JP2020014656A - パーマ処理毛髪用消臭剤組成物、消臭剤組成物の製造方法、及び毛髪の消臭方法 - Google Patents

パーマ処理毛髪用消臭剤組成物、消臭剤組成物の製造方法、及び毛髪の消臭方法 Download PDF

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【課題】パーマ処理後の毛髪を消臭することができる、新規なパーマ処理毛髪用消臭剤組成物、消臭剤の製造方法、及び毛髪の消臭方法を提供すること。【解決手段】パーマ処理毛髪用消臭剤組成物は、水を含む溶媒と、溶媒中に分散した消臭剤粉末とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、パーマ処理毛髪用消臭剤組成物、消臭剤組成物の製造方法、及び毛髪の消臭方法に関する。
パーマ処理時には、パーマ剤が毛髪に塗布される。パーマ剤には、多くの場合、有効成分として、システアミン等の硫黄含有化合物が含まれている。それら硫黄含有化合物が毛髪に付着する結果、毛髪は、パーマ処理後に独特の臭気を有する。よって、パーマ処理された毛髪から臭気を除去する技術が望まれている。
上記に関連して、例えば、特許文献1(特開2003−261425号公報)には、二価金属イオンを1種又は2種以上含むことを特徴とするシステアミン処理毛髪用の消臭処理剤が開示されている。
特開2003−261425号公報
本発明者らが知る限り、パーマ処理により生じた臭気を毛髪より除去して消臭する技術は、特許文献1に記載された技術以外に報告されていない。
そこで、本発明の課題は、パーマ処理された毛髪を消臭することができる、新規なパーマ処理毛髪用消臭剤組成物、消臭剤組成物の製造方法、及び毛髪の消臭方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の事項を含む。
[1]硫黄含有化合物を吸着する機能を有する消臭剤粉末を含有する、パーマ処理毛髪用消臭剤組成物。
[2]更に、溶媒を含有し、前記消臭剤粉末が前記溶媒中に分散している、[1]に記載の消臭剤組成物。
[3]前記溶媒のpHが3〜12である、[2]に記載の消臭剤組成物。
[4]前記消臭剤粉末の含有量が、0.001〜50質量%である、[2]又は[3]に記載の消臭剤組成物。
[5]システアミン消臭速度が、毎分50μg/mg以上である、[2]乃至[4]のいずれかに記載の消臭剤組成物。
[6]前記消臭剤粉末が、マンガン、銅、ニッケル、銀、亜鉛、白金及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属Xを含む粉体である、[1]乃至[5]のいずれかに記載の消臭剤組成物。
[7]前記消臭剤粉末が、多孔質シリカを含み、前記金属Xが、前記多孔質シリカにドープされている、もしくは粒子として担持されている[6]に記載の消臭剤組成物。
[8]前記消臭剤粉末が、活性炭、ケイ酸塩、4価金属リン酸塩又はゼオライトを含む、[1]乃至[6]のいずれかに記載の消臭剤組成物。
[9]溶媒を調製する工程と、前記溶媒に消臭剤粉末を分散させる工程と、
を備える、パーマ処理毛髪用消臭剤組成物の製造方法。
[10]毛髪に対してパーマ処理を行う工程と、前記毛髪に、[1]乃至[8]のいずれかに記載された消臭剤組成物を塗布する工程とを備える、毛髪の消臭方法。
本発明によれば、パーマ処理された毛髪を消臭することができる、新規なパーマ処理後毛髪用消臭剤組成物、消臭剤の製造方法、及び毛髪の消臭方法が提供される。
図1は、消臭剤組成物が塗布された毛髪の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施態様について説明する。
1:第1の実施態様
第1の実施態様に係るパーマ処理毛髪用消臭剤組成物は、溶媒と、溶媒中に分散した消臭剤粉末とを含む。本実施態様に係るパーマ処理毛髪用消臭剤組成物を毛髪に塗布すると、溶媒中に分散した消臭剤粉末が毛髪に付着する。毛髪に消臭剤粉末が付着することにより、速やかに毛髪の臭気が消臭される。
加えて、例えば、特許文献1(特開2003−261425号公報)に記載されるように、消臭機能を実現する物質が金属イオンの状態で溶媒中に存在している場合には、排水処理等の面での負担が大きくなる。例えば、排水先において、イオン交換樹脂等により金属イオンを除去するための処理等が必要になる。これに対して、本実施態様によれば、消臭機能を有する物質が粉末として存在しているため、排水先において、沈殿装置などを用いて、消臭剤粉末を夾雑物として容易に分離回収することができる。すなわち、排水処理に要する負担を軽減できる。
以下、本実施態様の詳細を説明する。
(溶媒)
消臭剤組成物に含まれる溶媒は、消臭剤粉末が溶解せずに分散するようなものであれば、特に限定されるものでは無い。好ましくは、主成分(例えば50質量%以上、好ましくは80質量%以上)として水を含む液体が、溶媒として用いられる。
溶媒のpHは、好ましくは3〜12、より好ましくは6〜10である。pHがこの範囲内であれば、髪に与えるダメージが少なくて済む。
溶媒は、低粘度であることが好ましい。低粘度であれば、消臭対象となる硫黄含有化合物が溶媒中に拡散しやすくなり、消臭剤粉末に吸着され易くなる。その結果、消臭速度を上げることができる。溶媒の粘度は、例えば25℃において0.5〜1000mPa/秒、好ましくは0.5〜100mPa/秒である。
(消臭剤粉末)
消臭剤粉末は、パーマ剤に由来する臭気の原因となる硫黄含有化合物と反応し、かつ、溶媒中に分散するものであればよく、特に限定されない。
組成物中における消臭剤粉末の含有量は、例えば0.001〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%である。消臭剤粉末の含有量が、0.001質量%以上であれば、十分な消臭効果を得ることができる。消臭剤粉末の含有量が50質量%以下であれば、流動性が維持される。
消臭剤粉末のモード径は、例えば0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μmである。
消臭剤粉末としては、例えば、硫黄含有化合物を吸着する機能を有する金属Xを含む粉体;活性炭;及びゼオライトなどが挙げられる。
金属Xを含む粉体として、好ましくは、金属Xが母材に担持された粉体が用いられる。母材としては、例えば、多孔質シリカ、ケイ酸塩、及び4価金属リン酸塩が挙げられる。
金属Xとしては、例えば、マンガン、銅、ニッケル、銀、亜鉛、白金及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属が挙げられる。好ましい金属Xとして、マンガン、銅、及び鉄が挙げられる。更に好ましい金属Xとして、マンガン及び銅が挙げられる。
より好ましくは、金属Xを含む粉体として、金属Xを含む多孔質シリカが用いられる。
この場合、金属Xは、多孔質シリカに「ドープ」されていてもよいし、「粒子として多孔質シリカに担持」されていてもよい。好ましくは、金属Xは、多孔質シリカにドープされている。
尚、「ドープされている」とは、金属XがシリカのSiO4骨格内のSi元素の位置に組み込まれた状態をいう。
また、「粒子として多孔質シリカに担持」されているとは、ドープされることなく、金属Xが多孔質シリカに支持されている状態をいう。
多孔質シリカの比表面積は、例えば500m2/g以上、好ましくは800〜2000m2/g、より好ましくは800〜1600m2/gである。多孔質シリカの比表面積が500m2/g以上であれば、ドープされた金属と消臭対象の臭気との接触面積が十分に確保され、高い消臭効率を得ることができる。また、比表面積が2000m2/g以下であれば、細孔構造を維持するための強度も確保できる。
多孔質シリカに形成されている空孔の大きさは、溶媒分子及び硫黄含有化合物分子が出入りできる大きさであればよい。例えば、空孔の直径が2nm以上であれば、十分である。
金属Xが多孔質シリカにドープされていることにより、金属Xがドープされることなく粒状で存在している場合に比べて、消臭効率が高くなる。金属Xがドープされている場合には、多孔質シリカの表面全体にわたって金属Xが存在することになる。その結果、金属Xが粒状で存在する場合に比べて、臭気と金属Xとの接触面積が大きくなり、高い消臭効率が得られるものと考えられる。
また、例えば金属Xが溶媒に可溶な金属塩として多孔質シリカに担持されている場合には、消臭剤の使用場面において、金属Xが金属イオンとして溶媒中に溶出してしまうことが考えられる。場合によっては、金属イオンが排水として流出しないようにイオン交換など高コストな処理を施す必要が生じ、排水処理に要する負担が生じる場合がある。これに対して、金属Xが多孔質シリカにドープされている場合には、多孔質シリカからの金属Xの離脱が防止されるため、沈殿装置により粉末として容易に分離回収が可能であり、排水処理面での負担を軽減できる。
更に、金属Xが多孔質シリカにドープされる形で含まれていると、金属Xが単独で存在する場合における色味が軽減される。そのため、消臭剤組成物の外観を所望する色に制御しやすくなる。
多孔質シリカ中の金属Xの含有量は、例えば0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。金属Xの含有量が0.01質量%以上であれば、十分な消臭効果が得られる。また、10質量%以下であれば、金属Xを含有する多孔質シリカを容易に合成することができる。
多孔質シリカには、金属Xとは異なる金属が含まれていることが好ましい。
金属Xとは異なる金属として、例えば、多孔質シリカの加水分解を抑制するための金属Yが挙げられる。金属Yとしては、例えば、Al及びZrからなる群から選択される金属が挙げられる。金属Yは、多孔質シリカにドープされていることが好ましい。
多孔質シリカに金属Yがドープされていることにより、多孔質シリカの水熱耐久性が高められる。その理由は、金属Yがドープされていると、シリカのシロキサン骨格の加水分解が抑制され、細孔構造が崩壊しにくくなるからであると考えられる。
多孔質シリカ中の金属Yの含有量は、例えば0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。金属Yの含有量が0.1質量%以上であれば、シロキサン骨格の加水分解抑制による経時保管による比表面積維持の効果が得られる。10質量%以下であれば、比表面積が500m2/g以上の高い比表面積を実現できる。
また、金属Xとは異なる金属として、硫黄含有臭気以外の臭気を除去する機能を有する金属Zが多孔質シリカに含まれていてもよい。金属Zとしては、例えば、Co、Zn、Ag及びCaからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属が挙げられ、好ましくはCo等が挙げられる。Co等が多孔質シリカに含まれている場合、硫黄含有臭気だけでなく、アルデヒドの分解や、脂肪酸臭気の消臭も期待でき、多臭気を一括して消臭可能な多孔質シリカを得ることができる。
金属Zは、多孔質シリカに「ドープ」されていてもよいし、「粒子として多孔質シリカに担持」されていてもよい。
多孔質シリカ中の金属Zの含有量は、例えば0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
具体的には、多孔質シリカは、下記式1で表される化学構造を少なくとも一部に有していることが好ましい。
(式1):SiO2・aXOb/2・cYOd/2・eZOf/2
なお、式1中、Xは、金属Xを表す。
Yは、金属Yを表す。
Zは、金属Zを表す。
aは、0より大きく0.1以下である数を表す。
c及びeは、それぞれ、0以上0.1以下である数を表す。
b、d及びfは、それぞれ、金属X、金属Y及び金属Zの価数を表す。
なお、多孔質シリカに金属X、金属Y、又は金属Zを含有させるためには、多孔質シリカの製造時に、水溶液中で、金属X、金属Y又は金属Zを含む水溶性の金属塩を、多孔質シリカ又はその前駆体と混合すればよい。
一方、消臭剤粉末が活性炭を含んでいる場合、活性炭としては、市販のものを用いることができる。活性炭としては、例えば、比表面積が、例えば500m2/g以上、好ましくは1000〜2000m2/gであるものを用いることができる。
また、消臭剤粉末がゼオライトを含んでいる場合、ゼオライトとしては、細孔径と消臭したい硫黄化合物の大きさがちょうど適合しているものを用いることが好ましい。例えば、ZSM−5、モルデナイトなどが好ましい。また、細孔内の陽イオンを金属イオンで置換した銀ゼオライト、銅ゼオライトなども用いることができる。
(製造方法)
本実施態様に係るパーマ処理毛髪用消臭剤組成物の製造方法は、溶媒を調製する工程と、溶媒に消臭剤粉末を分散させる工程とを備える。
尚、消臭剤粉末として金属Xが含まれる多孔質シリカを用いる場合、多孔質シリカは、例えば、以下の工程を含む方法により製造することができる。
(A)溶媒、界面活性剤、及び金属Xを含有する金属X供給用化合物を混合し、界面活性剤溶液を調製する工程
(B)界面活性剤溶液に、シリカ源を添加し、表面にシリカ源が集積したミセルを生成する工程
(C)集積したシリカ源を縮合させる工程
(D)縮合させる工程の後に、ミセルを回収し、焼成する工程
以下、各工程について詳述する。
(A):界面活性剤溶液の調製
まず、溶媒に、界面活性剤及び金属X供給用化合物を添加し、界面活性剤溶液を調製する。界面活性剤溶液は、好ましくは、室温以上200℃以下で、30分以上10時間以下、攪拌される。これにより、界面活性剤がミセルを形成する。
溶媒としては、例えば水を用いることができる。また、水とエタノールやトルエンなどの有機溶媒との混合物が溶媒として用いられてもよい。
界面活性剤の添加量は、好ましくは50〜400mmol/L、より好ましくは50〜
150mmol/Lである。
或いは、界面活性剤の添加量は、後に添加されるシリカ源1モルに対して、0.01〜5.0モル、好ましくは0.05〜1.0モルである。
界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、陽イオン性、陰イオン性、及び非イオン性の何れの界面活性剤も使用可能である。
好ましくは、界面活性剤は、中性又は陽イオン性のものであり、より好ましくはアルキルアンモニウム塩である。アルキルアンモニウム塩は、炭素数が8以上のものが好ましく、工業的な入手の容易さを鑑みると、炭素数が12から18のものがより好ましい。アルキルアンモニウム塩としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属X供給用化合物は、多孔質シリカに含まれる金属Xの供給源となる物質である。金属X供給用化合物としては、金属Xを含む水溶性の化合物が好ましく用いられる。より好ましくは、金属Xの塩化物、硝酸塩及び硫酸塩などが用いられる。
例えば、金属Xが鉄である場合、塩化鉄(III)等が金属X供給用化合物として添加される。
例えば、金属Xが銅である場合、硝酸銅等が金属X供給用化合物として添加される。
例えば、金属Xがマンガンである場合、塩化マンガン等が金属X供給用化合物として添加される。
例えば、金属Xがニッケルである場合、硝酸ニッケル等が金属X供給用化合物として添加される。
例えば、金属Xが銀である場合、硝酸銀等が金属X供給用化合物として添加される。
例えば、金属Xが亜鉛である場合、硝酸亜鉛等が金属X供給用化合物として添加される。
例えば、金属Xが白金である場合、ヘキサクロロ白金(IV)酸6水和物等が金属供給用化合物として添加される。
なお、金属Xが鉄、銅、マンガン及びニッケル等である場合には、金属Xは、通常、最終的に多孔質シリカにドープされる。
一方、金属Xが銀又は白金である場合、通常、金属Xは、最終的に、粒子として、多孔質シリカに担持される。
金属X供給用化合物の添加量は、例えば、シリカ源1モルに対して0.001〜0.5モル、好ましくは0.01〜0.1モルである。
(B):シリカ源の添加
続いて、界面活性剤溶液に、シリカ源を添加する。
シリカ源は、シリカの原料となるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、およびケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。これらのシリカ源は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。シリカ源は、好ましくはアルコキシシランである。シリカ源は、より好ましくはテトラエトキシシランである。ケイ素原子上の有機官能基は、加水分解によって失われるため、合成物の構造に影響を与えない。ただし、有機官能基が嵩高いと加水分解速度が遅くなり、合成時間が長くかかってしまう。
尚、シリカ源としてケイ酸ナトリウムを単独もしくは併用して用いる場合、界面活性剤溶液について、200℃以下で20〜2時間、加熱還流する操作をする。
シリカ源の添加量は、特に限定されるものではないが、例えば、0.2〜1.8モル/Lである。或いは、溶媒が水を含む場合、シリカ源の濃度は、水1モルに対して、例えば0.001〜0.05モルである。
(C):シリカ源の縮合
次に、シリカ源を縮合させる。具体的には、シリカ源が縮合するまで、溶液のpHを増加または減少させる。例えば、塩基性水溶液を添加し、攪拌することにより、シリカ源を縮合させることができる。攪拌は、例えば、1時間以上行う。塩基性水溶液の添加により、ミセルの表面に集積したシリカ源が脱水縮合し、シリカの壁を形成する。
塩基性水溶液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアなどの水溶液が挙げられる。塩基性水溶液は、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。これらの塩基性水溶液は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩基性水溶液は、添加直後に好ましくはpHが8〜14となるように、より好ましくは9〜11となるように添加される。塩基水溶液の添加により、シリカ源の脱水縮合反応が加速する。
その結果、縮合部分の表面張力が上昇して、シリカの壁が球状となり、さらに球体が幾重にも接合した形態となって、スピノーダル分解(相分離)が引き起こされる。化学架橋によってこれらの構造が凍結される。
尚、シリカ源は、pHが低い状態においても縮合する性質を有している。従って、塩基性水溶液ではなく、酸性水溶液を添加することによっても、シリカ源を縮合させることができる。
(D):ミセルの回収及び焼成
続いて、ミセルを、水溶液から前駆体として回収する。詳細には、シリカ源を縮合させると、ミセルが沈殿する。そこで、沈殿物を濾別することにより、ミセルを前駆体として回収する。回収した前駆体を乾燥させる。乾燥後、前駆体を焼成し、前駆体中に含まれる有機成分を除去する。すなわち、ミセルを構成していた界面活性剤を除去する。これにより、細孔を有する多孔質シリカが形成される。なお、焼成は、界面活性剤の分解温度以上で行われる。焼成温度は、例えば400〜600℃である。
以上の方法により得られた多孔質シリカには、金属X供給用化合物由来の金属Xが含まれている。すなわち、金属Xが含まれた多孔質シリカが得られる。
なお、上記の方法では、金属X供給用化合物が、工程(A)において添加される例について説明した。但し、金属X供給用化合物は、必ずしも工程(A)において添加される必要はなく、工程(D)の焼成前であればどの段階で溶液中に添加されてもよい。溶液中において、集積したシリカ源と金属X供給用化合物とが混合されていれば、金属X供給用化合物由来の金属Xがシリカ源に取り込まれ、金属Xが含まれる多孔質シリカが得られる。
また、多孔質シリカとして、金属Xに加えて、金属Y及び/又は金属Zが含まれる多孔質シリカを製造する場合には、工程(D)より前のいずれかの段階において、金属Y供給用化合物又は金属Z供給用化合物を添加すればよい。
金属Y供給用化合物及び金属Z供給用化合物は、それぞれ、金属Y及び金属Zの供給源となる物質である。金属Y供給用化合物及び金属Z供給用化合物としては、金属Y又はZを含む水溶性の化合物が好ましく用いられる。より好ましくは、金属Y又は金属Zの塩化物、硝酸塩及び硫酸塩などが用いられる。
例えば、金属Yがアルミニウムである場合、塩化アルミニウム等が金属Y供給用化合物として添加される。
例えば、金属YがZrである場合、オキシ塩化ジルコニウム等が金属Y供給用化合物として添加される。
例えば、金属Zがコバルトである場合、硝酸コバルト等が金属Z供給用化合物として添加される。
例えば、金属ZがZnである場合、硝酸亜鉛等が金属Z供給用化合物として添加される。
例えば、金属ZがAgである場合、硝酸銀等が金属Z供給用化合物として添加される。
例えば、金属ZがCaである場合、炭酸カルシウム等が金属Z供給用化合物として添加される。
金属Y供給用化合物及び金属Z供給用化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
金属Y供給用化合物及び金属Z供給用化合物の添加量は、それぞれ、例えば、シリカ源1モルに対して0.001〜0.5モル、好ましくは0.01モル〜0.1モルである。
(使用方法)
本実施態様に係る消臭剤組成物は、パーマ処理後に、毛髪に塗布される。
一般的に、パーマ処理時には、まず、毛髪がシャンプー等により洗浄される。次いで、毛髪がカーラーに巻かれる。次いで、パーマ1剤と呼ばれる薬剤が毛髪に塗布される。パーマ1剤には、毛髪のシスチン結合を切断させる還元剤が含まれている。パーマ1剤の塗布によってシスチン結合が切断されると、毛髪は、カーラーに巻かれた形状に適合する。その後、パーマ2剤が毛髪に塗布される。パーマ2剤には酸化剤が含まれている。酸化剤によって、切断されたシスチン結合が再結合する。これにより、毛髪の形状が、カーラーに対応する形状に固定される。尚、パーマ1剤の塗布が塗布されてからパーマ2剤が塗布されるまでの間に、中間処理剤(コンディショナー)が塗布される場合もある。また、パーマ2剤の塗布後に、後処理剤による処理、リンス、及びトリートメント等が行われる場合もある。
ここで、パーマ1剤に含まれる還元剤として、具体的には、システアミン、チオグリコール酸及びシステイン等の硫黄含有化合物が挙げられる。また、毛髪との反応過程でこれらが変質してチアゾリジンなどの硫黄含有化合物を発生する場合もある。これら硫黄含有化合物は、臭気を有している。この臭気が、本実施態様に係るパーマ処理毛髪用消臭剤組成物の消臭対象である。
詳細には、本実施態様に係る消臭剤組成物は、例えば、上記の中間処理剤、パーマ2剤、後処理剤、リンス剤、及びトリートメント剤等に配合され、使用することができる。あるいは、消臭剤組成物は、これらとは別途に毛髪に塗布される薬剤として、使用することもできる。また、例えば、消臭剤組成物は、パーマ処理後に家庭で使用されるシャンプーに配合される薬剤として、使用することもできる。
また、本実施態様に係る消臭剤は、ヘアスプレー、及びヘアワックスなどの形態として使用することもできる。
また、本実施態様の消臭剤組成物は、液状の組成物として保管されるものであってもよいし、消臭剤粉末の状態で保管されるものであってもよい。後者の場合、例えば、現場(美容室等)において、使用直前に、水やコンディショナーなどの溶媒に消臭剤粉末が添加され、本実施態様に係る消臭剤組成物が調製される。
以上説明したように、本実施態様によれば、水を含む溶媒中に消臭剤粉末が分散しているため、毛髪に消臭剤組成物を塗布すると、消臭剤粉末が毛髪に付着する。消臭剤が毛髪に付着しているので、毛髪の臭気を速やかに除去することができる。毛髪に付着した消臭剤粉末は、消臭機能を発揮した後に、洗い流されてもよいし、洗い流されなくてもよい。
なお、毛髪に消臭剤粉末を付着させたままにしておけば、空気中にただよう臭気を引き続き消臭することも可能である。
更には、消臭剤粉末中に、活性炭及びシリカ等が含まれている場合には、硫黄含有臭気以外の臭気も消臭することが可能である。例えば、活性炭及びシリカ等は、硫黄含有臭気以外の酸性ガスや塩基性ガスを消臭する機能を有している。そのため、パーマ処理以外に由来する臭気、例えば、汗臭や体臭等に対する消臭機能をも実現することができる。
本実施態様によれば、例えば、システアミン消臭速度が毎分50μg/mg以上である消臭剤組成物が得られる。システアミン消臭速度は、後述の実施例で測定される方法によって求めることができる。
加えて、本実施態様によれば、消臭機能を有する物質が粉末状態で存在しているため、排水先において容易に消臭剤粉末を排水から分離回収することができる。よって、排水処理に要する負担が軽減される。
尚、本実施態様に係る消臭剤組成物には、香料又は毛髪保護成分が含まれていてもよい。香料又は毛髪保護成分が含まれている場合、毛髪に消臭剤組成物を塗布した後、放置しておくと、香料又は毛髪保護成分が徐放される。これにより、単なる硫黄含有臭気の消臭機能だけではなく、香料による体臭や頭皮臭の消臭や、毛髪保護等、他の機能をも実現できる。これらの香料又は毛髪保護成分は、多孔質シリカ等の母材に担持される形態で含まれていてもよいし、母材とは別に消臭剤組成物中に添加されていてもよい。多孔質シリカに香料又は毛髪保護成分を含ませるためには、これら成分を分散させた溶液中に多孔質シリカを投入、攪拌した後、真空乾燥で溶媒を留去するなどの方法がある。
また、消臭剤粉末として金属Xがドープされた多孔質シリカを用いた場合には、次のような効果をも得ることができる。
まず、多孔質シリカが使用されているため、消臭機能を発現する金属Xを溶媒中にて均一に分散させることができ、その結果、金属Xと硫黄含有化合物との化学反応速度を向上させることができる。
加えて、多孔質シリカはそれ自体で硫黄含有臭気以外の臭気(酸性・塩基性臭気)に対する消臭性能も有している。よって、硫黄含有臭気以外の臭気を消臭することも可能である。
また、多孔質シリカは、毛髪に付着しやすい。よって、毛髪に消臭剤をより付着させやすくなる。これにより、金属Xによる消臭作用をより確実に発揮させることが可能になる。
2:第2の実施態様
第1の実施態様においては、消臭剤組成物が溶媒と消臭剤粉末を含む態様について説明した。これに対して、本実施態様においては、溶媒が用いられてない。すなわち、消臭剤粉末がそれ自体で消臭剤として使用される。すなわち、本実施態様においては、毛髪に、消臭剤粉末(消臭剤組成物)が振りかけられる。例えば、消臭剤粉末は、水で濡れたた毛髪に対して、振りかけられる。より詳細には、例えばトリートメント等の処理が行われている際に、毛髪に消臭剤粉末が振りかけられる。これにより、振りかけられた消臭剤粉末が濡れた毛髪に付着し、その結果、第1の実施態様と同様の作用効果を発揮する。
(実施例)
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は、これら実施例に限定されて解釈されるものではない。
下記の方法により、実施例1〜5に係る消臭剤粉末を調製した。得られた消臭剤粉末について、比表面積、モード径、及び金属含有量を測定した。また、システアミン吸着試験を実施した。
また、実施例1〜4に係る消臭剤粉末を蒸留水に分散させ、液状の消臭剤組成物を得た。得られた液状の消臭剤組成物に対して、髪の毛の消臭試験を実施した。各実施例の調製方法及び試験方法は、以下の通りである。
実施例1
溶媒としての水に、界面活性剤としてヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、金属X供給用化合物として塩化マンガン、金属Y供給用化合物として塩化アルミニウム、金属Z供給用化合物として硝酸コバルトを加え、100℃で1時間攪拌した。室温まで水溶液を冷却した後、シリカ源としてテトラエトキシシランを加え、攪拌した。次いで、縮合触媒として水酸化ナトリウムを加え、攪拌した。各化合物の添加量は、テトラエトキシシラン1モルに対して、以下の量とした。
界面活性剤(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド):0.225モル
金属X供給用化合物(塩化マンガン):0.0118モル
金属Y供給用化合物(塩化アルミニウム):0.0241モル
金属Z供給用化合物(硝酸コバルト):0.011モル
水:125モル
水酸化ナトリウム:0.195モル
得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、乾燥した後、焼成を行い有機成分を除去し、多孔質シリカを得た。これを、実施例1に係る消臭剤粉末とした。
実施例2
実施例1と同様の方法により、実施例2に係る消臭剤粉末を得た。但し、金属X供給用化合物として硝酸銅、金属Y供給用化合物として塩化アルミニウムを添加した。金属Z供給用化合物は添加しなかった。また、各化合物の添加量は、以下の通りとした。
界面活性剤(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド):0.225モル
金属X供給用化合物(硝酸銅):0.0204モル
金属Y供給用化合物(塩化アルミニウム):0.0482モル
水:125モル
水酸化ナトリウム:0.195モル
その他の点は、実施例1と同様にして、実施例2に係る消臭剤を用意した。
実施例3
東京化成製の活性炭素(カタログコード:C2194)を実施例3に係る消臭剤粉末として用意した。
実施例4
東亞合成製のケスモンNS20C(商品名)(ケイ酸塩含有粉末)を、実施例4に係る消臭剤粉末として用意した。
実施例5
金属X供給用化合物として塩化鉄を添加した。各化合物の添加量を、テトラエトキシシラン1モルに対して、それぞれ以下の量とした。
界面活性剤(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド):0.225モル
金属X供給用化合物(塩化鉄):0.0537モル
金属Y供給用化合物(塩化アルミニウム):0.0241モル
水:125モル
水酸化ナトリウム:0.195モル
その他の点は実施例1と同様にして、実施例6に係る消臭剤を用意した。
比表面積の測定方法
マイクロメリティックス社製フローソーブII2300形を使用し、1点法で液体窒素温度にて測定した。
モード径の測定方法
島津製作所製のレーザー回折粒度分布測定装置SALD−3100を使用して測定した。
金属X及び金属Yの含有量の測定方法
消臭剤粉末約50mgを精確に量りとり、4mlの塩酸で溶解した後に、水溶液中の各金属(Mn、Cu、Fe、Al、及びCo)の濃度を、Thermo Scientific社製のICP−OESにて測定した。塩酸で処理することにより、消臭剤粉末に含まれる金属成分は、全て塩酸に溶解するものと考えられる。そこで、測定結果に基づき、消臭剤粉末中に存在する各金属の含有量を、金属量として算出した。
システアミン吸着試験
システアミン0.5896gを量り取り、10mlのメスフラスコを用いて超純水でメスアップし、溶液1−1を得た。この溶液1−1中のシステアミン濃度は、5.85wt%であり、これはパーマ液原液相当の濃度である。
遠沈管チューブに、測定対象の消臭剤粉末10mgを量り取った。チューブに水0.9mlを加え、よく振って均一な分散液とした。分散液に、溶液1−1を0.1ml加え、30秒間よく振って反応させた。反応前のシステアミン濃度は、7.64×10-2モル/L、初期システアミン量は5.89mgである。90秒間、遠心分離処理を実施した。上澄みをすみやかに取り出し、反応液の235nmにおける吸光度を測定した。
検量線の測定から、システアミン濃度が7.5×10-4モル/L〜1.2×10-4モル/Lの範囲で、235nmの吸光度とシステアミン濃度との間に比例関係が成立することを確認した。そこで、この濃度範囲に入るように、オートピペットを用いて、反応液を適宜希釈し、235nmの吸光度を測定した。結果から、システアミンの残存濃度を下記式1により計算した。また、吸着率の値を、下記式2により算出した。
(式1)残存濃度=定数×235nmの吸光度×希釈倍率
(式2)吸着率(%)=(初濃度―残存濃度)/初濃度×100
更に、容量等を、下記式3〜6から算出した。
(式3)吸着量(mg)=吸着率(%)×初期システアミン量(mg)/100
(式4)金属X量(mg)=消臭剤粉末量(mg)×金属X金属量(wt%)/100
(式5)容量(mg/金属Xmg)=吸着量(mg)/金属X量(mg)
(式6)システアミン消臭速度(μg/剤mg・分)=(吸着量(mg)×1000(μg/mg))/(消臭剤量(mg)×2(分))
なお、吸光度測定装置としては、以下のものを使用した。
吸光度測定装置:コロナ吸光グレーティングマイクロプレートリーダーSH−1000(コロナ電気株式会社製)、プレート:UV Flat Bottom Microtite(登録商標) Plates(Thermo製)、測定範囲:200〜600nm、レスポンス:3
測定結果を表1に示す。表1に示されるように、実施例1乃至5に係る消臭剤粉末は、いずれも、水中にてシステアミンを吸着する機能を有していることが確認された。
髪の毛の消臭試験
消臭剤組成物の調製
蒸留水に対して、実施例1〜4それぞれの消臭剤粉末を2wt%の添加率で加え、塩酸および水酸化ナトリウムで所望のpHになるように調製した。これにより、実施例1〜4のそれぞれについて、pHが異なる複数の消臭剤組成物を得た。
パーマネントウェーブ処理
日本人毛髪2gに、パーマネントウェーブ用第1剤4mlをオートピペットで塗布した。塗布された毛髪をサランラップ(登録商標)で包んで45℃設定の乾燥機で15分放置した。次いで、1Lの蒸留水の中で10秒間毛髪をすすぎ、流水の蒸留水で10秒間さらにすすぎ、工業用ウェス(キムタオル:日本製紙クレシア社製、商品名)で軽く水分を除いた。
なお、パーマネントウェーブ第1剤の組成は以下の通りであった。
システアミン塩酸塩:7g
EDTA・2Na:0.2g、
アンモニア水(28%):4.5ml、
蒸留水:93g
消臭処理
上記パーマネントウェーブ処理をした毛髪に、調製した各消臭剤組成物を、それぞれ2ml、オートピペットで塗布した。サランラップ(登録商標)で包んで室温で5分間放置した。これをためておいた1Lの蒸留水の中で10秒間すすぎ、流水の蒸留水で10秒間さらにすすぎ、工業用ウェス(キムタオル:日本製紙クレシア社製、商品名)で軽く水分を除いた後、ドライヤーで乾燥した。
消臭処理評価
消臭処理後の毛髪について、においの強度を嗅ぎ比べ、毛髪の不快臭の有無について、下記の5段階で評価を行った。
1:不快臭を全く感じない
2:不快臭をほとんど感じない
3:弱い不快臭を感じる
4:不快臭を感じる
5:強い不快臭を感じる
なお、消臭処理を行わなかった毛髪の評点を「5」とした。
消臭処理評価は、2名のパネルにより行った。また、各実施例につき、2束の毛髪を用意し、n=2で評価を行った。毛髪2点×パネル2名=計4点のデータの平均値を結果として求めた。
髪の毛の消臭試験の結果を表1に示す。実施例1乃至4に係る消臭剤粉末を溶媒である水と混合して得られた消臭剤組成物によって処理された毛髪は、いずれも、消臭処理を行わなかった毛髪と比べて、不快臭が著しく低減されていた。
毛髪表面の観察
日立ハイテク製電子顕微鏡S−4800を用いて、パーマネントウェーブ処理および消臭処理後の毛髪表面を観察した。観察は、実施例2に係る消臭剤粉末を用いてpH7.5に調製した消臭剤組成物について行った。結果を図1に示す。図1に示されるように、消臭処理を行った毛髪の表面には、微小な消臭剤粉末が残留していることが確認できた。

Claims (10)

  1. 硫黄含有化合物を吸着する機能を有する消臭剤粉末を含有する、パーマ処理毛髪用消臭剤組成物。
  2. 更に、溶媒を含有し、
    前記消臭剤粉末が前記溶媒中に分散している、
    請求項1に記載の消臭剤組成物。
  3. 前記溶媒のpHが3〜12である、請求項2に記載の消臭剤組成物。
  4. 前記消臭剤粉末の含有量が、0.001〜50質量%である、請求項2又は3に記載の消臭剤組成物。
  5. システアミン消臭速度が、毎分50μg/mg以上である、請求項2乃至4のいずれかに記載の消臭剤組成物。
  6. 前記消臭剤粉末が、マンガン、銅、ニッケル、銀、亜鉛、白金及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属Xを含む粉体である、請求項1乃至5のいずれかに記載の消臭剤組成物。
  7. 前記消臭剤粉末が、多孔質シリカを含み、
    前記金属Xが、前記多孔質シリカにドープされている、もしくは粒子として担持されている
    請求項6に記載の消臭剤組成物。
  8. 前記消臭剤粉末が、活性炭、ケイ酸塩、4価金属リン酸塩又はゼオライトを含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の消臭剤組成物。
  9. 溶媒を調製する工程と、
    前記溶媒に消臭剤粉末を分散させる工程と、
    を備える、
    パーマ処理毛髪用消臭剤組成物の製造方法。
  10. 毛髪に対してパーマ処理を行う工程と、
    前記毛髪に、請求項1乃至8のいずれかに記載された消臭剤組成物を塗布する工程と、
    を備える、
    毛髪の消臭方法。
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