JPH09180163A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09180163A
JPH09180163A JP7338430A JP33843095A JPH09180163A JP H09180163 A JPH09180163 A JP H09180163A JP 7338430 A JP7338430 A JP 7338430A JP 33843095 A JP33843095 A JP 33843095A JP H09180163 A JPH09180163 A JP H09180163A
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JP
Japan
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polyurethane resin
magnetic
vinyl
recording medium
magnetic recording
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JP7338430A
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English (en)
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Shigeo Kurose
茂夫 黒瀬
Akira Somiya
彰 曽宮
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/68Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent
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    • G11B5/7022Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent on a base layer characterised by the bonding agent containing a polyurethane or a polyisocyanate containing mixtures of polyurethanes or polyisocyanates with other polymers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁性塗料の分散性、分散安定性が良好であっ
て、電磁変換特性が良好であり、耐久走行性、スチル特
性のすぐれた磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】非磁性基体上に、磁性粉および結合剤を主
成分とする磁性層を有する磁気記録媒体において、結合
剤が 1)アミン変性ビニル単位および酸性官能基含有ビニル
単位を一分子中に有する塩化ビニル系共重合体 2)数平均分子量が5000≦Mn≦25000(Mn
1)のポリウレタン樹脂及び 3)数平均分子量が25000<Mn≦100000
(Mn2)のポリウレタン樹脂 の混合物であることを特徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像、音声、デー
タ等を記録再生するために用いられる強磁性粉末を用い
た磁性塗料を塗布して得られる磁性層を有する磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より非磁性支持体上に磁性粉及び結
合剤とからなる磁性塗料を塗布して形成した磁性層を有
する磁気記録媒体であって、結合剤として複数の樹脂を
組合わせたものはいくつか知られている。例えば「非磁
性支持体上に強磁性体金属粉末およびバインダーを含む
磁性層が形成されてなる磁気記録媒体であって、上記バ
インダーとしてガラス転移温度(Tg)が異なるバイン
ダー樹脂3種類であり、これら3種類のバインダー樹脂
を混合してなる樹脂形成のTgが30℃〜47℃である
ことを特徴とする磁気記録媒体。」(特開平3−286
419号公報)、「非磁性支持体上に強磁性粉末と結合
剤とを主体とする磁性層が形成された磁気記録媒体にお
いて上記磁性層の結合剤がガラス転移温度の異なる2種
類以上のポリエステル・ポリウレタン樹脂のみを含有
し、かつ結合剤全体としてガラス転移温度が10℃〜6
0℃であることを特徴とする磁気記録媒体。」(特開平
5−307734号公報)、「非磁性支持体上に強磁性
粉末とカーボンブラックとを結合剤中に分散させた磁性
層を設けた磁気記録媒体であって、前記結合剤は、アミ
ン変性ビニル単位と酸性官能基含有ビニル単位とを有す
る共重合体を含有し、前記カーボンブラックの比表面積
が90〜330m2/gであり、DBP吸油量が45〜
120ml/100gである磁気記録媒体。」(特開平
07−153055号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平3−286
419号公報記載の発明では結合剤としてガラス転移温
度(Tg)が異なる3種類の樹脂を用いること、これに
より磁気記録媒体の表面性、機械的強度が優れ、耐久性
の向上が図られることが記載され、又特開平5−307
734号公報記載の発明では結合剤としてガラス転移温
度の異なる2種類以上のポリエステル・ポリウレタン樹
脂を用いること、これにより電磁変換特性が向上するこ
とが記載されているが、これらはいずれも塩化ビニル系
共重合体に関しては詳細に記載されておらず、又塗料の
分散性に関して問題があるものであった。そして、特開
平7−153055号公報記載の発明は結合剤としてア
ミン変性ビニル単位と酸性官能基含有ビニル単位を一分
子中に有する共重合体を用いるものであり、分散性等の
点ですぐれた磁気記録媒体が得られるが、2種類のポリ
ウレタン樹脂を用いることについては何ら記載されてい
ない。従来の技術では磁性塗料の分散性および分散安定
性において問題が残り、その結果として、電磁変換特性
が劣り、耐久走行性において問題があった。したがっ
て、優れた電磁変換特性、耐久走行性等を併わせ有する
磁気記録媒体を提供することが望まれているところであ
る。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく鋭意研究の結果、特定の官能基を有する
塩化ビニル系共重合体と2種類の特定の分子量を有する
ポリウレタン樹脂との混合物からなる結合剤を用いるこ
とにより、前記の課題が解決することを見出し、本発明
に到達したものである。即ち本発明は (1)非磁性基体上に、磁性粉および結合剤を主成分と
する磁性層を有する磁気記録媒体において、結合剤が i)アミン変性ビニル単位および酸性官能基含有ビニル
単位を一分子中に有する塩化ビニル系共重合体 ii)数平均分子量が5000≦Mn≦25000(Mn
1)のポリウレタン樹脂及び iii)数平均分子量が25000<Mn≦100000
(Mn2)のポリウレタン 樹脂 の混合物であることを特徴とする磁気記録媒体、 (2)アミン変性ビニル単位および酸性官能基含有ビニ
ル単位を一分子中に有する塩化ビニル系共重合体が平均
重合度200〜800のものである(1)記載の磁気記
録媒体、 (3)塩化ビニル系共重合体に含まれるアミン変性ビニ
ル単位の含有量が0.03〜2.3重量%であり、酸性
官能基含有ビニル単位の含有量が0.05〜1.8重量
%である(1)記載の磁気記録媒体、 (4)塩化ビニル系共重合体がアミン変性ビニル単位と
して第1級アミン、第2級アミン又は第3級アミンを有
し、酸性官能基含有ビニル単位としてカルボキシル基、
スルホン酸基、硫酸基、リン酸基又はホスホン酸基を有
するものである(1)記載の磁気記録媒体、 (5)数平均分子量5000≦Mn≦25000(Mn
1)のポリウレタン樹脂がポリエステルポリウレタン樹
脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂又はポリカーボネー
トポリウレタン樹脂である請求項1記載の磁気記録媒
体、 (6)数平均分子量が25000<Mn≦100000
(Mn2)のポリウレタン樹脂がポリエステルポリウレ
タン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂又はポリカー
ボネートポリウレタン樹脂である(1)記載の磁気記録
媒体、および (7)アミン変性ビニル単位および酸性官能基含有ビニ
ル単位を一分子中に有する塩化ビニル系共重合体が結合
剤の総量に対して20〜80重量%、Mn1のポリウレ
タン樹脂10〜50重量%及びMn2のポリウレタン樹
脂10〜50重量%含有するものであり、Mn1とMn
2のポリウレタン樹脂を加えた量は20〜80重量%で
ある(1)記載の磁気記録媒体、に関する。
【0005】本発明の結合剤であるアミン変性ビニル単
位および酸性官能基含有ビニル単位を一分子中に有する
塩化ビニル系共重合体を前記の特定の分子量を有する2
種のポリウレタン樹脂と共に用いることにより、優れた
分散性と塗料安定性とを持つ塗料を作成することがで
き、優れた電磁変換特性と耐久走行性等を有する磁気記
録媒体を得ることができる。本発明の塩化ビニル系共重
合体に含まれる酸性官能基含有ビニル単位は、カルボキ
シル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸
基等の官能基を少なくとも一種以上含有しているビニル
単位である。これらのビニル単位としては、上記の官能
基をもつものであればどのようなものであってもよい。
例えばカルボキシル基を有するものとしては、マレイン
酸、フマル酸、アクリル酸、およびメタクリル酸等が挙
げられ、スルホン酸基を有するものとしては、スチレン
スルホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸ソーダ、メタクリ
ルスルホン酸ソーダ、スルホエチルアクリレート等を挙
げることができる。これらのうちでは、カルボキシル基
を有するマレイン酸やフマル酸、スルホン酸基を有する
スルホエチルアクリレートやメタクリルスルホン酸ソー
ダ、リン酸基を有する2−アッシドホスホオキシエチル
メタクリレート等が特に好ましい。また、本発明に用い
る塩化ビニル系共重合体に含まれるアミン変性ビニル単
位は、アミノ基を含む。アミノ基としては非置換アミ
ノ、置換アミノのいずれであっても良く、例えば前記酸
性官能基含有ビニル単位を含塩化ビニル系共重合体を、
後述する各種のアミン化合物とともに処理することで導
入することができる。なお、アミン変性ビニル単位に
は、さらに前記酸性官能基含有ビニル単位に含まれる官
能基として例示した種々の官能基が含まれても良い。本
発明の結合剤に含有される前記共重合体に含まれるアミ
ン変性ビニル単位の含有量は0.03〜2.3重量(w
t)%が好ましく、より好ましくは、0.05〜2.0
wt%、特に0.5〜1.5wt%が好ましい。アミン
変性ビニル単位の含有量が多すぎると塗料の安定性が悪
化しやすくなり、少なすぎると分散性が悪化しやすくな
る。また、酸性官能基含有ビニル単位の含有量は0.0
5〜1.8wt%が好ましく、より好ましくは、0.1
〜1.5wt%、特に0.5〜1.5wt%が好まし
い。酸性官能基含有ビニル単位が多すぎると、塗料のチ
クソトロピー性が増加しやすくなり、塗布した磁性層の
表面平滑性が低下しやすい。また、少なすぎると塗料の
安定性が悪化して凝集物が生じやすく、磁性層の表面性
が悪化してしまう。
【0006】本発明の前記アミン変性ビニル単位および
酸性官能基含有ビニル単位を一分子中に有する塩化ビニ
ル系の共重合体は、塩化ビニル、アルキルカルボン酸ビ
ニルエステル、ビニルアルコールを含む。これらの構成
単位のうち、アルキルカルボン酸ビニルエステルとして
は、原料価格等の関係から、酢酸ビニル等を用いること
が好ましいが、プロピオン酸ビニル、パーサチック酸ビ
ニル等を用いることもできる。また、ビニルアルコール
は前記アルキルカルボン酸ビニルエステルのアルキルカ
ルボン酸部分をケン化する事で得られる。アルキルカル
ボン酸ビニルエステルの含有量は0.5〜10wt%、
より好ましくは、1.0〜5.0wt%である。ビニル
アルコールの含有量は、0〜8.0wt%、より好まし
くは3.0〜6.0wt%である。これらを除く残部は
実質的に塩化ビニルであることが好ましい。アルキルカ
ルボン酸ビニルエステルの含有量が多すぎると、塗料と
したとき磁性粉との親和性が低下しやすくなり、分散性
が悪化しやすい。また少なすぎると、樹脂の溶解性が悪
化しやすくなる。ビニルアルコールの含有量が多すぎる
と、ケン化率が高いことになり、共重合体の熱安定性が
低下しやすく、保存特性が悪化しやすくなる。共重合体
の平均重合度は、好ましくは200〜800、より好ま
しくは300〜500である。平均重合度が高すぎると
共重合体の溶解性、分散性が悪化しやすく、低すぎると
磁性層強度が低下しやすくなり、磁性層塗膜のケズレな
どが発生しドロップアウト等の増加につながる なお、このような共重合体にはさらに0.5wt%程度
以下の範囲で他の単量体成分、例えばアリルグリシジル
エーテルや2−ヒドロキシメチルメタアクリレート等が
含まれてもよい。
【0007】本発明で用いる共重合体は、どのように製
造されたものであってもよい。例えば、塩化ビニル、ア
ルキルカルボン酸ビニルエステル、さらに例えばマレイ
ン酸やフマル酸等、前記例示した酸性官能基含有ビニル
単位に含まれる官能基を有する単量体を懸濁重合法、乳
化重合法、溶液重合法、塊状重合法等を用いて共重合さ
せる。得られた中間生成物の共重合体を、アルコール等
の有機溶剤でKOH、NaOH等のアルカリあるいは塩
酸、硫酸等の酸を触媒としてケン化を行う。この際、後
述するアミン化合物を添加し、一定時間所望のケン化度
が得られるまで適当な温度で撹拌することで得られる。
なお、このようにして得られた共重合体には、ビニルア
ルコールが含まれる。前述のアミン変成に用いられるア
ミン化合物としては、脂肪族アミン、脂環状アミン、芳
香族アミン、アルカノールアミン、アルコキシアルキル
アミン、等の第1級、第2級もしくは第3級アミンがあ
り、具体的にはメチルアミン、エチルアミン、プロピル
アミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノ
ールアミン、ナフチルアミン、アニリン、o−トルイジ
ン、ジエチルアミン、ジオクチルアミン、ジイソブチル
アミン、ジエタノールアミン、メチルエタノールアミ
ン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールア
ミン、ジブチルエタノールアミン、2−メトキシエチル
アミン、N−メチルアニリン、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリイソブチルアミン、トリデシルアミ
ン、N−メチルブチルアミン、N−メチルジフェニルア
ミン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエタノールアミ
ン、トリブチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ピリ
ジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、
2,4−ルチジン、キノリン、モノホリン、タウリン酸
ナトリウム、スルファニル酸カリウム、セチルアミンス
ルホン酸、ジアミノプロパンおよびヘキサメチレンジア
ミン等が挙げられる。これらの中では、優れた分散性と
塗料安定性の点で脂肪族系第3級アミンが最も好まし
い。
【0008】アミン変性ビニル単位および酸性官能基含
有ビニル単位を一分子中に有する塩化ビニル系共重合体
の具体例は 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール/N、N−
ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位/マレイン酸
共重合体=91/3.0/5.0/0.5/0.5wt
%、 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール/N、N−
ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位/マレイン酸
共重合体=91/3.0/4.5/1.0/0.5wt
%、 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール/N、N−
ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位/マレイン酸
共重合体=91/3.0/4.0/1.5/0.5wt
%、 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール/N、N−
ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位/マレイン酸
共重合体=91/3.0/4.5/0.5/1.0wt
%、 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール/N、N−
ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位/マレイン酸
共重合体=91/3.0/4.0/0.5/1.5wt
%、 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール/N、N−
ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位/メタクリル
スルホン酸ソーダ共重合体=91/3.0/5.0/
0.5/0.5wt%、 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール/N、N−
ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位/2−アシッ
ドホスホオキシエチルメタクリレート共重合体=91/
3.0/5.0/0.5/0.5wt%、 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール/メチルア
ミン変性ビニル単位/マレイン酸共重合体=91/3.
0/5.0/0.5/0.5wt%、 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール/ジメチル
アミン変性ビニル単位/マレイン酸共重合体=91/
3.0/5.0/0.5/0.5wt%、 等が挙げられる。このような共重合体を結合剤中に含有
することで、すぐれた分散性と塗料安定性とをもつ磁性
塗料を得ることができる。なお、上記共重合体にかえ
て、アミン変成ビニル単位を有する共重合体と、酸性官
能基含有ビニル単位を有する共重合体とを用い、それぞ
れ混合して用いても、本発明で用いるアミン変性ビニル
単位と酸性官能基含有ビニル単位とを同一の共重合体中
に含有するものを用いた場合と同等の効果は得られな
い。アミン変性ビニル単位および酸性官能基含有ビニル
単位を有する塩化ビニル系共重合体は結合剤の総量に対
して20〜80重量%含有する。20重量%未満の場合
は塗膜強度が低下して、走行安定性が悪化し、走行中の
トラブルが生じやすくなり、80重量%を超える量で含
有する場合は、カレンダー加工性が低下し、電磁変換特
性が低下しやすくなる。
【0009】本発明では、磁性層中に結合剤として、数
平均分子量Mnが5000≦Mn≦25000(Mn
1)、好ましくは8000≦Mn≦23000のポリウ
レタン樹脂1および25000<Mn≦100000
(Mn2)、好ましくは30000≦Mn≦80000
のポリウレタン樹脂2を必須成分として含有する。本発
明では前記Mn1を有するポリウレタン樹脂1を含有す
ることで磁性塗料の分散性が向上し、優れた磁気変換特
性が得られる。また、前記Mn2を有するポリウレタン
樹脂2を含有することで、塗膜強度が向上し、粉落ちや
ヘッド付着が減少し、優れた走行耐久性が得られる。ポ
リウレタン樹脂1のMn1が小さすぎると磁性塗料の分
散安定性が低下する。また塗膜強度が低下して、走行安
定性が悪化し、走行中のトラブルが生じやすくなる。一
方Mn1が大きすぎると磁性塗料の分散性が低下し、電
磁変換特性の低下を招きやすくなる。ポリウレタン樹脂
2のMn2が小さすぎると、走行安定性が悪化し、走行
中のトラブルが生じやすくなる。一方Mn2が大きすぎ
ると磁性塗料の分散性が低下し、再生出力等の電磁変換
特性が劣化してくる。前記ポリウレタン樹脂1の含有量
は結合剤の10〜50重量%、更に好ましくは15〜4
5重量%であり、ポリウレタン樹脂2の含有量は結合剤
の10〜50重量%より好ましくは15〜45重量%で
ある。結合剤中のポリウレタン樹脂1の含有量は、多す
ぎると塗膜強度が低下して走行安定性が悪化して走行中
のトラブルが生じやすくなり、一方少なすぎると磁性塗
料の分散性が悪化して電磁変換特性が低下しやすくな
る。結合剤中のポリウレタン樹脂2の含有量は、多すぎ
ると磁性塗料の分散性が悪化してくるため電磁変換特性
が低下しやすくなり、一方少なすぎると塗膜強度が低下
し、走行安定性が悪化しやすくなる。また、用いるポリ
ウレタン樹脂1およびポリウレタン樹脂2のガラス転移
温度Tgとして好ましいのは−50℃≦Tg≦+80
℃、さらに好ましくは−40℃≦Tg≦+80℃であ
る。ガラス転移温度が低すぎると高温度環境下での走行
安定性が悪化し、ヘッド目詰まりやガイド付着等、走行
中のトラブルを引き起こしやすくなる。一方高すぎると
カレンダー加工性が低下し、電磁変換特性が低下しやす
くなる。また低温度環境下での走行安定性が悪化する。
なお、これらの樹脂のガラス転移温度Tgは、動的粘弾
性測定装置を用いて測定すればよい。また、ポリウレタ
ン樹脂1とポリウレタン樹脂2とを加えた量は、用いる
結合剤の20〜80重量%、特に30〜80重量%であ
ることが好ましい。また、これらポリウレタン樹脂1お
よび2の配合比(重量比)は1/5〜5/1であること
が好ましい。結合剤中のポリウレタン樹脂1とポリウレ
タン樹脂2とを加えた量が少なすぎると、走行安定性が
悪化しやすくなったり、あるいはカレンダー加工性が低
下して磁性層表面が粗くなり、再生出力等の電磁変換特
性が劣化しやすくなったりする。ポリウレタン樹脂1と
ポリウレタン樹脂2に用いるポリウレタン樹脂として
は、通常このような磁気記録媒体に用いられるポリウレ
タン樹脂であれば、前記数平均分子量を満足する限りい
ずれも使用できる。例えば、ポリウレタン樹脂とは、ポ
リエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ
カーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネー
ト、ポリエステルポリエーテル、ポリカプロラクトン等
のポリオールをイソシアナートおよび、所望により鎖延
長剤、その他と共に反応させたものである。
【0010】ただし強磁性粉末等、磁性層に含有する粉
末成分の分散性や磁性層の走行耐久性等を向上させるた
めに、ポリウレタン樹脂1および/またはポリウレタン
樹脂2 の分子内には極性基が含有されていることが好
ましい。極性基として親水性を有する官能基、例えば−
SO3M、−SO4M、=PO3M、=POM、−P=O
(OM)2、−OP=O(OM)2、−COOM、−NR
3X、−NR2、−N+3、エポキシ基、−OH、−S
H、−CN(ここで、Mは、H、Li、Na、K、−N
3を示し、Rはアルキル基もしくはHを示し、Xはハ
ロゲン原子を示す)等から選ばれる少なくとも一以上の
極性基を共重合または付加反応で導入したものを用いる
ことがよく、これらの含有は塗料の分散性向上をはかる
ものであり、結果として磁気記録媒体の特性を向上さ
せ、これら極性基は骨格樹脂の主鎖中に存在しても、分
枝中に存在してもよい。特に好ましいのはスルホン酸基
(−SO3M)、カルボン酸基(−COOM)、ホスホ
ン酸基(=PO3M)等である。これらの極性基はポリ
ウレタンポリマー1分子あたり0.1〜5分子程度含ま
れていることが好ましい。
【0011】本発明に使用されるポリウレタン樹脂と
は、有機ジイソシアナート(A)、分子量500〜50
00の長鎖ジオール(B)、分子量500未満の鎖延長
剤(C)を反応させたものである。ポリウレタン樹脂の
製造において使用される有機ジイソシアナート(A)と
しては、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−
トリレンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシア
ナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、m−フェ
ニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナ
ート、テトラメチレンジイソシアナート、3,3′−ジ
メトキシ−4,4′−ビフェニレンジイソシアナート、
2,4−ナフタレンジイソシアナート、3,3′−ジメ
チル−4,4′−ビフェニレンジイソシアナート、4,
4′−ジフェニレンジイソシアナート、4,4′−ジイ
ソシアナートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレン
ジイソシアナート、p−キシリレンジイソシアナート、
m−キシリレンジイソシアナート、1,3−ジイソシア
ナートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナー
トメチルシクロヘキサン、4,4′−ジイソシアナート
シクロヘキサン、4,4′−ジイソシアナートシクロヘ
キシルメタン、イソホロンジイソシアナート等があげら
れる。
【0012】ポリウレタン樹脂の製造において使用され
る長鎖ジオール(B)は、分子量が500〜5000の
範囲にあり、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオ
ール、ポリカーボネートジオールがあげられる。ポリエ
ステルジオールのカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1、5−ナフタル
酸などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p
−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシ
カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボ
ン酸などを挙げることができる。特にテレフタル酸、イ
ソフタル酸、オルソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸
が好ましい。またポリエステルジオールのグリコール成
分としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノ
ール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物お
よびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキ
サイド付加物等がある。ポリエステルジオールとしては
他に、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合し
て得られるラクトン系ポリエステルジオール類が挙げら
れる。ポリエーテルジオールとしては、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール等のポリアルキレングリコール類が挙げ
られる。ポリカーボネートジオールとしては、一般式H
−(−O−R−OCO)n−ROHで表される長鎖ジオ
ールであり、Rとしてはジエチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフ
ェノールA等の残基である。長鎖ジオール(B)は、ポ
リウレタン樹脂の機械的特性を高めるためにポリエステ
ルジオールが好ましい。長鎖ジオールは分子量500〜
5000のものを使用する。分子量が500未満ではウ
レタン基濃度が大きくなり、樹脂の柔軟性、溶剤溶解性
が低下する。また分子量が5000を超えるとウレタン
基濃度が低下し、ポリウレタン樹脂に特有な強靱性、耐
摩耗性等が悪化する。
【0013】ポリウレタン樹脂の製造時に使用する分子
量500未満の鎖延長剤(C)は1分子中に活性水素を
2個以上含み、樹脂中のウレタン基あるいはウレア基濃
度を調整し、ポリウレタン樹脂に特有の強靱性を付与す
る効果がある。具体的な化合物としてはエチレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン
ジメタノール、キシリレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物等の直鎖グリコール、プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ビスフェノ
ールAのプロピレンオキサイド付加物等の分岐グリコー
ル、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミ
ン等のアミノアルコール、エチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、イソホロンジアミン等のジアミンある
いは水等があげられる。そして、ポリウレタン樹脂とし
ては例えばポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテ
ルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹
脂等でありその中でも、ポリエステルポリウレタン樹脂
が好ましい。ポリエステルポリウレタン樹脂としては、
ポリエステルジオール(1)/ポリエステルジオール
(2)/ネオペンチルグリコール/4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアナートの反応生成物であり、ポリエ
ステルジオール(1)としてはテレフタル酸/イソフタ
ル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸/エチレング
リコール/ネオペンチルグリコール=49/49/2/
50/50モル比のものであり、ポリエステルジオール
(2)としてはアジピン酸/1,4ブタンジオール/ネ
オペンチルグリコール=100/75/25モル比のも
のなどがあげられる。また、このポリエステルジオール
(1)/ポリエステルジオール(2)の配合比率および
ウレタン基濃度の制御により、Tgは任意に制御可能で
ある。ポリエーテルポリウレタン樹脂の具体例として
は、ポリアルキレングリコール/ネオペンチルグリコー
ル/4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナートの反
応生成物等があり、ポリアルキレングリコールとして
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等があげられる。ポ
リカーボネートポリウレタン樹脂の具体例としては、ポ
リカーボネートジオール/ネオペンチルグリコール/
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナートの反応生
成物等があり、ポリカーボネートジオールとしてはジエ
チルカーボネート/1,6−ヘキサンジオールの反応生
成物、ジエチルカーボネート/エチレングリコールの反
応生成物等があげられる。
【0014】磁性層に用いられるこれらの結合剤の含有
量は、強磁性粉末100重量部に対して5〜40重量
部、特に10〜30重量部が好ましい。結合剤の含有量
が少なすぎると磁性層の強度が低下するため、走行耐久
性が悪化しやすくなる。一方、多すぎると強磁性粉末の
含有量が低下するため電磁変換特性が低下してくる。こ
れらの結合剤を硬化する架橋剤としては、各種ポリイソ
シアナート、特にジイソシアナートを用いることがで
き、特に、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレン
ジイソシアナート、メチレンジイソシアナートの1種以
上が好ましい。これらの架橋剤は、トリメチロールプロ
パン等の水酸基を複数有するものに変性した架橋剤また
はジイソシアナート化合物3分子が結合したイソシアヌ
レート型の架橋剤として用いることが特に好ましく、結
合剤樹脂に含有される官能基等と結合して樹脂を架橋す
る。架橋剤の含有量は結合剤100重量部に対し、10
〜30重量部とすることが好ましい。このような熱硬化
性樹脂を硬化するには、一般に加熱オーブン中で50〜
70℃にて12〜48時間加熱すればよい。
【0015】本発明に使用される強磁性粉末としては、
Co化合物被着又はドープ型γ−Fe23、Co化合物
被着又はドープ型Fe34、Co化合物被着又はドープ
型ベルトライド等の酸化鉄系磁性粉末、α−Fe、Fe
−Co、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co、Co−
Ni等の強磁性金属元素を主成分とする強磁性鉄あるい
は合金粉末、CrO2磁性粉末、磁化容易軸が平板の垂
直方向にある板状六方晶フエライト粉末等が例示され
る。なお上記の強磁性粉末には、Al、Si、P、Y、
希土類元素を添加することによって焼結を防止し、粒度
分布を向上させることができ、結果として磁気記録媒体
の電磁変換特性を向上させる等の効果があり、また強磁
性粉末の製造時に表面をAl、Si、Pまたはこれらの
酸化物膜で覆うことや強磁性粉末の製造後にSi、A
l、Ti等のカップリング剤や各種の界面活性剤等で表
面処理したものでもよく、これにより磁性塗料の分散性
を向上させたり、磁気記録媒体としたときの耐久性を向
上させる等の効果がある。本発明の磁性塗料の添加成分
としては潤滑剤、研磨剤・非強磁性顔料、カーボンブラ
ック、有機顔料等が使用される。そして、さらに添加剤
としては潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果
等を有するものが使用され、シリコーンオイル類、フッ
素オイル、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、
アニオン界面活性剤、両性界面活性剤等も使用できる。
本発明に用いる潤滑剤としては、公知の種々の潤滑剤の
中で、とくに脂肪酸および/または脂肪酸エステルを用
いるのが好ましく、炭素数12〜24の一塩基性脂肪
酸、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜2
2の一価から六価アルコールを原料とする環状もしくは
多糖類還元アルコール等のいずれか一つとからなるモノ
脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステ
ル、これらの混合物、または2種類以上を併用してもよ
い。これらの脂肪酸、脂肪酸エステルの炭化水素基は、
不飽和結合を含んでも、分枝していてもかまわない。ま
た、潤滑剤は磁性層以外にもバックコート層、下地層等
に含有させることが好ましく、とくに磁性層が薄い場合
等は、下地層に含有させることでスチル耐久性の向上が
できるため有効である。さらに、バックコート層がある
場合は、潤滑剤をバックコート層側に多く含有させて、
磁性層表面への転写による表面潤滑性の向上を図ること
ができる。本発明に使用できる研磨剤・非強磁性顔料と
しては、α−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、
三酸化二クロム、α−酸化鉄、SiO2、ZnO、Ti
2、炭化珪素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等があ
り、これら顔料の粒子の形状、サイズ等は任意に設定す
ればよいが、粒子形状は球状または多面体が好ましく、
粒子サイズは好ましくは0.01〜0.7μmで、必要
に応じて媒体に要求される耐久性とヘッド摩耗および最
短記録波長における出力のバランスから適宜選択すれば
良く、単一系でも混合系でも良く、単独で粒度分布等を
選択することもできる。これらの無機化合物は磁性層、
バックコート層、下地層等の要求特性に合わせて適宜組
み合わせて用いればよい。本発明に使用できるカーボン
ブラックには、ファーネスカーボンブラック、サーマル
カーボンブラック、アセチレンブラック等が単独又は組
合わせて使用でき、またこれらのカーボンブラックを潤
滑剤、分散剤等で表面処理したり、表面の一部をグラフ
ァイト化したもの等を使用しても構わない。これらのカ
ーボンブラックの粒子サイズ等は任意に設定すればよい
が、媒体に要求される電気抵抗と摩擦特性および最短記
録波長における出力のバランス(表面粗さ)から適宜選
択すれば良く、単一系でも混合系でも良く、単独で粒度
分布等を選択することもできる。これらのカーボンブラ
ックは磁性層、バックコート層、下地層等の要求特性に
合わせて適宜組合わせて用いればよい。本発明に使用さ
れる有機顔料である非磁性有機質粉末は、アクリルスチ
レン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン
系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料、ポリオレフィン系
樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂
粉末、ポリイミド系樹脂粉末、フッ化炭化水素樹脂粉
末、ジビニルベンゼン系樹脂粉末等が使用される。これ
らの有機化合物は磁性層、バックコート層、下地層等の
要求特性に合わせて適宜組合わせて用いればよい。
【0016】本発明に使用する溶剤としては、例えばメ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメルホルムアミ
ド、ヘキサン類等の希釈剤ないし溶剤を単一溶剤または
これらの任意比率の混合溶剤として用いる。
【0017】本発明ではバックコート層が設けられてい
てもよい。バックコート層は走行安定性の改善や磁性層
の帯電防止等のために設けられる。バックコート層は、
30〜80重量%のカーボンブラックを含有することが
好ましい。カーボンブラックの含有量が少なすぎると帯
電防止効果が低下する傾向があり、さらに走行安定性が
低下しやすくなる。また、光透過率が高くなりやすいの
で、テープ端を光透過率の変化で検出する方式では問題
となる。一方、カーボンブラックの含有量が多すぎると
バックコート層の強度が低下し、走行耐久性が悪化しや
すくなる。カーボンブラックは、通常使用されるもので
あればどのようなものであってもよく、その平均粒径
は、5〜500nm程度が好ましい。平均粒径は、通
常、透過型電子顕微鏡により測定する。バックコート層
には、前記カーボンブラック以外に、機械的強度を高め
るために、磁性層の説明において挙げた各種研磨材等の
非磁性無機粉末を含有させてもよい。非磁性無機粉末の
含有量は、カーボンブラック100重量部に対し、好ま
しくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜2重
量部である。非磁性無機粉末の平均粒径は、0.1〜
0.5μmであることが好ましい。このような非磁性無
機粉末の含有量が少なすぎるとバックコート層の機械的
強度が不十分となりやすく、多すぎるとテープ摺接経路
のガイド等の摩耗量が多くなりやすい。この他、必要に
応じ、界面活性剤等の分散剤、高級脂肪酸、脂肪酸エス
テル、シリコンオイル等の潤滑剤、その他の各種添加物
を添加してもよい。バックコート層に用いるバインダ
ー、架橋剤、溶剤等は前述した磁性層用塗料に用いるも
のと同様のものでよい。バインダーの含有量は、固形分
の合計100重量部に対し、好ましくは15〜200重
量部、より好ましくは50〜180重量部である。バイ
ンダーの含有量が多すぎると、媒体摺接経路との摩擦が
大きくなりすぎて走行安定性が低下し、走行事故を起こ
しやすくなる。また、磁性層とのブロッキング等の問題
が発生する。バインダーの含有量が少なすぎると、バッ
クコート層の強度が低下して走行耐久性が低下しやすく
なる。バックコート層の厚さ(カレンダー加工後)は、
1.0μm以下、好ましくは0.1〜1.0μm、より
好ましくは0.2〜0.8μmである。バックコート層
が厚すぎると、媒体摺接経路との間の摩擦が大きくなり
すぎて、走行安定性が低下する傾向にある。一方、薄す
ぎると、非磁性支持体の表面性の影響でバックコート層
の表面性が低下する。このため、バックコートを熱硬化
する際にバックコート層表面の粗さが磁性層表面に転写
され、高域出力、S/N,C/Nの低下を招く。また、
バックコート層が薄すぎると、媒体の走行時にバックコ
ート層の削れが発生する。
【0018】本発明に用いられる支持体は、フィラーと
してAl、Ca、Si、Ti等の酸化物や炭酸塩等の無
機化合物、アクリル樹脂系微粉末等の有機化合物等を添
加してポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド等のフィルムを使用でき、好まし
くはPET、PEN、芳香族ポリアミドであり、さらに
好ましくはPETないしPENの2種ないし3種による
多層共押出しによる複合化フィルムであり、さらに支持
体には、あらかじめコロナ放電処理、プラズマ放電およ
び/または重合処理、易接着剤塗布処理、除塵処理、熱
および/または調湿による緩和処理等をおこなってもよ
い。本発明における磁性層は、支持体の片面に設けられ
ても、両面に設けるものでも、磁性層を複数層設けるも
のであっても良く、とくに磁性層を片面のみに設けると
きには、磁性層とは反対の面にバックコート層を設ける
ことが好ましく、磁性層の下側に表面性改良、接着性改
良、耐久性改良等の目的で非強磁性材料による下地層を
設けても良いし、磁性層上に、磁性層の潤滑、保護のた
めに、潤滑剤、プラズマ重合膜、ダイヤモンドライク膜
等の保護潤滑層を設けてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
〈塗料工程〉本発明の磁気記録媒体の磁性塗料並びに磁
気記録媒体形成用塗料(バックコート塗料、下塗り塗
料)を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工
程、濾過工程およびこれらの工程の前後に必要に応じて
設けた混合工程ならびに貯蔵工程からなる。混練工程で
は連続ニーダ、加圧ニーダ、高速ミキサー、二本ロール
ミル等強い混練力をもつものを使用し、顔料粉末と結合
剤のすべてまたはその一部が混練処理される。また塗料
の分散には、ジルコニア、ガラスビーズ等が使用でき、
この分散工程では徐々に固形分濃度が低下していくよう
に希釈分散を併用して分散する。個々の工程はそれぞれ
2段以上にわかれていても良く、また原料を2つ以上の
工程で分割して添加してもかまわない。塗料の濾過工程
は、各製造工程後に設けることが好ましい。磁性塗料に
磁性粉等の未分散物や凝集物、あるいは樹脂不溶物など
が存在すると、磁性塗料としたときに欠陥となって、ド
ロップアウトの増大やエラー・レートの上昇を招く。濾
過工程は、これら磁性塗料中の異物の除去を主目的とし
ている。その詳細は先に本発明者らにより提案された
(特願平6−321357号)に記載されている。 〈塗布工程〉巻き出しロールから引き出された長尺・フ
ィルム状の非磁性支持体上には、必要に応じて硬化剤を
混合しながら(あるいは混合した)塗料を、濾過工程に
よって所定濾過精度の濾過フィルターによって濾過した
のち、グラビアコート、リバースロールコート、エクス
トルージョンノズルコート等の公知の種々の塗布手段に
よって塗料が塗布される。一般に、これらの塗料の塗布
前には非磁性支持体に、クリーニングおよび表面調整等
の目的で、水や溶剤等を使用する湿式クリーニング、不
織布や極微細繊維織物等をワイパーとして使用する乾式
クリーニング、圧搾空気やバキューム、イオン化空気等
を使用する非接触式クリーニング等の公知の種々の手段
によって処理が行なわれ、塗料の非磁性支持体との密着
性や塗布面を向上させる目的等で、コロナ放電、紫外線
照射、電子線照射等の公知の種々の非接触表面処理が行
なわれる。さらに、水系下塗り剤、エマルジョン系下塗
り剤、溶剤系下塗り剤等の下塗りを前記の表面処理とあ
わせて、または単独で密着性の向上等を目的として行な
うこともあり、技術的には樹脂だけの下塗りに代えて、
非強磁性の無機顔料や有機顔料をバインダ中に分散させ
た塗料を下塗り層として塗布しても良く、さきの表面処
理と併用してもかまわない。これらの下塗りは磁性塗料
またはバックコート塗料と分離、はじき等の異常が起き
ない限りにおいては複数層を同時に設けてしまうエクス
トルージョンノズル塗布によるウエット・オン・ウエッ
ト塗布法を採用することが好ましい。一般に磁性層は単
独で塗布形成されるが、より高度な機能をもたせるため
に2層以上の複数層を設けることも可能で、その場合に
は磁性層や非強磁性層を、ウエット・オン・ドライ塗布
法やウエット・オン・ウエット塗布法等の公知の方法を
用いて行なえばよい。このような塗布工程の後に、通常
は、次工程として非磁性支持体上に設層された磁性塗料
のウエット膜面のスムージングや塗膜規制等に関する種
々の処理が行なわれても良く、スムージング手段として
は、樹脂、金属、セラミックス類のフィルムやバー等を
接触させたり、永久磁石、電磁石等による磁界や超音波
による振動等の非接触法等の公知の方法が使用でき、要
求特性によって単独であるいは併用することができる。 〈配向処理〉また、磁性層を設層した後、磁場を印加し
て、層中の磁性粒子を配向させることが必要で、その配
向方向は、媒体の走行方向に対して、長手方向であって
も、垂直方向であっても斜め方向であってもよく、所定
方向へ向けるためフェライト磁石や希土類磁石等の永久
磁石、電磁石、ソレノイド等で1000G以上の所定方
向に磁界を印加したり、これらの磁界発生手段を複数併
用することが好ましく、さらには乾燥後の配向性が最も
高くなるように、配向前に予め適度の乾燥工程を設けた
り、配向と同時に乾燥を行なう等して配向を行なっても
よいし、フロッピーディスクの場合には、塗布によって
自然に配向された磁性粉を永久磁石、電磁石、ソレノイ
ド等で、できるかぎり無配向状態にしてもよい。 〈乾燥工程〉このようにして、塗設後処理の行なわれた
磁性塗料は、通常、乾燥炉等の内部に設けられた熱風、
遠赤外線、電気ヒーター、真空装置等の公知の乾燥およ
び蒸発手段によって、または、紫外線ランプや放射線照
射装置等の公知の硬化装置によって乾燥・固定される。
乾燥温度は、室温〜300℃程度までの範囲で、非磁性
支持体の耐熱性や溶剤種、濃度等によって適宜選定すれ
ばよく、また乾燥炉内に温度勾配をもたせてもよく乾燥
炉内のガス雰囲気は、一般の空気または不活性ガス等を
用いればよい。紫外線ランプや放射線照射装置によって
乾燥を行なうときは、硬化反応が起こるので後加工を考
慮した場合は、可能な限り他の乾燥手段を利用する方が
よい。また、溶剤を含んだままで紫外線や放射線を照射
することは、発火や発煙を伴うことがあるので、この場
合にも可能な限り他の乾燥手段を併用することが好まし
い。 〈カレンダー工程〉このようにして、磁性層を乾燥した
後に、必要に応じて表面平滑化処理としてカレンダ処理
を行なうが、カレンダ処理ロールとしてはエポキシ、ポ
リエステル、ナイロン、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
イミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロール(カ
ーボン、金属やその他の無機化合物を練り込んで有るも
のでもよい)と金属ロールの組合わせ(3ないし7段の
組合わせ)、または、金属ロール同志で処理することも
でき、その処理温度は、好ましくは70℃以上、さらに
好ましくは80℃以上、その線圧力は好ましくは200
kg/cm以上、さらに好ましくは300kg/cm以
上、その速度は20m/分〜700m/分の範囲であ
る。 〈後処理〉カレンダー処理後、磁性層、バックコート
層、非強磁性層の硬化を促進するために、40℃〜80
℃の熱硬化処理および/または電子線照射処理を施して
もかまわない。次いで、スリッタまたはプレス機で所定
のテープあるいはディスク形状にし、さらに磁性面及び
またはバックコート面に研磨、クリーニング等の二次加
工を行ない、磁気記録媒体を作製する。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。磁気テープの各特
性は以下の測定法によって測定した。 〈光沢度〉(株)村上色彩技術研究所製ディジタル光沢
計GM−3Dを用いて、測定角度=60゜における光沢
度(%)を測定した。光学条件は、JIS−Z−874
1記載の方法とした。 〈電磁変換特性〉 ・7MHz出力 テープサンプル上に7MHz信号を記録し、この信号を
再生したときの7MHz信号再生出力をオシロスコープ
で測定した。比較例8の7MHz出力を0dBとした時
の相対値で測定した。 使用デッキ:JVC社製BR−S711(S−VHSフ
ォーマットVTR) ・Y−C/N テープサンプル上に7MHz信号を記録し、この信号を
再生したときの6MHzで発生するノイズをスペクトラ
ムアナライザーで測定し、このノイズに対する再生信号
の比を測定した。比較例8のY−C/Nを0dBとした
時の相対値で測定した。 使用デッキ:JVC社製BR−S711(S−VHSフ
ォーマットVTR) 〈耐久走行性〉20℃60%RH環境下にてVTR10
0回往復走行を50巻のテープサンプルについて行い、
走行ストップ、ヘッド目詰まり等の走行トラブルの発生
状況を下記の基準にて判断した。 使用デッキ:JVC社製BR−S711(S−VHSフ
ォーマットVTR) ○:トラブル発生0巻 △:トラブル発生1巻 ×:トラブル発生2巻以上 〈スチル耐久性〉各テープサンプルをスチルモードで再
生し、7MHz再生出力が6dB低下するまでの時間を
測定した。 使用デッキ:JVC社製BR−S711(S−VHSフ
ォーマットVTR)
【0021】
【実施例1〜17、比較例1〜7】 〈塩ビ系共重合体の製造〉 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−N、N
−ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位−マレイン
酸共重合体の製造 撹拌装置を備えたオートクレーブにメタノール、塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、マレイン酸、ジ(2エチルヘキシ
ル)パーオキシジカーボネートおよび部分ケン化ポリビ
ニルアルコールを仕込み、窒素ガス雰囲気下に撹拌しな
がら60℃に昇温して反応を開始し、さらに塩化ビニル
を連続注入し共重合反応させた。オートクレーブ残圧を
抜き、冷却し、共重合体スラリーを取り出し、濾過後、
メタノールで3回、脱イオン水で2回洗浄し、濾過乾燥
して塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体粉末
が得られた。冷却管を備えた反応器に、この共重合体、
メタノール、N、N−ジメチルエタノールアミン、水酸
化ナトリウムを加えて、40℃にて反応させて冷却し、
酢酸を加えて未反応の水酸化ナトリウムを中和した。こ
れをメタノールで3回洗浄し、さらに脱イオン水で2回
洗浄し、濾過乾燥して塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニル
アルコール−マレイン酸−N、N−ジメチルエタノール
アミン変性ビニル単位共重合体粉末が得られた。表1に
示すモノマー重量比の異なるものは、各モノマー単位あ
るいはアミン化合物の配合量を変化させることで、製造
した。 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−N、N
−ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位−メタクリ
ルスルホン酸ソーダ共重合体の製造 上記製法において、マレイン酸の代わりにメタクリル
スルホン酸ソーダを用いて製造した。 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−N、N
−ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位−2−アシ
ッドホスホオキシエチルメタクリレート共重合体の製造 上記製法において、マレイン酸の代わりに2−アシッ
ドホスホオキシエチルメタクリレートを用いて製造し
た。 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
の製造 撹拌装置を備えたオートクレーブにメタノール、塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、ジ(2エチルヘキシル)パーオキシ
ジカーボネートおよび部分ケン化ポリビニルアルコール
を仕込み、窒素ガス雰囲気下に撹拌しながら60℃に昇
温して反応を開始し、さらに塩化ビニルを連続注入し共
重合反応させた。オートクレーブ残圧を抜き、冷却し、
共重合体スラリーを取り出し、濾過後、メタノールで3
回、脱イオン水で2回洗浄し、濾過乾燥して塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体粉末が得られた。冷却管を備えた
反応器に、この共重合体、メタノール、水酸化ナトリウ
ムを加えて、40℃にて反応させて冷却し、酢酸を加え
て未反応の水酸化ナトリウムを中和した。これをメタノ
ールで3回洗浄し、さらに脱イオン水で2回洗浄し、濾
過乾燥して塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール
共重合体粉末が得られた。 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−マレイ
ン酸共重合体の製造 撹拌装置を備えたオートクレーブにメタノール、塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、マレイン酸、ジ(2エチルヘキシ
ル)パーオキシジカーボネートおよび部分ケン化ポリビ
ニルアルコールを仕込み、窒素ガス雰囲気下に撹拌しな
がら60℃に昇温して反応を開始し、さらに塩化ビニル
を連続注入し共重合反応させた。オートクレーブ残圧を
抜き、冷却し、共重合体スラリーを取り出し、濾過後、
メタノールで3回、脱イオン水で2回洗浄し、濾過乾燥
して塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体粉末
が得られた。冷却管を備えた反応器に、この共重合体、
メタノール、水酸化ナトリウムを加えて、40℃にて反
応させて冷却し、酢酸を加えて未反応の水酸化ナトリウ
ムを中和した。これをメタノールで3回洗浄し、さらに
脱イオン水で2回洗浄し、濾過乾燥して塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール−マレイン酸共重合体粉末
が得られた。 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−N、N
−ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位共重合体の
製造 撹拌装置を備えたオートクレーブにメタノール、塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、ジ(2エチルヘキシル)パーオキシ
ジカーボネートおよび部分ケン化ポリビニルアルコール
を仕込み、窒素ガス雰囲気下に撹拌しながら60℃に昇
温して反応を開始し、さらに塩化ビニルを連続注入し共
重合反応させた。オートクレーブ残圧を抜き、冷却し、
共重合体スラリーを取り出し、濾過後、メタノールで3
回、脱イオン水で2回洗浄し、濾過乾燥して塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体粉末が得られた。冷却管を備えた
反応器に、この共重合体、メタノール、N、N−ジメチ
ルエタノールアミン、水酸化ナトリウムを加えて、40
℃にて反応させて冷却し、酢酸を加えて未反応の水酸化
ナトリウムを中和した。これをメタノールで3回洗浄
し、さらに脱イオン水で2回洗浄し、濾過乾燥して塩化
ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−N、N−ジメ
チルエタノールアミン変性ビニル単位共重合体粉末が得
られた。 〈ポリエステルポリウレタン樹脂の製造〉温度計、攪拌
機および部分環流式冷却器を具備した反応容器でジメチ
ルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸ジメチル、エチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、酢酸亜鉛、酢酸ナトリウ
ムを加え、140〜220℃で3時間エステル交換反応
を行った。次いで反応系を20分かけて5mmHgまで
減圧し、この間250℃まで昇温した。更に、0.1m
mHg、250℃で重縮合反応を60分間行い、ポリエ
ステルジオール(1)を得た。その組成は、テレフタル
酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=49
/49/2/50/50モル比であった。同様の方法に
より、ポリエステルジオール(2)を得た。その組成
は、アジピン酸/1,4ブタンジオール/ネオペンチル
グリコール=100/75/25モル比であった。温度
計、攪拌機および環流式冷却器を具備した反応容器中
に、トルエン、メチルイソブチルケトン、ポリエステル
ジオール(1)、ポリエステルジオール(2)、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、ネオペンチ
ルグリコール、ジブチル錫ジラウリレートを加え、70
〜90℃で8時間反応させ、表1に示す分子量を有する
ポリエステルポリウレタン樹脂1及び同樹脂2を得た。
【0022】〈磁性塗料の調製〉 ○バインダー溶液調製 塩化ビニル系共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−N,N −ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位−マレイン酸共重合体:モノマー重 量比=表1,平均重合度=表1) 50部 ポリエステルポリウレタン樹脂1(-SO3Na基含有、Mn=表1、Tg=20℃) 20部 ポリエステルポリウレタン樹脂2(-SO3Na基含有、Mn=表1、Tg=20℃) 30部 MEK 200部 トルエン 100部 シクロヘキサン 100部 上記組成物をハイパーミキサー中に投入し、6時間混合
撹拌を行い、バインダー溶液とした。上記バインダー溶
液を95%カット濾過制度=5.0μmのデプスフィル
ターを用いて8時間の循環濾過を行った。 ○混練・分散処理 Co被着γ酸化鉄磁性粉(Hc=8000e、δs=70emu/g、比表面積=45m2/g)700部 α−Al23(住友化学工業社製:HIT−50) 35部 Cr23(日本化学工業社製:U−1) 35部 バインダー溶液 250部 上記組成物を加圧ニーダーに投入し、2時間混練を行っ
た。混練後、下記組成物を投入し、分散処理に最適の粘
度に調整した。 バインダー溶液 250部 MEK 200部 トルエン 200部 シクロヘキサン 200部 混合処理後、サンドミルにて分散処理を行った。 ○粘度調整工程 ステアリン酸 3部 ミリスチン酸 3部 ステアリン酸ブチル 3部 MEK 200部 トルエン 200部 シクロヘキサン 200部 上記組成物をハイパーミキサーに投入し、1時間混合撹
拌を行い粘度調整液とした。上記粘度調整液を95%カ
ット濾過精度=1.2μmのデプスフィルターを用いて
8時間循環濾過を行った。循環濾過後の粘度調整液と分
散処理後のスラリーを混合後、サンドミルにて分散処理
を行い、*粘度=40cpに調整し、磁性層塗料とし
た。上記塗料を95%カット濾過精度=1.2μmのデ
プスフィルターを用いて循環濾過を8時間行った。 *)粘度測定方法:レオロジー社製MR−300ソリキ
ッドメーターを用いて、液温=20℃、剪定速度=30
00sec-1における粘度を求めた。 ○最終塗料 濾過後の塗料100重量部にイソシアナート化合物(日
本ポリウレタン工業社製、コロネートL)0.8重量部
を加え、撹拌混合し、磁性層塗料とした。 〈バックコート塗料の形成〉 ○バインダー溶液調整 塩化ビニル系共重合体(塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール/N,N −ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位/マレイン酸共重合体=91/3. 0/5.0/0.5/0.5wt%、平均重合度=400) 35部 ポリエステルポリウレタン樹脂(-SO3Na基含有、Mn=40000、Tg=20℃) 35部 MEK 100部 トルエン 80部 シクロヘキサン 100部 上記組成物をハイパーミキサー中に投入し、6時間混合
撹拌を行い、バインダー溶液とした。上記バインダー溶
液を95%カット濾過制度=5.0μmのデプスフフィ
ルターを用いて8時間の循環濾過を行った。 ○混練・分散処理 カーボンブラック(三菱化学社製#47B) 100部 カーボンブラック(コロンビアンカーボン社製MT−CI) 1部 α−Fe23 1部 バインダー溶液 130部 上記組成物を加圧ニーダーに投入し、2時間混練を行っ
た。混練後、下記組成物を投入し、分散処理に最適の粘
度に調整した。 バインダー溶液 45部 MEK 70部 トルエン 55部 シクロヘキサン 70部 混合処理後、サンドミルにて分散処理を行った。 ○粘度調整工程 バインダー溶液 175部 ステアリン酸 1部 ミリスチン酸 1部 ステアリン酸ブチル 1部 MEK 200部 トルエン 250部 シクロヘキサン 200部 上記組成物をハイパーミキサーに投入し、1時間混合撹
拌を行い粘度調整液とした。上記粘度調整液を95%カ
ット濾過精度=1.2μmのデプスフィルターを用いて
8時間循環濾過を行った。循環濾過後の粘度調整液と分
散処理後のスラリーを混合後、サンドミルにて分散処理
を行い、*粘度=10cpに調整し、バックコート層塗
料とした。上記塗料を95%カット濾過精度=1.2μ
mのデプスフィルターを用いて循環濾過を8時間行っ
た。 *)粘度測定方法:レオロジー社製MR−300ソリキ
ッドメーターを用いて、液温=20℃、剪定速度=30
00sec-1における粘度を求めた。 ○最終塗料 濾過後の塗料100重量部にイソシアナート化合物(日
本ポリウレタン工業社製、コロネートL)1重量部を加
え、撹拌混合し、バックコート塗料とした。 〈磁気テープの作成〉非磁性支持体(厚さ14.8μm
のポリエチレンフタレートフィルム)表面に磁性層塗料
を塗布し、配向処理を行い、塗膜を乾燥した後、7段の
カレンダーで温度110℃、線圧280kg/cmにて
処理を施した。カレンダー加工後の磁性層の膜厚は全サ
ンプル2.0μmである。さらに、非磁性支持体の裏面
にはバックコート層用塗料を塗布した。乾燥後、7段の
カレンダーで温度110℃、線圧280kg/cmにて
処理を行った。カレンダー加工後のバックコート層の膜
厚は全サンプル0.5μmである。各塗膜を60℃の加
熱オーブン中にて24時間硬化した後、1/2インチ幅
に切断してカセットに組み込み、磁気テープサンプルと
した。得られた磁気テープの特性は表1に示す通りであ
る。
【0023】
【表1】
【0024】
【実施例18〜19】磁性塗料における塩化ビニル系樹
脂として前記塩化ビニル共重合体の製造及びで得ら
れた、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−
N、N−ジメチルエタノールアミン変性ビニル単位−メ
タクリルスルホン酸ソーダ共重合体及び塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール−N、N−ジメチルエタノ
ールアミン変性ビニル単位−2−アシッドホスホオキシ
エチルメタクリレート共重合体を用いたものは実施例2
と同様の効果を有するものであった。
【0025】
【発明の効果】本発明は非磁性支持体上に、磁性粉およ
び結合剤を主成分とする磁気記録媒体において、前記結
合剤として、 1)アミン変性ビニル単位および酸性官能基含有ビニル
単位を有する塩化ビニル系共重合体 2)数平均分子量が5000≦Mn≦25000(Mn
1)のポリウレタン樹脂及び 3)数平均分子量が25000<Mn≦100000
(Mn2)のポリウレタン樹脂 の3者を必須成分として含有することにより、磁性塗料
の分散性および分散安定性が良好となり、その結果とし
て、磁気変換特性が良好で耐久走行性の優れた磁気記録
媒体が得られる。即ち、Mn1を含有しないものでは磁
気変換特性の点で劣り、Mn2を含有しないものでは耐
久性、スチル特性の点で劣るものとなる。又塩化ビニル
系共重合体においてアミン変性ビニル単位を含まないも
のでは分散性が劣り、電磁変化特性が劣るものとなり、
又酸性官能基含有ビニル単位を含まないものでは同様に
分散性が劣り、電磁変化特性が劣るものとなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHX C09D 175/04 PHX

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に、磁性粉および結合剤を
    主成分とする磁性層を有する磁気記録媒体において、結
    合剤が 1)アミン変性ビニル単位および酸性官能基含有ビニル
    単位を一分子中に有する塩化ビニル系共重合体 2)数平均分子量が5000≦Mn≦25000(Mn
    1)のポリウレタン樹脂及び 3)数平均分子量が25000<Mn≦100000
    (Mn2)のポリウレタン樹脂 の混合物であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】アミン変性ビニル単位および酸性官能基含
    有ビニル単位を一分子中に有する塩化ビニル系共重合体
    が平均重合度200〜800のものである請求項1記載
    の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】塩化ビニル系共重合体に含まれるアミン変
    性ビニル単位の含有量が0.03〜2.3重量%であ
    り、酸性官能基含有ビニル単位の含有量が0.05〜
    1.8重量%である請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】塩化ビニル系共重合体がアミン変性ビニル
    単位として第1級アミン、第2級アミン又は第3級アミ
    ンを有し、酸性官能基含有ビニル単位としてカルボキシ
    ル基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基又はホスホン酸
    基を有するものである請求項1記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】数平均分子量5000≦Mn≦25000
    (Mn1)のポリウレタン樹脂がポリエステルポリウレ
    タン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂又はポリカー
    ボネートポリウレタン樹脂である請求項1記載の磁気記
    録媒体。
  6. 【請求項6】数平均分子量が25000<Mn≦100
    000(Mn2)のポリウレタン樹脂がポリエステルポ
    リウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂又はポ
    リカーボネートポリウレタン樹脂である請求項1記載の
    磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】アミン変性ビニル単位および酸性官能基含
    有ビニル単位を一分子中に有する塩化ビニル系共重合体
    が結合剤の総量に対して20〜80重量%、Mn1のポ
    リウレタン樹脂10〜50重量%及びMn2のポリウレ
    タン樹脂10〜50重量%含有するものであり、Mn1
    とMn2のポリウレタン樹脂を加えた量は20〜80重
    量%である請求項1記載の磁気記録媒体。
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EP0782131A3 (en) 1997-07-16
EP0782131A2 (en) 1997-07-02
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