JPH09187899A - 剥離フィルム、その製法およびロール状接着テープ - Google Patents

剥離フィルム、その製法およびロール状接着テープ

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JPH09187899A
JPH09187899A JP7338722A JP33872295A JPH09187899A JP H09187899 A JPH09187899 A JP H09187899A JP 7338722 A JP7338722 A JP 7338722A JP 33872295 A JP33872295 A JP 33872295A JP H09187899 A JPH09187899 A JP H09187899A
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Japan
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release
layer
primer layer
polyolefin
release film
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JP7338722A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Mino
泰弘 蓑
Tokuhito Shibahara
徳人 柴原
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3M Co
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材と剥離層との密着力を向上させ、それら
を強固に固着させて剥離層のラブ・オフを防止し、コロ
ナ処理の場合に生じる様な改質効果の経時低下を防ぐこ
とができる、改質ライフが長い剥離フィルムを提供す
る。 【解決手段】 少なくとも一方の表面層がポリオレフィ
ンを含んでなる基材と、その表面層上に設けられたプラ
イマー層と、そのプライマー層上に設けられた、剥離剤
を含んでなる剥離層とを備えた剥離フィルムにおいて、
プライマー層が、分子内にエポキシ基を有するポリオレ
フィン共重合体を含有し、剥離剤がそのエポキシ基と反
応する官能基を有する剥離フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、剥離層を備え、接
着テープ、接着シート等の接着材料の接着面を保護する
剥離フィルム、その製法およびロール状接着テープに関
し、特に、剥離層と基材との間の密着力が高められた剥
離フィルム、その製法およびロール状接着テープに関す
る。
【0002】
【従来の技術】
1.剥離フィルム 剥離フィルム(剥離紙を含む。)は、未使用時の接着材
料の接着面を保護するために接着面上に積層され、使用
時には接着面を損傷することなく容易に剥離される剥離
面を備えるフィルム状材料である。剥離フィルムは通
常、基材と、その基材の少なくとも一方の表面上に設け
られた剥離剤を含んでなる剥離層とを備えている。基材
には、紙、プラスチックフィルム等が使用され、剥離剤
には、シリコーン化合物、長鎖アルキル基含有化合物等
が使用される。
【0003】近年、剥離フィルムに対する高強度化、低
価格化、良好な柔軟性の付与、着色性の改善、湿度変化
に対する寸法安定性の改善等の要求に応えるべく、ポリ
エチレン等のポリオレフィンを少なくとも表面層に含ん
でなる基材が使用されている。ここで、「少なくとも表
面層がポリオレフィンを含んでなる基材」(以下、「ポ
リオレフィン基材」と呼ぶこともある。)とは、i)ポ
リオレフィンフィルム単体、またはii)ポリオレフィン
フィルムを表面層として含む積層体のいずれかである。
積層体は、たとえば、ポリオレフィン樹脂層上にポリエ
チレン系共重合体を含む表面層をラミネートしたもの、
クラフト紙を芯材とし、それにポリオレフィン樹脂をラ
ミネートしてフィルムを形成したもの等が包含される。
しかしながら、この様なポリオレフィン基材は、シリコ
ーン化合物等の剥離剤との密着性に乏しく、剥離層を充
分な強度で固着できないという問題があった。
【0004】2.基材表面の改質処理 上記の様な基材と剥離剤との乏しい密着性は、ポリオレ
フィンフィルムが非極性表面を有することに起因する。
この様な密着性の改良のために、これまでもコロナ処
理、プライマー処理等の改質処理が行われている。この
様な改質法には以下の様なものがある。 (1)シランカップリング剤またはイソシアネートシラ
ン化合物含有塗布液を基材表面に塗布してプライマー層
を設ける方法。(特開平1−306434号公報、特開
平2−214624号公報、特開平3−120042号
公報参照。) (2)ポリオレフィン表面をコロナ処理し、その処理面
に熱硬化型シリコーン系剥離剤を塗布し、加熱してプラ
イマー層を設ける方法。(特開平4−1043号公報参
照。)
【0005】上記(1)の方法は、通常、ポリエステル
基材に対して有効とされている方法であり、プライマー
層をポリオレフィン基材の表面に直接施した場合、ポリ
オレフィン分子鎖に対する密着力の向上は期待できな
い。この密着力が不充分な場合は、剥離層の耐摩耗性が
低下し、剥離層のラブ・オフ(Rub off)が生じる。こ
の様なラブ・オフにより発生した摩耗粉は接着層の接着
面を汚損し、外観不良、接着性能の低下等を引き起こ
す。また、上記(2)の方法は、密着力を充分なレベル
までを向上する様に改質することは可能であるが、改質
効果の寿命が短く、改質効果の経時安定性に欠ける。こ
れは、たとえば、剥離フィルムの製造において生産量を
調節するために、剥離層を設ける前のコロナ処理済みフ
ィルムを一定期間(たとえば2週間)保管した後、剥離
層を設ける操作を含む様な場合に不利である。
【0006】3.剥離層にポリオレフィン共重合体を含
む剥離ライナー 米国特許第5,167,995号明細書には、基材の上に
ポリオレフィン共重合体を含有する剥離層を備え、シリ
コーン系剥離剤を含まない剥離ライナーが開示されてい
る。このポリオレフィン共重合体は、i)エチレンまた
はプロピレンモノマーと、ii)アルキル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリル酸、ビニルアセテート、およ
び無水マレイン酸からなる群から選ばれた1種または2
種以上の共重合モノマーとを出発モノマーとして重合し
た共重合体である。この様な共重合体を含む層は、粘着
剤に対する剥離性能は良好であるものの、シリコーン系
剥離剤の密着力を向上させ得るプライマー層としては有
用でない。
【0007】4.硬化性シリコーン系剥離剤 米国特許第5,409,773号明細書および米国特許第
5,332,797号明細書には、剥離層を供するための
硬化性エポキシシロキサン組成物が開示されている。す
なわち、ポリプロピレン等のポリマー基材の表面に、エ
ポキシシロキサン組成物をコーティングし、UV硬化さ
せて剥離層を形成する。これら米国特許は、剥離層の硬
化速度の改良に関して詳述しているが、基材と剥離層と
の間の密着力を向上させるプライミング手段については
教示していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点を解決して、基材と剥離層との密着力を
向上させ、それらを強固に固着させて剥離層のラブ・オ
フを防止し、コロナ処理の場合に生じる様な改質効果の
経時低下を防ぐことができる、改質ライフが長い剥離フ
ィルム、その製法、およびそれを用いたロール状接着テ
ープを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、a)少なくとも一方の表面層がポリオレ
フィンを含んでなる基材と、b)その表面層上に設けら
れたプライマー層と、c)そのプライマー層上に設けら
れた、剥離剤を含んでなる剥離層とを備えた剥離フィル
ムにおいて、前記プライマー層が、分子内にエポキシ基
を有するポリオレフィン共重合体を含有し、前記剥離剤
がそのエポキシ基と反応する官能基を有する剥離フィル
ム、前記基材と前記プライマー層とを備える剥離フィル
ムの前駆体を調製し、その前駆体のプライマー層上に前
記剥離剤を含有する塗液を塗布して前記剥離層を設ける
ことからなるそのような剥離フィルムの製法、および一
方の表面層がポリオレフィンを含んでなるテープ状の基
材と、その表面層上に設けられたプライマー層と、その
プライマー層上に設けられ剥離剤を含んでなる剥離層
と、前記基材の他方の表面層上に設けられた接着層とを
備え、ロール状に巻かれた接着テープにおいて、前記プ
ライマー層が分子内にエポキシ基を有するポリオレフィ
ン共重合体を含有し、前記剥離剤がそのエポキシ基と反
応する官能基を有するロール状接着テープを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】剥離フィルム 本発明の剥離フィルムは、それぞれ詳細に後述する各構
成要素、すなわち、(a)少なくとも表面層にポリオレ
フィンを基材と、(b)上記表面層上に設けられ、分子
内にエポキシ基を有するポリオレフィン共重合体を含有
するプライマー層と(c)そのプライマー層上に設けら
れ、上記エポキシ基と反応する官能基を有する剥離剤を
含んでなる剥離層、とを備える。この様な構成の剥離フ
ィルムは、剥離層のラブ・オフの防止、剥離層との密着
力改善のための改質ライフの向上と合わせて、高強度
化、低価格化、良好な柔軟性の付与、着色性の改善、湿
度変化に対する寸法安定性の改善等の従来からの要求に
も応えることができる。
【0011】この剥離フィルムは、接着テープや粘着シ
ートのライナーとして使用できる。また、剥離フィルム
をテープ状にし、剥離層を備えない側の表面に接着層を
固着させて、すなわち、接着テープのベースフィルムと
して使用することもできる。この様な接着テープをロー
ル状に巻いて保存した場合、巻きずれが生じすることが
なく、かつテープの巻き出しが容易になロール状接着テ
ープを提供することができる。また、剥離フィルムの両
面に剥離層を備え、両面粘着テープのライナーとして使
用し、両面粘着テープをロール状に巻いて保存すること
ができる。剥離フィルムの引張試験によって求められた
弾性率の範囲は、好ましくは1400〜10000kg/
cm2の範囲である。
【0012】少なくとも表面層にポリオレフィンを含ん
でなる基材 好適な実施形態における基材は、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレンを含有する共重合体、プロピレンを
含有する共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1
種のポリオレフィンを含む単層フィルムである。この様
な単層フィルムは、剥離フィルムの強度を高めることが
できる。この様な単層フィルムを、低密度ポリエチレン
および高密度ポリエチレンのブレンド材料から形成する
ことは、フィルムへの加工性と引っ張り強度等の物性を
良好にバランスさせるので好適である。この場合、ブレ
ンド比率(重量比率)は、通常、高密度ポリエチレン:
低密度ポリエチレン=90:10〜10:90である。
【0013】上記共重合体とは、2元共重合体または3
元以上のモノマー単位を含む共重合体を包含する。エチ
レンおよびプロピレン以外の共重合成分には、酢酸ビニ
ル、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
酸エチレン、無水マレイン酸等が挙げられる。また、基
材が、エチレンまたはプロピレンと、グリシジルメタク
リレート等のエポキシ基含有モノマーとを含んでなる重
合成分から合成されたポリオレフィン共重合体からなる
場合、プライマー層を設ける必要がない利点を有する
が、剥離フィルムの強度が比較的低くなること、比較的
高価格になること等の理由から、好ましさはやや劣る。
【0014】また、上記ポリオレフィン単層フィルムを
少なくとも表面層として有する積層体も基材として使用
することができる。すなわち、後述するプライマー層と
の接着力が良好である様に、表面層として上記ポリオレ
フィン単層フィルムを含むものも、本発明にて使用でき
る基材に包含される。
【0015】上記ポリオレフィンのメルトフローレート
は、通常、10〜1,000g/10分の範囲である。
このメルトフローレートは、JIS K 6760の規
定に従い測定された値である。基材の厚みは、剥離フィ
ルムの強度と柔軟性をバランスする様に決めることがで
き、通常、5〜500μmの範囲から選択される。
【0016】プライマー層 本明細書において「プライマー層」とは、基材の表面層
上に設けられ、共重合体を含んでなり、剥離層と基材と
の密着力を向上させる様に作用する層を意味する。プラ
イマー層は、いわば、剥離層に対する下地層または易接
着層とも呼ばれるべきものである。すなわち、この様な
性能を発揮できる限り、塗布、ドライラミネート、基材
成形と同時の共押し出し等の積層手段のいずれによって
形成したものも包含される。好適な実施形態において
は、基材形成材料とプライマー層形成材料とを同時に共
押出法により、これらの積層体からなる剥離フィルム前
駆体を形成する。これにより、基材とプライマー層との
密着力を容易に高めることができる。
【0017】また、プライマー層の共重合体は、分子内
にエポキシ基を有するポリオレフィン共重合体を含有す
る。これにより、反応性の剥離層(詳細は後述する。)
と基材の両方に対する密着力を同時に向上させる。ここ
で、「分子内にエポキシ基を有するポリオレフィン共重
合体」とは、エチレン等のオレフィンモノマーと、エポ
キシ基含有モノマーとを含有するモノマー成分の重合体
を繰り返し単位として含む共重合体である。エポキシ基
含有モノマーとは、グリシジル(メタ)アクリレート等
の、エチレン性二重結合を少なくとも1個およびエポキ
シ基少なくとも1個を分子内に含有する重合性モノマー
である。
【0018】この様な共重合体は、上記モノマー成分か
ら、ラジカル重合またはイオン重合により合成できる。
通常、オレフィンモノマー100重量部に対するエポキ
シ基含有モノマーの配合割合は、1〜20重量部の範囲
である。1重量部より少ないと、剥離層との反応が不十
分になる傾向があり、反対に20重量部より多いと、基
材との密着力が低下する傾向がある。この様な観点から
好適には、3〜15重量部の範囲である。また、この様
な共重合体には、オレフィンモノマーおよびエポキシ基
含有モノマー以外に、ビニルアセテート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート等の二重結合を有するエ
ステルモノマーを含むモノマー成分から重合されたもの
も使用できる。上記ポリオレフィン共重合体のメルトフ
ローレートは、通常、10〜1,000g/10分の範
囲である。また、この様な共重合体は、1種単独または
2種以上の混合物を使用することができる。
【0019】本発明の好適な実施形態におけるポリオレ
フィン共重合体の具体例として、住友化学工業(株)社
製のグリシジルメタクリレート(G)−エチレン(E)
含有共重合体、「品名:ボンドファースト」を挙げるこ
とができる。プライマー層の厚みは、剥離フィルム全体
の厚みの設計値から決定すべきであるが、通常、5〜1
00μmの範囲である。
【0020】剥離層 好適な実施形態において、剥離層は、エポキシ基と反応
する官能基を有するシリコーン化合物を剥離剤として含
有する。シリコーン化合物は、アクリル粘着剤を接着層
に含有する接着テープのライナーとして剥離フィルムを
用いる場合に特に有用である。このシリコーン化合物
は、ジメチルポリシロキサンをベースとしたオリゴマー
またはポリマーであり、通常、約1,000〜2,00
0,000の範囲の平均分子量を有する。
【0021】この様なシリコーン化合物としては、たと
えば、ジメチルポリシロキサン骨格の一部にエポキシ基
を有する原子団を含む、いわゆる硬化性エポキシポリシ
ロキサンが有用である。この様な硬化性エポキシポリシ
ロキサンの具体例には、東レシリコーン(株)社製の硬
化性エポキシシリコーン「品番:UV9300」、同じ
く「品番:SRX−211」を挙げることができる。こ
れらの硬化性シリコーンは、通常、硬化触媒の存在下で
熱、電子線または光(紫外線)によって硬化し、本発明
の好適な実施形態における剥離層を与える。硬化触媒の
含有量は、硬化性シリコーン100重量部に対して、通
常0.1〜10重量部の範囲である。この様な硬化触媒
の具体例には、東レシリコーン(株)社製の「品番:U
V9310C」、同じく「品番:SRX−CAT」を挙
げることができる。また、エポキシ基の他、エポキシ基
と反応する官能基には、カルボンキシル基、アミノ基、
水酸基等が包含される。
【0022】剥離層は、通常、剥離剤(例えば、シリコ
ーン化合物と硬化触媒)を含有する塗布液を、プライマ
ー層上に塗布して形成するのが好適である。これによ
り、均一かつ充分に薄い厚みの剥離層を容易に設けるこ
とができる。剥離層の厚みが厚すぎると、接着テープの
接着層表面への剥離剤の転写が起こり、接着テープの残
留接着力を低下させるおそれがある。剥離層の厚みを塗
布重量で表すと、通常は、0.3〜3.0g/m2 の範囲
である。塗布液には、トルエン、キシレン、イソプロピ
ルアルコール等の希釈用溶剤を加えることができる。好
適な溶剤は、塗料を均一かつ薄く塗布するのに適してい
る点からイソプロピルアルコールである。
【0023】ロール状接着テープ 本発明による剥離フィルムを用い、基材の剥離層を持た
ない表面上に設けられた接着層とを備え、ロール状に巻
かれた接着テープを製造することができる。これは、剥
離性背面処理を施したベースフィルムとして、本発明の
剥離フィルムを使用することに相当する。接着テープの
接着層には、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリウ
レタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を含有する層を
使用できる。また、接着層が粘着剤を含有するフォーム
層からなる、粘着フォームテープを形成することもでき
る。この様な場合、接着層の厚みは、通常10〜5,0
00μmである。接着層は、ベースフィルム(すなわち
剥離フィルム)の片面に、塗布等の適用手段によって設
けることができる。通常、剥離フィルムを形成した後、
すなわち、一方の面にプライマー層を有する基材を形成
し、その面上に剥離層を形成した後、基材の他方の面に
接着層を形成する。
【0024】
【発明の効果】本発明の剥離フィルムは、基材、たとえ
ばポリオレフィン基材のポリオレフィン含有表面層と剥
離層との間に、剥離層と化学的に反応し、かつポリオレ
フィンフィルム層との親和性が高いポリオレフィン共重
合体を含有するプライマー層を有しているので、基材と
剥離層との密着力を充分なレベルまでの向上させること
ができる。また、プライマー層として形成されたポリオ
レフィン共重合体のエポキシ基は通常環境下では安定で
あるので、コロナ処理の場合の様な改質効果の経時低下
も生じない。
【0025】
【実施例】実施例1〜4および比較例1〜6 1.基材の調製 ポリオレフィンを少なくとも表面層に含んでなる基材と
して高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの混合
物からなるポリエチレンフィルムを用い、プライマー層
として表1に示す材料を用い、多層フィルム押出成型機
(田辺プラスチック機械(株)社製「型番:NS−3
0」)を使用して、基材の両表面にプライマー層を共押
出しして、各例における3層構造の剥離フィルム前駆体
を調製した。使用した高密度ポリエチレンは三井石油化
学(株)社製「品名:ウルトラゼックスHz5000S
F」であり、低密度ポリエチレンは宇部興産(株)社製
の「品名:F−022NH」であり、これらの混合比率
は約70:30であった。基材の原料にこの様な混合品
を用いた理由は、基材の強度(剛性)および基材への加
工性のバランスが良好であるからである。
【0026】各例において、基材とプライマー層の厚み
はそれぞれ、プライマー層/基材/プライマー層が、2
2.5μm/100μm/22.5μm(トータル14
5μm)であった。また、プライマー層表面の表面エネ
ルギーを、濡れ試験方法(JIS K 6768 (1
977)に準拠)にて求め、その結果を表1に示す。な
お、比較例6の表面エネルギーは、500Wの出力にて
コロナ処理を行った直後の測定値である。
【0027】2.剥離フィルムの形成 フィルム前駆体のプライマー層表面に、No.3ワイヤ
ーバーを使用して、剥離剤を含有する塗液を薄く塗布し
た後、紫外線照射装置にて充分硬化させて剥離層を形成
し、各例の剥離フィルムを形成した。硬化条件は、以下
の通りであった。 装 置: UB41−5A(アイグラフィック社製) ランプ: メタルハライドランプ(直管型)60W/cm ランプ高さ:30cm(基材からの高さ) 硬化回数: 各サンプル4回 雰囲気温度:115.3℃
【0028】剥離層の厚みは、物理的な厚みの値に代え
て、No.3のワイヤーバーにより湿潤厚みを一定に
し、塗布液濃度を30重量%として乾燥厚みが一定にな
る様に制御した。塗布液の組成は以下に示す。 シリコーン化合物:UV9300 99重量部 硬化触媒 :UV9310C 1重量部 溶媒 :イソプロピルアルコール 333重量部 ここで、「品番:UV9300」は東レシリコーン
(株)社製の硬化性エポキシシリコーン、「品番:UV
9310C」は東レシリコーン(株)社製のそのシリコ
ーンを硬化するための触媒である。
【0029】3.ラブ・オフの評価 両方の剥離層表面を指で剥離フィルムのエッジ部分に触
れないようにして、5回こすり、剥離剤の脱離具合を目
視で観察した。少なくとも片方の剥離層において脱離粉
が確認された場合をNG(=×)、両方の剥離層とも確
認されなかった場合をOK(=○)とした。結果を表2
〜4に示す。実施例1〜4の剥離フィルムでは、ラブ・
オフが観察されない。これに対して、プライマー層の樹
脂に、メチルメタクリレート(MMA)、アクリル酸
(AA)、エチルアクリレート−無水マレイン酸(EA
−MAH)、エチルアクリレート(EA)をそれぞれ共
重合成分として含むポリエチレン含有共重合体を用いた
場合は、シリコーン剥離剤との密着力が低く、ラブ・オ
フが観察された。
【0030】4.残留接着力 12mm幅に裁断した市販のアクリル粘着テープ(3M
(株)社製、「品番:#4213」)からポリエチレン
ライナーを剥がし、その接着面を各例の剥離フィルムの
任意の一方の剥離層表面と貼り合わせ、ゴムロールを2
kgの荷重をかけながら一往復させて圧着させて、各例
における評価用サンプル(剥離フィルム付き粘着テー
プ)を作成した。この様にして得られたサンプルを、室
温(約25℃)約50%RHの湿度条件で10日間保存
した後、5℃環境下にて、ライナーを剥がしてアルキド
塗装板に貼り付けて、2kgで被着体に圧着した直後
に、300mm/分の引っ張り速度にて、90度方向の
剥離力を測定した。これを「5℃直後の残留接着力」の
評価値とした。結果を表2〜4に示す。また、ここで使
用した塗装板は、日本テストパネル工業(株)社製の、
JIS G 3141(1977)に準拠して作成され
た塗装鋼板(品名「SPCC−SD、U100−アミノ
アルキド片面、白)であった。
【0031】残留接着力は、剥離層との接触により変化
した接着層の被着体に対する剥離接着力を表す。通常、
剥離フィルムから接着層表面への剥離剤が転写(移行)
した場合、剥離接着力が低下する。この様な剥離剤の転
写による接着力の低下は、5℃直後の残留接着力に敏感
に表れる。各例の残留接着力を、東洋メタライジング
(株)社製の「品名:ポリエステルシリコーン剥離フィ
ルム」を、剥離フィルムとして用いた対照例(Control
sample)と比較しても、実施例1〜4の剥離フィルムは
残留接着力の低下は見られず実使用上問題のないことが
分かった。
【0032】長期保存後に実使用上問題が生じないこと
を確認するために、サンプルを、室温で10日間(以
下、RTで示す。)、70℃で10日間(以下、HAで
示す。)、または50℃、95%RHで10日間(以
下、MAで示す。)保存した後、室温環境にて上記と同
様の塗装板に2kgで圧着し、そのまま20分間放置し
た後、300mm/分の引っ張り速度にて、180度方
向の剥離力を測定した。この剥離力を、「RT、HA又
はMAでの残留接着力」の評価値として用いた。結果を
表2〜4に示す。実施例1〜4の剥離フィルムは、対照
サンプルとの比較して大きく低下することもなく、実使
用上問題のないことが分かった。
【0033】5.ライナー剥離力 ライナー剥離力を、接着テープから剥離フィルムを剥が
す際の剥離接着力により表す。アクリルフォームテープ
の裁断幅を25mmに換えた以外は、上記4.残留接着
力の試験の場合と同様にしてサンプルを作成し、上記
「RT、HA又はMAでの残留接着力」の場合と同様に
して保存した各例の剥離接着力を測定し、その測定値を
「ライナー剥離力」とした。結果を表2〜4に示す。実
施例3および4のライナー剥離力が保存後にやや高い値
を示す場合があるが、実使用上問題のないレベルと言え
る。また、実施例1および2はライナー剥離力の安定性
という観点からは極めてすぐれている。
【0034】6.塗布液濃度の低減 剥離剤の接着層表面への転写をさらに効果的に防ぐた
め、剥離剤の塗布液濃度を30重量%から5重量%へ低
減した塗布液を用い、実施例1〜4のフィルム前駆体
に、それぞれより薄い剥離層を設けた剥離フィルムを形
成した(実施例5〜8)。各例の剥離フィルムのラブ・
オフを評価したところ、すべてにおいてOKと評価され
た。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JKY C09J 7/02 JKY

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)少なくとも一方の表面層がポリオレ
    フィンを含んでなる基材と、b)その表面層上に設けら
    れたプライマー層と、c)そのプライマー層上に設けら
    れた、剥離剤を含んでなる剥離層とを備えた剥離フィル
    ムにおいて、前記プライマー層が、分子内にエポキシ基
    を有するポリオレフィン共重合体を含有し、前記剥離剤
    がそのエポキシ基と反応する官能基を有する剥離フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記剥離剤の官能基がエポキシ基である
    請求項1に記載の剥離フィルム。
  3. 【請求項3】 前記基材と前記プライマー層とを備える
    剥離フィルムの前駆体を調製し、その前駆体のプライマ
    ー層上に前記剥離剤を含有する塗液を塗布して前記剥離
    層を設けることからなる請求項1の剥離フィルムの製
    法。
  4. 【請求項4】 一方の表面層がポリオレフィンを含んで
    なるテープ状の基材と、その表面層上に設けられたプラ
    イマー層と、そのプライマー層上に設けられ剥離剤を含
    んでなる剥離層と、前記基材の他方の表面層上に設けら
    れた接着層とを備え、ロール状に巻かれた接着テープに
    おいて、 前記プライマー層が分子内にエポキシ基を有するポリオ
    レフィン共重合体を含有し、前記剥離剤がそのエポキシ
    基と反応する官能基を有するロール状接着テープ。
JP7338722A 1995-12-26 1995-12-26 剥離フィルム、その製法およびロール状接着テープ Pending JPH09187899A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014218067A (ja) * 2013-05-10 2014-11-20 住友電気工業株式会社 絶縁フィルム及びフラットケーブル

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