JPH09180174A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09180174A
JPH09180174A JP35430796A JP35430796A JPH09180174A JP H09180174 A JPH09180174 A JP H09180174A JP 35430796 A JP35430796 A JP 35430796A JP 35430796 A JP35430796 A JP 35430796A JP H09180174 A JPH09180174 A JP H09180174A
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JP
Japan
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recording medium
magnetic
magnetic recording
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silica particles
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JP35430796A
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English (en)
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Nobuo Ishikawa
信夫 石川
Akira Horiguchi
晃 堀口
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 端面に、平均粒子径が所定値以下のシリカ粒
子を含む保護膜を設けて耐久性及び走行性等を向上させ
た磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体2上に磁性層3を形成して
なる磁気記録媒体1において、この端面4に、平均粒子
径が所定値以下のシリカ粒子5を含む保護膜6を形成す
る。これにより、耐久性及び走行性等を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープ、磁気
ディスク等の磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気テープ等の磁気記録媒体
は、例えばポリエステル、ポリイミド、ポリアミド等の
非磁性の支持体面上に、γ−Fe23 、Co含有γ−
Fe23 、CrO2 または金属磁性粉等の磁性粉及び
バインダ、その他各種の添加剤を含む磁性塗料を塗布す
ることによって磁性塗膜層を形成したり、または無電解
メッキのような湿式メッキ手段、或いは蒸着、スパッタ
リング等の乾式メッキ手段によって金属薄膜型の磁性層
を形成し、その後これを所定の幅に細長く切ること、す
なわちスリットすることにより或いは打ち抜きすること
によって得られるのが通常である。
【0003】ところで、このようにして得られる磁気記
録媒体を記録再生装置に装填して走行させた場合、特に
キュー、レビュー状態や繰り返し再生の状態で走行させ
た場合、磁気記録媒体は記録再生装置の磁気ヘッド、パ
ッド、ガイドピン、カセットハーフ等との摩擦によって
傷付いて機械的強度が下がり、磁性粉の粉落ちが引き起
こされたり、または磁気記録媒体の走行性が不安定とな
って再生出力がふらついたり、低下したりする等の問題
が発生する傾向にある。更に、長時間の記録再生を目的
とした薄手テープでは、これらの問題が顕著になる上
に、テープエッジ部分が折れることによる再生出力の大
幅な低下及び走行不良を引き起こす等の問題点が増え
る。
【0004】そこで、このような問題点の解決のため
に、従来では磁性層中に潤滑剤や研磨剤を含有させた
り、或いは磁性層表面に潤滑剤を介在させたり、更には
特開昭50−61202号公報等に開示されるように磁
性層と反対側の支持体面上にバックコート層を設けた
り、また更には特開昭63−235343号公報に開示
されるようにポリエステル支持体中に球状シリカ粒子を
含有させたりすることが行われており、前記の問題点が
大幅に解決されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近に
おける磁気記録媒体の耐久性及び走行性等の特性向上に
対する要求は、上記したような磁性層及びバックコート
層中の含有成分の改善或いは支持体自体の改善のみでは
十分でなくなってきている。すなわち、磁性層及びバッ
クコート層を形成した後にスリットすることによってテ
ープ状の磁気記録媒体を製造する場合に、スリット作業
時に磁性層に応力集中が起きてクラックが入り、この結
果、磁性層の耐久性が低下したり、または、ヘッドタッ
チの低下から走行性が低下したりする等の欠点が引き起
こされている。そのため、例えば特開昭60−1259
29号公報に示す如く、スリット作業を低温・低湿環境
で行ったり、或いは特開昭61−26937号公報に示
す如く、スリットに際してカッタが当たる磁気記録媒体
の原反部分の磁性層を予め除去しておくことが提案され
ている。
【0006】しかしながら、これら従来の対応策にあっ
ては、スリットに際して磁性層にクラックが起き難いよ
うにする程度の消極的なものにすぎなくて限界があり、
耐久性や走行性の十分な改善には至ってはいない。本発
明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決
すべく創案されたものであり、その目的は端面に平均粒
子径が所定値以下のシリカ粒子を含む保護膜を設けて耐
久性等を向上させることができる磁気記録媒体を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、磁気記録媒
体の走行時には、磁気記録媒体の磁性層表面及び磁性層
と反対側の裏面のみが記録再生装置側のガイド手段等と
接触するのではなく、磁気記録媒体のスリット面である
端面もこれらと接触することから、この端面にも走行性
及び耐久性を向上させるような保護膜を構成しておけ
ば、磁気記録媒体の走行性及び耐久性は従来の磁気記録
媒体よりも大幅に向上させることができる、という知見
を得ることにより、本発明に至ったものである。
【0008】すなわち、本発明は、上記問題点を解決す
るために、端面に、平均粒子径が所定値以下のシリカ粒
子を含む保護膜を設けるように構成したものである。
【0009】本発明は、以上のように構成したので、磁
気記録媒体の走行時には、媒体の磁性層及びこの反対側
の裏面のみならず媒体の端面も記録再生装置のガイド手
段等と接触しつつ走行するが、この端面には平均粒子径
が所定値以下のシリカ粒子を含む保護膜が形成されてい
ることから耐久性を向上させることができ、また、粉落
ち等も大幅に減少させることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る磁気記録媒
体の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本
発明に係る磁気記録媒体の一実施例を示す断面図であ
る。図示するようにこの磁気記録媒体1は、例えばポリ
エチレンテレフタレート等の非磁性体よりなるフィルム
状の非磁性支持体2を有しており、この表面に磁性塗料
を塗布乾燥させることにより磁性層3が形成される。そ
して、これを所定の形状、例えばテープ状或いはディス
ク状に成形すると共にその片側端面或いは両側端面4
に、図示例にあっては両側端面に本発明の特長とする、
平均粒子径が所定値以下のシリカ粒子5を含む保護膜6
が形成されており、磁気記録媒体1自体の耐久性等を向
上し得るようになっている。この保護膜6は、例えば平
均粒子径が1.0μm以下の球状のシリカ粒子及び潤滑
剤を含有させるのが好ましい。
【0011】具体的に上記した磁気記録媒体1を製造す
るには、塗布型の磁性層3または金属薄膜型の磁性層3
が非磁性支持体2の面上に形成された幅広の磁気記録媒
体の原反を、所定の幅にスリットし、これにより得た所
定の規格の磁気記録媒体のスリット面である端面4に、
球状のシリカ粒子及び脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコ
ーンオイル等から選ばれる少なくとも一種の潤滑剤を含
む塗料をディップコーティング等の手段により塗布乾燥
し、これら球状シリカ粒子5及び潤滑剤を含む保護膜6
を形成し、図1に示すような磁気記録媒体1を製造し
た。このように形成した磁気記録媒体1を記録再生装置
に装填して、実際に走行操作を行った結果、走行性及び
耐久性を格段に向上できたことが判明した。また、磁性
粉の粉落ち等も大幅に抑制することが可能となった。
【0012】本実施例における球状シリカ粒子5は、個
々の形状が真球に近いものが好ましく、更にこのシリカ
粒子5の平均粒子径は1.0μm以下に設定するのが好
ましい。この平均粒子径が1μmを越えると、端面の表
面平滑性が不十分となると共に繰り返し走行によりシリ
カ粒子が端面から脱落しドロップアウトの増加等の品質
上の問題を招いてしまう。
【0013】上記球状シリカ粒子は、上述の条件を満た
せば、その製法その他何ら限定されるものではない。例
えば球状シリカ粒子は、下記式に示すようにオルトケイ
酸エチル[Si(OC254 ]の加水分解から含水
シリカ[Si(OH)4 ]単分散球を作製し、更にこの
含水シリカ単分散球を脱水化処理してシリカ結合[≡S
i−O−Si≡]を三次元的に成長させることで製造で
きる。 Si(OC254 +4H2 O→Si(OH)4 +4
25 OH≡Si−OH+HO−Si≡→≡Si−O
−Si≡+H2 O 上記球状のシリカ粒子5及び潤滑剤をバインダ等と一緒
に塗布して保護膜6を形成した場合にあっては、この保
護膜を構成するバインダが磁性層のクラックを補修する
ような作用を示す結果となり、磁性粉の粉落ち等をより
一層効果的に防止できる。
【0014】すなわち、磁気記録媒体の原反をスリット
或いは打ち抜いたりして所定の規格サイズの磁気記録媒
体を得た段階においては、このスリットまたは打ち抜き
加工時に生じたクラックは小さなものであり、そして、
使用に伴ってこのクラックが拡大して磁性粉等の粉落ち
が酷くなるのであるが、この初期の段階においてクラッ
クをバインダによって補修しておけば、磁性粉の粉落ち
等を効果的に抑制することが可能となる。そして、この
ような場合にあっては、球状のシリカ粒子はバインダ1
00重量部に対して約0.5〜15.0重量部、潤滑剤
はバインダ100重量部に対して約0.1〜5.0重量
部の範囲で用いることが好ましい。
【0015】尚、上記実施例においては、平均粒子径が
所定値以下のシリカ粒子5を含む保護膜6として、球状
のシリカ粒子と潤滑剤を含有させたものを用いたが、こ
れに限定されず、例えば球状のシリカ粒子5と微細な連
続気泡を有する弾性被膜を保護膜6として用いるように
してもよい。この場合の製法は、球状のシリカ粒子と微
細な連続気泡を有する塗料を磁気記録媒体のスリット面
である端面4にディップコーティング等の手段により塗
布し、これら球状シリカ及び連続気泡を含む弾性の保護
膜6を形成する。この場合にも、前記したと同様に球状
のシリカ粒子は、個々の形状が極めて真球に近いものが
好ましく、またその平均粒子径も1.0μm以下とする
のが好ましい。また、この球状シリカ粒子も前述と同様
にその製法その他何ら限定されるものではない。
【0016】上記球状シリカ粒子をバインダ等と一緒に
塗布して保護膜6を形成すると、前述と同様にクラック
の補修機能により磁性粉の粉落ち等をより一層効果的に
防止することができる。この場合、球状シリカ粒子はバ
インダ100重量部に対して約0.5〜15.0重量部
の範囲で用いることが好ましい。
【0017】上記バインダとしてポリウレタン樹脂を用
いるのが好ましい。ポリウレタン樹脂を用いて連続気泡
を有する弾性被膜よりなる保護膜を得るには、ポリウレ
タン樹脂を形成するイソシアネート化合物と反応して炭
酸ガスを発生する水、或いはカルボン酸を、被膜を形成
する塗料中に添加し、端面上でポリウレタン樹脂被膜を
形成する際に炭酸ガスを発生させ、これによって連続気
泡を形成する方法等によって形成することができる。
【0018】次に、具体的数値に基づいて行われた実施
例及び比較例について説明する。まず、保護膜6として
球状のシリカ粒子と潤滑剤を含む膜を用いた場合につい
て説明する。 (実施例1) 磁性塗料の組成 γ−Fe23 磁性粉 100重量部 ポリウレタン樹脂 15重量部 塩ビ−酢ビ共重合体 15重量部 分散剤 1重量部 シリコーンオイル 0.4重量部 研磨剤 1重量部 カーボンブラック 5重量部 トルエン 300重量部 メチルエチルケトン 300重量部 メチルイソブチルケトン 300重量部
【0019】上記した組成よりなる磁性塗料を十分に混
合分散し、その後これにポリイソシアネート系硬化剤を
加え、このようにして得た磁性塗料を、例えばポリエチ
レンテレフタレート等の非磁性支持体2面上に所定の厚
さ塗布し、これを硬化して厚さ5μmの磁性層3を形成
し、そしてこのようにして得た磁気記録媒体の原反を温
度20℃、湿度50%の条件下で12.65mmの幅に
スリットして磁気テープ等の磁気記録媒体を得た。その
後、このスリットした磁気記録媒体をパンケーキの状態
または巻き取りながら磁気記録媒体の端面4に、下記に
示す保護膜塗料の組成よりなる材料を十分に混合分散し
てこれにポリイソシアネート系の硬化剤を添加混合した
塗料をディップコーティングする。
【0020】保護膜塗料の組成 平均粒子径が約0.5μmの 球状シリカ粒子 5重量部 シリコーンオイル 2重量部 カーボンブラック 10重量部 ポリウレタン樹脂 50重量部 ニトロセルロース 50重量部 トルエン 500重量部 メチルエチルケトン 500重量部 メチルイソブチルケトン 500重量部 その後、端面に塗布した塗料を硬化処理して端面4に約
1μm厚の保護膜6を設け、磁気記録媒体を得た。
【0021】(実施例2)実施例1における保護膜塗料
の組成中のシリコーンオイルに代えてミリスチン酸を用
いて実施例1と同様に行い、磁気記録媒体を得た。 (実施例3)実施例1における保護膜塗料の組成中のシ
リコーンオイルに代えてステアリン酸ブチルエステルを
用いて実施例1と同様に行い、磁気記録媒体を得た。
【0022】これに対して比較例は以下のように形成し
た。 (比較例1)実施例1における保護膜6を設けていない
通常の磁気記録媒体を得た。 (比較例2)実施例1における保護膜塗料の組成中の平
均粒子径が約0.5μmの球状シリカ粒子に代えて平均
粒子径が約2μmの球状シリカ粒子を用いて実施例1と
同様に行い、磁気記録媒体を得た。 (比較例3)実施例1における保護膜塗料の組成中のシ
リコーンオイルを全く用いないで実施例1と同様に行
い、磁気記録媒体を得た。
【0023】(比較例4)比較例1において、温度20
℃、湿度50%の条件に代え、温度3℃、湿度5%の条
件でスリット操作を行い、他は同様にして磁気記録媒体
を得た。 (比較例5)比較例1において、12.65mmにスリ
ットするスリット工程に先立って、磁性層を除去用ブレ
ードにて除去する操作を加え、他は同様にして磁気記録
媒体を得た。 (比較例6)実施例1において、球状シリカ粒子を添加
せず、他は同様にして磁気記録媒体を得た。
【0024】上記各実施例1〜3と各比較例1〜5で得
た磁気記録媒体を記録再生装置に装填し、そのオーディ
オレベル変動、ドロップアウト、磁性粉の粉落ち及び端
面部分における損傷の程度を調べた。その結果を表1に
示す。
【0025】
【表1】
【0026】尚、オーディオレベル変動は、日本ビクタ
ー(株)製のBR−7000型ビデオテープレコーダを
用い、7KHzの正弦波信号を記録し、次にキュー、レ
ビュー状態で10往復高速走行させ、その後再生して測
定したものである。また、ドロップアウトは、日本ビク
ター(株)製のHR−7100型ビデオテープレコーダ
を用いて10往復繰り返し走行させた前後におけるドロ
ップアウト(幅5μs、深さ20dB)を、シバソク・
ドロップアウトカウンタで測定したものである。また、
磁性粉の粉落ち及び端面部分における損傷の程度は、日
本ビクター(株)製のHR−7650型ビデオテープレ
コーダを用いて100往復繰り返し走行させた後、顕微
鏡で観察して判断したものである。
【0027】表1からわかるように、実施例1〜3の磁
気記録媒体に関しては、オーディオレベルの変動は0.
3〜0.5の範囲内でその変動は少なく、また、ドロッ
プアウトも走行前と走行後との差はゼロ或いは1であっ
てドロップアウトが起き難く、且つ磁性層の粉落ちは無
いと言って良い程度である。しかも磁気記録媒体の端面
部分の損傷がほとんど認められず、磁気記録媒体の走行
性及び磁性層の耐久性に優れたものであることが判明し
た。これに対して、比較例1に示す如く、磁気記録媒体
の端面に保護膜を設けていない場合には、オーディオレ
ベルの変動は2.0dBとなってその変動が大きく、ま
たドロップアウトの増加個数も53個となって多く、且
つ磁性層の粉落ち及び損傷も多く、特性上好ましくはな
かった。
【0028】また、磁気記録媒体の端面に保護膜を設け
ないものであっても、比較例4、比較例5に示すように
構成した場合には、いずれの場合にも比較例1のものよ
り良い結果を示すが、本実施例1〜3のような好成績は
得られていない。すなわち、本発明の特長とする保護膜
6が施されていない場合には、その効果の奏上程度には
大きな限界があった。また、比較例2または比較例3に
示す如く、保護膜中に所定の平均粒子よりも大きな平均
粒子径のシリカ粒子を含んだ場合、または潤滑剤である
シリコーンオイルを含まない場合には、オーディオレベ
ルの変動も比較的大きく認められ、また、ドロップアウ
ト、磁性粉の粉落ち、更には損傷のデータから明らかな
ように磁性層の耐久性も良くないものであった。また、
比較例6に示す如く、保護膜に球状のシリカ粒子を含ま
ない場合は、特に磁性層の粉落ちに劣るものであった。
【0029】次に、保護膜6として球状のシリカ粒子と
微細な連続気泡を含む膜を用いた場合について説明す
る。 (実施例4)まず、先の実施例1にて示したと同様な磁
性塗料の組成と同様なものを用い、且つ同様な方法でス
リット等を施して磁気テープ等の磁気記録媒体を得る。
その後、このスリットした磁気記録媒体をパンケーキの
状態または巻き取りながらスリットした磁気記録媒体の
端面4に、下記に示す保護膜塗料の組成よりなる材料を
十分に混合分散してこれにポリイソシアネート系の硬化
剤を添加混合した塗料をディップコーティングする。 保護膜塗料の組成 平均粒子径が約0.5μmの 球状シリカ粒子 5重量部 純水 3重量部 カーボンブラック 10重量部 ポリウレタン樹脂 100重量部 トルエン 500重量部 メチルエチルケトン 500重量部 メチルイソブチルケトン 500重量部 その後、端面に塗布した塗料を硬化処理して端面4に約
1μm厚の連続気泡を有する保護膜6を設け、磁気記録
媒体を得た。
【0030】(実施例5)実施例4における保護膜塗料
の組成中の純水に代えてミリスチン酸ブチルエステルを
用いて実施例1と同様に行い、磁気記録媒体を得た。 (実施例6)実施例1における保護膜塗料の組成中の純
水に代えてパルミチン酸を用いて実施例4と同様に行
い、磁気記録媒体を得た。
【0031】これに対して比較例は以下のように形成し
た。 (比較例7)実施例4における保護膜6を設けていない
通常の磁気記録媒体を得た。 (比較例8)実施例4における保護膜塗料の組成中の平
均粒子径が約0.5μmの球状シリカ粒子に代えて平均
粒子径が約2μmの球状シリカ粒子を用いて実施例4と
同様に行い、磁気記録媒体を得た。 (比較例9)実施例4における保護膜塗料の組成中の純
水を全く用いないで実施例4と同様に行い、連続気泡を
有しない磁気記録媒体を得た。
【0032】(比較例10)比較例6において、温度2
0℃、湿度50%の条件に代え、温度3℃、湿度5%の
条件でスリット操作を行い、他は同様にして磁気記録媒
体を得た。 (比較例11)比較例6において、12.65mmの幅
にスリットするスリット工程に先立って、磁性層を除去
用ブレードにて除去する操作を加え、他は同様にして磁
気記録媒体を得た。 (比較例12)実施例4において、球状のシリカ粒子を
添加せず、他は同様にして磁気記録媒体を得た。
【0033】上記各実施例4〜5と各比較例6〜10で
得た磁気記録媒体を記録再生装置に装填し、そのオーデ
ィオレベル変動、ドロップアウト、磁性粉の粉落ち及び
端面部分における損傷の程度を調べた。その結果を表2
に示す。
【0034】
【表2】
【0035】尚、オーディオレベル変動、ドロップアウ
ト、磁性粉の粉落ち及び端面部分における損傷の程度
は、先の実施例等の場合と同様な方法で測定した。表2
からわかるように、実施例4〜6の磁気記録媒体に関し
ては、オーディオレベルの変動は0.3〜0.5の範囲
内でその変動は少なく、また、ドロップアウトも走行前
と走行後との間の差は、ゼロ或いは1であってドロップ
アウトは起き難く、且つ磁性層の粉落ちは無いと言って
良い程度である。しかも磁気記録媒体の端面部分の損傷
がほとんど認められず、磁気記録媒体の走行性及び磁性
層の耐久性に優れたものであることが判明した。
【0036】これに対して、比較例7に示す如く、磁気
記録媒体の端面に保護膜を設けていない場合には、オー
ディオレベルの変動は2.0dBとなってその変動が大
きく、またドロップアウトの増加個数も53個となって
多く、且つ磁性層の粉落ち及び損傷も多く、特性上好ま
しくはなかった。
【0037】また、磁気記録媒体の端面に保護膜を設け
ないものであっても、比較例10、比較例11に示すよ
うに構成した場合には、いずれの場合にも比較例7のも
のより良い結果を示すが、本実施例4〜6のような好成
績は得られていない。すなわち、本発明の特長とする保
護膜6が施されていない場合には、その効果の奏上程度
には大きな限界があった。
【0038】また、比較例8または比較例9に示す如
く、保護膜中に所定の平均粒子よりも大きな平均粒子系
のシリカ粒子を含んだ場合、または連続気泡を有しない
場合には、オーディオレベルの変動も比較的大きく認め
られ、また、ドロップアウト、磁性粉の粉落ち、更には
損傷のデータから明らかなように磁性層の耐久性も良く
ないものであった。また、比較例12に示す如く、保護
膜に球状のシリカ粒子を含まない場合には、特に磁性層
の粉落ちに劣るものであった。
【0039】尚、以上の全ての実施例においては保護膜
6が磁気記録媒体の両端面に設けられた場合を例にとっ
て説明したが、保護膜6が片端面にしか設けられていな
い場合でも良く、この場合でも好結果が認められた。ま
た、上記各実施例では磁気テープの場合について説明し
たが、これに限定されず、他の磁気記録媒体、例えば磁
気ディスク等の場合にも同様に適用し得るのは勿論であ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体によれば次のように優れた作用効果を発揮すること
ができる。端面に、平均粒子径が所定値以下のシリカ粒
子を含有する保護膜を形成したので、ドロップアウトが
起き難く、且つ磁性粉の粉落ちも起き難く、更には損傷
が起き難いものになり、その結果磁性層の耐久性を向上
させることができ、また磁気記録媒体の走行性も向上さ
せることができて、オーディオレベルの変動も著しく減
少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の一実施例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1…磁気記録媒体、2…非磁性支持体、3…磁性層、4
…端面、5…シリカ粒子、6…保護膜。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端面に、平均粒子径が所定値以下のシリ
    カ粒子を含む保護膜を設けるように構成したことを特徴
    とする磁気記録媒体。
JP35430796A 1996-12-19 1996-12-19 磁気記録媒体 Pending JPH09180174A (ja)

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