JPH09191718A - 施肥田植機における作業用クラッチ機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 植付の始めと終りのタイムラグによる施肥、
施薬が不足、あるいは、植付終了時に植付箇所以外に施
肥、施薬したりするような二重作業等の支障の解消、生
育ムラや部分障害等の支障を解消する 【構成】 複合作業における植付等の主作業用クラッチ
の断続切換のレバーストローク範囲内に、施肥等の補助
作業用クラッチの断続切換のレバーストロークを設定
し、主作業用クラッチと補助作業用クラッチとの操作
を、一本のクラッチレバーにて行うべく構成し、植付等
の主作業用クラッチの断続切換と施肥等の補助作業用ク
ラッチの断続切換の動作時期をずらせるよう構成してな
る施肥田植機における作業用クラッチ機構。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、施肥田植機における
作業用クラッチ機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、複合作業たとえば補助作業である
施肥、施薬を行いつつ主作業である田植作業を行う施肥
田植機等においては、主作業用クラッチである植付クラ
ッチと補助作業用クラッチである施肥クラッチとを連動
させて植付クラッチの断続操作と同時に施肥クラッチの
断続操作が同じタイミングで行われるように構成されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、主作業用クラ
ッチである植付クラッチが入って植付作業が開始されて
も、補助作業用クラッチである施肥クラッチは同時に入
っているにもかかわらず、肥料が施肥ホッパーから下端
の施肥口に至るまで所要時間を要し、植付開始後しばら
くは施肥されない状態を生起する。

【０００４】反対に、植付クラッチを切っても、施肥ホ
ッパーと施肥口の間に滞溜した肥料は施肥されて植付個
所以外に施肥が無駄になされる欠点を有し、植付圃場で
の生育ムラを生じ、更には、施肥以外で薬剤の施薬作業
を行う場合には、薬剤施薬がなされない個所を生起し部
分障害の原因となる等の欠点を有していた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明では、複合作業
における植付等の主作業用クラッチの断続切換のレバー
作動ストローク範囲内に、施肥等の補助作業用クラッチ
の断続切換個所を設定し、主作業用クラッチと補助作業
用クラッチとの操作を、一本のクラッチレバーにて行う
ように構成し、植付等の主作業用クラッチ(18)の断続切
換と施肥等の補助作業用クラッチ(19)の断続切換の動作
時期をずらせるよう構成してなる施肥田植機等の複合作
業機における作業用クラッチ機構を提供せんとするもの
である。

【０００６】

【発明の効果】この発明によれば、主作業用クラッチの
レバーストローク範囲内に、補助作業用クラッチレバー
ストロークが設定され、植付等の主作業用クラッチの断
続切換と施肥等の補助作業用クラッチの断続切換の動作
時期をずらせるよう構成しているので、たとえば、植付
作業と施肥、又は施薬作業との関連において、植付の始
めと終りのタイムラグによる施肥、施薬が不足、あるい
は、植付終了時に植付箇所以外に施肥、施薬したりする
ような二重作業等の支障がなく、従って、施肥、施薬が
なされていない植付個所を生起せず、生育ムラや部分障
害等の支障も解消できる効果を有する。

【０００７】また、主作業用クラッチと補助作業用クラ
ッチの操作部を並列して設けた一本のクラッチレバーに
て主作業の補助作業を操作することができるとともに、
両クラッチの操作部が並列してコンパクトで簡素化した
形が実現できる、さらに、一本のレバーのストローク操
作範囲内で主作業ストロークと補助作業ストロークを包
含できて、主作業と補助作業の開始、終了が円滑にでき
る。

【０００８】即ち、従来では、主作業と補助作業の開始
を同時に行うので、同時にクラッチが入るために急激な
負荷の増加でエンストするおそれがあるが、本発明によ
ればエンストを防止できるものである。

【０００９】また、従来では、主作業と補助作業の終了
を同時に行うので、同時にクラッチが切れるために急激
な負荷の減少で、アクセルレバーを最増速していると車
速が増速して危険であるが、本発明によれば、車速の増
速が防止できるものである。

【００１０】

【実施例】この発明の実施例を図面にもとづき詳説すれ
ば、Ａは複合作業の一種としての施肥田植機を示してお
り、乗用機本体１の後部に主作業機としての田植機２を
連結し、主作業機としての田植機２には、補助作業機と
しての施肥装置３を装着している。

【００１１】乗用機本体１の後部に連結部材８を介して
連結した主作業機としての田植機２は、植付ミッション
ケース９に、前高後低の苗載台10を設け、苗載台10の下
部に対向して植付爪11を植付装置12を介して配設し、下
方にはフロート13を連設している。

【００１２】フロート13には、作溝具14を連設し、作溝
具14は補助作業機としての施肥装置３と連動連設されて
おり、施肥装置３は田植機２に装着されて、田植機２に
よる植付作業時に施肥作業が行われるべく構成されてい
る。

【００１３】補助作業機としての施肥装置３は、上端に
肥料収納用のホッパー15を設け、ホッパー15下部に肥料
繰出しロール16を設け、同ロール16は、回転駆動横軸17
により回転してホッパー15内から肥料を順次適量繰出し
するものであり、同ロール16の下方には、施肥シュート
17' が連通連設されて、同シュート17' の下端は、作溝
具14に開口位置し、作溝具14にて圃場に形成された溝中
に、肥料を施肥していくように構成している。

【００１４】ここで、主作業機としての田植機２と、補
助作業機としての施肥装置３との動力伝達継続のための
クラッチ機構について説明すると、田植機２の主作業用
クラッチ18としての植付クラッチは、植付ミッションケ
ース９内に設けられ、植付爪11の植付作動への動力伝達
を断続操作すべく設けられ、施肥装置３の補助作業用ク
ラッチ19としての施肥クラッチは、回転駆動横軸17の端
部に設けられ、同横軸17への動力伝達の継続を行い肥料
繰出しロール16の作動断続により施肥断続操作を行うべ
く構成している。 かかる主作業用クラッチ18としての
植付クラッチと、補助作業用クラッチ19としての施肥ク
ラッチは、運転部５に配設したクラッチレバー20により
クラッチ断続操作を行うようにしている。

【００１５】すなわち、クラッチレバー20の基部は、機
体ａに枢支し、同レバー20の下部には、主作業用クラッ
チ18としての植付クラッチの植付ワイヤー22の端部を連
結し、同レバー20の上部には、補助作業用クラッチ19と
しての施肥クラッチの施肥ワイヤー23の端部を連結し、
主作業用クラッチ18の断続操作のレバーストロークＬの
範囲内に、補助作業用クラッチ19の断続操作のレバース
トロークＳが設定されるように構成している。

【００１６】しかも、主作業用クラッチ18、及び補助作
業用クラッチ19の断続のクラッチレバー位置は、それぞ
れ同位置側に位置するように構成しているので、主作業
用クラッチ18が切れる前に補助作業用クラッチ19が切
れ、主作業用クラッチ18が入る前に補助作業用クラッチ
19が入ることになる。よって、植付等の主作業用クラッ
チ18の断続切換と施肥等の補助作業用クラッチ19の断続
切換の動作時期をずらせるよう構成されるものである。

【００１７】24は、クラッチレバー20のケース、25,26
は植付ワイヤー22と施肥ワイヤー23のそれぞれのアウタ
ーワイヤー、27,28 は各アウターワイヤー25,26 の端部
の固定部、29は、施肥ワイヤー23の端部の取付金具30と
クラッチレバー20との間に介装したスプリングであり、
植付ワイヤー22及び施肥ワイヤー23をそれぞれ引張って
各クラッチ操作する際、施肥ワイヤー23端部とクラッチ
レバー20との間の間隙部分の連結調整を行うものであ
る。なお、補助作業としては、施肥以外に施薬作業もあ
り、主作業と補助作業の種類は問わないものであり、各
種作業に応じてそれぞれの作業用装置が使用されるもの
である。

【００１８】この発明の実施例は上記のように構成され
ているものであり、複合作業たとえば、植付と施肥作業
を行う場合には、乗用機本体１にて走行しつつ主作業機
としての田植機２を牽引して植付爪11にて苗の植付を行
い、かつ補助作業機としての施肥装置３のホッパー15か
ら作溝具14へ肥料の搬送をして施肥作業を行うものであ
る。

【００１９】かかる植付、施肥の始動及び停止は、クラ
ッチレバー20の操作にて行うものであり、同レバー20が
主作業用クラッチ18である植付クラッチ及び補助作業用
クラッチ19である施肥クラッチを共に切断した状態にあ
るときから操作を説明すると、同レバー20を、枢支部21
を中心に各クラッチ18,19 が入る方向に回動すれば、ま
ず、補助作業用クラッチ19である施肥クラッチが入っ
て、一定のタイムラグをおいて主作業用クラッチ18であ
る植付クラッチが入ることになる。従って、植付作業が
始動する前に施肥装置３が始動し、ホッパー15から施肥
シュート17を介して作溝具14に肥料が至るとき、初めて
植付作業が始まり、施肥と植付とが同時にタイミングを
合せられるものである。他方、施肥及び植付作業を停止
する場合は、クラッチレバー20をクラッチ切断方向に回
動すれば、先に補助作業用クラッチ19である施肥クラッ
チが切断され、次いで一定のタイムラグをおいて主作業
用クラッチ18である植付クラッチが切断されることにな
る。

【００２０】従って、補助作業用クラッチ19である施肥
クラッチの作動が停止しても施肥シュート17中に残留し
た肥料は、圃場に供給されており、当然その間は植付作
業はなされ、一定のタイムラグをおいて植付作動が停止
したときには、残留肥料はすべて供給されて、残留肥料
の終了と同時に植付作動も停止することになるものであ
り、かかる各クラッチ18,19のタイムラグの調整は、補
助作業用クラッチ18である施肥クラッチのレバーストロ
ークＳが主作業用クラッチ18である植付クラッチのレバ
ーストロークＬの範囲内に設定されることにより行われ
ている。

【００２１】本発明は、複合作業における主作業用クラ
ッチと補助作業用クラッチの操作部を並列して設けると
ともに、主作業用クラッチの断続切換のレバーストロー
ク範囲内に、補助作業用クラッチの断続切換のレバース
トロークを設定し、主作業用クラッチと補助作業用クラ
ッチとの操作を、一本のクラッチレバーにて行うべく構
成し、植付等の主作業用クラッチの断続切換と施肥等の
補助作業用クラッチの断続切換の動作時期をずらせるよ
う構成して、主作業用クラッチが切れる前に補助作業用
クラッチが切れ、主作業用クラッチが入る前に補助作業
用クラッチが入るよう、一本のクラッチレバーの単一レ
バーストローク操作範囲を設けたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案機構の施肥田植機を示す全体側面図。

【図２】同平面図。

【図３】同要部の断面説明図。

【符号の説明】

Ａ 施肥田植機 Ｌ 主作業用クラッチのレバーストローク Ｓ 補助作業用クラッチのレバーストローク ２ 田植機 ３ 施肥装置 18 主作業用クラッチ 19 補助作業用クラッチ 20 クラッチレバー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複合作業における植付等の主作業用クラ
   ッチ(18)の断続切換のレバーストローク(L) 範囲内に、
   施肥等の補助作業用クラッチ(19)の断続切換のレバース
   トローク（S)を設定し、主作業用クラッチ(18)と補助作
   業用クラッチ(19)との操作を、一本のクラッチレバー(2
   0)にて行うべく構成し、植付等の主作業用クラッチ(18)
   の断続切換と施肥等の補助作業用クラッチ(19)の断続切
   換の動作時期をずらせるよう構成してなる施肥田植機に
   おける作業用クラッチ機構。