JPH09186044A - 積層電子部品用内部電極材料ペースト、積層電子部品及びその製造方法 - Google Patents

積層電子部品用内部電極材料ペースト、積層電子部品及びその製造方法

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JPH09186044A
JPH09186044A JP7352288A JP35228895A JPH09186044A JP H09186044 A JPH09186044 A JP H09186044A JP 7352288 A JP7352288 A JP 7352288A JP 35228895 A JP35228895 A JP 35228895A JP H09186044 A JPH09186044 A JP H09186044A
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JP
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internal electrode
ceramic
electrode material
material paste
organic vehicle
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JP7352288A
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English (en)
Inventor
Atsushi Masuda
淳 増田
Koichi Chazono
広一 茶園
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕セラミック層と内部電極の積層体を有する積層
セラミック電子部品の層間のデラミネーシーン、クラッ
クをの発生を防止し、内部電極の電気抵抗や静電容量等
の電気特性を損なわないようにする。 〔構成〕積層電子部品用内部電極材料ペーストに有機ビ
ヒクルに難溶解性又は非溶解性の例えば炭水化物等の熱
収縮制御剤を加える。 〔効果〕未焼成積層体を圧着するときに熱収縮制御剤が
密度の増加するのを抑制でき、その焼成体の熱収縮率を
制御できるので、上記目的を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層セラミックコンデ
ンサ等の積層電子部品用の内部電極材料ペースト、その
塗料を用いて得た積層電子部品及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサ、積層インダ
クタ及び積層LCフィルター等に代表される積層セラミ
ック電子部品は、回路の導電体塗膜を形成したセラミッ
クグリーンシートを積層し、焼成したものである。例え
ば積層セラミックコンデンサを製造する場合には、セラ
ミック誘電体グリーンシートの複数枚に導電体部を印刷
し、これらを積層して導電体部が内部電極を形成するよ
うにした後、高温で焼成し、この焼成体に外部電極を形
成して完成されるが具体的には次のとおりである。上記
セラミック誘電体グリーンシートは、チタン酸バリウム
等のセラミック誘電体粉末と、アクリル樹脂、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルアルコール等のバインダー樹
脂と、可塑剤や分散剤等の添加剤と、アルコール類、芳
香族類、ケトン類等の溶媒等をボールミル等で混練して
得られるスラリーを、例えばシリコーン系物質で離型剤
処理したポリエチレンテレフタレート(PET) フィルム等
のキャリヤフィルム上にドクタブレード法等により10
〜100μmの厚さのシート状に塗布して成形され、乾
燥されたものである。また、上記導電体部は、金、銀、
白金、銅、パラジウム、ニッケルあるいはこれらの混合
物や合金等の導電体粉末と、有機ビヒクル等とからな
り、この有機ビヒクルがエチルセルロースやアクリル樹
脂等のバインダーと、テルピネオール、テトラリン、ブ
チルカルビトール等の溶媒からなる内部電極材料ペース
トを上記セラミック誘電体グリーンシートにスクリーン
印刷することにより形成される。
【0003】次に、これらの導電体部を印刷したセラミ
ック誘電体グリーンシートの複数枚を導電体部がセラミ
ック誘電体グリーンシートを介して内部電極を形成する
ように積層し、さらに上下両側にセラミック誘電体グリ
ーンシートを重ね、加圧装置により圧着する。この得ら
れた未焼成積層体は、多数の積層セラミックコンデンサ
が得られるように作成されているので、個々の積層セラ
ミックコンデンサになるようにチップ状に切断し、バイ
ンダーを除去するいわゆる脱バイダー処理を行った後、
あるいはこの脱バインダー処理を同時に行うように90
0〜1300℃で焼成した後、得られた焼成チップ状体
の両端面に銀、銅等の導電体粉末を含有する電極材料ペ
ーストを塗布し、600〜800℃で焼付けて外部電極
を形成し、積層チップセラミックコンデンサを得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしなから、上記の
ようにして積層チップセラミックコンデンサを多数製造
し、破壊して内部検査してみると内部欠陥が見られるこ
とがある。この内部欠陥としては、焼成時に内部電極材
料ペーストの塗布膜の焼成体からなる内部電極とセラミ
ック誘電体グリーンシートの焼成体からなるセラミック
層との間において両者が剥離するという、いわゆるデラ
ミネーション現象を起こすことがあり、そのために得ら
れた製品の積層セラミックコンデンサは静電容量が低下
したり、プリント基板に搭載される際のはんだ付け時の
熱履歴によりクラックを発生する、いわゆるサーマルク
ラックを生じ、不良品を発生するという問題がある。そ
の対策として、セラミック誘電体粉末を内部電極材料ペ
ーストに添加し、焼成を行った後の内部電極の組成にセ
ラミック誘電体が含まれるようにしてその内部電極の組
成をセラミック層の組成に近付けることによりこの内部
電極とセラミック層の熱収縮挙動を近付けるようにする
ことも行われているが、その効果が得られるためにはそ
のセラミック誘電体粉末の導電体粉末に対する添加率は
数重量%にもなり、その添加量が多過ぎる場合や、その
セラミック誘電体粉末の粒子径が導電体粉末の粒子径よ
り大きい場合には、内部電極の連続性を損なうことにな
り、内部電極の電気抵抗を大きくするという問題があ
る。特に、内部電極を厚くした場合には、添加したセラ
ミック誘電体粉末はその内部電極の組織に多く残存する
ため、組織の連続した内部電極の面形成には不利にな
り、比抵抗を増大し、電気的特性を損ない易い。また、
セラミック層と内部電極の収縮率を近付けるために、内
部電極材料ペーストに凝集し易い粒子を用いることによ
りその膜密度を低下させ、これによりその焼成後の内部
電極密度も低下させようとする方法もあるが、内部電極
材料ペースト膜層とセラミック誘電体グリーンシート層
の未焼成積層体を成形体に圧着成形するときに凝集した
粒子が潰され易く、その結果その圧着成形体の内部電極
材料ペースト膜の密度が増加し易く、そのままその成形
体を焼成すれば得られる内部電極の密度も当初のものよ
りは増加したものとなり、熱収縮率を大きくできないた
め、内部電極の熱収縮率をセラミック層の熱収縮率に近
ずけるようにコントロールすることが難しいという問題
がある。このようなデラミネーションを起こすことによ
る問題は、積層インダクタ、積層LCフィルタを製造す
る場合にも同様に起こることである。
【0005】本発明の第1の目的は、内部電極とセラミ
ック層の熱収縮挙動をその内部電極の材料にセラミック
層に用いたセラミック材料と同じ材料を用いることなく
近づけることができる積層電子部品用内部電極材料ペー
スト、積層電子部品及びその製造方法を提供することに
ある。本発明の第2の目的は、内部電極の連続性を高め
ることができる積層電子部品用導電性塗料、積層電子部
品及びその製造方法を提供することにある。本発明の第
3の目的は、未焼成積層体の内部電極材料ペースト膜層
の密度のコントロ−ルにより、焼成積層体の内部電極の
密度を精度良くコントロールすることができる積層電子
部品用導電性塗料、積層電子部品及びその製造方法を提
供することにある。本発明の第4の目的は、上記目的を
達成することにより、内部電極とセラミック層のデラミ
ネーションを防止できる積層電子部品用導電性塗料、積
層電子部品及びその製造方法を提供することにある。本
発明の第5の目的は、上記目的を達成することにより、
内部電極の電気抵抗や静電容量等の電気特性を損なわな
い積層電子部品用導電性塗料、積層電子部品及びその製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、導電性粉末、有機ビヒクル及び
該有機ビヒクルに難溶解性又は非溶解性の有機化合物粒
子及びカーボン粒子の少なくとも1種からなる収縮制御
剤を含有する積層電子部品用内部電極材料ペーストを提
供するものである。また、本発明は、(2)、収縮制御
剤の添加量は導電性粉末に対して1〜15重量%である
上記(1)の積層電子部品用内部電極材料ペースト、
(3)、セラミック焼成体からなるセラミック層と、上
記(1)又は(2)の積層電子部品用内部電極材料ペー
ストの塗布膜の焼成体からなる内部電極との積層体を有
する積層電子部品、(4)、セラミック粉末と、バイン
ダー樹脂を含有するセラミックグリーンシート用組成物
を用いてセラミックグリーンシートを形成する工程と、
このセラミックグリーンシートに内部電極材料ペースト
を用いて導電体部を形成する工程と、この導電体部を形
成したセラミックグリーンシートを積層する工程と、こ
の積層工程を経て得られる未焼成積層体を焼成する工程
と、上記導電体部に接続する外部電極を形成する工程を
有する積層電子部品の製造方法において、上記内部電極
材料ペーストは金属粉末、有機ビヒクル及び該有機ビヒ
クルに難溶解性又は非溶解性の有機化合物粒子及びカー
ボン粒子の少なくとも1種からなる収縮制御剤を含有す
る積層電子部品の製造方法を提供するものである。
【0007】本発明において、「収縮制御剤」とは、内
部電極材料ペースト膜が焼成されるときにその収縮を制
御する物質のことを言い、「有機ビヒクルに難溶解性又
は非溶解性の有機化合物粒子及びカーボン粒子の少なく
とも1種」が挙げられる。「有機ビヒクルに難溶解性又
は非溶解性の有機化合物粒子」とは、有機ビヒクルは通
常主として有機バインダーと溶媒からなり、有機バイン
ダーは少なくとも樹脂、必要に応じて添加剤を加えたも
のからなるので、これらに難溶解性又は非溶解性の有機
化合物であり、一般にはその溶剤、例えばテルピネオー
ル、テトラリン、ブチルカルビトール等の有機溶媒に難
溶解性又は非溶解性の有機化合物が挙げられる。「難溶
解性又は非溶解性」とは、有機化合物が固形の粒子状態
で存在すれば良いことを意味し、その状態であれば内部
電極材料ペースト膜とセラミック誘電体グリーンシート
の未焼焼成積層体を圧着成形するときに、その圧力の一
部をこの有機化合物の固形の粒子が受け、導電性粉末に
かかる圧力が軽減されるため、特に凝集した導電性粒子
の潰される確率が小さくなり、その結果その組織の密度
を小さく保つことができ、その焼成体も密度を小さくで
きるので内部電極の熱収縮率を大きくしたり、収縮開始
温度を高めたりすることができる。「カーボン粒子」と
は、カーボンブラックに代表される炭素粒子のことをい
い、これは上記のような条件を満たすことができる。こ
れに対し、有機化合物が溶解してしまい分子レベルで他
の成分と混合されると、内部電極材料ペースト膜におい
てその有機化合物が固形の粒子状態で存在できないた
め、内部電極材料ペースト膜とセラミック誘電体グリー
ンシートの未焼成積層体を圧着成形するときに、導電性
粉末が直かに圧力を受けて特に凝集した粒子が潰れやす
く、密度が高くなり、その焼成体も密度を小さくできな
いので内部電極の熱収縮率を大きくすることができな
い。この意味から、上記有機化合物粒子、カーボン粒子
としては内部電極材料ペーストに用いる導電性粉末の粒
子径より大きいことが好ましく、その平均粒子径が0.
4〜10.0μmであることが好ましい。
【0008】本発明で使用する有機ビヒクルに難溶解性
又は非溶解性の有機化合物としては、具体的には炭水化
物や樹脂類が挙げられ、さらに具体的には炭水化物とし
てはシヨ糖等の二糖類、澱粉等の多糖類を挙げることが
できる。また、樹脂類としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの
有機化合物粒子、カーボン粒としては球状その他の一般
的な粒子形状が挙げられる。本発明において、「有機化
合物粒子及びカーボン粒子の少なくとも1種」とは、例
えば炭水化物粒子を少なくとも2種、樹脂粒子を少なく
とも2種、炭水化物粒子と樹脂粒子をそれぞれ少なくと
も1種、炭水化物粒子とカーボン粒子をそれぞれ少なく
とも1種、樹脂粒子とカーボン粒子をそれぞれ少なくと
も1種、炭水化物粒子、樹脂粒子及びカーボン粒子のそ
れぞれ少なくとも1種等を言う。その含有量は、導電性
粉末に対して0.5〜20重量%が好ましく、導電性粉
末に対して1〜15重量%用いることがより好ましい。
0.5重量未満にすると、内部電極材料ペースト膜の密
度によりその焼成後の内部電極の密度をコントロールす
る効果がその範囲のものよりは少なく、20重量%より
多いと内部電極の導電体としての機能をその範囲のもの
よりは損ない易い。
【0009】本発明において使用される有機ビヒクルと
は、上述したように主として有機バインダーと溶媒から
なるが、有機バインダーの樹脂としては、エチルセルロ
ース、アクリル系の樹脂等を挙げることができるが、こ
れにかぎらずその他の樹脂も用いられる。これらの樹脂
は単独又は複数混合して用いられる。また、溶媒として
は、上述したテルピネオール、テトラリン、ブチルカル
ビトール等を挙げることができるが、これにかぎらずそ
の他の溶媒も用いられる。また、導電性粉末としては、
上述した金、銀、白金、銅、パラジウム、ニッケルある
いはこれらの混合物や合金の金属粉末が挙げられるが、
これにかぎらずその他の金属等も用いることができる。
これらの導電体粉末、有機バインダー、溶媒、及び有機
化合物粒子及びカーボン粒子の少なくとも1種、さらに
は必要に応じて他の添加剤が通常の内部電極材料ペース
トの製造方法と同様にして混合撹拌され、内部電極材料
ペーストが得られる。その固形分濃度、粘度も通常のも
のとほぼ同様に調整することができる。
【0010】本発明において使用されるセラミック粉末
としては、チタン酸系の誘電体材料粉末、フェライト系
の磁気材料粉末その他通常セラミック電子部品に用いら
れるセラミック等の無機物質も用いられる。これらのセ
ラミック粉末を用いてセラミック材料グリーンシートを
作製し、これに上記内部電極材料ペーストを塗布し、そ
の未焼成積層体を作製し、ついで圧着成形体を得、それ
から脱バインダー処理を行って焼成し、セラミック素体
を得、さらにこれに外部電極を形成してセラミック電子
部品が作製されるが、その製造法は従来の上述した方法
と同様の方法を適用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】導電性粉末として例えばパラジウ
ム粉末100重量部に対して、例えばエチルセルロース
等の有機バインダーと例えばテルピネオール等の溶媒か
らなる有機ビヒクルを30〜50重量 部加えた組成
に、収縮制御剤としてショ糖、澱粉、カーボンブラッ
ク、ポリビニルアルコールの球状粒子(平均粒径2〜8
μm)の少なくとも1種を1〜15重量部加えて撹拌混
合し、内部電極材料ペーストを製造する。それから、後
述の実施例に示すように、例えばセラミック誘電体材料
グリーンシートを作製し、これに上記内部電極材料ペー
ストをスクリーン印刷し、ついでその未焼成積層体の形
成、圧着、脱バインダー処理、焼成を順次行ない、さら
に外部電極を形成して積層セラミックコンデンサを作製
する。収縮制御剤を添加すると、これは有機ビヒクルに
難溶解性又は非溶解性であり、未焼成積層体の圧着時に
も内部電極材料ペースト膜層の密度が高くなり過ぎない
ようにすることができるとともに、その焼成時には分解
等により揮発して焼失するのでそのことによっても空孔
が生じ、内部電極の組織の緻密性を遅らせる効果を持つ
ため、内部電極の収縮挙動がセラミック層のそれに近付
き、デラミネーション、クラックを抑制できる。このよ
うに、収縮制御剤の添加量を制御することにより、焼成
時の内部電極とセラミック層の収縮開始温度や収縮率を
近付けることができ、また、収縮制御剤はセラミック層
の材料として用いられるセラミック粉末と異なり、焼成
時に焼失するので内部電極の組織は連続性に優れること
になる。なお、「収縮制御剤」を「焼成時に揮発性物質
を生じる収縮制御剤」とし、「有機化合物粒子及びカー
ボン粒子の少なくとも1種」を「焼成時に揮発性物質を
生じる有機化合物粒子及びカーボン粒子の少なくとも1
種」としても良く、この際揮発性物質は加えた収縮制御
剤の少なくとも1部から生じ、それを揮発により除去で
きればよい。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例 1(熱収縮制御剤として炭水化物1種使用) 下記各成分を秤量して得た配合物を1 リットルのポリエ
チレン製ポットに仕込み、60rpm、15時間ボールミ
ル法により湿式混合し、スラリーを得た。 セラミック粉末(チタン酸バリウム) 88.65重量部 バインダー樹脂(ポリビニルブチラール樹脂)9.85重量部 (ガラス転移点65℃) ジ−n−ブチルフタレート(Dn−BP) 1.50重量部 エタノール 100重量部 トルエン 100重量部
【0013】得られたスラリーを脱泡処理した後、寸法
100×100mmのシリコン系離型剤処理したPET
フィルムからなるキャリヤフィルム上に、隙間100μ
mのドクターブレードにて、寸法50×50mmとなる
ように塗布し、乾燥させ、剥離させて厚さ約30μmの
セラミック誘電体グリーンシートを得た。
【0014】このようにして作製したセラミック誘電体
グリーンシートの片面に下記の組成物を混練して製造し
た内部電極材料ペーストをスクリーン印刷により塗布
し、120℃、2分間乾燥させた。 パラジウム粉末 100重量部 ショ糖 1重量部 エチルセルロース 10重量部 テルピネオール 32重量部 このような内部電極材料ペースト膜を印刷したセラミッ
ク誘電体グリーンシートを5枚作製し、表裏重ねてこれ
ら内部電極材料ペースト膜及びセラミック誘電体グリー
ンシートの合計で10層積層し、その両側にさらに電極
材料塗膜を印刷してないセラミック誘電体グリーンシー
トを重ねて熱圧着(80℃で150Kgf/cm2 (単
位平方cmあたり150Kg))し、未焼成圧着積層体
を作製する。
【0015】次に上記の圧着未焼成積層体について、こ
れは多数のコンデンサ単位を含むように作製されている
ので、個々の単位毎に裁断してチップ化する。これらの
チップを500℃で通常の方法で加熱して脱バインダー
処理を行い、さらに1300℃で焼成して積層セラミッ
クコンデンサ素体を得た。このようにして作製した積層
セラミックコンデンサ素体の両端の外部電極を形成する
部分に、銀粉末を含む外部電極材料ペーストを塗布し、
空気中、800℃で焼き付けた。このようにして得られ
た積層コンデンサ100個について破壊試験により内部
を目視観察し、デラミネーション発生率を求めた。ま
た、その別の積層コンデンサ100個について、はんだ
付け時の温度(280℃)に加熱した後冷却して破壊試
験により内部を目視観察し、クラックの発生率を求め
た。さらに別の積層コンデンサ10個について内部電極
の比抵抗を測定し、20×10-6Ωcm以下を○、90
×10-6Ωcm 以上を×、その中間を△で評価した。
その結果を内部電極材料ペーストの組成とともに表1に
示す。
【0016】実施例2〜12(熱収縮剤として炭水化物
1種使用) 実施例1において、内部電極材料ペーストに用いた表1
の各成分を同表の実施例2〜12の各蘭に記載した成分
及び割合にした以外は同様にして積層セラミックコンデ
ンサを作製し、実施例1と同様に試験した結果を表1に
示す。
【0017】実施例13〜17(熱収縮剤として炭水化
物2種使用) 実施例1において、内部電極材料ペーストに用いた表1
の各成分を同表の実施例13〜17の各蘭に記載した成
分及び割合にした以外は同様にして積層セラミックコン
デンサを作製し、実施例1と同様に試験した結果を表2
に示す。
【0018】実施例18〜22(熱収縮制御剤として樹
脂使用) 実施例1において、内部電極材料ペーストに用いた表1
の各成分を同表の実施例13〜19の各蘭に記載した成
分及び割合にした以外は同様にして積層セラミックコン
デンサを作製し、実施例1と同様に試験した結果を表3
に示す。この表中、樹脂球とはポリビニルアルコール樹
脂の球状粒子(平均粒径5μm)である。
【0019】参考例1〜9 実施例1において、内部電極材料ペーストに用いた表1
の各成分を参考例1〜9の各蘭に記載した成分及び割合
にした以外は同様にして積層セラミックコンデンサを作
製し、実施例1と同様に試験した結果を表4に示す。
【0020】比較例1〜3 実施例1において、セラミック誘電体グリーンシートに
用いた表1の各成分を比較例1〜3の各蘭に記載した成
分及び割合にした以外は同様にしてセラミック誘電体グ
リーンシート、その未焼成圧着積層体、積層セラミック
コンデンサを作製し、実施例1と同様に試験した結果を
表5に示す。なお、表5中、共生地とはセラミック誘電
体グリーンシートに用いたセラミック誘電体粉末を用い
たことを示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】上記結果から、収縮制御剤がパラジウム粉
末に対して1〜15重量%では、デラミネーション発生
率、クラック発生率ともに0であり、比抵抗も小さく好
ましいのに対し、収縮制御剤がこれより多くても少なく
てもデラミネーション発生率は60〜90%になり、ク
ラック発生率は0〜10%になり、収縮制御剤を加えな
い場合にはデラミネーション発生率は100%になり、
比抵抗は良いが、クラック発生率は共生地を用いない場
合20%となり、用いる場合は0となるが比抵抗が良く
ないことがわかる。これらのことから、収縮制御剤を用
いることにより比抵抗を良くすることができ、デラミネ
ーション発生率も改善でき、さらにその含有率をパラジ
ウム粉末に対して1〜15重量%とすることによりデラ
ミネーションやクラックの発生を無くすことができるの
で、収縮制御剤を使用する効果及びその添加量の効果は
格段に相違することがわかる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、内部電極材料ペースト
にその有機ビヒクルに難溶解性又は非溶解性の有機化合
物粒子及びカーボン粒子の少なくとも1種からなる収縮
制御剤を含有させたので、セラミック材料グリーンシー
ト層とその内部電極材料ペースト膜層の未焼成積層体の
そのペースト膜層の密度のコントロ−ルをすることがで
き、また、焼成時にはその収縮制御剤は分解等により揮
発して焼失するのでそのことによって生じる空孔により
内部電極の組織の緻密性を遅らせることができ、これら
によりその焼成積層体の内部電極の密度を精度良くコン
トロールすることができ、内部電極とセラミック層の熱
収縮挙動をその内部電極の材料にセラミック層に用いた
セラミック材料と同じ材料を用いることなく近ずけるこ
とができる。また、収縮制御剤はセラミック層の材料と
して用いられるセラミック粉末と異なり、焼成時に焼失
するので内部電極の組織の連続性を高めることができ
る。これらにより内部電極とセラミック層のデラミネー
ションや、サーマルクラックを防止でき、内部電極の電
気抵抗や静電容量等の電気特性を損なわない積層電子部
品用内部電極材料ペースト、積層電子部品及びその製造
方法を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性粉末、有機ビヒクル及び該有機ビ
    ヒクルに難溶解性又は非溶解性の有機化合物粒子及びカ
    ーボン粒子の少なくとも1種からなる収縮制御剤を含有
    する積層電子部品用内部電極材料ペースト。
  2. 【請求項2】 収縮制御剤の添加量は導電性粉末に対し
    て1〜15重量%である請求項1に記載の積層電子部品
    用内部電極材料ペースト。
  3. 【請求項3】 セラミック焼成体からなるセラミック層
    と、請求項1又は2に記載の積層電子部品用内部電極材
    料ペーストの塗布膜の焼成体からなる内部電極との積層
    体を有する積層電子部品。
  4. 【請求項4】 セラミック粉末と、バインダー樹脂を含
    有するセラミックグリーンシート用組成物を用いてセラ
    ミックグリーンシートを形成する工程と、このセラミッ
    クグリーンシートに内部電極材料ペーストを用いて導電
    体部を形成する工程と、この導電体部を形成したセラミ
    ックグリーンシートを積層する工程と、この積層工程を
    経て得られる未焼成積層体を焼成する工程と、上記導電
    体部に接続する外部電極を形成する工程を有する積層電
    子部品の製造方法において、上記内部電極材料ペースト
    は金属粉末、有機ビヒクル及び該有機ビヒクルに難溶解
    性又は非溶解性の有機化合物粒子及びカーボン粒子の少
    なくとも1種からなる収縮制御剤を含有する積層電子部
    品の製造方法。
JP7352288A 1995-12-28 1995-12-28 積層電子部品用内部電極材料ペースト、積層電子部品及びその製造方法 Pending JPH09186044A (ja)

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