JPH09177908A - ガイド一体型オートテンショナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】アーム形ガイドの基部へダンパ手段を収納しコ
ンパクト化を図るとともに、同じ外形のダンパ手段に対
して効率的な張力補正を行うガイド体型オートテンショ
ナを提供する。 【解決手段】機関に装着されたチェーン１をガイドする
アーム型のチェーンガイド２に、トロコイド歯形をもつ
内接歯車３と外接歯車４とを主体に構成されるダンパ機
構５を一体化したものである。アーム形チェーンガイド
２の基部２ａ内に収納形態で設けられたダンパ機構５
が、円周状に複数の油圧室５ａ〜５ｄを設けられている
ので、チェーン張力を受ける単位面積当たり圧力が小さ
くでき、効率的なダンパ作用を行うと同時にコンパクト
化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、チェーン駆動型機
関、ベルト駆動型機関に設けられるオートテンショナに
係り、特に、チェーンやベルト等の動力伝達手段に接触
するガイド、特にアーム形ガイドにテンショナ機構を内
蔵したガイド一体型オートテンショナに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、エンジン等の機関に設けられるベ
ルト、チェーン等の動力伝達手段に対し、長寿命化やノ
イズ対策のため、振動や懸架軸間ピッチの熱変位に起因
した張力変動を吸収するテンション装置が設けられる傾
向にある。特に自動車エンジンでは、冷間時から運転が
始まると、温度上昇により各シャフト間の距離が広がっ
て、タイミングベルトの張力が高揚し、ベルトノイズの
発生や寿命低下の原因となっている。

【０００３】そこで、近年では例えば実開平１−２５５
５７号公報に代表されるように、油圧室にピストンを収
納したピストン直動型の油圧機構と、該ピストンを動力
伝達手段の張力付与方向に押圧するバネ部材とを組み合
わせたテンショナが主流となってきている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この種のテン
ショナは、ガイドと別体のため、機関への搭載は、ガイ
ド、油圧機構及びバネ部材をそれぞれ取付けなればら
ず、また、取付けスペースをとり、低コスト、省スペー
ス化、モジュール化の要求にそぐわない。ガイドとテン
ショナとの一体化を企図した一体型テンショナとして、
実開平６−１８９１号の公報（ガイドローラ内周側に直
動型の油圧機構を配置した構成）がある。

【０００５】しかし、上記実開平６−１８９１号の公報
の一体型テンショナでは、ピストンが突出してガイドロ
ーラをチェーンの方向に推進させるもので、一定のガイ
ドローラの移動量を確保するためには、ガイドローラと
テンショナとの間にガイド移動のための相当のスペース
が必要となってガイド径が必然的に大きくなる。また、
例えば特開平６−１５９４５８号公報には、ガイドロー
ラを回転可能に支持するアームが油圧室を有するハウジ
ング内のベーンと一体に回動し、張力によってベーンが
油圧室内を回動するとき、ベーンによる各分割油圧室の
うち一方の容積が縮小する分割油圧室側の油の圧縮力で
アームの回動を緩徐とする一体型テンショナを開示して
いる。

【０００６】この従来装置では、張力変動に対するガイ
ドの移動量は十分に確保できるが、テンショナとガイド
は単にユニット化されただけで、ガイドはテンショナを
構成するハウジングの外側に配置されてアームで連結さ
れており、機関への搭載にあたって、少なくともガイド
とテンショナの取付けスペースが必要となる。また、上
記特開平６−１５９４５８号のテンショナの場合、動力
伝達手段の張力が上昇したとき、その力を減衰させるダ
ンパ力（容積が縮小する分割油圧室側の油圧力）を１枚
のベーンだけで発生しており、作動油がリークする絞り
量を一定とすれば、より大きな張力上昇にダンパ機能を
発揮するためには、張力を受ける受圧面、即ちテンショ
ナの外形を大きくせざるを得ない。

【０００７】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、アーム型ガイドの基部と一体に軸周りに油圧室を配
置できる内接形のポンプ（ダンパ手段）を構成すること
により、同じ外形のテンショナより大きな張力の上昇に
ダンパ機能を十分発揮し、コンパント化と効率的なダン
パ作用を両立させ得るガイド一体型オートテンションナ
を提供することを解決すべき課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決した請求
項１の発明の要旨は、（ａ）基部及び該基部から延びる
アーム部を有し該アーム部で上記動力伝達手段をガイド
するためのアーム形ガイドと、（ｂ）該アーム形ガイド
と固定部との間に介装され、該アーム形ガイドを上記基
部を中心とする一方回りに付勢し上記動力伝達手段に張
力を付与する付勢手段と、（ｃ）上記アーム形ガイドが
上記一方回りと反対の他方回りに揺動すべくその基部内
に収納形態で同基部を保持するとともに機関のボデーに
取付けられ、上記動力伝達手段の張力が低下したときに
は上記付勢手段による上記アーム形ガイドの上記一方回
りへの即座の揺動を許容させ、上記動力伝達手段の張力
が上昇し、上記アーム形ガイドが上記付勢手段に抗して
他方回りへ揺動されるときには、該揺動を緩徐に許容さ
せるダンパ手段とを具備したことにある。

【０００９】固定部とは、ダンパ手段のハウジング又は
機関のボデーをいう。請求項２の発明の要旨は、上記ダ
ンパ手段が、（ａ）機関のボデーに固設されたハウジン
グと、（ｂ）該ハウジング内に回転可能に収嵌された内
歯歯車と、（ｃ）上記内歯歯車に対し回転可能に内接し
て容積が変化する複数の油圧室を円周状に形成し、上記
ハウジングに枢支された軸部が歯形の偏心量だけ偏心し
て回転時における上記軸部の位置を内歯歯車の軸位置と
するとともに上記軸部には上記アーム形ガイドを保持し
た外歯歯車と、（ｄ）上記ハウジングに形成された通路
に設けられ、上記アーム形ガイドの一方回りへの揺動に
より同方向に上記外歯歯車が回転するときに容積が拡大
する上記油圧室へ作動油の流入を行い、上記アーム形ガ
イドの他方回りへの揺動により同方向に上記外歯歯車が
回転するときに上記容積が拡大した上記油圧室からの作
動油の流出を阻止する逆止弁とを具備したことにある。

【００１０】請求項３の発明の要旨は、上記ダンパ手段
が、（ａ）機関のボデーに固設されたハウジングと、
（ｂ）上記ハウジングに枢支された軸部が該ハウジング
より突出して上記アーム形ガイドを該軸部に保持し、か
つ、該ハウジング内壁との間で円周状に形成される複数
の油圧室をベーンによって両分割油圧室に仕切ったベー
ン歯車と、（ｃ）上記ハウジングに形成された通路に設
けられ、上記各油圧室の両分割油圧室のうち上記アーム
形ガイドの一方回りへの揺動により上記ベーン歯車が同
方向へ回転するときに容積が拡大する分割油圧室へ作動
油の流入を行い、上記アーム形ガイドの他方回りへの揺
動により上記ベーン歯車が同方向へ回転するときに上記
容積が拡大した上記分割油圧室からの作動油の流出を阻
止する逆止弁とを具備したことにある。

【００１１】なお、作動油は機関のボデーに形成された
オイル通路から本発明の複数の油圧室に逆止弁を介して
流入させても、テンショナ側にリザーバ室を設け、この
リザーバ室の作動油を逆止弁を介して流入させてもよ
い。

【００１２】

【作用】上記請求項１のガイド一体型オートテンショナ
においては、ダンパ手段がアーム形ガイドの基部内に収
納形態で設けられ、アーム形ガイドの基部を機関へ取付
けるだけでテンショナも装着れたことになり、スペース
をとらず、コンパクトに構成することができる。

【００１３】請求項２及び請求項３の発明においては、
アーム形ガイドの基部内に収納形態で設けられたダンパ
手段が、円周状に複数の油圧室を設けられているので、
各油圧室において動力伝達手段の張力を受けて単位面積
当たりにかかる油圧が小さくなり、テンショナ外形の割
に効率的なダンパ作用を行う。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態に係るガイド
一体型オートテンショナは、図１に示すように、機関に
装着されたチェーン１をガイドするアーム型のチェーン
ガイド２に、トロコイド歯形をもつ外歯歯車３と内歯歯
車４とを主体に構成されるダンパ機構５を一体化したも
のである。

【００１５】具体的に、チェーンガイド２は、基部２ａ
と該基部２ａから延びるアーム部２ｂとからなり、アー
ム部２ｂの一側面には、チェーン１が摺動するチェーン
ガイド部２ｃが形成されている。なお、チェーン１が架
設される各プーリは、例えばエンジンのクランクプーリ
ＣＰとタイミングプーリＴＰである。ダンパ機構５は、
図２に示すように、有底円筒状のベース材１１とキャッ
プ１２とからなるハウジング６内に上記外歯歯車３及び
内歯歯車４をそれぞれ回転可能に支持した一種のポンプ
（駆動源は後述する付勢手段）であって、ベース材１１
の底部に設けたフランジ部１１ａにボルト等の締着手段
で機関のボデー１０に固定（取付け）されている。

【００１６】ところで、キャップ１２には、外歯歯車３
から軸方向上に延びた上軸部３１がオイルシール材１３
を介して突出しており、更に上軸部３１は基部２ａの上
面に面一で臨んで止めネジ１４で締着される。この上軸
部３１は、図３に示すように、外歯歯車３の中心軸Ｏよ
り偏心している。即ち、上軸部３１の中心軸は、内歯歯
車４の中心軸と一致するようにされている。これはトロ
コイド歯形分の偏心量を見込んで、外歯歯車３が回転し
たとき、上軸部３１が常に内歯歯車４の中心に位置する
ようにしたものである。これにより、ダンパ機構５は、
そのハウジング６のほぼ半分がチェーンガイド２の基部
２ｂに収納された形態でチェーンガイド２と一体化され
る。ただし、チェーンガイド２はハウジング６に対して
基部２ａを中心とした矢視Ｃ方向（図１）の揺動は許容
されている。

【００１７】また上軸部３１と同じ方向に偏心した下軸
部３２が外歯歯車３に設けられている。この下軸部３２
は、外歯歯車３の回転を円滑に行うために、ベース材１
１に枢支されるとともに該ベース材１１から突出して機
関のボデーにも枢支されている。ここで、外歯歯車３及
び内歯歯車４は機能上、１回転以上もするものではな
く、チェーンガイド２の揺動範囲に限定される。また、
外歯歯車３と内歯歯車４とは、外歯歯車３が内歯歯車４
より１歯だけ少ない関係にあり、内歯歯車４が外歯歯車
より遅く同じ方向に回転する。この回転により容積が大
きくなる油圧室と小さくなる油圧室が生じる。即ち、図
１において、時計方向Ｃ２に回転する場合、油圧室５
ａ、５ｂが容積拡大側、油圧室５ｃ、５ｄが容積縮小側
となる。反時計方向Ｃ１に回転する場合、その逆に油圧
室５ａ、５ｂが容積縮小側、油圧室５ｃ、５ｄが容積拡
大側となる。ダンパ機構５のダンパ力は、上記反時計方
向Ｃ１に回転するときの容積縮小側油圧室５ａ、５ｂに
おける作動油がチェーン張力によって押圧されるときに
発生する。そして、このときの容積縮小側油圧室５ａ、
５ｂから容積拡大側油圧室５ｃ、５ｄへの作動油のリー
クは、トロコイド歯形の間隙等によって行われる。

【００１８】また、ベース材１１の底部には、機関のボ
デーに形成されたオイル通路ＯＩＬから油圧室５ａ，５
ｂへの作動油の流入は許容し、その逆流は阻止する逆止
弁機構７が構成されている。逆止弁機構７は、メッシュ
状のリテーナ７１内にチェッボール７２を拘束し、オイ
ル通路ＯＩＬ側の圧力に対する油圧室５ａ，５ｂの圧力
の上下でチェッボール７２がオイル通路ＯＩＬを遮断し
た状態と油圧室５ａ，５ｂに連通させた状態に切換え
る。また、リテーナ７１はバネ部材７３によって作動油
の流入方向に対向する方向に押圧されて、チェックボー
ル７２がオイル通路ＯＩＬを遮断する状態を維持してい
る。従って、オイル通路ＯＩＬからの作動油は上記バネ
部材７３の力に抗して油圧室５ａ，５ｂに流入すること
になる。

【００１９】また、該ハウジング６の外周に捩じりバネ
８が巻装され、一端は上記チェーンガイド２の基部２ａ
に、他端はハウジング６にそれぞれ係止されている。こ
の捩じりバネ８は、チェーン１に常時張力を付与すべく
チェーンガイド２を時計方向Ｃ２に付勢する。なお、キ
ャップ１２はボルト１２ａによってベース材１１にカバ
ーされる。また、図１に示すように、ハウジング６（ベ
ース材１１）には、気泡のエア抜き９が形成される。

【００２０】上記構成よりなるガイド一体型オートテン
ショナは、捩じりバネ８の力によってチェーンガイド２
を常時時計方向Ｃ２に付勢している。従って、機関の冷
間時等のチェーン張力低下や振動によりチェーン１の張
力が急激に低下する場合でも、チェーンガイド２が即座
にチェーン張力を補正する。このとき、外歯歯車３も時
計方向に回転してチェックボール７２がオイル通路ＯＩ
Ｌを開き、拡大側油圧室５ａ、５ｂへ作動油が流入す
る。

【００２１】エンジンの温度が上昇したり、振動等によ
りチェーン張力が急激に高まると、そのチェーン張力を
受けたチェーンガイド２により外歯歯車３に反時計方向
Ｃ１に回転させる付勢力が働く。このため、拡大側から
縮小側に変わる油圧室５ａ、５ｂの作動油が圧縮され、
チェックボール７２がオイル通路ＯＩＬを閉じるととも
に、外歯歯車３には油圧室５ａ、５ｂの作動油が圧縮さ
れることによるリークを伴った反発力、即ち、ダンパ力
が作用して、チェーン張力を緩徐に補正する。

【００２２】ここで、上記ダンパ機構にトロコイドロー
タを採用しているため、ダンパ力を発生する油圧室の面
積、即ち、外歯歯車の表面積が大きいほど、より大きな
チェーン張力に対応できることになる。本実施形態のガ
イド一体型オートテンショナによれば、ダンパ力を発生
する油圧室を基部２ａの周方向に形成して、ガイドとの
一体化によるコンパクト性の達成と同時に、油圧室の面
積を効率的に形成して単位面積当たりの油圧を小さくし
ているので、同じ外形のテンショナより大きな張力変動
に対処できるのである。

【００２３】このことは、図４及び図５に示す第２実施
形態でも同様に達成される。即ち、この実施形態のガイ
ド一体型テンショナでは、ベーンタイプのダンパ機構２
１を基部２ａに構成している。ダンパ機構２１は、キャ
ップ１２より突出して基部２ａを保持した上軸部２２ａ
及びベース１１より突出して機関ボデーに枢支された下
軸部２２ｂを有するベーン歯車２２と、ハウジング６に
固定され上記ベーン歯車２２との間で放射状に複数の油
圧室２４、２４、…を形成した中間部材２３とを具備す
る。なお、中間部材２３は、内向きの凹所を有している
部材なので、この凹所をハウジング６に形成することも
できる。そして、各油圧室２４、２４、…の各一端に
は、逆止弁機構７を経た作動油が供給可能に構成されて
いる。

【００２４】この他、ハウジング６が機関のボデーに固
定される構成、捩じりバネ８を有する構成等は第１実施
形態と同じである。このような一体型テンショナによれ
ば、チェーン張力が低い時に捩じりバネ８によってベー
ン歯車２２が時計方向に回転し、逆止弁機構７が開いて
作動油がベーン２２ａによって仕切られた油圧室２４、
２４…の左側分割油圧室ａ、ａ…に流入している。チェ
ーン張力が高くなると、左側分割油圧室ａ、ａの作動油
が圧縮されダンパ機能を発揮する。この場合のリーク
は、ベーン２２ａとハウジング６との間隙によって行わ
れる。

【００２５】尚、本発明は上記実施形態に限定されず、
特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形が考えら
れる。例えば第１実施形態において、図３の点線の下軸
部３２′のように設け、上軸部３１を円弧状の長孔を形
成したハウジング６で支持することにより、下軸部３
２′が太陽軸、上軸部３１が遊星軸となって、チェーン
ガイド２をチェーンに対し平行状態を維持した揺動を行
わせ、実施形態のように基部を中心に揺動する場合と比
べ、小さな揺動量でより大きな張力変動に対処した補正
が可能となる。また、図３の点線の下軸部３２′のよう
に、外歯歯車３の中心軸と同じ中心軸をもつように下軸
部を設け、この下軸部３２′をベース材１１及び機関の
ボデーに形成される長孔に支持させることにより、チェ
ーンガイド２を基部を中心に揺動させることができる。

【００２６】また、実施形態は動力伝達手段をチェーン
で説明したが、タイミングベルト、Ｖベルト等であって
も同じである。

【００２７】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、アー
ム形ガイドの基部に収納形態でダンパ手段を構成したの
で、ガイド部分以外に取付けスペースをとらず、コンパ
クトで機関への装着性を良好とした一体化が可能とな
る。特に、請求項２及び３の発明によれば、上記基部に
収納形態で構成したダンパ手段が円周状に複数の油圧室
を形成したものであるため、張力に対する油圧室の単位
面積当たりにかかる油圧をダンパ手段の外形の割に小さ
くでき効率的なダンパ機能を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態に係るガイド一体型オー
トテンショナを図２のＣ−Ｃ線から見た説明図である。

【図２】上記ガイド一体型オートテンショナにおける図
１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。

【図３】上記ガイド一体型オートテンショナにおける外
歯歯車の外形を示す斜視図である。

【図４】本発明の第２実施形態に係るガイド一体型オー
トテンショナを図５のＤ−Ｄ線から見た説明図である。

【図５】上記第２実施形態に係るガイド一体型オートテ
ンショナにおける図４のＢ−Ｂ線に沿った断面図であ
る。

【符号の説明】

１はチェーン（動力伝達手段）、２はアーム形ガイド、
３は外歯歯車、４は内歯歯車、５はダンパ機構、６はハ
ウジング、７は逆止弁機構（逆止弁）、８は捩じりバネ
（付勢手段）であり、各図で同一の要素には共通の符号
を付す。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 循環移動する動力伝達手段をガイドしつ
   つ張力変動を吸収するテンショナであって、 基部及び該基部から延びるアーム部を有し該アーム部で
   前記動力伝達手段をガイドするためのアーム形ガイド
   と、 該アーム形ガイドと固定部との間に介装され、該アーム
   形ガイドを前記基部を中心とする一方回りに付勢し前記
   動力伝達手段に張力を付与する付勢手段と、 前記アーム形ガイドが前記一方回りと反対の他方回りに
   揺動すべくその基部内に収納形態で同基部を保持すると
   ともに機関のボデーに取付けられ、前記動力伝達手段の
   張力が低下したときには前記付勢手段による前記アーム
   形ガイドの前記一方回りへの即座の揺動を許容させ、前
   記動力伝達手段の張力が上昇し、前記アーム形ガイドが
   前記付勢手段に抗して他方回りへ揺動されるときには、
   該揺動を緩徐に許容させるダンパ手段とを具備したこと
   を特徴とするガイド一体型オートテンショナ。
2. 【請求項２】前記ダンパ手段は、 機関のボデーに固設されたハウジングと、 該ハウジング内に回転可能に収嵌された内歯歯車と、 前記内歯歯車に対し回転可能に内接して容積が変化する
   複数の油圧室を円周状に形成し、前記ハウジングに枢支
   された軸部が歯形の偏心量だけ偏心して回転時における
   前記軸部の位置を内歯歯車の軸位置とするとともに前記
   軸部には前記アーム形ガイドを保持した外歯歯車と、 前記ハウジングに形成された通路に設けられ、前記アー
   ム形ガイドの一方回りへの揺動により同方向に前記外歯
   歯車が回転するときに容積が拡大する前記油圧室へ作動
   油の流入を行い、前記アーム形ガイドの他方回りへの揺
   動により同方向に前記外歯歯車が回転するときに前記容
   積が拡大した前記油圧室からの作動油の流出を阻止する
   逆止弁とを具備したことを特徴とする請求項１記載のガ
   イド一体型オートテンショナ。
3. 【請求項３】前記ダンパ手段は、 機関のボデーに固設されたハウジングと、 前記ハウジングに枢支された軸部が該ハウジングより突
   出して前記アーム形ガイドを該軸部に保持し、かつ、該
   ハウジング内壁との間で円周状に形成される複数の油圧
   室をベーンによって両分割油圧室に仕切ったベーン歯車
   と、 前記ハウジングに形成された通路に設けられ、前記各油
   圧室の両分割油圧室のうち前記アーム形ガイドの一方回
   りへの揺動により前記ベーン歯車が同方向へ回転すると
   きに容積が拡大する分割油圧室へ作動油の流入を行い、
   前記アーム形ガイドの他方回りへの揺動により前記ベー
   ン歯車が同方向へ回転するときに前記容積が拡大した前
   記分割油圧室からの作動油の流出を阻止する逆止弁とを
   具備したことを特徴とする請求項１記載のガイド一体型
   オートテンショナ。