JPH09183918A - 真珠光沢顔料 - Google Patents

真珠光沢顔料

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JPH09183918A
JPH09183918A JP34311495A JP34311495A JPH09183918A JP H09183918 A JPH09183918 A JP H09183918A JP 34311495 A JP34311495 A JP 34311495A JP 34311495 A JP34311495 A JP 34311495A JP H09183918 A JPH09183918 A JP H09183918A
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JP
Japan
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pigment
resin particles
composite resin
pearl
pearlescent pigment
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Withdrawn
Application number
JP34311495A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Moriguchi
和彦 森口
Yuichiro Kanekawa
裕一郎 金川
Toshiyuki Miyamoto
利幸 宮本
Hirohisa Kashima
裕久 加島
Hironobu Toribuchi
浩伸 鳥淵
Yoshikuni Mori
悦邦 森
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HEXA CHEM KK
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
HEXA CHEM KK
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂に添加したときの外観不良、諸物性値の
低下などの従来の課題を解決した真珠光沢顔料を提供す
る。 【解決手段】 粒子内部にパール顔料を有する複合樹脂
粒子からなる真珠光沢顔料により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な光沢を有す
る真珠光沢顔料に関し、さらに詳しくは、樹脂などの着
色剤として使用したときに良好な外観を呈する真珠光沢
顔料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来は、合成樹脂に真珠光沢のある外観
を有する着色剤を混合し、溶融成型することにより、パ
ール調の外観を有する成形品を得ていた。しかしなが
ら、この方法では、複雑形状のものを作製する場合、ウ
エルドライン、フローマークなどが発生し外観を損なう
問題を有している。この問題を解決するために、例え
ば、特公昭57−40181号公報には、平均形状比1
/15〜1/1の厚みを持つメタリック顔料を使用する
ことが開示されており、また特開平5−112668号
公報には、メタリック顔料100重量%に対して0.0
05〜60重量%のアルミニウムキレート化合物を添加
することが開示されている。
【0003】一方、特開平4−201539号公報に
は、成形機に関してダイレクトゲートあるいはピンゲー
トに代えてフィルムゲートによって樹脂を注入し成型を
行うことが提案されている。
【0004】しかし、これらの平均形状比1/15〜1
/1の厚みを持つ球状の顔料を配合した場合、鱗片状の
顔料を配合したものに比べて真珠光沢が劣る。このた
め、十分な真珠光沢を発現させるためには、顔料を多量
に添加する必要があり、樹脂組成物としたときに機械的
物性の低下を引き起こす問題を有していた。
【0005】また、アルミニウムキレート化合物を添加
する方法は、顔料の樹脂中での分散性を向上させ機械的
物性を低下させない効果はあるもののウエルドラインを
本質的に改良するのもではなかった。
【0006】一方、フィルムゲートによって成形する方
法は、特殊な金型を必要とし、成形可能な形状が限定さ
れるという欠点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、樹脂に添加したときの外観不良、諸物性値の低下な
どの従来の課題を解決した真珠光沢顔料を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、(1)
粒子内部にパール顔料を有する複合樹脂粒子からなる真
珠光沢顔料によって達成される。
【0009】また、本発明の他の目的は、望ましくは、
(2) 上記複合樹脂粒子の形状が、球状または回転楕
円体状である上記(1)に示す真珠光沢顔料によって達
成される。
【0010】さらに、本発明の他の目的は、望ましく
は、(3) 上記複合樹脂粒子が、架橋構造を有する上
記(1)または(2)に示す真珠光沢顔料によって達成
される。
【0011】さらにまた、本発明の他の目的は、望まし
くは、(4) 上記複合樹脂粒子の平均粒子径が、パー
ル顔料の平均粒子径の1〜100倍である上記(1)な
いし(3)のいずれか1つに示す真珠光沢顔料によって
達成される。
【0012】なお、本発明の他の目的は、望ましくは、
(5) パール顔料が、金属酸化物被覆雲母である上記
(1)ないし(4)のいずれか1つに示す真珠光沢顔料
によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施態様に基づき
詳細に説明する。
【0014】本発明に係る真珠光沢顔料は、粒子内部に
パール顔料を有する複合樹脂粒子からなるものである。
これにより、従来の真珠光沢顔料を合成樹脂に添加し成
型した時に成形体外表面とは異なった方向に該顔料が配
向するために発生していたウエルドラインやフローマー
クなどが、粒子内部にパール顔料を有する複合樹脂粒子
からなる本発明の真珠光沢顔料を用いた場合、真珠光沢
を保持したままでこの配向を抑えることができ、色む
ら、ウエルドライン、フローマーク等の不具合を効率よ
く抑制できるものである。
【0015】本発明の真珠光沢顔料に用いられる上記複
合樹脂粒子の形状については、特に制限されるものでな
いが、好ましくは球状あるいは回転楕円体状のものであ
り、さらに好ましくは球状のものである。該球状あるい
は回転楕円体状の粒子を用いる場合には、該複合樹脂粒
子からなる真珠光沢顔料を合成樹脂に添加したときに分
散性が良好となり、外観機械的強度をより一層向上させ
ることができるためである。
【0016】こうした複合樹脂粒子の製造方法として
は、(1)樹脂材とパール顔料を混練し、粉砕、造粒す
る方法など、従来公知の方法で粒子化することができる
が、好ましくは(2)モノマーにパール顔料を添加した
モノマー組成物を媒体中に分散あるいは乳化させ重合を
行う乳化重合、懸濁重合、あるいは溶液中にモノマー組
成物を溶解させ重合によって析出させる分散重合により
複合樹脂粒子を形成する方法である。すなわち、上記
(2)の重合方法によって得られる複合樹脂粒子の形状
は球状であり、粒子径の標準偏差が小さいため、上述の
如く、該複合樹脂粒子からなる真珠光沢顔料を合成樹脂
に添加したときに分散性が良好となり、外観機械的強度
をより一層向上させることができるためである。なかで
も、比較的大粒径で、容易に球状粒子が得られることか
ら、重合性ビニル系モノマーにパール顔料を分散させた
モノマー組成物を水系媒体に懸濁し、該モノマーを重合
させる懸濁重合方法がより好適に用いられる。特に、媒
体として水を用いる水系懸濁重合が特に好ましい。
【0017】まず、上記複合樹脂粒子が上記(1)の造
粒方法による場合、用いられる上記樹脂材の種類として
は、特に限定はないが、例えば、塩化ビニル重合体、塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合体などの塩化ビニル系
樹脂、酢酸ビニル重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合
体などのビニルエステル系樹脂、(メタ)アクリル酸エ
ステル(共)重合体、(メタ)アクリル酸エステル−ア
クリロニトリル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル
−スチレン共重合体などの(メタ)アクリル酸エステル
系樹脂、スチレン重合体、スチレン−アクリロニトリル
共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチ
レン−イソプレンブロック共重合体などのスチレン系樹
脂、ポリ(ε−カプロラクタム)、アジピン酸とヘキサ
メチレンジアミンとの縮合体などのポリアミド樹脂、テ
レフタル酸とエチレングリコールとの縮合体、アジピン
酸とエチレングリコールとの縮合体などのポリエステル
系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエ
チレン、塩素化ポリプロピレン、カルボキシル変性ポリ
エチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエンなどのポ
リオレフィン系樹脂、セルロースアセテート、セルロー
スプロピオネート、ニトロセルロースなどのセルロース
誘導体、ブチラール樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹
脂などのフェノール系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
ベンゾグアナミン樹脂などのアミノ系樹脂、各種アルキ
ッド樹脂、ウレタン変性樹脂、ポリアミン系樹脂、エポ
キシ樹脂、環化ゴムなどが用いられる。上記樹脂材は、
複合樹脂粒子からなる真珠光沢顔料を添加する合成樹脂
の種類によって適宜選択されるが、実質的に透明性を有
するものが好ましい。
【0018】なお、上記樹脂材には、必要に応じて、他
の添加剤、例えば、パール顔料以外の顔料、着色剤、染
料、安定剤、分散剤、難燃剤、ガラス、ガラス繊維、金
属繊維、老化防止剤、帯電防止剤などを適量添加しても
良い。
【0019】一方、複合樹脂粒子が上記(2)の懸濁重
合方法による場合、用いられる重合性ビニル系モノマー
の種類としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−
ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロス
チレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレンなど
のスチレン系モノマー、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステ
アリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テ
トラヒドロフルフリル、メタクリル酸、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタ
クリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルな
どの(メタ)アクリル系モノマー、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニト
リル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニル
ピロリドンなどを挙げることができ、これらの中から1
種または2種以上用いることができる。。
【0020】さらに、上記(2)の懸濁重合方法におい
ては、懸濁粒子の安定化を図るために分散安定剤を添加
することができる。分散安定剤としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、トラガント、デンプン、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシルエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、ア
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオ
ン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等があり、その
他、アルギン酸塩、ゼイン、カゼイン、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リ
ン酸カルシウム、タルク、粘土、ケイソウ土、ペントナ
イト、水酸化チタン、水酸化トリウム、金属酸化物粉末
等が用いられる。アニオン性界面活性剤としては、オレ
イン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリ
ル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアル
キル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアル
キルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナ
フタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオ
キシエチレンアルキル硫酸エステル塩等がある。ノニオ
ン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリ
ン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレン
ブロックポリマー等がある。カチオン性界面活性剤とし
ては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンア
セテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルア
ンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等があ
る。両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチル
アミンオキサイド等がある。これらの分散安定剤は、モ
ノマー組成物に対して、通常0.01〜20重量%の範
囲内で適宜使用できる。
【0021】また、上記(2)の懸濁重合方法による場
合、用いられる溶媒としては、モノマーを完全に溶解し
ないものであれば特に限定されないが、好ましくは水系
媒体が用いられる。これらの溶媒は、モノマー組成物に
対して、通常20〜10000重量%の範囲内で適宜使
用できる。
【0022】さらに、上記(2)の懸濁重合方法による
場合、用いられる重合開始剤としては、通常公知のフリ
ーラジカル触媒、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイル、第三級ブチルヒロドキシパーオキサイド、過酸
化クメン、過酸化メチルエチルケトン、第三級ブチルパ
ーフタレート、カプロイルパーオキサイドなどの有機過
酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水
素などの無機酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスイソブチルアミド、2,2′−(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、アゾビス(α−メチルバレロニト
リル)、アゾビス(α−メチルブチロニトリル)などの
アゾ化合物等を挙げることができ、これらの中から1種
または2種以上用いることができる。これらの重合開始
剤は、モノマー組成物に対して、通常0.01〜20重
量%の範囲内で適宜使用できる。
【0023】また、粒子径制御および重合の際は、窒素
雰囲気下で行うことが好ましい。
【0024】次に、複合樹脂粒子の粒子内部に含有し得
るパール顔料の種類としては、天然魚鱗箔、塩基性炭酸
鉛、酸塩化ビスマス、金属酸化物被覆雲母などが挙げら
れるが、毒性、化学的・物理的安定性、色調の多様性か
ら金属酸化物被覆雲母が好ましい。該雲母(天然マイ
カ)表面の被覆に用いられる金属酸化物としては、例え
ば、酸化チタンなどの高屈折率の酸化物が用いられる。
これは、屈折率の低い雲母と屈折率の高い金属酸化物と
の境界での入射光の多重反射がパール光沢をもたらすた
めである。
【0025】上記パール顔料が複合樹脂粒子全体に占め
る割合としては、通常0.1〜50重量%、好ましくは
0.5〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%の
範囲である。該パール顔料の割合が0.1重量%未満の
場合には、樹脂組成物とした時に真珠光沢が劣り、ま
た、50重量%を越える場合には、複合樹脂粒子の形状
が異形化し易くなり樹脂組成物としたときにウエルドラ
インを発生しやすくなる。
【0026】また、上記パール顔料の平均粒子径は、通
常0.1〜200μm、好ましくは1〜100μm、よ
り好ましくは1〜50μmである。該平均粒子径が、
0.1μm未満の場合には樹脂組成物とした時に真珠光
沢が劣り、また、200μmを越える場合には、樹脂組
成物とした時の外観を損なうおそれがあるなど好ましく
ない。
【0027】なお、上記パール顔料の形状としては、用
いる種類により様々であり、パール顔料の形状自体は特
に問題にならない。
【0028】次に、上記複合樹脂粒子の平均粒子径は、
上記パール顔料の平均粒子径に対し通常1〜100倍、
好ましくは2〜50倍である。該複合樹脂粒子の平均粒
子径が、パール顔料の平均粒子径に対し1倍未満の場合
には、複合樹脂粒子の形状が異形化し易くなり樹脂組成
物としたときにウエルドラインを発生しやすくなり、ま
た、100倍を越える場合には、樹脂組成物とした時に
真珠光沢が劣るなど好ましくない。
【0029】なお、これらのパール顔料は、モノマー組
成物への分散性の向上を目的として種々の方法により表
面処理されたものであってもよい。当該表面処理法とし
ては、ステアリン酸、オレイン酸等の長鎖の炭化水素で
処理する方法、アクリル酸、メタクリル酸等の極性基を
有する重合性単量体で処理をする方法、トリメチロール
プロパン等の多価アルコールで処理する方法、トリエタ
ノールアミン等のアミン類等で処理する方法、各種カッ
プリング剤で処理する方法、あるいは着色剤またはその
他の添加剤とこれらの表面の官能基と反応しうるアジリ
ジン基、オキサゾレン基、N−ヒドロキシアクリルアミ
ド基、エポキシ基、チオエポキシ基、イソシアネート
基、ビニル基、ケイソ系加水分解基、アミノ基等の反応
基を有する重合体を20〜350℃の温度で反応させ、
着色剤またはその他の添加剤の表面に重合体をグラフト
化する方法などを挙げることができる。
【0030】こうした懸濁重合の条件、例えば、重合温
度、時間、撹拌装置などに関しては、特に制限されるも
のでなく、上記モノマー組成物に応じて、従来公知の懸
濁重合法の条件を適宜選択して行うことができる。
【0031】さらに本発明の真珠光沢顔料に用いられる
複合樹脂粒子の内部(立体)構造については、該真珠光
沢顔料を添加する合成樹脂の成形温度によっても左右さ
れるが、架橋構造を有することが望ましい。架橋構造を
有しない場合、該合成樹脂の成形時に真珠光沢顔料たる
複合樹脂粒子自体が溶融し、該粒子内部のパール顔料が
配向しやすくなる恐れがあるためである。
【0032】こうした架橋構造を有する複合樹脂粒子の
製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記
懸濁重合方法において、上述のモノマー組成物に、さら
に重合性二重結合基を分子中に複数個有する架橋剤を添
加したモノマー組成物を重合させる方法などが挙げられ
る。このような架橋剤としては、例えば、トリアクリル
酸トリメチロールプロパン、ジメタクリル酸エチレング
リコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメ
タクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸デ
カエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタデカエチ
レングリコール、ジメタクリル酸ペンタコンタヘクタエ
チレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、
メタクリル酸アリル、トリメタクリル酸トリメチロール
プロパン、テトラメタクリル酸ペンタエリスリトール、
ジメタクリル酸フタル酸ジエチレングリコール、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルナフタレン、これらの誘導体など
の芳香族ジビニル化合物、N,N−ジビニルアニリン、
ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルス
ルホン酸などの架橋剤、さらに、ポリブタジエン、ポリ
イソプレン、不飽和ポリスチレンおよび特公昭57−5
6507号公報、特開昭59−221304号公報、特
開昭59−221305号公報、特開昭59−2213
06号公報、特開昭59−221307号公報などに記
載される反応性重合体を使用してもよい。これらの架橋
剤の添加割合をモノマー組成物全体に対し5重量%以
上、より好ましくは10重量%以上となるように調整し
た場合、得られる複合樹脂粒子の熱機械的特性が向上す
るために特に好ましい。
【0033】さらに、上記(2)の懸濁重合方法による
場合、重合に際して、モノマー組成物中あるいは溶媒
(分散媒)中には、必要に応じて、パール顔料以外の顔
料、染料などの着色剤、あるいはその他の添加剤等を適
量配合ないし添加することもできる。パール顔料以外の
顔料としては、例えば、鉛白、鉛丹、黄鉛、カーボンブ
ラック、群青、酸化亜鉛、酸化コバルト、二酸化チタ
ン、酸化鉄、シリカ、チタン黄、チタンブラック等の無
機顔料、イソイソドリノン、キナクリドン、ジオキサン
バイオレット、フタロシアニンブルー、ペリノン顔料、
ペリレン顔料、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、染色レ
ーキ等の有機顔料が用いられる。また、染料としては、
例えば、ニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、スチル
ベンアゾ染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメ
タン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン
染料、メチン染料、ポリメチン染料、チアゾール染料、
インダミン染料、インドフェノール染料、アジン染料、
オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料等が用いられ
る。またその他の添加剤としては、可塑剤、重合安定
剤、蛍光増白剤、磁性粉、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
難燃剤などを挙げることができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するも
のではない。また、以下に述べる実施例において記載す
る「部」は、いずれも重量部を表すものとする。
【0035】実施例1 撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および温度計を
備えたフラスコに、分散安定剤としてのポリビニルアル
コール(PVA−205、クラレ株式会社製)0.5重
量部を溶解した脱イオン水(分散媒)900重量部を仕
込んだ。そこへ予め調製しておいた重合性ビニル系モノ
マーとしてメタクリル酸メチル64重量部、架橋剤とし
てトリメタクリル酸トリメチロールプロパン16重量
部、パール顔料として金属酸化物(酸化チタン)被覆雲
母(Iriodin 100、メルクジャパン株式会社
製)20重量部、および重合開始剤としてアゾイソブチ
ロニトリル1重量部を配合した混合物を仕込み、400
rpmで撹拌して均一な懸濁液とした。
【0036】次いで、窒素ガスを吹き込みながら75℃
に加熱し、この温度で5時間撹拌を続けて重合反応を行
った後冷却した。この懸濁液を瀘過、洗浄した後乾燥し
て、粒子内部にパール顔料を有し、さらに架橋構造を有
する球状の複合樹脂粒子からなる真珠光沢顔料(1)を
得た。
【0037】なお、用いたパール顔料(金属酸化物被覆
雲母)の平均粒子径は16μmであり、得られた複合樹
脂粒子(真珠光沢顔料(1))の平均粒子径は64μm
であり、該複合樹脂粒子の平均粒子径は、パール顔料の
平均粒子径の4倍であった。
【0038】ポリプロピレン樹脂(K1014、ユニオ
ンポリマー株式会社製)99重量部に対し真珠光沢顔料
(1)1重量部を配合し射出成形機を用いて内部に切り
欠きのあるプレートを作成し、色むら、ウエルドライン
およびフローマークの有無について評価を行った結果を
表1に示す。
【0039】実施例2 実施例1で用いたのと同様のフラスコに、分散安定剤と
してのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルス
ルホアンモニウム(ハイテノールN−08、第一工業製
薬株式会社製)0.5重量部を溶解した脱イオン水(分
散媒)900重量部を仕込んだ。そこへ予め調整してお
いた重合性ビニル系モノマーとしてスチレン80重量
部、架橋剤としてジビニルベンゼン10重量部、パール
顔料として金属酸化物(酸化チタン)被覆雲母(Iri
odin 111、メルクジャパン株式会社製)10重
量部、および重合開始剤としてラウロイルパーオキサイ
ド1重量部を配合した混合物を仕込み、T.K.ホモジ
ナイザー(特殊機化工業株式会社製)により3000r
pmで5分間撹拌して均一な懸濁液とした。
【0040】次いで、窒素ガスを吹き込みながら75℃
に加熱し、この温度で5時間撹拌を続けて重合反応を行
った後冷却した。この懸濁液を瀘過、洗浄した後乾燥し
て、粒子内部にパール顔料を有し、さらに架橋構造を有
する球状の複合樹脂粒子からなる真珠光沢顔料(2)を
得た。
【0041】なお、用いたパール顔料(金属酸化物被覆
雲母)の平均粒子径は3.7μmであり、得られた複合
樹脂粒子(真珠光沢顔料(2))の平均粒子径は18μ
mであり、該複合樹脂粒子の平均粒子径は、パール顔料
の平均粒子径の約4.9倍であった。
【0042】ポリスチレン樹脂(スタイロン666、旭
化成株式会社製)99重量部に対し真珠光沢顔料(2)
1重量部を配合し射出成形機を用いて内部に切り欠きの
あるプレートを作成し、実施例1と同様に評価を行った
結果を表1に示す。
【0043】比較例1 ポリプロピレン樹脂(K1014、ユニオンポリマー株
式会社製)99.8重量部に対し金属酸化物被覆雲母
(Iriodin 100、メルクジャパン株式会社
製)0.2重量部を配合し射出成形機を用いて内部に切
り欠きのあるプレートを作成し、色むら、ウエルドライ
ンおよびフローマークの有無について評価を行った結果
を表1に示す。
【0044】比較例2 ポリスチレン樹脂(スタイロン666、旭化成株式会社
製)99.8重量部に対し金属酸化物被覆雲母(Iri
odin 111、メルクジャパン株式会社製)0.2
重量部を配合し射出成形機を用いて内部に切り欠きのあ
るプレートを作成し、色むら、ウエルドラインおよびフ
ローマークの有無について評価を行った結果を表1に示
す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の真珠光沢顔料では、粒子内部に
パール顔料を有する複合樹脂粒子からなるものなので、
該複合樹脂粒子内部のパール顔料は、配向性を持たずラ
ンダムな状態におかれているため、該複合樹脂粒子から
なる真珠光沢顔料を合成樹脂に添加し成型した場合、該
複合樹脂粒子(真珠光沢顔料)が配向されても該真珠光
沢を発現するパール顔料自身の配向を解消することがで
き、またパール顔料を直接添加するのに比して該複合樹
脂粒子では、該合成樹脂との親和性を持たせることがで
きるため該合成樹脂中への分散性が良好となり、外観機
械的強度をより一層向上させることもできるため、複雑
形状のものを作製する場合であっても真珠光沢を保持し
たままで色むら、ウエルドライン、フローマーク等の不
具合を効率よく抑制できる。
【0047】また、本発明の真珠光沢顔料を合成樹脂に
添加し成型する場合、成型機に関しては、特に制限され
るものでないので、特殊な金型を必要とし成型可能な形
状が限定されるフィルムゲート以外にも、ダイレクトゲ
ート、ファンゲート、ディスクゲートまたはピンゲート
など種々の形式のゲートによって樹脂を注入し成型を行
うことが可能であり、各種成型法により幅広い用途に適
用できる真珠光沢顔料を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 利幸 大阪府東大阪市横枕西153番地 株式会社 ヘキサケミカル内 (72)発明者 加島 裕久 大阪府東大阪市横枕西153番地 株式会社 ヘキサケミカル内 (72)発明者 鳥淵 浩伸 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 森 悦邦 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 株式会社日本触媒内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子内部にパール顔料を有する複合樹脂
    粒子からなる真珠光沢顔料。
  2. 【請求項2】 複合樹脂粒子が、球状または回転楕円体
    状である請求項1に記載の真珠光沢顔料。
  3. 【請求項3】 複合樹脂粒子が、架橋構造を有する請求
    項1または2に記載の真珠光沢顔料。
  4. 【請求項4】 複合樹脂粒子の平均粒子径が、パール顔
    料の平均粒子径の1〜100倍である請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載の真珠光沢顔料。
  5. 【請求項5】 パール顔料が、金属酸化物被覆雲母であ
    る請求項1ないし4のいずれか1項に記載の真珠光沢顔
    料。
JP34311495A 1995-12-28 1995-12-28 真珠光沢顔料 Withdrawn JPH09183918A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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