JP2001231223A - コイル及びその製造方法 - Google Patents

コイル及びその製造方法

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宏樹 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル全体の高さ寸法を小さくする。 【解決手段】 金属製の導線Lを高さ方向に複数段、巻
回して構成されるコイルにおいて、金属製の導線Lを高
さ方向に複数段、巻回してコイル6を製造する方法であ
って、前記導線Lを、前記各段の巻き始め部から巻き終
わり部までほぼ同一平面内で巻回させ、当該段の巻き終
わり部から次の段の巻き始め部への移行部分に傾斜部K
1〜K4を設ける。これにより、単に螺旋状に巻回して
形成したコイルに比較して、コイル6全体の高さを低く
することができる。したがって、高さ方向に制約がある
スペースに収容されるコイル6にとって占積率の向上が
達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コイル及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電動機あるいは発電機等の回転機は、通
常、固定子(ステータ)と回転子(ロータ)とを備え、
さらにステータはコアとその内部に装着されるコイルと
からなっている。こうした回転機の性能は、コイルの導
線の密度(占積率)が高いほど高くなるため、回転機の
設計上、巻回数をいかに増加させるかは重要な課題とな
る。
【0003】ところで、コイルの装着の方式として、次
のような方式が知られている。すなわち、ステータが、
コアバックと呼ばれる円筒状の部材と、このコアバック
内に組み込まれ、ティースと呼ばれる複数の歯を外方へ
放射状に有するティース部材とによって形成されている
ものにおいては、それぞれエレメント化された複数個の
コイルを各ティースに巻装してゆき、これらを隣接する
もの同士で順に接続してゆく方式である。そのようなも
のにあって、各ティース間とコアバックとで囲まれた空
間は、隣り合うコイル同士を収容する空間(スロット)
となるが、各スロットは外周側へいくにつれティース間
の間隔が拡大してゆくため、ティースに嵌合させたコイ
ルは、スロットの外周側へゆくにつれスロット内の空間
の空きが大きくなり、スロット内の空間占有率が徐々に
低下してゆく。したがって、このままでは、到底、占積
率の向上は達成されない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、導線を丸線の
まま使用するのでなく、導線を巻回時の積み上げ方向
(コイルの高さ方向)から圧潰して成形することが考え
られる。具体的には、スロットの外周側に行くに連れて
潰し率を増すようにすれば、スロットの外周側へ行くに
つれ導線の幅が増加し、このことが同時に巻回段数を増
やすことにもつながるため、占積率の向上が図れる。
【0005】しかしながら、このような対策を施しても
未だ充分とは言えない。すなわち、導線は図19に示す
ように螺旋状に巻回されてゆくため、コイルCO全体と
しての巻回段数がNであっても、全体の巻き始めから巻
き終わりまでの高さ(H)は(N+1)段に相当する高
さ寸法となってしまう。したがって、このような巻回構
造は、コイルを高さ方向に制約がある収容スペース内に
組み込む場合には、不都合なものとなる。本発明は上記
した事情に鑑みて開発工夫されたものであり、その目的
はコイル全体の高さ寸法を小さくして占積率の向上に寄
与するコイル及びその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1の発明は、金属製の導線を高さ方向に複数
段、巻回してコイルを製造する方法であって、前記導線
を、前記各段の巻き始め部から巻き終わり部までほぼ同
一平面内で巻回させ、当該段の巻き終わり部から次の段
の巻き始め部への移行部分を傾斜変形させることを特徴
とするものである。また請求項2の発明は、請求項1記
載のものにおいて、前記導線を、前記巻回の段の重なり
方向に沿って厚みが増加あるいは減少するように圧潰す
る圧延工程を含むことを特徴とするものである。さらに
請求項3の発明は、金属製の導線を高さ方向に複数段、
巻回してなるコイルであって、巻回の各段の巻き始め部
から巻き終わり部まではほぼ同一平面内で巻回され、当
該段の巻き終わり部から次の段の巻き始め部へ移行する
領域が傾斜して形成されていることを特徴とするもので
ある。さらにまた請求項4の発明は、請求項3記載のも
のにおいて、前記導線は、前記巻回の段の重なり方向に
沿って厚みが増加あるいは減少するように圧潰された部
分を含むことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の作用および効果】請求項1、3の発明によれ
ば、巻回の段の移行部を傾斜させることでつぎの段に連
続させるようにしている。このように製造することで、
コイル全体の高さ寸法を低く抑えることができ、したが
って、占積率の向上に寄与することができる。また請求
項2,4の発明によれば、導線の厚みが巻回の段の重な
り方向に沿って増加或いは減少するように圧潰されてい
るため、コイルを、幅方向にはゆとりがあるが高さ方向
にはゆとりの少ないスペースに収納させる場合に有益で
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。但し、この実施形態においては、
自動車のステアリングの操舵をアシストするためのアシ
スト用モータに適用されたものを例にとって説明する。
しかし、この発明は種々のモータに適用することが可能
であり、またモータに限らず発電機を含んだ種々の回転
機にも適用できる。
【0009】本実施形態におけるアシスト用モータは、
ステータ1と図示はしないがステータ1の中心部に組み
込まれるロータとを有してなる。図1に示すステータ1
はコア2とコイル成形体3とからなっており、さらに、
コア2はコアバック4とティース部材5とからなってい
る。コアバック4はほぼ円筒状に形成され、その内周面
には等角度毎にかつ全長にわたって多数のスリット7が
刻設されている。ティース部材5は、このコアバック4
内に同心で収容可能な円環状をなすとともに、その外周
面には上記スリット7と対応して同数本のティース8が
全長にわたって放射状に突出している。各ティース8の
先端面には各スリット7内に適合して嵌め込み可能な幅
狭の位置決め部8Aが全長にわたって突出形成されてい
る。そして、各ティース8がスリット7にそれぞれ嵌め
込まれた状態で、ティース部材5がコアバック4内に収
容されると、隣接するティース8間とコアバック4の内
壁面とで囲まれた平面扇状をなす空間がスロット9にな
る。
【0010】コイル成形体3は各ティース8に嵌合され
た状態でティース部材5に対する組付けがなされ、その
状態でティース部材5はコアバック4内に組み込まれ
る。これによって、コイル成形体3は当該ティース8の
両側に位置するスロット9にそれぞれ半分ずつが収容さ
れる。また、コイル成形体3は、この実施形態では導線
を5段に巻回してなるコイル6(図10参照)の内周側
及び外周側のいずれをも、インサート成形によって所定
形状に成形された絶縁部10内に埋め込んでなる(図1
1参照)。絶縁部10は合成樹脂製であり、この実施形
態では流動性に優れかつ耐熱性に優れるPPS(ポリフ
ェニリンスルフィド)が使用された。コイル成形体3
は、スロット9の空間形状に対応して外周側に拡開する
平断面が扇形状をなすように形成され、かつその内周側
の側面から外周側の側面にかけて窓孔11が貫通して形
成され、ティース8へ嵌合可能である。また、コイル成
形体3の下面にはコイル6の両端6a、6bが引き出さ
れている。各引き出されたものの端部は、コイル成形体
3がコア2内に装着されたときに、隣接するもの同士が
図示しない接続金具によって順次接続されるようになっ
ている。
【0011】コイル成形体3内のコイル6は図12に示
すように、巻回段毎に圧潰の程度が設定され、概略的に
はコア2の外周側に近づくにつれ平面状に潰される度合
いが強くしてある。この実施形態では、最も内周側に位
置する一段目は、導線Lの素材そのままで圧潰されない
ものとなっているが、2段目〜4段目にかけては徐々に
厚みが小さく、逆に幅広になるよう徐々に強く圧潰され
るようにしている。そして、4段目と5段目は同じ圧潰
率としてある。なお、導線Lは、銅等の金属線とその表
面を絶縁被覆する絶縁被膜とからなっている。
【0012】コイル6は、具体的には、2.2mΦの導
線Lを加工したものであるが、コイル成形体3の一段目
の厚みは2.2mmのままであり、二段目では1.6mm、
三段面は1.4mm、四段目、五段目が共に1.3mmとし
てある。勿論、こうした圧潰の程度は要求される性能、
スロット9の形状に応じて種々変更されるべきものであ
り、ここに示したものは一例にしか過ぎない。
【0013】また、コイル6の両端は共に同一方向に引
き出されており、かつ導線Lが巻回されている各段にお
いて、コイル6の両端6a,6bが引き出される側の縁
部はそれぞれヘの字状をなして形成されている。つま
り、コイル6の各段において、巻き始め部(図10中、
S2は二段目の巻き始め部を表わしている)から巻き終
わり部(同じくF2は二段目の巻き終わり部を表してい
る)に至るまではほほ同一平面内で巻回されているが、
次の段への移行部においては上向き勾配の傾斜部K1〜
K4が形成され、少なくとも当該段の素線Lの厚み以上
の高さ分だけ持ち上げられるようになっている。これに
よって、コイル6の全高(h)は、従来と異なり、巻回
の段数以上に増加してしまうことがなく、また上下の面
はそれぞれ全体として平坦面となるため、姿勢の安定化
も図れる。
【0014】次に、コイル6の成形手順について説明す
る。コイル6は上記したように、丸線の導線Lを加工し
たものである。すなわち、導線Lはリール12上に巻か
れており、成形ラインの途中に配された一対の繰り出し
ローラ13によって繰り出し可能となっている。本実施
形態では、リール12に近い箇所に導線Lにバックテン
ション(送り方向とは逆方向の引っ張り力)を作用させ
るためのテンションローラ14も配されている。このよ
うにする理由は、繰り出された導線Lにはリール12に
よる巻き癖がついているため、これを矯正して導線Lの
直線性を確保するためである。
【0015】導線Lは、繰り出しローラ13とテンショ
ンローラ14との間で圧延工程を経る。圧延工程には開
閉可能な上下の型15a,bが備えられており、型閉じ
によって一つのコイル6に相当する長さ分を一括して成
形できるよう、両型15a,bの対向面は成形面となっ
ている。この成形面は図4に示すように、導線Lの送り
方向における前側(図示右側)から順に両型間の隙間寸
法が増すような成形凹部16が複数段階に形成されてお
り、これによって巻回の各段に相当する長さ寸法の範囲
が、上記した厚み寸法で圧潰されることになる。つま
り、図4におけるAに示す領域が上記したコイル6の
4,5段目を、Bに示す領域がコイル6の3段目を、C
に示す領域がコイル6の2段目をそれぞれ、Dに示す型
外の領域がコイル6の1段目をそれぞれ加工する領域と
して設定されている。図5はこうして加工された導線L
の平面図であり、図中A’〜D’は前記したA〜Dの各
領域で成形された部分に対応している。なお、導線Lに
対する加工がなされる場合に、後述するコイリング工程
において巻回されるときの内周側となる縁部が長さ方向
に沿ってやや薄肉に圧潰されるよう、各成形凹部16の
形状が設定されている。これについては、コイリング工
程の説明において改めて説明する。
【0016】こうして成形がなされた導線Lは、コイリ
ング工程を経るが、この実施形態ではコイリング工程の
前に押さえ工程が設定されている。すなわち、圧延工程
では導線Lの上下の面が平面をなすように圧潰される部
分を含むが、これをコイリング工程で巻回する際に、導
線Lの平面を含む面内で巻回しようとするため、導線L
は巻回時の内周側から外周側にかけてテーパー面をなす
ように変形しようとする。したがって、そのままでは平
面状に積み上げて巻回できなってしまう。押さえ工程は
こうしたテーパー面を形成しようとする導線Lの変形を
コイリング工程に先立って規制しておくためのものであ
る。
【0017】具体的には、図6に示すように、受け台1
7とホルダー部18とよりなる規制装置が設けられてい
る。受け台17の上面には、導線Lを通過させる溝部1
7Aが導線Lの送り方向に沿って刻設されている。一
方、ホルダー部18はこの溝部17Aを横切る方向に配
され、その一端部は受け台17に対し傾動できるよう、
ヒンジによって取り付けられている。また、ホルダー部
18の他端側は駆動シリンダ19等の押圧手段が接続さ
れていて、導線Lに対する送りに支障を来さない程度で
押圧方向の力を作用するようになっている。これによっ
て、複数段階の厚み寸法をもって成形された導線Lがこ
こを通過するときに、コイリング中であれば反り上がり
を規制し、通常の送り動作中であれば溝部17Aからの
浮き上がりを規制するため、常に導線Lの水平状態が保
持される。
【0018】コイリング工程では、成形された導線Lに
対し複数段(5段)の巻回がなされる。コイリング工程
には、導線Lの送りライン側方に密着して巻き軸20が
配置されている。また、この巻き軸20とは導線Lを挟
んだ外側位置には可動ローラ21が配されている。可動
ローラ21は、図7に示すように、導線Lに対する所定
ピッチの送り毎に、巻き軸20周りに旋回するようにし
てあり、この可動ローラ21が所定タイミングで旋回動
作を行うことによって、導線Lは巻き軸20周りに順次
巻回されてゆく。この場合、可動ローラ21が旋回した
ときの終端位置は図7に示す如く、導線LをUターン状
態よりもさらに内側へ過剰な曲げがなされるようにして
いる。これは、導線Lのスプリングバックを見越して導
線Lの正しいUターン状態が得られるようにしておくた
めである。なお、詳細に図示はしないが、巻回がなされ
た導線Lが次回の巻回がなされる部分と干渉しないよ
う、上方へ誘導するような斜面をもったガイド手段が適
宜配されている。
【0019】コイリング工程においては、幅寸法が複数
段に異なる導線Lを巻回させる関係で、可動ローラ21
は、図9に示すように、外径の異なるローラ部21a〜
21dが高さ方向に複数段(4段)積み上げられた構成
となっているとともに、可動ローラ21は巻回段の導線
Lの幅寸法に対応して所定タイミング毎に軸方向に沿っ
て移動可能となっている。各ローラ部には、導線Lの縁
部を嵌め入れて導線Lの送りと巻回動作を案内する案内
溝22が形成されている(必要に応じて巻き軸20の周
面にも設けられる)。そして、各ローラとの巻き軸20
の案内溝22間の間隔は、前記した導線Lに設定された
複数段の幅寸法に対応した寸法となっている。
【0020】圧延工程では、圧延加工がされた導線Lの
うちコイル6の内周側に位置する縁部はやや薄肉にして
あることは既に述べた(図8(A)におけるT1>T
2)。これは、コイリングがなされる場合に導線Lは、
可動ローラ21によって巻き軸20の周面に強く圧縮さ
れ、その場合には内周縁部L1が潰れ、このままでは導
線Lの厚みが幅方向に不均一となってしまうため、この
潰れ分を考慮して予め内周側縁部を薄肉にしておくわけ
である。こうすることで、導線Lが巻き軸20に押し付
けられて通過して行く過程で、導線Lの内周縁部に潰れ
が生じ、コイリング後に全幅の厚みの均一化がもたらさ
れる。
【0021】上記のようにして導線Lに対する所定回数
の巻回がなされたら、導線Lは巻き軸20の手前に配置
された一対のカッター23によって切断がなされ(カッ
ティング工程)。これによって、導線Lはコイル6とな
って取り出される。
【0022】取り出されたコイル6は、次工程であるプ
レス工程へ移送される。プレス工程には、上下一対のプ
レス型30,31が備えられている。上下のプレス型3
0,31の対向面(成形面)には、それぞれ成形用の凹
凸部30a,31aが形成されている。図13に示すよ
うに、上側のプレス型30の成形面には成形凸部30a
が形成され、下側のプレス型31の成形面には成形凸部
30aに適合する成形凹部31aが形成されている。但
し、成形凹部31a及び成形凸部30aは、両成形面の
うち前記した傾斜部K1〜K4(コイルの各段において
次の段への移行部)の成形に係る箇所にのみ形成されて
いる。
【0023】コイリング、カッティング工程を経て得ら
れたコイル6は、まず下側のプレス型に位置決めされた
状態でセットされ(図13参照)、その後、上側のプレ
ス型30が閉じられるが、この過程で、成形凸部30a
はコイル6の最上段における傾斜部対応箇所を押し込
む。図14はコイル6に対する成形途上を示している。
さらに、上側プレス型30が下降すると、コイル6の各
段における上記傾斜部対応箇所を一括して押し込み、最
下段の部分を下側プレス型31の成形凹部31a内に落
ち込んで押し付ける。これによって、各傾斜部対応箇所
は弾性限界を越えて変形するが、上側プレス型30の上
昇によってプレス状態から解放されると、一定のスプリ
ングバックが生じる。その結果、塑性変形した各傾斜部
対応箇所は曲げ量が減じ、巻回の各段における傾斜部を
除く他の範囲がほぼ面一をなす状態にまで復元する。つ
まり、上下の成形凹部31aあるいは成形凸部30aの
深さあるいは突出高さは、上記したスプリングバックに
よる戻りにほぼ相当する量に等しく設定されているわけ
である。
【0024】コイル6は、続いてインサート成形用金型
(図示しない)に仕掛けられ、型閉じされた状態でキャ
ビティ内に溶融樹脂(PPS樹脂)が射出され、型開き
した後には前述した所定形状のコイル成形体3が得られ
る。
【0025】以上のように、本実施形態ではコイルの各
段において次の段への移行部分に傾斜部を設けること
で、同一段ではほぼ同一面をなすように巻回させること
ができる。したがって、従来の単に螺旋巻きしているも
のと比較してコイル6の全高を低くすることができる。
これによって径方向への寸法が強く制約されるスロット
9内に収容されるコイル成形体3にとって、コイル6の
低背化は極めて有効であり、占積率の向上と共にモータ
の小型化に寄与することができる。
【0026】さらに、本実施形態では圧延、コイリン
グ、カッティングの各工程を経てコイル6に至るまで、
導線Lを連続体のままで加工することができる。したが
って、工程間の移し替えの手間もなく、効率よくコイル
6及びコイル成形体3を製造することができる。また、
コイル6をそれぞれセグメント化した成形体としたた
め、コイル6単体でティース8へ装着する場合に比較し
て取付けが円滑であり、コイル6を損傷させてしまうこ
ともない。さらに、このように成形体としたことによっ
て放熱性にも優れたものとなる。
【0027】図16はコイル成形体3の他の実施形態を
示すものである。この実施形態におけるコイル成形体3
は絶縁部10の外面および窓孔11の内面に、それぞれ
幅方向に沿って、つまりティース8への嵌め込み方向に
沿って複数の凹凸部24a,b,27a,bが形成され
ている。絶縁部10の外面に設けられた凹凸部24a,
bは、図17に示すように、左右の側面で配列の位相が
ずれており、コイル成形体3がティース8へ装着された
場合に、隣接するコイル成形体3同士で噛み合うように
なっている。こうするとこで、コイル成形体3の装着が
案内されるとともに、相互の噛み合いによってコイル成
形体3の位置ずれも規制できる。また、窓孔11に設け
た凹凸部24a,bはティース8に対する接触面積を減
らすことで、嵌合抵抗を減少させて装着の円滑性を確保
できるようにしている。
【0028】図18は圧延工程の他の実施形態を示すも
のである。前記した実施形態では、導線Lの圧延をプレ
ス型によって行なったが、図示のような一対の圧延ロー
ラ25によって行うことも可能である。その場合、圧延
ローラ25の周面には、コイル6の巻回の段に対応した
幅及び深さの異なる成形溝26が連続して形成されてい
る。なお、圧延ローラ25は複数対設け、圧延工程を多
段に行うようにすることもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステータの分解斜視図
【図2】コアの平断面図
【図3】コイルの製造工程を示す説明図
【図4】圧延工程を示す正断面図
【図5】圧延された後の導線を示す平面図
【図6】押さえ治具を示す断面図
【図7】コイリング工程の概要を示す平断面図
【図8】(a)はコイルが巻き軸に圧接される前の状況
を示す断面図、(b)は圧接後の状況を示す断面図
【図9】可動ローラを示す斜視図
【図10】コイルを引き出し端部側から見た正面図
【図11】コイル成形体を示す斜視図
【図12】コイル成形体の平断面図
【図13】コイルをプレス型にセットした状態を示す断
面図
【図14】成形途上を示す断面図
【図15】上下のプレス型が閉じられた状態を示す断面
【図16】他の実施形態におけるコイル成形体を示す斜
視図
【図17】同じくティース部材への装着状態を示す正断
面図
【図18】圧延工程の他の形態を示す斜視図
【図19】従来のコイルを示す断面図
【符号の説明】
1…ステータ 2…コア 3…コイル成形体 5…ティース部材 6…コイル 8…ティース 15a,b…型 L…導線
フロントページの続き (72)発明者 村瀬 道徳 愛知県愛知郡東郷町大字春木字蛭池1番地 株式会社東郷製作所内 Fターム(参考) 5E062 FF01 5H615 AA01 BB14 PP01 PP06 PP12 QQ02 QQ19 QQ25 SS02 SS03 SS11 SS13 SS44

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の導線を高さ方向に複数段、巻回
    してコイルを製造する方法であって、 前記導線を、前記各段の巻き始め部から巻き終わり部ま
    でほぼ同一平面内で巻回させ、当該段の巻き終わり部か
    ら次の段の巻き始め部への移行部分を傾斜変形させるこ
    とを特徴とするコイルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記導線を、前記巻回の段の重なり方向
    に沿って厚みが増加あるいは減少するように圧潰する圧
    延工程を含むことを特徴とする請求項1記載のコイルの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 金属製の導線を高さ方向に複数段、巻回
    してなるコイルであって、 巻回の各段の巻き始め部から巻き終わり部まではほぼ同
    一平面内で巻回され、当該段の巻き終わり部から次の段
    の巻き始め部へ移行する領域が傾斜して形成されている
    ことを特徴とするコイル。
  4. 【請求項4】 前記導線は、前記巻回の段の重なり方向
    に沿って厚みが増加あるいは減少するように圧潰された
    部分を含むことを特徴とする請求項3記載のコイル。
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