JP3626284B2 - マスク基板の熱処理方法とその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマスク基板の熱処理方法およびその装置に係わり、特に感光性レジストが塗布されたマスク基板を電子線、X線、イオン線、紫外線等で露光する前あるいは後に行なわれる熱処理方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスのデザインルールが微細化、高精度化の一途を辿るなか、露光技術の革新に伴い露光用マスクの寸法規格、精度に対する要求は厳しくなりつつある。このような要求に応えるために、高解像度かつ高感度レジストの開発が急展開で行なわれている。特に、従来のノボラック系レジストに比べて高感度、高解像度を有する化学増幅型レジストは、次期半導体プロセスにおいて有望とされており、将来的に必要不可欠な材料として期待されている。化学増幅型レジストは、露光により酸を発生する酸発生剤と、酸により架橋または分解する置換基を有する化合物とを含有する感光性組成物であり、露光を施すことによってポリマ系の反応が起こるのではなく、酸発生剤から酸が発生する。ここで発生した酸が露光後の熱処理(PEB)によって触媒として作用し、ネガ型レジストの場合にはポリマに架橋反応が生じて露光部が選択的に現像液に不溶化することによって、また一方、ポジ型レジストの場合には、溶解抑止基が変化して露光部が選択的に現像液に可溶化することによってパターンが形成される。
【0003】
このような化学増幅型レジストにおいては、熱処理による酸の反応量がレジスト寸法に直接影響を及ぼすので、所望の寸法精度でパターンを形成するためには、熱処理温度を厳密に制御する必要がある。例えば、ある種の化学増幅型レジストの場合には、線幅0.35μmをパターンを形成するには、露光後の熱処理温度を0.3℃以内に設定しなければならない。さらに微細なパターン寸法では、当然のことながら処理温度の精度はよりいっそう厳しくなり、例えば0.15μmルールの寸法では0.2℃程度の精度が要求されている。
【0004】
しかしながら、従来レジストの熱処理は、主として露光光の定在波によるレジスト側壁のガタつきを低減するために施されているにすぎず、熱処理温度が多少変化してもレジストパターン寸法はほとんど変化しなかった。今後化学増幅型レジストを使用するためには、従来よりプロセス的な問題である環境依存性を低減することが非常に重要な要因となることが明らかであり、前述したように微細な線幅を制御するうえでは、露光後の熱処理時の温度均一性の向上と、正確な温度制御とが要求されることになる。
【0005】
通常、露光後のレジスト膜の熱処理は、ホットプレート上に半導体基板を接触あるいは近接して配置し、基板の裏面側から熱を加えることによって行なわれている。このため、半導体基板上に塗布されたレジストの温度均一性向上は、ホットプレートの温度制御の精密化によってなさざるを得ない。それにもかからず、ホットプレート自体の性能不足や基板周辺の加熱雰囲気の対流による温度分布の発生のために、現状では十分な温度制御がなされていない。このため、化学増幅型レジストを使用する場合には、基板面内におけるレジストパターン寸法のバラツキを改善しにくいという問題があった。光露光用マスクパターンにおいても、レジストパターンの寸法には同様にバラツキが生じている。さらに、シリコンウエハや光露光用マスクの大口径化が進む中、このような大型半導体基板の温度制御を高精度で達成することは、ますます困難な状況に直面している。同様の問題は、0.15μm以下の露光技術として有望視されているX線リソグラフィで用いられるX線マスクに対してはさらに深刻であり、もはや従来の手法を用いて高精度な温度制御を行なうことは困難になっている。
【0006】
なお、従来のX線マスク基板は、例えば、図21に示すような構成である。図21に示すX線マスク基板は、W−Reの合金からなるX線吸収体膜(0.4μm厚)1aとこの下に設けられたSiCよりなるX線透過性薄膜(2μm厚)1b、X線透過性薄膜を支持するSi支持基板(600μm厚、外径76mm)1c、およびこれらを補強する支持枠SiO ガラス(4mm厚、外径100mm、開口部60mmφ)1dにより構成されている。さらに、Si基板1cの一部はバックエッチングによって除去されてX線の透過する窓(40mm角)1eが形成されている。
【0007】
このようにX線マスク基板は、シリコンウエハや光露光用マスクに比べて構造が複雑であるとともに、複数の材料から構成されているために、基板面内、特に基板の厚さ方向における熱伝達が異なることになる。したがって、基板表面に塗布されたレジストに対して均一な熱処理を施すことが、いっそう困難になっている。このため、必然的に基板面内における温度分布が生じやすくなり、結果としてレジストに供給される熱量が面内でバラツキ、所望する寸法精度が達成できないという問題があった。
【0008】
ここで、従来のX線マスク基板の熱処理装置の一例を図22に示す。図22に示す熱処理装置100においては、温度制御装置101によりホットプレート102を所望の温度に設定し、X線マスク基板103の裏面から加熱が行なわれる。この熱処理装置を用いて、図21に示したものと同様の構造のX線マスク基板上に塗布した化学増幅型ネガレジスト膜に露光後、110℃で1分間加熱処理し、さらに現像処理を施して得られたレジストパターン寸法を、基板中央40mm角の範囲で寸法SEMにより測定したところ、中心寸法0.15μmパターンの面内分布は30%程度あることがわかった。この寸法の面内分布の値から、レジスト寸法と露光後の熱処理温度との関係に基づいて温度ばらつきを換算してみると、マスク基板面内の温度分布は±1℃程度であったと予測される。
【0009】
レジストパターン寸法の面内分布は、マスク基板面内のレジストの温度分布が発生し、マスク基板の中心部に位置するほどレジストが高温であり、一方、マスク開口部近傍では低温であったことに起因する。このような温度分布が生じたのは、従来装置のホットプレートの温度均一性が不足であったことのみが原因ではなく、実際のパターンが形成されるX線透過性薄膜領域と、マスク開口部に位置するX線透過性薄膜を支持するマスク支持枠領域とにおける熱伝達率が異なることにも起因しているためである。
【0010】
このように化学増幅型レジストは、高感度、高解像度という優れた特性を有しているため次期半導体プロセスにおいて不可欠な材料であるにもかかわらず、0.1℃程度の十分に精度の高い熱処理を行なうことは、現状では極めて困難である。しかも、さらに複雑な構造を有するX線マスク基板においては、事実上面内均一性の高い温度処理を行なうことができず、その結果、レジストパターン寸法制御性が不足して、寸法精度の高いX線マスク基板を製造することができないという問題があった。
【0011】
上述したように、半導体デバイスのデザインルールが微細化、高精度化しているので、これを構成するLSI素子の回路パターンはますます微細化の傾向にある。パターンの微細化には、単に線幅が細くするのみならず、パターンの寸法精度や位置精度の向上も要求され、これらの要求を満たすために多くの技術開発が行なわれている。なお、通常、微細パターンの形成に当たっては、基板上に形成されたレジスト膜上に、電子線をはじめとする荷電粒子ビームを走査して回路パターンを半導体基板上に直接描画する手法、あるいは紫外線やX線を照射してマスクパターンを半導体基板上に転写する手法が用いられている。またマスクパターン自体も、多くの場合レジストを用いてパターン形成が行なわれている。したがって、レジストの処理を再現性良く高精度かつ均一に行なうことが、微細パターンを形成するための重要な課題となる。
【0012】
一方、レジストを用いたパターンの形成には、いくつかの加熱処理工程が必要であり、それらの加熱処理の再現性や均一性が重要になる。化学増幅型レジストは、上述したように露光後現像前にPEBと呼ばれる加熱処理を行なうことにより、レジスト膜中で露光により発生した酸の拡散を利用してパターン形成を行なうので、高感度化を図ることが可能であるという利点を有している。しかしながら、このPEB工程が不均一に行われると、得られるパターンの均一性が大きく低下するという悪影響を及ぼすことになるため、0.2℃未満の高い精度の加熱処理装置が必要とされている。
【0013】
ここで、従来用いられている加熱処理装置の一例の概要図を図23に示す。図23に示す加熱処理装置においては、炉体110の全体がヒーター線112により均一に加熱されており、この炉体の内側に被処理基板111を挿入して加熱処理が行なわれる。このような構成の加熱処理装置では、炉体110の壁の一部を被加工物111の出入口とする必要があるため、基板の出し入れの際に内部温度の均一性が崩れてしまう。しかも、炉壁と被処理基板との距離が離れているので、昇温や降温の速度が遅いといった問題があった。また、従来の加熱処理装置の他の例として、図24に示すようなホットプレートを用いるものも知られている。この装置においては、ヒーター115により均一に加熱されたホットプレート114と、基板を上下に駆動させるための上下駆動機構116とが備えられており、レジストが塗布された被加工面111aを上方に向けて、基板111を均一に降下させてホットプレート114に接近させて基板の下面、すなわち被加工面111aとは反対側から加熱することにより加熱処理が行なわれる。
【0014】
レジスト処理を行なう装置では、レジストの塗布や現像などの際に液体を被加工面に供給する操作が必要とされるので、被加工面が上方を向いていることが要求される。このために、図23および図24に示すような構成の装置が、加熱処理に用いられてきた。
【0015】
しかしながら最近では、半導体装置の集積度が高くなることに伴なって、露光に使用される半導体基板やマスクの面積は増大する傾向にあり、その結果、これらの基板等の変形を抑制するために、その厚さ方向においても大きくせざるを得ない。従来のようなレジストが塗布された被加工面の反対側の面から基板を加熱する方法では、基板が厚くなるにしたがって昇温や降温の速度が遅くなり、処理の際の温度均一性を保つことも難しくなりつつある。このような問題は、0.15μm以下の微細パターンの形成に有力な候補として挙げられている、X線転写に用いられるX線マスク基板の処理において特に顕著となる。
【0016】
すなわちX線マスク基板は、図21に一例を示したように、立体的に複雑であり、熱容量や熱伝導率の異なる複数の部材より形成されているため、被加工面の反対側の面から加熱を行なった場合には、厚い気体の層を介して基板を加熱することになる。したがって、昇温や降温の速度が遅く、しかも周辺支持枠の影響により被加工面全体に均一に熱処理することが極めて困難であり、被加工基板の大型化やX線マスクの処理に対応する有効な方法は見出されていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、特に感光性レジストが塗布されたマスク基板の熱処理を、高い温度均一性で行ない得る熱処理方法およびその装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、マスク支持枠に支持された基板と、この基板上に順次形成されたX線透過膜およびX線吸収体とを有し、前記X線吸収体上に感光性レジスト膜が形成されたX線マスク基板の熱処理方法であって、
前記感光性レジスト膜が形成されたX線吸収体膜の上方に、前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板を加熱または冷却するための第1の温度調整部材を近接して配置するとともに、前記X線マスク基板の裏面の下方に、前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板を加熱または冷却するための第2の温度調整部材を近接して配置し、
前記第1の温度調整部材および第2の温度調整部材の少なくとも一方の部材の温度を制御することにより、前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板の温度を所定範囲に設定することを特徴とするX線マスク基板の熱処理方法を提供する。
【0020】
また、本発明は、マスク支持枠に支持された基板と、この基板上に順次形成されたX線透過膜およびX線吸収体とを有し、前記X線吸収体膜上に感光性レジスト膜が形成されたX線マスク基板を、前記感光性レジスト膜を上面に向けて熱処理する装置であって、
前記X線マスク基板の感光性レジスト膜が形成されたX線吸収体膜の上方に近接して配置され、前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板を加熱または冷却するための第1の温度調整部材と、
前記X線マスク基板の裏面の下方に近接して配置され、前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板を加熱または冷却するための第2の温度調整部材と、
前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板の温度を所定範囲に設定するように、前記第1および第2の温度調整部材の少なくとも一方の部材の温度を制御するための温度制御手段とを具備することを特徴とするX線マスク基板の熱処理装置を提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
(実施例I)
実施例Iにおいては、本発明のX線マスク基板の熱処理方法およびその装置を説明する。
【0025】
(実施例I−1)
図1は、本発明のX線マスク基板の熱処理装置の一例を表す概要図である。
ここでは、化学増幅型ネガレジストを用いて露光後に熱処理する場合を例に挙げて説明する。まず、図21に示したものと同様の構成のX線マスク基板1に化学増幅型レジストを塗布してレジスト膜を得、このレジスト膜に対して露光を施した。その後、以下のようにしてX線マスク基板の熱処理を行なった。すなわち、熱処理装置2内は、熱媒体となる不活性ガスN で満たしておき、前述の基板をこの装置内に搬送して保持台14上に載せ、第1の温度調整製部材3と第2の温度調整部材4との間隙に配置した。
【0026】
ここで用いた第1の温度調整部材3の側面図および平面図を、図2に示す。図2(a)に示すように、第1の温度調整部材は、平面形状厚さ20mmで外径76mmの円形である。なお、この第1の温度調整部材の内部には、図2(b)に示すように温度制御装置5により制御されるヒーター線15が形成されており、さらに5個の温度センサー17が埋め込まれている。また、第2の温度調整部材4の側面図および平面図を、図3に示す。第2の温度調整材は、図3(a)に示すようにX線マスク基板1の開口部形状と相似形状で開口部に挿入し得るように外径48mmの円形を有しており、その上面は40mm角の正四角すい形状である。図3(b)に示すように、この第2の温度調整部材4の内部にも、第1の温度調整部材と同様に温度制御装置6により制御されるヒーター線16が形成されており、5個の温度センサー18が埋め込まれている。各温度センサー17および18からの信号は、5,6温度制御装置に取り込まれ、温度制御する際にフィードバックされる。
【0027】
X線マスク基板の熱処理の際には、第1の温度調整部材3および第2の温度調整部材4は、X線マスク基板1が搬送される前に、各々温度制御装置5および3によって所望の温度に予め設定されている。なお、本実施例においては、設定温度は110℃とし、第1の温度調整部材および第2の温度調整部材の温度は、面内でほぼ均一に分布するようにそれそれ各温度制御装置5および6で調整されている。
【0028】
次に、第1の温度調整部材3を、第1の駆動機構7によって第1の駆動制御装置9の制御のもとで、X線マスク基板1に近接配置し、第1の温度調整部材とレジスト表面の間隙を概ね100μmに設定した。また、これとは独立に、第2の温度調整部材4を、第2の駆動機構8によって第2の駆動制御装置10の制御のもとで、X線マスク基板1の裏面に近接配置し、第2の温度調整部材4とマスク基板裏面との間隙を約100μmに設定した。その際、第1の部材に設けられた距離センサー11および第2の部材に設けられた距離センサー12により、X線マスク基板1の外周部の位置をモニターして、第1および第2の温度調整部材3,4とX線マスク基板1との距離の設定を行なった。これらの距離センサー11および12からの信号は、各々の駆動制御装置5,6に各部材3,4とX線マスク基板1との間隙量の情報を提供し、駆動制御にフィードバックされている。
【0029】
この状態でX線マスク基板1を1分間加熱することによって熱処理を施した後、各温度調整部材3および4を駆動機構7,8によって駆動制御装置9,10の制御のもとで退避させ、X線マスク基板1を搬出した。
【0030】
以上のようにして熱処理を施したX線マスク基板1上のレジストを現像してパターンを形成した後、パターン寸法を40mm角の面内で測定したところ、X線マスク基板開口部周辺のパターン寸法が、設計寸法0.15μmに対して10%細くなっていることがわかった。
【0031】
図22に示す従来の熱処理装置で露光後加熱した際のパターン寸法精度に比べると、本実施例の方法によりレジストパターン寸法の面内均一性が向上していることを確認できた。しかしながら、X線マスク基板の中心部に位置するほどレジストパターン寸法が太くなっており、その寸法差は露光後の加熱温度換算で0.2℃に相当していることがわかった。そこで、寸法精度の面内均一性をさらに向上させるために、第1の温度調整部材3の温度設定は変更せずに、第2の温度調整部材4に温度制御装置6により、中心から外周部に向けて0.2℃の昇温勾配を有する温度分布を与えて同様の熱処理を行なった。この熱処理条件で設定した第1の温度調整部材3と第2の温度調整部材4の温度分布の概略を、図4のグラフに示す。図4中、曲線aおよびbは、それぞれ第1の温度調整部材および第2の温度調整部材の温度分布を表す。第1の温度調整部材の温度(曲線a)は、Si基板領域76mm内にわたって、±0.1℃の範囲内に設定し、第2の温度調整部材の温度(曲線b)は、窓領域の端部で約110.4℃として、前述の温度勾配をもって基板中央に向かって低下している。
【0032】
このように温度を制御して熱処理を施してレジストパターンを形成し、得られたパターン寸法を図5のグラフに示す。図5に示すように現像後のレジストパターン寸法の面内バラツキは、中心寸法0.15μmに対して±3%を達成していることがわかる。
【0033】
なお、図5には、従来装置で熱処理した場合の現像後に得られたレジストパターン寸法の面内均一性について、中心寸法0.15μmの結果も併せて示した。従来装置で熱処理した場合には、パターン寸法の面内バラツキは、±20%にも及んでおり、本発明によりパターン寸法のバラツキを大きく低減できたことがわかる。
【0034】
(実施例I−2)
本発明のX線マスク基板の熱処理装置の第2の例の概要図を図6に示す。
図6に示す熱処理装置の構成は、基本的には図1に示した熱処理装置2と同様であるが、被熱処理のX線マスク基板22の形状に対応して第1の温度調整部材24と第2の温度調整部材25の形状が異なる。ここで用いたX線マスク基板22は、図7に示すようにパターン形成領域が周辺部よりも凸形状の、いわゆるメサ構造を有するものであり、またこのマスクでは円形状にX線透過性薄膜が形成されている。
【0035】
図6に示すように、第1の温度調整部材24は、X線マスク基板22のメサ構造に対応して、X線マスク基板表面と近接する部材の一部をくぼんだ形状とした。第2の温度調整部材25は、X線マスク基板22の開口部に相似形の円形状とした。各々の部材には(実施例I−1)の場合と同様に、ヒーター線および温度センサー(図示せず)が形成されている。
【0036】
本実施例においても(実施例I−1)と同様のレシピで、化学増幅型ネガレジストが塗布されたX線マスク基板22を熱処理装置21に搬送して保持台14上に載せた後、第1の温度調整部材24とレジスト膜23表面との間隙、および第2の温度調整部材25とマスク基板22裏面の間隙を各々概ね100μmに設定した。各部材とX線マスク基板との間隙は、距離センサー11および12でモニターし、また部材24および25の駆動は、それぞれ駆動機構7および8により駆動制御装置9と10とで制御して行なった。予め温度制御装置5と6で110℃に温度設定した温度調整部材24および25によって1分間加熱することによって、レジスト膜23およびマスク基板22に熱処理を施した後、各部材24および25を駆動機構7,8により駆動装置5,6で制御して退避し、X線マスク基板22を搬出した。次に、熱処理の後のレジスト膜23を現像してレジストパターンを得た。
【0037】
得られたレジストパターン寸法の面内均一性は、中心寸法に対して±3%以内であることを寸法測定より確認した。この寸法均一性の値に基づいて、レジストパターン寸法と露光後の熱処理温度との関係より温度の均一性を換算してみると、マスク基板面内の温度分布は、±0.1℃以内と極めて高い精度で達成されていたことが予測される。
【0038】
(実施例I−3)
本発明のX線マスク基板の熱処理装置の第3の例の概要図を図8に示す。
図8に示す熱処理装置の構成は、基本的には(実施例I−1)で説明した図1に示す熱処理装置2同様であり、被熱処理X線マスク基板1としては、(実施例I−1)で示したものと同様の構造の基板を使用する。第1の温度調整部材3および第2の温度調整部材4の形状は、(実施例I−1)と同一とした。
【0039】
まず始めに、実施例(I−1)と同様のレシピでレジストを塗布していないX線マスク基板を装置内に搬送した後、第1の温度調整部材3とX線マスク基板表面との間隔、および第2の温度調整部材4とX線マスク基板の裏面との間隙を、各々約100μmに設定した。その際、第1の温度調整部材3と第2の温度調整部材4とを、独立に駆動機構7と8によって駆動制御装置9と10の制御のもと、X線マスク基板に近接配置した。さらにX線マスク基板は、X線マスク基板駆動機構29によりその駆動制御装置30の制御のもと、位置を調整して設定した。
【0040】
第1および第2の温度調整部材3,4とX線マスク基板との間隙は、距離センサー11と12によりモニターした。次に、予め各々温度制御装置5と6で110℃に温度設定した各部材3,4によって、X線マスク基板に熱処理を施した。この熱処理中のX線マスク基板の面内温度分布を、マスク基板表面に予め形成したサーミスタ31で測定したところ、マスク開口部周辺の温度が設定温度よりも0.5℃低くなっていることがわかった。
【0041】
そこで、この温度分布を改善するために、温度制御装置5によってさらに第1の温度調整部材3の設定温度を変更して、その周辺部が高温になるような温度分布を与えながら、基板面内の温度分布をサーミスタ31で逐一モニターすることによって、X線マスク基板面内の温度分布が所定の範囲内になるような第1の温度調整部材3の設定温度および分布の条件を求めた。なお、ここで所定の温度分布は、±0.1℃の範囲内とした。
【0042】
さらに、この条件下におけるX線マスク基板表面と第1の温度調整部材3との間隙量、およびX線マスク基板裏面と第2の温度調整部材4との間隙量を記憶した。
【0043】
次に、ここで温度分布の測定を行なったX線マスク基板を搬出した後、化学増幅型レジストを塗布した別のX線マスク基板をこの装置内に搬送して熱処理を施した。この際、各部材の設定温度および第1の温度調整部材の温度分布は、先に得られた条件とし、また、X線マスク基板と第1および第2の温度調整部材との間隙量も、先に記憶した値となるように、各部材の駆動制御装置9,10とマスク駆動制御装置30により、それぞれの駆動機構を制御してX線マスク基板2に近接配置した。このような条件の下、レジスト膜に1分間の熱処理を施した後、X線マスク基板を装置から搬出し、現像処理を施してレジストパターンを形成した。
【0044】
得られたレジストパターンの寸法を測定したところ、その面内均一性は中心寸法に対して±3%以内であり、寸法精度はレジストパターン寸法上のスペックの1/2の許容値であった。
【0045】
このように、本発明のX線マスク基板の熱処理方法によれば、基板上に形成された感光性レジスト膜に供給される熱が制御されるために、寸法精度が格段に向上する。
【0046】
なお、本発明の熱処理方法およびその装置は、上述した例に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、X線マスク基板は、裏面に窓が形成された構造に限られず、任意の構造の基板を使用することができる。また、X線マスク基板の各構成要素であるX線吸収体膜、X線透過性薄膜、Si支持基板および支持補強枠の形状や寸法も、材料は従来技術の中で示したものに限定されるものではなく、窓形状やサイズも適宜決定することができる。
【0047】
また、基板上に塗布されるレジストは、化学増幅型ポジ型レジストであっても構わない。本発明の熱処理方法および装置は、化学増幅型レジストのようにレジストパターン寸法に及ぼす熱処理温度の影響が非常に大きい場合に、特にその効果を発揮するが、化学増幅型レジスト以外の従来レジストを用いた場合でも、熱処理の精密な制御を必要とされる場合には有効である。
【0048】
さらに、X線マスク基板表面側に近接配置される第1の温度調整部材、および裏面側に近接配置される第2の温度調整部材の形状も、被熱処理基板の形状およびサイズに応じて適宜変更可能であり、熱伝達の手段として機能するものであれば形状は構わない。この意味から、第1および第2の温度調整部材に微細な穴や、雰囲気ガスの通り抜ける貫通穴を設けることも可能である。なお、実施例で用いた部材は内部にヒーター線を有しているが、その他の手段によって部材の温度を制御することもでき、例えば、熱媒体として作用する液体や気体の流路となる管路を内部に設けて構わない。
【0049】
また、上述した全ての実施例において、各温度調整部材はX線マスク基板と平行となるように配置し、その間隙寸法を約100μmとしたが、これに限定されるものではなく適宜選択することができる。場合によっては、被熱処理基板の面に対して、部材の面が傾斜しても構わない。各部材と被熱処理基板面の間隙量を制御することにより熱処理することも可能である。
【0050】
なお、実施例においては、露光後のレジスト膜の熱処理を例に挙げて説明したが、露光前のレジスト膜の熱処理であっても構わず、あるいは加熱処理後の基板冷却も、本発明の熱処理方法に含まれる。さらに実施例ではレジスト温度の面内均一性向上のために第1あるいは第2の温度調整部材の温度分布を調整したが、これらの両方の部材の温度調整を行ってレジスト温度の均一化を図っても構わない。
【0051】
本発明のX線マスク基板の熱処理方法は、レジスト温度の面内均一性向上のために各部材の温度や形状の制御を行なうことに限定されるものではなく、X線マスク基板に所望の面内分布を付与するために、第1の部材と第2の部材に積極的に面内温度分布を与えることも可能である。あるいは、各部材の温度に差を与えて、厚さ方向に所望する温度分布を達成する場合にも本発明を適用することができる。
(実施例II)
実施例IIにおいては、本発明のレジスト処理装置およびレジスト処理方法を説明する。
【0052】
(実施例II−1)
図9には、本発明のレジスト処理装置における上下反転機構の一例を表す斜視図を示し、図10には、この上下反転機構を用いたレジスト処理装置の構成を表す説明図を示した。図10の構成に示されるように、本実施例のレジスト処理装置においては、通常のレジスト処理装置の構成に、被加工基板を上下に反転するための上下反転機構55が設けられている。
【0053】
実施例(II−1)のレジスト処理装置における上下反転機構は、図9に示すように基板保持機構55aと回転機構55bとにより構成されており、基板保持機構55aは、支持ブロック55cを上下に開閉運動することにより基板の保持および解放を行なう。この支持ブロック55cは、被加工基板に過度の力を加えることのないように弾性体55dを介して上下運動機構55eに連結されている。また、ダストの影響を低減し、かつ基板表面のパターン形成部およびその近傍に接触することのないように、上下運動機構55eは、X線マスク基板における基板補強枠の部分のみを支持するように設計されている。なお、基板を上下反転させても脱落することのないように、基板の上下に接触する部分には脱落防止部60が形成されている。この脱落防止部60は実際の動作を考慮し、テーパーを付けて位置決めの誤差を救済するようになっている。また一方、回転機構55bは、基板の主平面に平行な回転軸を中心として基板を回転させる機能を有する。
【0054】
基板の上下反転は、以下のようにして行われる。まず、基板保持機構55aは上下に開き、基板支持部61が上昇した状態で、基板(図示せず)は搬送機構のアーム58上に載置されている。基板は、まず搬送機構57により搬送機構のアーム58上に載置されたまま基板支持部61上に移動され、その移動をセンサー59により確認した後、搬送機構57により搬送機構のアームは下方に移動して基板は基板支持部61に載置される。その後、搬送機構のアーム58を待避させ、これを搬送機構のセンサー59により確認するとともに、基板が基板支持部61上に正常な位置に載置されたことをセンサー64により確認した後、基板保持機構55aが上下から挟むようにして基板を支持し、基板支持部61は下方に移動し待避する。すなわち、基板保持機構55aの下側の支持ブロック55cは、基板保持前は基板支持部61よりも下方に位置し、基板保持時には基板支持部61よりも上方に位置するように設計されている。
【0055】
上述のようにして基板をアーム58から基板保持機構55aに移動させた後、基板保持機構55aが正常に基板を支持していることをセンサー62により確認し、基板支持部61の待避をセンサー63より確認して、回転機構55bを用いて基板を主平面に平行な回転軸を中心に180°回転する。この際、基板の回転量はモーターへの供給パルス数を監視することによってモニターすることができる。続いて、基板が正常に主平面を下方に向けていることをセンサー65により確認した後、下方に待避していた基板支持部61を上昇させ、この上昇をセンサー63により確認し、基板保持機構55aを上下に開いて基板を基板支持部61上に載置する。基板が基板支持部上の正常な位置に載置されたことをセンサー64により確認し、搬送機構のアーム58を基板の下方に差し入れる。そして基板支持部61を下方に移動し待避することにより、基板は搬送機構のアーム58上に載置され、搬送機構57に基板は上下反転して引き渡すことができる。
【0056】
本実施例のレジスト処理装置における加熱冷却処理部53の加熱部分の詳細を、図11に示す。図11に示すように、基板支持部68は、搬送機構57のアームからX線マスク基板49を受け取った後、ヒーター67および温度センサー71の組み込まれているホットプレート66の上方で上下運動をすることにより、X線マスク基板49の加熱処理を制御する。この際、加熱処理の均一性を保つためには、ホットプレート66の表面とX線マスク基板49の被加工面との間隔を正確に決定することが重要であるので、ホットプレート66上には、ホットプレート表面と、X線マスク基板表面との間隔を正確に決定できるように、位置決め機構69が備えられている。この位置決め機構69により、レジストの塗布されている被加工面がホットプレートに直面しても、被加工面がホットプレート表面に接触してパターンに欠陥を発生させることのないように配慮されている。また、当然のことではあるが、位置決め機構69とX線マスク基板49の接触部近傍はダストの発生や温度むらが予想されるので、パターン形成領域からは十分に離れていることが望ましい。
【0057】
図11には明確に示されていないが、位置決め機構69はホットプレートの面内の3箇所に配置されており、それぞれ独立に調整可能であるので、温度分布に勾配がある場合には、X線マスク基板49の傾きを調整することにより、面内温度の均一性を向上させることができる。また、図11に示す加熱冷却処理部においては、加熱処理の均一性を向上させるために、バックプレート70が設けられており、基板支持部68の上下運動と同期してX線マスク基板49の裏面に接近・待避するようになっている。このバックプレート70にはセンサー72が取り付けられており、搬送機構57からのX線マスク基板49の受け渡しの際に、基板が正常な位置に載置されているか否かを検知することができる。また、バックプレート70に取り付けられたセンサー72はX線マスク基板49とバックプレート70の間の距離を監視する機能も有しており、このセンサーにより両者の相対位置が適正であることを確認することができる。なお、冷却部分の詳細は、加熱部分からヒーター67の機能が省略されていることを除いて、本質的な構造は図11と同様である。
【0058】
次に、本実施例で使用したX線マスク基板の製造工程を説明する。図12および13に、X線マスク基板の製造工程を表す断面図を示す。まず、図12(a)に示すような厚さ625μmの4インチSi(100)ウェハー41を用意し、このSiウェハー上に減圧CVD法を用いて、基板温度1025℃、圧力30Torrの条件のもと、10%水素希釈のシランガス150sccm、10%水素希釈のアセチレンガス65sccm、および100%塩化水素ガス150sccmを、キャリアガスである水素10SLMと共に反応管内に導入して、図12(b)に示すような膜厚1μmのSiC膜42を、ウェハー41の表面全体に成膜した。
【0059】
次に、SiC膜42が形成された基板の表面にRFスパッタリング装置を用いて、Ar圧力1mTorrの条件で、図12(c)に示すように膜厚98nmのアルミナ膜43を成膜し、さらにこのアルミナ膜43の上に、同様にしてRFスパッタリング装置を用いてAr圧力3mTorrの条件で膜厚0.35μmのWRe合金膜44を成膜して図12(d)に示すような構造を得た。
【0060】
得られたWRe膜44の応力は17MPaの引っ張り応力であったので、イオン注入装置を用いて加速電圧30kVで5×1015atoms/cm のArイオンを注入して、3MPaの圧縮応力に調整した後、WRe膜44の上に電子ビーム蒸着装置を用いて図12(e)に示すようにCr膜を50nm蒸着した。
【0061】
次いで、アルミニウムのエッチングマスクを用いてRIE装置により、圧力10mTorr、RTパワー200Wの条件のもと、CF ガス25sccm、およびO ガス40sccmを供給することによって、図13(a)に示すようにSiウェハー41の裏面の中心部30mm四方の領域のSiC膜42を除去した。さらに、バックエッチング装置を用いて、SiC膜の除去された部分に弗酸と硝酸との1対1混合液を滴下し、この領域のSiをエッチング除去して図13(b)に示すような構造を得た。
【0062】
そして再びRFスパッタリング装置を用いて、Ar圧力1mTorrの条件で膜厚98nmのアルミナ膜46を、アルミニウム製ステンシルマスクを介してX線マスク上で転写時のアライメントマークが形成される部分に裏面より成膜した。最後に、紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いて、外径125mm、内径72mm、厚さ6mmのガラスリング47を補強枠として接合し、図13(c)に示すようなX線マスク基板49を作成した。
【0063】
このように作製されたX線マスク基板上に、図14に示すような工程にしたがって、レジスト処理を施した。以下、図10の説明図と図14のフローチャートとを参照して、本発明のレジスト処理方法を説明する。なおレジスト処理装置は、化学フィルターにより十分に周辺雰囲気よりアミン類を除去した状態に保たれている。
【0064】
まず、図14のフローチャートに示すように、レジスト処理装置の搬出入部(図10中の56)に被加工面を上向きにセットされたX線マスク基板は搬送機構(同57)により、前処理部(同51)に搬送され、ここで10秒間のヘキサメチルジシラザン蒸気処理を行なった後、搬送機構(同57)により塗布部(同52)に搬送した。ここで、X線基板上に化学増幅型ポジレジストを3cm を滴下し、10rpmで3秒間、500rpmで30秒間、さらに3000rpmで3秒間というステップで処理を行なってレジストを回転塗布した。その後、いわゆるエッジカット処理として2000rpmで回転させた状態で、溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルをウェハエッジおよび裏面周辺部に5秒間噴射し、溶剤供給を停止し、その後さらに20秒間、2000rpmでウェハを回転させることによって乾燥を行なった。
【0065】
乾燥後の基板は、搬送機構(同57)により上下反転機構(同55)に搬送されて、上下反転して被加工面を下向きとした後、加熱冷却処理部(同53)に搬送した。そして、110℃に加熱されたホットプレート上で2分間の塗布後ベーク処理を行なうことにより、不要な残留溶剤を除去し、さらに冷却プレート上で冷却した。以上の工程により、膜厚350nmのレジスト膜が形成された。なお、X線マスク基板49上にレジスト膜48が形成された状態は、図13(d)に示すとおりである。
【0066】
レジスト膜が形成されたX線マスク基板は、再び搬送機構(同57)により上下反転機構(同55)に搬送され、上下反転して被加工面を上向きとした後、搬出入部(同56)に搬送され、次いで露光工程に送られる。
【0067】
露光は、加速電圧50kVの電子ビーム描画装置を用いて、標準照射量は9μC/cm の条件で、照射量補正により近接効果補正して行なった。露光後のX線マスク基板は、再びレジスト処理装置の搬出入部(同56)に被加工面を上向きにセットし、搬送機構(同57)により上下反転機構(同55)に転送され、上下反転して被加工面を下向きとした後、再度加熱冷却処理部(同53)に搬送される。続いて、75℃に加熱されたホットプレート上で150秒間の熱処理(PEB)を行ない、引き続き冷却プレート上で冷却を行なった。
【0068】
冷却後の基板は、再び搬送機構(同57)により上下反転機構(同55)に搬送され、上下反転して被加工面を上向きとした後、現像部(同54)に搬送した。この現像部では、濃度0.27Nの専用現像液(AD−10)を基板上方から噴霧し、70秒間のパドルにより現像処理を施した。その後、脱イオン純水を用いて2000rpmで15秒間のリンスを行ない、4000rpmで10秒間回転させることにより乾燥を行なった。その後、再び搬送機構(同57)により搬出入部(同56)に搬送されて、図13(e)に示すようなレジストパターンを形成してレジスト処理が終了する。
【0069】
以上の方法により得られたレジストパターンの評価を、寸法測定用SEMを用いて行なった。具体的には、図15のパターン幅d およびd を測定し、その寸法均一性の面内分布を評価した。この測定により、本実施例のレジスト処理装置で処理を行なった場合のレジストパターンの線幅のバラツキは、3σで27nmであることがわかった。なお、従来のレジスト処理装置で処理を行なった場合の線幅のばらつきは3σ値で35nmであり、本発明によりパターン寸法の面内均一性を向上させることができたことがわかる。
【0070】
(実施例II−2)
図17に、本発明のレジスト処理装置における上下反転機構の他の例を表す斜視図を示し、図18には、この上下反転機構を用いたレジスト処理装置の構成を表す説明図を示す。図18の構成に示されるように、本実施例のレジスト処理装置においては、被加工基板を上下反転させるための上下反転機構が、搬送機構自体に組み込まれている。
【0071】
実施例(II−2)のレジスト処理装置においては、図16に示すように搬送機構のアーム73は、上下一対で構成されており、これらが上下に開閉運動することにより、基板の保持および解放を行なう。このアーム73は、被加工基板に過度の力を加えることのないように、弾性体76を介して上下運動機構77に連結されている。また、ダストの影響を低減し、かつパターン形成部およびその近傍に接触することのないように、アーム73はX線マスク基板における基板補強枠の部分のみを支持するように設計されている。なお、基板を上下反転させても脱落することのないように、基板の上下に脱落防止部74が形成されている。また、アーム73は実際の動作を考慮し、テーパーを付けて位置決めの誤差を救済するようになっている。また一方、回転機構78は、基板を主平面に平行な回転軸を中心に回転する機能を有する。
【0072】
実際の上下反転は、以下のようにして行なわれる。まず、アーム73は上下に開き、基板支持部61が上昇した状態で、基板(図示せず)は基板支持部61に載置されている。そして、基板が基板支持部61上の正常な位置に載置されていることをセンサー64により確認した後、アーム73が上下から挟むようにして基板を支持し、基板支持部61は下方に移動して待避する。すなわち、アーム73の下側の支持ブロックは、基板保持前は基板支持部61よりも下方に位置し、一方、基板保持時には基板支持部61よりも上方に位置するように設計されている。
【0073】
その後、アーム73が正常に基板を支持していることをセンサー75により確認し、基板支持部61の待避をセンサーに63より確認した後、回転機構78を用いて基板を主平面に平行な回転軸を中心に180°回転する。この際、基板の回転量はモーターへの供給パルス数を監視することによりモニターすることができる。続いて、基板が正常に主平面を下方に向けていることをセンサー79により確認して、次のレジスト処理部に搬送する。さらに、待避していた別の基板支持部61′(図示せず)を上昇させて、この上昇をセンサー63′(図示せず)により確認した後に、アーム73を上下に開いて基板を基板支持部61′上に載置する。そしてアーム73を後方に待避させることにより、基板を上下反転させて引き渡すことができる。
【0074】
本実施例(II−2)では、図17における搬送機構57が上下反転機構の機能を兼ね備えている点が、実施例(II−1)と異なる以外は、図11に示されている加熱冷却処理部の詳細等は同一である。しかしながら、本実施例では、図17における塗布部52および現像部54以外の部分において、基板の被加工面を下向きにしておくことが可能であるため、処理の際に基板の被加工面に降着するダストを大幅に低減することが可能であり、製品歩留まりを向上させることができるという利点を有している。
【0075】
次に、本実施例のレジスト処理装置を用いたレジスト処理方法を、図18のフローチャートおよび図17の説明図を参照して説明する。なお、レジスト処理装置は、化学フィルターにより十分に周辺雰囲気よりアミン類を除去した状態に保たれている。
【0076】
まず、図18のフローチャートに示すように、レジスト処理装置の搬出入部(図17中の56)に被加工面を下向きにセットされたX線マスク基板は、搬送機構(同57)により前処理部(同51)に搬送され、ここで10秒間のヘキサメチルジシラザン蒸気処理を行なった後、搬送機構(同57)により塗布部(同52)に搬送されて、基板の上下反転を行なって塗布部52に引き渡される。ここで化学増幅型ポジレジスト3cm を滴下し、10rpmで3秒間、500rpmで3秒間、さらに3000rpmで30秒間というステップで処理を行なってレジストを回転塗布した。その後、いわゆるエッジカット処理として2000rpmで回転した状態で、溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルをウェハエッジおよび裏面周辺部に5秒間噴射し、溶剤供給を停止した後にさらに20秒間、2000rpmでウェハを回転させることによって乾燥を行なった。
【0077】
乾燥後の基板は、搬送機構(同57)により上下反転され被加工面を下向きとした後、加熱冷却処理部(同53)に搬送される。そして、110℃に加熱されたホットプレートで2分間の塗布後ベーク処理を行ない、不要な残留溶剤を除去した後、冷却プレート上で冷却を行なった。これにより膜厚350nmのレジスト膜を形成した。レジスト膜が形成されたX線マスク基板は、搬送機構(同57)により再度搬出入部(同56)に搬送され、次いで露光工程に送られる。
【0078】
露光は、加速電圧50kVの電子ビーム描画装置を用いて、標準照射量は9μC/cm の条件で、照射量補正により近接効果補正して行なった。露光後のX線マスク基板は、再びレジスト処理装置の搬出入部(同56)に被加工面を下向きにセットし、搬送機構(同57)により加熱冷却処理部(同53)に搬送される。続いて、75℃に加熱されたホットプレート上で150秒間の熱処理(PEB)を行ない、引き続き冷却プレート上で冷却を行なった。
【0079】
冷却後の基板は、搬送機構(同57)により現像部(同54)に搬送され、上下反転して被加工面を上向きとした後、現像部(同54)に引き渡される。この現像部では、濃度0.27Nの専用現像液(AD−10)を基板の上方から噴霧し、70秒間のパドルにより現像処理を施した。その後、脱イオン純水を用いて2000rpmで15秒間のリンスを行ない、4000rpmで10秒間回転させることにより乾燥を行なった。そして、再び搬送機構(同57)により上下反転された後、搬出入部(同56)に搬送されて、レジスト処理が終了する。
【0080】
以上の方法により得られたレジストパターンの評価を、寸法測定用SEMを用いて行なった。具体的には、図15のパターン幅d およびd を測定し、その寸法均一性の面内分布を評価した。その結果、従来のレジスト処理装置で処理を行なった場合の線幅のバラツキは3σ値で35nmであったのに対し、27nmにすることができた。また、本実施例により、被加工面上のダストの量も従来の6割に低減することが可能となった。
【0081】
なお、上述の実施例(II−1)および(II−2)においては、基板の主平面に平行な軸の回りに回転させることによって基板の上下反転を行なったが、基板の反転方法はこれに限定されるものではなく、他の方法を用いても可能である。例えば、図19に模式的に示すように、基板の主平面と45°角度をなす二つの回転軸(80a,80b)の回りに各々180°ずつ回転を行えば、先端部を上下反転することができる。一般的には、基板の主平面の法線と平行でない二つの独立した回転軸が存在すれば、基板の上下反転を行なうことが可能である。
【0082】
(実施例II−3)
図20に、実施例(II−3)のレジスト処理装置における加熱冷却処理部を表す。実施例(II−3)のレジスト処理装置の加熱冷却処理部においては、図20に示すように、レジストの塗布されている被加工面を上方に向けて被加工基板49を上方に上昇させ、その上方にあるホットプレート66に近接させることにより加熱処理を行なう。加熱冷却処理部53以外の構造は、従来のレジスト処理装置と同様とすることができる。
【0083】
図20に示す加熱冷却処理部の加熱部においては、基板支持部68は、搬送機構のアームkらX線マスク基板49を受け取った後、ヒーター67および温度センサー71の組み込まれているホットプレート66の下方で上下運動をすることにより、X線マスク基板49の加熱処理を制御する。この際、X線マスク基板の加熱処理の均一性を保つためには、ホットプレート表面と被加工面との間隔を正確に決定することが重要であるので、ホットプレート66上には、ホットプレート表面と、X線マスク基板表面との間隔を正確に決定できるように、位置決め機構69が備えられている。この位置決め機構69により、レジストの塗布されている被加工面がホットプレートに直面しても、被加工面がホットプレート表面に接触してパターンに欠陥を発生させることのないように配慮されている。また、当然のことながら、位置決め機構69とX線マスク基板49の接触部近傍はダストの発生や温度むらが予想されるので、パターン形成領域からは十分に離れていることが望ましい。
【0084】
なお、図20には明確に示されていないが、位置決め機構69は3箇所に配置されており、それぞれ独立に調整可能であるので、温度分布に勾配がある場合には、X線マスク基板49の傾きを調整することにより、面内温度の均一性を向上させることができる。また、図20に示す加熱冷却処理部においては、加熱処理の均一性を向上させるために、バックプレート70が設けられており、基板支持部68の上下運動と同期してX線マスク基板49の裏面に接近・待避するようになっている。さらにバックプレート70にはセンサー72が取り付けられており、このセンサーによって搬送機構からX線マスク基板を受け取る際に、基板が正常な位置に載置されているか否かを検知する。
【0085】
また、バックプレート70には、X線マスク基板49との相対位置を決めるための位置決め機構85が3ヵ所に取り付けられており、バックプレート70とX線マスク基板49との間隔を、正確に決定することができる。そして、基板支持部68とその上下駆動機構42、およびバックプレート70とその上下駆動機構84の間には、それぞれ弾性体81および83が配置されており、この弾性体を介することによりX線マスク基板49に過大な力を加えることなく、上下駆動を伝達する機構となっている。なお、冷却部分の詳細は加熱部分よりヒーター67の機能が省略されているのみで、本質的な構造は同一である。
【0086】
本実施例(II−3)では、前述の実施例(II−1)および(II−2)のように複雑な上下反転機構を必要としないので、製造コストの削減につながる。かかる装置および方法により前述の実施例と同様にしてレジスト処理を行ない、得られた結果を前述と同様の方法で評価したところ、寸法均一性の面内分布としての線幅のばらつきは3σ値で28nmとなり、実施例(II−1)および(II−2)とほぼ同様の結果が得られた。
【0087】
このように、本発明のレジスト処理装置によれば、レジストの塗布されている被加工面がホットプレートの表面に直面させる構成であるため、基板が厚い場合や複雑な構造の場合であっても、昇温や降温の速度を遅くすることなく、温度均一性の乱れを抑制することが可能となる。これによって、レジストパターン寸法の仕上り均一性を著しく向上させることができる。
【0088】
なお、上述の実施例においては、X線マスク基板を用いたレジスト処理を例に挙げて説明した、本発明のレジスト処理装置および処理方法は、X線マスク基板に限らずウェハやガラスレチクルマスク等の製作等にも適用することができることは明らかである。
【0089】
【発明の効果】
以上詳述したように、第1の発明によれば、感光性レジストが塗布されたX線マスク基板の熱処理を、高い温度均一性をもって行ない得る熱処理方法およびその装置が提供される。このような第1の発明の方法および装置を用いることにより、寸法精度の高いX線マスク基板を製造することが可能となる。
【0090】
また、第2の発明によれば、大型基板やX線マスクの様に基板が厚い場合や複雑な構造の場合であっても、寸法均一性の高いレジストパターンを形成し得るレジスト処理装置およびその方法が提供される。
本発明の方法および装置は、レジストを用いたパターン形成に有効であり、その工業的価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線マスク基板の熱処理装置の一例を示す概要図。
【図2】第1の温度調整部材を示す図。
【図3】第2の温度調整部材を示す図。
【図4】温度調整部材の温度分布を表す図。
【図5】レジストパターン寸法の面内均一性を表す図。
【図6】本発明のX線マスク基板の熱処理装置の他の例を示す概要図。
【図7】メサ構造のX線マスク基板の断面図。
【図8】本発明のX線マスク基板の熱処理装置の他の例を示す概要図。
【図9】本発明のレジスト処理装置の一例を表す説明図。
【図10】本発明のレジスト処理方法の一実施例を現す構成図。
【図11】本発明のレジスト処理装置の加熱冷却処理部の一例を示す説明図。
【図12】本発明の一実施例に用いたX線マスク基板の製造工程を示す断面図。
【図13】本発明の一実施例に用いたX線マスク基板の製造工程を示す断面図。
【図14】本発明のレジスト処理方法の一例を示すフローチャート。
【図15】本発明を用いて形成したパターンの一例を表す図。
【図16】本発明のレジスト処理装置の他の例を表す説明図。
【図17】本発明のレジスト処理方法の他の例を表す構成図。
【図18】本発明のレジスト処理方法の他の例を示すフローチャート。
【図19】本発明のレジスト処理装置の他の例を説明する模式図。
【図20】本発明のレジスト処理装置の他の例を表す説明図。
【図21】X線マスク基板を示す断面図。
【図22】従来のX線マスク基板の熱処理装置を表す概要図。
【図23】従来のレジスト処理装置の一例を表す説明図。
【図24】従来のレジスト処理装置の他の例を表す説明図。
【符号の説明】
1…X線マスク基板
1a…X線吸収体膜
1b…X線透過性薄膜
1c…支持基板
1d…補強支持枠
1e…ウインドウ領域
2,21,28,100…熱処理装置
3…第1の温度調整部材
4…第2の温度調整部材
5,6,101…温度制御装置
7,8…駆動機構
9,10,30…駆動制御装置
11,12,17,18…距離センサー
13…レジスト膜
14…保持台
15,16…ヒーター線
22…X線マスク基板
23…レジスト膜
24…第1の温度調整部材
25…第2の温度調整部材
29…X線マスク基板駆動機構
31…サーミスタ
41…Si基板
42…SiC製X線透過性薄膜
43…アルミナ製反射防止膜兼エッチングストッパー
44…WRe製X線吸収体
45…Cr製エッチングマスク
46…アルミナ製反射防止膜
47…ガラス製補強枠
48…電子線用レジスト
49…X線マスク基板
51…前処理部
52…塗布部
53…加熱冷却処理部
54…現像部
55…上下反転機構
55a…基板保持機構
55b,78…回転機構
55c…支持ブロック
55d,76,81,83…弾性体
55e,77…上下運動機構
56…搬出入部
57…搬送機構
58,73…搬送機構のアーム
59,62,63,64,65,72,75,79…センサー
60,74…脱落防止部
61,68…基板支持部
66…ホットプレート
67…ヒーター
69,85…位置決め機構
70…バックプレート
71…温度センサー
80a,80b…回転軸
82,84…上下駆動機構
102…ホットプレート
103…X線マスク基板
104…レジスト膜
110…炉体
111…被処理基板
112,115…ヒーター線
114…ホットプレート
116…上下駆動機構
117…温度センサー

Claims (10)

  1. マスク支持枠に支持された基板と、この基板上に順次形成されたX線透過膜およびX線吸収体とを有し、前記X線吸収体上に感光性レジスト膜が形成されたX線マスク基板の熱処理方法であって、
    前記感光性レジスト膜が形成されたX線吸収体膜の上方に、前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板を加熱または冷却するための第1の温度調整部材を近接して配置するとともに、前記X線マスク基板の裏面の下方に、前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板を加熱または冷却するための第2の温度調整部材を近接して配置し、
    前記第1の温度調整部材および第2の温度調整部材の少なくとも一方の部材の温度を制御することにより、前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板の温度を所定範囲に設定することを特徴とするX線マスク基板の熱処理方法。
  2. 前記第1の温度調整部材および第2の温度調整部材の少なくとも一方の部材は、前記X線マスク基板の形状に対応した形状を有する請求項1に記載のX線マスク基板の熱処理方法。
  3. 前記第1の温度調整部材および第2の温度調整部材の少なくとも一方の部材の温度分布は、所望する感光性レジスト膜およびX線マスク基板の面内温度分布に応じて温度制御装置により制御される請求項1または2に記載のX線マスク基板の熱処理方法。
  4. 前記第1の温度調整部材は、第1の駆動制御装置により制御された第1の駆動機構により、前記X線マスク基板のX線吸収体膜上に形成された感光性レジスト膜表面から所定の距離に移動・配置され、前記第2の温度調整部材は、第2の駆動制御装置により制御された第2の駆動機構により、前記X線マスク基板の裏面から所定の距離に移動・配置される請求項1に記載のX線マスク基板の熱処理方法。
  5. 前記第1の温度調整部材は、第1の駆動制御装置により制御された第1の駆動機構により駆動され、前記第2の温度調整部材は、第2の駆動制御装置により制御された第2の駆動機構により駆動されて前記第1の温度調整部材との間に間隙を形成し、前記X線マスク基板は、第3の駆動制御装置により制御された第3の駆動機構により、前記第1の温度調整部材と第2の温度調整部材との間隙の所定の位置に移動・配置される請求項1に記載のX線マスク基板の熱処理方法。
  6. マスク支持枠に支持された基板と、この基板上に順次形成されたX線透過膜およびX線吸収体とを有し、前記X線吸収体上に感光性レジスト膜が形成されたX線マスク基板を、前記感光性レジスト膜を上面に向けて熱処理する装置であって、前記X線マスク基板の感光性レジスト膜が形成されたX線吸収体膜の上方に近接して配置され、前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板を加熱または冷却するための第1の温度調整部材と、前記X線マスク基板の裏面の下方に近接して配置され、前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板を加熱または冷却するための第2の温度調整部材と、前記感光性レジスト膜およびX線マスク基板の温度を所定範囲に設定するように、前記第1の温度調整部材および第2の温度調整部材の少なくとも一方の部材の温度を制御するための温度制御手段とを具備することを特徴とするX線マスク基板の熱処理装置。
  7. 前記第1の温度調整部材および第2の温度調整部材の少なくとも一方の部材は、前記Xマスク基板の形状に対応した形状を有する請求項に記載のX線マスク基板の熱処理装置
  8. 前記第1の温度調整部材および第2の温度調整部材の少なくとも一方の部材の温度分布を、所望される感光性レジスト膜およびX線マスク基板の面内温度分布に応じて制御するための温度制御装置を具備する請求項6または7に記載のX線マスク基板の熱処理装置
  9. 前記第1の温度調整部材を、前記X線マスク基板のX線吸収体膜上に形成された感光性レジスト膜から所定の距離に移動・配置するための第1の駆動機構およびこの駆動機構を制御する第1の駆動制御装置と、前記第2の温度制御部材を、前記X線マスク基板の裏面から所定の距離に移動・配置するための第2の駆動機構およびこの駆動 機構を制御する第2の駆動制御装置とを具備する請求項に記載のX線マスク基板の熱処理装置
  10. 前記第1の温度調整部材を駆動するための第1の駆動機構およびこの駆動機構を制御する第1の駆動制御装置と、前記第1の温度調整部材との間に所定の間隙を形成するように前記第2の温度制御部材を駆動するための第2の駆動機構およびこの駆動機構を制御する第2の駆動制御装置と、前記X線マスク基板を前記第1および第2の温度調整部材の間に形成された前記間隙の所定の位置に移動・配置するための第3の駆動機構とこの駆動機構を制御する第3の駆動制御装置とを具備する請求項に記載のX線マスク基板の熱処理装置
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