JPH09187662A - 脱臭用触媒フィルターの製造方法及びその方法により作製された脱臭用触媒フィルターを用いた脱臭器 - Google Patents

脱臭用触媒フィルターの製造方法及びその方法により作製された脱臭用触媒フィルターを用いた脱臭器

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JPH09187662A
JPH09187662A JP8002833A JP283396A JPH09187662A JP H09187662 A JPH09187662 A JP H09187662A JP 8002833 A JP8002833 A JP 8002833A JP 283396 A JP283396 A JP 283396A JP H09187662 A JPH09187662 A JP H09187662A
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deodorizing
ptc
honeycomb carrier
catalyst
catalyst filter
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JP8002833A
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English (en)
Inventor
Yuichi Murano
雄一 村野
Nobuaki Nagai
伸明 永井
Shinji Wada
信二 和田
Yukinori Ikeda
幸則 池田
Koichi Watanabe
浩一 渡辺
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は短時間で所定温度まで加熱できるの
で初期の段階から高い脱臭の能力が得られ、小型で低原
価の脱臭用触媒フィルターの製造方法及びその脱臭用触
媒フィルターを用いた脱臭器を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 1周壁部に形成されたガス吸入口6a
と、他周壁部に形成されたガス排出口6bと、を有する
脱臭容器1と、脱臭容器内のガス吸入口6aの下流側に
配設された繊維質プレフィルター7と、プレフィルター
7の下流側に配設された請求項1乃至4の内いずれか1
に記載された方法で作製された脱臭用触媒フィルター8
と、脱臭用触媒フィルター8の下流側に配設されたファ
ン9と、を備えた構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭及び工場など
から排出される悪臭や排ガス(トイレの臭い、生ゴミの
臭い等)を触媒によって脱臭又は浄化するのに好適な脱
臭用触媒フィルターの製造方法及びその方法により作製
された脱臭用触媒フィルターを用いた脱臭器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、冷暖房の普及による建築物や乗用
車の高断熱化により、建造物が高気密化されるととも
に、自動車や鉄道車両の高気密化が進むにつれ、室内や
車内に体臭や口臭、建材等の材料の発するそれまで気づ
かなかった微量の臭気に対しても敏感に感じ、不快感を
与えるという問題を有している。また、近年、快適で豊
かな生活環境の実現に向け、より快適で安全な空質環
境、特に臭いの無い生活環境が強く望まれている。更
に、特に女性の間で自分が使用した後のトイレの臭いに
対して強い嫌悪感を感じる人が多い。
【0003】そこでこれらの問題点を解決するためにト
イレ用脱臭器を中心に脱臭技術や脱臭装置が種々開発さ
れ、上市されている。例えば家庭で多く使用されている
家庭用脱臭器は物理吸着法とオゾン酸化を利用したもの
が多く上市されている。物理吸着法は活性炭などに臭気
成分を吸着させて脱臭する方式のものである。オゾン酸
化法はオゾンとオゾン分解触媒を用いて臭気成分をオゾ
ンで分解する方式のものである。また、産業用の脱臭器
としては上記方法に加えて触媒酸化法がある。触媒酸化
法は外部ヒータ等で脱臭触媒を加熱し、触媒を活性化さ
せ、臭気成分を分解する方式のものである。
【0004】また、最近はPCTハニカムヒータを触媒
技術に利用した方式のものが開発されている。特開平6
−210168にはPCTサーミスタの端面に触媒層を
有する放熱フィンを接合させた構成からなる脱臭装置が
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の脱臭器やそれに使用される脱臭用触媒フィルターで
は、以下のような問題点を有していた。
【0006】1)物理吸着法による脱臭器では活性炭等
に臭気成分を吸着させて脱臭するので、耐久性に欠け、
活性炭を定期的に取り替えねばならず、その作業が煩雑
で保守管理に多大の労力を要すという問題点を有してい
た。
【0007】2)オゾン酸化法による脱臭では、人体に
有害なオゾンとオゾン分解触媒を用いて臭い分子を分解
するので安全性に欠け、また、オゾン発生装置(オゾナ
イザー)が必要なため装置が大型化し、コストが高くな
るという問題点を有していた。更に、湿度によって脱臭
能力が左右され易いという問題点も有している。
【0008】3)外部ヒータ等で脱臭触媒を加熱し、触
媒を活性化させ、臭い分子を分解する脱臭器では、外部
にヒータを設置しているため、触媒を熱するのに大きな
熱量を必要とし、更に、触媒を熱するのに時間がかかる
ので初期の脱臭能力が低く、かつ多大のエネルギーを消
費するという問題点を有していた。更に、ヒータの制御
部が複雑なので装置が大型化しコンパクト化できず広い
設置場所を要すという問題点を有していた。
【0009】そこで、本発明者はこれらの問題点を解決
するために鋭意研究した結果、自己発熱型脱臭フィルタ
ーを完成し、特願平7−92106号として出願を行っ
た。
【0010】しかしながら上記特願平7−92106号
にて提供した自己発熱型脱臭フィルターは、PTCセラ
ミック担持体に脱臭触媒を粉末状でハニカム担持体の表
面に担持しているため、脱臭触媒を均一に担持すること
が難しく、前記触媒の組成のバラツキや前記触媒の粉末
の脱落が発生しやすく、ロット間の特性のバラツキや耐
久性に欠けるという問題点を有していることがわかっ
た。
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、脱臭効率が高く、高品質でかつ品質のバラツキがな
く品質の安定性に優れるとともに、耐久性に優れた脱臭
フィルターを低原価で量産できる脱臭用触媒フィルター
の製造方法の提供、及び短時間で所定温度まで加熱でき
るので初期の段階から高い脱臭の能力が得られ、小型で
低原価の脱臭用触媒フィルターを用いた脱臭器を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の脱臭用触媒フィルターの製造方法はPTCハ
ニカム担持体に含浸、もしくは脱臭機能を有する金属塩
の溶液を噴霧して脱臭触媒を前記担持体の内部にまで含
有させる工程を備えた構成を有している。
【0013】これにより、脱臭触媒がPTCハニカム担
持体の細孔や空隙に均一に保持されるので品質の均一化
を図ることができる。また溶液の濃度を0.1mol/
l以下にすることにより脱臭器の大小や用途に応じて適
宜対応することができる。担持工程が溶液に含浸又は溶
液を噴霧するだけなので極めて作業性が高く生産性を上
げることができる。脱臭触媒が溶液状で担持されるので
脱臭触媒が脱落や剥離等により損失を生じることがない
ので耐久性を向上させることができる。尚、濃度は薄く
てもよいが含浸や噴霧回数が増え作業が煩雑になるの
で、好ましくは0.1mol/l〜0.0001mol
/lが用いられる。
【0014】また本発明の脱臭器は脱臭触媒を溶液状で
均質に担持させたPTCハニカム担持体を備えた構成を
有している。
【0015】これにより脱臭用触媒フィルターの昇温速
度を著しく向上させることができるとともに制御部をコ
ンパクト化できる。また該触媒フィルターの脱臭触媒の
担持斑がないので臭気成分のショートパスがなく完全に
脱臭することができる。また触媒が溶液状で細孔や空隙
に完全に担持されているので従来のような触媒の脱落現
象がなく耐久性を著しく向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の脱臭用
触媒フィルターの製造方法は押出成型された多孔質のP
TCハニカム担持体を1200℃〜1400℃、好まし
くは1200℃〜1350℃で焼成する工程と焼成され
たPTCハニカム担持体の表面にアルミナ、シリカのい
ずれか1種以上からなる絶縁層を形成する工程と絶縁体
が形成されたPTCハニカム担持体を脱臭機能を有する
金属塩の溶液に含浸させる工程又は前記PTCハニカム
担持体に前記金属塩の溶液を噴霧する脱臭機能付与工程
と脱臭機能付与工程後PTCハニカム担持体を乾燥する
乾燥工程と、次いで熱処理する工程と、を備えた構成を
有している。
【0017】ここで、PTCハニカム担持体としては、
PTCサーミスタに使用されるものと略同じ原料が使用
される。一般的にチタン酸バリウム(BaO・Ti
3)を主原料とし、これに酸化イットリウム(Y
23)等の希土類元素の酸化物を添加したものや、チタ
ン酸バリウム中のバリウム(Ba)の一部をストロンチ
ウム(Sr)や鉛(Pb)で一部を置換し固溶した固溶
体が用いられる。チタン酸バリウムの添加物の添加量と
してはPTCセラミック構造体の使用目的によって選択
されるが、通常Y23の添加量は0.1〜0.3mol
%程度とされる。Y23の添加量を上述の範囲とするこ
とで、PTC構造体の比抵抗の変化率を大幅に向上させ
ることができる。また、Srの添加によってTcを低く
(120〜−30℃)することができ、Pbの添加によ
ってTcを高く(120℃〜250℃)することができ
る。また、PTCセラミック構造体は、PTCセラミッ
ク粉末にメチルセルロース系の増粘剤、有機系の可塑
剤、水、高分子系の造孔剤等の添加剤を添加混合した
後、成型し、次いで、焼成して製造される。添加剤はP
TCセラミック構造体の強度、気孔率等により選択され
る。
【0018】PTCハニカム担体は、その比表面積を大
きくし、また、セル壁を多孔質とするのが望ましい。P
TCセラミック構造体の比表面積を大きくすることによ
り、触媒成分の担持量を多くすることができる。また、
PCTハニカム担持体のセル壁を多孔質とすることによ
り、多くの触媒を担持させることができる。この脱臭触
媒はPTCセラミックスが発する熱によって触媒活性と
なり脱臭効果(悪臭の分解)が発現するものである。
【0019】PTCハニカム担持体の焼成温度は115
0℃〜1400℃、好ましくは1200℃〜1350℃
が用いられる。焼成温度が1200℃未満になるにつれ
材料によっては焼成が不可能となる傾向があり、また、
1350℃を越えるにつれ組成にもよるが溶融する傾向
があるので好ましくない。
【0020】絶縁層としては、γ・アルミナや無定型シ
リカが用いられる。これらをPTCハニカム担持体の表
面にコートすることで、比表面積が大きくなり触媒活性
が高くなり、また、PCTハニカム担持体と触媒との絶
縁がはかられPCT特性に消失を防止できる。直接、触
媒をPCTハニカム担持体に担持すると温度が上がると
触媒活性となり、電子の動きが活発となり、そのことに
より、PCT特性(キュリー温度で絶縁抵抗が急増し、
電流を通さなくなり、温度が一定となる。)が消失する
ので好ましくない。
【0021】この構成により、PTCハニカム担持体に
用途に合わせた所定量の脱臭触媒を均一に担持させるこ
とができ、脱臭用触媒フィルターの耐久性を向上させる
ことができる。また、脱臭触媒を溶媒に溶かして、液相
を経た状態でPTCセラミック構造体に脱臭触媒を担持
するので、超微粒の状態で極小径の気孔内にも担持させ
ることができる。このために、触媒の比表面積が大きく
なり、粉末で担持するよりも触媒活性が高く、従って担
持する触媒の量を少量で行うことができる。また、従来
のような担持体からの触媒の脱落という事故を防ぐこと
ができる。
【0022】またPTCハニカム担持体とPTCセラミ
ック構造体上に担持された脱臭触媒層との絶縁を行うこ
とができ、脱臭触媒をそのまま担持するのと異なり、P
TC特性が消失することを防止できる。特に、比表面積
の大きい、γ−アルミナ、非晶質シリカ等をコートする
ことにより、分子レベルの触媒を数多く担持でき、その
結果、触媒担持体の比表面積を大きくでき、脱臭効果を
更に高めることができる。また、前述の生成物によって
触媒層の活性が低下することを防止することができる。
請求項2に記載の脱臭用触媒フィルターの製造方法は、
請求項1において前記脱臭機能付与工程の前記金属塩が
Mn塩、Cu塩を主成分とする構成を有している。
【0023】ここで、Mn塩やCu塩としては硝酸マン
ガン,硫酸マンガン,塩化マンガン,硝酸銅,塩化銅が
用いられる。中でもMn塩としては、硝酸マンガンが、
Cu塩としては硝酸銅が好適に用いられる。乾燥工程後
の熱処理工程が脱硝だけなので高熱エネルギーを必要と
せず作業性に優れているためである。
【0024】この構成により、金属塩としてMn塩、C
u塩を主成分としているので、悪臭成分の除去効率を高
くすることができる。特にマンガン酸化物と銅酸化物触
媒は硫化水素などの硫黄系悪臭成分の除去に低温で高活
性なので省エネルギー化を図ることができる。尚、マン
ガン酸化物と銅酸化物に白金や銀等の貴金属を担持する
と脱臭能力を飛躍的に向上させることができる。
【0025】請求項3に記載の脱臭用触媒フィルターの
製造方法は請求項1又は2において、前記脱臭機能付与
工程の前記溶液の金属塩の濃度が0.1mol/l〜
0.0001mol/lからなる構成を有している。
【0026】金属塩の溶液の濃度が0.1mol/l以
下、好ましくは0.05mol/l以下にすることで、
触媒が均一にPTCセラミック構造体に担持された状態
が得られる。金属塩の溶液の濃度が0.1mol/l以
上にすると乾燥の時、凝集が起こりやすく、触媒が均一
に分散された状態が得られないので好ましくない。ま
た、触媒になりうる物質を溶媒に溶かして、液相を経た
状態で、PTCハニカム担体に触媒を担持するので、超
微粒の状態で担持される。このために、触媒の比表面積
が大きくなり、粉末で担持するよりも活性が高くなり、
担持する触媒の量も少なくて済む。また、担持体からの
触媒の脱落等の事故を生ずることがない。
【0027】請求項4に記載の脱臭用触媒フィルターの
製造方法は請求項1乃至3の内いずれか1において、前
記乾燥工程がマイクロ波乾燥又は真空凍結乾燥である構
成を有している。
【0028】ここでマイクロ波乾燥の乾燥条件としては
出力が200〜800W,10〜60分で行われる。マ
イクロ波乾燥法を用いたので、マイクロ波がハニカム担
持体の内部まで侵入し、内部の溶媒を加熱するため、外
部と内部の温度勾配が小さいので溶媒の移動が極めて少
なく触媒の均一な担持を行うことができる。また、真空
凍結乾燥の乾燥条件としては−10℃〜−45℃,10
〜30分で行われる。真空凍結乾燥法を用いることによ
り、金属塩の溶液の溶媒がPTCハニカム担持体の孔隙
内を移動することなく昇華されるので、脱臭触媒の均質
な担持を効率よく行うことができる。
【0029】以上のように乾燥方法としてマイクロ波乾
燥又は真空凍結乾燥で行うので脱臭触媒分布の乾燥によ
る不均一化を防止できる。通常の乾燥機等を用いた乾燥
ではハニカム内部と外部の温度が違い、これによって溶
媒の揮発速度が異なり、触媒層の不均一化が発生する。
マイクロ波乾燥や真空凍結乾燥はハニカム内部と外部の
温度差が小さいので、触媒層の均一な分布を得ることが
できる。
【0030】請求項5に記載の脱臭器は一周壁部に形成
されたガス吸入口と、他周壁部に形成されたガス排出口
と、を有する脱臭容器と、前記脱臭容器内の前記ガス吸
入口の下流側に配設された繊維質プレフィルターと、前
記プレフィルターの下流側に配設された請求項1乃至4
の内いずれか1に記載された方法で作製された前記脱臭
用触媒フィルターと、前記脱臭用触媒フィルターの下流
側に配設されたファンと、を備えた構成を有している。
【0031】この構成により、脱臭用触媒フィルターの
脱臭触媒が気孔等に均質に斑なく担持されているので、
無臭化の際でも温度勾配が低く耐久性を向上させること
ができる。
【0032】PTCセラミック構造体に任意の電圧を印
加することで、常温〜約300℃の温度範囲中の所定温
度に加熱保持することができ、且つ、このPTCセラミ
ック構造体の発熱効果によって触媒層の触媒活性を発現
させ、悪臭成分を酸化脱臭して分解除去することができ
る。これ以外の材料を使用した場合、ハニカムリブ間の
抵抗値のわずかなバラツキにより局部的な加熱が生じる
がPTCセラミックスの場合には、常に温度が一定にな
るように電流が流れるため複雑な回路の抵抗体において
も均一な温度が維持できることになる。更に、触媒層の
加熱温度を常に一定に維持させることができるので、触
媒層の劣化を防止することができる。
【0033】更に、PTCセラミックスの発熱作用によ
って、触媒活性を得ているので、オゾン等の有害物質を
使用する必要がなく安全性が非常に高い。また、フィル
ターの表面に脱臭触媒を担持したことにより悪臭成分の
高分解能を持つ脱臭器を得ることができる。外部ヒータ
やオゾナイザー等を使用しなくて済むので、低コスト、
小型化ができる。
【0034】以下、本発明の実施の形態について、図1
乃至図3を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の第1実施の形態におけ
る脱臭用触媒フィルターの全体斜視図である。図2は本
発明の第1実施の形態における脱臭用触媒フィルターの
要部拡大図である。1はPTCセラミックスからなるP
TCセラミック構造体、2はPTCセラミック構造体の
貫通孔、3はPTCセラミック構造体1の表面にウォッ
シュコートされたアルミナ、シリカからなる中間層で、
4は3の表面に担持された触媒層である。
【0035】以上のように構成された本実施の形態の脱
臭用触媒フィルターについて、以下、その製造方法を説
明する。まず、チタン酸バリウムを主原料とするPTC
セラミックス粉末10kgに対し、高分子系の造孔剤を
20〜30重量部、メチルセルロース系の増粘剤を15
重量部、有機系可塑剤を1重量部、水を25〜30重量
部を加え、乾式混合した。次にニーダで混合した配合物
を三段ローラで混練した。次に真空式押出成形機用いて
ハニカム状の成形体を得た。この成形体を1300℃−
1hの条件で焼成し、φ25mm×奥40mmのハニカ
ム触媒担持体を得た。このハニカム担持体の気孔率は約
45%であった。次に、得られたPTCセラミック構造
体1の貫通孔2の開いている面を樹脂で被覆して、マス
クを形成した。このPTCセラミック構造体1にアルミ
ナのウォッシュコートを施した。次に水溶液の濃度が
0.03、0.05、0.08、0.1、0.13mo
l/lの硝酸マンガン−硝酸銅溶液を作製した。この時
の溶媒は有機系の溶媒であってもかまわない。この時の
硝酸マンガンと硝酸銅の割合は脱硝後の酸化物換算重量
比で1:1とした。この溶液に前述のPTCハニカム構
造体を数回含浸させ、脱硝後、0.05gになるように
触媒を担持した。マイクロ波乾燥機を用いて乾燥し、そ
の後、400℃−1hの条件で脱硝を行って、酸化マン
ガン−酸化銅系の触媒組成物を表面に担持した5種類の
PTCハニカム構造体を得た。次に樹脂マスクを取り除
き、ハニカムの孔の開いている両面にAgペーストを塗
布し、500℃で銀を焼き付けて、脱臭用触媒フィルタ
ーが得られた。このフィルターに直流電流を流したら、
約250℃まで十秒内に上がった。このフィルターの脱
臭能力の測定を行った。測定条件は空間速度SV=13
000h-1、対象ガス:硫化水素を50ppm含有した
エアー又はトリメチルアミンを40ppm含有したエア
ーである。また、ガスクロを用いてガスの定量を行っ
た。実験の結果、両方のガス共に95%以上の脱臭効果
だった。15秒後の脱臭効率と水溶液の濃度の関係を
(表1)(硫化水素)と(表2)(トリメチルアミン)
に示す。実験結果から本発明の脱臭用触媒フィルターは
0.1mol/l以下では脱臭能力に優れているが0.
1mol/l以上では特性が劣化することがわかる。ま
た、凍結乾燥法を利用して乾燥したものも同様な結果が
得られた。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】(実施の形態2)実施の形態1のと同条件
でシリカで表面をコートしたPTCハニカム構造体を得
た。次に、実施の形態1で用いた0.05mol/lの
硝酸マンガン−硝酸銅溶液を使って、上記にPTCハニ
カム構造体に噴霧器を用いて数回噴霧して、脱硝後、
0.05gになるように触媒を担持した。後は、実施の
形態1と同様にして脱臭用触媒フィルターを得た。この
性能を測定したところ、実施の形態1と同様な結果が得
られた。その結果を(表3)(硫化水素)と(表4)
(トリメチルアミン)に示す。実験結果から本発明の脱
臭用触媒フィルターは脱臭能力に優れていることがわか
る。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】(実施の形態3)図3は実施の形態1で作
製した脱臭用触媒フィルターを使用した脱臭器の断面模
式図である。5は本実施の形態における脱臭器、6は金
属製、合成樹脂製、木製等からなり筒状に形成された容
器体、6aは容器体6の一周壁部に開設されたガス吸入
口、6bはガス吸入口6aに連通して容器体6の他周壁
部に開設されたガス排出口、7は容器体6内にガス吸入
口6aから略10mm隔離して配設された縦幅50m
m、奥行き2〜3mmの略直方体状に形成された繊維質
のプレフィルター、8は容器体6内にプレフィルター7
から略10mm隔離して配設された前述の本発明の第1
実施の形態における脱臭用触媒フィルター、9は容器体
6内に脱臭用触媒フィルター8から略30mm隔離して
配設された吸入用のファン、10は脱臭用触媒フィルタ
ー8及びファン9を制御する制御部、11は空気中に含
有される悪臭成分、12は脱臭器5で浄化されガス排出
口6bから排出された浄化ガス中に含まれる無臭成分で
ある。ここで脱臭用触媒フィルター8は、脱臭器5の所
定部に配設されたスイッチ部(図示せず)を入力した
後、約250℃になるように設定されている。また、図
示しないが、脱臭用触媒フィルター8の周囲には、縦幅
50mm、横幅60mm、奥行き20mmの略直方体状
に形成された繊維質の断熱材が巻き付けられている。ま
た、容器体6の形状は、前述した筒状に限定されること
はなく、箱状等に形成しても良い。また、図示しない
が、容器体6の周壁部には、プレフィルター7を交換す
るための扉部を設けても良い。
【0042】以上のように構成された本実施の形態の脱
臭器について、以下その動作を説明する。まず、スイッ
チ部を〃オン〃にする。次に、制御部10がスイッチ部
が〃オン〃にされたのを検知して、脱臭用触媒フィルタ
ー8及びファン9に所定の直流電流を印加する。次に、
ファン9部が駆動することにより、脱臭器5外の空気が
ガス吸入口6aから吸入される。次にガス吸入口6aか
ら吸入された空気はプレフィルター7で大きな埃や綿埃
が捕集される。次に脱臭用触媒フィルター8で空気中に
含有される悪臭成分11が分解除去される。次に脱臭用
触媒フィルター8で浄化された浄化ガスはファン9によ
りガス排出口6bから外部に排出される。
【0043】以上のように動作される本実施の形態の脱
臭器を用いて、脱臭性能試験を行った。以下、その結果
について説明する。まず、本実施の形態の脱臭器を準備
した。次に本実施の形態の脱臭器を、口500mm×5
00mmのプラスチックの容器に入れて、この容器内を
対象ガスとして硫化水素40ppmを含有した空気で充
填した後、脱臭効果を確認した。その結果、1分以内に
95%以上の硫化水素を分解することが確認された。更
に、容器内のガスをトリメチルアミン、アンモニア、メ
チルメルカプタン等に変えても、同様な結果が確認され
た。
【0044】
【発明の効果】以上から明らかなように本発明によれ
ば、自己発熱が可能なPTCセラミック構造体に悪臭又
は排ガスの浄化、分解の効果を有す主成分が酸化マンガ
ン−酸化銅触媒を担持しているので、家庭や工場から排
出される悪臭(トイレの臭い、生ゴミの臭い等)を効果
的に分解除去できる。
【0045】更に、オゾン等の人体に悪影響を及ぼす物
質を使用せず、PTCセラミックス発熱効果によって触
媒活性を発現しているので、安全性が非常に高い。
【0046】更に、オゾナイザー等を使用しないため低
コスト、小型化が可能である。更に、触媒を0.1mo
l/l以下の金属塩の溶液の状態で担持するので超微粒
な状態で均一にPTCハニカム構造体に担持され、この
ことにより、脱臭効率が向上し、触媒の脱落が無くなっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態における脱臭用触媒フ
ィルターの全体斜視図
【図2】本発明の第1実施の形態における脱臭用触媒フ
ィルターの要部拡大図
【図3】本発明の第1実施の形態で作製した脱臭用触媒
フィルターを使用した脱臭器の断面模式図
【符号の説明】
1 PTCセラミック構造体 2 貫通孔 3 中間層 4 触媒層 5 脱臭器 6 容器体 6a ガス吸入口 6b ガス排出口 7 プレフィルター 8 脱臭用触媒フィルター 9 ファン 10 制御部 11 悪臭成分 12,13 無臭成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 幸則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渡辺 浩一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出成型された多孔質のPTCハニカム担
    持体を1150℃〜1400℃で焼成する工程と、焼成
    されたPTCハニカム担持体の表面にアルミナ、シリカ
    のいずれか1種以上からなる絶縁層形成する工程と、絶
    縁層が形成されたPTCハニカム担持体を脱臭機能を有
    する金属塩の溶液に含浸させる工程又は前記PTCハニ
    カム担持体に前記金属塩の溶液を噴霧する脱臭機能付与
    工程と、脱臭機能付与工程後PTCハニカム担持体を乾
    燥する乾燥工程と、次いで熱処理する工程と、を備えた
    脱臭用触媒フィルターの製造方法。
  2. 【請求項2】前記脱臭機能付与工程の前記金属塩がMn
    塩、Cu塩を主成分とすることを特徴とする請求項1に
    記載の脱臭用触媒フィルターの製造方法。
  3. 【請求項3】前記脱臭機能付与工程の前記溶液の金属塩
    の濃度が0.1mol/l〜0.0001mol/lで
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱臭用触
    媒フィルターの製造方法。
  4. 【請求項4】前記乾燥工程がマイクロ波乾燥又は真空凍
    結乾燥であることを特徴とする請求項1乃至3の内いず
    れか1に記載の脱臭用触媒フィルターの製造方法。
  5. 【請求項5】1周壁部に形成されたガス吸入口と、他周
    壁部に形成されたガス排出口と、を有する脱臭容器と、
    前記脱臭容器内の前記ガス吸入口の下流側に配設された
    繊維質プレフィルターと、前記プレフィルターの下流側
    に配設された請求項1乃至4の内いずれか1に記載され
    た方法で作製された前記脱臭用触媒フィルターと、前記
    脱臭用触媒フィルターの下流側に配設されたファンと、
    を備えていることを特徴とする脱臭器。
JP8002833A 1996-01-11 1996-01-11 脱臭用触媒フィルターの製造方法及びその方法により作製された脱臭用触媒フィルターを用いた脱臭器 Pending JPH09187662A (ja)

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