JPS63146812A - 経皮投与用貼付剤 - Google Patents

経皮投与用貼付剤

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JPS63146812A
JPS63146812A JP62083772A JP8377287A JPS63146812A JP S63146812 A JPS63146812 A JP S63146812A JP 62083772 A JP62083772 A JP 62083772A JP 8377287 A JP8377287 A JP 8377287A JP S63146812 A JPS63146812 A JP S63146812A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は広範囲の種類の薬物に対して適用できる普遍性
のある技術からなる、経皮投与を目的とした放出制御製
剤に関する。より詳細には薬物貯蔵層の主基剤が、常温
で固体状態である熱感応性と水感応性を有する両親媒性
セグメントポリウレタンの多元ブロックコポリマーから
なるものであって特異な薬物放出のメカニズムを有し、
薬物の高い利用効率と適性な放出パターンを制御でき、
且つ貯蔵安定性に優れた経皮投与用貼付剤を提供するも
のである。特に従来経皮投与が最も困難とされた、分解
性の極めて高い高生理活性物質の微小量をも経皮投与可
能ならしめるものである。
〔従来技術〕
従来より、経皮吸収剤には軟膏剤(クリーム、ゲル)、
硬膏剤、テープ剤、パップ剤、リニメント剤、ローショ
ン剤、エアゾール剤などの網形があり、局所作用を目的
として、■抗ヒスタミン、ステロイド、非ステロイド系
消炎剤、鎮痒剤、■サルファ剤、抗生物質等の化膿性皮
膚疾患剤、寄生性皮膚疾患用剤、■その他、皮膚軟化剤
、尋常性白斑治療剤等の薬物が使用されている。
最近では全身適用製剤としてのTTS (Transd
ermalTherapeutic System)が
極めて盛んに研究されている。これは薬物の血中濃度の
持続化による治療効果の向上、経路による副作用の低減
あるいはコ゛ンプライアンスの向上などを目的とするも
ので、ニトログリセリン、硝酸イソソルビット、クロニ
ジン、スコポラミンなどの製剤が開発されている。
また最近ではさらに研究が進み、微量で活性が強く、生
体内での安定性が悪く、安全域が狭いために薬物の放出
コントロールが必要な薬物(例えばジゴキシン、リドカ
イン、キニジン、テオフィリンなど)が経皮投与用薬剤
として検討されている。
従来、これらの経皮投与用基剤物質として天然ゴム系、
合成ゴム系、アクリル系、セルロース、多糖類1、シリ
コンや、合成ゴム−鉱油などからなる油性ゲルあるいは
アクリル酸ナトリウム・やポリビニルアルコールなどの
水溶性高分子−水からなる水性ゲルを利用したもの等が
使用されていた。
基剤あるいは添加剤にこれら高分子化合物を使用する目
的は、 ■薬物の支持体として自己復元性、粘着性などの物理的
・機械的特性を有する構造材となるからであり、又 ■高分子化合物として、モノマ一単位の化学特性、連鎖
構造のセグメント単位、又はポリマ一単位の主鎖、側鎖
の化学特性を有するためであり、更にはポリマー分子の
集合体として、ポリマー同士の相互作用・薬物との相互
作用の化学特性を利用できる機能性材料となるからであ
る。
従来までの製剤は■を主体として高分子化合物を使用し
ている例がほとんどである。つまり、実際に対象となる
薬剤のマトリックスとしての利用は多いが、真にポリマ
ーの分子構造と低分子化合物(薬物)との相互作用(I
nteraction)を考慮した、■を主要にした系
の設計はあまり為されていない。本発明は経皮吸収剤と
して極めて有用な基剤を分子設計することにより為され
たものである。
ところで高生理活性物質の持続的放出を目的とした例は
極めて少ないが、その−例は特公昭61−9922に見
られる。これは高生理活性物質がプロスタグランジン誘
導体(フルブロステノールナトリウム)であり、基剤が
親水性線状ポリオキシアルキレン/ポリウレタンブロッ
ク共重合体である点など若干の類似性はあるが、上記特
許の基剤は熱感応性ではなく、しかも、本発明が経皮投
与用貼付剤であるのに対してそれは経粘膜投与剤に関す
るものであり、この点も大きく相違している。そして上
記特許のポリマーは溶剤に溶解された状態で薬物が混合
分散されたものであり、使用時、体液が分散組成物に浸
透し、分散組成物に接する身体組織への拡散路が形成さ
れ、その結果、生物学的活性剤の持続的放出がなされる
とするものである。
この例はポリマーに親水性と疎水性の部分を設けている
が、他のポリマー基剤をマトリックスとした従来の放出
制御製剤と同様に、ポリマーと薬物の相互作用あるいは
経皮投与に必要なポリマーの特殊な機能を分子設計に基
づいて発現させた新規で普遍的な技術を含んだ製剤では
ない。
最近、薬物/ポリマーの混合系は単に薬学の分野からの
アプローチだけでなく高分子科学(Polymer 5
cience)の立場から深く研究されるようになって
いる。特定の薬物を対象にしたポリマーとそれによる放
出原理の開発も然ることながら、薬物に応じて微妙にか
つ精密に分子構造が変換できるポリマーによる普遍性の
ある放出制御システムの開発が強く要望されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来より汎用に使われている前述の基剤物質は、ただ粘
着剤中に薬物を担持させた形式のものが多く、粘着剤中
に混合分散されている薬物の放出は極めて悪いものであ
った。また、該形式の粘着剤は汗分などによって粘着不
良となった場合、粘着剤表面近くにあった薬物でさえ皮
膚にほとんど到達せず十分に薬効を期待し難いものであ
った。また、油性ゲルや水性ゲル状のものは薬物の放出
という面で上記のものより幾分良好であるが、薬物の安
定性に問題があり、また、薄膜化した場合の保形性や薬
物の溶解性、分散性に問題があった。
経皮投与剤に関する従来の開発は、製剤中の薬物の拡散
過程から角質層への放出までのものと、薬物の角質層へ
の分配と拡散過程までのものとに大別することができる
。これらのいずれかに致命的な欠陥があれば実用的製剤
とは成り得ないものであり、上記の従来のものは極めて
欠陥の多い製剤であったと言える。
ここで、理想的な経皮投薬システムの一つの条件を提示
すると、まず、薬物は基剤中にできるだけ均一に溶解分
散させることである。但し、溶解性が高すぎる状態、す
なわち基剤と薬物が比較的強い結合状態を形成し、低い
活動係数を示す場合は薬物放出の度合いは強く抑制され
るので望ましくない。むしろ薬物と基剤の親和性が比較
的緩く、高い活動係数を示す状態の方が放出度を高める
のに望ましい。しかし、薬物と基剤の親和性が緩く、製
剤の保存時に薬物が自由に基剤中を移動して表面に偏在
したり、ブリードアウトするようでは高価な薬物が無駄
になり、また、貼付直後の薬物の放出をコントロールで
きない。従って製剤にとってより望ましい形式は、保存
時には基剤と薬物とが均一に分子分散されて強い結合状
態あるいはそれに類した状態をとり、使用時には両者の
結合状態が緩和されるようなものである。薬物が低い親
和性を有し、最小の溶解性を有する基剤に均一に溶解す
れば放出度が高くなり経済的である。また薬物を基剤に
溶解させず、均一に分散した系も多く検討されている。
マトリックス型ドラッグデリバリ−システムがそれであ
り、マイクロシール型とマイクロレザバー型に分けられ
る。前者はポリマーマトリックス中に通常液体の薬物が
粉体との混合物としてマイクロスフイアとなって分散さ
れている。後者は、薬物と液体のコソルベントの混合物
がマイクロレザバーとなってポリマーマトリックス中に
分散されている。乳剤性基剤のように液体中に液体粒子
が分散している場合は、脂溶性薬物をW10型基剤の連
続相であるオイル相の方に配合するのがよいとされてい
る。また、W10/W型の複合型エマルジョンが密封性
の高い乳剤性基剤として検討された例もある。しかし、
このような多くの研究があるにもかかわらず、現在のと
ころ幾分かの薬物放出効率の向上があったとしても、高
効率の放出が常に約束される手法は見出されていない。
ところで、従来から注射や経口投与されている薬物であ
っても、また新薬であっても、薬物自身の性質、薬効、
治療目的によっては、投与経路を選択する必要がある。
経皮投与は今までは局所作用を期待していたが、最近に
なり全身適用製剤が大いに注目されてきている。つまり
経皮投与を期待される薬物の種類が多くなってきたわけ
であり、それだけ普遍性を有する基剤とそれによる新し
い徐放のメカニズムの開発に期待が寄せられている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題点を解決するため鋭意研究を重ね
た結果、薬物貯蔵層の基剤に熱感応性及び水感応性を有
する両親媒性高分子化合物を用いることにより、従来の
基剤とは全く異なった普遍性のある薬物の拡散、放出、
分配のメカニズムが得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明は、薬物貯蔵層が熱感応性及び水感応
性の両親媒性高分子化合物を主基剤とし、該基剤中に薬
物を含有せしめることを特徴とする経皮投与用貼付剤で
ある。
薬物は一般に親油性(疎水性)、親水性、あるいは常温
で固体、液体に大別される。また薬効によってはmg/
dose〜μg/doseのオーダまで適用量に大差が
ある。そして熱、水、空気に対して不安定なものもある
本発明はこれらの薬物に対しても広く適用可能なポリマ
ー基剤と、それによる新規な放出メカニズムを有する貼
付剤を提供するものである。
一般に極性溶媒と非極性溶媒の両方の溶媒に同時に溶解
する化合物は両親媒性物質(Amph iph i 1
1cSubstace)と言われているが、これは水中
では可逆的に集合してミセルを形成し油中では逆ミセル
を形成する。
同様に、異種の分子のブロックの継がりからなるブロッ
クコポリマーが親水性ブロックと疎水性(親油性)ブロ
ックからなる場合はその一方のブロックに対してのみ溶
媒となるような液体に溶解したとき、安定なコロイド状
粒子を形成することが最近明らかになってきた。すなわ
ち、低分子の界面活性剤と同様のミセルを形成すること
から、このようなブロックコポリマーを両親媒性高分子
化合物という。
本発明で用いる両親媒性高分子化合物もまた上述の如く
一つの分子内に親水性ブロックと疎水性ブロックとを同
時に持つ高分子化合物を意味する。
なお、それらの各ブロックは親水性度又は疎水性度(親
油性度)が少しずつ異なっていて、全分子の一端から他
端に向かって親水性度(疎水性度)が順次勾配を有する
ように連結されているのが望ましい。
また本発明における熱感応性とは常温下の保存時は結晶
状態あるいは非結晶状態を呈する固体のポリマーであっ
て、ある特定の温度以上では鋭敏に感応して溶融するこ
とを意味し、具体的には常温にてフレークあるいはペー
スト状の固形状態のポリマーが皮膚表面温度30〜37
℃で溶解して薬物が固形状の場合はそれが溶解又は分散
浮遊するのに適した数百センチポイズから一方センチポ
イズの粘度を有する状態になることを意味する。この3
0〜37℃の比較的穏和な温度で液体となった両親媒性
高分子化合物は可溶化力が大きく、そのいずれかの親和
性のあるブロックにより、液体は勿論固体の多くの種類
の薬物を溶解する。そのため定められた量の薬物を基剤
ポリマー中に均一に練合して製剤化するのに有利である
また、水感応性とはこの両親媒性高分子化合物が水と接
触することにより、その親水性ブロックが水和すること
を指すが、熱感応して溶融したポリマーは水に対してよ
り鋭敏に感応する。例えば水感応の現象はポリマーの特
性に依存して次の様に分けられる。
A)全分子量が比較的小さくて、溶融粘度が低いポリマ
ーの場合。
■ 全分子として疎水性が優位なもの。
水とポリマーの界面で自然乳化して0.1〜100μ程
度の粒子となってマイクロスフイアを形成しなから水相
の方へ自然に移行する。
■ 全分子として親水性が優位なもの。
水と接触したとき乳化するが、その後、直ちに溶解する
。又は水と接触面から溶解する。
B)全分子量が比較的大きくて、溶融粘度が高い場合。
■ 全分子として疎水性が優位なもの。
水と接触するとその界面にあるポリマーの親水性ブロッ
クが緩慢な速度で水和される。比較的長い時間をかけて
基剤ポリマー全体が水和されるが、全体が乳化した状態
で流動することはほとんどなく、粘着性のある液体とし
てとどまる。しかし、水和することで見掛は上の溶融温
度が低下するのでより熱感応性となる。このようなポリ
マーは親油性の薬剤を制御膜を付けないで直接皮膚へ放
出・分配するのに有利である。
■ 全分子として親水性が優位なもの。
水と接触すると親水性セグメントが直ちに水和され、全
ポリマーが溶解する方向に更に水和が進行する。それに
より見掛は上の融点が低下し、融解・溶解が拮抗した状
態で進行し、ポリマーはA)の■はどに流動性をもたな
いが、徐々に皮膚表面へと移行して広がっていく。
いずれの場合であってもポリマーが熱感応して融解し、
水感応して溶解した状態では幾分かもしくはかなりの流
動性のある粘性液体であり、薬物を混合した時よりも均
一に分子分散した状態で可溶化している。そして皮膚と
の接触面で薬物分子は親和性の高いセグメントとの弱い
相互作用から解放されて皮膚内へ徐々に分配供給される
わけである。
この両親媒性高分子化合物は水感応及び熱感応して溶解
又は融解するように構成分子のバランスと分子量が制御
されている。そして溶・融解したときは親水性ブロック
は親水性の低分子化合物を、疎水性ブロックは疎水性の
低分子化合物を可溶化する作用をする。一般に薬物もま
た極性溶媒に溶解するものと、非極性溶媒に溶解するも
のに分けられる。また、やや意味は異なるが親水性薬物
と疎水性薬物に大別できる。従って、親水性度又は疎水
性度(親油性度)の少しずつ異なるブロックを有するこ
とは、それに対応して種々の薬物を溶解するに有利であ
る。事実、我々は本発明のポリマーが薬物が親油性であ
れ、親水性であれ、またそれが液体は勿論、固体であっ
てもよく可溶化することを確認している。特に従来より
全く困難とされていた固体吹の分解し易い高生理活性物
質微小量でさえも経皮投与可能な貼付剤としたことは極
めて意義が大きい。
本発明の基剤としては、熱感応性及び水感応性を有する
両親媒性高分子化合物であればいかなるものでも用いる
ことが可能であるが、好ましくは、熱感応性及び水感応
性の両親媒性高分子化合物がポリマー分子一端に近い程
親水性度が大きくなり、ポリマー他端に近い程、疎水性
又は親油性度が大きくなるようにブロックの連結が調節
されたブロックポリマーであり、又薬物を在庫中に安定
に保持し、貼付時に体表温度付近で融解させるため、本
発明のポリマーは融点が30〜37℃の範囲であること
が望ましい。更に好ましくは、上記両親媒性高分子化合
物が、次の一般式で示されるポリマーである。
ニー81−音十C−)−H−8、−0−fR,−0−R
,−0+−X〔式中、(S)は (■):士R1O−’R1,0+T− のポリアルキレンオキサイドセグメント、又は(II)
  :  十す、−R,°−5.−0−R、−0−)7
−の脂肪族ポリエステルセグメント、又は (III) : +0−R,°−8、−)T−0−R、
−0十5.−R、” −0−)−F−で示されるポリエ
ステルセグメントである。
ここで、(1)の場合はR1−R8は炭素数が7〜2で
あって、側鎖を有しているかまたは有していないポリメ
チレン基であり R、−%−T RMの順に炭素数が少
なくなる(但し、隣接するセグメントのR1−R8の炭
素数が一部等しいか又は/及びR1−R8からなる一部
のセグメントが欠落したものも含む。)。
(II)は二塩基酸と二価アルコールからなるポリエス
テルであり、各々のメチレン基R1+ R,”はR3+
R,° 〉R2の炭素数からなる。(III)はR1°
+ R1”の炭素数が5の環状エステルの開通重合物と
二価アルコールのエステル化合物である(但し、R1゛
とR1”又はlとloが同じであってもよい。)。
(II)及び(III)の場合は、R1はポリエステル
を形成する二価アルコールのメチレン基を示し、L〜R
,は炭素数が4. S, 2のメチレン基でありR2−
R8の順に炭素数が少なくなる。(但し、隣接するセグ
メントのR2〜Rやの炭素数が一部等しいか、又は/及
びR2−R8からなる一部のセグメントが欠落したもの
も含む。)。
−Oxは(S)セグメント側である疎水性側がRO−1
RCOO−1R−<Oバー、R−NHCDO−1R−0
0(’HN−■−NHCOD−であり、ここでRは炭素
数1〜18のアルキル基もしくはビニル基、■はイソシ
アネートの骨格を示す。
一方、親水性側は−DH,−DC1! 、 −0ar 
、−OFである。また、R,1”、m、n、pは重合度
を表す正の整数である。(A)、  (B)、  (C
)はインシアネート化合物の骨格を示す。〕で示される
二元以上のマルチブロックポリマーからなる基剤ポリマ
ーにより構成される。
式中のポリエステルセグメントが親油性(Lip。
philic)を示し、またポリアルキレンオキサイド
セグメントのうちで炭素数5以上では親油性を示す。4
又は3のアルキレンオキサイドからなるポリマーは疎水
性(Hydrophobic)、炭素数3又は2からな
るものは親水性(Hydropholic)である。炭
素数3のポリプロピレングリコールの親水性(疎水性)
は分子量の大きさに大きく依存する。この両親媒性高分
子化合物は分子の一端から他端に向かって疎水性度(親
水性度)が勾配を有するように設計されている(Hyc
frophobicity−)1ydrophilic
ity Tapered Blockpolymer)
 、例えば、疎水性の方向から順に二塩基酸と二価アル
コール(又は環状エステルの開通重合物)からなるポリ
エステルセグメント(炭素数5〜7のアルキレンオキサ
イドからなるポリアルキレンオキサイド)−ポリテトラ
メチレングリコールセグメント−ポリプロピレングリコ
ールセグメント−ポリエチレングリコールセグメントで
構成される。これらのセグメントは各々ジイソシアネー
トで連結される。そして親水性−疎水性の勾配を有する
ような配列を有する異種セグメントからなる二元以上水
元までの多元ブロックポリマーが構成される。また同種
のセグメントで連結されたポリマーに異種セグメントを
連結した多元ブロックポリマーであってもよく、あるい
は/及びこれらセグメントを連続することなく一部が欠
落してもよい。
次に本発明の熱感応性と水感応性の親水性−疎水性の勾
配を有する両親媒性セグメントポリウレタンについて更
に詳しく述べる。
本発明のポリマーは在庫中に薬物を安定に保存し、貼付
時に体表温度で融解させるためには融点が30〜37℃
の範囲であるのが望ましい。セグメントポリマーの見掛
は上の融点は各々のセグメントの融点に依存する。本発
明のポリマーを構成する各セグメントのポリマーはポリ
エステルグリコーノベポリエーテルグリコールとして常
温で液体あるいは固体であることを問わないが、液状ポ
リマーのみ、あるいは37℃以上の融点の固体ポリマー
のみをセグメントとして連結した場合は30〜37℃で
融解するセグメントポリウレタンは得られない。
30〜37℃で融解するポリマーの連結が好ましいが、
液体ポリマーと固体ポリマーを連結したものでもよい。
液体ポリマーをセグメントとした場合、その熱運動によ
り薬剤との相互作用が固体ポリマーのそれと異なるので
、薬剤の放出という観点から興味深い。液体セグメント
を含む場合は液体ポリマーと固定ポリマーのセグメント
の比によっても異なるが、かなり高い融点の固体ポリマ
ーを連結することができる。経験によれば約50℃の融
点を有するポリマーまで一部のセグメントとして使用で
きる。これは液体セグメントの分子運動によって見掛は
上の融点が低下することあるいは水感応により融点低下
がみられることによると思われる。
但し、一般的には30〜37℃付近のT、を有する固体
ポリマ、−と液体ポリマーをジイソシアネートで連結す
るのがよい。但し、ポリマーは融解して低粘度の流動性
を有する液体となる必要があるから各々のセグメントを
形成するポリマーは比較的低い重合度の化合物である。
さて、親油性セグメントとしてのポリエステルグリコー
ルについて記述する。本発明のポリエステルグリコール
は前述の如き低融点であること、及び溶融粘度が低いこ
とを必要とするために脂肪族ポリエステルが選ばれる。
各々のメチレン基R2とR,l  の炭素数和はR2の
炭素数より大で、30より小である。脂肪族ポリエステ
ルは脂肪族ジカルボン酸とグリコールの組み合わせによ
り多くの種類がある。しかし一般に低分子量のものは脆
いロウ状、高分子量のものは強靭な角質である。従って
本発明では低分子のロウ状のものが選ばれる。融点は分
子量の増加とともに上昇するが、比較的低分子量でほぼ
一定に達する。融点はジカルボン酸と二価アルコールの
組み合わせからなる各々のポリエステル固有の値である
ことは当然である。しかしながら分子量によって大雑把
に制限すれば500〜S,000程度のポリマーが使用
できる。また一般に分子間距離を大きくし分子の対称性
を低下させる側鎖が導入されたポリエステルは低融点と
なり、液体状のものが多いのでセグメントとして使い易
い。但し、全ポリマーとして親水性−疎水性のバランス
、溶融温度、粘度、薬物との親和性などの関係から選択
されることは当然である。30〜37℃付近に融点を有
するかあるいは液状であるポリエステルは以下のような
ものが例示される。
・エチレングリコールとグルタル酸、ピメリン酸、アゼ
ライン酸 ・プロピレングリコールとコハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸 ・ブタンジオールとグルタル酸、ピメリン酸・ヘキサン
ジオールとコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スペリン酸 ・エイコサンジオールとアゼライン酸 ・ジエチレングリコールとスペリン酸、セバシン酸 ・トリエチレングリコールとセバシン酸・ネオペンチル
グリコールとコハク酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸などの各々のポリエステルポリオ
ール、その他ポリ3−メチルーペンタン−1,5−ジオ
ールアジペートも低粘度液体であり61.000〜S,
000のものが使用できる。
上記のグリコールとジカルボン酸で組み合わされるポリ
エステルの中から低分子量(約500〜S,000 、
好ましくは500〜1.000のもの)のものを選べば
よい。但し、隣接するポリテトラメチレングリコールセ
グメントより更に疎水性である必要からメ・チレン基の
数が好ましくは5以上のものが選ばれる。ここで、ポリ
エステルのエステル結合とポリエーテルのエーテル結合
の違いによる親水性、疎水性への影響に疑問があるが、
本発明者の経験によればエステル結合は固体状態1′−
おける分子間凝集力が強く、ポリエステルの方がポリエ
ーテルよりも、より親油性である溶剤に対して親和性の
強いことを確認している。そしてエステル結合に起因す
る分子間力のために低分子量でも固体状態で硬いロウ状
を呈しているが融解すると低粘度液体に変化する。つま
り融点が明瞭であり、粘度変化の明らかなポリマーが得
られ易い。この事実は親油性セグメントに炭素数5〜7
のポリアルキレンオキサイドを有するアルキレンオキサ
イドのみの連結からなる両親媒性セグメントポリウレタ
ンと相違する性質であり、本ポリマーの方が固体状態で
硬く、見掛けのT、が明瞭であり、溶融体が低粘度であ
るものを得易い。また、ポリエステルの種類も多く、液
状のポリエステルも使用できるので疎水性−親水性のバ
ランスの異なる数多くの種類が得られるのが特徴である
また同様に炭素数5の環状エステルの開通重合物もまた
同じ目的で使用できる。例えばε−カプロラクトンの開
通重合物とジエチレングリコールなどのポリエステルグ
リコールがそれであり、分子量500〜2,000 、
好ましくは500〜1.000のものが選ばれる。また
ポリβ−メチル−δ−バレロラクトングリコールも低粘
度の液体のポリエステルとして1.000〜S,000
の分子量まで使用できる。
次にポリアルキレンオキサイドセグメントを形成するポ
リエーテルグリコールについて記述する。
ポリアルキレンオキサイドは一般に環状エーテル化合物
の開環重合によって合成される。このポリマーはアルキ
レンオキサイドのメチレン基の数が少ないものほどエー
テル酸素の占める比率が高くなるために親水性度が大き
くなり、アルキレンオキサイドのメチレン基の数が多い
ものほどエーテル酸素の占める比率が低くなるために疎
水性度が大きくなるという性質がある。但し、メチレン
基の数の多いアルキレンオキサイドを疎水性と表現する
が、そのエーテル酸素は水と親和性(Affinity
)を有しており、メチレン基連鎖の構造的障害によりエ
ーテル酸素と水の会合が抑制されるために疎水性なので
ある。換言すればアルキレンオキサイドのメチレン基の
数が増加すると疎水性になる理由は以下のように説明さ
れる。
アルキレンオキサイドが水と接触するときにメチレン基
と水との間に親和性が欠除しているために、水との接触
をできるだけ少なくしようとする。
そのような状態が水和圏が小さくて最も安定なためであ
る。このような自己会合の現象を疎水性相互作用(Hy
drophobic Interaction)という
。水との疎水性接触を減少させるために分子は体積を増
加する。そしてメチレン基のCH2単位の数は体積増加
に大きく寄与する。つまりCH,の数の多いアルキレン
オキサイドはど疎水性であると言える。
更に、ポリアルキレンオキサイドの場合はモノマ一単位
の疎水性効果に高分子効果が加味される。
そのため炭素数5以上のポリアルキレンオキサイドセグ
メントは疎水性よりはむしろ親油性といってよい性質を
示すのである。
本発明に用いられるアルキレンオキサイドポリマーはセ
グメントを形成するために低重合度のものが選ばれる。
また親水性−疎水性のバランス、溶融温度・粘度、薬物
との親和性などを考慮して選択されるが、分子量は50
0〜3,000 、好ましくは500〜1.000に大
略限定できる。
本発明に使用できる親油性のポリアルキレングリコール
は開環重合により入手可能なものであればよく、ポリペ
ンタメチレングリコール、ポリへキサメチレングリコー
ル、ポリへブタメチレングリコールが挙げられるが、6
員環のテトラヒドロピランの開環重合による合成が困難
なポリペンタメチレングリコールは実用的でない。一般
に親油性セグメントにこれらのポリアルキレンオキサイ
ドを用いた場合はポリエステルセグメントを用いた場合
よりも溶融粘度が高い。そのため薬物を溶解した溶融状
態の粘着剤として制御膜を介さずに直接に皮膚に貼付す
る目的で使用するのに適する。
以下に疎水性、親水性のアルキレンオキサイドポリマー
について述べる。
ポリテトラメチレングリコールは水に不溶であり、エタ
ノールに良く溶解する疎水性のセグメントである。分子
量が500〜S,000のものが融点を満足するので使
用できる。Mw650.1,000.2,000.3、
000のT、 (t)は各々11〜19.25〜3S,
28〜40.30〜43である。ポリプロピレングリコ
ールは分子量が40.000程度でも依然として液体で
あり、液体セグメントとして利用される。但し、分子量
が750以下では水溶性であり、以上では水に難溶乃至
不溶性であるために、親水性と疎水性のバランス、液体
一固体のセグメントバランスによる融点降下の効果と溶
融粘度などを考慮して選択される。
ポリプロピレングリコールはCD、基が側鎖にあるため
に疎水性に対する分子量効果が大きい。そのため薬剤と
の相互作用に注意を払う必要がある。
またポリエチレングリコールは水溶性のセグメントを形
成する。分子量600以下では常温で液体である。固体
セグメントとしては分子量800〜1、000 (T、
 : 30〜38℃)のものが使用できる。但し、他の
液体セグメントとのバランスによっては分子量2.00
0(T、 : 48℃)のものまで使用できる。分子量
が大きくなると高分子効果により疎水性が増す。
ポリエチレングリコールは結晶性の高いポリマーであり
、融解後、特に水に含んだ状態での溶融粘度は極めて低
い。またシャープな融点を有する。
そのため、本発明の両親媒性ポリウレタンの融点と溶融
粘度の最も重要な決定因子となるものである。またポリ
エチレングリコールは非極性物質に対する排除効果を持
つので、非極性薬物の放出のメカニズムに大きな影響を
与えると思われる。またアルキレンオキサイドのエーテ
ル酸素は薬物と弱い結合しか示さないので、反応による
薬物の分解の危惧は少ない。
さて、モノマ一単位の炭素数が2. S, 4. 5・
・・の順になるように各々のセグメントをジイソシアネ
ートにより連結することにより、目的とする親木性−疎
水性のテーパーを有する両親媒性セグメントポリウレタ
ンが得られる。このとき熱感応性、水感応性はセグメン
トの種類、分子量、分子量バランス、あるいは全分子量
などに依存する。
しかし目的によっては全てのセグメントで構成される必
要はな(、一部欠落していてもよい。あるいはまた親木
性−疎水性のバランス、融点、溶融粘度の関係から同種
のセグメントをジイソシアネートでいくつか連結しても
よい。特に親水性を強めること、融点を明確にし、30
〜37℃に維持する意味でポリエチレングリコールを連
結する方法は有用である。
同様にポリエステルグリコールもまたジイソシアネート
により連結する方法も考えられるが、疎水性効果が顕著
であること、ウレタン結合の数が多くなるほど溶融粘度
が高くなること、分子量が高くなると溶融粘度が高くな
ること、及び重合回数が増すことによる煩雑さなどから
考えて必要以上にジイソシアネートで同種のセグメント
を延長するのは望ましくない。
また全分子量は溶融粘度を考慮して大略1.500〜1
0.000、好ましくは2.000〜5.000の範囲
で選択される。
尚、疎水性セグメント末端の−DHは常套手段により疎
水性を示す種々のアルキル基で封鎖される。
但し、このアルキル基があまり大きすぎる場合は融点が
高く、全ポリマーの融点を高めるので、望ましくは炭素
数1〜18のものが選ばれる。例えば末端をRNCOO
で示されるモノイソシアネートの場合、CH3([:H
2) IJcOOの凝固点は19℃であり、有効な疎水
性の末端封鎖剤である。一方、親水性側の末端は合成が
容易であり、毒性のない一叶基が最も有用である。
一方、多元ブロックコポリマーのセグメントをつなぐイ
ソシアネート化合物としては、p−フェニレンジイソシ
アネート、2.4−)ルイレンジイソ’17J−) T
DI、  4.4’ −ジフェニルメタンジイソシアネ
ートMDI、ナフタリン1,5−ジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソ
シアネート、リジンジイソシアネート、キシレンジイソ
シアネート、水添加TI)I 。
水素化MDI 、ジシクロへキシルジメチルメタンp、
p”−ジイソシアネート、ジエチルフマレートジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、等のジイソシ
アネートが採用される。これらのインシアネートは一般
式中の(A)、  (B)、  (C)が同じであって
も異なっていてもよい。但し、ポリマーはメチレン基あ
るいはエーテル酸素(一部ポリエステルのカルボニル基
)が薬物と相互作用し易いコンホメーション(Conf
ormation)を取ることが望ましい。従ってジイ
ソシアネートはイソシアネートが角度を有する位置に存
在するよりも直線上に位置する方が直鎖状に連結された
ポリマーを形成し易い。直鎖状の脂肪族セグメント及び
脂肪族ジイソシアネートからなるポリマーは本発明の分
子量域で比較的脆いロウ状の固体であり、融点が明らか
であり、溶融粘度が低いので好適である。すなわちテト
ラメチレンジイソシアネート1ヘキサメチレンジイソシ
アネートなどが好適に使用される。
かくして分子の末端に及ぶまで親水性−疎水性(親油性
)の勾配がコントロールされ、且つ、熱感応性と水感応
性の機能が付与されたポリマーが分子設計される。尚、
本発明の両親媒性高分子化合物の熱感応性、水感応性の
助剤として、本発明の条件を満足すべき分子量のポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、両者の
コポリマーあるいはこれらの系統の界面活性剤を任意に
添加してもよい。
次に表2に本発明の好ましいセグメントの組み合わせを
例示するが、本発明に使用されるセグメントの組み合わ
せはこれに限定されるものではない。表2に続いてポリ
マーの合成の一般的フローシートを示す。
さて、合成されたポリマーと薬物との混合は一般に次の
方法で行う。まずポリマーの融点以下の温度で固体のポ
リマーを秤量する。薬物を容量又は重合秤量して30〜
37℃以上に加熱して粘性のある液体となったポリマー
に加え、よく練合する。
練合は真空下又はN2などの不活性ガス中、乾燥状態で
行えばより安全である。混練温度はポリマーの融点より
もやや高い程度でよく、極めて穏和な条件が選択できる
この方法によれば混合のための溶剤や助剤が不要である
ので、後に溶剤を飛散させる煩雑さや残留溶剤の安全性
に留意する必要もない。ポリマーは疎水部分と親水部分
からなるので溶融状態では高分子界面活性剤(Poly
mer 5urfactant)として機能し、その可
溶化力は大きい。可溶化力の大きさはシクロデキストリ
ンなどで包接された薬物さえも徐々に抽出する事実から
も裏付けされる。従って多くの種類の薬物を溶解する。
低温の溶融状態で固体の薬物を溶解することが可能であ
るということは、薬物を安定状態で取扱ううえで都合が
よい。そして一度ボリマー中に混合(溶解)されるとポ
リマー中に固体状態で保存されるので、貯蔵安定性がよ
(、貯蔵中の薬物のブリードアウトもなく、含有量の変
化を生じない。
また一般に界面活性剤の毒性、粘膜刺激性、皮膚−次刺
激性などは陽イオン性〉陰イオン性〉両性イオン性〉非
イオン性の順であるとされるので、非イオン性に属する
該ポリマーの安全性は高い。
アルキレンオキサイドをセグメントとしたポリウレタン
樹脂は人工臓器として検討されている事実もまたこれを
裏付ける。我々は実際に本ポリマーはほとんど刺激がな
いことを確認している。
最後に、ポリマーが親水性−疎水性の勾配を有するため
に生ずる効果は次のように要約される。
すなわち、薬物はその最も親和性の高いセグメントの近
傍で多く存在し、分子分散状態で溶解している。つまり
親水性(疎水性)薬物は親水性(疎水性)のセグメント
に多く存在し、疎水性(親水性)セグメントにあまり存
在しないというよう、に、分子レベルで濃度勾配を有す
るように溶解していると推定できる。ポリマーが溶融・
溶解して皮膚表面から薬物が徐々に吸収されると、薬物
分子の分散濃度に変化を生ずるが、薬物は親和性の高い
方から移動しながらポリマーの一方の分子端の方向から
放出される。そのとき、勾配はスムーズな移動と放出の
制御に関与すると考えられる。このように勾配をもって
結合されたポリマーは親水性薬物であっても疎水性薬物
であっても放出の方向が常に開放されている“場”を提
供している。
次に、本発明の薬物貯蔵層に含まれる薬物は、経皮吸収
が可能であれば特に限定されることはない。親水性薬物
であっても親油性薬物であっても液体であっても固体で
あっても本発明の目的を達成することができる。例えば
、以下の化合物群を挙げることができる。
a)プロスタグランジン(PG)類(例えば、PGA 
PGD 、 PGE 5PGF 5PGI  、6−ケ
ドーPGE、6.9−ニトリロ−PGI、 、6.9−
メタノ−PGI2及びそれらの誘導体ど) b)血管拡張剤(例えば、ニトログリセリン等)C)コ
ルチコステロイド類(例えば、ハイドロコルチーシン、
ベタメタシンなど) d)抗炎症剤(例えば、インドメタシン、イブプロフェ
ン等) e)抗生物質(例えば、ペニシリン、エリス0?イシン
など) f)催眠鎮静剤(例えば、フエメバルビタールなど) g)麻酔剤(例えば、ペンシカインなど)h)抗菌物質
(例えば、ペンタマイシンなど)I)ビタミン剤(例え
ば、ビタミンAなど)J)抗痙彎剤(例えば、アトロピ
ンなど)k)ホルモン剤(例えば、テストステロンなど
)これらの薬物の基剤に対する含量は、薬物の力価、患
者の年齢、症状、目的とする治療効果、貼付個所、目的
とする放出持続時間により適宜法められる。
次に、本発明の貼付剤は、熱感応性及び水式応性を有す
る両親媒性高分子化合物と薬物とからなる薬物貯蔵層を
必須構成要件とするものであるが、貼付剤としての簡便
性、含有薬物の安定性、放出性、放出持続性、皮膚との
密着性を考慮して、その他の任意の層を設けることがで
きる。それらの層としては、例えば、表皮層、感圧接着
層、硬質基板、放出制御層、ライナーであって、これら
は図面に例示のような構造で使用される。しかし、例示
はあくまで、本発明の特徴及び拡散・放出のメカニズム
を具体的に説明するためのものであり、本発明をこれら
の例示に限定するものではない。
以下に図面に沿って、各種の層、硬質基板及びライナー
についてその働きを説明する。
第1図は薬物貯蔵層(3)以外に表皮層(1)、感圧接
着層(2〕、放出制御層(4)及びライナー(5)から
なる本発明の貼付剤Aの断面図及び平面図であり、第2
図は薬物貯蔵層(3)以外に表皮層(1)、感圧接着層
(2)及びライナー(5)からなる本発明の貼付剤Bの
断面図及び平面図であり、第3図は第1図の貼付剤Aに
硬質基板(6)を設けてなる貼付剤Cの断面図であり、
第4図は第2図の貼付剤Bに硬質基板(6)を設けてな
る貼付剤りの断面図である。
表皮層(1)は、貼付剤の支持体としての働き以外に薬
物が皮膚側の反対側に滲出するのを防ぐとともに保存中
の吸湿を防止する。
感圧接着層(2)は薬物貯蔵層(3)を表皮層に固着さ
せるとともに、貼付側全体を皮膚へ感圧接着する。
さらに薬剤の表皮層側への滲出も防ぐ。
放出制御層(4)は、薬物の放出を制御し、皮膚への刺
激を緩和するとともに放出速度及び持続性をコントロー
ルする。但し、基剤ポリマーに薬物との相互作用による
マトリックス制御の機能が十分にある場合は放出制御層
(4)は不要である。
ライナー(5)は保存中の吸湿を防止する。使用直前に
剥がす。
硬質基板(6)は薬物貯蔵層〔3)や放出制御層(4)
を皮膚に押さえ込み皮膚との密着性を良くすると共にず
れ防止の働きをする。また薬物が表皮層(1)側に移行
するのを防止する。
上記各層は、以下のような素材によって構成される。
(1)の表皮層には一般にポリエチレン、ポリプロピレ
ン、軟質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレ
ンテレフタレートなどの合成樹脂フィルムが使用できる
。しか゛し、貼付剤の皮膚゛カブレの原因の一つに貼付
時の違和感が挙げられる。つまり、皮膚の突っ張りによ
り何時も貼付感、  が残ることである。材料を柔軟性
、伸縮性、肌触り及び風合の良い低モジユラス材料にす
れば皮膚への追従性は良く貼付感を忘れることができる
それは、100%モジュラスがおよそ5kg/cd以下
の材料であり、例えば軟質ポリウレタンフィルム、軟質
ポリ塩化ビニルフオーム、エチレン−酢酸ビニルフオー
ム、1.2−ポリブタジエンフォームなどが挙げられる
。このうちで材料にブロッキングが生じないもの、薄く
て可塑剤の添加物のブリードがなく安全性の高いものは
1.2−ポリブタジエンフォームであり、最も好ましい
。その厚さは取り扱い易さも考慮すれば0,15〜1.
Ommが望ましい。この材料は薬剤の基剤側への滲出を
防ぐ目的で内側あるいは外側に(外側の場合は被服に触
れたときの滑性を与える意味も有する。)表面処理剤を
施してもよい。この低モジユラスの表皮材は内側の感圧
接着材(粘着材)のモジュラスに適合して一体感のある
構成体となる。
(2)の感圧接着剤(粘着剤)は薬剤の性質に見合って
親油性あるいは親水性のものに変換すればよく、ときに
は肌と密着する部分のみを皮膚と親和性のよいものに置
換してもよい。一般にアクリル系、ゴム系の粘着剤を使
用できるが、ポリサッカライド系の植物質の粘着剤、ゼ
ラチンなどの動物性の粘着剤を適宜使用できる。その厚
みは20〜30μmが適当である。
(4)の放出制御層はエチレン−酢酸ビニル共重合体、
シリコン、アクリル系樹脂、ポリエチレン、二チルセル
ローズなどの高分子膜あるいはその多孔膜が任意に使用
できる。しかし、本発明の主旨と基剤ポリマーの特性か
らすれば、製剤の保存時に不活性であり貼付時に活性を
示す膜がより好適である。すなわち貼付以前では膜とし
て機能せず、貼付後に体表の温度と湿分により再活性し
て透過拡散の機能を顕著に発現するものである。また体
表への密着性は皮膚への定量的吸収の基本的条件である
ので、再活性はくより強い)粘着性の発現をも意味する
本発明は基剤ポリマーによるマトリックス制御も働くの
で、膜に放出制御を求める場合と放出促進を求める場合
がある。
また膜は直接人の皮膚に接触するものであるから低刺激
性のものほど良い。以上の理由から本発明ではゼラチン
膜が好適に用いられる。ゼラチン膜は例えば次の様なも
のが挙げられる。
A)ゼラチン水溶液とデキストラン水溶液に架橋剤とし
てジェポキシ化合物を加える。これを成膜して後乾燥す
る。その後、60℃に加熱して架橋を完結する。この膜
はゼラチンとデキストランの相分離膜である。次いでこ
の膜を水に浸漬してデキストランを除去し、再び乾燥す
れば多孔質のゼラチン膜が得られる。膜が脆い場合は繊
維が細く、目付重量の小さい(網目の粗い)ナイロント
リコットなどの布地をゼラチン−デキストラン−架橋剤
の水溶液に浸漬して後引き上げて、その後同様の操作を
行うことにより補強された膜が得られる。
B)ゼラチン/水、グリセリン及び架橋剤を所定量混合
した後、A)と同様の方法で乾燥、架橋して厚さ30〜
40μmの膜を得る。これはグリセリンが20〜50%
含まれるために、液体膜に属するものである。そしてゼ
ラチンの特性により常温、乾燥状態では比較的硬くてド
ライな感触の膜であるが、体表の温度と湿気により活性
化してウェットで粘着性のある膜に変化する。貼付時に
はグリセリンは皮膚に湿潤を与えて皮膚を一定の状態に
保ち、また膜がその粘着性により密着するので、薬物の
定量的吸収の基本的素地ができあがる。主としてA)は
薬物/ポリマーの拡散コントロールとして、B)は薬物
の拡散制御もしくは促進に機能すると思われる。
(5)のライナーは通常使用される離形紙、離形フィル
ム等が使用できる。
(6)の硬質基板にはポリエステノペボリプロピレン、
硬質ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、
等の合成樹脂板が望ましいが、他の板状物でも使用でき
る。この硬質基板は薬物貯蔵層(3)の薬物に対して不
活性なものであり、しかも適当な剛性を有し、衝撃によ
って割れないものでなければならない。該基板〔6)の
厚みは100〜500μm程度であるのが望ましい。
なお、本発明貼付剤の形状は特に限定されるものではな
く、丸形、角形等、所望の形状とすることができ、大き
さ及び厚みなどは薬物の力価、患者の年齢、症状、目的
とする治療効果、貼付個所、目的とする放出持続時間等
により適宜法められる。
本発明において、薬物の拡散、放出、分配は概略以下の
ようにして起こるものと推定される。
1、薬物は溶解した基剤ポリマーと練合される(但し、
融点よりあまり高くない穏和な条件下で)。そして薬物
貯蔵層(3)内の薬物は約30℃以下の常温下の保存時
には、結晶あるいは非結晶状態の固体のポリマー中に溶
解あるいは分散されている。薬物が溶解している場合は
両親媒性高分子化合物の親和性のあるセグメントの近傍
に分子分散している。薬が基剤ポリマーに不溶な分子で
包接されていたり、被覆されている場合は分散している
2、貼付剤をライナー(5)から剥がして皮膚に貼る。
3、薬物貯蔵層(3)を構成する本発明の両親媒性高分
子化合物は、まずその熱感応性によって体温で溶解する
。感熱性、感湿性の再活性粘着膜がある場合は、この膜
が体温により粘着性を帯びて皮膚に密着することが先行
する。
4、貼付後しばらくして、皮膚表面から発した水のある
一定量が融解しtこ薬物貯蔵層のポリマーに達するとポ
リマーが水和し始める。実際には融解と水和が拮抗した
状態で進行し、融点降下により更に溶・融解し易い状態
となり、ついには全体が粘性のある液体となって腹側へ
又は皮膚表面へと流動し、て徐々に広がっていく。この
間の状態は水式応性の定義のところで記載したように、
A)全分子量が比較的小さくて溶融粘度が低いポリマー
の場合、 ■ 全分子として疎水性が優位なもの ■ 全分子として親水性が優位なもの B)全分子量が比較的大きくて溶融粘度が高いポリマー
の場合、 ■ 全分子として疎水性が優位なもの ■ 全分子として親水性が優位なもの の各々の場合によって皮膚表面までの(流動)拡散の過
程は異なる。
また膜のある場合とない場合によっても異なる。
しかし、共通の事実は、親水性と疎水性の部分をもち、
水へのある程度の溶解性(親和性)を有する両親媒性物
質は疎水性部分と水との接触面積を最小にするように体
積を増加する。そして界面に移行する傾向を有する。す
なわち水分の多い皮膚表面に集まって分子が伸長した状
態を取る傾向を示すものである。
5、皮膚表面では薬物は固有の皮膚への透過速度をもっ
て分配・吸収されるが、このとき両親媒性の各セグメン
トと薬物の弱い相互作用および親和性の勾配が適当な放
出抑制力として働く。ここでポリマーがその疎水性効果
により伸長した状態は微量の薬物を高い効率で放出する
のに有利である。
ここにおいて薬物は皮膚に吸収されるが、ポリマーは分
子が大きくて皮膚に吸収されずに残る。
一般にジメチルスルオキサイド(DMSO)のようなエ
ンハンサ−(Enhancer )の働きをする溶剤で
ストリップされた皮膚でも分子量S,000以上の大き
な分子は吸収され難いとされている。本発明では前述の
条件を満たすブロックポリマーは好ましくは2、000
〜5.000であり、正常な皮膚からの吸収はほとんど
ないので安全性が極めて高い。
更に詳述すると一般に極性基を持たない炭化水素を除く
低分子化合物は分子内に極性基と非極性基を有してふり
、それがあるバランスをとって分子構造が成り立ってい
る。薬物の分子構造についても同様のことが言える。経
皮吸収投与剤に使用される薬物は基剤である高分子化合
物と比較的緩く親和しており、高い活動係数を示す状態
で均一に分散している状態が放出の効率を考えた場合に
望ましい。しかし、希望とする放出パターンは薬剤の力
価、患者の年齢、症状、目的とする治療効果、貼付個所
、目的とする放出持続時間などに応じて各々に最適な徐
放が選択されるべきである。
このような薬剤の放出の制御は、薬剤と基剤ポリマーの
結合力、つまり弱い分子間相互作用、分子レベルの分散
の形態、及びポリマーと薬剤の熱的・物理化学的挙動な
どに影響を受けるものである。
薬物とポリマーの結合が強すぎる場合、例えば配位結合
、共有結合、イオン結合などの場合、薬剤がポリマーと
反応して化学変化することが考えられる。また高い活動
係数は得られない。一方、水素結合やファンデルワール
ス力の弱い結合では薬物の反応は生じ難く、また任意に
高い活動度が得られる。
本発明に用いる両親媒性のアルキレンオキサイドセグメ
ントポリウレタンと薬物との関係は以下のごとく特徴づ
けされる。
アルキレンオキサイドはエーテル酸素を有し、この酸素
が水と親和性を有するためにこの部分が親水性として作
用することはよく知られている。
また、この酸素は例えば極性をもった炭化水素であるア
ルキルカルボン酸く例えばオレイン酸など)や高級アル
コール類の活性水素と水素結合を形成し可溶化すること
はよく知られている。薬物の場合も同様な弱い結合が形
成される。
然して本発明は極めて分解し易い高生理活性物質である
プロスタグランジン(PG)類の微小量を経皮投与する
ことも可能である。PG類は水酸基を有する炭素数20
の不飽和脂肪酸であり、かなり強い極性を示す。そして
一般にアルコール、アセトン、クロロホルム、酢酸エチ
ルなどの極性有機溶媒によく溶け、ヘキサン、石油エー
テルなどの極性の低い溶媒には難溶である。また水に難
溶である。PGは構造的に親油性部分と親水性部分から
成っている。以上の特性からすれば、PG類とボリア゛
ルキレンオキサイドセグメントとの間に先述の弱い相互
作用が成立することは容易に推定される。
一方、アルキレンオキサイドの疎水性の度合はメチレン
の炭素数によって変化する。しかし、モツマ一単位では
疎水性の効果はそれほど顕著なものではない。モノマー
ユニットを直鎮状に連続させ、これをポリマーのセグメ
ントとすることにより、その効果が顕著に発現される。
更には、メチレン数の順次増加あるいは減少したモノマ
ーユニットを有するセグメントを隣接して継続させるこ
とにより親水性から疎水性へのスムーズな勾配が形成さ
れる。もしエーテル酸素に飽和な数の薬物が、この酸素
と弱い結合状態で分子分散されればセグメントに沿って
薬物の分散状態に濃度勾配が形成される。また、薬物が
強い親油性を示す場合は、メチレン類が分子分散に効果
的に作用するので同様に分子分散状態に濃度勾配が形成
される。
このような親水性度あるいは疎水性度のスムーズな勾配
は薬物の溶解度常数に合致したセグメント近傍で最も濃
度の高い親和性を有する位置を存在させるものである。
このポリマーはいずれかのセグメントが親油性、親水性
を許容するために両親媒性高分子化合物と称される。そ
して、親油性の薬物の場合は、親油性のセグメントの方
向に、親水性薬物の場合は親水性セグメントの方向に移
行するように常に開放された分子構造になっている。
ここで、親油性セグメントとしてのポリエステルセグメ
ントのエステル結合と薬剤の相互作用に危惧が残る。し
かし脂肪族のポリエステルであること、多元ブロックポ
リマーの一つのブロックのみを占めること、及び他のブ
ロックの干渉を受ける共重合効果のために分子間力がそ
れほど強くあられれない。つまり薬剤との反応性は極め
て低く実用上全く問題を生じない。
ポリマーの各セグメントはウレタン結合により切断され
ているが、各セグメントはその分子結合力、分子量及び
分子間力に依存した独自の熱運動をする。それ故、熱運
動の活発なセグメント近傍に存在する薬物の移動が優先
して開始される。またセグメント同士の相互作用により
全停の溶融温度が決まるが、このような溶融温度におい
ても各セグメントの熱運動に相違がある。
以上のように分子間の相互作用が広い種類の薬物を放出
させることを可能とし、しかもその挙動はそれぞれ微妙
に制御された所謂徐放的な放出過程をとるものである。
以下の実施例によって本発明を更に具体的に説明するが
、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕 □□■ (但し、 ポリテトラメチレングリコールの 平均分子量 650 ポリプロピレングリコールの 平均分子量 400 ポリエチレングリコールの 平均分子量 1000 ■はへキサメチレンジイソシアネートの骨格を示す。) 上記構造式からなるワックス状の結晶性ポリマーを40
℃に加熱し、透明な低粘度の液体状のポリマーとした後
、これに薬物としてプロスタグランジン、178.20
−ジメチル−トランス−Δ2−PGE、をQ、1wt%
加えてよく撹拌した。本薬物の融点は97〜100℃で
あるが、このポリマーに完全に溶解した。
これを100μの層厚で離形紙に塗った。そして更に5
℃以下に冷却してポリマーをより完全に固化し、2.0
cm X2. Oamのダンベルで打ち抜き、約40m
gの薬物含有のポリマー基剤を作製した。別に表皮材と
して低モジュラスの1.2−ポリブタジェン発泡体く発
泡倍率3倍、200μm厚、3cmx3cm)を用い、
その片面にアクリル系粘着材を約30μm厚にコーティ
ングする。この粘着面に先の薬物を含むポリマー基材の
ポリマー側を貼り合わせた。
次に、これを防湿性のアルミニウム蒸着の包装用フィル
ム袋に入れ真空にして密封した。
これを25℃以下で6力月保存した後、再びパックより
取り出し薬物の安定性を調べたがほとんど変化が見られ
なかった。これは薬物がポリマーの結晶に均一に溶解し
て固定化され安定に保存されたためであり、薬物の表面
へのブリードも認められなかった。
この薬物含有ポリマーの離形紙を剥がして皮膚表面に貼
付した。皮膚に接したポリマー基剤は体温と皮膚表面か
ら出る水分に感応して変化し始めた。薬物を含有したポ
リマーは約30℃以下で白色の固体であるが、30℃以
上で徐々にペースト状に変化し、体温に近づくに従って
急激に透明な流動性のある液体に融解した。しかし皮膚
表面から流れ落ちる程低粘度ではなく皮膚によく密着し
た状態を保っている。
貼付48時間後にポリマー基剤中の薬物の残存量を測定
した。残存量は15〜20%であった。従来の経皮吸収
剤の残存量が70〜80%であるから、皮膚への薬物の
放出効率は、本発明の経皮投与貼付剤が非常に高効率を
示していることがわかった。
更に、本発明の薬物含有ポリマーの挙動を光学顕微鏡を
使って追跡した。白色の該ポリマーは体温と同程度の3
6℃付近で急速に融解し透明液体となった。これに人体
の発汗と同程度の1〜2mg/calhrの水分を与え
ていくと、ある水分量で該ポリマーは水との界面で多数
のマイクロスフイアを形成して勢いよく水相中に引き込
まれて分散した。
これは界面エネルギーにより溶融ポリマーが薬物を包み
込んで自己分散したのであり、この現象は皮膚表面にお
いても同様のことが起こっているものと推察される。
このマイクロスフイアは水側にその親水性であるポリマ
ーセグメントを向けていると考えられる。
又、皮膚に接触すると皮膚表面に存在する脂質のために
マイクロスフイアは破壊され、相の転移が生じて分配係
数の大きい水に不溶性の良脂質性の本薬剤は皮膚の角質
層を通じて徐々に吸収されたものと推測される。
〔実施例2〕 (但し、ポリε−カプロラクトンの 平均分子量 530 ポリプロピレングリコールの 平均分子1400 ポリエチレングリコールの 平均分子量1.000 ■はへキサメチレンジイソシアネートの骨格を示す。) 上記構造式のポリマーの目視による融点は36〜37℃
であった。このポリマーを実施例1と同様に溶融して、
薬物としてα−CD (α−シクロデキストリン)で包
接した17S,20−ジメチル−トランス−Δ2−PG
E、 (OP−1206・α−CD)を混合分散させた
この薬物含有ポリマー基剤を25℃以下の冷暗所に真空
密封して6力月間保存した結果、特別な変化は見られな
かった。実施例1と同様に皮膚表面に貼付した後、72
時間経過時のポリマー基剤中の薬物の残存率は20〜3
0%であり、良好な結果が得られた。
この製剤の放出パターンを調節する意味でゼラチン−デ
キストランの相分離架橋体をナイロントリコット布地で
網目状に補強した多孔質膜でポリマー面を覆った。これ
を貼付した72時間後の残存率は30〜40%であり、
放出率はやや低下したが、放出パターンは比較的均一な
勾配であった。
〔実施例3〕 (但し、ポリテトラメチレングリコール平均分子量 6
50 ポリプロピレングリコール 平均分子量 400 ポリエチレングリコール 平均分子量i、、oo。
■はテトラメチレンジイソシアネートの骨骨格を示す。
) 上記構造式からなるワックス状の結晶性ポリマーを40
℃以上に加熱して、透明な低粘度の液体状のポリマーと
した後、これに薬物としてプロスタグランジンE、メチ
ルエステル(PGE、 methyl ester)を
加えてよく撹拌した。この薬物は液体状であり、容易に
溶解した。次いで冷却固化した状態で薬物ポリマーを第
3図に示される構成体の製剤の薬物貯蔵層に用いた。但
し、パッチ当りのPGE 、メチルエステルの量、本発
明の基剤量、薬物貯蔵層の面積は10μg/20mg/
4cdである。また放出制御膜は以下のように調製した
再活性ゼラチン膜を用いた。
すなわち、アルカリゼラチン100重量部架橋剤0  
   3重量部 グリセリン    40重量部 水       100重量部 の配合物を製膜した後常温乾燥する。その後60℃で7
2時間架橋して乾燥膜を得る。膜厚は40μmのものを
使用した。
この製剤を人の皮膚に貼付して72時間後の薬物の放出
率を測定したところ50〜55%であった。
*グリセロールポリグリシジルエーテル〔実施例4〕 UH3UHHLI (但し、MPAは3−メチルペンタン−1,5−ジオー
ルとアジピン酸のポリエステルであり、そのセグメント
を構成するポリマーの 平均分子量1.000 ポリプロピレングリコールの 平均分子量 750 ポリエチレングリコールの 平均分子量1.000 0はへキサメチレンジイソシアネートの骨格を示す。) 上記構造式の固形状のポリマーの目視の融点は約35℃
であった。このポリマーを加熱すると透明で低粘度の液
体となる、40〜50℃に加熱した状態で薬物としてテ
ストステロンQ、5wt%を加えてよく撹拌した。この
薬物の融点は153〜157℃であるが、顕微鏡による
観察の結果、完全に溶解しているのが確認された。次い
で冷却固化した状態でこの薬物/ポリマーを第4図に示
される構成体の製剤の薬物貯蔵層に用いた。但しパッチ
当りのテストステロンの量、本発明の基剤量、薬物貯蔵
層の面積は100 、Ug/20mg/4cafである
この製剤を人の皮膚に貼付して48時間後の薬物の放出
率を測定したところ、約35〜40%であり比較的高い
値が得られた。
〔実施例5〕 〔実施例2〕と同様の製剤(OP−1206・α−CD
パッチ)を高血圧ラット(SHR)  にUP−120
61mg/kg貼付したときの血圧の降下は第5図のグ
ラフのようであった。
同一条件のP[EG−ポリエチレングリコール)系軟膏
は初期の降圧は認められるが、その持続性はほとんどな
い。一方実施例2の場合は降圧の持続性は24時間後も
認められ、本製剤の徐放性の優位性が明らかに確認され
るものである。
〔発明の効果〕
本発明の貼付剤は、熱感応性及び水式応性を有する両親
媒性高分子化合物を薬物貯蔵層の基剤として用いている
ことから、長期に安定で高効率に薬物の放出、分配をコ
ントロールすることのできる貼付剤である。
詳しく説明すると、該高分子化合物は常温では安定な固
体状の物質であり、皮膚表面温度乃至体温(30〜37
℃)で鋭敏に融解する熱感応性高分子化合物である。従
って、製剤が保存される温度では該ポリマーは固体状態
であり、薬物は結晶あるいは非結晶状態のポリマー中に
溶解あるいは分散されており、その薬物が安定に保たれ
るとともに保存中に薬物が他層に拡散したり、放出され
ることなく、貼付後に初めて徐放が開始されるので、従
来基剤のような貼付直後の過度放出(初期放出)が抑え
られる。また基剤ポリマーが両親媒性高分子化合物であ
るので、液体状、固体状、親油性あるいは親水性などの
多くの薬物を溶解する。従って実施例にあるように広範
囲の薬物に適用できる普遍的経皮投与システムとなる。
特に熱及び水により極めて分解し易く、不安定な高生理
活性物質(例えばプロスタグランジン類)の経皮投与に
適している。すなわち高生理活性の微量の薬物であって
も基剤ポリマーの親和性の高いブロックにより均一に分
子レベルで溶解・分散され、それが徐々に高い利用率で
放出されるように工夫されている。また基剤ポリマーの
刺激が極めて少ないために、安全性が高く、副作用も最
小限に抑えることができる。ポリマーと薬物との分子レ
ベルでの相互作用をコントロールすること、あるいは適
当な膜を介することにより薬効持続時間を自由にコント
ロールできるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明による貼付剤の一例である。 第5図は本製剤と比較製剤との徐放性の変化を示すグラ
フである。 1・・・表皮層、2・・・感圧接着層、3・・・薬物貯
蔵層、4・・・放出制御層、5・・・ライナー、6・・
・硬質基板。 PJ2rI!I 第3図 第  5  図 時間(h「)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、薬物貯蔵層が熱感応性及び水感応性の両親媒性高分
    子化合物を主基剤とし、該基剤中に薬物を含有せしめる
    ことを特徴とする経皮投与用貼付剤。 2、熱感応性及び水感応性の両親媒性高分子化合物がポ
    リマー分子一端に近い程親水性度が大きくなり、ポリマ
    ー分子他端に近い程疎水性又は親油性度が大きくなるよ
    うにブロックの連結が調節されたブロックポリマーであ
    る特許請求の範囲第1項記載の貼付剤。 3、30〜37℃で溶融する両親媒性高分子化合物から
    なる特許請求の範囲第1項又は第2項記載の貼付剤。 4、両親媒性高分子化合物がアルキレンオキサイドから
    なるポリエーテルポリオール、又は脂肪族ポリエステル
    ポリオール/該ポリエーテルポリオールとジイソシアネ
    ートの反応物からなる多元ブロックコポリマーであり、
    一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼ 〔式中、(S)は ( I ):▲数式、化学式、表等があります▼ のポリアルキレンオキサイドセグメント、又は (II):▲数式、化学式、表等があります▼の脂肪族ポ
    リエステルセグメント、又は (III):▲数式、化学式、表等があります▼ で示されるポリエステルセグメントである。 ここで、( I )の場合はR_1〜R_Mは炭素数が7
    〜2であって、側鎖を有しているかまたは有していない
    ポリメチレン基であり、R_1〜R_Kの順に炭素数が
    少なくなる(但し、隣接するセグメントのR_1〜R_
    Kの炭素数が一部等しいか又は/及びR_1〜R_Kか
    らなる一部のセグメントが欠落したものも含む。)。(
    II)は二塩基酸と二価アルコールからなるポリエステル
    であり、各々のメチレン基R_1、R_1’はR_1+
    R_1’>R_2の炭素数からなる。(III)はR_1
    ’、R_1”の炭素数が5の環状エステルの開環重合物
    と二価アルコールのエステル化合物である(但し、R_
    1’とR_1”又はlとl’が同じであってもよい。)
    。(II)及び(III)の場合は、R_1はポリエステル
    を形成する二価アルコールのメチレン基を示し、R_2
    〜R_Kは炭素数が4、3、2のメチレン基でありR_
    2〜R_Kの順に炭素数が少なくなる。(但し、隣接す
    るセグメントのR_2〜R_Kの炭素数が一部等しいか
    、又は/及びR_2〜R_Kからなる一部のセグメント
    が欠落したものも含む。)。 −OXは(S)セグメント側である疎水性側がRO−、
    RCOO−、▲数式、化学式、表等があります▼、R−
    NHCOO−、R−OOCHN−(u)−NHCOO−
    であり、ここでRは炭素数1〜18のアルキル基もしく
    はビニル基、(u)はイソシアネートの骨格を示す。 一方、親水性側は−OH、−OCl、−OBr、−OF
    である。また、l、l’、m、n、pは重合度を表す正
    の整数である。(A)、(B)、(C)はイソシアネー
    ト化合物の骨格を示す。〕で示される二元以上のマルチ
    ブロックポリマーからなる基剤ポリマーにより構成され
    る特許請求の範囲第1項乃至第3項の何れかに記載の貼
    付剤。 5、一般式中の(S)が( I )の場合のポリアルキレ
    ンオキサイドセグメントはポリエチレングリコール、ポ
    リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
    ル、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレ
    ングリコール、ポリヘプタメチレングリコールであり、
    また(II)はポリエステル一単位当たりの炭素数が5以
    上である二塩基酸と二価アルコールの反応物からなるポ
    リエステルであり、(III)はポリε−カプロラクトン
    又はポリβ−メチル−δ−バレロラクトンとアルキレン
    グリコールとの反応物からなるポリエステルであって、
    (II)または(III)の場合のポリアルキレンオキサイ
    ドがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
    ル、ポリテトラメチレングリコールである特許請求の範
    囲第4項記載の貼付剤。 6、両親媒性高分子化合物の一端のポリエステルセグメ
    ント又はポリアルキレンオキサイドセグメントが親油性
    又は疎水性であり、他端に近いポリアルキレンオキサイ
    ドのセグメントほど親水性度が大きくなるように調節さ
    れている特許請求の範囲第5項記載の貼付剤。 7、薬物貯蔵層に含有される薬物がプロスタグランジン
    類である特許請求の範囲第1項乃至第6項の何れかに記
    載の貼付剤。 8、薬物が17S,20−ジメチル−トランス−Δ^2
    −PGE_1そのメチルエステル又は、そのシクロデキ
    ストリン包接化合物である特許請求の範囲第7項記載の
    貼付剤。 9、該貼付剤が薬物貯蔵層以外に少なくとも表皮層、感
    圧接着層及びライナーを有する特許請求の範囲第1項乃
    至第8項の何れかに記載の貼付剤。 10、表皮層が1,2−ポリブタジエンフォームである
    特許請求の範囲第9項記載の貼付剤。 11、該貼付剤が放出制御層を有する特許請求の範囲第
    1項乃至第8項の何れかに記載の貼付剤。 12、放出制御層が感熱及び感湿性の再活性粘着膜であ
    る特許請求の範囲第11項記載の貼付剤。 13、再活性粘着膜がゼラチン膜である特許請求の範囲
    第12項記載の貼付剤。
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