JPH09183755A - 2−オキソシクロペンタンカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents
2−オキソシクロペンタンカルボン酸エステルの製造方法Info
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Abstract
内エステル縮合させ2−オキソシクロペンタンカルボン
酸エステルを製造するに際し、3級アルコール溶媒の存
在下に反応を行うことを特徴とする2−オキソシクロペ
ンタンカルボン酸エステルの製造方法。 【効果】本発明の方法により、副反応を抑え、高収率か
つ工業的に有利に2−オキソシクロペンタンカルボン酸
エステルを製造することができる。
Description
ペンタンカルボン酸エステルの製造方法に関する。2−
オキソシクロペンタンカルボン酸エステルは、種々の合
成中間体、医薬品原料、農薬原料等として工業的に非常
に有用な化合物である。
ン酸エステルを製造する方法としては、Organic Synthe
sis II, 116 (1943)に示されるように、アジピン酸ジエ
ステルを金属ナトリウムなどの強塩基の存在下に、トル
エン等の非極性溶媒を用いて反応させる方法が知られて
いる。しかしながら、この方法では反応に伴い塩が析出
してくるため、反応液のゲル化が起こってしまい、反応
途中で撹拌ができなくなるといった問題点がある。これ
を防ぐためには、反応中に溶媒を適宜加えて生成塩を分
散させながら反応を行う必要があり、トルエン溶媒を反
応基質に対して4〜5重量倍も大量に使用することとな
り、工業的な製造においては生産性の低下、溶媒の回収
工程の複雑化につながり、有利な製造方法とはいえなか
った。また、ゲル化を抑えるため溶媒としてエタノール
を用いる方法も知られている(Organic Reactions, 15,
1 (1967))が、反応の平衡が原料側にずれるため収率が
75%と低く、さらなる改良が望まれている。
は、大量の溶媒を使用することなく、かつ副反応を抑え
て高収率でアジピン酸ジエステルから2−オキソシクロ
ペンタンカルボン酸エステルを製造する工業的に有利な
方法を提供することにある。
に、本発明者らは鋭意検討した結果、意外にも3級アル
コールを溶媒として用いると従来法の欠点であった低収
率およびゲル化の両方を抑制することができることを見
出した。本発明はかかる発見に基づき、さらに研究を進
めて完成するに至ったものである。
(I) R−OCOCH2 CH2 CH2 CH2 COO−R (I) (式中、Rは炭素数1〜5の直鎖アルキル基または炭素
数3〜5の分岐アルキル基を表す。)で表されるアジピ
ン酸ジエステルを塩基を用いて分子内エステル縮合さ
せ、一般式(II)
一の意味を表す。)で表される2−オキソシクロペンタ
ンカルボン酸エステルを製造するに際し、一般式(III)
異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜7の環を含有
していてもよい、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、炭
素数3〜10の分岐アルキル基、または炭素数2〜10
のアルケニル基を表し、これらの基は水酸基で置換され
ていてもよい。)で表される3級アルコール溶媒の存在
下に反応を行うことを特徴とする2−オキソシクロペン
タンカルボン酸エステルの製造方法、(2) 一般式
(III)におけるR1 、R2 またはR3 がアルキル基であ
り、かつR1 +R2 +R3 の合計炭素数が3〜10であ
ることを特徴とする前記(1)記載の2−オキソシクロ
ペンタンカルボン酸エステルの製造方法、(3) 3級
アルコールをアジピン酸ジエステルに対して0.3〜2
重量倍使用することを特徴とする前記(1)または前記
(2)記載の2−オキソシクロペンタンカルボン酸エス
テルの製造方法、(4) さらに芳香族炭化水素を添加
して混合溶媒中で反応させることを特徴とする前記
(1)または前記(2)記載の2−オキソシクロペンタ
ンカルボン酸エステルの製造方法、に関する。
する。本発明は下記の反応式に従って行われる。
いられる3級アルコールは、一般式(III)で表される化
合物である。この式の中で、R1 、R2 またはR3 は直
鎖もしくは分岐のアルキル基、またはアルケニル基を表
す。これらの基は同一でも異なっていてもよく、また炭
素数3〜7、好ましくは炭素数6の環を含有していても
よく、また水酸基で置換されていてもよい。直鎖アルキ
ル基の炭素数は1〜10の範囲であり、分岐アルキル基
の炭素数は3〜10の範囲であり、アルケニル基の炭素
数は2〜10の範囲であるのが好ましい。特に、R1 +
R2 +R3 の炭素数の合計が3〜10の範囲にあるアル
キル基がさらに好ましい。
は、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、2
−メチル−2−ペンチルアルコール、3−メチル−3−
ペンチルアルコール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキ
サンジオール、ジヒドロミルセノールまたはα−ターピ
ネオール等が挙げられる。中でもt−ブチルアルコール
およびt−アミルアルコールが好ましい。
こともできるが、芳香族炭化水素溶媒好ましくはトルエ
ンまたはキシレンとの混合溶媒として本発明の反応に使
用するのが好ましい。好ましい使用の態様として、強塩
基をトルエンまたはキシレンに分散させ、これに3級ア
ルコールおよび原料化合物であるアジピン酸ジエステル
を添加することが挙げられるが、これに限定されない。
料化合物であるアジピン酸ジエステルに対して、0.3
〜2重量倍、好ましくは0.4〜1重量倍である。3級
アルコールと芳香族炭化水素との混合溶媒として使用す
る場合は、両者の混合比は、95:5〜10:90、好
ましくは50:50〜20:80である。3級アルコー
ルと芳香族炭化水素との混合溶媒を使用する場合は、そ
の使用量は全体としてアジピン酸ジエステルに対して2
重量倍以下である。
は、一般式(I) で表されるアジピン酸ジエステルであ
る。この式において、Rは炭素数1〜5の直鎖アルキル
基または炭素数3〜5の分岐アルキル基である。中で
も、炭素数1〜3の直鎖アルキル基が好ましく、さらに
はエチル基が好ましい。本発明に用いられるアジピン酸
ジエステルは市販品をそのまま使用することができる。
トリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムエトキシドの
ようなナトリウムアルコキシド、ブチルリチウム等が挙
げられる。その使用量は、アジピン酸に対して0.95
〜1.3モル%でよい。
しくは80〜120℃であり、必要があれば還流下に反
応させる。反応時間は反応温度にもよるが、通常1〜5
時間である。
ンカルボン酸エステルを単離するには、反応終了液に例
えば塩酸水等の酸を添加して中和した後、有機層を分取
し、ついで水洗した後減圧蒸留し、必要があればさらに
分別蒸留に付し、目的の2−オキソシクロペンタンカル
ボン酸エステルを単離する。こうして得られる2−オキ
ソシクロペンタンカルボン酸エステルは、種々の合成中
間体、医薬品原料、農薬原料等として工業的に非常に有
用な化合物である。
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
を付した200ml四つ口フラスコに金属ナトリウム
(3.5g、153ミリモル)およびキシレン(30
g)を仕込んだ。100℃に昇温した後、滴下ロートよ
りtert−ブチルアルコール(15g)とアジピン酸
ジエチル(30g、148ミリモル)の混合溶液を1時
間かけて滴下した。さらに1時間加熱撹拌を続けた後、
反応溶液を50℃まで冷却した。反応終了液に15%硫
酸水溶液(50g)を加え、十分混合した。分液し、水
層を除去した後、有機層を水洗・乾燥し、減圧蒸留によ
り2−オキソシクロペンタンカルボン酸エチル20.8
g(136ミリモル)を得た。b.p.93℃/7mm
Hg。収率は90%であった。
を付した200ml四つ口フラスコに水素化ナトリウム
(2.6g、0.11ミリモル)およびキシレン(30
g)を仕込んだ。100℃に昇温した後、滴下ロートよ
りtert−アミルアルコール(8.9g)を1時間か
けて滴下した。この反応混合物中にアジピン酸ジエチル
(20.2g、0.10モル)を1時間かけて滴下し、
100℃で1時間加熱撹拌を続けた。反応液を冷却した
後、15%硫酸水溶液(36g)を加え、十分混合し
た。水層を除去し、有機層を水洗・乾燥した後、減圧蒸
留により2−オキソシクロペンタンカルボン酸エチル1
4.5gを得た。収率は92%であった。
ール(15g)の代わりに、メチルイソブチルカルビノ
ール(MIBC)(15g)、ジイソプロピルカルビノ
ール(DIPC)(17g)、またはブチルカルビトー
ル(BC)(23g)をそれぞれ用いて反応を実施し
た。その結果、溶媒としてMIBCを用いた場合の2−
オキソシクロペンタンカルボン酸エチルの収率は47
%、DIPCを用いた場合は70%、BCを用いた場合
は僅かに5%であった。
アルコール(15g)の代わりにエチルアルコール(1
6g)を用い、金属ナトリウム(3.75g、0.16
モル)、キシレン(32g)、アジピン酸ジエチル(3
1.5g、0.16モル)を使用して反応を実施した。
その結果、未反応原料が22%残存し、反応収率は75
%であった。
様の手順により、アジピン酸ジエチル(30g)を金属
ナトリウム(3.5g、153ミリモル)と反応させ
た。この場合は途中でゲル化が起こり、反応を中断し
た。
収率かつ工業的に有利に2−オキソシクロペンタンカル
ボン酸エステルを製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(I) R−OCOCH2 CH2 CH2 CH2 COO−R (I) (式中、Rは炭素数1〜5の直鎖アルキル基または炭素
数3〜5の分岐アルキル基を表す。)で表されるアジピ
ン酸ジエステルを塩基を用いて分子内エステル縮合さ
せ、一般式(II) 【化1】 (式中、Rは一般式(I) におけるRと同一の意味を表
す。)で表される2−オキソシクロペンタンカルボン酸
エステルを製造するに際し、一般式(III) 【化2】 (式中、R1 、R2 またはR3 は同一でも異なっていて
もよく、それぞれ炭素数3〜7の環を含有していてもよ
い、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、炭素数3〜10
の分岐アルキル基、または炭素数2〜10のアルケニル
基を表し、これらの基は水酸基で置換されていてもよ
い。)で表される3級アルコール溶媒の存在下に反応を
行うことを特徴とする2−オキソシクロペンタンカルボ
ン酸エステルの製造方法。 - 【請求項2】 一般式(III)におけるR1 、R2 または
R3 がアルキル基であり、かつR1 +R2 +R3 の合計
炭素数が3〜10であることを特徴とする請求項1記載
の2−オキソシクロペンタンカルボン酸エステルの製造
方法。 - 【請求項3】 3級アルコールをアジピン酸ジエステル
に対して0.3〜2重量倍使用することを特徴とする請
求項1または請求項2記載の2−オキソシクロペンタン
カルボン酸エステルの製造方法。 - 【請求項4】 さらに芳香族炭化水素を添加して混合溶
媒中で反応させることを特徴とする請求項1または請求
項2記載の2−オキソシクロペンタンカルボン酸エステ
ルの製造方法。
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JP35448895A JP3727093B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 2−オキソシクロペンタンカルボン酸エステルの製造方法 |
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JP2006104202A (ja) * | 2004-10-07 | 2006-04-20 | Bayer Materialscience Ag | 環状ケトンの製造方法 |
CN105646209A (zh) * | 2016-03-01 | 2016-06-08 | 苏州艾缇克药物化学有限公司 | 一种2-氧代环戊基乙酸乙酯的合成方法 |
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1995
- 1995-12-28 JP JP35448895A patent/JP3727093B2/ja not_active Expired - Fee Related
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