JPH09189432A - 床置き型換気空調装置 - Google Patents

床置き型換気空調装置

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JPH09189432A
JPH09189432A JP168096A JP168096A JPH09189432A JP H09189432 A JPH09189432 A JP H09189432A JP 168096 A JP168096 A JP 168096A JP 168096 A JP168096 A JP 168096A JP H09189432 A JPH09189432 A JP H09189432A
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JP
Japan
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air
heat exchange
air passage
air supply
cooling
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JP168096A
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Takashi Takahashi
隆 高橋
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】床置き型換気空調装置において、加湿エレメン
トを装備し、加湿効率及び熱交換効率に優れた小型のも
のを提供すること。 【解決手段】長手方向幅が本体ケーシング1の左右方向
幅と略等しい熱交換エレメント2を、横向きで配置し
た。熱交換エレメント2の上方には、室外空気が上向き
に流れる給気風路9と、室内空気が下向きに流れる排気
風路8がある。熱交換エレメント2の上方の給気風路9
には、冷却・加熱コイル41及び透湿膜式の加湿エレメ
ント31が通風方向にこの順で配置される。加湿エレメ
ント31の左右方向幅は、冷却・加熱コイル41の幅よ
りも広く、熱交換エレメント2の幅よりも狭い。給気風
路9は、冷却・加熱コイル41から加湿エレメント31
へ拡がり状となる。排気風路8は、熱交換エレメント2
側へ拡がり状となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床面等に設置され
て、室外から室内に導入される空気と室内から室外へ排
出される空気との間で、熱交換させつつ換気する床置き
型換気空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、室内の空気調和に要するエネ
ルギを低減すると共に、快適な空気調和を実現するため
に、室外から室内に導入される空気(給気)と室内から
室外へ排出される空気(排気)との間で、熱交換を行わ
せ、室内空気との温度差を低減した状態で室外空気を室
内に導入するようにした換気空調装置が提供されてい
る。
【0003】このような換気空調装置は、ビル等の建物
では、天井裏に吊り下げて使用する場合が多かったが、
メンテナンスかやりづらく、またメンテナンスのために
天井面に点検口を設けなければならず、工事費がかかる
という問題があった。そこで、床置き型の換気空調装置
が提供されている(特公平7−3296号公報参照)。
このような床置き型では、室内スペースを広くしたいと
いう要請から壁に沿って設置される場合が多く、従っ
て、本体ケーシングとしては、縦長即ち上下に長い形と
なり、給気風路や排気風路も大部分が上下に延びるよう
に配置されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、冬場に室内が乾
燥するのを防止するために、室内に供給される空気を加
湿したいという要請がある。そこで、加湿エレメントを
上記の床置き型の換気空調装置の給気風路に装備するこ
とが考えられる。従来、加湿エレメントとしては、超音
波式や流下式のものがあるが、これらの方式では、上面
が給気通路に開放した水溜部が必要となり、下方から流
れてくる空気を加湿する場合、水溜部の底面や壁面を回
り込む形態となるので、通路長が長くなると共に通風抵
抗が大きくなるという問題がある。
【0005】また、室内スペースを広く確保するため
に、本体ケーシングが小型であることが必要であり、そ
のためには、加湿エレメントも小型であることが好まし
い。ところが、室外空気の温度が低い場合には、加湿エ
レメントの加湿効率が低くなってしまう結果、所要の加
湿量を確保するためには大型の加湿エレメントを使用せ
ざるを得ず、その結果、本体ケーシングも大型になって
しまう。
【0006】一方、通常、給気風路と排気風路の一部は
並べて配置されるが、この部分の給気風路に上記の加湿
エレメントを配置した場合、この部分の排気風路が狭く
なり、流れが悪くなって、熱交換効率が低下するおそれ
がある。本発明は上記課題に鑑みてなされたものであ
り、本発明の目的は、加湿効率及び熱交換効率に優れた
小型の床置き型換気空調装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、 1)請求項1に係る発明は、床置き型の本体ケーシング
内に、室外から室内に至る給気風路と室内から室外へ至
るの排気風路とを独立に構成し、両風路の途中を熱交換
エレメントで構成した床置き型換気空調装置において、
上記熱交換エレメントは、その給気側吹出面及び排気側
吸込面を上向きに傾斜させ且つ長手方向が本体ケーシン
グの左右方向に沿うように配置され、熱交換エレメント
の長手方向幅が本体ケーシングの左右方向幅と略等しく
設定され、上記給気風路及び排気風路の一部は、上記熱
交換エレメントの上方において、左右に並べて配置され
て互いに仕切り板で仕切られ、熱交換エレメントの上方
の給気風路には、冷却・加熱コイルが配置されると共
に、この冷却・加熱コイルの上方の給気風路には、空気
吸込面が給気風路を横断する、透湿膜式の加湿エレメン
トが配置され、冷却・加熱コイルの左右方向幅が加湿エ
レメントの左右方向幅よりも狭くなっており、これに応
じて、給気風路の通路幅が冷却・加熱コイルから加湿エ
レメントへと拡がり状になるように、上記仕切り板の少
なくとも一部が傾斜されていることを特徴とするもので
ある。
【0008】上記構成では、下記の作用を奏する。即
ち、通常、冷却・加熱コイルや透湿膜式加湿エレメント
の幅は、熱交換エレメントの幅よりも狭く、冷却・加熱
コイルの幅は加湿エレメントの幅よりも狭いので、熱交
換エレメントの幅と略同等幅の本体ケーシングを採用す
ることにより、給気と排気の間での熱交換、空気の冷暖
房、及び加湿を1台の装置で行いながら、全体をコンパ
クトにすることができる。
【0009】また、熱交換エレメントの上方において、
給気風路の通路幅が、吸込面を給気風路に横断させた加
湿エレメント側にいくにしたがって拡がり、また、排気
風路の通路幅が、熱交換エレメント側にいくにしたがっ
て、拡がることになる。したがって、熱交換エレメント
の上方において、加湿エレメント全体に一様に空気が流
れるようにして、加湿効率を向上でき、しかも、排気風
路において熱交換エレメント側への流れを良くして、熱
交換効率を向上させることができる。
【0010】さらに、透湿膜式の加湿エレメントを用い
たので、給気風路がコンパクトになる。即ち、超音波式
や流下による自然蒸発式の加湿器では、給気通路に開放
した水溜部が必要となり、下方から流れてくる空気を加
湿する場合、水溜部の壁面を回り込む形態となるので、
通路長が長くなると共に通風抵抗が大きくなるという問
題がある。これに対して、本発明では、透湿膜を用いた
ので、通路長や通風抵抗を増大させることなく十分な加
湿能力を確保することができる。 2)請求項2に係る発明は、請求項1記載の床置き型換
気空調装置において、上記排気風路は、熱交換エレメン
トを通過する熱交換換気風路と、熱交換エレメントを迂
回する普通換気風路とを含み、両風路の一部は、本体ケ
ーシングの一側部に仕切り板によって前後に仕切られて
並列に配置されていることを特徴とするものである。
【0011】上記構成では、熱交換換気風路と普通換気
風路の一部が、本体ケーシングの一側部側で前後に併設
されることになり、本体ケーシングをコンパクトにする
ことができる。このようにコンパクトでありながら熱交
換換気と普通換気が行える。
【0012】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の一実施形態に係
る床置き型換気空調装置の内部の概略構成を示す模式的
斜視図であり、図2は上記空調装置の分解斜視図であ
り、図3は上記空調装置の前面パネルを取り去った状態
の正面図である。また、図4は上記空調装置の要部の一
部破断斜視図である。
【0013】図1ないし図3を参照して、本床置き型換
気空調装置A(以下、単に空調装置Aという)は、屋外
からの給気Sと室内からの排気Eとの間で熱交換エレメ
ント2を介して熱交換させつつ換気すると共に、給気S
を加湿するものである。1は縦長の箱型をした床置き可
能な本体ケーシングであって、底板11、天板12、左
側板13、右側板14、後板15、及び第1〜第4パネ
ル16a〜16dからなる前面パネル16により構成さ
れている。天板12には、給気のための室内側吹出口4
と排気のための室内側吸込口5が設けられ、左側板13
には、排気のための室外側吹出口6が設けられ、右側板
14には、給気のための室外側吸込口7が設けられてい
る。各吹出口4,6及び各吸込口5,7はそれぞれ対応
するダクト(図示せず)に連結される。前面パネル16
の各パネル16a〜16dは、それぞれ左右の側板1
3,14に対してビス止めされており、各パネル16a
〜16dを個別に着脱できるようになっている。
【0014】本体ケーシング1内には、給気用ファンモ
ータ17M、透湿膜式の加湿エレメント31、冷却・加
熱コイル41、熱交換エレメント2、排気用ファンモー
タ18M及び電装品ボックス49等の被メンテナンス部
材が収容されており、前面パネル16を構成する各パネ
ル16a〜16dを個別に取り外すことにより、上記の
被メンテナンス部材に対して略個別にメンテナンスが行
えるようになっている。即ち、第1パネル16aを取り
外すことにより、給気用ファンモータ17M及び加湿エ
レメント31に対するメンテナンスが前方から行える。
また、第2パネル16bを取り外すことにより、冷却・
加熱コイル41に対するメンテナンスが前方から個別に
行える。また、第3パネル16cを取り外すことによ
り、熱交換エレメント2に対するメンテナンスが前方か
ら個別に行える。第4パネル16dを取り外すことによ
り、排気用ファンモータ18M及び電装品ボックス49
に対するメンテナンスが前方から個別に行える。
【0015】本実施形態のような床置き型の空調装置A
は、壁際や室内の隅部に配置される場合が多く、この場
合、空調装置Aの前方の空間が最も広くて作業空間とし
て適している。これに対して本発明では、全ての被メン
テナンス部材が、前方からメンテナンス可能なので、非
常に作業性が良い。また、一般に、被メンテナンス部材
に対する、交換を含めたメンテナンス頻度は、個別に相
違する。一の被メンテナンス部材をメンテナンスするた
めに、仮に前面パネル16全体を取り外さねばならない
とすると、非常に面倒である。これに対して、本発明で
は、前面パネル16が複数のパネル16a〜16dに分
割されており、メンテナンスしようとする被メンテナン
ス部材に対応するパネル16a〜16dのみを取り外せ
ば良いので、メンテナンス作業が非常に容易になる。
【0016】また、本体ケーシング1内には、第1から
第4までの支持板21〜24が上から順に平行に配置さ
れている。本体ケーシング1内には、室内側吸込口5か
ら室外側吹出口6に至る排気風路8と、室外側吸込口7
から室内側吹出口4に至る給気風路9とが形成されてい
る。給気風路9は、下方から上方に向かって室外空気を
流しており、排気風路8は上方から下方に向かって室内
空気を流している。熱交換エレメント2よりも上方にお
いて、給気風路9と排気風路8は、互いに第1仕切板2
5及び第2仕切板26によって仕切られた状態で、空調
装置Aの左右に並べて配置されている。この並べられた
部分における給気風路9には、ドレンパン42、冷却・
加熱コイル41、加湿エレメント31、給気用ファン1
7が下から上へこの順で配置されている。
【0017】加湿が要求される冬場等には、熱交換エレ
メント2で暖められた給気風路9の空気を加湿エレメン
ト31に供給でき加湿効率を向上できる。上記の冷却・
加熱コイル41としては、プレートファンコイルからな
り、冷却専用、加熱専用、及び冷却加熱兼用の何れのタ
イプでも使用可能である。また、冷却・加熱コイル41
は、コイル内で直接冷媒を蒸発若しくは凝縮させる直接
式のものでも、コイル内に冷水、温水等の二次冷媒を通
す間接式のものでも良い。この加熱・冷却コイル41が
加熱に使用された場合には、熱交換エレメント2を通過
した空気を、冷却・加熱コイル41によってさらに暖め
て、加湿エレメント31に供給できる結果、加湿効率を
格段に向上させることができる。したがって、十分な加
湿能力を小型の加湿エレメント31によって実現でき、
空調装置A全体を小型にすることができる。
【0018】なお、熱交換エレメント2の下方にドレン
パン2を配置しない場合には、熱交換エレメント2の下
方の給気風路9を広く確保でき、通気抵抗の少ない給気
風路9が得られる。これに対して、先行技術(特公平7
−3296)のように、風路を熱交換エレメントの側方
に設けた場合には、風路の断面積が小さくなっりり、風
路の曲がりが増えて通気抵抗が大きくなったりする欠点
がある。
【0019】また、図1及び図4を参照して、上記並べ
られた部分における排気風路8は、前面側に位置する主
風路第1室50及び主風路第2室51からなる主風路
と、後面側に位置するバイパス第1室52,バイパス第
2室53及びバイパス第3室54からなるバイパス風路
に分岐している。即ち、排気風路8は、前者の主風路を
含み熱交換エレメント2を通過する熱交換換気風路E1
と、後者のバイパス風路を含み熱交換エレメント2を迂
回する普通換気風路とにより構成されている。このよう
に、熱交換換気風路E1と普通換気風路E2の一部が、
本体ケーシング1の一側部側で前後に併設されることに
なり、空調装置Aをコンパクトにすることができる。即
ち、コンパクトでありながら熱交換換気と普通換気が行
えることになる。
【0020】熱交換エレメント2の左右方向幅(長手方
向幅)は、本体ケーシング1の左右方向幅に略等しく、
また、並べられた複数の加湿エレメント31の左右方向
幅よりも広い。また、冷却・加熱コイル41の左右方向
幅は、複数の加湿エレメント31の左右方向幅よりも狭
くなっている。これに応じて、第2仕切板26は、段折
れ状になっており、下方から上方へ空気を流す給気風路
9の通路幅は、冷却・加熱コイル41から加湿エレメン
ト31へと拡がり状になっている。したがって、加湿エ
レメント31全体に一様に空気が流れるようにして、加
湿効率を向上できる。
【0021】一方、上方から下方の熱交換エレメント2
側へ空気を流す排気風路8(即ち、前面側の熱交換換気
風路E1)の通路幅は、熱交換エレメント2側にいくに
したがって拡がり状となっている。したがって、熱交換
エレメント2側への排気風路の流れを良くして、熱交換
効率を向上させることができる。しかも、透湿膜式の加
湿エレメント31を用いたので、超音波式や自然蒸発式
の加湿器のように通路長や通風抵抗を増大させることが
なく、十分な加湿能力を確保することができる。
【0022】というのは、透湿膜式の加湿エレメント3
1は、空気の水とを透湿膜を介して接触させるものであ
り、透湿膜のみによって区画された空間、或いは透湿膜
及び加湿エレメントのシェル(箱体)によって区画され
た空間内に、実質的に水が密封される。したがって、透
湿膜式の加湿エレメント31は、どの方向に向けて配置
しても、水がこぼれることがなく、また、加湿エレメン
ト31を通過する通風路を、給気方向である上下方向に
沿わせることが可能であるため、通路長を短くできると
共に通風抵抗を少なくすることができる。これに対し
て、超音波式や自然蒸発式の加湿器では、上面において
給気風路に開放した水溜め部が必要であり、これを上下
方向に空気が流れる給気風路に配置して空気を加湿する
場合、空気が水溜め部の底面や側面を回り込む形態とな
るので、通路長が長くなると共に、通風抵抗が増大する
わけである。
【0023】また、上記のように熱交換エレメント2の
幅と略同等幅の本体ケーシング1内に、これより幅の狭
い冷却・加熱コイル41や透湿膜式加湿エレメント31
を採用することにより、給気と排気の間での熱交換、空
気の冷暖房、及び加湿を1台の装置で行いながら、空調
装置A全体をコンパクトにすることができる。排気Eの
流れは、排気通路8の終端において底板11に固定され
た状態で排気ファン室20に収容され且つ排気用ファン
モータ18Mにより回転駆動される排気用ファン18よ
って生成される。給気Sの流れは、給気通路9の終端に
おいて第1支持板21に固定された状態で給気ファン室
19に収容され且つ給気用ファンモータ17Mにより回
転駆動される給気用ファン17により生成される。各フ
ァンモータ17M,18Mは、対応するファン17,1
8よりも前方側に配置されている。給気用ファン17と
給気用ファンモータ17Mとによって給気ファンユニッ
ト17U(図2及び図3参照)が構成されており、排気
用ファン18と排気用ファンモータ18Mとによって排
気ファンユニット18U(図2及び図3参照)が構成さ
れている。
【0024】天板11と第1支持板21との間には、前
面パネル16の第1パネル16a及び後板15によっ
て、給気用ファン17を収容するための給気ファン室1
9が区画されている。この給気ファン室19は、第1仕
切板21によって排気風路8と仕切られている。第1支
持板21には、給気ファン室19を下方の給気風路9に
連通する複数の開口21aが形成されている。また、加
湿エレメント31内の水溜空間Vに給水ホース35を介
して水を補給するための給水タンク36が配置されてい
る。この給水タンク36には、水を圧送する配管37が
接続され、この配管37には電磁式開閉弁38が配置さ
れている。一方、給水タンク36内には、高水位及び低
水位を検出するフロートスイッチ(図示せず)が配置さ
れ、このフロートスイッチが低水位及び高水位を検出す
ることにそれぞれ応じて、開閉弁38が開閉されること
により、給水タンク36内が一定水位に維持されるよう
になっている。給水タンク36から加湿エレメント31
へは水の落差を利用して、加湿エレメント31内の水の
減少に応じて水が自動的に補給される。
【0025】天板12と第1支持板21との間には、後
板15及び前面パネル16の第1パネル16aによっ
て、給気ファン室19及び排気連通室46が区画されて
いる。これら給気ファン室19と排気連通室46とは、
第1仕切板25によって仕切られている。排気連通室4
6には、熱交換換気のための開口29a及び普通換気の
ための開口29bを有するV字板29が収容されてお
り、このV字板29によって排気連通室内46に、上記
した主風路第1室50とバイパス第1室52が区画され
ている。V字板の両開口29a,29bは板状のダンパ
30によって択一的に閉じられ、上記した主風路を含む
熱交換換気風路と、バイパス風路を含む普通換気風路と
に切り換えられるようになっいる。上記のダンパ30は
電動モータ34(図3参照)によって駆動されるように
なっている。
【0026】第1支持板21と第2支持板22との間に
は、前面パネル16の第2パネル16b,後板15及び
第2仕切板26によって、加湿室40が区画されてお
り、この加湿室40には、複数の加湿エレメント31が
左右に並べて配置されている。第2支持板22は、加湿
エレメント31の前端部を支持するステー部材22a
と、このステー部材22aと後板15との間に架設され
て加湿エレメント31の前後移動を案内する複数のガイ
ド板22bとにより構成されている。上記の第2仕切板
26と第3仕切板27との間に、上記主風路第2室51
とバイパス第2室53が、第4仕切板28により前後に
仕切られた状態で形成されている。また、第3仕切板2
7、第4支持板24及び右側板14によって、前面パネ
ル16と後板15との間に、上記したバイパス第3室5
4が区画されている。上記第3仕切板27は、バイパス
第2室53とバイパス第3室54とを連通する開口27
aを有していると共に、バイパス第3室54と後述する
室10Bを連通する開口27bを有している。
【0027】給気風路9の概略構成を示す模式的側面図
である図5を参照して、上記加湿エレメント31は、直
方体形状をしたシェル32と、このシェル32内に多数
束ねて収容された透湿膜(疎水性多孔質膜)からなる加
湿パイプ33とを備えている。即ち、本加湿エレメント
31は透湿膜を用いた自然蒸発式であり、その空気吸込
面31aが、下方から上方に延びる給気風路9を横断す
るように配置されており、加湿エレメント31全体に一
様に空気を通過させることができるようになっている。
加湿パイプ33の両端部はシェル32の対向する上下の
壁面に貫通された状態で、加湿パイプ33内の空間は、
その両端部を通してシェル32の外部に連通され、上下
に延びる通風路を形成している。また、加湿パイプ33
の周壁によって、加湿パイプ33内部の通風路とシェル
32外部の水溜め空間Vとが仕切られている。また、加
湿エレメント31の前面を構成する、シェル32の前面
32aには、給水ホース35の一端を接続する接続口3
2bが設けられている。前面パネル16の第1パネル1
6aを取り外して得られるメンテナンス開口を通して加
湿エレメント31を前方へ取り外す際には、給水ホース
35を加湿エレメント31から取り外す作業が必要とな
るが、給水ホース35を接続するための接続口32bを
加湿エレメント31の前面32aに設けたので、上記取
り外し作業が非常に簡単に行える。その結果、加湿エレ
メント31の交換等のメンテナンスが容易となる。
【0028】上記第1支持板21の前縁は、折り曲げ状
のフランジ部21dを構成しており、このフランジ部2
1bと前面パネル16の第1パネル16aとの間に、給
水ホース35の通過空間48が形成されている。このよ
うに、第1支持板21の前縁に折り曲げ状のフランジ部
21bを形成したので、第1支持板21の強度を向上で
きると共に、第1支持板21の給水ホース35に対する
エッジ当たりを回避することができる結果、給水ホース
35の傷付きを防止することができる。
【0029】上記の上下に延びる加湿パイプ32内の通
風路が給気風路9の一部を構成しており、迂回等をする
ことなく、給気風路9内の通気流は、加湿エレメント3
1を下方から上方へそのまま真っ直ぐに通過していくの
で、従来の超音波式や流下型自然蒸発式のように通風抵
抗が増大したりすることがない。なお、加湿エレメント
31は、透湿膜を介して空気と水を接触させ、空気が通
過するときに、透湿膜を通った水蒸気により空気を加湿
するものであれば良く、したがって、図5に示すように
透湿膜がパイプ状になっているものに限定されるもので
はなく、袋状の透湿膜の内部に水を溜める構造のもので
あっても良い。また、透湿膜は水を通さず、水蒸気を通
すものであるが、雑菌等も通し難いので、クリーンな加
湿を行うことができる。
【0030】冷却・加熱コイル41は、第2支持板22
と第3支持板23との間で上端部が後方に位置するよう
に傾斜しており、装置外に配置される熱源機(図示せ
ず)によって生成された冷却熱媒又は加熱熱媒を導通さ
せる公知の構成のものである。冷却・加熱コイル41
は、左右方向に延びる一対のステー部材45によって上
下の端部を固定されている。
【0031】図5を参照して、この傾斜状の冷却・加熱
コイル41の下端は、ドレンパン42の上方に位置して
おり、冷却・加熱コイル41の下方には、当該冷却・加
熱コイル41から垂れる水滴をドレンパン42に導くた
めの複数の案内板47が配置されている。これらの案内
板47は、ドレンパン42側が低くなるように水平に対
して若干傾斜していると共に、各案内板47同士間に通
気を良好にできるように、所定の間隔が確保されて、階
段状に配置されている。冷却・加熱コイル41から垂れ
る水滴は、階段状の各案内板47を下方へ順次に辿って
ドレンパン42に導かれる。図6を参照して、上記の案
内板7は、板状の主体部47aの両側縁に取り付けのた
めのフランジ47bを有し、また、後縁部に水の上方へ
の飛散を防止するためのフランジ47cを有している。
【0032】図5に示すように、ドレンパン42は、熱
交換エレメント2の給気側吹出面2bの上方ではなく、
排気側給気面2aの上方に配置されている。熱交換エレ
メント2の給気側吹出面2bから上方の冷却・加熱コイ
ル41へ至る流れが、ドレンパン42によって遮られ
ず、このためドレンパン42を迂回したりする必要もな
い。したがって、熱交換エレメント2から冷却・加熱コ
イル41への通風路を短くしつつ通風抵抗を少なくする
ことができる。
【0033】また、万一、加湿エレメント31から水漏
れが生じたとしても、漏れだした水は、下方の傾斜した
冷却・加熱コイル41によって受けられ、該冷却・加熱
コイル41によって案内されて、ドレンパン42に導か
れる。即ち、熱交換エレメント2用のドレンパン42が
加湿エレメント31のドレンパンも兼ねることになる結
果、空調装置A全体をコンパクトにすることができる。
また、万一、冷却・加熱コイル41では案内できないほ
どの多量の水が、加湿エレメント31から漏れたとして
も、漏れた水は、階段状の案内板47によって順次に受
けられながら、ドレンパン42へと導かれ、他の部分に
全く影響を与えない。なお、案内板47間には十分な広
さの空気通路が確保されるので、通風抵抗の増大は殆ど
ない。
【0034】しかも、加湿エレメント31に対して、熱
交換エレメント2を通過して十分に暖められた空気を通
過させることができ、加湿効率を向上させることができ
る。その結果、十分な加湿能力を小型の加湿エレメント
31によって実現できるので、空調装置A全体を小型に
することができる。特に、冷却・加熱コイル41を加熱
に使用する場合には、熱交換エレメント2を通過して暖
められた空気を冷却・加熱コイル41によってさらに暖
めて加湿エレメント31に供給することができるので、
加湿効率を格段に向上させることができる結果、小型の
加湿エレメント31によって十分な加湿能力を確保しつ
つ空調装置A全体を小型にすることができる。
【0035】第3支持板23には、熱交換エレメント2
の給気側吹出面2bから吹き出された室外空気を上方の
冷却・加熱コイル41に導くための開口23aが形成さ
れている。上記のドレンパン42は、この開口23aの
前方において第3支持板23に固定されている。また、
第3支持板23には、熱交換エレメント2の排気側吸込
面2a側に室内空気を通すための開口23bが形成され
ている。
【0036】第3支持板23と第4支持板24との間に
は、後板15、前面パネル16の第3パネル16c及び
第3仕切板27によって、熱交換エレメント室10が区
画されている。熱交換エレメント室10内は、熱交換エ
レメント2が収容されることにより、略三角柱形状の4
つの室10A〜10Dに区画されている。図1を参照し
て、上記の室10Aは、熱交換エレメント2の給気側吹
出面2bに面しており、第3支持板23に形成された開
口23aを通して冷却・加熱コイル41側に連通してい
る。
【0037】上記の室10Bは、熱交換エレメント2の
排気側吹出面に面しており、第4支持板24に形成され
た開口24aを介して、排気ファン室20に連通されて
いると共に、第3仕切板27に形成された開口27bを
介して排気風路8(普通換気風路E2)のバイパス第3
室54に連通されている。上記の室10Cは、熱交換エ
レメント2の給気側吸込面2cに面しており、第4支持
板24に形成された開口24bを介して、下方の給気連
通室43に連通されている。
【0038】上記の室10Dは、熱交換エレメント2の
排気側吸込面2aに面しており、第3支持板23に形成
された開口23bを介して、排気風路8(熱交換換気風
路E1)の主風路第2室51に連通されている。熱交換
エレメント2は、多数のライナが所定間隔毎に積層さ
れ、積層方向に長い略四角柱形状をした公知の構成(例
えば特公昭47−19990号公報参照)のものであ
る。熱交換エレメント2の長手方向(即ちライナの積層
方向)は、水平であって、本体ケーシング1の左右方向
に沿わされており、熱交換エレメント22の長手方向幅
は、本体ケーシング1の左右方向幅と略等しく設定され
ている。
【0039】また、熱交換エレメント2の排気側吸込面
2aと給気側吹出面2bは上向きに傾斜している。ま
た、上記の排気側吸込面2aと給気側吸込面2cには、
フィルタ3が着脱可能に装着されているが、これらの面
2a,2cは、前面パネル16の第3パネル16c側に
面するように前方に向いている。このため、前面パネル
16cを開放することにより、両フィルタ3を前方から
着脱できる結果、フィルタ3に対するメンテナンスを、
熱交換エレメント2を取り外すことなく行うことがで
き、メンテナンス作業が容易となる。
【0040】上記の空調装置Aでは、熱交換エレメント
2を用いた全熱交換換気においては、ダンパ30によっ
て開口29bを閉塞し開口29aを開放させる。そし
て、この状態で、各ファン17,18が運転されること
により、室外空気は、給気側吸込口7→給気連通室43
→開口24b→室10C→熱交換エレメント2→室10
A→開口23a→冷却・加熱コイル41→加湿エレメン
ト31→開口21a→給気ファン室19→室内側吹出口
4に至る給気風路Sを通り、加湿されて室内に給気され
る。また、室内空気は、室内側吸込口5→排気連通室4
6→開口29a→主風路第1室50→開口21b→主風
路第2室51→開口23b→室10D→熱交換エレメン
ト2→室10B→開口24a→排気ファン室20→排気
側吹出口6に至る熱交換換気風路E1を通り、室外へ排
出される。
【0041】一方、春秋等の冷暖房を必要としない中間
期には、熱交換を行わない普通換気が行われる。すなわ
ち、ダンパ30によって開口29aを閉塞し開口29b
を開放させる。これにより、室内空気は、室内側吸込口
5→開口29b→バイパス第1室52→開口21c→バ
イパス第2室53→開口27a→バイパス第3室54→
開口27b→室10B→開口24a→排気ファン室20
→排気側吹出口6に至る普通換気風路E2を通り、室外
へ排出される。室外空気の流れは、全熱交換換気の場合
と同様である。
【0042】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、例えば、前面パネルは、全体を一括して
開閉するものであっても良く、その他、本発明の範囲で
種々の変更を施すことができる。
【0043】
【発明の効果】熱交換エレメントの幅と略同等幅の本体
ケーシング内に、これより幅の狭い冷却・加熱コイルや
透湿膜式加湿エレメントを採用することにより、給気と
排気の間での熱交換、空気の冷暖房、及び加湿を1台の
装置で行いながら、全体をコンパクトにすることができ
る。
【0044】また、熱交換エレメントから上方の加湿エ
レメント側への給気風路が拡がり状となり、加湿エレメ
ント全体に一様に空気が流れるようにして、加湿効率を
向上できる。且つ下方の熱交換エレメントに向かう排気
風路が拡がり状となり、熱交換エレメント側への排気風
路の流れを良くして、熱交換効率を向上させることがで
きる。
【0045】さらに、透湿膜式の加湿エレメントを用い
たので、超音波式や自然蒸発式の加湿器のように通路長
や通風抵抗を増大させることがなく、十分な加湿能力を
確保することができる。請求項2に係る発明では、熱交
換換気と普通換気をコンパクトな本体ケーシングにおい
て達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る床置き型換気空調装
置の概略内部構成を示す模式的斜視図である。
【図2】上記空調装置の分解斜視図である。
【図3】上記空調装置の前面パネルを取り去った状態を
示す正面図である。
【図4】排気の流れを説明するための、上記空調装置の
要部の一部破断斜視図である。
【図5】上記空調装置の内部構成を示す模式的側面図で
ある。
【図6】案内板の斜視図である。
【符号の説明】
A 空調装置(床置き型換気空調装置) 1 本体ケーシング 2 熱交換エレメント 2a 排気側吸込面 2b 給気側吹出面 8 排気風路 9 給気風路 26 第2仕切板 28 第4仕切板 31 加湿エレメント 41 冷却・加熱コイル E1 熱交換換気風路 E2 普通換気風路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】床置き型の本体ケーシング(1) 内に給気風
    路(9) と排気風路(8) とを独立に構成し、両風路(8,9)
    の途中を熱交換エレメント(2) で構成した床置き型換気
    空調装置において、 上記熱交換エレメント(2) は、その給気側吹出面(2a)及
    び排気側吸込面(2b)を上向きに傾斜させ且つ長手である
    ライナの積層方向が本体ケーシング(1) の左右方向に沿
    うように配置され、 熱交換エレメント(2) の長手方向幅が本体ケーシング
    (1) の左右方向幅と略等しく設定され、 上記給気風路(9) 及び排気風路(8) の一部は、上記熱交
    換エレメント(2) の上方において、左右に並べて配置さ
    れて互いに仕切り板(26)で仕切られ、 熱交換エレメント(2) の上方の給気風路(9) には、冷却
    ・加熱コイル(41)が配置されると共に、この冷却・加熱
    コイル(41)の上方の給気風路(9) には、空気吸込面(31
    a) が給気風路(9) を横断する、透湿膜式の加湿エレメ
    ント(31)が配置され、 冷却・加熱コイル(41)の左右方向幅が加湿エレメント(3
    1)の左右方向幅よりも狭くなっており、これに応じて、
    給気風路(9) の通路幅が冷却・加熱コイル(41)から加湿
    エレメント(31)へと拡がり状になるように、上記仕切り
    板(26)の少なくとも一部が傾斜されていることを特徴と
    する床置き型換気空調装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の床置き型換気空調装置にお
    いて、上記排気風路(8) は、熱交換エレメント(2) を通
    過する熱交換換気風路(E1)と、熱交換エレメント(2) を
    迂回する普通換気風路(E2)とを含み、両風路(E1,E2) の
    一部は、本体ケーシング(1)の一側部に仕切り板(28)に
    よって前後に仕切られて並列に配置されていることを特
    徴とする。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011112353A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Toshiba Carrier Corp 空気調和機
WO2012011938A2 (en) * 2010-07-20 2012-01-26 Shereden Energy, Llc Fresh air heat exchanger with air treatment system

Cited By (3)

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WO2012011938A3 (en) * 2010-07-20 2012-05-31 Shereden Energy, Llc Fresh air heat exchanger with air treatment system

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