JPH09182565A - 低アレルゲン化米の製造方法並びに加工食品の製造方法 - Google Patents
低アレルゲン化米の製造方法並びに加工食品の製造方法Info
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- JPH09182565A JPH09182565A JP7354091A JP35409195A JPH09182565A JP H09182565 A JPH09182565 A JP H09182565A JP 7354091 A JP7354091 A JP 7354091A JP 35409195 A JP35409195 A JP 35409195A JP H09182565 A JPH09182565 A JP H09182565A
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Abstract
目的とする。 【構成】 米に高圧処理を施すことによりアルブミン、
グロブリンを選択的に抽出する方法である。
Description
が起こることのない低アレルゲン化米の製造方法並びに
加工食品の製造方法に関するものである。
摂取によって起こる食物アレルギーの原因食品として
は、卵、牛乳、魚等の動物性食品が主として考えられて
きた。しかし、近年になって、米、小麦、大豆等の穀類
に由来するアレルギー症も意外に多いことが明らかとな
っている。既に学術論文(山田ら,アレルギー,40,1
2,1485(1991))で報告されているように、穀類には
共通アレルゲン(タンパク質)が存在する(アレルギー
の原因となる抗原物質をアレルゲンという。)。特に、
米に含まれるアレルゲン物質は明確に定性、定量されて
いる。それは、1モル食塩水抽出物画分のアルブミン,
グロブリンであることが見い出されている。
は、除去食療法が行われている。しかし、この場合に
は、栄養バランスの乱れが問題となる(除去食療法は、
実施に伴う精神的ストレス等も問題となる。)。 栄養バランスの乱れを補正するには代用食が当然必要に
なる訳であるが、穀類には前述のような共通アレルゲン
が存在するため、現実問題として代用食の選択が困難で
あることが多い。従って、除去食療法は望ましくなく低
アレルゲン食品の摂取が望ましい。
平2−167040号公報では、米にタンパク質分解酵
素を作用させ、含有タンパク質を加水分解することによ
りアレルゲンタンパク質を除去するという技術が開示さ
れている。詳しくは、界面活性剤を含むアルカリ性の水
溶液に米を低圧下で浸漬し、タンパク質分解酵素を加え
て放置する。次いで、酸性溶液に浸漬し中和処理を行
う。更に、パーボイル処理により米の破砕を防いでい
る。
の方法には、以下のような問題点がある。
トがかさみ、この低アレルゲン化米は高価となる。
学会誌,41,4,251(1994))で報告されているよう
に、界面活性剤(モノグリセリド)の溶液中に米を浸漬
することによって、比較的硬い殻状区分が形成され、炊
飯後の米飯粒の密度が不均一になることが確認されてい
る。また、米を酵素溶液中に浸漬することより、米に酵
素の香味が付着している。この米を炊飯して得られる米
飯は、一度冷めると極度に硬化し、再加熱後の食味は著
しく低下する。更に、パーボイル処理により、炊飯前の
吸水時間に制約があり、時間が長すぎると米飯にコシが
なくなり、べたついたりする。
は、粉質米を塩水溶液中に浸漬することにより、アレル
ゲンタンパク質の抽出を行うという技術が開示されてい
る。ここでは、米の粉末1gに1モルのNaClを10
ミリリットル加え、抽出された上澄み溶液中のタンパク質濃度
が100μg/ミリリットル以下になることが確認されてい
る。また、抗原抗体反応試験によってタンパク質濃度が
100μg/ミリリットル以下になれば、低アレルゲン化米と
して極めて有効である旨も開示されている。
の処理方法には、以下のような問題点がある。
ン化はしない。そのため、粉質米だけを選択しなければ
ならず、歩留が極めて悪い。また、稲の品種改良とし
て、種籾を薬剤処理した変種米を使用した際は、低アレ
ルゲン化米に用途が限定され、高価となる。更に、米の
収穫から始まり、抽出処理の前後工程や調理後におい
て、粉質米のため破砕しやすく歩留が極めて低下する。
らアルブミン、グロブリン、グルテリン、プロラミンの
4種類に分別される。プロラミン以外は、酸性溶液や、
アルカリ性溶液に溶解することが知られている(例え
ば、京都大学農学部食品工学教室編,「食品工学実験書
上巻」,養賢堂,(1970),p602〜603 や神立 誠編,
「たんぱく質の知識」,幸書房,(1971),p27〜29)。
従って、米粒を粉砕し、上記の溶液に浸漬すれば、プロ
ラミン以外は米粉から除去することができる。しかしな
がら、その後、得られた米粉を米粒に復元(造粒)しな
ければならず、得られた造粒米はそのほとんどが澱粉質
であるため、炊飯状態、食味、栄養価が著しく劣る。ま
た、米粒を上記の溶液に浸漬すれば、外層部のタンパク
質は抽出除去でき、よって、若干のアレルゲンタンパク
質も除去できる。しかながら、米粒には、細胞壁や細胞
膜、さらには、アミロプラスト膜が存在するため、中心
部のたんぱく質は抽出できない。
に定性、定量され、1モル食塩水抽出物画分のアルブミ
ン,グロブリンであることが見い出されているにもかか
わらず、低アレルゲン化米を製造するためには、煩雑な
酵素処理工程や粉質米といった特殊な米を使用しなけれ
ばならない。
ゲン化米の製造方法を提供するものである。
る。
ン、グロブリンを選択的に抽出することを特徴とする低
アレルゲン化米の製造方法に係るものである。
浸漬しアルブミン、グロブリンを選択的に抽出すること
を特徴とする低アレルゲン化米の製造方法に係るもので
ある。
施すことによりアルブミン、グロブリンを選択的に抽出
することを特徴とする低アレルゲン化米の製造方法に係
るものである。
アレルゲン化米の製造方法において、高圧処理は急速加
圧及び急速減圧とすることを特徴とする低アレルゲン化
米の製造方法に係るものである。
法において、急速加圧及び急速減圧の条件として、昇圧
速度を2MPa/sec以上、保持圧力50MPa〜9
0MPa、保持時間30sec以上、減圧速度2MPa
/secとしたことを特徴とする低アレルゲン化米の製
造方法に係るものである。
ルゲン化米の製造方法において、中性塩溶液の濃度を
0.001モル以上としたことを特徴とする低アレルゲ
ン化米の製造方法に係るものである。
アレルゲン化米の製造方法において、中性塩溶液を、処
理される米1重量部に対して0.5重量部以上としたこ
とを特徴とする低アレルゲン化米の製造方法に係るもの
である。
の低アレルゲン化米の製造方法において、中性塩とし
て、塩化ナトリウムを採用したことを特徴とする低アレ
ルゲン化米の製造方法に係るものである。
ルゲン化米を使用し、常法に従い加工食品を製造するこ
とを特徴とする加工食品の製造方法に係るものである。
る米に高圧処理を施すことにより容易かつ簡便に米に含
まれるタンパク質、特に1モル食塩水抽出物画分のタン
パク質であるアルブミン、グロブリンが選択的かつ効率
よく抽出できることを見い出した。また、このタンパク
質含量を低減化した米の粉末1gに1モルのNaClを
10ミリリットル加え、抽出した上澄み溶液中にタンパク質濃
度が100μg/ミリリットル以下になることを確認した。ま
た、1モル食塩水抽出物画分のタンパク質(アレルゲン
タンパク質)が通常に得られる米と比較して激減してい
ることを電気泳動により確認した。更に、米アレルギー
患者の血清を用いて、抗原抗体反応試験により、当該処
理米の抗原量が激減していることを確認した。本発明は
これらの実験により確認した事項を請求項としてまとめ
たものである。
ンタンパク質が低減化されているので、米由来のアレル
ギー症状を起こす患者が摂取できる低アレルゲン化米、
および米加工食品となり得る。
より容易かつ簡便に米に含まれるタンパク質、特に1モ
ル食塩水抽出物画分のタンパク質であるアルブミン、グ
ロブリンが選択的かつ効率よく抽出できる理由は次の通
りと推測される。
れる気泡はボイルの法則に従って加圧・減圧の際に圧
縮、飛散、膨張する。この気泡の挙動により米の細胞壁
等に亀裂や穴が生じる。しかしながら、圧力はパスカル
の原理によって、米粒に等方的に施されるので、米粒は
破損しない。高圧処理と同時あるいは処理後に食塩水等
の中性塩溶液に米を浸漬することにより、抽出液が米細
胞の細部に渡り侵入する。
会誌,39,3,287(1992))には、米のタンパク質の多
くはプロテインボディーと呼ばれる部分に顆粒状に集積
しているが、アレルゲンタンパク質は遊離している旨が
記載されている。
処理した米の状態から、結局、アレルゲンタンパク質で
あるアルブミン,グロブリンは、中性塩に対して極めて
親和、可溶化するために、通常に得られる米粒を破壊す
ることなく、容易かつ簡便に米に含まれるタンパク質、
特に1モル食塩水抽出物画分のタンパク質であるアルブ
ミン、グロブリンが選択的かつ効率よく抽出できること
になる。
塩)、炭酸カルシウム、硫酸カリウム等、酸の水素原子
が金属原子で置換された形の物質である。尚、食品用と
しては食塩が最も好ましい。
る際には、高圧処理は浸漬工程の前後に施してもよい。
つまり、米を中性塩溶液中に浸漬した後、高圧処理を
施す場合、高圧処理を施した後、中性塩溶液中に浸漬
する場合、さらには、米を中性塩溶液中に浸漬した
後、高圧処理を施し、そのまま放置して中性塩溶液中に
浸漬する場合等、米に高圧処理が施されていれば、浸漬
工程の順序はアレルゲンタンパク質の抽出操作に対して
影響はない。
液の濃度、抽出時の温度および浸漬時間をそれぞれC
(モル)、T(℃)、t(Hour)とすると、抽出される
タンパク質p(μg/g乾物米)は温度、濃度、時間に
比例し、関係式(1)で表すことができる。
り、Dは米の品種(もち米、うるち米、銘柄、産地等)
により固有な固体内における溶質の有効拡散係数であ
る。
式(1)が成り立つが、撹拌といった物理的方法を併用
した場合、関係式(1)のξが上昇し、自ずと定義域
(2),(3)および(4)は減少する。
に対する抽出溶媒の浸透圧が低すぎて撹拌といった物理
的方法を併用しても、米に1モル食塩水抽出物画分のタ
ンパク質が多量に残存する。また、抽出液の濃度の増加
に伴い、抽出効率は増大するが、4モル以上は変化がな
いので、それ以上は必要ない。
は抽出溶媒が凝固し、抽出処理ができない。また、50
℃以上ではタンパク質が変性し、中性塩に対して不溶化
となるため、抽出効率が急激に低減する。
間が短く、米に1モル食塩水抽出物画分のタンパク質が
残存する。また、96時間以上は残存する米のタンパク
質含量に差異がないので、それ以上は必要ない。
減圧を施すことが好ましい。詳しくは昇圧速度を2MP
a/sec以上、保持圧力を50MPa〜90MPa、保
持時間を30sec以上、減圧速度を2MPa/sec
とすることが望ましい。
とにより、米に含まれる気泡を急激に圧縮させる。
性塩溶液の浸透圧を増幅させ、米に急速に中性塩溶液を
侵入させる。2MPa/sec以下では気泡の飛散効果
が少なく、米の細胞壁等の亀裂が少ない。また、浸漬工
程では、米への中性塩溶液の浸透圧を増幅させる効果が
少ない。
が不足し、米への中性塩溶液の浸透が十分ではない。9
0MPa以上では米細胞が緻密化するため中性塩溶液が
浸透しにくくなる。さらに、より高い圧力ではタンパク
質が変性し、中性塩溶液に対して不溶化するため抽出さ
れにくくなる。ここで、抽出操作後、タンパク質が変性
していると、米に残存するタンパク質を各画分に分別し
定量する際に、見掛け上は1モル食塩水抽出物画分のタ
ンパク質が低減したことになり正確な定量ができなくな
る。
均等に伝達するので、圧力の保持時間が30sec以上
であれば十分にタンパク質と中性塩が親和し可溶化す
る。
とによって、圧縮され飛散した気泡が、急激に膨張する
ため、米細胞に微細な空間がてき、中性塩溶液によるア
レルゲンタンパク質の抽出が可能となる。また、浸漬工
程では可溶化したタンパク質を米から抜き取ることがで
きる。2MPa/sec以下では気泡の膨張力が弱く、
空間が少ない。また、圧力較差差が少なく、可溶化した
タンパク質が米に残存する。
増幅によって関係式(1)の定義域(2)および(4)の下限
値は下記のようになる。
使用する中性塩の濃度下限値は0.001モル以上であれば
関係式(1)が成り立つ。この濃度未満では、高圧処理を
もってしても、溶質(中性塩)の絶対量が少ないため、
タンパク質は可溶化しにくい。
によって、中性塩溶液が米に瞬時に、かつ均等に浸透す
るため、浸漬時間は高圧処理時の保持時間だけで十分に
関係式(1)が成り立つ。
は、処理される米1重量部に対して0.5重量部以上で
あれば関係式(1)が成り立ち、中性塩溶液の使用量に
おける上限はない。但し、排水処理、その他の経済面か
ら3重量部以下が望ましい。抽出処理に使用した中性塩
が米に残存し、食味を低下させる場合は、水洗いにより
中性塩を取り除くことができる。ただし、この水洗処理
は定義域(2)に依存し、その濃度が希薄な場合には、
この処理を省くことができる。
作はバッチ式だけではなく、連続式の単独またはバッチ
式との併用で実施することができる。
量、特に1モル食塩水抽出物画分のタンパク質を低減化
した米は、そのまま米として利用できるほか、米飯(う
るち米)や餅(もち米)等に加工するか、煎餅や団子等
に用いてもよい。
法について、以下の実験例で説明する。
(1988))に記載されているように、米を粉末処理し、
冷アセトンで脱脂後、十分に乾燥させる。得られた粉末
100gに対して1モルのNaClを500ml加え、
20℃で16時間の抽出を行う。9000×gで20分間の
遠心分離を行い、得られた上澄み溶液中に1モル食塩水
抽出物画分のタンパク質が溶け込んでいる。
質をPierce社のBCA Protein Assay Reagentを
用いて定量する。その際、取り扱い説明書に従い37℃
で30分恒温し、分光光度計を用いて562nmの吸光度
を測定する。予めBCAキットに含まれているAlbumin
Standardを用いて検量線を作成し、562nmの吸光度か
ら1モル食塩水抽出物画分のタンパク質P(μg/ミリリット
ル)が定量できる。ここで、Pの値を2で除算すること
によって、特開平5−292904号公報に記載されて
いるアレルゲン低減化調整物の粉末1gに対する1モル
のNaClで抽出されるタンパク質量P(μg/ミリリット
ル)に換算する。
る。つまり、常法に従って操作を行い、米のタンパク質
をアンモニアガスとして補集し、中和滴定値より算出さ
れた窒素(%)に係数5.95を乗じて米のタンパク質
含量を求める。
質をアトー(株)製の生体溶液試験料濃縮剤によって50
倍に濃縮する。その後、常法により、SDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動を行い、和光純薬工業(株)の銀
染色キットで染色する。この操作により、アレルゲンタ
ンパク質を定量する。
(1988))に記載されているように、実験例1で得られ
た上澄み溶液に90%飽和になるように硫酸アンモニウ
ムを加え、塩析を行う。9000×gで20分の遠心分
離後、得られたタンパク質の沈殿を透析チューブに封入
する。次いで、蒸留水中で透析し、水と置換することに
より、硫酸アンモニウムを完全に除去する。次いで、9
000xgで20分の遠心分離を行うことにより、上澄
み溶液はアルブミン画分、沈殿物はグロブリン画分とし
て、それぞれの純粋なタンパク質が得られる。このアル
ブミン画分及びグロブリン画分のタンパク質と米アレル
ギー患者の血清を用いてPharmacia社製のキャップシス
テムにより抗原抗体反応試験(RAST 50% Inhibi
tion)を行う。ここで、通常に得られる米(未処理米)
の抗原と本発明に係る処理によって抽出操作を行った米
の抗原の50%Inhibition値における希釈倍率を比較す
るきことによって、抗原量を求める。つまり、患者によ
って血清のRAST値がそれぞれ異なるので、未処理米
の抗原量を1とし、本発明に係る処理によって抽出操作
を行った処理米との相対比較を行う。
て、容易かつ簡便にタンパク質、特にアレルゲンタンパ
ク質が効率よく抽出されることになる。更に、この処理
米から、通常に得られる米と同等な食味の炊飯米などの
米加工食品を得ることができる。
を低減化したことにより、米由来のアレルギー患者の主
食および栄養源となる。
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
15%、乾物米に対してタンパク質8.0%含有)を1
分間水洗いした。水切り後、軟質樹脂袋に洗った米と
0.05モルの食塩水2リットルを加えて密封し、20℃で
1時間放置した。次いで、この袋に入ったまま高圧処理
(昇圧速度2MPa/sec、保持圧力50MPa、保
持時間1分、減圧速度2MPa/sec)を行った。こ
の米を6時間水洗いし、水切り後、タンパク質が低減さ
れた処理米1.3kg(水分35%、乾物米に対してタン
パク質6.8%含有)を得た。この処理米を自然乾燥さ
せ、粉砕機を用いて米を粉末化した。この粉末を実験例
1および2に従い、1モル食塩水抽出物画分のタンパク
質を定量した結果、62μg/ミリリットルであった。
15%、乾物米に対してタンパク質8.0%含有)を1
分間水洗いした。水切り後、軟質樹脂袋に洗った米を入
れ高圧処理(昇圧速度2MPa/sec、保持圧力50
MPa、保持時間1分、減圧速度2MPa/sec)を
行った。
し、20℃で1時間放置した。次いで、この米を6時間
水洗いし、水切り後、タンパク質が低減された処理米1.
3kg(水分35%、乾物米に対してタンパク質6.8%含
有)を得た。この処理米を自然乾燥させ、粉砕機を用い
て米を粉末化した。この粉末を実験例1および2に従
い、1モル食塩水抽出物画分のタンパク質を定量した結
果、62μg/ミリリットルであった。
15%、乾物米に対してタンパク質8.0%含有)を1
分間水洗いした。水切り後、軟質樹脂袋に洗った米と
0.01モルの食塩水2リットルを加えて密封し、20℃で
0.5時間放置した。次いで、この袋に入ったまま高圧
処理(昇圧速度2MPa/sec、保持圧力50MP
a、保持時間1分、減圧速度2MPa/sec)を行っ
た。
を6時間水洗いし、水切り後、タンパク質が低減された
処理米1.3kg(水分35%、乾物米に対してタンパ
ク質6.8%含有)を得た。この処理米を自然乾燥さ
せ、粉砕機を用いて米を粉末化した。この粉末を実験例
1および2に従い、1モル食塩水抽出物画分のタンパク
質を定量した結果、62μg/ミリリットルであった。
で処理し、浸漬米1.3kg(水分35%、乾物米に対
してタンパク質7.8%含有)を得た。この粉末を前記
実験例1および2に従い、1モル食塩水抽出物画分のタ
ンパク質を定量した結果、1480μg/ミリリットルであった。
1モル食塩水抽出物画分のタンパク質を電気泳動した結
果、比較例Aのサンプルではアルブミン,グロブリンの
各バンドの存在が明確に検出された。実施例1〜3のサ
ンプルでは、アルブミン,グロブリンの各バンドの存在
がほとんど確認できなかった。
のようになり、すべての実施例において、比較例Aより
も抗原度が128分の1以下に低減していた。
アレルゲンを除去した市販品の加工米を粉末化し、実験
例1および2に従い、1モル食塩水抽出物画分のタンパ
ク質を定量した結果、65μg/ミリリットルであった。しか
しながら、この加工米を炊飯した結果、硬い殻状区分が
存在し、密度が不均一であった。また、この米飯には酵
素の香味が付着していた。更に、米飯は一度冷めると極
度に硬化し、再加熱後の食味は著しく低下した。尚、炊
飯前の吸水時間に制約があり、時間が長すぎると米飯に
コシがなくなり、べたついたりした。
炊飯し、無菌的に包装した米飯とした。得られた米飯を
市販の電子レンジで再加熱し、10名のパネラーによる
食味テストを行った。その結果、この米飯は通常に得ら
れる精白米を炊飯した米飯と色、硬さ、形状、香味とも
同等であるとの評価を得た。また、この米飯を32℃で
20日間の保存試験の結果、微生物数は0であった。
Claims (9)
- 【請求項1】 米に高圧処理を施すことによりアルブミ
ン、グロブリンを選択的に抽出することを特徴とする低
アレルゲン化米の製造方法。 - 【請求項2】 米に高圧処理を施したのち、中性塩溶液
に浸漬しアルブミン、グロブリンを選択的に抽出するこ
とを特徴とする低アレルゲン化米の製造方法。 - 【請求項3】 米を中性塩溶液に浸漬した後、高圧処理
を施すことによりアルブミン、グロブリンを選択的に抽
出することを特徴とする低アレルゲン化米の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1,2,3いずれか1項に記載の
低アレルゲン化米の製造方法において、高圧処理は急速
加圧及び急速減圧とすることを特徴とする低アレルゲン
化米の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の低アレルゲン化米の製造
方法において、急速加圧及び急速減圧の条件として、昇
圧速度を2MPa/sec以上、保持圧力50MPa〜
90MPa、保持時間30sec以上、減圧速度2MP
a/secとしたことを特徴とする低アレルゲン化米の
製造方法。 - 【請求項6】 請求項2,3いずれか1項に記載の低ア
レルゲン化米の製造方法において、中性塩溶液の濃度を
0.001モル以上としたことを特徴とする低アレルゲ
ン化米の製造方法。 - 【請求項7】 請求項2,3,6いずれか1項に記載の
低アレルゲン化米の製造方法において、中性塩溶液を、
処理される米1重量部に対して0.5重量部以上とした
ことを特徴とする低アレルゲン化米の製造方法。 - 【請求項8】 請求項2,3,6,7いずれか1項に記
載の低アレルゲン化米の製造方法において、中性塩とし
て、塩化ナトリウムを採用したことを特徴とする低アレ
ルゲン化米の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8いずれか1項に記載の低ア
レルゲン化米を使用し、常法に従い加工食品を製造する
ことを特徴とする加工食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35409195A JP3653132B2 (ja) | 1995-12-29 | 1995-12-29 | 低アレルゲン化米の製造方法及び加工食品の製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09182565A true JPH09182565A (ja) | 1997-07-15 |
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ID=18435234
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JP35409195A Expired - Lifetime JP3653132B2 (ja) | 1995-12-29 | 1995-12-29 | 低アレルゲン化米の製造方法及び加工食品の製造方法 |
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