JPH09180994A - X線マスクの製造方法および加熱装置 - Google Patents

X線マスクの製造方法および加熱装置

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JPH09180994A
JPH09180994A JP15432296A JP15432296A JPH09180994A JP H09180994 A JPH09180994 A JP H09180994A JP 15432296 A JP15432296 A JP 15432296A JP 15432296 A JP15432296 A JP 15432296A JP H09180994 A JPH09180994 A JP H09180994A
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ray
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佳恵子 北村
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秀毅 矢部
Kenji Marumoto
健二 丸本
Kei Sasaki
圭 佐々木
Atsushi Aya
淳 綾
Koji Kichise
幸司 吉瀬
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寛 渡辺
Hiroaki Sumiya
博昭 炭谷
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敬 一二三
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線吸収体の膜応力は平均的には0となるが
部分的には必ずしも0とならないので、所望のパターニ
ングを得ることができないという問題点があった。 【解決手段】 シリコン基板1上にX線吸収体4を成膜
した後のX線吸収体4の膜応力分布を測定し、X線吸収
体4の各箇所における膜応力が0となる所定の温度分布
となるようホットプレート8の各ヒータ9a、9b、9
cの電気入力を変化させ、X線吸収体4のアニールによ
る加熱を行うものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、X線リソグラフ
ィに使用するX線マスクの応力を全ての箇所において0
とし、所望のパターニング位置精度を有するX線マスク
の製造方法および加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図33は例えば特願平5−138104
号に示された従来のX線マスクの製造方法の工程を示す
断面図である。図において、1はシリコン基板、2はこ
のシリコン基板1上に形成された例えば厚さ1〜2μm
で軽元素からなるメンブレン(X線透過性基板と同
義)、3はこのメンブレン2上に形成された例えばイン
ジウム・すず酸化物等から成る反射防止膜、4はこの反
射防止膜3上に形成された例えばタングステン−チタン
膜から成るX線吸収体、5はレジスト、6はシリコン基
板1を接着剤7により接着し支持するサポートリングで
ある。
【0003】次に上記のように構成された従来のX線マ
スクの製造方法について説明する。まず、シリコン基板
1上にメンブレン2を成膜する(図33(a))。次
に、シリコン基板1の一部を除去(バックエッチ)する
(図33(b))。次に、メンブレン2上に反射防止膜
3を塗布し焼成して成膜する(図33(c))。次に、
反射防止膜3上に例えばスパッタ法にてX線吸収体4を
成膜する。そして、この際のX線吸収体4の平均膜応力
を測定し、この平均応力を0とするための温度を決め、
例えばオーブンで250℃に均一にアニールし、X線吸
収体4の平均膜応力を0に調整する(図33(d))。
【0004】次に、レジスト5を塗布し例えば180℃
でベークする(図33(e))。次に、シリコン基板1
をサポートリング6に接着剤7にて接着する(図33
(f))。次に、電子線描画および現像によりレジスト
5のパターニングを行い、このパターニングされたレジ
スト5をマスクとしてX線吸収体4のドライエッチを行
い、X線吸収体4のパターニングを行い、レジスト5を
除去しX線マスクを形成する(図33(g))。尚、シ
リコン基板1のバックエッチの工程およびサポートリン
グ6へのシリコン基板1の接着の工程は必ずしもこの工
程順の通り行われるものではない。
【0005】従来の場合はX線吸収体4の平均膜応力が
0となるようにX線吸収体4の成膜後にアニールの加熱
温度により調整している。このように、X線吸収体4の
膜応力を調整せず行うとどの様な不具合が生じるか図3
4を用いて以下説明する。図34(a)に示すようにシ
リコン基板1の窓領域が例えば□30mmで、図34
(b)に示すように、シリコン基板1の窓領域に対応す
る位置のX線吸収体4の応力が調整されていないため例
えば10MPaを有しているとする。この際、図34
(a)に示すようにシリコン基板1の窓領域の中心を中
心として□15mmのパターニングをX線吸収体4に施
したとすると、X線吸収体4のパターニングは10MP
aの応力を有しているので、X線吸収体4のパターニン
グはこの応力によりメンブレン2の中心より15nm移
動し、所望のX線吸収体4のパターニングが得られない
という不具合が生じていた。この移動は応力が引っ張り
応力の場合には外向き、又、圧縮応力の場合には内向き
の移動となる。
【0006】よって、従来ではX線吸収体4の平均膜応
力を0とするアニールによる加熱を行い、上記のような
パターニングズレを解消している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のX線マスクの製
造方法は以上のように行われ、X線吸収体4の平均膜応
力が0となっているので図34に示したようなX線吸収
体4のパターニングのズレは解消されているはずであ
る。しかしながら、実際にはX線吸収体4の膜応力の分
布は均一でないため図35に示すような問題点が生じて
いる。
【0008】図35(a)は図34(a)と同様にシリ
コン基板1の□30mmの窓領域にX線吸収体4の□1
5mmのパターニングを施した図である。図35(b)
はX線吸収体4のアニールにより加熱し、X線吸収体4
の平均膜応力を0とした応力分布を示す図である。図3
5(b)に示すようにX線吸収体4の平均膜応力として
は明らかに0となっているものの、実際にはX線吸収体
4の各位置では応力は0ではないので、図35(a)に
示したX線吸収体4のパターニングは、結局図15にて
示した場合と同様にずれることとなり所望のパターニン
グを得ることができないという問題点があった。
【0009】又、図35(b)に示したようにX線吸収
体の平均応力が0となっている場合X線吸収体4の図3
5(b)での応力が0の位置での厚さ方向の応力分布
は、例えば厚さが0から上方に向かうにつれて−50M
Paから50MPaへの徐々に上昇していくような分布
となっており、厚さ方向の各位置で応力は0ではなく、
厚さ方向の平均応力として0として形成されている。こ
のことは、他の各箇所でも同様に形成されている。
【0010】よって、エッチングにより図35(a)に
示したように形成する際、例えば20%程度のオーバー
エッチングを行うと、平均応力として0と形成されてい
たものは、実際には厚さ方向の20%程度、すなわち引
っ張り応力を有する一部が全体的にエッチングされ、エ
ッチング後は図35(b)に示すより、全体的に圧縮応
力側に移動し、全体として数MPaの圧縮応力を有する
こととなり、結局図34(a)に示した場合と同様にず
れることとなり所望のパターニングを得ることができな
いという問題点があった。
【0011】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、X線吸収体の膜応力を全ての箇
所において0とし、所望のパターニングを得ることがで
きるX線マスクの製造方法および加熱装置を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項1
のX線マスクの製造方法は、基板上にX線吸収体を成膜
した後、アニールにより膜応力を調整するX線マスクの
製造方法において、成膜後のX線吸収体の膜応力分布を
測定し、X線吸収体の各箇所における膜応力が0となる
所定の温度分布でアニールによる加熱を行うものであ
る。
【0013】又、この発明に係る請求項2のX線マスク
の製造方法は、基板上にX線吸収体を成膜した後、複数
回のアニールにより膜応力を調整するX線マスクの製造
方法において、最終段階までのアニールはX線吸収体を
均一に加熱し、最終段階直前のアニール後のX線吸収体
の膜応力分布を測定し、X線吸収体の各箇所における膜
応力が0となる所定の温度分布で最終段階のアニールに
よる加熱を行うものである。
【0014】又、この発明に係る請求項3のX線マスク
の製造方法は、基板上に、成膜中にアニールにより膜応
力を調整しながらX線吸収体を積層する際、あらかじめ
アニールを行わず成膜する条件でのX線吸収体の膜応力
分布を測定し、X線吸収体の各箇所における膜応力が0
となる所定の温度分布を求め、温度分布でアニールによ
る加熱を行うものである。
【0015】又、この発明に係る請求項4のX線マスク
の製造方法は、基板を回転させながらX線吸収体の成膜
を行い、X線吸収体の膜応力分布を基板の回転軸に対し
軸対称とした後、請求項1または請求項2に記載のX線
マスクの製造方法のX線吸収体の加熱を行うものであ
る。
【0016】又、この発明に係る請求項5の加熱装置
は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マ
スクの製造方法におけるX線吸収体のアニールによる加
熱を行う加熱装置において、X線吸収体を加熱するヒー
タをX線吸収体の膜応力分布に応じた位置に備えること
により、X線吸収体を所定温度分布にするものである。
【0017】又、この発明に係る請求項6の加熱装置
は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マ
スクの製造方法におけるX線吸収体にアニールによる加
熱を行う加熱装置において、均一な温度にて加熱するホ
ットプレートと、X線吸収体とホットプレートとの間に
ギャップとを備え、ギャップ長をX線吸収体の膜応力分
布に応じて変化させ、ギャップ長に応じたホットプレー
トの加熱温度より低下した温度にてX線吸収体の各箇所
を加熱することにより、X線吸収体を所定温度分布にす
るものである。
【0018】又、この発明に係る請求項7の加熱装置
は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マ
スクの製造方法におけるX線吸収体のアニールによる加
熱を行う加熱装置において、均一な温度にて加熱するオ
ーブンを備え、熱を吸収、放出するヒートシンクをX線
吸収体の膜応力分布に応じた位置に配置することによ
り、X線吸収体を所定温度分布にするものである。
【0019】又、この発明に係る請求項8の加熱装置
は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マ
スクの製造方法におけるX線吸収体の成膜後のアニール
による加熱を行う加熱装置において、均一な温度にて加
熱するオーブンと、X線吸収体を冷却する冷却ガス送出
手段を備え、送出手段によりX線吸収体の膜応力分布に
応じた位置に冷却ガスを吹き付けX線吸収体を冷却する
ことにより、X線吸収体を所定温度分布にするものであ
る。
【0020】又、この発明に係る請求項9の加熱装置
は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マ
スクの製造方法におけるX線吸収体の成膜後のアニール
による加熱を行う加熱装置において、均一な温度にて加
熱する加熱ランプを備え、加熱ランプからの輻射熱を遮
断するマスクをX線吸収体の膜応力分布に応じパターニ
ングすることにより、X線吸収体を所定温度分布にする
ものである。
【0021】又、この発明に係る請求項10の加熱装置
は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マ
スクの製造方法におけるX線吸収体の成膜後のアニール
による加熱を行う加熱装置において、X線吸収体を加熱
するレーザー出力部を備え、レーザー出力部をX線吸収
体の膜応力分布に応じて移動させながらレーザー光を照
射することにより、X線吸収体を所定温度分布にするも
のである。
【0022】又、この発明に係る請求項11のX線マス
クの製造方法は、基板上にX線吸収体を成膜した後、X
線吸収体の膜応力分布を測定し、X線吸収体の各箇所に
おける膜応力が0となる所定のイオン注入量分布でX線
吸収体にイオンを注入し膜応力を調整するものである。
【0023】又、この発明に係る請求項12のX線マス
クの製造方法は、請求項11において、イオンとして、
アルゴンイオン、又は、ケイ素イオン、又は、ネオンイ
オン、又は、クリプトンイオン、又は、キセノンイオン
を用いるものである。
【0024】又、この発明に係る請求項13のX線マス
クの製造方法は、基板上に、X線吸収体を複数の成膜条
件にて積層していく際に、成膜条件間のX線吸収体の各
膜応力分布が相殺して、X線吸収体の各箇所における膜
応力が0となるようにしたものである。
【0025】又、この発明に係る請求項14のX線マス
クの製造方法は、請求項13に記載のX線マスクの製造
方法において、各成膜条件ごとにX線吸収体をアニール
により均一に加熱する条件を付加したものである。
【0026】又、この発明に係る請求項15のX線マス
クの製造方法は、請求項13に記載のX線マスクの製造
方法において、各成膜条件の内、最終成膜条件にX線吸
収体をアニールにより均一に加熱する条件を付加したも
のである。
【0027】又、この発明に係る請求項16のX線マス
クの製造方法は、表面が平坦な基板上にX線吸収体を成
膜した後の膜応力分布をあらかじめ測定し、基板の表面
を、応力が小さい箇所ほど応力が大きい箇所より凹凸を
有するように加工した後、X線吸収体の成膜を行うよう
にしたものである。
【0028】又、この発明に係る請求項17のX線マス
クの製造方法は、基板上にX線吸収体を成膜する際に、
X線吸収体の厚さ方向の応力が均一となるように成膜条
件の内、圧力の条件を徐々に下降させていくものであ
る。
【0029】又、この発明に係る請求項18のX線マス
クの製造方法は、基板上に、X線吸収体を同一の成膜条
件にて積層していく際に、複数回に分けて成膜し、各回
成膜後ごとにX線吸収体の最大膜応力を0とする温度に
てX線吸収体をアニールにより均一に加熱するものであ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態を図につい
て説明する。図1はこの発明の実施の形態1におけるX
線マスクの製造方法および加熱装置の構成を示す断面図
である。図において、従来の場合と同様の部分は同一符
号を付して説明を省略する。8はX線吸収体4を加熱す
るための加熱装置としての円形状のホットプレートで、
内部に環状にヒータ9a、9b、9cをそれぞれ備えて
おり、ホットプレート8の温度分布は軸対称となるが、
各ヒータ9a、9b、9cの電気入力を変えることによ
り、ホットプレート8の径方向の温度分布を変えること
ができる。
【0031】次いで上記のように構成された実施の形態
1のX線マスクの製造方法について説明する。まず、従
来の場合と同様にシリコン基板1上にメンブレン2を例
えばCVD法(化学気相成長法の略)にて成膜する。次
に、メンブレン2上にタングステン−チタン膜からなる
X線吸収体4を成膜する。この際の成膜条件は、シリコ
ン基板1を回転させながら、スパッタリングにより例え
ば圧力:8.5mTorr、ガス:アルゴンガス/窒素
ガス=93/7、入力:650Wの条件にて行う。尚、
実施の形態では、従来の所で述べた反射防止膜3につい
ては省略して記載する。
【0032】上記の成膜条件にて成膜されたX線吸収体
4は、アモルファス構造を有し、膜応力は圧縮応力側に
て形成されることとなる。又、シリコン基板1を回転さ
せながらX線吸収体4を成膜しているため、X線吸収体
4の膜応力分布は軸対称と成る。このX線吸収体4の膜
応力分布を測定すると例えば図2(a)に示すように、
X線吸収体4の中心を対称にして膜応力が分布し、圧縮
応力側(ここでは圧縮応力をマイナスにて示す)で、例
えば−260MPaから−300MPaまで分布してい
る。尚、X線吸収体4の膜応力分布の測定はX線吸収体
4の反りを測定し、これを2階微分し所望の係数を掛け
ることにより容易に求めることができる。
【0033】そして、このX線吸収体4の膜応力が全て
の箇所において0となる所定の温度分布を求める。ここ
では、例えば1MPa上げるのに1℃の加熱が必要とな
るため、図2(b)に示すように、X線吸収体4の膜応
力分布と対応した所定温度分布となり、例えば260℃
から300℃まで分布している。尚、ここで用いた応力
に対する温度の設定の方法は、例えばProceedi
ng of SPIE.1994.vol 2194,
221ページ〜229ページを参照に求めたものであ
る。
【0034】そして、ホットプレート8の温度分布が図
2(b)に示した所定温度分布となるように、各ヒータ
9a、9b、9cの電気入力を調整してシリコン基板1
を載置し、X線吸収体4を所定温度分布でアニールによ
る加熱を行い、X線吸収体4の膜応力を全ての箇所にお
いて0となるようにする。
【0035】以下、図は省略するが従来の場合と同様
に、シリコン基板1の一部を除去(バックエッチ)し、
次に、レジストを塗布し例えば180℃でベークする。
次に、シリコン基板1をオーブンに接着剤にて接着す
る。次に、電子線描画および現像によりレジストのパタ
ーニングを行い、このパターニングされたレジストをマ
スクとしてX線吸収体のドライエッチを行い、X線吸収
体のパターニングを行い、レジストを除去しX線マスク
を形成する。
【0036】上記のように構成された実施の形態1のX
線マスクの製造方法は、X線吸収体4の成膜後のX線吸
収体4の膜応力分布を測定し、X線吸収体4の各箇所に
おける膜応力が0となる所定温度分布を有するホットプ
レート8にてX線吸収体4にアニールによる加熱を行
い、X線吸収体4の全ての箇所において膜応力を0とし
たので、パターニングされたX線吸収体4が膜応力によ
るズレを生じるのを防止でき、延いては所望のパターニ
ングされたX線マスクを得ることが可能となる。尚、ホ
ットプレート8の各コイル9a、9b、9cの電気入力
を変化させることにより図2(b)に示した以外の所定
温度分布でも容易に設定できることは言うまでもない。
【0037】又、X線吸収体4の成膜がシリコン基板1
を回転させて行っているので、X線吸収体4の膜応力分
布は軸対称となり、所定温度分布も軸対称分布で決定す
ればよく容易に所定温度分布の決定を行うことができ
る。
【0038】上記実施の形態1ではX線吸収体4として
アモルファス構造のものを利用したが、ここではその理
由を説明する。まず、アモルファス構造を有さない構造
では柱状構造が挙げられる。例えばスパッタリングの際
の圧力を、アモルファス構造の場合より高くすると、こ
の柱状構造が得られる。ここでは、アモルファス構造と
柱状構造との比較をし、アモルファス構造の利点につい
て述べる。
【0039】アモルファス構造の利点として、表面が平
滑である点、エッチング後のエッジクオリティに優れて
いる点、応力が空気中において安定である点、温度と応
力との関係が線型である点が挙げられる。特に、最後に
挙げた利点である、温度と応力との関係が線型である点
から、上記にて説明したアニールによる加熱温度による
X線吸収体4の膜応力の調整を確実に行うことができ
る。
【0040】又、上記実施の形態1ではホットプレート
8内に各ヒータ9a、9b、9cを備え、所定温度分布
となるように形成したが、これに限られることはなく、
図3に示すように、シリコン基板1を載置台27の上面
に載置し、X線吸収体4の上方に例えばフィラメントヒ
ータから成る各ヒータ28a、28bを配設するように
して、X線吸収体4が上記所定温度分布となるようにし
ても、同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0041】以下、X線吸収体の膜応力分布に応じた所
定温度分布を得るための加熱装置の他の実施の形態につ
いて述べていく。 実施の形態2.上記実施の形態1ではホットプレート8
の各コイル9a、9b、9cの電気入力を変化させるこ
とにより所定の温度分布を設定する様にしていたが、こ
れに限られることはなく、例えば図4に示すように均一
に加熱するホットプレート10と、ホットプレート10
内にホットプレート10の温度を冷却する冷却管11と
を備えるようにし、ホットプレート10の加熱温度を例
えば300℃とし、冷却管11にてこの300℃を26
0℃まで冷却できるようにすれば、図2(b)に示した
所定温度分布を容易に得ることができ、上記実施の形態
1と同様の効果を奏することができる。
【0042】又、上記図2(b)に示したような温度分
布でない場合は、冷却管11の位置を例えば図5に示す
ように所望の箇所に形成することにより、他の温度分布
に変えることは容易に行うことができることは言うまで
もない。
【0043】実施の形態3.図6はこの発明における実
施の形態3のX線マスクの製造方法および加熱装置の構
成を示す断面図である。図において上記実施の形態1と
同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。12は
均一な温度で例えば300℃にて加熱するホットプレー
ト、13a、13bはホットプレート12とシリコン基
板1との間、すなわちホットプレート12とX線吸収体
4との間のギャップで、各ギャップ13a、13bのギ
ャップ長をX線吸収体4の膜応力分布に応じて変化さ
せ、X線吸収体4の加熱温度を各ギャップ長に応じホッ
トプレート12の加熱温度より低下した温度にてそれぞ
れ加熱されるようにしている。
【0044】従って上記のように構成された実施の形態
3では、ギャップ13a、13bの各ギャップ長を図6
に示すように変化させることにより、図2(b)に示す
ような所定温度分布にてX線吸収体4を加熱することが
できる。よって、上記実施の形態1と同様の効果を奏す
ることができる。又、このように、ホットプレート12
とX線吸収体4とのギャップ長をX線吸収体4の所定温
度分布に応じて変化させることにより、容易にX線吸収
体4の所定温度分布を得ることができる。このことよ
り、図2(b)に示した所定温度分布以外に対しても容
易に適用できることは言うまでもない。
【0045】実施の形態4.上記実施の形態3ではシリ
コン基板1にバックエッチを施す前の形状について説明
したが、ここではシリコン基板1にバックエッチを施し
一部を除去した後の場合について図7を用いて説明す
る。シリコン基板1にバックエッチを施した後のものに
対しては、均一に加熱するホットプレート15にシリコ
ン基板1の除去部に対応した突出部15aを備え、ホッ
トプレート15の突出部15aとシリコン基板1との
間、すなわち突出部15aとX線吸収体4との間のギャ
ップ16a、16bのギャップ長を上記実施の形態3と
同様に設定すれば、上記実施の形態3と同様の効果を奏
することができる。
【0046】実施の形態5.図8はこの発明における実
施の形態5のX線マスクの製造方法および加熱装置の構
成を示す断面図である。図において、上記実施の形態1
と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。17
はX線吸収体4を均一に例えば300℃に加熱するホッ
トプレート、18はX線吸収体4の温度を冷却するため
の例えば室温の冷却ガスである空気や、窒素ガス等を送
出する送出手段である。
【0047】次いで上記のように構成された実施の形態
5では、X線吸収体4をホットプレート17にて均一に
加熱しながら、図8に示すように、放出手段18より、
X線吸収体4に冷却ガスを送出し冷却しているため、図
2(b)に示すような所定温度分布にてX線吸収体4を
加熱することができる。よって、上記実施の形態1と同
様の効果を奏することができる。又、送出手段18の位
置をX線吸収体4の所定温度分布に応じて変えることに
より、容易にX線吸収体4の所定温度分布を得ることが
できる。このことより、図2(b)に示した所定温度分
布以外に対しても容易に適用できることは言うまでもな
い。
【0048】実施の形態6.上記各実施の形態ではX線
吸収体の図2(a)で示す膜応力分布に対応して図2
(b)の温度分布を実現するようにしたが、ここではX
線吸収体の図2(a)とは異なる膜応力分布に対応する
場合について説明する。上記実施の形態1と同一条件に
てX線吸収体を成膜した際X線吸収体の膜応力分布が図
9(a)に示すように分布しているとすると、この際の
X線吸収体の所定温度分布は図9(b)のようになる。
この関係は上記実施の形態1より明らかである。
【0049】上記のような所定温度分布にX線吸収体を
加熱するために図10に示すようにホットプレート19
をリング状に形成し、例えば300℃にて加熱する。そ
して、ホットプレート19上に図10に示すようにシリ
コン基板1を載置して加熱することにより、X線吸収体
4は図9(b)に示すように加熱され、X線吸収体4の
膜応力は0となる。よって、上記実施の形態1と同様の
効果を奏することができる。
【0050】実施の形態7.図11はこの発明の実施の
形態7におけるX線マスクの製造方法および加熱装置の
構成を示す断面図である。図において、上記実施の形態
6と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。2
0はホットプレート17上にリング状に形成された金属
板である。
【0051】次いで上記のように構成された実施の形態
7ではシリコン基板1を金属板20を介して均一な温度
分布が例えば300℃であるホットプレート17により
加熱している。よってX線吸収体4は、金属板20と対
向する位置がホットプレート17と同等な温度で加熱さ
れ、他の箇所は金属板20から離れるのでその分温度が
低下する。従って、図9(b)に示すようなX線吸収体
4の所定温度分布にてX線吸収体4を加熱することがで
きる。よって、上記実施の形態6と同様の効果を奏する
ことができる。
【0052】又、金属板20の形状をX線吸収体4の所
定温度分布に応じて変えることにより、容易にX線吸収
体4の所定温度分布を得ることができる。このことよ
り、図9(b)に示した所定温度分布以外に対しても容
易に適用できることは言うまでもない。
【0053】実施の形態8.図12はこの発明の実施の
形態8におけるX線マスクの製造方法および加熱装置の
構成を示す断面図である。図において、上記実施の形態
1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。2
1はX線吸収体4を均一に加熱するためのオーブン、2
2はシリコン基板1の下部に配設されたリング状のヒー
トシンクで、例えばステンレス、又は、銅、又は、アル
ミなどから成る。
【0054】次いで上記のように構成された実施の形態
8では、オーブン21の加熱温度をX線吸収体4の所定
温度分布の最低温度とし、ヒートシンク22によってX
線吸収体4をその所定温度分布の最高温度に加熱できる
ように、予め、ヒートシンク22に所望の熱容量を貯え
させておく。このように、それぞれの温度設定をするこ
とにより、X線吸収体4はヒートシンク22と対応する
箇所が、所定温度分布の最高温度となるように加熱さ
れ、延いては図9(b)に示すような所定温度分布にX
線吸収体4は加熱されることとなる。よって、上記実施
の形態6と同様の効果を奏することができる。
【0055】又このように、ヒートシンク22の位置を
X線吸収体4の所定温度分布に応じて変化させることに
より、容易にX線吸収体4の所定温度分布を得ることが
できる。このことより、図9(b)に示した所定温度分
布以外に対しても容易に適用できることは言うまでもな
い。
【0056】実施の形態9.図13はこの発明の実施の
形態9におけるX線マスクの製造方法および加熱装置の
構成を示す断面図である。図において、上記実施の形態
8と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。2
3はシリコン基板1の下部に配設されたリング状のヒー
トシンク、24はシリコン基板1の下部の中央に配設さ
れたヒートシンクである。ヒートシンク23、24は例
えば、ステンレス、又は、銅、又は、アルミなどから成
る。
【0057】次いで上記のように構成された実施の形態
9では、オーブン21の加熱温度をX線吸収体4の所定
温度分布の最高温度とし、ヒートシンク23、24によ
ってX線吸収体4をその所定温度分布の最低温度にでき
るようにする。このようにすることにより、X線吸収体
4はヒートシンク21で加熱されるとともに、ヒートシ
ンク23、24と対応する箇所は、ヒートシンク23、
24に熱を奪われ、延いては図9(b)に示すような所
定温度分布にX線吸収体4は加熱されることとなる。よ
って、上記実施の形態6と同様の効果を奏することがで
きる。
【0058】又このように、ヒートシンク23、24の
位置をX線吸収体4の所定温度分布に応じて変化させる
ことにより、容易にX線吸収体4の所定温度分布を得る
ことができる。このことより、図9(b)に示した所定
温度分布以外に対しても容易に適用できることは言うま
でもない。
【0059】実施の形態10.図14はこの発明におけ
る実施の形態10のX線マスクの製造方法および加熱装
置の構成を示す断面図である。図において上記実施の形
態6と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
25は加熱ランプ、26は例えばアルミ、又は、ステン
レス等から成り、加熱ランプ25からの輻射熱を遮断す
るマスクで、X線吸収体の膜応力分布に応じパターニン
グされている。
【0060】次いで上記のように構成された実施の形態
10では、加熱ランプ25によりX線吸収体4を加熱す
る際に、マスク26を介して行うようにしたので、マス
ク26のパターンに応じてX線吸収体4の箇所が加熱さ
れることとなる。ここではマスク26を図に示したよう
にパターニングしているので、図9(b)に示した所定
温度分布にてX線吸収体4を加熱することができる。よ
って、上記実施の形態6と同様の効果を奏することがで
きる。
【0061】又このように、マスク26のパターニング
をX線吸収体4の所定温度分布に応じて変化させること
により、容易にX線吸収体4の所定温度分布を得ること
ができる。このことより、図9(b)に示した所定温度
分布以外に対しても容易に適用できることは言うまでも
ない。
【0062】実施の形態11.図15はこの発明の実施
の形態11のX線マスクの製造方法および加熱装置の構
成を示す断面図である。図において、上記各実施の形態
と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。29
はレーザ光30をX線吸収体4に照射するレーザー出力
部である。
【0063】次いで上記のように構成された実施の形態
11では、レーザー出力部29をX線吸収体4が所定温
度分布となるようにレーザー光30の強弱を調整しなが
ら、X線吸収体4上を移動させることにより、X線吸収
体4を所定温度分布に加熱することができる。よって、
上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0064】実施の形態12.上記各実施の形態ではX
線吸収体の膜応力のアニールによる調整を1度のアニー
ルによる加熱にて行う例を示したが、これに限られるこ
とはなく、例えば、複数回のアニールによる加熱により
調整する場合は、最終段階までのアニールはX線吸収体
を均一に加熱し、最終段階直前のアニール後のX線吸収
体の膜応力分布を測定し、X線吸収体の各箇所における
膜応力から0となる所定温度分布で最終段階アニールに
よる加熱に対して、上記各実施の形態を適宜用いるよう
にすれば上記各実施の形態と同様の効果を奏することは
言うまでもない。又、複数回によるアニールによる加熱
にてX線吸収体の膜応力を調整しているので再現性向上
の効果も同様に得ることができる。
【0065】実施の形態13.上記各実施の形態ではX
線吸収体4の成膜後にアニールすることにより、全ての
箇所において膜応力を0にする例を示したが、これに限
られることなく、あらかじめ、上記実施の形態1と同様
の製造方法にてX線吸収体4を積層し、膜応力分布を測
定しておき、X線吸収体4の膜応力が全ての箇所におい
て0となる所定温度分布を求める。そして、図16に示
すように上記実施の形態1と同様の加熱装置としてのホ
ットプレート8にて同様の所定温度分布となるようヒー
タ9a、9b、9cを用いてアニールによる加熱を行
い、膜応力を調整しながら、X線吸収体31を積層する
ようにしても、上記各実施の形態と同様に、X線吸収体
の各箇所における膜応力を0とすることができるため、
上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0066】しかしながら、X線吸収体の積層時にアニ
ールを行うため、上記各実施の形態で示した内、図1、
図4ないし図7、図10ないし図13の各加熱装置はそ
れぞれ同様に用いることができるが、図3、図8、図1
4の各加熱装置はX線吸収体の積層事態に影響を及ぼす
ため用いることはできない。
【0067】実施の形態14.上記各実施の形態ではア
ニールによる加熱を行うことによりX線吸収体の膜応力
を調整する例を示したが、ここでは他の例について説明
する。まず、上記実施の形態1と同様の製造方法にてX
線吸収体4を積層し、膜応力分布を測定する。そして、
X線吸収体4の膜応力が全ての箇所において0となるイ
オンの注入量分布を求める。ここでは、イオンとして例
えばアルゴンイオンを用いる。
【0068】図17にアルゴンイオンの注入量に対する
応力の変化を示す。図から明らかなようにアルゴンイオ
ンを4×1013Ionc/cm2注入すれば100MP
a応力を下げることができる。このことを利用し、図2
(a)に示したX線吸収体4の膜応力分布に対しての、
X線吸収体の膜応力が全ての箇所において0となるイオ
ン注入量分布を求めると、図18に示すように求められ
る。そして、図18に示すようなイオン注入量分布に基
づき、X線吸収体4にアルゴンイオンをイオン注入し、
X線吸収体4の膜応力を0とする。
【0069】上記のように行われた実施の形態14のX
線マスクの製造方法は、X線吸収体4の成膜後のX線吸
収体の膜応力分布を測定し、X線吸収体4の各箇所にお
ける膜応力が0となるイオン注入量分布にてイオンを注
入し、X線吸収体4の全ての箇所において膜応力を0と
したので、パターニングされたX線吸収体が膜応力によ
るズレを生じるのを防止でき、延いては所望のパターニ
ングされたX線マスクを得ることが可能となる。
【0070】又、上記実施の形態14はアルゴンイオン
を用いる例を示したが例えばこれに限られることはな
く、図19に示すようにケイ素イオン(Si)、ネオン
イオン(Ne)、クリプトンイオン(Kr)、キセノン
イオン(Xe)なども同様にX線吸収体の応力を調整す
ることが可能なため、同様に用いることができる。
【0071】実施の形態15.図20はこの発明の実施
の形態15におけるX線マスクの製造方法を示す断面図
である。図において上記各実施の形態と同様の部分は同
一符号を付して説明を省略する。32、33はメンブレ
ン2上に成膜条件を変化させて順次積層されたX線吸収
体で、同一の厚さにて積層する。そして、これらX線吸
収体32、33にて最終X線吸収体34が形成されるこ
ととなる。
【0072】この際のX線吸収体32、33の各成膜条
件にてX線吸収体32、33を成膜した際の膜応力分布
は、図21(a)、(b)に示すように設定しておく。
図21(a)、(b)に示したように、成膜条件間のX
線吸収体32、33の各膜応力分布が相殺して、X線吸
収体の各箇所における膜応力が0となるように設定して
おけば、最終X線吸収体34の膜応力は全ての各箇所に
おいて膜応力を0とすることができる。
【0073】実際には、X線吸収体32の第1の成膜条
件として例えば圧力:8.5mTorr、ガス:アルゴ
ンガス/窒素ガス=93/7、スパッタパワー:650
Wの条件にて行い、図21(a)に示すように−200
MPaから−240MPaまでの分布となるX線吸収体
32を成膜する。次に、X線吸収体32の第2の成膜条
件として、上記X線吸収体32のスパッタ時の公転基板
上の位置より20mm程度公転中心から外側にずらし、
図21(a)の膜応力分布と相殺する分布となる位置に
変化させ、圧力:10.0mTorr、ガス:アルゴン
ガス/窒素ガス=93/7、スパッタパワー:700W
の条件にて行い、図21(b)に示すように240MP
aから200MPaまでの膜応力分布となるX線吸収体
33と成膜する。
【0074】上記のように行われた実施の形態15のX
線マスクの製造方法は、X線吸収体32、33の両成膜
条件間のX線吸収体32、33の各膜応力分布が相殺し
て、最終X線吸収体34の各箇所における膜応力を0と
したので、パターニングされた最終X線吸収体34が膜
応力によるズレを生じるのを防止でき、延いては所望の
パターニングされたX線マスクを得ることが可能とな
る。
【0075】又、上記実施の形態15では最終X線吸収
体34を、第1および第2の2回の成膜条件にて成膜さ
れるX線吸収体32、33にて成膜する例を示したが、
これに限られることはなく、2回以上の成膜条件にて行
うようにしてもよい。2回以上の成膜条件にて行うこと
により、より一層膜応力分布の調整が行いやすくなる。
【0076】実施の形態16.上記実施の形態15では
成膜条件にアニールによる加熱する条件を加えていない
が、実際的には、アニールによる加熱を行った方がX線
吸収体の安定性がよくなる。よって、以下、アニールに
よる加熱を成膜条件に付加する場合について説明する。
【0077】図22に基づいて実施の形態16のX線マ
スクの製造方法について説明する。まず、第1の成膜条
件として例えば圧力:8.5mTorr、ガス:アルゴ
ンガス/窒素ガス=93/7、スパッタパワー:650
Wにて成膜し、図22(a)に示すような−200MP
aから−240MPaまでのX線吸収体の膜応力分布を
得たのち、X線吸収体のアニールによる均一の加熱を2
20℃にて行い、図22(b)に示すような20MPa
から−20MPaまでのX線吸収体の膜応力分布を得
る。
【0078】次に、第2の成膜条件として例えば上記第
1の成膜条件と同様の圧力:8.5mTorr、ガス:
アルゴンガス/窒素ガス=93/7、スパッタパワー:
650Wにて上記第1の成膜条件のスパッタ時の公転基
板上の位置より20mm程度公転中心から外側にずら
し、図22(a)の膜応力分布と相殺する分布となる位
置に変化させて行い、図22(c)に示すように−20
0MPaから−240MPaまでのX線吸収体の膜応力
分布を得たのち、X線吸収体のアニールによる均一の加
熱を220℃にて行い、図22(d)に示すような20
MPaから−20MPaまでのX線吸収体の膜応力分布
を得る。
【0079】最終的な、X線吸収体としては、図22
(b)と図22(c)との膜応力分布を得ることとな
る。よって、図22(b)と図22(c)との膜応力分
布は相殺し、X線吸収体の各箇所における膜応力が0と
なる。尚、第2の成膜条件時の加熱温度は、第1の成膜
条件時の加熱温度と同一の為、第1の成膜条件にて成膜
されたX線吸収体の膜応力分布が、第2の成膜条件の加
熱時に変化することはない。
【0080】上記のように行われた実施の形態16のX
線マスクの製造方法は、上記実施の形態15と同様の効
果を奏するのはもちろんのこと、アニールによる加熱を
行うため、X線吸収体の安定性を向上とすることができ
る。
【0081】又、上記実施の形態16では各成膜条件ご
とにアニールによる加熱の条件を付加したが、これに限
られることはなく例えば、最終成膜条件のみにアニール
による加熱の条件を付加しても上記実施の形態16と同
様にX線吸収体の安定性を同上することができる。
【0082】例えば、図22(a)および図22(c)
の膜応力分布となるように成膜し、X線吸収体のアニー
ルにより均一の加熱を220℃にて行うと、X線吸収体
の各箇所における膜応力が0となる。
【0083】まず、第1の成膜条件として例えば圧力:
8.5mTorr、ガス:アルゴンガス/窒素ガス=9
3/7、スパッタパワー:650Wにて成膜し、図23
(a)に示すような−200MPaから−240MPa
までのX線吸収体の膜応力分布を得る。次に、第2の成
膜条件として例えば上記第1の成膜条件と同様の圧力:
8.5mTorr、ガス:アルゴンガス/窒素ガス=9
3/7、スパッタパワー:650Wにて上記第1の成膜
条件のスパッタ時の公転基板上の位置より20mm程度
公転中心から外側にずらし、図23(a)の膜応力分布
と相殺する分布となる位置に変化させて行い、図23
(b)に示すように−200MPaから−240MPa
までのX線吸収体の膜応力分布を得たのち、X線吸収体
のアニールによる均一の加熱を220℃にて行う。
【0084】この第2の成膜条件のアニールによる加熱
の際、第1の成膜条件にて成膜されたX線吸収体も同様
に加熱される。よって、図23(a)、(b)のX線吸
収体の膜応力分布は各箇所において−220MPaと均
一になるものの、第2の成膜条件のアニールの220℃
の均一の加熱により、X線吸収体の膜応力分布は各箇所
において0となる。
【0085】実施の形態17.図24はこの発明の実施
の形態17のX線マスクの製造方法の構成を示す断面図
である。図において、35はシリコン基板、36はこの
シリコン基板35上に積層されたメンブレンで、表面が
平坦な箇所37と凹凸を有する箇所38とを備えてい
る。39はメンブレン36上に積層されたX線吸収体
で、アモルファス構造を有する箇所40とアモルファス
構造を有さない箇所41とを備えている。
【0086】次に、上記のように構成された実施の形態
17のX線マスクの製造方法について図24ないし図2
6を交えて説明する。まず、メンブレンが全ての箇所に
おいて平坦な場合、成膜条件を例えば圧力:9.0mT
orr、ガス:アルゴンガス/窒素ガス=93/7、ス
パッタパワー:650Wにて成膜を行うと図25(a)
に示すようなX線吸収体の膜応力分布が得られる。又、
同様な成膜条件で、メンブレンが全ての箇所において凹
凸を有する場合は図25(b)に示すようなX線吸収体
の膜応力分布が得られる。
【0087】この現象はX線吸収体が、平坦な上に積層
されると圧縮応力を有するアモルファス構造にて積層さ
れるが、凹凸上に積層されるとアモルファス構造となり
にくく引っ張り応力側である柱状構造にて積層されるか
らである。このことを利用し、メンブレン36を平坦な
箇所37と凹凸を有する箇所38とを、平坦なメンブレ
ン上にX線吸収体を成膜した際の膜応力分布の応力が小
さい箇所ほど、応力が大きい箇所より凹凸を有するよう
に加工する。これは、例えばダイヤモンド研磨などによ
り不均一に研磨する箇所と均一に研磨する箇所とにより
形成できる。そして、X線吸収体39を上記した成膜条
件で積層すると、平坦な箇所37上では図25(a)
の、又、凹凸を有する箇所38上では図25(b)のそ
れぞれのX線吸収体の膜応力を得ることができ、X線吸
収体39は図26に示したような膜応力分布を得ること
ができる。
【0088】上記のように構成された実施の形態17の
X線マスクの製造方法は、メンブレン36すなわちX線
吸収体の基板としての表面を、平坦なメンブレン上にX
線吸収体を成膜した際の膜応力分布の応力が小さい箇所
ほど、応力が大きい箇所より凹凸を有するように加工し
たのちX線吸収体39を積層しているため、X線吸収体
39の膜応力分布を小さくすることができるので、パタ
ーニングされたX線吸収体が膜応力によるズレを生じる
のを防止でき、延いては所望のパターニングされたX線
マスクを得ることが可能となる。
【0089】又、上記実施の形態17ではメンブレン3
6に平坦な箇所37と凹凸を有する箇所38とを分割し
て備える例を示したが、これに限られることはなく、平
坦なメンブレン上にX線吸収体を成膜した際の膜応力分
布に応じて、加工は困難となるものの、凹凸の強弱によ
り調整するようにすれば、より一層膜応力を0に近づけ
ることができる。
【0090】上記各実施の形態では膜応力分布として、
X線吸収体の平面方向の膜応力について説明したが、厚
さ方向の膜応力については不均一のままである。この原
理を、図27を用いて詳細に説明する。
【0091】まず、一般的なアニールによる加熱処理な
しにX線吸収体を成膜した場合、例えば図27(a)に
示すようなX線吸収体が積層されることとなる。このX
線吸収体は実際には、中央部の厚さ方向で−100MP
aから0MPaの応力を有し、両端部の厚さ方向で−1
50MPaから−50MPaの応力を有している。しか
しながら、X線吸収体の膜応力分布としては図27
(b)に示すように、これら厚さ方向の平均値が検出さ
れることとなる。
【0092】そして、この図27(b)に応じたアニー
ルによる加熱を上記各実施の形態と同様に図27(c)
のように所定温度分布を決定し、図27(a)に示すX
線吸収体を図27(c)の所定温度分布にてアニールに
よる加熱を行い、X線吸収体の各箇所での膜応力が0と
なる図27(d)に示すようなX線吸収体を得るように
形成していた。実際には、図27(a)に示したものを
図27(c)の温度にてアニールによる加熱を行ってい
るので、図27(e)に示すようなX線吸収体が得られ
ている。図27(e)から明らかなように、X線吸収体
の膜応力は各箇所において0となっているものの、厚さ
方向の応力は−50MPaから50MPaの値を示して
いる。
【0093】図27(e)に示すX線吸収体にて、上記
実施の形態1と同様に、シリコン基板1の一部を除去
(バックエッチ)し、次に、レジストを塗布し例えば1
80℃でベークする。次に、シリコン基板1をオーブン
に接着剤にて接着する。次に、電子線描画および現像に
よりレジストのパターニングを行い、このパターニング
されたレジストをマスクとしてX線吸収体のドライエッ
チを行い、X線吸収体のパターニングを行い、レジスト
を除去しX線マスクを形成する。
【0094】この上記X線マスクを形成する工程のうち
X線吸収体のパターニングの際に、オーバーエッチング
を行うと、X線吸収体の上部の一部がエッチングされ
る。これにともない、図27(e)から明らかなように
上部の引っ張り応力に相当する部分がエッチングされる
ため、膜応力が0となっていたものが、−数MPaの応
力を有することとなり、従来の場合と同様に、X線マス
クのズレが生じることとなる。このようなオーバーエッ
チングに対応するために、X線吸収体の厚さ方向の応力
も均一にする必要が生じた。以下、X線吸収体の厚さ方
向の応力を均一とするための実施の形態について説明す
る。
【0095】実施の形態18.図28はこの発明の実施
の形態18のX線マスクの製造方法を示す断面図であ
る。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一
符号を付して説明を省略する。42、43はメンブレン
2上に成膜条件を変化させて順次積層されたX線吸収体
で例えば厚さ2500オングストロームづつ積層する。
そして、これらX線吸収体42、43にて最終X線吸収
体44に形成されることとなる。
【0096】この際のX線吸収体42、43の各成膜条
件にてX線吸収の全ての厚みを成膜した際の、X線吸収
体42、43の中央部に相当する箇所での厚さ方向の応
力は、図29(a)、(b)に示すように設定されてい
る。実際には、X線吸収体42の第1の成膜条件として
例えば圧力:9.5mTorr、ガス:アルゴンガス/
窒素ガス=93/7、スパッタパワー:620Wの条件
にて行い、図29(a)に示すような厚さ方向の応力を
得、又、X線吸収体43の第2の成膜条件として例えば
圧力:9.0mTorr、ガス:アルゴンガス/窒素ガ
ス=93/7、スパッタパワー:620Wの条件にて行
い、図29(b)に示すような厚さ方向の応力を得る。
【0097】X線吸収体42は0〜2500オングスト
ロームの厚さまで、又、X線吸収体43は2500オン
グストロームから5000オングストロームの厚さまで
それぞれ積層される。よって、最終X線吸収体44の中
央部の厚さ方向の応力は図30に示すように、0〜25
00オングストロームは図29(a)の、又、2500
オングストローム〜5000オングストロームは図29
(b)の応力をそれぞれ有することとなる。
【0098】上記したように厚さ方向の応力が均一とな
るために各成膜条件の内、圧力の条件を徐々に下降させ
ている。これは、平坦なメンブレン2上にX線吸収体を
成膜する際、一般的に粒径の小さなアモルファス構造か
ら、アモルファス構造ながら徐々に粒径が成長し大きく
なっていく。そしてこれは、アモルファス構造のように
粒径の小さい条件の時は、膜応力は圧縮が強くなり、徐
々に引っ張り応力側に変化していくこととなる。成膜条
件のうち圧力を下降させることにより、アモルファス構
造を形成しやすい条件とすることができるため、このこ
とを利用したものである。
【0099】上記のように構成された実施の形態18の
X線マスクの製造方法は、成膜条件の内、圧力の条件を
徐々に下降させていき、最終X線吸収体44を形成した
ことにより、X線吸収体の厚さ方向の応力が均一となる
ようにしたので、オーバーエッチなどによりX線吸収体
の厚さ方向の応力の平均値が変化するのを防止すること
ができる。
【0100】尚、上記実施の形態18では圧力を段階的
に徐々に下降させて行う方法を示したが、これに限られ
ることはなく、圧力を連続的に徐々に下降させて行えば
X線吸収体の厚さ方向の応力の一層の均一化を図ること
ができる。
【0101】実施の形態19.図31はこの発明の実施
の形態19のX線マスクの製造方法を示す断面図であ
る。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一
符号を付して説明を省略する。45、46、47はメン
ブレン2上に同一成膜条件にて複数回に分けて所望の膜
厚の3分の1づつの厚みを成膜し、各回成膜後ごとに最
大膜応力を0とする温度にてアニールにより均一に加熱
して形成されたX線吸収体、48はこれらX線吸収体4
5、46、47からなる最終X線吸収体である。
【0102】次いで、上記のように構成された実施の形
態19のX線マスクの製造方法について説明する。ま
ず、メンブレン2上に、成膜条件として例えば圧力:
8.5mTorr、ガス:アルゴンガス/窒素ガス=9
3/7、スパッタパワー:650Wの条件で成膜してい
く。まず、3分の1の厚さのX線吸収体45を積層す
る。このX線吸収体45の最大膜応力は例えば−280
MPaとなる。よって、X線吸収体45と280℃にて
アニールによる加熱を行い、最大膜応力を0とする。
【0103】次にX線吸収体45上に3分の1の厚さの
X線吸収体46を積層する。このX線吸収体46の最大
膜応力は例えば−260MPaとなる。よって、X線吸
収体46を260℃にてアニールによる加熱を行い、最
大膜応力を0とする。次に、X線吸収体46上に3分の
1の厚さのX線吸収体47を積層する。このX線吸収体
47の平均膜応力は例えば−240MPaとなる。よっ
て、X線吸収体47を240℃にてアニールによる加熱
を行い、最大膜応力を0とする。
【0104】このように、各X線吸収体46、47、4
8の最大膜応力を0となるようにして形成された、最終
X線吸収体49は、厚さ方向に均一な応力を有するもの
となる。このことは、上記実施の形態18の所でも述べ
たように、メンブレン2上にX線吸収体を積層する際、
何れの箇所においても膜応力は厚さ方向に対して、圧縮
応力側から引っ張り応力側に徐々に変化することに基づ
くものである。
【0105】上記のように構成された実施の形態19の
X線マスクの製造方法は、同一成膜条件にて複数回に分
けて成膜し、各回成膜後ごとに最大膜応力を0とする温
度にてアニールにより均一に加熱して最終X線吸収体4
8を形成したことにより、X線吸収体の厚さ方向の応力
が均一となるようにしたので、オーバーエッチなどによ
りX線吸収体の厚さ方向の応力の平均値が変化するのを
防止することができる。
【0106】尚、上記実施の形態19では3回に分けて
成膜する例を示したけれども、これに限られることはな
く、多くの回数に分けて成膜し最大膜応力を0とする温
度にてアニールにより均一に加熱すれば、X線吸収体の
厚さ方向の応力のより一層の均一化を図ることができ
る。又、各X線吸収体46、47のアニールにより加熱
の温度は徐々に、低く設定されるため、後工程のアニー
ルによる加熱の際に、前工程のX線吸収体の膜応力が変
化することはない。
【0107】上記実施の形態18、19ではX線吸収体
の厚さ方向の応力を均一にする例を示したが、このまま
では、膜応力分布は不均一であるため、上記実施の形態
18、19と上記他の実施の形態とを組み合わせる必要
がある。ここで、これらX線吸収体の厚さ方向の応力の
均一と膜応力分布の均一との組合せについての原理を、
図32に基づいて説明する。
【0108】まず、上記実施の形態18、19のような
方法にてX線吸収体の厚さ方向の膜応力を均一にして積
層すると例えば図32(a)に示すようにX線吸収体が
形成されることとなる。このX線吸収体は中央部で−5
0MPaの応力を有し、両端部で−100MPaの応力
を、各箇所厚さ方向において同一すなわち均一な応力を
有することとなる。しかしながら、X線吸収体の膜応力
分布として図32(b)に示すように、−100MPa
から−50MPaまでと不均一な分布を得ることとな
る。
【0109】そして、図32(b)に応じたアニールに
よる加熱を上記各実施の形態と同様に図32(c)のよ
うに所定温度分布を決定し、図32(a)に示すX線吸
収体を図32(c)の所定温度分布にてアニールによる
加熱を行い、X線吸収体の各箇所での膜応力が0となる
図32(d)に示すようなX線吸収体を得るように形成
する。よって、図32(a)に示したものを図32
(c)の温度にてアニールによる加熱を行っているの
で、図32(e)に示すように、X線吸収体の膜応力は
各箇所において0となるとともに、厚さ方向の応力も0
となる。
【0110】よって、図32(e)に示したようなX線
吸収体をパターニングする際、たとえオーバーエッチン
グを行ったとしても、膜応力は0のままとなるので、X
線マスクのズレを生じることはない。
【0111】以下、X線吸収体の膜応力分布の均一と、
厚さ方向の膜応力の均一との組合せの実施の形態につい
て数例挙げて説明する。 実施の形態20.まず、上記実施の形態18と同様の方
法にて厚さ方向の膜応力が均一となるX線吸収体を得た
後、上記各実施の形態と同様に図1ないし図8および図
3、図10ないし図15のような加熱装置を用いて、X
線吸収体の各箇所における膜応力が0となるように所定
の温度分布で加熱するか、又、上記実施の形態14と同
様に、X線吸収体の各箇所における膜応力が0となるよ
うに所定のイオン注入分布でイオン注入すれば、上記図
32にて説明したものと同様に行うことができる。
【0112】又、上記実施の形態13と同様に図1、図
4ないし図7および図10ないし図13の各加熱装置を
用い所定の温度分布で加熱しながらX線吸収体を成膜す
るとともに、上記実施の形態18と同様に圧力の条件を
徐々に下降させて成膜すれば、上記図32(e)にて説
明したものと同様にX線吸収体を形成することができ
る。
【0113】又、上記実施の形態15または実施の形態
16に示したように、成膜条件間のX線吸収体の各膜応
力分布が相殺して、X線各箇所における膜応力を0とす
るとともに、上記実施の形態18と同様に圧力の条件を
徐々に下降させて成膜すれば、上記図32(e)にて説
明したものと同様にX線吸収体を形成することができ
る。
【0114】又、上記実施の形態19に示したようにア
ニールによる加熱にて、X線吸収体の厚さ方向の膜応力
を均一にする場合には、X線吸収体の膜応力の分布を各
箇所において0とするのを、アニールによる加熱にて行
うことができない。よって、上記実施の形態14と同様
に、X線吸収体の各箇所における膜応力が0となる所定
のイオン注入分布でイオン注入すれば、上記図32にて
説明したものと同様に行うことができる。
【0115】上記各実施の形態ではX線吸収体としてタ
ングステン−チタン膜を用いる例を示したが、これに限
られることはなくTaやWを含むアモルファス構造の材
料、例えばTa4B、TaSiN、WO3、WNXなどの
材料から成るアモルファス構造のものを用いてもよいこ
とは言うまでもない。
【0116】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、基板上にX線吸収体を成膜した後、アニールによ
り膜応力を調整するX線マスクの製造方法において、成
膜後のX線吸収体の膜応力分布を測定し、X線吸収体の
各箇所における膜応力が0となる所定の温度分布でアニ
ールによる加熱を行うので、X線吸収体の全ての箇所に
おいて膜応力が確実に0となり、延いては所望のパター
ニングされたX線吸収体を備えたX線マスクを得ること
ができるX線マスクの製造方法を提供することが可能で
ある。
【0117】又、この発明の請求項2によれば、基板上
にX線吸収体を成膜した後、複数回のアニールにより膜
応力を調整するX線マスクの製造方法において、最終段
階までのアニールはX線吸収体を均一に加熱し、最終段
階直前のアニール後のX線吸収体の膜応力分布を測定
し、X線吸収体の各箇所における膜応力が0となる所定
の温度分布で最終段階のアニールによる加熱を行うの
で、再現性良くX線吸収体の全ての箇所において膜応力
が確実に0となり、延いては再現性良く所望のパターニ
ングされたX線吸収体を備えたX線マスクを得ることが
できるX線マスクの製造方法を提供することが可能であ
る。
【0118】又、この発明の請求項3によれば、基板上
に、成膜中にアニールにより膜応力を調整しながらX線
吸収体を積層する際、あらかじめアニールを行わず成膜
する条件でのX線吸収体の膜応力分布を測定し、X線吸
収体の各箇所における膜応力が0となる所定の温度分布
を求め、温度分布でアニールによる加熱を行うので、X
線吸収体の全ての箇所において膜応力が確実に0とな
り、延いては所望のパターニングされたX線吸収体を備
えたX線マスクを得ることができるX線マスクの製造方
法を提供することが可能である。
【0119】又、この発明の請求項4によれば、基板を
回転させながらX線吸収体の成膜を行い、X線吸収体の
膜応力分布を基板の回転軸に対し軸対称とした後、請求
項1または請求項3に記載のX線マスクの製造方法のX
線吸収体の加熱を行うようにしたので、X線吸収体の膜
応力分布が基板の回転軸に対し軸対称のため、膜応力分
布に応じたX線吸収体の所定温度分布を軸対称に対して
決定すればよく、X線吸収体の膜応力を全ての箇所にお
いて容易に且つ確実に0とすることができ、延いては所
望のパターニングされたX線吸収体を備えたX線マスク
を得ることができるX線マスクの製造方法を提供するこ
とが可能である。
【0120】又、この発明の請求項5によれば、請求項
1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マスクの製造
方法におけるX線吸収体のアニールによる加熱を行う加
熱装置において、X線吸収体を加熱するヒータをX線吸
収体の膜応力分布に応じた位置に備えることにより、X
線吸収体を所定温度分布にするので、X線吸収体の膜応
力分布に応じてヒータの加熱温度を変化させることによ
り、膜応力分布に応じたX線吸収体の所定温度分布を容
易に決定することができ、X線吸収体の膜応力を全ての
箇所において容易に、且つ、確実に0とすることができ
る加熱装置を提供することが可能である。
【0121】又、この発明の請求項6によれば、請求項
1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マスクの製造
方法におけるX線吸収体にアニールによる加熱を行う加
熱装置において、均一な温度にて加熱するホットプレー
トと、X線吸収体とホットプレートとの間にギャップと
を備え、ギャップ長をX線吸収体の膜応力分布に応じて
変化させ、ギャップ長に応じたホットプレートの加熱温
度より低下した温度にてX線吸収体の各箇所を加熱する
ことにより、X線吸収体を所定温度分布にするので、X
線吸収体の膜応力分布に応じたギャップ長を変化させる
ことにより、膜応力分布に応じたX線吸収体の所定温度
分布を容易に決定することができ、X線吸収体の膜応力
を全ての箇所において容易に、且つ、確実に0とするこ
とができる加熱装置を提供することが可能である。
【0122】又、この発明の請求項7によれば、請求項
1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マスクの製造
方法におけるX線吸収体のアニールによる加熱を行う加
熱装置において、均一な温度にて加熱するオーブンを備
え、熱を吸収、放出するヒートシンクをX線吸収体の膜
応力分布に応じた位置に配置することにより、X線吸収
体を所定温度分布にするので、X線吸収体の膜応力分布
に応じてヒートシンクを配置することにより、膜応力分
布に応じたX線吸収体の所定温度分布を容易に決定する
ことができ、X線吸収体の膜応力を全ての箇所において
容易に、且つ、確実に0とすることができる加熱装置を
提供することが可能である。
【0123】又、この発明の請求項8によれば、請求項
1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マスクの製造
方法におけるX線吸収体の成膜後のアニールによる加熱
を行う加熱装置において、均一な温度にて加熱するオー
ブンと、X線吸収体を冷却する冷却ガス送出手段を備
え、送出手段によりX線吸収体の膜応力分布に応じた位
置に冷却ガスを吹き付けX線吸収体を冷却することによ
り、X線吸収体を所定温度分布にするので、X線吸収体
の膜応力分布に応じた位置に冷却ガスを吹き付けること
により、膜応力分布に応じたX線吸収体の所定温度分布
を容易に決定することができ、X線吸収体の膜応力を全
ての箇所において容易に、且つ、確実に0とすることが
できる加熱装置を提供することが可能である。
【0124】又、この発明の請求項9によれば、請求項
1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マスクの製造
方法におけるX線吸収体の成膜後のアニールによる加熱
を行う加熱装置において、均一な温度にて加熱する加熱
ランプを備え、加熱ランプからの輻射熱を遮断するマス
クをX線吸収体の膜応力分布に応じパターニングするこ
とにより、X線吸収体を所定温度分布にするので、X線
吸収体の膜応力分布に応じマスクのパターニングを変化
させることにより、膜応力分布に応じたX線吸収体の所
定温度分布を容易に決定することができ、X線吸収体の
膜応力を全ての箇所において容易に、且つ、確実に0と
することができる加熱装置を提供することが可能であ
る。
【0125】又、この発明の請求項10によれば、請求
項1ないし請求項4のいずれかに記載のX線マスクの製
造方法におけるX線吸収体の成膜後のアニールによる加
熱を行う加熱装置において、X線吸収体を加熱するレー
ザー出力部を備え、レーザー出力部をX線吸収体の膜応
力分布に応じて移動させながらレーザー光を照射するの
で、X線吸収体の膜応力分布に応じた位置にレーザー光
を照射することにより、膜応力分布に応じたX線吸収体
の所定温度分布を容易に決定することができ、X線吸収
体の膜応力を全ての箇所において容易に、且つ、確実に
0とすることができる加熱装置を提供することが可能で
ある。
【0126】又、この発明の請求項11によれば、基板
上にX線吸収体を成膜した後、X線吸収体の膜応力分布
を測定し、X線吸収体の各箇所における膜応力が0とな
る所定のイオン注入量分布でX線吸収体にイオンを注入
し膜応力を調整するので、X線吸収体の全ての箇所にお
いて膜応力が確実に0となり、延いては所望のパターニ
ングされたX線吸収体を備えたX線マスクを得ることが
できるX線マスクの製造方法を提供することが可能であ
る。
【0127】又、この発明の請求項12によれば、請求
項11において、イオンとして、アルゴンイオン、又
は、ケイ素イオン、又は、ネオンイオン、又は、クリプ
トンイオン、又は、キセノンイオンを用いるX線吸収体
の全ての箇所において膜応力をより一層確実に且つ容易
に0とすることができるX線マスクの製造方法を提供す
ることが可能である。
【0128】又、この発明の請求項13によれば、基板
上に、X線吸収体を複数の成膜条件にて積層していく際
に、成膜条件間のX線吸収体の各膜応力分布が相殺し
て、X線吸収体の各箇所における膜応力が0となるよう
にしたので、X線吸収体の全ての箇所において膜応力が
確実に0となり、延いては所望のパターニングされたX
線吸収体を備えたX線マスクを得ることができるX線マ
スクの製造方法を提供することが可能である。
【0129】又、この発明の請求項14によれば、請求
項13に記載のX線マスクの製造方法において、各成膜
条件ごとにX線吸収体をアニールにより均一に加熱する
条件を付加したので、安定したX線吸収体を得ることが
できるX線マスクの製造方法を提供することが可能であ
る。
【0130】又、この発明の請求項15によれば、請求
項13に記載のX線マスクの製造方法において、各成膜
条件の内、最終成膜条件にX線吸収体をアニールにより
均一に加熱する条件を付加したので、安定したX線吸収
体を得ることができるX線マスクの製造方法を提供する
ことが可能である。
【0131】又、この発明の請求項16によれば、表面
が平坦な基板上にX線吸収体を成膜した後の膜応力分布
をあらかじめ測定し、基板の表面を、応力が小さい箇所
ほど応力が大きい箇所より凹凸を有するように加工した
後、X線吸収体の成膜を行うようにしたので、X線吸収
体の全ての箇所において膜応力が確実に0となり、延い
ては所望のパターニングされたX線吸収体を備えたX線
マスクを得ることができるX線マスクの製造方法を提供
することが可能である。
【0132】又、この発明の請求項17によれば、基板
上にX線吸収体を成膜する際に、X線吸収体の厚さ方向
の応力が均一となるように成膜条件の内、圧力の条件を
徐々に下降させていくので、X線吸収体の全ての箇所に
おいて厚さ方向の応力の均一となるので、オーバーエッ
チなどの除去によりX線吸収体の厚さ方向の応力の平均
値が変化するのを防止することができるX線マスクの製
造方法を提供することが可能である。
【0133】又、この発明の請求項18によれば、基板
上に、X線吸収体を同一の成膜条件にて積層していく際
に、複数回に分けて成膜し、各回成膜後ごとにX線吸収
体の最大膜応力を0とする温度にてX線吸収体をアニー
ルにより均一に加熱するので、X線吸収体の全ての箇所
において厚さ方向の応力の均一となるので、オーバーエ
ッチなどの除去によりX線吸収体の厚さ方向の応力の平
均値が変化するのを防止することができるX線マスクの
製造方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるX線マスク
の製造方法および加熱装置の構成を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1におけるX線吸収体
の膜応力分布および所定温度分布を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1におけるX線マスク
の製造方法および加熱装置の構成を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2におけるX線マスク
の製造方法および加熱装置の構成を示す断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2におけるX線マスク
の製造方法および加熱装置の構成を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態3におけるX線マスク
の製造方法および加熱装置の構成を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態4におけるX線マスク
の製造方法および加熱装置の構成を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態5におけるX線マスク
の製造方法および加熱装置の構成を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態6におけるX線吸収体
の膜応力分布および所定温度分布を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態6におけるX線マス
クの製造方法および加熱装置の構成を示す断面図であ
る。
【図11】 この発明の実施の形態7におけるX線マス
クの製造方法および加熱装置の構成を示す断面図であ
る。
【図12】 この発明の実施の形態8におけるX線マス
クの製造方法および加熱装置の構成を示す断面図であ
る。
【図13】 この発明の実施の形態9におけるX線マス
クの製造方法および加熱装置の構成を示す断面図であ
る。
【図14】 この発明の実施の形態10におけるX線マ
スクの製造方法および加熱装置の構成を示す断面図であ
る。
【図15】 この発明の実施の形態11におけるX線マ
スクの製造方法および加熱装置を示す断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態13におけるX線マ
スクの製造方法および加熱装置を示す断面図である。
【図17】 この発明の実施の形態14におけるX線マ
スクの製造方法におけるアルゴンイオンの注入量に対す
るX線吸収体の膜応力の変化を示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態14におけるX線吸
収体のイオン注入量を示す図である。
【図19】 この発明の実施の形態14におけるX線マ
スクの製造方法における各イオンの注入量に対するX線
吸収体の膜応力の変化を示す図である。
【図20】 この発明の実施の形態15におけるX線マ
スクの製造方法を示す断面図である。
【図21】 この発明の実施の形態15におけるX線吸
収体の膜応力分布を示す図である。
【図22】 この発明の実施の形態16におけるX線吸
収体の膜応力分布を示す図である。
【図23】 この発明の実施の形態16におけるX線吸
収体の膜応力分布を示す図である。
【図24】 この発明の実施の形態17におけるX線マ
スクの製造方法を示す断面図である。
【図25】 この発明の実施の形態17におけるX線マ
スクの膜応力分布を示す図である。
【図26】 この発明の実施の形態17におけるX線マ
スクの膜応力分布を示す図である。
【図27】 X線吸収体の厚さ方向の膜応力の原理を説
明する図である。
【図28】 この発明の実施の形態18におけるX線マ
スクの製造方法を示す断面図である。
【図29】 この発明の実施の形態18におけるX線マ
スクの厚さ方向の膜応力を示す図である。
【図30】 この発明の実施の形態18におけるX線マ
スクの厚さ方向の膜応力を示す図である。
【図31】 この発明の実施の形態19におけるX線マ
スクの製造方法を示す断面図である。
【図32】 この発明の実施の形態におけるX線マスク
の膜応力分布の均一と、厚さ方向の応力の均一と組合せ
の原理について説明する図である。
【図33】 従来のX線マスクの製造方法を示す断面図
である。
【図34】 従来の技術が解決する問題点を説明するた
めの図である。
【図35】 従来の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1,35 シリコン基板、2,36 メンブレン、4,
31,32,33,39,42,43,45,46,4
7 X線吸収体、8,10,12,15,17,19
ホットプレート、9a,9b,9c ヒータ、11 冷
却管、13a,13b,16a,16b ギャップ、1
8 送出手段、20 金属板、22,23,24 ヒー
トシンク、25 加熱ランプ、26 マスク、29 レ
ーザー出力部、30a レーザー光、34,44,48
最終X線吸収体、37 平坦な箇所、38 凹凸を有
する箇所。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 圭 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 綾 淳 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 吉瀬 幸司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 渡辺 寛 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 炭谷 博昭 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 一二三 敬 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にX線吸収体を成膜した後、アニ
    ールにより膜応力を調整するX線マスクの製造方法にお
    いて、成膜後の上記X線吸収体の膜応力分布を測定し、
    上記X線吸収体の各箇所における膜応力が0となる所定
    の温度分布で上記アニールによる加熱を行うことを特徴
    とするX線マスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 基板上にX線吸収体を成膜した後、複数
    回のアニールにより膜応力を調整するX線マスクの製造
    方法において、最終段階までのアニールは上記X線吸収
    体を均一に加熱し、上記最終段階直前のアニール後の上
    記X線吸収体の膜応力分布を測定し、上記X線吸収体の
    各箇所における膜応力が0となる所定の温度分布で上記
    最終段階のアニールによる加熱を行うことを特徴とする
    X線マスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 基板上に、成膜中にアニールにより膜応
    力を調整しながらX線吸収体を積層する際、あらかじめ
    上記アニールを行わず成膜する条件でのX線吸収体の膜
    応力分布を測定し、上記X線吸収体の各箇所における膜
    応力が0となる所定の温度分布を求め、上記温度分布で
    上記アニールによる加熱を行うことを特徴とするX線マ
    スクの製造方法。
  4. 【請求項4】 基板を回転させながらX線吸収体の成膜
    を行い、上記X線吸収体の膜応力分布を上記基板の回転
    軸に対し軸対称とした後、請求項1または請求項3に記
    載のX線マスクの製造方法の上記X線吸収体の加熱を行
    うようにしたことを特徴とするX線マスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載のX線マスクの製造方法におけるX線吸収体のアニー
    ルによる加熱を行う加熱装置において、上記X線吸収体
    を加熱するヒータを上記X線吸収体の膜応力分布に応じ
    た位置に備えることにより、上記X線吸収体を所定温度
    分布にすることを特徴とする加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載のX線マスクの製造方法におけるX線吸収体にアニー
    ルによる加熱を行う加熱装置において、均一な温度にて
    加熱するホットプレートと、上記X線吸収体と上記ホッ
    トプレートとの間にギャップとを備え、上記ギャップ長
    を上記X線吸収体の膜応力分布に応じて変化させ、上記
    ギャップ長に応じた上記ホットプレートの加熱温度より
    低下した温度にて上記X線吸収体の各箇所を加熱するこ
    とにより、上記X線吸収体を所定温度分布にすることを
    特徴とする加熱装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載のX線マスクの製造方法におけるX線吸収体のアニー
    ルによる加熱を行う加熱装置において、均一な温度にて
    加熱するオーブンを備え、熱を吸収、放出するヒートシ
    ンクを上記X線吸収体の膜応力分布に応じた位置に配置
    することにより、上記X線吸収体を所定温度分布にする
    ことを特徴とする加熱装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載のX線マスクの製造方法におけるX線吸収体の成膜後
    のアニールによる加熱を行う加熱装置において、均一な
    温度にて加熱するオーブンと、上記X線吸収体を冷却す
    る冷却ガス送出手段を備え、上記送出手段により上記X
    線吸収体の膜応力分布に応じた位置に冷却ガスを吹き付
    け上記X線吸収体を冷却することにより、上記X線吸収
    体を所定温度分布にすることを特徴とする加熱装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載のX線マスクの製造方法におけるX線吸収体の成膜後
    のアニールによる加熱を行う加熱装置において、均一な
    温度にて加熱する加熱ランプを備え、上記加熱ランプか
    らの輻射熱を遮断するマスクを上記X線吸収体の膜応力
    分布に応じパターニングすることにより、上記X線吸収
    体を所定温度分布にすることを特徴とする加熱装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項4のいずれかに
    記載のX線マスクの製造方法におけるX線吸収体の成膜
    後のアニールによる加熱を行う加熱装置において、上記
    X線吸収体を加熱するレーザー出力部を備え、上記レー
    ザー出力部を上記X線吸収体の膜応力分布に応じて移動
    させながらレーザー光を照射することにより、上記X線
    吸収体を所定温度分布にすることを特徴とする加熱装
    置。
  11. 【請求項11】 基板上にX線吸収体を成膜した後、上
    記X線吸収体の膜応力分布を測定し、上記X線吸収体の
    各箇所における膜応力が0となる所定のイオン注入量分
    布で上記X線吸収体にイオンを注入し膜応力を調整する
    ことを特徴とするX線マスクの製造方法。
  12. 【請求項12】 イオンとして、アルゴンイオン、又
    は、ケイ素イオン、又は、ネオンイオン、又は、クリプ
    トンイオン、又は、キセノンイオンを用いることを特徴
    とする請求項11記載のX線マスクの製造方法。
  13. 【請求項13】 基板上に、X線吸収体を複数の成膜条
    件にて積層していく際に、上記成膜条件間のX線吸収体
    の各膜応力分布が相殺して、上記X線吸収体の各箇所に
    おける膜応力が0となるようにしたことを特徴とするX
    線マスクの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のX線マスクの製造
    方法において、各成膜条件ごとにX線吸収体をアニール
    により均一に加熱する条件を付加したことを特徴とする
    X線マスクの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載のX線マスクの製造
    方法において、各成膜条件の内、最終成膜条件にX線吸
    収体をアニールにより均一に加熱する条件を付加したこ
    とを特徴とするX線マスクの製造方法。
  16. 【請求項16】 表面が平坦な基板上にX線吸収体を成
    膜した後の膜応力分布をあらかじめ測定し、基板の表面
    を、応力が小さい箇所ほど上記応力が大きい箇所より凹
    凸を有するように加工した後、上記X線吸収体の成膜を
    行うようにしたことを特徴とするX線マスクの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 基板上にX線吸収体を成膜する際に、
    上記X線吸収体の厚さ方向の応力が均一となるように成
    膜条件の内、圧力の条件を徐々に下降させていくことを
    特徴とするX線マスクの製造方法。
  18. 【請求項18】 基板上に、X線吸収体を同一の成膜条
    件にて積層していく際に、複数回に分けて成膜し、各回
    成膜後ごとに上記X線吸収体の最大膜応力を0とする温
    度にて上記X線吸収体をアニールにより均一に加熱する
    ことを特徴とするX線マスクの製造方法。
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