JPH09188618A - 経皮吸収製剤 - Google Patents
経皮吸収製剤Info
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- JPH09188618A JPH09188618A JP25929694A JP25929694A JPH09188618A JP H09188618 A JPH09188618 A JP H09188618A JP 25929694 A JP25929694 A JP 25929694A JP 25929694 A JP25929694 A JP 25929694A JP H09188618 A JPH09188618 A JP H09188618A
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Abstract
に安定に保存し、皮膚に貼付したとき、薬物を高放出率
で徐放的に経皮投与できる経皮吸収製剤。 【構成】 薬物貯蔵層の薬物放出面を薬物放出制御膜で
被覆して成る経皮吸収製剤において、薬物貯蔵層が一般
式R−A−(U)−F−(U)−B−R′[A,Bはエ
チレンオキシド、プロピレンオキシド等のポリマー、或
はこれらのランダム又はブロックコポリマー;R,R′
はこれらの末端のH,CH3等;Fはジイソシアネート
化合物の二つのイソシアネート基を除いた部分の骨格;
(U)はウレタン結合]で示される親水性且つ熱感応性
ヒトの皮膚温度付近で溶融する性質のセグメント化ポリ
ウレタンを基材とし、且つ、薬物放出制御膜は、架橋さ
れたゼラチン相と未架橋のセグメント化ポリウレタン相
が混在した相分離膜である。
Description
物を徐々に放出させるシステム(TTS;Transdermal
Therapeutic System)である経皮吸収製剤に関する。
化器、呼吸器、鼻腔内、口腔内、舌下、眼、肛門)、
注射(血管、皮下、筋肉)、経皮膚、に分けられる。
このうち、皮膚は薬物の適用部位として古くから用いら
れており、軟膏剤、パスタ剤、リニメント剤、ローショ
ン剤などの多くの剤形がある。しかし、これらは主に皮
膚局所での薬効を期待するものである。
的としたDDS(Drug DeliverySystem)である経皮治
療システム(TTS:Transdermal Therapeutic Syste
m)の開発がなされた。
経口剤と比べると、次のような長所を有する。一定時
間血中濃度を維持でき、持続化が可能である。消化
管、肝臓での初回通過代謝を回避できる。経口剤に伴
う消化管障害や、注射剤による疼痛、組織障害を回避で
きると共に、通院によらない在宅治療が可能である。
投与回数を減らすことにより、服薬遵守が改善される。
随時に剥がすことができ、投与後の吸収の中断が容易
であり、副作用、過剰投与を回避しやすい。半減期の
短い薬物の持続投与が可能である。
どのような薬物に対してもTTS化が技術的に可能であ
り、意義のあることのように思われ、盛んに研究が行わ
れていた。しかし、TTS化の条件には、薬物の分子
量が小さくて融点が低いこと、作用が時間依存的であ
ること、有効血漿中濃度が低いこと、注射剤や経口
剤が現実に持っている問題点を解決できるだけの剤形変
更の意義を見出すことができること、などがある。
物のなかでとりわけ水溶性薬物の透過、吸収が悪い、
皮膚の部位、損傷の状況、個人差などにより、薬物の放
出、吸収に差が出やすい、同一部位への繰り返し貼付
により、カブレの危険性がある、皮膚中の薬物代謝酵
素によって、薬物が無効化する可能性がある、などの問
題がある。その他にも、半減期の短い分解しやすい薬物
を安定保存できる製剤をつくるのが困難である、などの
問題もあり、これらがその後のTTSの進展の障害とな
っている。
を目的とした経皮吸収製剤に使用されている薬物は、乗
物酔い防止のためのスコポラミン、狭心症のためのニト
ログリセリン、硝酸イソソルビット、高血圧症のための
クロニジン、卵胞ホルモン低下に対するエストラジオー
ル、喫煙防止のためのニコチンなど、限られたものであ
る。
物貯蔵層は、薬物の貯蔵・放出のタイプからみると、
リザーバ型、マトリックス型、感圧型接着(粘着)
テープ剤、多層粘着テープ剤、その他、に大きく分
類できる。各々の薬物貯蔵層は、その基剤として、で
はシリコーンオイルを、ではポリビニルアルコール
(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)などの親
水性高分子、又はシリコーンエラストマーを、ではア
クリル酸エステル系粘着剤(PSA)を使用している。
また、には薬物との親和性の異なる粘着層を多層に重
ねて放出性を制御したものがある。その他、天然ゴム・
合成ゴム系、セルロース系、合成樹脂系など種々のポリ
マーを薬物貯蔵層の基剤とする経皮吸収製剤が検討され
ている。
ものの薬物貯蔵層は、一般に薬物の放出を制御する薬物
放出制御膜(薬物透過膜)で被覆されている。この薬物
放出制御膜には、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アク
リル系樹脂、ポリエチレン、エチルセルロースなどの高
分子膜やその多孔膜などが使用されている。特に、本発
明者等が特開昭63−146812号で検討したゼラチ
ン膜は皮膚に対する刺激がなく、カブレも生じないの
で、この点から上記の高分子膜より優れているものであ
る。
は、外部より電気や超音波などのエネルギーを投入する
方法に依らず、ただ単に皮膚の表面に製剤を貼付するだ
けで、薬物がその濃度勾配を拡散・放出のための駆動力
として、基剤中を自然に拡散し、皮膚側に分配・移行し
て体内に吸収されることを目的とするものであり、使用
が簡便なものである。この目的を達成するためには、薬
物貯蔵層の基剤が少なくとも以下のような化学的および
形態学的な特性を有することが肝要である。
を有することが必要である。適度とは薬物が基剤を放れ
て皮膚に移行できる程度の強さの親和性をもっているこ
とである。これにより、薬物の放出率は大いに左右され
る。また0次オーダでの放出も可能となる。
拡散できるように、基剤が常温で液体であるか、液体を
含有している形態である膨潤ゲルのように見掛け上は固
体と液体の中間の形態をしていることが必要である。実
用されているリザーバ型では液体であるシリコーンオイ
ルが用いられており、マトリックス型では水溶性高分子
によるヒドロゲルが用いられている。また、ゴム質のポ
リマーであるシリコーンエラストマーを用いる場合は、
薬物が溶剤と共にその中に分散されている。粘着テープ
剤の場合は、粘着剤中のタック付与剤が液体として分散
されており、粘着剤自体は固体と液体の中間領域にある
ゲル体である。これらの事実は基剤としての上記条件を
満たしている。
担持させた形式のものでは、あまり高い薬物の放出率は
得られない。また、油性あるいは水性の膨潤ゲルの場合
は、これよりもやや放出率の高いものも得られるが、こ
れを用いて製剤とした場合に保存安定性に問題のある薬
物もある。つまり、膨潤媒である溶媒や水の経時的な放
出による初期の薬物投入量の変化や、これら分散媒との
反応による変質の危惧がある。さらに、乳剤性基剤のよ
うに液体中に液体の薬物を粉体と混合したり、固体の薬
物を液体のコソルベントと共に分散させたようなリザー
バ型の場合は、保存中にこれらが表面移行するので、表
面を覆う薬物放出制御膜(薬物透過膜)中に薬物が高濃
度に蓄えられることは不可避であり、貼付初期時に薬物
が爆発的に放出されることが問題となる場合がある。
いことが必要である。経皮吸収製剤は繰り返し貼り替え
るので、皮膚のカブレが大きな問題となる。製剤の大き
さを小さくできると有利である。
かも空気、水分、熱などで容易に変質するような不安定
な薬剤であっても、これを安定に保存できて高放出率で
放出できることが必要である。経皮吸収製剤とすること
にとりわけ意義のある薬物とは、消化管、肝臓などでの
分解率が高く、半減期が短く、有効血漿中濃度が低いも
のである。このような薬物のほとんどは上記の性質を有
しているので、その対策が必要である。
物であっても、高効率に体内に徐放化が可能であること
が必要である。これは特に吸収促進剤(enhancer)など
を用いなくても可能であることが望ましい。近年、吸収
促進剤の研究が盛んであるが、これ自体の毒性について
調べる必要があるという難題を抱えている。
開昭63−146812号に記載の経皮吸収製剤を開発
した。この経皮吸収製剤は、薬物貯蔵層の基剤として、
熱感応性及び水感応性の両親媒性ポリマーであって、ポ
リマー分子一端に近いほど親水性度が大きくなり、ポリ
マー分子他端に近いほど疎水性又は親油性が大きくなる
ようにブロックの連結が調整されたセグメント化ポリウ
レタンを使用するものである。
水、熱に感応して溶解又は溶融するように、分子の親水
性、疎水性のバランスとセグメントの構成分子の分子量
が調整されている。そして、溶解・融解したときに親水
性のセグメントは親水性の薬物を、疎水性(親油性)の
セグメントは疎水性(親油性)の薬物を可溶化する。一
般に薬物もまた極性基、非極性基を有した構造であり、
親水性、親油性あるいは両親媒性の性質を有するもので
あり、同種の媒体に溶解する。例外的に不溶性のもので
あっても薬は微小量の溶解でも薬効を発現するので、極
めて低い溶解度の水準で言々すればよいのであるから、
上記の分類のいずれかに帰属する。また、このポリマー
による可溶化は、分子レベルでの溶解、すなわち分子分
散を可能にするものであるから、数μg/doseの微
小量でも薬効を発現するような生理活性物質の徐放に極
めて有効である。換言するならば、微小量で薬効を発現
する有効血漿中濃度の低い薬物の貯蔵と、そこからの放
出のためには、分子レベルでの分散が不可欠である。か
かる生理活性物質はまた、酸素、水、熱などにより容易
に分解するものが多い。しかし、熱感応性という性質が
意味するように生身の皮膚の温度以下の常温、即ち30
℃未満の常温で固体の状態を保つので、薬物は固体中に
安定に保持できる。しかるに、体表に貼付すると、体表
の温度に敏感に感応して固体から液体に容易に変態す
る。また、両親媒性という性質が意味するように、水に
よっても感応するので、体表から出た少量の水によって
溶解する。そして、薬物はこの中を拡散・移行し、表面
の薬物透過膜を通過して皮膚に吸収される。薬物は常温
で液体のものもあるが、大半は固体である。固体の薬物
を基剤中を拡散させて放出し、皮膚へ吸収させるには、
基剤は液体であるか、ゲル状の物質でなければならない
が、その条件を該ポリマーは満たしており、多くの薬物
に対して有効な経皮吸収製剤の基剤ポリマーとなるもの
であった。
により、薬物のうちで、皮膚を通過し難いような水溶性
の薬物に対しては、より親水性の高い熱感応性のポリマ
ーが必要であることが分かってきた。また、かかる薬物
を例えば決められた24〜48時間以内の短時間に高効
率に放出するためには、溶・融解したポリマーがもっと
低い粘性を有しており、より拡散し易い環境をつくるこ
とが必要であることも分かってきた。
(薬物透過膜)として従来から使用されている前記の高
分子膜では、ある種の微量の薬物が膜内を移動するとき
の速度や透過量を調節することが困難であり、皮膚への
微量薬物の吸収量を厳しくコントロールする必要がある
経皮吸収製剤には使用し難いものであるため、これらを
高放出率で調節できる薬物放出制御膜が必要であること
も分かってきた。
製剤の提供を目的としてなされたものである。
め、本発明は、薬物を含有せしめた薬物貯蔵層の薬物放
出面を薬物放出制御膜で被覆して成る経皮吸収製剤にお
いて、その薬物貯蔵層が 一般式 R−A−(U)−F−(U)−B−R′ (但し、A,Bはエチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、テトラメチレンオキシド、1,2−ブチレンオキシ
ドのポリマー、或はこれらのランダム又はブロックコポ
リマーであり、R,R′はこれらの末端のH,CH3 ,
C2H5,C3H7,C4H9であり、A=B又はA≠B、R
=R′又はR≠R′であり、Fはジイソシアネート化合
物の二つのイソシアネート基を除いた部分の骨格を、
(U)はウレタン結合を表す)で示され、A,Bの少なく
ともどちらか一方が親水性であると共に、少なくともど
ちらか一方がヒトの皮膚温度付近(30〜40℃)で溶
融する性質を有する熱感応性のセグメント化ポリウレタ
ンを基剤とするものであり、且つ、薬物放出制御膜が、
架橋されたゼラチン相と未架橋の該セグメント化ポリウ
レタン相が混在した相分離膜であることを特徴とするも
のである。
ては、上記一般式のA,Bの少なくとも一方がエチレ
ンオキシドポリマーであるもの、A,Bの一方がエチ
レンオキシドポリマーであり、他方がテトラメチレンオ
キシドポリマーであるもの、A,Bの一方がエチレン
オキシドポリマーであり、他方がブチレンオキシドポリ
マーであるもの、A,Bの両方がエチレンオキシドポ
リマーであるもの、A,Bの少なくとも一方がエチレ
ンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロ
ックコポリマーであるもの、A,Bの一方がエチレン
オキシドポリマーであり、他方がエチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドとのランダム又はブロックコポリマー
であるもの、上記の各エチレンオキシドポリマーの数
平均分子量が800〜1200であるもの、薬物貯蔵
層の基剤となるセグメント化ポリウレタンの総分子量が
数平均分子量1000〜6000であるもの、薬物放
出制御膜にグリセリン及び/又はポリグリセリンが含ま
れているもの、等が挙げられる。
例示する断面図、図2はその平面図であって、1は表皮
層、2は表皮層に塗布された感圧接着剤層、3は硬質基
材、4は薬物貯蔵層、5は薬物放出制御膜(相分離
膜)、6はライナーを示している。
は、経皮吸収製剤の支持体となるもので、保存中の吸湿
を防止すると共に、薬物が皮膚と反対側に滲出するのを
防止するものである。このような表皮層1にはポリエチ
レン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共
重合体、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂フ
ィルムが使用されるが、望ましくは柔軟性、伸縮性、肌
触り及び風合いの良い低モジュラス材料、例えば100
%モジュラスがおよそ5kg/cm2 以下の軟質ポリウ
レタンフィルム、軟質ポリ塩化ビニルフォーム、エチレ
ン−酢酸ビニルフォーム、1,2−ポリブタジエンフォ
ーム、或は、ポリマーフィルムで防湿、ガスバリヤー処
理をされた不織布などが使用される。このうち、ブロッ
キングを生じないもの、薄くて可塑剤のブリードがなく
安全性の高いものは1,2−ポリブタジエンフォームで
あり、これが最も望ましいものの一つである。その厚さ
は、取り扱い易さも考慮すると0.15〜1.0mm程
度が適当である。また、場合によっては、その表面又は
裏面に表面処理剤を施して、被服に触れても滑り、貼付
剤が剥がれるのを防いだり、薬物や粘着剤が表皮層に滲
出するのを防いだりすることができる。
貼付した硬質基材3は、薬物および貯蔵層としての基剤
が表皮層1に移行するのを防止し、柔軟性を有する表皮
層1が皮膚の動きに応じて、この硬質基材3を皮膚側に
圧迫させ、皮膚側へより密着させることで、薬物の皮膚
側への移動を効果的にすることを目的とするものであ
る。これにはポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、
ポリメチルメタクリレートなどの硬質のシート或はフィ
ルムを用いる。
3、薬物放出制御膜としての相分離膜5の相互の粘着、
およびヒトの皮膚に製剤を密着させるためのものであ
る。このとき基剤と薬物の性質とは反対の親水性もしく
は親油性のものを使用すると、薬物貯蔵層4のポリマー
と薬物が感圧接着剤層2に流出するのを防止できる。ま
た、肌と密着する部分のみを皮膚と親和性のよいものに
置換してもよい。一般にアクリル系、ゴム系の感圧接着
剤を使用できるが、ポリサッカライド系の植物性の粘着
剤や、ゼラチンなどの動物性の粘着剤も適宜使用でき
る。この接着剤層2の厚みは20〜500μm程度が適
当である。
された離型紙や離型フィルムが使用できる。このライナ
ー6は、経皮吸収製剤を皮膚に貼付する前に剥離除去さ
れる。
と、その薬物放出面を覆う薬物放出制御膜5(薬物透過
膜)に大きい特徴を有するものである。
れる新規なセグメント化ポリウレタンを基剤とするもの
であり、その具体的な構造例としては以下の表1に示す
ものが挙げられる。
おいて、A,Bの少なくともどちらか一方が親水性であ
る必要性は、親水性の薬物を薬効を発現する程度の低濃
度レベルではあるが、比較的多く溶解させるためであ
る。ここで、親水性の薬物とは、親油性薬物に対比する
ものであり、水に対して親和性を示す。基本的には水と
いくらかの溶解性を持つもので、具体的には後述するプ
ロスタグランジン類、ニトログリセリン、アトロピン等
であり、その他にもストロファンチン、塩酸イソプロテ
レノール、塩酸オクスプレノロール、カプトプリル等が
挙げられる。また、このセグメントは吸湿(水)性を付
与し、体表の微量の水によって容易にポリマーが溶解す
るという水感応性の要因にもなる。ここで、水感応性と
は、自らが吸湿性を持ち、少量の水(湿気)を吸収して
溶解し、更に自ら水を吸収することによって、固体から
水を含んだ液体へと変態し、このとき溶融温度もまた低
下するという、水に対する感応性が敏感である性質をい
う。親水性の根源となるのは分子鎖中のエーテル酸素
(−O−)と分子鎖末端の−OHである。メチレン鎖
(−CH2 −)についている−CH3 ,−C2H5は、エ
ーテル酸素に水が接近するのに妨げとなるので、これら
の側鎖をもたず、二つのメチレンに対して一つのエーテ
ル酸素の割合で結合しているエチレンオキシド(EO)
がこれらのうちで最も親水性である。側鎖のあるものは
より疎水性であり、また、アルキル側鎖の大きいもの程
より疎水性となる。また、末端は−OHであれば親水性
であるが、−OCH3 ,−OC2H5,−OC3H7,−O
C4H9などのアルコキシ末端を形成すれば、ここに示し
たアルキル基の大きさの順に疎水性となる。従って、ウ
レタン結合の両側のセグメントがEOであるときなど
は、アルコキシ末端で疎水化することにより、親水性の
度合を微妙に調整できる。
と、分子全体の親水性に影響を及ぼし、また溶融温度も
セグメント自体のそれとは変わるので、セグメントの本
来の性質を生かすためには好ましくない。末端を従来か
ら使用されている非イオン界面活性剤のように長鎖アル
キル又は芳香族のカルボン酸とのエステル結合にするこ
とも一つの方法であるが、エステル結合の凝集力のため
にセグメントの中のエーテル結合と薬物との相互作用以
外にエステル結合との相互作用が入り込むから、徐放性
のコントロールがより難解となる。また、長鎖アルキル
アルコールによってアルコキシ末端にした場合と同様
に、凝固点と両親媒性への影響が大きいと考えられるの
で、本発明の領域のような短鎖のアルキル鎖をもつアル
コールによるアルコキシ末端がよいわけである。
ントにすることでEOの比率に応じて親水性(疎水性)
の度合を調節することもできる。かかる観点から、ジイ
ソシアネート化合物の両側のセグメントの組み合わせが
表1の如く列挙できる。
で、常温下の固体から融解して粘稠な液体に変態すると
いう熱感応性は、EO又はテトラメチレンオキシド(T
MO)の分子量によって調整できる。ただし、溶融時の
低粘度を考慮すると、特にEOにより調整するのが好ま
しい。ここで、ヒトの皮膚の表面温度付近とは30〜4
0℃の温度域を示し、常温とは0℃以上30℃未満の温
度域を示す。なお、ヒトの皮膚温度は30〜37℃の温
度域を有している。他のアルキレンオキシドは常温で液
体であり、熱感応性の要因にならない。むしろ、両親媒
性の疎水性付与のセグメントとしての作用を期待するも
のであり、疎水性薬物との親和性を上げる要因として働
く。EOを含む共重合体の場合は、EOの比率とその分
子量、共重合体の形式(ブロックであるかランダムであ
るか)とその中のEOの分子量によって、熱により変態
することへの要求を満たすものも存在するが、凝固・融
解温度がEO単一重合体ほどに明瞭でないものが多い。
また、結晶性の硬い固体ではないので、薬物を長期に保
存する安定な固体相として用いるにはやや危惧がある。
さらに、このような共重合体は分子量が化学構造上の必
然性から比較的大きくならざるを得ないので、溶融した
ときの粘度がかなり大きく、薬物の拡散の点からして好
ましくないが、薬物(例えばより疎水性の薬物)によっ
ては使用可能である。
O単一重合体をもつ例について記述する。EO単一重合
体であるポリエチレングリコールのうちで皮膚表面の温
度付近30〜40℃で固体・液体の変態をする数平均分
子量はおよそ800〜1200であり、例えば数平均分
子量が1000の凝固点は37.1℃(日本薬局方、規
格値35〜39℃)であるので、この数平均分子量の範
囲のものが好適に選ばれる。
量1000のEOセグメントを用いると、他方のそれは
200〜1000のものを用いればよい。末端は少なく
ともどちらか一方をアルキルエーテルとし、少なくとも
どちらかもう一方は−OHのままでよい。両端が−OH
あるいはアルキルエーテルであってもよい。これらは薬
物の性質に応じて選択すればよい。ここで注目すべき
は、例えば両セグメントに凝固点が37.1℃である数
平均分子量1000のセグメントを用いたときの凝固点
である。単に数平均分子量1000のポリエチレングリ
コールをつなぎ合わせた場合の数平均分子量2000の
ものの凝固点は約45℃であるが、上記の場合の凝固点
は数平均分子量1000のそれとほとんど変わらない。
また末端のアルキル基によっては約1〜2℃低下する程
度である。これは両セグメントを連結して、その間に入
っているウレタン結合を介して存在するジイソシアネー
トの骨格がスペーサーとなって、ポリエチレングリコー
ルのEO連鎖の運動、分子の長さ、および末端基により
生ずる分子間、分子内凝集力による凝固点への影響を打
ち消し、セグメントの固有の分子間、分子内運動を独立
させているためであり、それゆえに数平均分子量100
0の凝固点が殆どそのまま発現するのである。この事実
こそが、本発明の目的をもった分子を設計することの根
拠となっている。つまり、総分子量が大きくなっても凝
固点は構成セグメントのそれに近い温度であるので、一
方のセグメントに他の機能を持たせることが可能であ
る。
ピレンオキシド(PO)鎖を導入した例であり、PO鎖
は側鎖にある−CH3 のためにかなり疎水性である。但
し、分子量が数100以下で末端が−OHのままであれ
ば、この水酸基の影響によって親水性の性質もかなり残
っている。従って、一方がEOセグメントであるの場
合は、POセグメントの分子量が約1000ぐらいまで
用いられる。これは溶融粘度を考慮した長さの限定でも
ある。
メントを一方に持つ場合であるが、この場合は疎水性の
薬物に対して有用であり、それらのセグメントの分子量
もまたと同様の要因を考慮して、数平均分子量150
0程度の大きさまで、好ましくは約300〜約1500
が妥当である。
いた場合である。EOの比率とその分子量、共重合体の
形式によって、親水、疎水の程度は異なるが、両セグメ
ントがEO重合体のときよりもより疎水性に調整でき、
の場合よりも親水性に調節できる。また、溶融粘度は
との間にある。共重合体は共通して単一重合体より
も結晶性が劣るので、一方にEO重合体の結晶性セグメ
ントを用いたときに、その熱感応性がより敏感に変わ
る。また、ランダム共重合体のときは、その分子運動の
小さなユニットで活発に動く性質が薬物の拡散・放出に
望ましい結果を与える。
シドとの共重合体の比率は、モル比でEOが10〜90
%、好ましくは30〜70%で適宜選択される。
についても同様であり、薬物の特性と要求される放出の
パターンを考慮して、これらの組合わせを選択すればよ
い。また、末端基の種類も同様に選択すればよい。
子量は各々のセグメントの組合わせにより異なるが、お
よそ1000〜6000であり、好ましくは1200〜
2500程度である。
有するジイソシアネートは、p−フェニレンジイソシア
ネート、2,4−トルイレンジイソシアネート(TD
I)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、ナフタリン1,5−ジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソ
シアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、水添加TDI、水素化MDI、ジシクロ
ヘキシルジメチルメタンp,p′−ジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート等の中から選択すればよ
い。但し、両セグメントが直線上で広がっている構造を
とる方が熱感応性を敏感に発現し、溶融粘度も低い傾向
があるので、直線的な構造のジイソシアネートの方が望
ましく、また芳香族や脂環族のものよりも脂肪族の方が
分子運動の容易さからすると望ましい。トリイソシアネ
ートなどのより多官能であるものでもよいが、溶融粘度
が一般に高くなるので好ましくない。
グリコールとの反応で生ずるウレタン結合(−NHCO
O−)の凝集力は8.74(kcal/mol)であ
り、アルキレングリコールの構成単位分子の−CH2
−;0.68、−CH(CH3 )−;1.36、−CH
3 ;1.77、−O−;1.00などと比べると大きい
ので、溶融粘度の増大の方向に作用するから、薬物貯蔵
層にとって良好な溶融粘度を得るのに都合が良い。事
実、これらウレタン結合を介在した本発明のポリマー
は、同分子量のアルキレングリコールよりも溶融粘度が
やや高く、薬物の放出を微妙にコントロールするのに有
効である。因みに、溶融粘度があまりに低いと、ポリマ
ーが皮膚から流れ落ちるので好ましくない。また、両側
のセグメントの間のスペーサーとして適度の分子長を有
しており、各セグメントが独立した分子運動をするのに
都合のよい作用をしている。
タンは、例えば次の方法によって合成される。まず、真
空乾燥機等を用いて、前記一般式のA,Bのセグメント
を有するポリアルキレングリコールを60℃で減圧下に
脱水・乾燥する。そして、これらのポリアルキレングリ
コールのOH価と、前記一般式のFの骨格を有するジイ
ソシアネートのNCO価を常法によって測定した後、無
触媒で、あるいはジラウリン酸ジ−n−ブチル錫などの
触媒を用いて、上記A,Bのポリアルキレングリコール
と上記Fのジイソシアネートをモル比が1:1:1とな
るように混合し、N2 などの不活性ガス雰囲気中、70
℃で反応させる。この反応は、A,Bのポリアルキレン
グリコール中にFのジイソシアネートを滴下する方法で
進め、IR吸収スペクトルによって、イソシアネート基
の吸収波数(2250cm-1)が消失した時点を反応の
終点とみなした。
物を含有させるには、40〜60℃に加温して融解させ
た該ポリマーに所定量の薬物を混合・撹拌して溶解・分
散すればよく、比較的溶融粘度の高いポリマーの場合
は、薬物とポリマーの共通溶媒を添加すれば完全溶解が
短時間内に達成できる。その後、真空下で溶媒を蒸発さ
せて除去すればよい。
る。この薬物放出制御膜5は、図3に模式的に示すよう
に、架橋されたゼラチン相5aと未架橋のセグメント化
ポリウレタン相5bが混在した相分離膜(相分離した
膜)である。
以上の異なった相が混在した状態の膜であり、相の境界
面は物理的に弱く、ここから透過がおこると考えられて
いる。ポリマー混合系の相転移は幅広い温度域にわたっ
てゆっくりと進行し、結晶化温度(Tc)の高いものか
ら相分離を起こし易い。
分系(multi-component polymersystems )であるポリ
マーアロイ(polymer alloys)は、異種のポリマーが共
有結合でつながったブロックやグラフトコポリマーのミ
クロな相分離構造をとるグループと、異種ポリマーがマ
クロに混在して相分離した構造をとるポリマーブレンド
のグループに分けられる。本発明において薬物放出制御
膜5として用いられる相分離膜は、後者のポリマーブレ
ンドに属するものである。その膜はゼラチンとセグメン
ト化ポリウレタンの共通の溶媒である水の溶液からキャ
ストする溶液キャストブレンド(solution-cast blend
s)の方法によって得ることができる。
は、LCST型(Lower Critical Solution Temperatur
e; 下限臨界相溶温度)とUCST型(Upper Critical
Solution Temperature; 上限臨界相溶温度)の相図を
示す相分離が生ずる。この場合、二成分系の液/液相分
離型の相図は、雲点(cloud point) をつないだバイノ
ーダル(binodal) 曲線と、混合の自由エネルギー曲線
の変化をつないだスピノーダル(spinodal)曲線によっ
て分けられる。ここで、スピノーダル曲線の内側は不安
定領域で、わずかな濃度のゆらぎが存在しても自由エネ
ルギーの減少を招き、相分離が進行する。この相分離を
スピノーダル分解(spinodal decomposition;SD)と
いう。
的ブレンド(physical blends) の場合は、成分が均一
に混合することは少なく、両者の接着も悪いので、両成
分をなるべく均一にブレンドしないと良質の材料(膜)
が得られない。従って、両成分はある程度混和性のある
ポリマー同士が選ばれる。本発明におけるゼラチンと両
親媒性(親水性)のセグメント化ポリウレタンの水溶液
は、バイノーダル曲線とスピノーダル曲線の間の準安定
な相溶領域を形成しており、それが水の蒸発過程での両
成分の濃度の上昇により、安定なある程度の大きさの核
生成と成長(nucleation and growth;NG) をうなが
す。かかる過程におけるNG機構やSD分解によって出
現する準安定な相分離構造は、水の蒸発速度や冷却の速
さ、および系の粘度変化に依存し、系の熱力学的性質だ
けでは決まらない。要するに、本発明に用いる相分離膜
の生成過程は、原則的に溶液キャストブレンド法による
スピノーダル分解によってつくることができるものであ
る。
ゼラチン相5aは膜の骨格を形成するもので、膜全体の
重量の少なくとも4割以上、好ましくは6〜8割を占
め、三次元的に連続した相をつくっている。これに対
し、セグメント化ポリウレタン相5bは薬物を優先的に
透過させる通路の役目を果たすもので、膜全体の重量の
6割以下、好ましくは2〜4割を占め、少なくとも膜の
厚み方向に連続した相をつくっている。
溶性になっていることが必要である。未架橋であれば、
経皮吸収製剤のライナー6を剥離して皮膚に貼付したと
き、皮膚から出る水によってゼラチン相5aが溶解し、
膜の形状を維持できないからである。しかし、セグメン
ト化ポリウレタン相5bは未架橋であり、流動性を残し
ていなければならない。架橋すると、セグメント化ポリ
ウレタン相5bがゲル状ないし固体状となり、自らの溶
融と流動による移動ができず、また薬物等の浸透と透過
・移動が妨げられるからである。ここで「架橋された」
とは、水に不溶性となる程度に分子鎖が三次元化した状
態を示し、「未架橋」とは、分子鎖がリニアーで三次元
化していない状態を示す。
常温で固体状でなければならない。常温で液状であれ
ば、相分離した膜からセグメント化ポリウレタンがブリ
ードアウトするからである。しかし、この相分離膜を皮
膚に接触させたときセグメント化ポリウレタン相5bが
固体状であっては、相分離膜中に固定されてブリードア
ウトすることがないため、薬剤等の浸透・透過が困難で
あり、微量薬剤の薬物放出制御膜としての機能を殆ど果
たさない。従って、このセグメント化ポリウレタン相5
bはヒトの皮膚温度付近である30〜40℃で溶融して
液状になることが必要である。このように常温で固体状
であり、30〜40℃で溶融する液状のセグメント化ポ
リウレタン相5bは、前述したように、用いるセグメン
ト化ポリウレタンの分子量、セグメントの種類や分子量
を調節することによって調製可能である。
であり、好ましくは10〜30μm程度である。5μm
より薄くなると、膜強度が極めて弱くなり、成膜も困難
になる。また、50μmより厚くなると、薬物等の透過
性が低下する。
製造される。即ち、加熱溶融させたセグメント化ポリウ
レタンと、ゼラチンの水溶液及び架橋剤を所定の割合で
混合・攪拌し、脱泡後、これを剥離性の良い基材フィル
ム上で一定厚みに展開し、常温で2日程度乾燥させれば
よい。加熱溶融の温度としては、使用するセグメント化
ポリウレタン、ゼラチン、架橋剤によって異なるが通常
50〜80℃で行われ、好ましくは55〜70℃であ
る。脱泡の方法については特に限定されず、通常、超音
波照射、減圧脱泡等の方法にて行われる。剥離性の良い
基材フィルムとしては特に限定されないが、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)等の合成樹脂フィルムが用いられる。乾
燥の方法については特に限定されず、常圧で行っても、
減圧下で行ってもよいが、製造される相分離膜の品質を
保障するためには、23℃、65%湿度の定温、定湿度
のクリーンルーム内で行うことが好ましい。上記の製造
方法において、ゼラチンとセグメント化ポリウレタンの
配合比は4:6〜8:2、好ましくは6:4〜8:2で
あり、架橋剤の配合量は、ゼラチン100重量部に対し
て2〜5重量部、好ましくは3重量部程度である。
にグリセリンやポリグリセリン(ジ、トリ、テトラ、ヘ
キサグリセリンなど)を溶解してもよい。これらを配合
すると、乾燥した時には比較的ドライな感触を有する
が、水分により吸湿剤として作用して保湿性のある粘着
性をもった相分離膜が得られる。グリセリンやポリグリ
セリンの配合量は、ゼラチン100重量部に対して20
〜60重量部が適当であり、好ましくは30〜50重量
部である。このグリセリンやポリグリセリンは、ゼラチ
ンとセグメント化ポリウレタンとの混合、攪拌時に両者
に溶解し、相分離後はセグメント相5aとセグメント化
ポリウレタン相5bの両者に含まれる。
た脱塩アルカリゼラチンが好適に使用される。ゼラチン
は動物の皮や骨由来のコラーゲンを分解・精製したポリ
ペプチドであり、アルカリ処理とは、石灰などのアルカ
リに浸漬してコラーゲンを分解することである。ゼラチ
ンには酸処理したものもあるが、酸処理したゼラチンは
強度が弱く脆いので不適当である。
グルタルアルデヒドなどが従来より知られているが、よ
り低毒性であり、ゼラチンの架橋網目鎖を大きくでき
て、可撓性のある膜を形成しやすい、スペーサーの長い
ジ及び/又はポリエポキシ系の架橋剤が好適に用いられ
る。例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリ
セロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリ
シジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエー
テルなどが挙げられる。ゼラチンの架橋は、これらの架
橋剤のエポキシ基とゼラチンの構成分子、例えばアミノ
基とが反応することにより行われる。
は、前記の一般式で示される熱感応性、水感応性のポリ
マーがそのまま好適に使用される。このようなポリマー
によれば、既述したように、セグメントを構成するアル
キレンオキシドの種類、分子量、共重合体の形式、共重
合体中でEOの占める比率、末端基の種類、ジイソシア
ネートの種類、ポリマーの総分子量などを調整、選択す
ることができる。そして、溶融時の粘度や、薬物の性質
に応じた親水性度、疎水性度(親油性度)、相互作用な
どを調節でき、薬物の拡散・移動速度や透過量を厳しく
コントロールできる。
維ネット等で補強してもよい。繊維ネットとしては、ポ
リアミド繊維、ポリエステル繊維等の合成樹脂繊維が例
示される。繊維ネット等で補強する場合は、セグメント
化ポリウレタンとゼラチンと架橋剤を含む調製液に繊維
ネットを浸漬して、ネットの網目間を乾燥してもネット
の間を満たせる程度に軽くしぼった後、剥離性のよい基
剤フィルム上にひろげて乾燥させればよい。乾燥の方法
は既述した通りである。この補強された膜の厚さとして
は、繊維ネット部分が100〜250μmであり、相分
離膜部分が5〜50μmである。
は、経皮吸収が可能であれば特に限定されることはな
い。親水性薬物であっても親油性薬物であっても、ま
た、固体は勿論、液体であっても本発明の目的を達成す
ることができる。例えば、以下の化合物群を挙げること
ができる。 a)プロスタグランジン(PG)類(例えば、PGA,
PGD,PGE,PGF,PGI,6−ケト−PGE、
6,9−ニトリロ−PGI1, 6,9−メタノ−PGI
2 ,及びそれらの誘導体など)、 b)血管拡張剤(例えば、ニトログリセリン等) c)コルチコステロイド類(例えば、ハイドロコルチー
ゾン、ベタメタゾンなど) d)抗炎症剤(例えば、インドメタシン、イブプロフェ
ン等) e)抗生物質(例えば、ペニシリン、エリスロマイシン
等) f)催眠鎮静剤(例えば、フェノバルビタール等) g)麻酔剤(例えば、ベンゾカイン等) h)抗菌物質(例えば、ペンタマイシン等) i)ビタミン剤(例えば、ビタミンA等) j)抗痙攣剤(例えば、アトロピン等) k)ホルモン剤(例えば、テストステロン等)
の力価、患者の年齢、症状、目的とする治療効果、貼付
箇所、目的とする放出持続時間により適宜決められる。
として前述のようなセグメント化ポリウレタンを使用
し、薬物放出制御膜5(薬物透過膜)として前述のよう
な相分離膜を使用するため、以下のような作用・効果を
生ずる。
晶性あるいはペースト状の固体であり、空気、水分、熱
などにより容易に変質するような生物学的活性剤(例え
ば、プロスタグランジン類、抗生物質、ビタミン剤、堕
胎剤、催眠薬、鎮静剤、精神安定剤、鎮痙剤、筋肉弛緩
剤、抗パーキンソン病剤、鎮痛剤、解熱剤、抗炎症剤、
局所麻酔薬、抗潰瘍剤、殺菌剤、ホルモン剤、アンドロ
ゲンステロイド、エストロゲン、交感神経興奮剤、心臓
血管剤、利尿剤、制(抗)癌剤、低血糖剤および栄養
剤)であっても、薬物貯蔵層4中に安定に保存できる。
特に、常温で固体の薬物は保存中の移行がない。
皮膚温度付近で容易に粘性の低い液体となる。そして、
水溶性あるいは親水性と疎水性のセグメントが同時に存
在した両親媒性の液体となるために、常温で固体の薬物
の多くを薬効の発現する程度の比較的少量の薬量の範囲
であれば完全に溶解して、そのセグメントの親和性の高
い部分に均一に分子分散できる。従ってポリマー中に溶
解させるために溶媒を使用しなくて済む場合が多く、溶
剤の完全揮散のための煩雑な手段が必要でなく、また残
留溶剤の毒性の危惧も避けられる。
皮膚に貼付すると、皮膚の温度で相分離膜(薬物放出制
御膜5)のセグメント化ポリウレタン相が液状になり、
また皮膚から出る微量の水によって容易に溶解する。そ
して相分離膜のゼラチン相は水によって膨潤する。ま
た、薬物貯蔵層4の基剤であるセグメント化ポリウレタ
ンも同様に、皮膚の温度と水により溶融、溶解して液状
となる。もし、基剤中の薬物が固体であり、基剤もまた
固体である系の中で薬物が分散していれば、膜への薬物
の分配は生じてこない。ところが薬物か基剤のどちらか
一方、或は双方が液体であるときは、これらが接した状
態で薬物が両方に分配された状態にある。即ち、基剤と
相分離膜が接した状態では、基剤中と膜中の薬物濃度は
同じでなく、基剤と膜の間の分配によって濃度勾配が生
じる。しかるに保存中の薬物の安定性と表面への移行を
防止するような系である両者が固体であるような本発明
の系では、貼付時に皮膚温度や水分によってポリマーは
液状に変態し、そのとき初めて、薬物が膜に移行する。
この系では基剤から膜への分配係数が膜透過のための大
きな要因となる。即ち、膜への分配係数Km、膜表面と
裏面の濃度差をΔC、基剤中の濃度をCv、拡散係数D
m、膜厚hmとすると、透過量Jmは
できまる。相分離膜は膜中に基剤と同一のセグメント化
ポリウレタンをミクロな相として埋入したものであるか
ら、これが液体となって流動化して、膜を抜け出して皮
膚に移動する。この事実は分配係数、すなわち透過係数
を大いに高めることとなる。
た後の粘度はおよそ2000センチポイズ以下であり、
これは先の特開昭63−108019号、特開昭63−
146812号のポリマーの粘度がおよそ5000〜1
0000センチポイズであるのに比較して低い値であ
る。従って、溶解した薬物がこの中を拡散して皮膚側に
移行する割合が高い。そして、液状となったセグメント
化ポリウレタンは相分離膜を抜け出して皮膚に移行する
ので、薬物の皮膚への到達効率が良くなる。このこと
は、基剤中に薬物が低濃度にしか含まれていないか、数
μg〜数100μg/doseの微小量しか含む必要の
ないような生理活性物質の高放出率の経皮吸収製剤をつ
くるのに有効である。ここで、粘度はブルックフィール
ド型回転粘度計により、4号ローターを用いて毎分60
回転させて測定した値を示している。
s,11,85(1960))によれば、溶液状態からの放出にお
いて、基剤からの放出過程のみが律速となる場合には、
薬物の放出量はその初期過程において
数、時間に比例する。CO,tを一定とすると、放出率
は拡散係数に依存する。そこで、拡散係数を大きくする
ために基剤ポリマーの溶融後の粘度を下げる本発明に意
義のあることが分かる。
rogr.,45,218 (1949)]によると、液相拡散係数は
度が小さくなると、大きくなることが分かる。つまり、
基剤ポリマーの溶融後の粘度が小さくなるほど、薬物の
拡散係数が大きくなって、低濃度側の皮膚側への移動が
多くなることが裏付けられる。
化ポリウレタンは、親水性セグメントにEO重合体を選
んでおり、その結晶は敏感に熱感応して液化する。ま
た、生体から発する水に溶解しやすく、水に対する感応
も敏感である。つまり親水性薬物を溶解しやすい。但
し、他方に疎水性セグメントや末端基をアルキル鎖のア
ルコキシ基とすることにより、両親媒性とすることがで
きるので、親水性薬物との親和の程度をコントロールで
きる。皮膚への吸収の悪い親水性の薬物の放出率を向上
させるには好都合である。
融し、薬物放出制御膜5を抜け出して皮膚表面に達して
皮膚と接触する本発明の経皮吸収製剤では、該セグメン
ト化ポリウレタンが両親媒性であるが故に皮膚の脂質と
良い親和性を示すので、難吸収性の薬物であっても、比
較的効率良く皮膚から吸収される。そのため新たに吸収
促進剤を使用する必要がない。
従来より使用されている薬剤や化粧品の添加剤であるポ
リアルキレングリコールと分子構造がよく似ている。そ
れ故、皮膚刺激や毒性は認められず、安全であった。ま
た、アクリル系ポリマーなどと異なり、残留モノマーが
存在しないので安全である。
融時の粘度が拡散が効率的に行われる程度に低いが、貼
付時に流動して流れ落ちるほどではなく、皮膚の表面に
適当に拡がる程度であり、薬物の皮膚からの吸収に都合
が良い。このような溶融粘度の調整は、ウレタン結合
と、セグメントの種類とその分子量及び総分子量を調整
することによって行われたものである。
マー(融点:35.0〜35.6℃)を60℃に加熱し
て、透明な低粘度(約1000cps)の液状のポリマ
ーとした後、これにプロスタグランジンE1 (PGE1
)を2.4wt%加えて撹拌し、均一に溶解させて透
明な液体とした。本薬物の融点は120℃であるが、ポ
リマーに完全に溶解した。次いで、これを30℃未満の
常温に冷却して固化し、薬物貯蔵層に用いた。製剤の構
成は、図1及び図2に示す通りとした。すなわち、表皮
層として1,2−ポリブタジエン発泡体(発泡倍率5
倍、400μm厚、3.5cm角)の片面にアクリル系
粘着剤を約50μmの厚さに塗布し、基材中央のこの粘
着面に硬質基材のポリエステルフィルム(100μm
厚、2cm角)を貼り合わせた。そして、このフィルム
面上にPGE1 を含むポリマーを薬物貯蔵層としてのせ
て拡げた。次いで、薬物貯蔵層を上から覆うように前述
のゼラチンと上記のセグメント化ポリウレタンの相分離
膜(ポリマー/ゼラチン:30/70wt%、20μm
厚、2.5cm角)を貼り合わせた。更に、ライナーと
してシリコーン処理した離型紙をその上から貼り合わ
せ、製剤を完成した。この製剤の薬物の含有量は200
μg/枚である。
装用フィルム袋に入れ、シリカゲルを共存させて真空に
して密封した。これを25℃以下の温度で1年間保存し
た後、再び袋より取り出して薬物の安定性を調べたが、
変化はほとんど見られず、保存安定性が確認された。そ
こで、製剤のライナーを剥がして、ヒトの上腕部内側の
皮膚に貼付し、経時的に経皮吸収した薬物の量を、製剤
中と皮膚の表面に残存している量を測定することにより
算出した。その結果、皮膚を通して体内に吸収された薬
物の量は、6時間後に20μg、12時間後に40μ
g、18時間後に60μg、24時間後に80μgであ
り、ほとんど0次オーダーで徐放されていた。この場
合、吸収促進剤(enhancer)を使っていないが、微量の
含有量の製剤としては高い吸収率で経皮吸収されること
が明らかであり、皮膚への刺激もなく、十分に実用性の
ある製剤であった。
点36〜37℃)に実施例1と同様にしてプロスタグラ
ンジンE1 を溶解した。但し、速く溶解させるために、
少量のエタノールを添加して溶解させた後、真空下でエ
タノールを蒸発させて取り除く方法を用いた。
くり、貼付後の薬剤の経皮吸収量を追跡した結果、やは
り0次オーダーの徐放性の放出パターンを示し、24時
間後の経皮吸収量は約75μgであった。この場合も、
吸収促進剤を使用していないが、微量の含有量の製剤と
しては比較的高い吸収率であり、十分に実用的であっ
た。
グランジンE1 メチルエステル(PGE1 metyl este
r) を溶解し、同様に相分離膜を貼り合わせ、製剤を得
た。この製剤も貼付試験の結果が良好であり、0次オー
ダーの放出で、経皮吸収率は約50%に達した。
℃に加熱し、透明な低粘度の液体状のポリマーとした
後、これに薬物としてテストステロンを0.5wt%加
えてよく撹拌した。この薬物の融点は153〜157℃
であるが、顕微鏡による観察の結果完全に溶解している
のが確認された。これを実施例1と同様にして経皮吸収
製剤を得た。この製剤をヒトの皮膚に貼付して48時間
後の薬物の放出率を測定したところ、約40%であっ
た。
℃に加熱し、透明な低粘度の液体状のポリマーとした
後、これに薬物として燐酸ベタメタゾンナトリウム(燐
酸デキサメタゾンナトリウム)を1.0wt%加えてよ
く撹拌した。これを実施例1と同様にして経皮吸収製剤
を得た。この製剤をラットの腹部に貼付して燐酸ベタメ
タゾンナトリウムの放出性を検討したところ、良好な放
出性能を有することが判った。
リマーを用い、PGE1 を2.4wt%加えて実施例1
と同様にして薬物貯蔵層を得た。相分離膜として、ポリ
マー/ゼラチン/グリセリン=25/55/20(wt
%)の割合で混合して成膜したものを実施例1と同様に
して上記薬物貯蔵層に貼り合わせて製剤を得た。この製
剤をヒトの皮膚に貼付して経皮吸収量を測定したとこ
ろ、実施例1と略同じ量の薬物を放出した。
の明細書の実施例2のポリマーであり、その融点は36
〜37℃である。このポリマーに本発明の実施例1と同
じ薬物を同じ方法で同量溶解して経皮吸収製剤をつく
り、これを同様にヒトの皮膚に貼付したところ、24時
間後の経皮吸収量は30μg以下の少量であり、比較的
少なかった。その大きな原因の一つに、溶融時の粘度が
高く、薬物の拡散、移動が悪いことが考えられる。
の明細書の実施例3のポリマーである。このポリマーに
本発明の実施例1と同じ薬物を同じ方法で同量溶解し
た。次いで、これを30℃未満の常温に冷却して固化
し、薬物貯蔵層とした。製剤の構成は本発明の実施例1
と同様であるが、放出制御膜には特開昭63−1468
12号の明細書の実施例3の再活性ゼラチン膜(20μ
m厚)を用いた。この製剤をヒトの上腕部内側の皮膚に
貼付し、皮膚を通して体内に吸収された薬物の量を測定
したところ、6時間後に9μg、12時間後に15μ
g、18時間後に20μg、24時間後に24μgと少
量であり、吸収率が低かった。この原因は、本発明の製
剤と比較すると、本比較例の薬物貯蔵層のポリマーの溶
融時の粘度が高く薬物の拡散、移動が起こりにくいこ
と、及び放出制御膜である再活性ゼラチン膜の薬物の透
過性が低いことによると考えられる。
特開昭63−146812号の明細書の実施例2と実施
例3のポリマーの溶融時の粘度を測定して図4に示す。
特開昭63−146812号の実施例2と実施例3のポ
リマーは、融点付近の溶融粘度が約7000cpsと高
く、昇温とともに徐々に粘度が低下する。一方、本発明
の実施例1のポリマーは融点付近でも約2000cps
の低粘度であり、60℃付近では1000cpsと更に
低粘度になる。三者が同程度の粘度になるのは100℃
以上の高温である。この事実は、本発明のポリマーが低
粘度であるために、薬物の拡散、移行が容易であり、経
皮吸収量を上昇させていることを裏付けている。
の経皮吸収製剤は、薬物貯蔵層の基剤であるセグメント
化ポリウレタンが常温で固体であり、ヒトの皮膚の温度
付近で液体となり、且つ親水性のセグメントを有するよ
うな熱感応性、水感応性の性質を備えており、また、溶
融時の粘度が低く、薬物の溶解と拡散に都合の良い性質
を備えている。そして、皮膚面へ広がるのに都合の良い
性質を備えている。しかも薬物放出制御膜として用いる
相分離膜は、薬物の拡散、透過速度や透過量をコントロ
ールできるものである。従って、本発明の経皮吸収製剤
は、従来から経皮投与の製剤をつくるのが容易でなかっ
た薬物、つまり、常温で固体であり、水溶性で難皮膚吸
収性であり、少量で薬効を発現し、半減期が短く分解し
やすい薬物を、長期に安定に保存し、皮膚に貼付したと
きに、高放出率で、しかも徐放的に、皮膚への刺激も少
なく、経皮投与できるといった顕著な効果を奏する。
示す断面図である。
示す平面図である。
に示す部分平面図である。
マー)と特開昭63−146812号の実施例2および
実施例3のポリマーについて、それぞれの溶融粘度と温
度との関係を示すグラフである。
Claims (10)
- 【請求項1】薬物を含有せしめた薬物貯蔵層の薬物放出
面を薬物放出制御膜で被覆して成る経皮吸収製剤におい
て、上記薬物貯蔵層が、 一般式 R−A−(U)−F−(U)−B−R′ (但し、A,Bはエチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、テトラメチレンオキシド、1,2−ブチレンオキシ
ドのポリマー、或はこれらのランダム又はブロックコポ
リマーであり、R,R′はこれらの末端のH,CH3 ,
C2H5,C3H7,C4H9であり、A=B又はA≠B、R
=R′又はR≠R′であり、Fはジイソシアネート化合
物の二つのイソシアネート基を除いた部分の骨格を、
(U)はウレタン結合を表す)で示され、A,Bの少なく
ともどちらか一方が親水性であると共に、少なくともど
ちらか一方がヒトの皮膚温度付近(30〜40℃)で溶
融する性質を有する熱感応性のセグメント化ポリウレタ
ンを基剤とするものであり、上記の薬物放出制御膜は、
架橋されたゼラチン相と未架橋の該セグメント化ポリウ
レタン相が混在した相分離膜であることを特徴とする経
皮吸収製剤。 - 【請求項2】一般式のA,Bの少なくとも一方が、エチ
レンオキシドポリマーである請求項1に記載の経皮吸収
製剤。 - 【請求項3】一般式のA,Bの一方がエチレンオキシド
ポリマーであり、他方がテトラメチレンオキシドポリマ
ーである請求項1に記載の経皮吸収製剤。 - 【請求項4】一般式のA,Bの一方がエチレンオキシド
ポリマーであり、他方がブチレンオキシドポリマーであ
る請求項1に記載の経皮吸収製剤。 - 【請求項5】一般式のA,Bの両方が、エチレンオキシ
ドポリマーである請求項1に記載の経皮吸収製剤。 - 【請求項6】一般式のA,Bの少なくとも一方が、エチ
レンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブ
ロックコポリマーである請求項1に記載の経皮吸収製
剤。 - 【請求項7】一般式のA,Bの一方がエチレンオキシド
ポリマーであり、他方がエチレンオキシドとプロピレン
オキシドとのランダム又はブロックコポリマーである請
求項1に記載の経皮吸収製剤。 - 【請求項8】エチレンオキシドポリマーの数平均分子量
が800〜1200である請求項2、請求項3、請求項
4、請求項5、請求項7のいずれかに記載の経皮吸収製
剤。 - 【請求項9】薬物貯蔵層の基剤となるセグメント化ポリ
ウレタンの総分子量が、数平均分子量1000〜600
0である請求項1に記載の経皮吸収製剤。 - 【請求項10】薬物放出制御膜に、グリセリン及び/又
はポリグリセリンが含まれている請求項1に記載の経皮
吸収製剤。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1994
- 1994-09-28 JP JP25929694A patent/JP3240496B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1994-09-30 TW TW83109035A patent/TW263440B/zh active
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JP2002541094A (ja) * | 1999-04-01 | 2002-12-03 | アルザ・コーポレーション | ポリウレタン薬物貯蔵部を含んでなる経皮薬物送達装置 |
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