでもない。
また、本発明においては、所定の溶剤(例えば、パラフィン系の溶剤)を使用して洗浄処理したPCB汚染物からPCB及び溶剤を個別に蒸発・除去する場合を一例として説明したが、これに限定することなく、例えば、所定温度の温水と所定の溶剤とを使用して洗浄処理したPCB汚染物から温水,溶剤,PCBを個別に蒸発・除去する場合等においても適用可能であることはいうまでもない。このように、PCB汚染物から蒸発・除去しようとする物質が増加した場合においても、前記PCB汚染物に付着している各物質(温水,溶剤,PCB)の沸点に基づいて、それぞれを蒸発・除去する際の圧力を個別に設定し、真空加熱炉1内の圧力を前記各設定圧力となるように順次減圧して所定温度で所定時間真空加熱処理を行うことにより、PCB汚染物に付着している各物質を、沸点の低い物質から順に(温水→溶剤→PCBの順に)個別に蒸発・除去することができる。
本発明におけるPCB汚染物の除染装置を示す概略構成図である。 本発明のPCB汚染物の除染装置を構成する真空加熱炉における圧力及び温度の経時的な変化の一例を示す図である。 本発明のPCB汚染物の除染装置を構成する1次凝縮器に対する貯留容器の接続例を示す図であり、(a)は貯留容器を複数個直列状に接続した例を示す図、(b)は貯留容器を複数個並列状に接続した例を示す図である。
符号の説明
1 真空加熱炉
2 加熱手段
3 排気管
4 1次凝縮器
4a,4b 貯留容器
5 補助ポンプ
6a,6b 2次凝縮器
7 真空ポンプ
8 排ガス処理装置
A 除染装置
V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7 排出バルブ

Claims (6)

  1. 予め溶剤等を使用して洗浄処理したPCB汚染物を真空加熱炉内に収容し、前記PCB汚染物に付着しているPCBや溶剤等の各物質の沸点に基づいて設定した複数の異なる設定圧力下において所定温度で所定時間真空加熱処理を行って、前記PCB汚染物からPCBや溶剤等の各物質を個別に蒸発・除去するとともに、前記PCB汚染物から蒸発・除去したPCBや溶剤等の各物質を、前記真空加熱炉の後段に配設した複数の凝縮器において所定温度に保持された冷媒と接触させることで冷却・液化して回収するように構成したことを特徴とするPCB汚染物の除染装置。
  2. 前記PCB汚染物からPCBや溶剤等の各物質を個別に蒸発・除去させる際の各設定圧力は、前記PCBや溶剤等の各物質の沸点が、真空加熱炉の直後に配設した1次凝縮器における冷媒の温度を下回らない圧力に設定するように構成したことを特徴とする請求項1記載のPCB汚染物の除染装置。
  3. 前記PCB汚染物に付着しているPCBや溶剤等の各物質は、真空加熱炉内を大気圧から沸点の最も高い物質を蒸発・除去する際の設定圧力まで減圧する過程において、沸点の低い物質から順次個別に蒸発・除去するように構成したことを特徴とする請求項1または2記載のPCB汚染物の除染装置。
  4. 前記PCB汚染物に付着している溶剤等の物質は、前記PCB汚染物の温度を、該PCB汚染物からPCBを蒸発・除去することが可能な温度まで昇温する過程において、前記PCB汚染物から蒸発・除去するように構成したことを特徴とする請求項1ないし3記載のPCB汚染物の除染装置。
  5. 前記真空加熱炉の直後に配設した1次凝縮器から所定の容器へ液化されたPCBや溶剤等の各物質を排出するための排出バルブを、前記所定の容器に既に排出・回収されている物質よりも沸点の高い物質をPCB汚染物から蒸発・除去するために真空加熱炉内の圧力を所定の設定圧力へ減圧する段階で閉鎖するように構成したことを特徴とする請求項1ないし3記載のPCB汚染物の除染装置。
  6. 前記所定の容器を、1次凝縮器に対して複数個直列状、あるいは、並列状に配設するように構成したことを特徴とする請求項5記載のPCB汚染物の除染装置。
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