JP3447488B2 - 導電性ペーストの製造方法 - Google Patents
導電性ペーストの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性ペーストお
よびその製造方法に関し、特に積層セラミックコンデン
サの内部電極用として好適に用いられる導電性ペースト
およびその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、積層セラミックコンデンサは、内
部電極を構成する電極層と誘電体層とを交互に積層した
後、一体焼成して製造されている。 【0003】ところで積層セラミックコンデンサを作製
する場合、従来のBaTiO3を主成分とする誘電体材
料では、1300〜1500℃で焼成するため、内部電
極材料としては、このような温度で溶融しないPt、P
d等の貴金属が使用されてきた。 【0004】また、上記したPt、Pd等の貴金属は高
価であり、高容量化を図るために内部電極数を増加させ
た場合にはコスト高となるために、近年、安価なNi等
の卑金属が内部電極材料として用いられている。 【0005】Pt、Pd等の貴金属やNi等の卑金属
は、有機溶剤中に分散されて導電性ペーストが作製され
ていた。そして、積層セラミックコンデンサは、セラミ
ックグリーンシートに上記導電性ペーストを塗布し、こ
の導電性ペーストが塗布されたグリーンシートを複数枚
積層し、この積層成形体を脱バインダー処理し、焼成す
ることにより作製されていた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】例えば、従来のNiの
導電性ペーストでは、平均粒径が0.6μmのNi粒子
を主成分とし、粒径が0.2μm以下のNi粒子の個数
を25%程度含有する粒度分布を有していた。 【0007】このため、導電性ペーストの粒径が0.2
μm以下の微粒子により、コンデンサ作製時の脱バイン
ダー工程や焼成工程において急激な酸化膨張や過焼結を
引き起し、クラック、デラミネーション等の構造欠陥が
生じたり、静電容量等の電気特性に悪影響を与えるとい
う問題があった。 【0008】本発明は、積層セラミックコンデンサの製
造工程でのクラック、デラミネーション等の構造欠陥を
抑制でき、静電容量を向上できる導電性ペーストの製造
方法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の導電性ペースト
の製造方法は、平均粒径0.4〜2.0μmの金属粒子
を有機溶剤に分散させてスラリー化した後、該スラリー
を一定時間静止状態にして、前記スラリーの上層部のみ
を除去して沈降速度の遅い微粒子を除去し、粒径が0.
2μm以下の金属粒子の個数を全金属粒子の個数の5%
以下とすることにより得られる。 【0010】 【作用】本発明の導電性ペーストは、平均粒径が0.4
〜2.0μmのNi金属粒子中から、粒径が0.2μm
以下の微粒子を全粒度分布中の5%以下とすることによ
り、Ni金属粒子自体の活性が抑えられ、この微粒子を
除いたNi金属粒子により作製した内部電極用の導電性
ペーストも、活性が抑えられることにより、積層セラミ
ックコンデンサの作製時における脱バインダー工程での
クラック、または焼成工程でのデラミネーション等の構
造欠陥や、内部電極の過焼結による電気特性の劣化を抑
制できる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の導電性ペーストは、平均
粒径0.4〜2.0μmのNi金属粒子を主成分とする
導電性ペーストであって、粒径が0.2μm以下のNi
金属粒子の個数が全金属粒子の個数中5%以下のもので
ある。 【0012】金属粉末には平均粒径が0.4〜2.0μ
mのものを使用するが、これは、平均粒径が0.4μm
未満だと金属粉末の活性が強くなり、脱バイ工程で酸化
膨張によるクラック等が発生し易くなるからである。一
方、平均粒径が2μmを超える金属粉末は、薄層の内部
電極を形成することが困難となるからである。金属粉末
は、特に、薄層で構造欠陥が発生しないという観点から
平均粒径が0.5〜1.0μmのものを使用することが
望ましい。 【0013】また、Ni金属粒子の粒度分布中、0.2
μm以下のNi金属粒子の個数を全金属粒子の個数中5
%以下としたのは、0.2μm以下のNi金属粒子の個
数が全金属粒子の個数中5%よりも多くなると、Ni金
属粒子自体の活性が大きくなり、脱バインダー工程での
クラック、または焼成工程でのデラミネーション等の構
造欠陥が発生し易くなるからである。0.2μm以下の
Ni金属粒子の個数は、特に、脱バインダー工程でのク
ラック、焼成工程でのデラミネーションの抑制という理
由から全金属粒子の個数中4%以下とすることが望まし
い。 【0014】本発明の導電性ペーストは、例えば、平均
粒径0.4〜2.0μmのNi金属粒子を有機溶剤に分
散させてスラリー化した後、一定時間静止状態にしてN
i金属粒子を沈降させ、前記スラリーの上層部のみを除
去して沈降速度の遅い0.2μm以下のNi金属粒子の
一部または全部を除去することにより製造される。 【0015】金属粉末には平均粒径が0.4〜2μmの
ものを使用する必要がある。平均粒径が0.4μm未満
だと沈降し難いために、金属微粉末を取り除く効果がな
くなる。また、平均粒径が2μmを超える金属粉末は、
ペースト化してセラミックコンデンサー用内部電極に対
応する薄い内部電極を形成するには適さないからであ
る。 【0016】また、使用する有機溶剤には適度な粘度が
必要である。粘度が低すぎると短時間で沈降が起こり、
微粉末も沈降が速いために十分に微粉末を取り除く効果
が得られない。一方、有機溶剤の粘度が高いと沈降が起
き難く、不向きとなるからである。有機溶剤としては、
適度な粘度を有するテルピネオールが望ましい。 【0017】 【実施例】先ず、表1に示すような平均粒径を有し、
0.2μm以下の微粒粉末を所定両含有するNi金属粉
末を、α−テルピネオール中に分散させる。Ni金属粉
末をα−テルピネオール中に十分に分散させるために、
直径2mmのジルコニアボールを使用して、ボールミル
により2時間混合してNi金属粉末をスラリー化させ
た。この時のスラリーの固形分(金属粉末)は50重量
%とした。 【0018】このスラリーを、下部に穴の開いた容器に
移した。この時の容器は、金属粉末が沈降してもスラリ
ー上部に有機溶剤が十分残るような大きさの縦長の容器
(直径15cm、長さ20cm)を使用した。そして、
スラリーを撹拌機で撹拌した後に15分間静止状態にし
て放置し、スラリーの上部にまだ沈降しきらないNi金
属の微粉末がある状態で、スラリーを容器の下から全ス
ラリー量の1/3を取り出した。この取り出したスラリ
ーをマイクロトラックにより粒度を測定し、平均粒径
と、全金属粒子個数中に対する0.2μm以下のNi金
属粒子の個数の割合を求めた。 【0019】そして、スラリーの固形分を測定して、こ
の固形分100重量部に対して樹脂量が5重量部となる
ように、有機溶剤成分であるα−テルピネオールに溶か
したエチルセルロースを添加して三本ロールで混合し
て、スクリーン印刷に適した粘度のペーストを作製し
た。 【0020】次に、このペーストをスクリーン印刷によ
りグリーンシートに印刷し、ペーストが印刷されたグリ
ーンシートを複数積層し、セラミックコンデンサのグリ
ーンチップを作製した。グリーンシートは、チタン酸バ
リウム(BaTiO3)と、BaTiO3100重量部に
対して酸化イットリウム(Y2O3)を1重量部、酸化マ
グネシウム(MgO)を0.2重量部、MnCO3を
0.1重量部、Li2O−SiO2を合計0.5重量部
(Li2O 50モル%、SiO2 50モル%)含有す
る誘電体磁器組成物を用いた。 【0021】そして、チップの脱バインダ処理を400
℃で2時間かけて大気中で行った。脱バインダ処理後の
チップの研磨断面を実体顕微鏡(×40)で100個観
察し、クラックの有無を調べ、クラックの発生している
チップの割合を求めた。 【0022】この後、酸素分圧が1ppm以下の還元雰
囲気により1250℃で2時間焼成を行い、縦2mm×
横1.1mm、厚さ0.8mm、有効積層数100層、
有効電極面積1.6mm×0.98mm、誘電体セラミ
ック層厚み5μmのチップコンデンサ用焼結体を得た。
このチップコンデンサ用焼結体の研磨断面を実体顕微鏡
(×40)で100個観察し、クラックの有無を調べ、
クラックの発生している焼結体の割合を求めた。また、
内部電極の状態を観察した。 【0023】次に、この焼結体をバレル研磨後、銅ペー
ストを塗布し、900℃で焼付け、更にその表面にNi
メッキ及びSnメッキを施し、外部電極を形成して積層
セラミックコンデンサを得た。 【0024】LCRメーター4284Aを用い、周波数
1.0KHz、入力信号レベル1.0Vrmsにて−5
5〜125℃における静電容量を測定し、+25℃での
静電容量に対する各温度での静電容量の変化率TCC
(%)を算出した。これらの結果を表1に示す。 【0025】 【表1】 【0026】この表1より、0.2μm以下の微粉末が
全粒度中で5%以下である本発明のペーストを用いた場
合には、脱バイ後、及び焼成後にクラックの発生はなか
った。一方、0.2μm以下の微粉末が全粒度中で6%
含有する試料No.10では焼成後にクラックが発生
し、8%含有する試料No.11は脱バインダー処理およ
び焼成時でクラックが発生した。 【0027】尚、試料No.12は微粉末除去処理をし
ない従来のペーストを用いた場合であり、この場合に
は、0.2μm以下の微粉末が全粒度中で25%であ
り、脱バインダー処理でのクラック発生率が20%、焼
成時で100%であった。これを実体顕微鏡で観察した
ところ、内部電極が脱バインダー工程時に酸化膨張し、
クラックが発生している事が判った。 【0028】また、本発明の試料No.8と、0.2μ
m以下の微粉末量が8%の試料No.11とを、実体顕
微鏡で観察したところ、本発明の試料は比較例よりも内
部電極の連続性が高く、形成状態が良好であった。ま
た、静電容量も大きくなっていた。 【0029】 【発明の効果】本発明によれば、平均粒径が0.4〜
2.0μmであるNi金属粉末において、0.2μm以
下のNi金属微粉末を全粒度分布中で5%以下にするこ
とによりNi金属微粉末の活性を抑制でき、ペースト化
しても活性が抑制される。従って、この導体ペーストを
使用することにより、セラミックコンデンサの脱バイン
ダー工程でのクラック、または焼成工程でのデラミネー
ション等の構造欠陥や電気的特性の劣化を抑制できる。
よびその製造方法に関し、特に積層セラミックコンデン
サの内部電極用として好適に用いられる導電性ペースト
およびその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、積層セラミックコンデンサは、内
部電極を構成する電極層と誘電体層とを交互に積層した
後、一体焼成して製造されている。 【0003】ところで積層セラミックコンデンサを作製
する場合、従来のBaTiO3を主成分とする誘電体材
料では、1300〜1500℃で焼成するため、内部電
極材料としては、このような温度で溶融しないPt、P
d等の貴金属が使用されてきた。 【0004】また、上記したPt、Pd等の貴金属は高
価であり、高容量化を図るために内部電極数を増加させ
た場合にはコスト高となるために、近年、安価なNi等
の卑金属が内部電極材料として用いられている。 【0005】Pt、Pd等の貴金属やNi等の卑金属
は、有機溶剤中に分散されて導電性ペーストが作製され
ていた。そして、積層セラミックコンデンサは、セラミ
ックグリーンシートに上記導電性ペーストを塗布し、こ
の導電性ペーストが塗布されたグリーンシートを複数枚
積層し、この積層成形体を脱バインダー処理し、焼成す
ることにより作製されていた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】例えば、従来のNiの
導電性ペーストでは、平均粒径が0.6μmのNi粒子
を主成分とし、粒径が0.2μm以下のNi粒子の個数
を25%程度含有する粒度分布を有していた。 【0007】このため、導電性ペーストの粒径が0.2
μm以下の微粒子により、コンデンサ作製時の脱バイン
ダー工程や焼成工程において急激な酸化膨張や過焼結を
引き起し、クラック、デラミネーション等の構造欠陥が
生じたり、静電容量等の電気特性に悪影響を与えるとい
う問題があった。 【0008】本発明は、積層セラミックコンデンサの製
造工程でのクラック、デラミネーション等の構造欠陥を
抑制でき、静電容量を向上できる導電性ペーストの製造
方法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の導電性ペースト
の製造方法は、平均粒径0.4〜2.0μmの金属粒子
を有機溶剤に分散させてスラリー化した後、該スラリー
を一定時間静止状態にして、前記スラリーの上層部のみ
を除去して沈降速度の遅い微粒子を除去し、粒径が0.
2μm以下の金属粒子の個数を全金属粒子の個数の5%
以下とすることにより得られる。 【0010】 【作用】本発明の導電性ペーストは、平均粒径が0.4
〜2.0μmのNi金属粒子中から、粒径が0.2μm
以下の微粒子を全粒度分布中の5%以下とすることによ
り、Ni金属粒子自体の活性が抑えられ、この微粒子を
除いたNi金属粒子により作製した内部電極用の導電性
ペーストも、活性が抑えられることにより、積層セラミ
ックコンデンサの作製時における脱バインダー工程での
クラック、または焼成工程でのデラミネーション等の構
造欠陥や、内部電極の過焼結による電気特性の劣化を抑
制できる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の導電性ペーストは、平均
粒径0.4〜2.0μmのNi金属粒子を主成分とする
導電性ペーストであって、粒径が0.2μm以下のNi
金属粒子の個数が全金属粒子の個数中5%以下のもので
ある。 【0012】金属粉末には平均粒径が0.4〜2.0μ
mのものを使用するが、これは、平均粒径が0.4μm
未満だと金属粉末の活性が強くなり、脱バイ工程で酸化
膨張によるクラック等が発生し易くなるからである。一
方、平均粒径が2μmを超える金属粉末は、薄層の内部
電極を形成することが困難となるからである。金属粉末
は、特に、薄層で構造欠陥が発生しないという観点から
平均粒径が0.5〜1.0μmのものを使用することが
望ましい。 【0013】また、Ni金属粒子の粒度分布中、0.2
μm以下のNi金属粒子の個数を全金属粒子の個数中5
%以下としたのは、0.2μm以下のNi金属粒子の個
数が全金属粒子の個数中5%よりも多くなると、Ni金
属粒子自体の活性が大きくなり、脱バインダー工程での
クラック、または焼成工程でのデラミネーション等の構
造欠陥が発生し易くなるからである。0.2μm以下の
Ni金属粒子の個数は、特に、脱バインダー工程でのク
ラック、焼成工程でのデラミネーションの抑制という理
由から全金属粒子の個数中4%以下とすることが望まし
い。 【0014】本発明の導電性ペーストは、例えば、平均
粒径0.4〜2.0μmのNi金属粒子を有機溶剤に分
散させてスラリー化した後、一定時間静止状態にしてN
i金属粒子を沈降させ、前記スラリーの上層部のみを除
去して沈降速度の遅い0.2μm以下のNi金属粒子の
一部または全部を除去することにより製造される。 【0015】金属粉末には平均粒径が0.4〜2μmの
ものを使用する必要がある。平均粒径が0.4μm未満
だと沈降し難いために、金属微粉末を取り除く効果がな
くなる。また、平均粒径が2μmを超える金属粉末は、
ペースト化してセラミックコンデンサー用内部電極に対
応する薄い内部電極を形成するには適さないからであ
る。 【0016】また、使用する有機溶剤には適度な粘度が
必要である。粘度が低すぎると短時間で沈降が起こり、
微粉末も沈降が速いために十分に微粉末を取り除く効果
が得られない。一方、有機溶剤の粘度が高いと沈降が起
き難く、不向きとなるからである。有機溶剤としては、
適度な粘度を有するテルピネオールが望ましい。 【0017】 【実施例】先ず、表1に示すような平均粒径を有し、
0.2μm以下の微粒粉末を所定両含有するNi金属粉
末を、α−テルピネオール中に分散させる。Ni金属粉
末をα−テルピネオール中に十分に分散させるために、
直径2mmのジルコニアボールを使用して、ボールミル
により2時間混合してNi金属粉末をスラリー化させ
た。この時のスラリーの固形分(金属粉末)は50重量
%とした。 【0018】このスラリーを、下部に穴の開いた容器に
移した。この時の容器は、金属粉末が沈降してもスラリ
ー上部に有機溶剤が十分残るような大きさの縦長の容器
(直径15cm、長さ20cm)を使用した。そして、
スラリーを撹拌機で撹拌した後に15分間静止状態にし
て放置し、スラリーの上部にまだ沈降しきらないNi金
属の微粉末がある状態で、スラリーを容器の下から全ス
ラリー量の1/3を取り出した。この取り出したスラリ
ーをマイクロトラックにより粒度を測定し、平均粒径
と、全金属粒子個数中に対する0.2μm以下のNi金
属粒子の個数の割合を求めた。 【0019】そして、スラリーの固形分を測定して、こ
の固形分100重量部に対して樹脂量が5重量部となる
ように、有機溶剤成分であるα−テルピネオールに溶か
したエチルセルロースを添加して三本ロールで混合し
て、スクリーン印刷に適した粘度のペーストを作製し
た。 【0020】次に、このペーストをスクリーン印刷によ
りグリーンシートに印刷し、ペーストが印刷されたグリ
ーンシートを複数積層し、セラミックコンデンサのグリ
ーンチップを作製した。グリーンシートは、チタン酸バ
リウム(BaTiO3)と、BaTiO3100重量部に
対して酸化イットリウム(Y2O3)を1重量部、酸化マ
グネシウム(MgO)を0.2重量部、MnCO3を
0.1重量部、Li2O−SiO2を合計0.5重量部
(Li2O 50モル%、SiO2 50モル%)含有す
る誘電体磁器組成物を用いた。 【0021】そして、チップの脱バインダ処理を400
℃で2時間かけて大気中で行った。脱バインダ処理後の
チップの研磨断面を実体顕微鏡(×40)で100個観
察し、クラックの有無を調べ、クラックの発生している
チップの割合を求めた。 【0022】この後、酸素分圧が1ppm以下の還元雰
囲気により1250℃で2時間焼成を行い、縦2mm×
横1.1mm、厚さ0.8mm、有効積層数100層、
有効電極面積1.6mm×0.98mm、誘電体セラミ
ック層厚み5μmのチップコンデンサ用焼結体を得た。
このチップコンデンサ用焼結体の研磨断面を実体顕微鏡
(×40)で100個観察し、クラックの有無を調べ、
クラックの発生している焼結体の割合を求めた。また、
内部電極の状態を観察した。 【0023】次に、この焼結体をバレル研磨後、銅ペー
ストを塗布し、900℃で焼付け、更にその表面にNi
メッキ及びSnメッキを施し、外部電極を形成して積層
セラミックコンデンサを得た。 【0024】LCRメーター4284Aを用い、周波数
1.0KHz、入力信号レベル1.0Vrmsにて−5
5〜125℃における静電容量を測定し、+25℃での
静電容量に対する各温度での静電容量の変化率TCC
(%)を算出した。これらの結果を表1に示す。 【0025】 【表1】 【0026】この表1より、0.2μm以下の微粉末が
全粒度中で5%以下である本発明のペーストを用いた場
合には、脱バイ後、及び焼成後にクラックの発生はなか
った。一方、0.2μm以下の微粉末が全粒度中で6%
含有する試料No.10では焼成後にクラックが発生
し、8%含有する試料No.11は脱バインダー処理およ
び焼成時でクラックが発生した。 【0027】尚、試料No.12は微粉末除去処理をし
ない従来のペーストを用いた場合であり、この場合に
は、0.2μm以下の微粉末が全粒度中で25%であ
り、脱バインダー処理でのクラック発生率が20%、焼
成時で100%であった。これを実体顕微鏡で観察した
ところ、内部電極が脱バインダー工程時に酸化膨張し、
クラックが発生している事が判った。 【0028】また、本発明の試料No.8と、0.2μ
m以下の微粉末量が8%の試料No.11とを、実体顕
微鏡で観察したところ、本発明の試料は比較例よりも内
部電極の連続性が高く、形成状態が良好であった。ま
た、静電容量も大きくなっていた。 【0029】 【発明の効果】本発明によれば、平均粒径が0.4〜
2.0μmであるNi金属粉末において、0.2μm以
下のNi金属微粉末を全粒度分布中で5%以下にするこ
とによりNi金属微粉末の活性を抑制でき、ペースト化
しても活性が抑制される。従って、この導体ペーストを
使用することにより、セラミックコンデンサの脱バイン
ダー工程でのクラック、または焼成工程でのデラミネー
ション等の構造欠陥や電気的特性の劣化を抑制できる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01B 1/00 - 1/24
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】平均粒径0.4〜2.0μmのNi金属粒
子を有機溶剤に分散させてスラリー化した後、該スラリ
ーを一定時間静止状態にして、前記スラリーの上層部の
みを除去して沈降速度の遅い微粒子を除去し、粒径が
0.2μm以下のNi金属粒子の個数を全金属粒子の個
数の5%以下とすることを特徴とする導電性ペーストの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28873796A JP3447488B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 導電性ペーストの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28873796A JP3447488B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 導電性ペーストの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10134637A JPH10134637A (ja) | 1998-05-22 |
JP3447488B2 true JP3447488B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=17734048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28873796A Expired - Fee Related JP3447488B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 導電性ペーストの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3447488B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004139838A (ja) | 2002-10-17 | 2004-05-13 | Noritake Co Ltd | 導体ペーストおよびその利用 |
JP7131955B2 (ja) * | 2017-08-08 | 2022-09-06 | 太陽誘電株式会社 | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 |
JP7290914B2 (ja) * | 2018-02-26 | 2023-06-14 | 太陽誘電株式会社 | 積層セラミックコンデンサの製造方法 |
-
1996
- 1996-10-30 JP JP28873796A patent/JP3447488B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10134637A (ja) | 1998-05-22 |
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