JPH09182390A - コイル線自動巻線装置及び方法 - Google Patents

コイル線自動巻線装置及び方法

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JPH09182390A
JPH09182390A JP7353047A JP35304795A JPH09182390A JP H09182390 A JPH09182390 A JP H09182390A JP 7353047 A JP7353047 A JP 7353047A JP 35304795 A JP35304795 A JP 35304795A JP H09182390 A JPH09182390 A JP H09182390A
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winding
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coil
frame
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由敬 落合
Toshimi Sato
登志美 佐藤
Yoshiaki Uchinuma
善朗 内沼
Tatsuo Inoue
辰男 井上
Tomoya Tsunoda
智也 角田
Kenichiro Ishimori
謙一郎 石森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻枠が同心円状でないときの巻線の成形性、
巻線精度の向上を図り、また、段落とし時のコーナ部の
成形性の向上及び層変化時の素材の擦れの解消を図るこ
とにある。 【解決手段】 コイル線を巻枠に巻線するコイル線自動
巻線装置において、任意形状の巻枠10を取り付ける巻
枠取付け台11を具備した巻枠回転機構と、この巻枠回
転機構をコイル線1の供給方向に対して直角方向に水平
揺動可能な首振り機構13と、この首振り機構をコイル
線の供給方向に対して巻枠のトラバース方向に移動可能
なトラバース機構17と、このトラバース機構を上下方
向に移動する上下移動機構21と、コイル線を巻枠の巻
き付け面に押し付け可能なコイル線拘束機構26と、そ
れぞれ任意位置決め可能な駆動機構12,15,19,
23,25を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイル線自動巻線
装置及び方法に係り、特に、加速機用電磁コイル等のよ
うな非同心円状の巻枠にコイルを巻線するコイル線自動
巻線装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、加速機用電磁コイルは非同心円
形状を有し、そのコーナ部は任意曲率を有しており、通
常の巻回装置による巻回作業のみでは、コーナ部及び直
接部の形成が困難であり、巻線作業は、従来、作業者が
木ハンマ等で叩いて矯正し、形成していた(図19)。
しかし、作業能率、成形精度等を考慮すると、巻回装置
による巻回作業は、機械により巻回できる手段が望まれ
るようになった。木ハンマによる矯正手段に代るコイル
線の矯正手段としては、特開平6−71336号公報に
開示されている回転機用コイルを巻線するのに使用され
る巻回装置がある。この公報の技術は、架台に支承され
た素材供給装置から引き出された素材の一端は、巻線機
の回動軸に取り付けられた係止部材で係止され、次に、
巻線機の回動軸が回動するにつれて、巻枠が回動して素
材を所定回数巻線し、同時に押圧ローラにより押圧し、
所定形状に形成するというものである。
【0003】次に、巻枠にコイル線を巻き付ける際、一
周毎に列を変える必要性があるが、その列を変える手段
としては、特開昭58−135067号公報に開示され
ているコイル巻線における列及び層を変化させるときの
トラバース装置がある。この公報の技術は、トラバーサ
がボールネジの回転により等速運動し、トラバーサに固
定されたガイドローラにより、コイル線を等ピッチに誘
導し、同時に、テーブルに搭載された巻枠は回動しなが
ら、移動手段により揺動軸を中心にトラバーサ方向と同
方向に傾斜が付けられるというものである。また、特開
平5−229729号公報においてもトラバース装置が
記載され、この公報の技術は、トラバーサの位置と水平
旋回傾斜角度とを調整しながら、巻枠を回動させること
により、コイル線は、整列しながら、巻枠に巻線される
というものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平6−7
1336号公報の巻線装置は、素材が比較的硬くなく、
巻枠のコーナ部の曲率が小さい場合、或いは、巻枠に素
材が到達するまでに発生する不必要な曲がり及び反りが
あまり巻線精度に対して問題にならない場合等について
は、有効な手段であるが、例えば、素材が比較的硬く、
巻枠のコーナ部の任意曲率が大きい場合、巻枠と巻枠に
巻き付けられた素材との隙間ギャップを取り除くことを
目的とする押圧ローラによる矯正だけでは、スプリング
バックの抑制量が小さく、コーナ部で目的とする曲率が
得られない、或いは、コーナ間の直線部分ではコーナ部
で発生したスプリングバックによる巻枠との迫り上がり
が伝達され、素材が巻枠に沿わない等の巻線成形上の問
題がある。また、巻枠が同心円状でない場合は、巻枠の
回動により素材のパスラインの高さ、即ち、素材と床面
との距離が変化し、また、巻線装置直前にパスラインの
高さを固定するガイドローラ等がある場合は、素材が巻
枠に到達する前に、素材に不必要な曲率を発生させてし
まい、巻線精度に悪影響を与える、という問題がある。
次に、特開昭58−135067号公報のトラバース装
置は、トラバーサの水平移動と巻枠の水平旋回によりト
ラバースを行っているが、この機構では、コイル線を一
定角を保って巻枠に巻き付けていくだけであり、図20
に示されるような平行部から移行部、移行部から平行部
という具合に列を変化させること、つまり、コーナ部の
成形ができない、という問題がある。また、特開平5−
229729号公報のトラバース装置は、トラバーサの
水平移動あるいは水平旋回、巻枠の水平移動による素材
の移行部形成を行っており、素材が比較的軟らかいもの
については有効であるものの、素材が硬い場合、平行部
から移行部、或いは、移行部から平行部のコーナ部の形
成は、コーナ部を拘束する手段がなければ、その曲げ加
工が困難であるとともに、巻枠より大きな曲げR部とな
り、また、層変化においては、次の層への乗り上げ時に
前の層の最終列と擦れが生じる、という問題がある。
【0005】本発明の課題は、上述の事情に鑑み、巻枠
が同心円状でないときの巻線の成形性、巻線精度の向上
を図り、また、段落とし時のコーナ部の成形性の向上及
び層変化時の素材の擦れの解消を図るに好適なコイル線
自動巻線装置及び方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、任意形状の巻枠を取り付ける巻枠取付け台を具備し
た巻枠回転機構と、この巻枠回転機構をコイル線の供給
方向に対して直角方向に水平揺動可能な首振り機構と、
この首振り機構をコイル線の供給方向に対して巻枠のト
ラバース方向に移動可能なトラバース機構と、このトラ
バース機構を上下方向に移動する上下移動機構と、コイ
ル線を巻枠の巻き付け面に押し付け可能なコイル線拘束
機構と、それぞれ任意位置決め可能な駆動機構を設け
る。また、巻枠の手前に配置し、コイル線の上下方向及
び巻枠のトラバース方向である前後方向の位置を検出す
るコイル線位置検出装置を設け、さらに、巻枠に一層目
の巻線が終了し、次に二層目に移る際のコイル線に逃げ
形状を成形する成形ヘッドと、この成形ヘッドを上下方
向及びトラバース方向に移動させる成形ヘッド移動機構
と、この成形ヘッド移動機構をコイル線供給方向に位置
決めするヘッド位置決め機構からなる層段落とし用前成
形装置を設ける。また、巻枠について、その幅方向に二
分割した分割型とし、一方の分割巻枠を巻枠軸方向に摺
動する自動開閉タイプの巻型を形成し、この巻型を開い
た状態で一層分の巻線を終了させた後、巻型を閉じてコ
イル線同志を密着させる。また、上記課題は、任意な曲
率を有する巻枠に巻線を行う際、巻枠の回転角を最適傾
斜角度に保持した後、コイル線と巻枠との着支点を拘束
ローラにより押し付け、この拘束ローラを着支点に添っ
てコイル線供給方向に移動しながら、巻線前に巻枠の曲
率と逆の曲げ成形をコイル線に与えた後、巻線時に巻枠
の曲率に曲げ成形するとともに、コイル線に付加する張
力を制御することによって、解決される。また、巻線前
に巻枠の曲率と逆の曲げ成形をコイル線に与える際、コ
イル線の上下方向及び巻枠のトラバース方向である前後
方向の位置を検出し、コイル線のパスラインが常に一定
となるように巻枠をコイル線の上下方向及び巻枠のトラ
バース方向に位置制御することによって、解決される。
また、巻枠に巻線するコイル線の列を変える際、巻枠の
巻枠軸を水平旋回し、この時コイル線の張力調整を行
い、続いて、巻枠の回動角を一定に保持したまま拘束ロ
ーラを着支点に移動するとともに、この時コイル線に巻
枠と逆方向の曲率を与えると同時に、張力制御を行い、
コイル線の列の段落としを実行することによって、解決
される。また、巻枠に巻線するコイル線の層を変える
際、逃げ形状が巻枠の層の段落し部に達したとき、巻枠
の回動を停止するとともに、巻枠の巻枠軸を水平旋回
し、巻枠軸の角度を保持したまま、かつ、巻枠を回動し
て移行部を成形し、最後に、巻枠軸を水平旋回して元の
状態に戻し、この時逃げ形状を潰さぬように張力調整
し、コイル線の層の段落としを実行することによって、
解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す
コイル線自動巻線装置である。1はコイル線、2は予め
コイル線1を巻き付け、コイル線1を供給するためのコ
イルドラム、3はコイルドラム2からコイル線1を送り
出すコイル線供給装置、4は素材の幅方向の巻癖を矯正
するコイル線矯正装置、5は素材の高さ方向の巻癖を矯
正するコイル線矯正装置、6はコイル線1をクランプあ
るいは拘束して、コイル線1に対して張力を付加し、同
時に張力の調整可能な張力付加装置、7はコイル線1に
絶縁処理を施すために行うテーピング装置、8は巻線装
置、9は巻線作業中コイル線1を巻枠上部から押し付け
るコイル線拘束装置を示す。図1において、コイル線1
は、コイル線供給装置3から幅方向のコイル線矯正装置
4を経て、次に、張力付加装置6により張力を付加、調
整され、高さ方向のコイル線矯正装置5を通ることによ
り巻癖が矯正され、テーピング装置7により絶縁処理を
施された後、巻枠10に係止することにより巻線装置8
の回動により巻線される。
【0008】図2に、巻線装置8及びコイル線拘束装置
9の詳細部分を示す。巻線装置8について、10は巻
枠、11は任意形状の巻枠10が取付け可能であり、モ
ータ12等により回動運動を行う巻枠取付け台(巻枠回
転機構)、13は巻枠10を回動運動させるための例え
ばモータ12等を収納し、かつ、ボールネジ14をモー
タ15により回転させることにより、水平旋回軸16を
中心に巻枠軸の水平旋回を可能にした角度調整テーブル
(首振り機構)、17は巻枠10を前後方向にトラバー
スさせるため、前後方向にレール18を引き、前後方向
移動用(トラバース用)モータ19によりボールネジ2
0を回転させ、10,11,13等を同時に前後方向に
移動させる前後方向移動テーブル(トラバース機構)、
21は上下方向にレール22を引き、上下方向移動用モ
ータ23により上下方向移動用ボールネジ24を回転し
て、上記テーブルすべてを上下方向に移動させ得る上下
方向移動テーブル(上下移動機構)を示す。また、コイ
ル線拘束装置9について、25は例えば油圧シリンダ等
からなる押圧手段であり、拘束ローラ26が取り付けら
れた拘束ローラ固定テーブル27を上下方向に移動可能
であり、これらはテーブル28に取り付けられる。ここ
で、コイル線拘束装置9は、巻線装置8の上面に巻線方
向に対して平行にレール29を引き、モータ30により
ボールネジ31を回転させることにより、巻線方向に対
して平行に移動可能である。なお、上記したボールネ
ジ、油圧シリンダ等の各種移動手段は、選択に制限な
く、紙上に記載する限りではない。
【0009】図3に、巻線装置8及びコイル線拘束装置
9による巻線方法を説明する。ここでは、主要部である
コイル線1、巻枠10、拘束ローラ26以外は図示しな
い。図3において、(1)はコイル線1が巻枠10に係
止された状態を示す。次に、(2)は巻枠10が回転角
度を一定に保ったままの状態で、拘束ローラ26が油圧
シリンダ25により紙面左方から右方に押圧しながら移
動し、パスラインを変えないように巻枠10を上下方向
移動テーブル21により上方に移動する状態を示す。次
に、(3)は巻枠10が回動し、拘束ローラ26により
巻枠10のコーナ部を押圧矯正しながら、拘束ローラ2
6を紙面左方に移行する状態を示す。この時も巻枠10
はパスラインを変えないように上下方向移動テーブル2
1により下方に移動する。また、拘束ローラ26の巻線
方向に対する平行な移動は巻枠10の回動に調和するよ
うに制御される。(4)は状態(2)の動作と同様であ
る。この一連の動作において、コイル線1は、拘束ロー
ラ26により巻枠10の曲率とは逆の曲げ成形が与えら
れ、その後、巻枠10の曲率に曲げ成形されることにな
る。
【0010】ここで、張力付加装置6は、巻枠の曲率、
或いは、拘束ローラによる逆曲げ成形の最適角度に合わ
せ、コイル線1の張力を付加、調整する。特に、張力の
設定値は、巻枠の曲率、或いは、拘束ローラによる逆曲
げ成形の最適角度により決定され、外乱による張力変化
等は内蔵されたロードセル等のフィードバックにより補
正される。本実施形態では、張力付加装置6に送る指令
タイミングは、巻枠の回転角により決定するが、他手段
によっても可能であり、特に制限はない。図3の巻線作
業において、コイル線1に与える張力制御を付加するこ
とにより、コイル、コーナ部を成形する曲げ荷重が軽減
でき、スプリングバック量をさらに抑制でき、内部応力
の低減と均等化が図れるようになる。
【0011】図4は、図1のコイル線自動巻線装置にコ
イル線位置検出装置32を付加した構成を示す。コイル
線位置検出装置32は、巻線装置8の手前に配置され、
巻線時のコイル線1を上下方向及び巻枠10の幅方向で
ある前後方向(トラバース方向)の位置を検出する。
【0012】コイル線位置検出装置32の詳細を図5に
示す。図5において、33は位置検出用ローラであり、
円周部中心にはコイル線1を案内し得る溝を有する。ま
た、34はコイル線押さえ込みローラであり、軸35を
中心に上下方向に旋回でき、バネ等により上方向に押力
可能であり、位置検出ローラ33とで挾み込むことによ
り、コイル線1をクランプする機構となっている。前述
の位置検出ローラ33及び軸35等は、同一のテーブル
36に取り付けられ、位置検出ローラ33の溝がコイル
線1の移動に追従し、それに伴い、テーブル36は前後
方向に引かれたレール37により前後移動可能となる。
テーブル36及びレール37はテーブル38に取り付け
られ、テーブル38は上下方向に引かれたレール39に
より上下移動可能である。なお、テーブル38及びレー
ル39は取付け台40に取り付けられ、取付け台40は
巻線装置8の右側面にボルト締めされる。テーブル36
の前後方向移動量は、ポテンショメータ41によって前
後位置検出信号として検出され、また、テーブル38の
上下方向移動量は、ポテンショメータ42によって上下
位置検出信号として検出される。
【0013】コイル線位置検出装置32において、図6
に示すように、ポテンショメータ42によって検出した
上下位置検出信号は、巻線装置8の上下方向移動テーブ
ル21を動かす上下方向移動用モータ23にフィードバ
ックされ、また、ポテンショメータ41によって検出さ
れた前後位置検出信号は、前後方向移動テーブル17を
動かす前後方向移動用モータ19にフィードバックされ
る。そして、各ポテンショメータ41,42からのフィ
ードバックによる巻線位置は、設定巻線位置との差を取
り、その差が0もしくは設定値となるように制御され
る。これにより、パスラインの高さ及び前後方向の巻線
位置が最適化され、拘束ローラ26による逆曲げ成形の
曲率も一定化される。なお、ここでは、各ポテンショメ
ータからのフィードバックによる巻線位置の制御とし
て、設定巻線位置と現在の巻線位置との差を取ることと
しているが、選択に制限はなく、紙上に記載する限りで
はない。
【0014】次に、コイル線1の列の段落としについて
説明する。図3において、状態(4)を経過した後、巻
枠10が回動し、拘束ローラ26が巻枠10のコーナ部
の中間点に達した時、列の段落しが行われる。図7は、
列の段落とし動作において、拘束ローラ26を用いない
場合を示す。なお、図7においても主要部であるコイル
線1、巻枠10以外は図示しない。まず、巻枠10が回
動を停止する(1)。次に、巻枠10は、巻枠軸が角度
調整テーブル13により傾斜(θ度)させられる
(2)。この動作により段落し部の平行部から移行部へ
の形成が行われる。なお、この時、巻枠軸の傾斜(θ
度)によりコイル線1の前後位置が微妙に変化するが、
この変化量は、前後方向移動テーブル17の移動により
補正される。また、コイル線1の巻枠10との着支点は
コイル線1と巻枠10との摩擦により拘束されており、
拘束部が滑らないように張力付加装置6により張力が調
整される。次に、巻枠軸の角度を(2)の状態に保った
まま、巻枠10が回動することにより移行部を成形する
(3)。この時も上下方向移動テーブル21はパスライ
ンを変化させない制御が行われる。続いて、角度調整テ
ーブル13の動きにより巻枠軸が元の状態に戻される
(4)。なお、この時、巻枠軸の傾斜(θ度)によりコ
イル線1の前後位置が微妙に変化するが、この変化量
は、前後方向移動テーブル17の移動により補正され
る。また、コイル線1の巻枠10との着支点は、コイル
線1と巻枠10との摩擦により拘束されており、かつ、
前列のコイル線1がガイドの役目を果たす。以上の一連
の動作により列の変化が完了する。
【0015】図8は、列の段落とし動作において、拘束
ローラ26を用いる場合を示す。まず、巻枠10は回動
を停止し、また、拘束ローラ26は巻枠10に対して相
対的に止まった状態にある(1)。次に、巻枠10は角
度調整テーブル13により巻枠軸が水平旋回させられる
(2)。この動作により段落し部の平行部から移行部へ
の形成が行われる。なお、この時も前述の如く、巻枠軸
の傾斜(θ度)によりコイル線1の前後位置が微妙に変
化するが、この変化量は、前後方向移動テーブル17の
移動により補正される。さらに、張力付加装置6では拘
束部が滑らぬように張力調整を行う。次に、巻枠軸の角
度を(2)の状態に保ったまま、かつ、巻枠10の回動
角度を一定に保ったまま拘束ローラ26を紙面左方向に
移動する(3)。この時も上下方向移動テーブル21は
パスラインを変化させない制御が行われる。また、拘束
ローラ26の移動においては、コイル線1に巻枠10と
逆方向の曲率を与える動作及び張力付加装置6による張
力制御を行う。続いて、角度調整テーブル13の動きに
より巻枠軸が元の状態に戻される(4)。なお、この時
も巻枠軸の傾斜(θ度)によりコイル線1の前後位置が
微妙に変化するが、この変化量は、前後方向移動テーブ
ル17の移動により補正される。以上の一連の動作によ
り拘束ローラを用いた場合の列の変化が完了する。
【0016】図9は、巻線1周終了までの動作フローを
示す。初めに、コイル線1を巻枠10に係止し、油圧シ
リンダ25を下降する。このとき、拘束ローラ26がコ
イル線1の押圧を開始する。同時に、張力付加装置6が
作動し、コイル線1の張力付加、調整を開始し、巻線作
業がスタートする。まず、モータ12は停止、モータ3
0が正転して拘束ローラ26を図3(1)の位置(拘束
ローラの位置A点)から図3(2)の位置(拘束ローラ
の位置B点)に移動させ、ポテンショメータ42がパス
ラインの上下位置を検出してモータ23にフィードバッ
クし、モータ23を正転してパスラインが一定になるよ
うに上下方向移動テーブル21を上昇する。次に、モー
タ12が回転し、巻枠を回転(0→180度)し、モー
タ30が逆転し、拘束ローラ26を位置B点から位置A
点に戻す。モータ23はポテンショメータ42からのフ
ィードバックによりパスラインが一定になるように上下
方向移動テーブル21を移動する。続いて、モータ12
を停止させ、モータ30が正転して拘束ローラ26を位
置A点から位置B点に移動させ、ポテンショメータ42
からのフィードバックにより、モータ23を正転してパ
スラインが一定になるように上下方向移動テーブル21
を上昇する。次に、コイル線1の列の段落としを行うた
め、モータ15を正転し、巻枠軸を水平旋回して角度を
θ度にする。このとき、モータ30は逆転して拘束ロー
ラ26を位置B点から図8(3)の位置(拘束ローラの
位置B'点)に移動させ、ポテンショメータ41がパス
ラインの前後位置を検出してモータ19にフィードバッ
クし、モータ19を正転してパスラインが一定になるよ
うに前後方向移動テーブル17を移動する。次に、モー
タ12が回転し、巻枠を回転(180→360度)し、
モータ30が正転し、拘束ローラ26を位置B'点から
図8(2)の位置(拘束ローラの位置A'点)に移動す
る。モータ23はポテンショメータ42からのフィード
バックによりパスラインが一定になるように上下方向移
動テーブル21を移動する。続いて、モータ15を逆転
し、巻枠軸を水平旋回して角度を0度に戻す。このと
き、モータ30は正転して拘束ローラ26を位置A’点
から位置A点に移動させ、ポテンショメータ41からの
フィードバックにより、モータ19を正転してパスライ
ンが一定になるように前後方向移動テーブル17を移動
する。このようにして巻線1周の作業が終了する。
【0017】次に、コイル線1の層の段落しについて説
明する。コイル線1が巻枠10の最終列に到達すると、
コイル線1の層の段落しが行なわれる。図10は、図4
のコイル線自動巻線装置に層段落とし用前成形装置43
を付加した構成を示す。巻枠10の端部まで巻線が終了
し、トラバース方向を変え、前層を乗り上げて次層の巻
線作業に入る際、前層最終列のコイル線と次層最始列の
コイル線との擦れが発生するが、層段落とし用前成形装
置43は、その層変化の際、擦れの発生を防ぐため、予
めコイル線1に逃げ形状を成形する。
【0018】図11に、層段落とし用前成形装置43の
詳細を示す。図11において、44は予めコイル線1に
逃げ形状(曲げ形状)を成形するための下型(成形ヘッ
ド)であり、下型44は上下方向に引かれたレール45
及び油圧シリンダ46により上下方向移動可能な上下移
動テーブル47に直接取り付ける。また、48は上型
(成形ヘッド)であり、ガイド49を介して油圧シリン
ダ50により上下移動する。なお、ガイド49及び油圧
シリンダ50は上下移動テーブル47に取り付ける。レ
ール45及び油圧シリンダ46は、コイル線拘束装置9
の右側面に取り付けられたレール51及び油圧シリンダ
52により前後方向移動可能な前後移動テーブル53に
取り付ける。なお、上記において、型及び各テーブルの
移動手段として油圧シリンダを用いているが、選択に制
限はなく、紙上に記載する限りではない。
【0019】層段落とし用前成形装置43は、コイル線
1が巻枠10の最終列に到達する少し前、巻枠前方で成
形型により、コイル線1に半円状の逃げ形状を形成す
る。逃げ形状が形成されるコイル線1の位置は、巻線装
置8の上面に設けられたボールネジ31及び巻枠10の
回転角度等により任意に設定するが、本実施形態では、
逃げ形状が前層の最終列に乗り上げる位置を予め計算す
ることにより決定しておき、巻枠10の回転角により指
令を送る。なお、指令位置を検出する手段について、本
実施形態では巻枠10の回転角を適用するが、巻枠10
に接触センサ等を設ける等の手段でも良く、選択に制限
はなく、紙上に記載する限りではない。
【0020】次に、逃げ形状を形成する動作を図12に
より説明し、その動作フローを図13に示す。層段落と
し用前成形装置43は、通常、使われない時は、コイル
線1のパスラインに対し、上方かつ後方に待機している
(1)。層の段落としの逃げ形状の成形の必要がある場
合は以下の動作を行う。まず、油圧シリンダ46によ
り、下型44、上型48、油圧シリンダ50等は、上下
移動テーブル47ごと下方に移動する(2)。この時、
下型44の上面はコイル線1のパスラインよりも下方か
つ後方に、上型48の下面はコイル線1のパスラインよ
りも上方かつ後方に位置する。次に、下型44、上型4
8、油圧シリンダ50、上下移動テーブル47等は、前
後移動テーブル53ごと前方に油圧シリンダ52により
移動する(3)。この時、コイル線1は下型44と上型
48の間に位置する。次に、下型44は油圧シリンダ4
6によりコイル線1と接触する位置まで上昇され、この
位置において油圧シリンダ46は中間停止される
(4)。そして最後に、上型48は油圧シリンダ50に
より下降され、上下型44,48によってコイル線1を
挾み込み、所定形状に成形する(5)。コイル線1の層
の段落とし用前成形が終ると、層段落とし用成形装置4
3は、上述の手順とは全く逆の手順で初期位置まで戻さ
れる。以上の動作によって層の段落とし用の逃げ形状の
成形は終了する。
【0021】次に、逃げ形状が層の段落し部に達したと
きの層の段落とし方法を図14により説明する。層の段
落としの逃げ形状が成形される時の巻枠10及び拘束ロ
ーラ26の状態を示す(1)。逃げ形状が層の段落し部
に達したとき、巻枠10は回動を停止する(2)。次
に、巻枠10は角度調整テーブル13により巻枠軸が水
平旋回される(3)。なお、この時、巻枠軸の旋回方向
は1層目の列の変化における旋回方向とは逆方向であ
る。また、この時、拘束ローラ26は、着支点を押圧し
続ける。また、この時も巻枠軸の傾斜(θ度)によりコ
イル線1の前後位置が微妙に変化するが、この変化量
は、前後方向移動テーブル17の移動により補正され
る。この動作により、平行部から移行部への形成が行わ
れる。次に、拘束ローラ26は、押圧をやめ、巻枠10
の上方へ上昇する(4)。次に、巻枠軸の角度は(4)
の状態に保ったまま、かつ、巻枠が回動することにより
移行部を成形する(5)。この時に、素材の逃げ形状部
分が前層の最終列を擦れることなく乗り上げ、層変化が
行われる。なお、この時も上下方向移動テーブル21
は、パスラインを変化させない制御が行われる。次に、
拘束ローラ26は降下され、巻枠10の着支点を再び押
圧する(6)。そして最後に、角度調整テーブル13の
動きにより巻枠軸が元の状態に戻される(7)。なお、
この時も巻枠軸の傾斜(θ度)によりコイル線1の前後
位置が微妙に変化するが、この変化量は、前後方向移動
テーブル17の移動により補正される。以上、一連の動
作により層の変化が完了する。なお、この一連の動作に
おいて、張力付加装置6では逃げ形状を潰さぬように張
力を軽減或いは調整する。
【0022】図15に、層の段落としの動作フローを示
す。上記したように層の段落としの逃げ形状が成形さ
れ、逃げ形状が層の段落し部に達すると、層変化動作を
開始する(図12の(1)(2))。まず、巻枠10は
回動を停止し、モータ15が逆転し、角度調整テーブル
13により巻枠軸を水平旋回し、角度を−θ度に置く。
このときの拘束ローラ26は、モータ30が正転し、図
3(2)の位置(拘束ローラの位置B点)から図12
(3)の位置(拘束ローラの位置B''点)に移る。ま
た、ポテンショメータ41はパスラインの前後位置を検
出してモータ19にフィードバックし、モータ19を正
転してパスラインが一定になるように前後方向移動テー
ブル17を移動する(図12の(3))。続いて、逃げ
形状が潰れないように張力付加装置6の張力を弱める。
次に、油圧シリンダ25を上昇し、拘束ローラ26を上
昇移動させる(図12の(4))。この状態において、
モータ12が回転し、巻枠10を回転(180〜360
度)し(図12の(5))、モータ30は、拘束ローラ
26を位置B''点から図12(6)の位置(拘束ローラ
の位置A''点)に移るように、正転する。また、ポテン
ショメータ42からパスラインの前後位置を検出してモ
ータ23にフィードバックし、モータ23を正転してパ
スラインが一定になるように前後方向移動テーブル17
を移動する。続いて、油圧シリンダ25を下降し、拘束
ローラ26を下降移動させる(図12の(6))。ここ
で張力付加装置6の張力を強める。次に、モータ15が
正転し、角度調整テーブル13により巻枠軸を水平旋回
し、角度を0度に戻し、このときの拘束ローラ26は、
モータ30が逆転し、位置A''点から図3(1)の位置
(拘束ローラの位置A点)に移る。また、ポテンショメ
ータ41からのフィードバックにより、モータ19を正
転してパスラインが一定になるように前後方向移動テー
ブル17を移動し、初期の状態に戻る(図12の
(7))。このようにして層の変化の動作が完了する。
【0023】図16は、本発明に適用する巻枠の他の実
施形態を示す。本発明に適用する巻枠について、成形コ
イルの軸方向長さと巻枠の軸(幅)方向長さが同一であ
る場合、コイル成形過程において各層の最終列巻線時、
巻枠のつば部とコイル線が擦れあう危険性を伴う。ま
た、成形コイルの軸方向長さに対し、巻枠の軸(幅)方
向長さが長い場合は、緻密なコイル成形が不可能とな
る。図16に示す巻枠10’は上記問題を解決する。
【0024】図16において、巻枠10’は、軸方向に
2分割した型、つまり、分割型54と分割型55に分
け、分割型55は分割型54の外周をガイドとして挿入
し、巻枠軸(幅)方向に摺動可能とする。ボルト58お
よびバネ59は、分割型55の脱落防止、或いは、巻枠
を巻線装置から外したときの分割型55の締め付け手
段、さらには分割型55を閉じるときの力を補助するた
めに付加された手段として用いる。なお、これについて
は特には限定しない。本実施形態の巻枠10’は、巻線
作業中は2分割した分割型54と分割型55を開いてお
く。そして、一層分の巻線が終了した後、巻枠の2分割
した分割型54と分割型55を閉じてコイル線同志を密
着させ、緻密なコイル成形を行う。
【0025】次に、図17に、巻枠10’を巻線装置に
装着したときの状態を示す。56は角度調整テーブル1
3に取り付けられた油圧シリンダ等の押圧手段、57は
巻枠軸(幅)中心にあけられた穴に通されたロッドを示
す。油圧シリンダ等の押圧手段56により発生した力
は、ロッド57により分割型55に伝達され、分割型5
5を巻枠軸(幅)方向に摺動する。
【0026】図18は、巻枠10’の動作を説明する。
通常巻線時、図18(1)に示すように、分割型55は
油圧シリンダ56により開かれた状態で巻線作業が行わ
れる。これにより、コイル線同志が擦れあうことなく巻
線され、かつ、各層の最終列巻線時もコイル線が巻枠の
つば部に擦れることはない。次に、図18(2)に示す
ように、一層分の巻線作業が終了すると、ロッド57は
矢印のように引っ込み、分割型55により巻き付けられ
た一層分のコイル線は密着され、緻密に整列される。分
割型55の引っ込む動作は、油圧シリンダ等の押圧手段
56による力でもバネ59による反力でもよく、限定は
しない。上記動作は、各層巻線終了時にも同様に行われ
る。なお、分割型55によるパスラインの変化は、コイ
ル線位置検出装置32により検知され、前後方向移動テ
ーブル17の移動によりパスラインは常に一定化され
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
巻枠の回動運動に対応して巻線されるコイル線表面を巻
枠に接触する前に連続して押圧し、同時に巻枠の曲率と
は反対方向に曲率を与えるので、成形されたコイル線が
巻枠に対し、よく沿い、巻線の成形性の向上を図ること
ができる。また、巻枠回転とコイル線の押圧制御に対し
て張力制御を行うことにより、コーナ部を成形するコイ
ル線の曲げ荷重を軽減するとともに、スプリングバック
量を抑制することができ、内部応力の低減と均等化が図
られ、また、巻枠の回動に従って巻枠の位置を上下移動
させることにより、コイル線のパスラインを一定に保持
することができ、この結果、巻線の成形性及び巻線精度
の向上を図ることができる。また、巻線装置の上下移動
機構及びトラバース機構による位置決めにコイル位置検
出量をフィードバックさせることにより、コイル線のパ
スラインを一定に保ち、コイル線に発生する不必要な歪
を与えることなく、自動巻線することが可能となる。さ
らに、位置検出装置は、コイル線に追従させる構造であ
り、小型で駆動源が不要となる。また、巻枠に巻線する
コイル線の列を変える際、巻枠の回動角を一定に保持し
たままコイル線の押圧点を移動させるとともに、張力制
御を行うことにより、列の段落としのコーナ部の成形性
を向上させることができる。また、巻枠の端部まで巻線
が終了し、トラバース方向を変え、前層を乗り上げて次
層の巻線作業に入る際、予めコイル線に逃げ形状を成形
するので、前層最終列のコイル線と次層最始列のコイル
線との擦れが発生せず、コイル線或いはコイル線に施さ
れた絶縁処理を破損することはない。また、開閉可能な
分割型の巻枠を採用することにより、コイル線に発生す
る擦れの問題、成形コイルの軸方向の緩み(密着性)の
問題が解消され、性能、形状とも良好なコイルの成形が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すコイル線自動巻線装
置の構成図
【図2】巻線装置及びコイル線拘束装置の詳細図
【図3】巻線装置及びコイル線拘束装置による巻線方法
の説明図
【図4】図1のコイル線自動巻線装置にコイル線位置検
出装置を付加した構成図
【図5】コイル線位置検出装置の詳細図
【図6】フィードバックの構成を示すブロック図
【図7】列の段落としを示す概略図
【図8】列の段落としを示す概略図
【図9】巻線1周終了までの動作フロー
【図10】図4のコイル線自動巻線装置に層段落とし用
前成形装置を付加した構成図
【図11】層段落とし用前成形装置の詳細図
【図12】逃げ形状を形成する動作を示す概略図
【図13】逃げ形状を形成する動作フロー
【図14】層の段落としを示す概略図
【図15】層の段落としの動作フロー
【図16】本発明に適用する巻枠の他の実施形態
【図17】図16の巻枠を巻線装置に装着したときの状
態図
【図18】図16の巻枠の動作をを示す概略図
【図19】コイル形状を示す図
【図20】列の段落とし部を示す図
【符号の説明】
1 コイル線 2 コイルドラム 6 張力付加装置 8 巻線装置 9 コイル線拘束装置 10 巻枠 11 巻枠取付け台 12 モータ(巻枠駆動用) 13 角度調整テーブル 14 ボールネジ(水平旋回用) 15 モータ(水平旋回用) 16 水平旋回軸 17 前後方向移動テーブル 18 レール(前後方向) 19 モータ(トラバース用) 20 ボールネジ(トラバース用) 21 上下方向移動テーブル 22 レール(上下方向) 23 モータ(上下方向移動用) 24 ボールネジ(上下方向移動用) 25 油圧シリンダ(押圧手段) 26 拘束ローラ 27 拘束ローラ固定テーブル 28 テーブル(コイル線拘束装置) 29 レール(コイル線拘束装置移動用) 30 モータ(コイル線拘束装置移動用) 31 ボールネジ(コイル線拘束装置移動用) 32 コイル線位置検出装置 33 位置検出用ローラ 34 コイル線押さえ込みローラ 35 軸(コイル線押さえ込みローラ用) 36 テーブル(コイル線押さえ込みローラ用) 37 レール(前後方向、コイル線位置検出装置) 38 テーブル(上下方向、コイル線位置検出装置) 39 レール(上下方向、コイル線位置検出装置) 40 取付け台(コイル線位置検出装置) 41 ポテンショメータ(前後位置検出手段) 42 ポテンショメータ(上下位置検出手段) 43 層段落とし用前成形装置 44 下型 45 レール(上下移動テーブル上下移動用) 46 油圧シリンダ(上下移動テーブル移動手段) 47 上下移動テーブル 48 上型 49 ガイド(上型摺動用) 50 油圧シリンダ(上型駆動手段) 51 レール(前後方向、層段落とし用前成形装置) 52 油圧シリンダ(前後移動テーブル駆動用) 53 前後移動テーブル(層段落とし用前成形装置) 54 分割型(取付け側) 55 分割型(つば部移動側) 56 油圧シリンダ(分割型開閉動作用) 57 ロッド(分割型開閉動作用) A点 図3の(1)の拘束ローラの位置 B点 図3の(2)の拘束ローラの位置 A'点 図8の(2)の拘束ローラの位置 B'点 図8の(3)の拘束ローラの位置 A''点 図14の(6)の拘束ローラの位置 B''点 図14の(3)の拘束ローラの位置
フロントページの続き (72)発明者 井上 辰男 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 角田 智也 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 石森 謙一郎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予めコイル線を巻き付けたドラムから供
    給されるコイル線の形状を矯正し、クランプあるいは拘
    束してコイル線に対して張力調整し、テーピングを行っ
    た後にコイル線を巻枠に巻線するコイル線自動巻線装置
    において、任意形状の巻枠を取り付ける巻枠取付け台を
    具備した巻枠回転機構と、この巻枠回転機構をコイル線
    の供給方向に対して直角方向に水平揺動可能な首振り機
    構と、この首振り機構をコイル線の供給方向に対して巻
    枠のトラバース方向に移動可能なトラバース機構と、こ
    のトラバース機構を上下方向に移動する上下移動機構
    と、コイル線を巻枠の巻き付け面に押し付け可能なコイ
    ル線拘束機構と、それぞれ任意位置決め可能な駆動機構
    を設けることを特徴とするコイル線自動巻線装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、コイル線拘束機構
    は、巻枠にコイル線を巻線する際に、押し付け力を必要
    に応じて任意に可変制御する押付け手段と、この押付け
    手段をコイル供給方向に移動可能な手段を備えることを
    特徴とするコイル線自動巻線装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、巻枠
    の手前に配置し、コイル線の上下方向及び巻枠のトラバ
    ース方向である前後方向の位置を検出するコイル線位置
    検出装置を設け、この検出装置の出力を用いて上下移動
    機構及びトラバース機構をコイル線の動きに合わせて駆
    動することを特徴とするコイル線自動巻線装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3にお
    いて、巻枠に一層目の巻線が終了し、次に二層目に移る
    際のコイル線に逃げ形状を成形する成形ヘッドと、この
    成形ヘッドを上下方向及びトラバース方向に移動させる
    成形ヘッド移動機構と、この成形ヘッド移動機構をコイ
    ル線供給方向に位置決めするヘッド位置決め機構からな
    る層段落とし用前成形装置を設けることを特徴とするコ
    イル線自動巻線装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかにおい
    て、巻枠は、その幅方向に二分割した分割型とし、一方
    の分割巻枠を巻枠軸方向に摺動する自動開閉タイプの巻
    型を形成し、この巻型を開いた状態で一層分の巻線を終
    了させた後、巻型を閉じてコイル線同志を密着させるこ
    とを特徴とするコイル線自動巻線装置。
  6. 【請求項6】 予めコイル線を巻き付けたドラムから供
    給されるコイル線の形状を矯正し、クランプあるいは拘
    束してコイル線に対して張力調整し、テーピングを行っ
    た後にコイル線を巻枠に巻取るコイル線自動巻線方法に
    おいて、任意の曲率を有する巻枠に巻線を行う際、巻枠
    の回転角を最適傾斜角度に保持した後、コイル線と巻枠
    との着支点を拘束ローラにより押し付け、この拘束ロー
    ラを着支点に添ってコイル線供給方向に移動しながら、
    巻線前に巻枠の曲率と逆の曲げ成形をコイル線に与えた
    後、巻線時に巻枠の曲率に曲げ成形するとともに、コイ
    ル線に付加する張力を制御することを特徴とするコイル
    線自動巻線方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、巻線前に巻枠の曲率
    と逆の曲げ成形をコイル線に与える際、コイル線の上下
    方向及び巻枠のトラバース方向である前後方向の位置を
    検出し、コイル線のパスラインが常に一定となるように
    巻枠をコイル線の上下方向及び巻枠のトラバース方向に
    位置制御することを特徴とするコイル線自動巻線方法。
  8. 【請求項8】 請求項6において、巻枠に巻線するコイ
    ル線の列を変える際、巻枠の巻枠軸を水平旋回し、この
    時コイル線の張力調整を行い、続いて、巻枠の回動角を
    一定に保持したまま拘束ローラを着支点に移動するとと
    もに、この時コイル線に巻枠と逆方向の曲率を与えると
    同時に、張力制御を行い、コイル線の列の段落としを実
    行することを特徴とするコイル線自動巻線方法。
  9. 【請求項9】 請求項6において、巻枠に巻線するコイ
    ル線の層を変える際、逃げ形状が巻枠の層の段落し部に
    達したとき、巻枠の回動を停止するとともに、巻枠の巻
    枠軸を水平旋回し、巻枠軸の角度を保持したまま、か
    つ、巻枠を回動して移行部を成形し、最後に、巻枠軸を
    水平旋回して元の状態に戻し、この時逃げ形状を潰さぬ
    ように張力調整し、コイル線の層の段落としを実行する
    ことを特徴とするコイル線自動巻線方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において、逃げ形状を形成す
    るコイル線の位置は、この逃げ形状が前層の最終列に乗
    り上げる位置を予め計算し、設定することを特徴とする
    コイル線自動巻線方法。
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