JPH09180997A - レーザを用いた表面処理方法 - Google Patents

レーザを用いた表面処理方法

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JPH09180997A
JPH09180997A JP33535395A JP33535395A JPH09180997A JP H09180997 A JPH09180997 A JP H09180997A JP 33535395 A JP33535395 A JP 33535395A JP 33535395 A JP33535395 A JP 33535395A JP H09180997 A JPH09180997 A JP H09180997A
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laser beam
laser
excimer laser
surface treatment
treatment method
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JP33535395A
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Kazunori Ando
和徳 安藤
Kiwa Kin
祺和 金
Toshikimi Takeuchi
俊公 竹内
Kenji Omura
研二 大村
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スループットの向上を図ることができるレー
ザを用いた表面処理方法を提供すること。 【解決手段】 レーザを照射して表面層を改質するため
の表面処理方法において、レーザビームBによって表面
7aを所要のピッチで所定の一定方向に沿って走査し所
望の微細結晶状態の帯状領域M1 〜Mn と結晶性の良好
でない帯状領域N 1 〜Nn-1 とを交互に形成し、帯状領
域N1 〜Nn-1 を高いエネルギーのレーザビームで順次
照射する。レーザ光源からのレーザ光を複数に分割して
所要の処理のための所要の適正強度の複数のレーザビー
ムを得、これらにより同時処理を行う。レーザビームの
長手方向が配線パターンのいずれかの長手方向と平行に
ならない相対位置関係で走査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質半導体層を
レーザによってアニールしその表面部分を多結晶質に改
質する等のための表面処理に好適な、レーザを用いた表
面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体表層の改質、高分子材
料の表層のエッチング、あるいは高分子材料に孔あけを
行った場合にその周囲に付着する高分子炭化物の除去等
の表面処理のために、レーザを用いた各種の表面処理技
術が利用されている。特に、Si薄膜トランジスタ(T
FT)の製造プロセスにおいては、エキシマレーザを基
板の表面に短時間照射してその表面のみを高温とし、こ
れにより基板の表面を非晶質から多結晶質に改質するこ
とによって半導体装置の特性の改善を図るようにした表
面処理が実用化されている。
【0003】このレーザによる表面処理の具体的な方法
としては、特開平5−190451号公報に見られるよ
うに、エキシマレーザからのレーザをホモジナイザによ
りレーザビームスポットとし、所要の半導体表面を少し
づつずらしながらこのビームスポットにより相対走査す
る方法が公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、矩形又は帯
状の如きレーザビームスポットで半導体表面上を相対走
査することにより半導体表面層の改質を行う場合、次の
ような問題点を生じる。すなわち、スループットを向上
させるためにはレーザビームスポットの移動ピッチ量は
なるべく大きい方がよいが、例えばレーザビームスポッ
トの幅と同じピッチ量で移動させて走査した場合、レー
ザビームスポットの端縁部ではその照射エネルギーが小
さくなるため、結晶性の良好な部分と悪い部分とが走査
方向に沿って周期的に生じてしまい、半導体表面の均一
な改質を行うことが不可能である。
【0005】特に、半導体の表面上に配線パターンが縦
横に形成されるものにあっては、表面改質状態の良好な
部分と悪い部分、例えば結晶性の良好な部分と悪い部
分、又は不純物が良好に除去された部分とそうでない部
分、とが上述の如く縦縞状又は横縞状に周期的に生じる
と、電気移動度の良好な配線パターンと電気移動度が悪
い配線パターンとが混在する結果となり、出来上がった
製品の特性に著しいばらつきを生じさせることになると
いう特有の問題を生じる。
【0006】このような改質の不均一を回避するため、
従来では、レーザビームスポットの移動ピッチ量をレー
ザビームスポットの幅の数分の1程度とし、一度レーザ
照射した部分をオーバーラップさせながら所要の方向に
走査し、これにより表面層を均一に改質するようにする
技術が公知であるが、この従来技術によるとスループッ
トが長くなるという問題点があった。本発明の目的は、
レーザビームスポットの移動ピッチ量を大きくしても被
処理部材の表面層の改質を均一に行うことができ、スル
ープットの向上を図ることができる、レーザを用いた表
面処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1の発明の特徴は、被処理部材の表面にレーザ
を照射して前記被処理部材の表面層を微細結晶構造に改
質するための表面処理方法において、幅の狭い帯状のレ
ーザビームによって前記表面を所要のピッチで所定の一
定方向に沿って走査し所望の微細結晶状態の第1の帯状
領域と結晶性の良好でない第2の帯状領域とを交互に複
数形成する第1のステップと、前記第2の帯状領域を前
記第1のステップにおいて用いられたレーザビームより
は高いエネルギーの帯状レーザビームで順次照射して前
記第2の帯状領域の結晶状態を所望の微細結晶状態にす
る第2のステップとを有する点にある。
【0008】第1のステップにより形成される第2の帯
状領域は、レーザビームのエネルギーの低い部分で改質
された部分であり、結晶性が不十分な領域であるが、一
旦レーザ照射されているためレーザエネルギーの吸収率
が低下している。この状況下で、第1のステップにおい
て用いられたレーザビームよりはエネルギーの高い帯状
レーザビームを用い、第2の帯状領域を順次再照射する
ことにより、第2の帯状領域の結晶性を所望の結晶状態
とすることができる。この結果、レーザビームのピッチ
量を極端に小さくすることなしに、被処理部材の表面層
を均一に改質することができ、スループットを向上させ
ることができる。
【0009】上記課題を解決するための請求項2の発明
の特徴は、被処理部材の表面にレーザを照射して所要の
処理を施すための表面処理方法において、レーザ光源か
らのレーザ光を複数に分割し、分割された複数のレーザ
光をそれぞれ前記所要の処理のための所要の適正強度の
帯状レーザビームに形成し、これにより得られた複数の
帯状レーザビームにより前記表面の異なる部分を同時に
処理するようにした点にある。
【0010】レーザ光源の出力と帯状レーザビームの所
要のエネルギーにより定まる数にレーザ光源からのレー
ザ光を分割することができ、このようにして得られた複
数のレーザ光は適宜の光学系を用いることにより所要の
処理に適した強度の複数の帯状レーザとして形成され
る。これらの帯状レーザは同時に被処理表面の異なる部
分に照射されて、複数の部分の表面処理が同時に行わ
れ、その処理時間を短縮することができ、スループット
が向上する。なお、複数の帯状レーザビームの各強度は
必ずしも等しい必要はなく、目的に応じてそれぞれ異な
る強度、幅に設定することができる。
【0011】上記課題を解決するための請求項3の発明
の特徴は、配線パターンが形成される半導体部材の表面
にレーザを照射して前記半導体部材の表面層を改質する
ための表面処理方法において、幅の狭い帯状のレーザビ
ームを形成し、前記レーザビームの長手方向が前記配線
パターンのいずれかの長手方向と平行にならない相対位
置関係で前記表面を前記レーザビームにより所要のピッ
チで走査するようにした点にある。
【0012】レーザビームを所要のピッチで走査するこ
とにより、半導体部材表面には表面改質状態の良好な部
分とそれより劣る部分とが交互に帯状に生じることとな
る。しかし、レーザビームの長手方向が配線パターンの
いずれかの長手方向と平行にならない相対位置関係で表
面処理が行われているので、配線パターン上には表面改
質状態の良好な部分とそれより劣る部分とが交互に形成
される。この結果、半導体部材上のどの配線パターンの
どの部分の電気移動度も略等しく、配線パターンの電気
的性質を均一化することができる。このため、走査のた
めのピッチ量を小さくしなくても済み、スループットの
向上を期待することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、各請
求項に記載された発明の実施の形態について説明する。
【0014】図1は、請求項1の発明による方法を実施
するための表面処理装置の実施の形態の一例を示す概略
構成図である。表面処理装置1は、エキシマレーザ発生
器2と、エキシマレーザ発生器2から得られるレーザ出
力Rを細長い帯状のエキシマレーザビームBに変換する
ためのホモジナイザ3とを有している。
【0015】ホモジナイザ3は真空チャンバ4の上に固
定されており、真空チャンバ4内に設けられた移動装置
5のステージ6上に適宜の取付手段によって載置される
被処理材料にエキシマレーザビームBが真空チャンバ4
に設けられた図示しない窓を介して照射される構成とな
っている。
【0016】この実施の形態では、被処理材料はSi薄
膜トランジスタ(TFT)を構成する半導体装置7であ
り、この半導体装置7の被処理表面7aにエキシマレー
ザビームBを照射して被処理表面7aを改質する場合の
処理を、その一例として説明する。
【0017】移動装置5はステージ6をX方向に移動さ
せる機能を有しており、ステージ6上にその長手方向が
X方向に略平行となるように載置されている半導体装置
7を図1で左手方向から右手方向に所定の速度で移動さ
せる。一方、ホモジナイザ3からのエキシマレーザビー
ムBの照射方向はステージ6方向に向けて一定に固定さ
れている。したがって、移動装置5によって半導体装置
7をX方向に移動させると、エキシマレーザビームBと
半導体装置7との間にエキシマレーザビームBの走査の
ために必要な相対移動運動を与えることができる。
【0018】この実施の形態では、エキシマレーザビー
ムBの被処理表面7a上での形状は幅の狭い細長い帯状
となっており、その長手方向の長さLは被処理表面7a
の縦方向の長さA、すなわち、この場合X方向と直交す
る辺の長さよりは長く設定されている。長さLは長さA
より短くてもよいが、この場合は以下に述べる処理を2
回以上に分けて行う必要が生じる。
【0019】一方、エキシマレーザビームBの被処理表
面7a上での幅Wは、エキシマレーザ発生器2の出力の
大きさ及び長さLの値によるが、例えば、0.15mm
程度となるように定められている。
【0020】次に、図1に示す表面処理装置1により半
導体装置7の表層を非晶質から所望の微細結晶質へと改
質する場合の処理について図2を参照して説明する。
【0021】先ず、エキシマレーザビームBが半導体装
置7上で領域M1 に照射されるように、移動装置5の位
置決め操作が実行される。領域M1 は被処理表面7aの
一端部7bを含むように位置している。
【0022】次いで、エキシマレーザビームBの間歇的
照射が開始されると、移動装置5によって半導体装置7
がX方向に所定の速度で移動せしめられる。この移動速
度は、エキシマレーザビームBの間歇出力の周期を考慮
して、次のエキシマレーザビームBの照射領域M2 が先
の領域M1 との間で所定の間隔W’が生じるように定め
られる。この実施の形態では、所定の間隔W’は巾Wと
略等しい値に定められている。エキシマレーザビームB
が被処理表面7a上の領域M1 、M2 、・・・、
n-1 、Mn を上述した所定の間隔をもつようにして順
次照射し、これによりその表層を加熱し、所要の改質が
実行される。
【0023】図3を参照して上述の処理によって半導体
装置7の被処理表面7aが帯状に間歇的に改質される様
子について説明する。エキシマレーザビームBの強度
は、その巾Wに相当するエネルギーが照射される領域M
1 〜Mn において所要の微細結晶質に改質されるような
エネルギー値B1に設定されている。したがって、領域
1 〜Mn は図2に示すエキシマレーザビームBの走査
により所要の微細結晶質に改質される。
【0024】ところで、レーザビームは広がりを有する
ため、上述の如くして領域M1 〜M n をエキシマレーザ
ビームBで照射したとしてもこれに隣接する領域N1
2、・・・、Nn-1 にもエキシマレーザビームが弱い
エネルギー値で照射され、不完全ながらその表層が改質
される。
【0025】領域N1 〜Nn-1 の不完全改質状態を所望
の微細結晶構造に改質するため、これらの帯状領域N1
〜Nn-1 に対して、図2で説明したのと同様にして、エ
キシマレーザビームBの照射を行う。ただし、領域N1
〜Nn-1 は不完全ながらもすでにエキシマレーザビーム
で照射されているため、そこでのレーザビームの吸収率
は低下しているので、領域N1 〜Nn-1 に対する処理
は、先に用いた強度B1よりも高い強度B2のエキシマ
レーザビームBを用いて行う。
【0026】図4を参照して領域N1 〜Nn-1 の改質処
理を説明する。エキシマレーザビームBの位置は先の処
理の終了時点で領域Mn を照射する位置となっているた
め、移動装置5をX方向と逆のY方向に移動させ、領域
n-1 、Nn-2 、・・・、N 2 、N1 の順に半導体装置
7の被処理表面7aを強度B2のエキシマレーザビーム
Bによって処理する。
【0027】この処理のよって、図5に示すように、領
域Nn-1 、Nn-2 、・・・、N2 、N1 に強度B2のエ
キシマレーザビームBが順次照射され、これらの領域N
1 〜Nn-1 の不完全結晶質状態が所望の微細結晶構造に
再改質される。この結果、エキシマレーザビームBの送
りピッチ量を従来に比べて大幅に大きくしても半導体装
置7の被処理表面7aを全面に亘って均一に改質するこ
とができ、スループットを著しく向上させることができ
る。
【0028】なお、強度B2のエキシマレーザビームB
による第2回目の走査は、領域Nn- 1 、Nn-2 、・・
・、N2 、N1 の順序に行う必要はなく、例えば、移動
装置5をX方向に移動させつつ図1に示した手順と同じ
く、領域N1 、N2 、・・・、Nn-1 の順に処理するこ
とも可能である。
【0029】図6には、請求項1の発明の変形例が示さ
れている。この方法は、エキシマレーザ発生器2からの
レーザ光Rを分割光学系2Aによって2つのレーザ光R
A、RBに分け、ホモジナイザ2Bによって強度B1の
エキシマレーザビームBAと強度B2のエキシマレーザ
ビームBBとを得、この一対のエキシマレーザビームB
A及びBBにより半導体装置7の被処理表面7aを例え
ばX方向に一回走査するだけで、図1乃至図5に基づい
て説明したのと同様の表面処理結果を得るものである。
【0030】このことを図7を参照してより詳しく説明
する。エキシマレーザビームBAとエキシマレーザビー
ムBBとの間隔は先の説明から判るように、3ピッチ分
である。この例では、先ず(1)エキシマレーザビーム
BBによって領域M1 の微細結晶化が行われる。このと
きエキシマレーザビームBAは3ピッチ分後方である。
次に、(2)エキシマレーザビームBB、BAの対を半
導体装置7に対して2ピッチ分相対的に進め、処理を行
う。よって、ここでは領域M2 の微細結晶化が行われる
ことになる。(3)さらにエキシマレーザビームBB、
BAの対を2ピッチ分進め処理を行う。これにより領域
3 の微細結晶化が行われると同時に、エキシマレーザ
ビームBAによって領域N1 の再改質が実行され、領域
1 の不完全性が治癒され、所望の微細結晶構造状態が
得られる。このようにして、一対のエキシマレーザビー
ムBB、BAを同時に2ピッチづつおくることにより、
先の場合と同様にして領域M1 〜Mn がエキシマレーザ
ビームBBによって所望の微細結晶構造に改質され、エ
キシマレーザビームBBによって先に不完全に改質され
た領域N1 〜Nn-1 がよりエネルギーの高いエキシマレ
ーザビームBAによって後から再改質されて所望の微細
結晶構造とされる。したがって、一対のエキシマレーザ
ビームBA、BBにより所定の一方向に一回走査を行う
だけで、半導体装置7の被処理表面7aをほぼ均一に改
質することができ、処理の効率をさらに向上させ、スル
ープットをより一層短くすることができる。
【0031】図8には、請求項2の発明による方法を実
施するための表面処理装置の実施の形態の一例の概略構
成図が示されている。この表面処理装置21は、エキシ
マレーザ発生器22からのレーザ光Rを分割光学系23
によって3本のレーザ光R1、R2、R3に分割し、ミ
ラー24、プリズム25及びシリンドリカルレンズ26
から成るホモジナイザ27によって、第1乃至第3エキ
シマレーザビームX1、X2、X3を発生させる装置で
ある。
【0032】図8の構成例では、移動装置5によって、
ステージ6上の半導体装置7の被処理表面7aには第1
乃至第3エキシマレーザビームX1、X2、X3がその
表面層を微細結晶化するよう改質するために照射されて
おり、半導体装置7は移動装置5によって矢印X方向に
相対移動せしめられる構成である。
【0033】分割光学系23は、図9に示すように3枚
のビームスプリッタ23A、23B、23Cが図示の如
く配置されて成り、エキシマレーザ発生器22からのレ
ーザ光Rはビームスプリッタ23Aにおいてそのうちの
一部が透過してレーザ光R3となり、残りはそこで反射
してビームスプリッタ23Bに送られる。ビームスプリ
ッタ23Bでも同様にして、ビームスプリッタ23Aか
ら入射されたレーザ光の一部が反射してレーザ光R2と
なり、残りはそこでとうかしてビームスプリッタ23C
に送られる。ビームスプリッタ23Cではビームスプリ
ッタ23Bからの全てのレーザ光が反射してレーザ光R
3となる。ここで各ビームスプリッタの透過率及び反射
率を図9中に示される如く設定すると、レーザ光Rが3
等分されて、得られるレーザ光R1、R2、R3の強度
は全て同じとなる。
【0034】この結果、最終的に得られる第1乃至第3
エキシマレーザビームX1、X2、X3の強度も互いに
略等しくなり、同一の強度の3本のエキシマレーザビー
ムX1、X2、X3により半導体装置7の被処理表面7
aをアニール処理することができる。
【0035】図10の(a)には、この場合の被処理表
面7aの走査方法の一例が示されている。この方法で
は、被処理表面7aを3つの領域P1、P2、P3に分
け、3つのエキシマレーザビームの間隔をこれらの領域
P1、P2、P3の長さWPとし、1回の走査によっ
て、同様に領域P1をエキシマレーザビームX1で処理
し、領域P2をエキシマレーザビームX2で処理し、領
域P3をエキシマレーザビームX3で処理する構成とな
っている。
【0036】図10の(b)は、3つのエキシマレーザ
ビームX1、X2、X3の間隔を走査ピッチにまでせば
め、先ず隣接する3つの領域Q1、Q2、Q3をこれら
3本のエキシマレーザビームX1、X2、X3により処
理し、しかる後、その次の連続する3つの領域Q4、Q
5、Q6を3本のエキシマレーザビームX1、X2、X
3により同様にして処理するということを順次繰り返し
て半導体装置7の被処理表面7aを処理する方法であ
る。
【0037】このように、レーザ光を分割して複数のエ
キシマレーザビームを得、これにより半導体装置7の被
処理表面7aを処理することの利点は次の通りである。
周知のように、この種の表面処理に必要なレーザビーム
の強度には最適値が存在し、強度が高すぎても、低すぎ
ても適正な表面処理を行うことはできない。しかるに、
エキシマレーザ発生器22に余力がある場合、このよう
な分割方式をとることにより、良好な表面処理に見合っ
た強度の複数のレーザビームに分解することにより、エ
キシマレーザ発生器22の容量に見合った処理を良好に
遂行することが可能となる。この結果、スループットを
エキシマレーザ発生器22の容量に応じて格段に向上さ
せることができる。レーザビームの数をj本とすれば、
スループットは1/jに短縮できることになる。
【0038】なお、図8では3本のレーザビームに分割
する場合について説明したが、2本のレーザビームに分
割する場合であれば、図11に示されたように、2面カ
ットのプリズムを用いればよい。
【0039】図12には、同時に3本のエキシマレーザ
ビームを得るための別の装置の構成例が示されている。
この表面処理装置31では、エキシマレーザ発生器22
からのレーザ光Rを分割光学系23で3本のレーザ光R
1、R2、R3に分割した後、角度を変えて配置された
3枚のミラー24A、24B、24Cによってこれらの
レーザ光R1、R2、R3をシリンドリカルレンズ26
に送るように構成したものである。これにより、半導体
装置7の被処理表面7a上に、第1乃至第3エキシマレ
ーザビームX1、X2、X3を照射することができる。
【0040】なお、図8、図12に示した構成において
各エキシマレーザビームX1、X2、X3の強度に重み
を付ければ図6に示す装置の代わりに使用することがで
きることは勿論である。
【0041】図13は、請求項3の発明の方法の実施の
一形態を説明するための図である。ここで、半導体装置
7の被表面処理7a上には配線パターンHPが形成され
ており、この実施の形態では、碁盤の目のごとく、縦横
に整列して形成されている。この半導体装置7のアニー
ル処理を行うためのエキシマレーザビームEBは、細長
い帯状のレーザビームであり、このエキシマレーザビー
ムEBは適宜の公知の手段により容易に作成することが
できる。
【0042】図13から判るように、エキシマレーザビ
ームEBの長手方向Zは配線パターンHPの長さ方向、
すなわちX方向及びU方向のいずれとも平行関係になら
ないように定められており、この状態で半導体装置7を
図示しない移動装置によりX方向に移動させてエキシマ
レーザビームEBによる走査を所定のピッチで行う。
【0043】この結果、図14に示すように、エキシマ
レーザビームEBを例えばピッチ量PTで送った場合、
結晶性の良好な帯状領域RY1と結晶性の良好でない帯
状領域RY2とが交互に発生したとしても、これらの帯
状領域は配線パターンHPと所定の角度をもって交差す
るので、配線パターンHPには結晶性の良好な部分と結
晶性の良好でない部分とが交互に生じる。このため、配
線パターンHPとして見た場合、その電気的特性は均一
となり、出来上がった半導体装置の完成品において電気
的諸特性の著しいばらつきが生じるのを確実に回避する
ことができる。すなわち、走査のピッチを極端に小さく
しなくても、この種のばらつきの発生を回避できるの
で、スループットの改善に役立つものである。この実施
の形態では、レーザビームにより表面の結晶性を良好に
することによって表面状態の改質を行なう例について説
明した。しかし、表面状態の改質のための処理は配線等
に含まれるガスの如き不純物をレーザ照射によって除去
する処理も含むものであり、微結晶化処理のみに限定さ
れるものではない。
【0044】なお、半導体装置7に対してエキシマレー
ザビームEBをどのよに傾ければよいかは、以上の説明
から容易に了解されるところであるが、他の例を図15
〜図17に示す。図15では、配線パターンHPが半導
体装置7の縦横に沿っていないため、エキシマレーザビ
ームEBは半導体装置7の縦の辺71に平行となってい
る。図16では、図13に示したエキシマレーザビーム
EBの外に、さらに別のエキシマレーザビームEBEを
用い、エキシマレーザビームEB、EBEが八の字を構
成するようになっている。図17の例では、半導体装置
7の被処理表面7aを往復走査する場合において、往路
は図13の場合と同じであるが、復路ではエキシマレー
ザビームEBの傾きを逆方向に変えることにより、より
一層の均一化を図っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明による方法を実施するための表
面処理装置の実施の形態の一例を示す概略構成図。
【図2】図1に示す表面処理装置により半導体装置の表
層を非晶質から所望の微細結晶質へと改質する場合の処
理工程の前半部を説明するための説明図。
【図3】図2に従う処理により得られる半導体装置の表
面層の改質状態及びその時のレーザビームによる照射エ
ネルギーの分布を説明するための説明図。
【図4】図1に示す表面処理装置により半導体装置の表
層を非晶質から所望の微細結晶質へと改質する場合の処
理工程の後半部を説明するための説明図。
【図5】図4に従う処理により得られる半導体装置の表
面層の改質状態及びその時のレーザビームによる照射エ
ネルギーの分布を説明するための説明図。
【図6】請求項1の発明による方法を実施するための表
面処理装置の実施の形態の他の例を示す概略構成図。
【図7】図6に示す表面処理装置により半導体装置の表
層を非晶質から所望の微細結晶質へと改質する場合の処
理工程を説明するための説明図。
【図8】請求項2の発明による方法を実施するための表
面処理装置の実施の形態の一例を示す概略構成図。
【図9】図8の分割光学系の詳細構成図。
【図10】図8に示す表面処理装置により半導体装置の
表層を非晶質から所望の微細結晶質へと改質する場合の
処理方法を説明するための説明図。
【図11】図8のプリズムに代えて用いることができる
2分割用のプリズムの正面図。
【図12】請求項2の発明による方法を実施するための
表面処理装置の実施の形態の他の例を示す概略構成図。
【図13】請求項3の発明の方法の実施の一形態を説明
するための説明図。
【図14】図13に示す方法により得られた配線パター
ンの改質状態を示す拡大詳細図。
【図15】請求項3の発明の方法の実施の他の形態を説
明するための説明図。
【図16】請求項3の発明の方法の実施の別の形態を説
明するための説明図。
【図17】請求項3の発明の方法の実施のさらに別の形
態を説明するための説明図。
【符号の説明】
1、21、31 表面処理装置 2、22 エキシマレーザ発生器 3 ホモジナイザ 5 移動装置 6 ステージ 7 半導体装置 7a 被処理表面 B、EB、EBE エキシマレーザビーム B1、B2 強度 M1 〜Mn 、N1 〜Nn-1 、P1〜P3、Q1〜Q6
領域 HP 配線パターン X1 第1エキシマレーザビーム X2 第2エキシマレーザビーム X3 第3エキシマレーザビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大村 研二 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコー電子工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理部材の表面にレーザを照射して前
    記被処理部材の表面層を微細結晶構造に改質するための
    表面処理方法において、幅の狭い帯状のレーザビームに
    よって前記表面を所要のピッチで所定の一定方向に沿っ
    て走査し所望の微細結晶状態の第1の帯状領域と結晶性
    の良好でない第2の帯状領域とを交互に複数形成する第
    1のステップと、前記第2の帯状領域を前記第1のステ
    ップにおいて用いられたレーザビームよりは高いエネル
    ギーの帯状レーザビームで順次照射して前記第2の帯状
    領域の結晶状態を所望の微細結晶状態にする第2のステ
    ップとを有することを特徴とするレーザを用いた表面処
    理方法。
  2. 【請求項2】 被処理部材の表面にレーザを照射して所
    要の処理を施すための表面処理方法において、レーザ光
    源からのレーザ光を複数に分割し、分割された複数のレ
    ーザ光をそれぞれ前記所要の処理のための所要の適正強
    度の帯状レーザビームに形成し、これにより得られた複
    数の帯状レーザビームにより前記表面の異なる部分を同
    時に処理するようにしたことを特徴とするレーザを用い
    た表面処理方法。
  3. 【請求項3】 配線パターンが形成される半導体部材の
    表面にレーザを照射して前記半導体部材の表面層を改質
    するための表面処理方法において、幅の狭い帯状のレー
    ザビームを形成し、前記レーザビームの長手方向が前記
    配線パターンのいずれかの長手方向と平行にならない相
    対位置関係で前記表面を前記レーザビームにより所要の
    ピッチで走査するようにしたことを特徴とするレーザを
    用いた表面処理方法。
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