JP2000202673A - レ―ザ―照射装置 - Google Patents

レ―ザ―照射装置

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JP2000202673A
JP2000202673A JP2000033611A JP2000033611A JP2000202673A JP 2000202673 A JP2000202673 A JP 2000202673A JP 2000033611 A JP2000033611 A JP 2000033611A JP 2000033611 A JP2000033611 A JP 2000033611A JP 2000202673 A JP2000202673 A JP 2000202673A
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舜平 山崎
Koichiro Tanaka
幸一郎 田中
Naoto Kusumoto
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  • Laser Beam Processing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 線状または方形状のレーザー光の照射による
アニールの均一性を向上させる。 【解決手段】 レーザ照射装置に2つのシリンドリカル
レンズ4、5でなるホモジナイザーが設けられており、
前記シリンドリカルレンズ4、5は、いずれも、その方
向が、ビームの走査方向と平行にならないように配置す
る。レーザー装置より放出された原ビームは2つのシリ
ンドリカルレンズ4、5を通過することにより、光強度
の分布の偏りを分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本明細書で開示する発明は、
レーザー光の照射によるアニール処理や露光処理を行う
装置に関する。例えば、大面積ビームを照射するレーザ
ーアニール装置において、均一な照射効果が得られるよ
うな装置に関する。このようなレーザーアニール装置
は、半導体製造工程に使用される。
【0002】
【従来の技術】従来より、非晶質珪素膜に対するレーザ
ー光の照射による結晶化の技術が知られている。また、
不純物イオンの注入によって損傷した珪素膜の結晶性の
回復や注入された不純物イオンの活性化のためにレーザ
ー光を照射する技術が知られている。これらはレーザー
アニール技術と称される。
【0003】後者の技術の代表的な例として、薄膜トラ
ンジスタのソース及びドレイン領域に対するアニールの
例を挙げることができる。これは、当該領域に対するリ
ンやボロンで代表される不純物イオンの注入の後に、当
該領域のアニールをレーザー光の照射で行うものであ
る。
【0004】このようなレーザー光の照射によるプロセ
スは、基板に対する熱ダメージがほとんど無いという特
徴を有している。基板に対する熱ダメージの問題がない
という特徴は、処理すべき材料の制約を低減し、例え
ば、ガラス等の耐熱性の低い基板上に半導体素子を形成
する際に有利である。特に、近年その利用範囲が拡大し
ているアクティブマトリスク型の液晶表示装置を作製す
る場合に重要となる。
【0005】アクティブマトリクス型の液晶表示装置に
おいては、コストの問題及び大面積化の要求から基板と
してガラス基板を利用することが望まれている。ガラス
基板は600℃以上、あるいは700℃以上というよう
な高温度での加熱処理には耐えることができない。この
問題を回避する技術としては、上述の珪素膜の結晶化や
不純物イオンの後のアニールをレーザー光の照射で行う
技術が有効である。
【0006】レーザー光の照射による方法においては、
基板としてガラス基板を用いた場合でも、ガラス基板へ
の熱ダメージはほとんどない。従って、ガラス基板を用
いても結晶性珪素膜を用いた薄膜トランジスタを作製す
ることができる。
【0007】しかしながら、一般に、レーザー光はレー
ザー装置から発生した状態(以下、原ビーム、と言う)
では、ビーム面積が小さいため、大面積に対してはレー
ザー光を走査することにより処理する方法が一般的であ
るが、この場合、処理効果の面内均一性が低い、処理に
時間がかかる、等の問題を有する。特に、一般的な原ビ
ームは、光強度分布が一様でないので、そのまま用いる
と、処理効果の均一性の点で著しく問題がある。
【0008】そこで、原ビームを加工して、可能な限り
均一なビームとし、さらには、処理面積の形状等にあわ
せてビームの大きさも変更する技術が提唱されている。
ビームの形状としては、方形状や線状が一般的である。
かくすることにより、大面積にわたり均一なレーザーア
ニールを施すことができる。
【0009】原ビームの加工をおこなうレーザー照射装
置の一例を図1に示す。図1において、1はレーザー発
振器である。レーザー発振器1は、例えば、エキシマレ
ーザー等が用いられる。これは、所定のガスを高周波放
電によって分解し、エキシマ状態と呼ばれる励起状態を
作りだすことにより、レーザー光を発振させる。
【0010】例えばKrFエキシマレーザーは、Krと
Fを原料ガスとして、高圧放電により、KrF* という
励起状態を得る。この励起状態は、寿命が数nsec〜
数μsecというように安定なものではないが、これに
対する基底状態、KrFは、さらに不安定な状態であ
り、励起状態の密度の方が基底状態の密度よりも高いと
いう逆転分布が生じる。この結果、誘導放射が発生し、
比較的高効率のレーザー光を得ることができる。
【0011】もちろん、レーザー発振器1は、エキシマ
レーザーに限らず、その他のパルスレーザー、連続レー
ザーでもよい。一般に高エネルギー密度を得るという目
的ではパルスレーザーが適している。
【0012】レーザー発振器1から放射された原ビーム
は、凹レーズ2、凸レンズ3によって適当な大きさに加
工される。図1では、原ビームは垂直方向に拡大される
例が示されている。この段階でも、ビームの光強度は、
レーザー発振器より放射された状態を保っているので、
原ビームと称する。
【0013】次に原ビームは、ホモジナイザーと称され
る光学装置に入る。これは、多数のシリンドリカルレン
ズを有する少なくとも2枚のレンズ装置(多シリンドリ
カルレンズ、もしくは、レティンキュラレンズと言う)
4、5を有する。一般には図1の挿入図に示すように、
多シリンドリカルレンズ4と5は互いに直交するように
配置される。
【0014】また、多シリンドリカルレンズは、1つで
も、3つ以上でもよい。多シリンドリカルレンズが1つ
の場合は、原ビームの1つの方向の不均一性が分散され
る。また、多シリンドリカルレンズを同じ向きに2枚以
上形成すると、シリンドリカルレンズの数を増加させた
のと同じ効果を得ることもできる。
【0015】ホモジナイザーを通過することにより、原
ビームはエネルギー密度の分散した均一性の高いビーム
を得ることができる。この原理と問題点は後述する。そ
の後、ビームは、各種レンズ6、7、9により目的とす
る形状に加工され、あるいは、ミラー8によって方向が
変えられ、試料に照射される。(図1)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】次に、ホモジナイザー
の原理と、問題点について述べる。この問題点こそ、本
発明の解決すべき課題である。以下では、煩雑さを避け
るため、1つの面における光学的な考察をおこなう。多
シリンドリカルレンズを透過したレーザー光(原ビー
ム)は、図2(A)のようになる。
【0017】ここでは、3つのシリンドリカルレンズが
あり、それぞれのシリンドリカルレンズに入射した光
は、各シリンドリカルレンズで屈折する。焦点F1 〜F
3 で収束した後、ビームは拡散する。その際、各シリン
ドリカルレンズを透過した光が、全て混合する部分(混
合領域)が得られる。
【0018】ところで、原ビームに光強度の分布に偏り
があり、各シリンドリカルレンズに入射する光の強度が
それぞれ異なっていたとする。しかし、混合領域では、
各シリンドリカルレンズを透過した光が混合されるの
で、その偏りは分散してしまう。すなわち、光強度の均
一化が図られる。このようにして光強度の分布の少ない
ビームを得ることができる。(図2(A))
【0019】ところで、多シリンドリカルレンズを透過
した光路に着目すると、これは、等間隔に配列した点光
源F1 〜F3 から放射される光である。しかも、原ビー
ムはコヒーレント光であるため、焦点、すなわち、点光
源F1 〜F3 より発せられる光も位相のそろった光であ
る。このような光は干渉する。すなわち、照射面と点光
源との距離xと点光源間の間隔2aによって、光が打ち
消す部分(節)や強め合う部分(腹)が生じる。(図2
(B))
【0020】このことは、意図していたこととは逆に多
シリンドリカルレンズにより、新たな光強度の不均一が
発生することを意味する。点光源が2つもしくは3つと
いった小数の場合には、腹や節のできる部分も厳密に求
めることができる。しかし、通常のホモジナイザーにお
けるシリンドリカルレンズの数は5以上、典型的には1
0〜30、であり、多数の点光源の干渉を全て考慮する
ことは煩雑であるだけで、本質的な議論には到らないの
で、以下では、典型的な腹の場所における干渉を考察す
る。
【0021】点光源が2つの場合に、距離xに関わら
ず、腹となる部分は点光源から等距離になる部分であ
る。これを図3(A)に示す。すなわち、点光源F1
-1があるとき、被照射面上の点Aにおいて、F1 A=
-1Aとなる。このような点Aにおいては、点光源の間
隔2aや距離xがどのような値であっても、点光源F1
から来る光も点光源F-1から来る光も同じ位相であるの
で、互いに強め合う。
【0022】次に、別の点光源F-2が存在する場合を想
定し、かつ、点光源F-2から来る光が他の点光源から来
る光と同位相となり、強め合う条件を考える。これは、
aおよびxに依存するが、光路差F-2A−F-1Aが波長
の整数倍nλである場合である。すなわち、 F-1A−F-2A=nλ である。
【0023】通常は、a<<xであるので、簡単な計算
から、 F-1A−F-2A=4a2 /x=nλ である。点Aを通る点線に対して、点光源F-2と対称な
位置にある点光源F2 に関しても同じ議論ができる。
【0024】次に、その他にも点光源F2 、F3
4 、F-3...が存在する場合を考える。このとき、
光路差F3 A−F2 AおよびF4 A−F3 Aは、それぞ
れ、 F3 A−F2 A=2(4a2 /x)=2nλ、 F4 A−F3 A=3(4a2 /x)=3nλ、 である。(図3(C))
【0025】より、一般的には、図7(A)に示される
ように、点Aからm番目の点光源Fm と、(m+1)番
目の点光源Fm+1 において、光路差Fm+1 A−Fm
は、 Fm+1 A−Fm A=4ma2 /x であり、また、 4a2 /x=nλ、 であるので、結局、 Fm+1 A−Fm A=4ma2 /x=mnλ、 である。
【0026】すなわち、点光源F2 からの光がF1 のも
のと同じ位相であれば、点光源F3、F4 、...
m 、Fm+1 、...(すなわち、全ての点光源)から
の光も同じ位相で互いに強め合うこととなる。点光源か
らの光の強度は、その距離に反比例するが、以上の考察
では、a<<xであるので、各点光源と点Aとの間の距
離はほぼ同じであり、すなわち、全ての点光源が、ほぼ
等しく強め合うという結論が得られる。各点光源からの
光の強度をiとすると、点Aにおける光の強度Iは、点
光源の数をNとすると、I=Niとなる。
【0027】次に、点光源F-2からの光が、点Aにおい
て、点光源F-1からの光を打ち消す場合を考える。これ
は、光路差が半波長の奇数倍の場合に実現する。すなわ
ち、 F-1A−F-2A=4a2 /x=(n+1/2)λ である。(図4(A))
【0028】この場合には、点光源F1 およびF-1から
光が、点F-2からの逆位相の光によって打ち消され、点
Aにおける光強度Iは、I=2i−i=iである。さら
に、図4(B)に示すように、別の点光源F2 が存在し
た場合には、この点光源からの光も点光源F1 からの光
とは逆位相となるので、点Aにおける光強度は0とな
る。(図4(B))
【0029】次に、点光源F3 、F4 について考える
と、光路差F3 A−F2 AおよびF4A−F3 Aは、そ
れぞれ、 F3 A−F2 A=2(4a2 /x)=(2n+1)λ、 F4 A−F3 A=3(4a2 /x)=(3n+1+1/
2)λ、 である。すなわち、点光源F3 からの光はF2 からの光
と同位相(すなわち、F1 からの光と逆位相)であり、
また、点光源F4 からの光はF3 からの光と逆位相(す
なわち、F1 からの光と同位相)である。(図4
(C))
【0030】より一般的には、点Aからm番目の点光源
m と、(m+1)番目の点光源Fm+1 において、光路
差Fm+1 A−Fm Aは、 Fm+1 A−Fm A=4ma2 /x=m(n+1/2)
λ、 である。ここで、点光源Fm からの光のF1 からの光に
対する位相について考えてみる。
【0031】 F2 A−F1 A=(n+1/2)λ F3 A−F2 A=(2n+1)λ、 F4 A−F3 A=(3n+3/2)λ、 ............ Fm A−Fm-1 A=(m−1)(n+1/2)λ、
【0032】上式の総和を取ると、 (左辺)=Fm −F1 、 (右辺)=〔m(m−1)〕(n+1/2)λ÷2、 である。
【0033】m=4、5、8、9、...、4k、4k
+1、...のときには、光路差Fm −F1 は Fm −F1 =k(4k−1)(2n+1)λ (m=4kのとき) もしくは、 Fm −F1 =4k2 (4n+2)λ (m=4k+1のとき) であり、点光源Fm からの光はF1 からの光と同位相と
なる。また、その他の場合には、逆位相となる。
【0034】このように複雑ではあるが、点Aにおける
光強度Iは、0から2iの間を上下する。いずれにして
も、これは、図3の場合の光強度よりは十分に小さい。
【0035】同様な例は、各点光源から被照射面への垂
線の足の部分、点Bにも認められる。点Bは、被照射面
において、ある点光源F0 から最も近い点である。点光
源F0 の両隣に別の点光源F1 、F-1がある場合を考え
ると、当然のことながら、 F1 B=F-1B であるので、a、x、λに関わらず、点Bにおいて、点
光源F1 からの光とF-1からの光は強め合う。もし、F
1 B−F0 B=nλ、であれば、点Bにおいて、点光源
0 からの光もF1 からの光と同位相であるので、点B
における光強度はI=3i、で表される。
【0036】このとき、2a2 /x=nλ、である。
(図5(A)) 一方、F1 B−F0 B=(n+1/2)λ、であれば、
点Bにおいて、点光源F0 からの光はF1 からの光と逆
位相であるので、光は相殺し、点Bにおける光強度はI
=i、で表される。このとき、2a2 /x=(n+1/
2)λ、である。(図5(A))(図6(A))
【0037】次に、別の点光源、F2 、F-2、F3 、F
-3、...がある場合を考える。図5(A)の条件で
は、 F2 B−F1 B=3(2a2 /x)=3nλ F3 B−F2 B=5(2a2 /x)=5nλ である。(図5(B))
【0038】より、一般的には、図7(B)に示される
ように、点光源F0 からm番目の点光源Fm と、(m+
1)番目の点光源Fm+1 において、光路差Fm+1 B−F
m Bは、 Fm+1 B−Fm B=2(2m+1)a2 /x=(2m+
1)nλ、 である。
【0039】すなわち、点光源F1 からの光がF0 のも
のと同じ位相であれば、点光源F2、F3 、...
m 、Fm+1 、...(すなわち、全ての点光源)から
の光も同じ位相で互いに強め合い、点Bにおける光強度
Iは、点光源の数をNとすると、I=Niとなる。
【0040】一方、図6(A)の条件では、 F2 B−F1 B=(3n+1+1/2)λ、 F3 B−F2 B=(5n+2+1/2)λ、 である。すなわち、点光源F2 からの光はF1 からの光
と逆位相(すなわち、F1 からの光と同位相)であり、
また、点光源F3 からの光はF2 からの光と逆位相(す
なわち、F1 からの光と逆位相)である。(図6
(B))
【0041】より一般的には、 F1 B−F0 B=(n+1/2)λ F2 B−F1 B=3(n+1/2)λ、 F3 B−F2 B=5(n+1/2)λ、 ............ Fm B−Fm-1 B=(2m+1)(n+1/2)λ、 であり、上式の総和を取ると、 (左辺)=Fm −F0 、 (右辺)=〔m(m+2)〕(n+1/2)λ、 である。
【0042】つまり、mが偶数(2k)の場合には、光
路差Fm −F0 は Fm −F0 =2k(k+1)(2n+1)λ であり、点光源Fm からの光はF0 からの光と同位相と
なる。また、その他の場合には、逆位相となる。
【0043】このように複雑ではあるが、点Bにおける
光強度Iは、0から2iの間を上下する。いずれにして
も、これは、図5の場合の光強度よりは十分に小さい。
以上の例では、特異な点AおよびBにおける複数の点光
源からの干渉条件を求めた。点AやBに相当する点は、
それぞれ点光源の数(シリンドリカルレンズの数)と同
程度存在する。そして、a、x、λによって、点A、点
Bの光強度が、非常に強かったり、0に近かったりす
る。
【0044】例えば、a=1mm、x≒1m=103
m、λ=0.25μm=0.25×10-3mmとすれ
ば、点Aの光強度は、x=970mmでは、図3(強め
合う)のケース、x=985mmでは、図4(打ち消し
合う)のケース、x=1000mmでは図3のケースと
いうように、シリンドリカルレンズから被照射面までの
距離が15mm変動する度に、干渉条件が急激に変化す
る。
【0045】点Bにおいては、その半分の周期(7.5
mm)で強度が変動する。なお、図5の条件、2a2
x=nλ、を満たすということは、同時に、図3の条件
をも満たすことであり、点A、点Bとも腹となる。しか
し、逆は真でない。
【0046】さらに、図6の条件、2a2 /x=(n+
1/2)λ、を満たすということも、図3の条件を満た
すことと同値であり、この場合は、点Aが腹、点Bが節
となる。この場合も、逆は真でない。
【0047】このように、点Aや点Bは、節となった
り、腹となったりする。今、適当な条件が満たされて、
被照射面に腹が現れるとする。図1に示されるようにシ
リンドリカルレンズが直交している場合には、腹が交差
する部分はより強め合い、図8(A)に示すように規則
正しい点状の腹(光強度の強い部分)が現れる。(図8
(A))条件によって、上記の点状の腹の広がりは変化
し、また、場合によっては、上記の点状の腹の一部もし
くは全部は、点状の節になることもある。
【0048】ビームを線状に成形する、すなわち、ビー
ムの移動方向(走査方向)に圧縮(縮小)し、移動方向
に垂直な方向を拡大すると、図8(B)のようになる。
腹の部分は光強度が必要以上に強くなる。逆に節の部分
では光強度が0に近くなる。このような部分は、いずれ
にせよ、アニール処理において欠陥の原因となる。特
に、光強度の変化が急激であれば、深刻な問題である。
(図8(B))
【0049】このようなビームを用いて、レーザーアニ
ール処理をおこなうと、2つの問題点が生じる。第1
は、ビームスポットの重なりによる不均一性である。こ
れは、ビームを移動しつつレーザーを照射する際に、最
初のビーム(図8(C)のビームスポット1)の一部に
重ねて次のビーム(ビームスポット2)を照射すること
により生じる。現実問題としては、ビームを重ねずに照
射することは不可能である。しかしながら、エネルギー
密度や照射するパルス数を最適化することにより、その
影響を十分に低減することは可能である。
【0050】これに対し、上記の原理によりもたらされ
る干渉によるビームの不均一性の問題はより深刻であ
る。図8(C)に示すように、干渉によるビームの不均
一性に起因する欠陥は、1つのビームスポットにおい
て、点状に発生する。しかも、ビームスポット1に形成
される欠陥1とビームスポット2に形成される欠陥2
は、線状に並ぶ。これは、ビームの移動方向と、多シリ
ンドリカルレンズの少なくとも1つの方向とが平行であ
ることに由来する。また、線状ビームにおいては、ビー
ムの長尺方向と、多シリンドリカルレンズの少なくとも
1つの方向とが垂直であることに由来する。(図8
(C))
【0051】ここで、多シリンドリカルレンズの方向と
は、入射した光が焦点において形成する直線の方向のこ
とである。すなわち、図2の多シリンドリカルレンズの
方向は、紙面に垂直な方向である。また、ビームの移動
方向とは、単なる空間的な移動方向ではなく、より、上
位の概念である。というのも、通常のレーザーアニール
装置においては、ホモジナイザーからレーザーの照射面
に至るまでに何度かミラーにより光路が変更されること
があるからである。
【0052】かくして、従来のレーザーアニール装置に
より基板を処理すると、図8(D)に示すように、ビー
ムの移動方向に垂直な欠陥と、ビームの移動方向に平行
な欠陥が生じる。前者はビームの重なりによる線状欠陥
であり、後者は干渉による強度不均一による欠陥であ
る。(図8(D))
【0053】このように縦横に広がる欠陥は、特にマト
リクス状の素子(例えば、アクティブマトリクス回路や
メモリー回路)においては致命的である。というのも、
1列にわたって欠陥が生じ、目立ってしまうからであ
る。これは、駆動回路も基板上に設けている場合に、特
に深刻な不良である。
【0054】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点に
鑑みてなされたものである。本発明の第1は、ビームの
移動方向を、いずれの多シリンドリカルレンズ方向とも
平行にしないことを特徴とする。本発明の第2は、線状
ビームにおいて、ビームの長尺方向は、いずれの多シリ
ンドリカルレンズの方向とも垂直にしないことを特徴と
する。
【0055】
【発明の実施の形態】本発明の概念を図9を用いて説明
する。例えば、図1に示されるような2つの多シリンド
リカルレンズ4、5を有するホモジナイザーにおいて考
える。従来、多シリンドリカルレンズ4の方向は、図9
(B)に示されるようにビームの移動方向に垂直であ
る。一方、多シリンドリカルレンズ5の方向は、ビーム
の移動方向に平行である。(両矢印は、多シリンドリカ
ルレンズの方向を示す)(図9(B))
【0056】このような構成においてもたらされる問題
点については、上述した通りである。これに対し、本発
明は、例えば、多シリンドリカルレンズ4は、従来と同
じ方向に配置としても、多シリンドリカルレンズ5は、
ビームの移動方向とは平行にならないように傾かせる。
このため、いずれの多シリンドリカルレンズの方向もビ
ームの移動方向とは平行でない、という本発明の用件を
満たす。(図9(A))
【0057】このような構成のホモジナイザーでは、干
渉による不均一に起因する点状の欠陥(欠陥1および欠
陥2)は図9(C)に示すように、ビームの移動方向に
対して斜めに現れる。そして、欠陥1と欠陥2が一般的
には同一直線上に形成される必然性がないので、結果と
して線状の欠陥とはならない。(図9(C))
【0058】ここで、注意すべきことは、特殊な場合に
は、欠陥1と欠陥2が直線上に形成される場合である。
点状の欠陥の現れる直線を、図9(D)のように書いた
とき、その直線の上端と、任意の他の直線の下端との距
離dが0となる場合である。その場合には、点状の欠陥
が斜めに並ぶこととなる。(図9(D))
【0059】これは、隣接する直線の間だけではなく、
他の直線の間においても問題であり、例えば、図9
(E)のような場合でもdが0となることは避けねばな
らない。(図9(E)) しかしながら、特にマトリクスにおいては、斜めの直線
上の点状欠陥であれば、マトリクスの配置方向と平行で
ないので、明らかな線状欠陥となるケースは少ない。
【0060】上記の議論は、『ビームの移動方向』を
『(線状ビームの場合の)長尺方向に垂直な方向(ある
いは、短尺方向)』と読み替えても全く同じである。ま
た、多シリンドリカルレンズ4は、ビームの移動方向に
垂直である必要はなく、ビームの移動方向に平行でない
という条件であればよい。すなわち、従来のホモジナイ
ザーと同様に、互いに直交する2つの多シリンドリカル
レンズを有するホモジナイザーにおいて、そのレーザー
の光軸に対して、角度をずらすことによっても本発明の
構成となり、本発明の効果を得ることができる。
【0061】
【実施例】〔実施例1〕本実施例の光学系について説明
する。本実施例のレーザー照射装置の基本構成は図1と
同様であるが、ホモジナイザー中の多シリンドリカルレ
ンズの光軸に対する角度が変更されている。ホモジナイ
ザー入射前の原ビームの形状は、6cm×5cmであ
る。以下では、特にホモジナイザーについて説明する。
【0062】本実施例に示す構成においては、多シリン
ドリカルレンズ5は12個のシリンドリカルレンズ(幅
5mm)で構成し、入射するレーザー光をおよそ10分
割するものとしている。本実施例においては、最終的に
照射される線状のレーザー光の長手方向の長さは12c
mである。また、多シリンドリカルレンズ5の方向は、
ビームの移動方向に対して、45°とする。一方、多シ
リンドルカルレンズ4の方向はビームの移動方向に平行
とする。(図9(A)参照)
【0063】その後、ホモジナイザーからのビームは光
学系により、ビームの移動方向に平行な方向は、0.2
cm、すなわち、1/25に縮小され、ビームの移動方
向に垂直な方向は、12cm、すなわち、2倍に拡大さ
れる。すなわち、線状のビームが得られる。
【0064】〔実施例2〕図10に本実施例の概略の構
成を示す。
【0065】本実施例においては、図示しないレーザー
発振器から出力される矩形形状のレーザー光801を多
シリンドリカルレンズ802、803、シリンドリカル
レンズ804、805、ミラー806、シリンドリカル
レンズ807を介し、被照射面に線状のレーザー光とし
て照射する。
【0066】図10に示す構成が特徴とするのは、2つ
の多シリンドリカルレンズ802と803とをビームの
走査方向、及びビームの長尺方向(長手方向)に対して
45°傾けた配置としたことを特徴とする。
【0067】ここでは、2つの多シリンドリカルレンズ
を配置する例を示すが、さらに多数の多シリンドリカル
レンズを配置する構造としてよい。
【0068】
【発明の効果】本明細書で開示する発明を利用すること
により、半導体装置の作製等に利用されるレーザープロ
セスにおいて、大面積に渡り均一なアニールを施すこと
ができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レーザー照射装置の光学系の概略を示す図。
【図2】 多シリンドリカルレンズの光路と干渉を示す
概略図。
【図3】 複数の点光源からのコヒーレント光による干
渉条件を示す図。
【図4】 複数の点光源からのコヒーレント光による干
渉条件を示す図。
【図5】 複数の点光源からのコヒーレント光による干
渉条件を示す図。
【図6】 複数の点光源からのコヒーレント光による干
渉条件を示す図。
【図7】 複数の点光源からの光路差の計算式等を示す
図。
【図8】 従来のビームによる欠陥の発生要因・状況等
を示す図。
【図9】 本発明および従来の多シリンドリカルレンズ
の構成と欠陥の状況等を示す図。
【図10】レーザー照射装置の光学系の概略を示す図。
【符号の説明】
1 レーザー発振器 2 レンズ 3 レンズ 4 多シリンドリカルレンズ 5 多シリンドリカルレンズ 6 レンズ 7 レンズ 8 ミラー 9 レンズ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状もしくは方形状のビーム形状を有す
    るレーザー光を、被照射面に対して走査しながら照射す
    る装置において、 該装置は、少なくとも1つの多シリンドリカルレンズを
    有するホモジナイザーを有し、 前記多シリンドリカルレンズは複数のシリンドリカルレ
    ンズでなり、 該複数のシリンドリカルレンズの方向は、レーザー光の
    走査方向と平行でなく、かつ当該シリンドリカルレンズ
    に入射したレーザー光が焦点において形成する直線の方
    向であることを特徴とするレーザー照射装置。
  2. 【請求項2】 線状もしくは方形状のビーム形状を有す
    るレーザー光を、被照射面に対して走査しながら照射す
    る装置において、 該装置は、少なくとも1つの多シリンドリカルレンズを
    有するホモジナイザーを有し、 前記多シリンドリカルレンズは複数のシリンドリカルレ
    ンズでなり、 該複数のシリンドリカルレンズの方向は、レーザー光の
    走査方向に垂直でなく、かつ当該シリンドリカルレンズ
    に入射したレーザー光が焦点において形成する直線の方
    向であることを特徴とするレーザー照射装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記ホモジ
    ナイザーは多シリンドリカルレンズを少なくとも2つ有
    し、当該2つの多シリンドリカルレンズの方向は直交し
    ていることを特徴とするレーザー照射装置。
  4. 【請求項4】 線状もしくは方形状のビーム形状を有す
    るレーザー光を、被照射面に対して走査しながら照射す
    る装置において、 該装置は、少なくとも2つの多シリンドリカルレンズを
    有するホモジナイザーを有し、 前記2つの多シリンドリカルレンズの一方の方向は、他
    方の多シリンドリカルレンズと45゜の角度をなし、 前記多シリンドリカルレンズは複数のシリンドリカルレ
    ンズでなり、該複数のシリンドリカルレンズの方向は、
    前記レーザー光の走査方向と平行でないことを特徴とす
    るレーザー照射装置。
  5. 【請求項5】 線状もしくは方形状のビーム形状を有す
    るレーザー光を、被照射面に対して走査しながら照射す
    る装置において、 該装置は、少なくとも2つの多シリンドリカルレンズを
    有するホモジナイザーを有し、 前記2つの多シリンドリカルレンズの一方の方向は、他
    方の多シリンドリカルレンズと45゜の角度をなし、 前記多シリンドリカルレンズは複数のシリンドリカルレ
    ンズでなり、該複数のシリンドリカルレンズの方向は、
    前記レーザー光の走査方向と垂直でないことを特徴とす
    るレーザー照射装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において、
    半導体材料をレーザーアニール処理するために、前記レ
    ーザー光を照射することを特徴とするレーザー照射装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項において、
    マトリクス状に配置される素子を処理するために、前記
    レーザー光を照射することを特徴とするレーザー照射装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6679609B2 (en) * 2001-03-28 2004-01-20 Kabushiki Kaisha Topcon Laser beam irradiation device
KR100487085B1 (ko) * 2001-02-22 2005-05-03 이시카와지마-하리마 주고교 가부시키가이샤 조명광학계 및 이를 구비하는 레이저 처리장치
JP2011510820A (ja) * 2008-02-07 2011-04-07 カール ツァイス レーザー オプティックス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング レーザ光源のエネルギを制御するための照射装置及び方法
KR101067658B1 (ko) * 2008-06-19 2011-09-27 한국과학기술원 레이저 박리를 이용한 미세 레이저 통합 가공장치 및 가공방법

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