JP7178207B2 - チェーンテンショナ - Google Patents

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    • F16K15/00Check valves
    • F16K15/02Check valves with guided rigid valve members
    • F16K15/04Check valves with guided rigid valve members shaped as balls

Description

この発明は、主として自動車エンジンのカムを駆動するチェーンやオイルポンプを駆動するチェーンの張力保持に用いられるチェーンテンショナに関する。
自動車等のエンジンに使用されるチェーン伝動装置として、例えば、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するものや、クランクシャフトの回転をオイルポンプやウォーターポンプやスーパーチャージャー等の補機に伝達するものや、クランクシャフトの回転をバランサシャフトに伝達するものや、あるいは、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するもの等がある。これらのチェーン伝動装置のチェーンの張力を適正範囲に保つために、チェーンテンショナが使用される。
チェーンテンショナは、一般的に、エンジンからのオイル供給により油圧ダンパを発生させて、チェーンの張力の変動を一定に保っている。しかし、エンジン停止時はオイル供給が止まっているため、エンジン始動後、チェーンテンショナ内部の圧力室にオイルが充填されるまでの間は、所定の油圧ダンパを発生させることができない場合がある。このような場合、チェーンテンショナが大きく押し込まれて、チェーンのばたつきや異音が発生するという問題がある。そこで、多くのチェーンテンショナでは、ノーバック機構と呼ばれる機構を備え、プランジャが一定量を超えて押し込まれないようにしている(例えば、特許文献1参照)。
また、チェーンテンショナ内部でオイルを循環することで、チェーンテンショナの外部へのオイルの流出を抑制するとともに、そのオイルをチェーンテンショナ内部に貯留させることで、エンジン始動直後から油圧ダンパを発生できるようにしたチェーンテンショナもある(例えば、特許文献2参照)。
例えば、図6に示すチェーンテンショナ50は、一端が開口し、他端が閉じた筒状のシリンダ9と、そのシリンダ9の内周で軸方向へ摺動可能に支持された筒状のプランジャ10と、そのプランジャ10をシリンダ9から一端側へ突出する方向に付勢するリターンスプリング33と、プランジャ10の内部に形成されたリザーバ室27と、シリンダ9内においてプランジャ10の他端側に形成されプランジャ10の軸方向移動に伴って容積が変化する圧力室18と、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端に設けられリザーバ室27から圧力室18へのオイルの流れのみを許容するチェックバルブ20とを備えている。
シリンダ9は、エンジンのオイルポンプ等によって供給されるオイルを、シリンダ9の外側から内側に導入する給油通路31を有し、その給油通路31のシリンダ9の内側の端部が、プランジャ10の外周とシリンダ9の内周との間に形成されたオイル供給空間28に開口している。プランジャ10の外周とシリンダ9の内周の間にはリーク隙間32が形成されている。リーク隙間32は微小な隙間で構成され、圧力室18からオイル供給空間28を経てシリンダ9の一端の開口に至っている。また、リーク隙間32及びオイル供給空間28とリザーバ室27とは連通路30で連通している。
エンジン作動中にチェーンの張力が大きくなると、そのチェーンの張力によって、プランジャ10がシリンダ9内の他端側に押し込まれる方向(以下、「押し込み方向」と称する)に移動し、チェーンの緊張を吸収する。このとき、圧力室18側の圧力増大によってチェックバルブ20は閉じられ、オイルは、圧力室18からリーク隙間32を通ってオイル供給空間28側へ流出する。このリーク隙間32を通るオイルの粘性抵抗によってダンパ力が発生するので、プランジャ10はゆっくりと押し込み方向へ移動する。このとき、オイルの一部は、オイル供給空間28よりも一端側のリーク隙間32を通じてチェーンテンショナ50の外部へ流出し、エンジン側へ戻っていく。しかし、リーク隙間32は微小な隙間であり流路の抵抗が大きいので、大部分のオイルは、連通路30を通じてオイル供給空間28からリザーバ室27へと戻される。
一方、エンジン作動中にチェーンの張力が小さくなると、リターンスプリング33の付勢力によって、プランジャ10がシリンダ9から一端側へ突出する方向(以下、「突出方向」と称する)に移動し、チェーンの弛みを吸収する。このとき、チェックバルブ20が開き、リザーバ室27から圧力室18にオイルが流入するので、プランジャ10は速やかに突出方向へ移動する。
特公平3-010819号公報 特開2015-183767号公報
図6に記載のチェーンテンショナ50において、エンジン始動時にプランジャが一定量を超えて押し込まれないようにするには、テンショナのシリンダ9(ハウジング)とプランジャ10との間の径方向のリーク隙間32を小さくし、オイルの流量を抑える必要がある。
ここで、リーク隙間32を小さくしてオイルの流量を抑えるとテンショナの反力は高くなり、エンジン始動時におけるプランジャの押し込みには優位である。しかし、この場合、エンジン始動後の通常運転時においてもテンショナの反力が高くなり、チェーンの過張力に繋がってしまうという問題がある。このため、運転状況に応じて適切な減衰力設定が可能なチェーンテンショナが求められる。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、運転状況に応じて適切な減衰力設定が可能なチェーンテンショナとすることである。
上記課題を解決するため、この発明は、一端が開口し他端が閉じた筒状のシリンダと、前記シリンダの内周で軸方向に摺動可能に支持され前記シリンダ内への挿入端が開口し前記シリンダからの突出端が閉塞した筒状のプランジャと、前記プランジャを前記シリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、前記プランジャの軸方向移動に伴って容積が変化するように前記シリンダ内に形成された圧力室と、弁孔を備えたバルブシートと、前記弁孔を開閉する弁体とを備え、前記プランジャの内部から前記圧力室へのオイルの流れのみを許容するチェックバルブと、前記シリンダの外側から内側へオイルを導入する給油通路と、前記プランジャの内周と前記バルブシートの外周との間に形成された第一隙間を通じて前記圧力室の容積が縮小するときに前記圧力室からオイルをリークさせる第一リーク部と、前記プランジャの外周と前記シリンダの内周との間に形成された第二隙間を通じて前記圧力室の容積が縮小するときに前記圧力室からオイルをリークさせる第二リーク部と、を備えるチェーンテンショナを採用した。
ここで、前記第一隙間は前記第二隙間よりも大きく設定されている構成を採用することができる。
また、前記第一リーク部は前記圧力室と前記プランジャの内部とを結んでおり、前記第二リーク部と前記プランジャの内部とを連通する連通路を備える構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記プランジャと前記バルブシートとの間に前記第一リーク部を開閉するサブチェックバルブを備える構成を採用することができる。
このとき、前記サブチェックバルブは、前記プランジャと前記バルブシートとの軸方向への相対移動により前記第一リーク部を開閉するものであり、前記プランジャに対して前記バルブシートを前記第一リーク部の開放側へ付勢するダンパ切替スプリングを備える構成を採用することができる。
また、前記プランジャに対する前記バルブシートの前記開放側への相対移動を所定の位置で規制する移動規制手段を備える構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記圧力室内の圧力に応じて、前記サブチェックバルブを開放して前記第一リーク部によるオイルのリークを行う低ダンパ領域と、前記ダンパ切替スプリングの付勢力に抗して前記バルブシートを一端側へ移動させるスプリング作動領域と、前記サブチェックバルブを閉鎖して前記第二リーク部のみによるオイルのリークを行う高ダンパ領域と、が切り替えられる構成を採用することができる。
この発明は、テンショナ反力を発生させるオイルの流路として、第一リーク部と第二リーク部の複数の系統を備えたことで、運転状況に応じて、その複数の系統のオイルの流路を使い分けることができる。このため、適切な減衰力設定が可能なチェーンテンショナとすることが可能となる。
チェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す全体図 (a)は図1のチェーンテンショナの右側面図、(b)はその背面図 この発明の実施形態のチェーンテンショナを示す縦断面図 (a)(b)はそれぞれ図3の要部拡大図、(c)は第一リーク部及び第二リーク部の拡大図 この発明の実施形態のチェーンテンショナのダンパ特性を模式的に示すグラフ図 従来例のチェーンテンショナを示す縦断面図
図1に、この発明の実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、2本のカムシャフト4にそれぞれ固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されており、そのチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブの開閉を行なう。
エンジンが作動しているときのクランクシャフト2の回転方向は一定(図1では右回転)であり、このときチェーン6は、クランクシャフト2の回転に伴ってスプロケット3に引き込まれる側(図1の右側)の部分が張り側となり、スプロケット3から送り出される側(図1の左側)の部分が弛み側となる。そして、チェーン6の弛み側の部分には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触している。チェーンテンショナ1は、チェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
図2及び図3に示すように、チェーンテンショナ1は、一端が開口し、他端が閉じた筒状のシリンダ9と、シリンダ9の内周で軸方向に摺動可能に支持されたプランジャ10とを備えている。シリンダ9の一端から突出するプランジャ10の突出端17は、チェーンガイド8を押圧している。
シリンダ9は、金属(例えば、アルミ合金)で一体成形されている。シリンダ9は、シリンダ9の外周に一体に形成された複数の取付片11の孔11a(図2(b)参照)に挿通されたボルト12を締め込むことによって、シリンダブロック等のエンジン壁面に固定されている。また、シリンダ9は、プランジャ10のシリンダ9からの突出方向が斜め下向きとなるようにエンジン壁面に取り付けられている。
プランジャ10は、その他端のシリンダ9内への挿入端が開口し、一端のシリンダ9からの突出端17が閉塞する筒状に形成されている。プランジャ10の材質は、鉄系材料(例えば、SCM(クロームモリブデンン鋼)やSCr(クローム鋼)等の鋼材)である。
シリンダ9内の他端には、プランジャ10の軸方向移動に伴ってその容積が変化する圧力室18が形成されている。圧力室18の容積は、プランジャ10が突出方向に移動したときに拡大し、プランジャ10が押し込み方向に移動したときに縮小する。
プランジャ10のシリンダ9内への挿入端には、プランジャ10の内部から圧力室18側へのオイルの流れのみを許容し、圧力室18からプランジャ10の内部へのオイルの流れを規制するチェックバルブ20が設けられている。チェックバルブ20は、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端に設けられたバルブシート21と、そのバルブシート21に備えられる弁孔21aと、その弁孔21aを圧力室18の側から開閉する球状の弁体25であるチェックボール(以下、チェックボール25と称する)と、チェックボール25の移動範囲を規制するリテーナ26とからなる。
ここで、プランジャ10の内部は、チェックバルブ20の弁孔21aの径よりも大径のリザーバ室27となっている。チェックバルブ20のバルブシート21はリザーバ室27の他端に取り付けられている。バルブシート21は円柱状を成し、弁孔21aは、そのバルブシート21の軸心に一端側と他端側を貫通するように形成されている。弁体25が弁孔21aから他端側へ離脱している場合には、その弁孔21aを通じて、圧力室18とリザーバ室27とが連通する。
図4(a)(b)に示すように、プランジャ10の内周41とバルブシート21の外周21bとの間には、圧力室18内から圧力室18外へオイルをリークさせる第一リーク部19が設けられている。また、プランジャ10の外周15とシリンダ9の内周14との間には、圧力室18内から圧力室18外へオイルをリークさせる第二リーク部29が設けられている。
第一リーク部19は、バルブシート21の外周21bとプランジャ10の内周41との間に介在する微小な隙間で構成され、この微小な隙間を第一隙間w1と称する(図4(c)参照)。ここで、プランジャ10の内周41は円筒面であり、バルブシート21の外周21bも円筒面である。第一隙間w1の大きさは、プランジャ10の内周41とバルブシート21の外周21bとの半径差で0.005~0.100mmの範囲に設定されている。
第一リーク部19にはサブチェックバルブ42が設けられている。サブチェックバルブ42は、プランジャ10とバルブシート21との間に設けられ、第一リーク部19を開閉することで、第一隙間w1を通じてオイルをリークする状態と、オイルのリークを停止する状態とに切り替えることができる。
ここで、サブチェックバルブ42は、プランジャ10とバルブシート21との軸方向への相対移動により、第一隙間w1の他端側の端部を開閉する構造となっている。プランジャ10に対するバルブシート21の移動によって第一リーク部19を開閉できるので、サブチェックバルブ42の構造を簡素化できる。
サブチェックバルブ42の構造について説明すると、図4(a)に示すように、バルブシート21の他端側の端部に外径側へ突出する弁体部21cが設けられている。弁体部21cは、一端側から他端側へ向かうにつれて外径側へ近づく傾斜面を備えた構造となっている。その弁体部21cの傾斜面は、軸心を通る縦断面において外径側に凸状となる円弧状面となっている。また、プランジャ10の他端側の端部には、弁体部21cが接離する弁座部44が設けられている。弁座部44は、一端側から他端側へ向かうにつれて外径側へ近づく傾斜面となっている。弁座部44の傾斜面は、軸心を通る縦断面において直線状となっている。
プランジャ10とバルブシート21との軸方向への相対移動により、図4(a)に示すように、弁体部21cが弁座部44から離反すればサブチェックバルブ42は開放され、図中の矢印Xのルートで、オイルが圧力室18からリザーバ室27へリークする。図4(b)に示すように、弁体部21cが弁座部44に対して接触すれば、サブチェックバルブ42は閉鎖される。
プランジャ10とバルブシート21との間には、ダンパ切替スプリング23が組み込まれている。ダンパ切替スプリング23は、一端がプランジャ10の突出端17側の内側端面24で支持され、他端がバルブシート21を押圧し、その押圧によって、バルブシート21をプランジャ10に対して他端側へ、すなわち、第一リーク部19の開放側へ付勢している。
さらに、プランジャ10とバルブシート21との間には、移動規制手段40が組み込まれている。移動規制手段40は、プランジャ10に対するバルブシート21の他端側への相対移動を所定の位置で規制する。
移動規制手段40は、バルブシート21の一端側の外周に形成された凹溝22と、その凹溝22内に収容される止め輪43と、プランジャ10に形成され止め輪43が当接する段付き部41aとを備えている。
図4(a)(b)に示すように、凹溝22は、他端側から一端側へ向かうにつれて外径側へ近づく傾斜面22aと、その傾斜面22aの一端側に滑らかに接続され外径側へ立ち上がる円弧状の面からなる顎部22bと、傾斜面22aの他端側に設けられ、外径側へ立ち上がる端壁部22cとを備えている。端壁部22cと傾斜面22aとは円弧状の面を介して滑らかに接続されている。
段付き部41aは、第一リーク部19を構成するプランジャ10の内周41の他端に接続され、一端側へ向かうにつれて外径側へ近づく傾斜面を備えた構成となっている。
止め輪43として、環状部材の円周方向一箇所が開放されたC形のサークリップ(スナップリング)を採用することができる。止め輪43が凹溝22内に収容されて、図4(b)に示すように、サブチェックバルブ42が閉鎖されている状態では、止め輪43は段付き部41aから離れた状態にある。図では、止め輪43は凹溝22の顎部22bに当接しているが、止め輪43は、凹溝22内の傾斜面22aや端壁部22cに当接した状態の場合もある。
プランジャ10に対してバルブシート21が他端側へ相対移動すると、図4(a)に示すように、サブチェックバルブ42が開放され、やがて、止め輪43がプランジャ10の段付き部41aに当接する。これにより、止め輪43は凹溝22の顎部22bとプランジャ10の段付き部41aとに挟まれた状態となり、それ以上のバルブシート21の他端側への移動が規制される。
一方、第二リーク部29は、プランジャ10の外周15とシリンダ9の内周14との間に介在する微小な隙間で構成され、この微小な隙間を第二隙間w2と称する(図4(c)参照)。ここで、プランジャ10の最大径部の外周15は円筒面であり、シリンダ9の内周14も円筒面である。第二隙間w2は、プランジャ10の外周15と、シリンダ9の内周14との半径差で、0.005~0.100mmの範囲に設定されている。ただし、第一隙間w1は、この第二隙間w2よりも隙間の寸法が大きく設定されている。
この実施形態では、プランジャ10の外周とシリンダ9の内周14の間には、第二リーク部29に連通するオイル供給空間28が形成されている。オイル供給空間28は、プランジャ10の外周全周に形成された凹部16と、シリンダ9の内周14との間に環状に形成されている。
オイル供給空間28を形成するための凹部16は、プランジャ10の軸方向中央部に設けられ、その凹部16を挟んで一端側と他端側にそれぞれプランジャ10の最大径部の外周が存在する。このため、第二リーク部29は、凹部16を挟んで一端側と他端側に存在し、それぞれオイル供給空間28と連通している。
圧力室18には、リターンスプリング33が組み込まれている。リターンスプリング33は、他端がシリンダ9の底部13で支持され、一端がプランジャ10を押圧し、その押圧によって、プランジャ10をシリンダ9からの突出方向に付勢している。
プランジャ10には、オイル供給空間28とリザーバ室27との間を連通する連通路30が設けられている。連通路30は、オイル供給空間28を通じて、第二リーク部29とも連通している。
連通路30は、シリンダ9の取付片11をエンジン壁面に固定した状態で、プランジャ10の上側の半周に位置するように設けられている。具体的には、連通路30は、プランジャ10の径方向上側部分で、且つ、プランジャ10の外周寸法の半分に相当する範囲内に設けられ、特に、この実施形態では、連通路30は、プランジャ10の外周の頂上に位置するように設けられている。このため、リザーバ室27の内部に空気が存在するときに、その空気を連通路30から円滑に排出することが可能である。
また、図3に示すように、シリンダ9には、シリンダ9の外側から内側にオイルを導入する給油通路31が設けられている。給油通路31は、シリンダ9を半径方向に貫通する貫通孔である。給油通路31の入口34(図2(b)参照)は、エンジン壁面側のオイル供給口に接続される。給油通路31の出口は、シリンダ9の内周の円筒面に開口して、オイル供給空間28に臨んでいる。この給油通路31によって、エンジンのオイルポンプから供給されるオイルが、シリンダ9の外側から内側へ導入される。
次に、この発明のチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
通常運転時、プランジャ10を付勢するリターンスプリング33よりもチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ10がシリンダ9内への押し込み方向へ移動し、チェーン6の緊張を吸収する。そして、プランジャ10とともにバルブシート21が圧力室18側へ移動する。プランジャ10及びバルブシート21の移動に応じて圧力室18の容積が縮小するので、圧力室18の圧力がリザーバ室27の圧力より高くなり、チェックバルブ20が閉じられて圧力室18を密閉する。
このとき、バルブシート21は、ダンパ切替スプリング23によりプランジャ10から圧力室18側へ抜け出す方向に付勢されている。また、バルブシート21は、移動規制手段40によって、サブチェックバルブ42が一定の開度で開放された状態で、それ以上、圧力室18側への移動が規制される。ここで、第一リーク部19の第一隙間w1は、第二リーク部29の第二隙間w2よりも隙間の寸法が大きく設定されているので、圧力室18内から流出するオイルのほとんどは、図4(a)に矢印Xで示すように、第一リーク部19を通じてリザーバ室27へ戻っていく。
このとき、第一リーク部19を流れるオイルの粘性抵抗によってダンパ力が発生し、プランジャ10はゆっくりと移動する。この第一リーク部19を通じてオイルのリークを行うダンパ領域を、低ダンパ領域Aと称する。第一リーク部19の第一隙間w1は、第二リーク部29の第二隙間w2よりも隙間の寸法が大きいので、低ダンパ領域Aでは、比較的低いダンパ力を発揮することができる。
図5は、チェーンテンショナ1のダンパ特性を模式的に示すに示すグラフ図である。グラフに横軸で示すプランジャ10の振幅、すなわち、プランジャ10の押し込み方向への移動量が比較的小さい図中左側の領域に、低ダンパ領域Aが位置している。ここでは、図中に矢印aで示すように、プランジャ10の他端側への押し込み方向への移動量が増加するにつれて、テンショナ反力が次第に増加していく。
エンジン始動や高負荷時、圧力室18内の圧力がダンパ切替スプリング23の弾性力よりも大きくなると、バルブシート21は、ダンパ切替スプリング23の弾性力に抗してリザーバ室27側へ移動していく。ダンパ切替スプリング23の付勢力に抗して、バルブシート21が一端側へ移動するダンパ領域を、スプリング作動領域Bと称する。
図5において、プランジャ10の振幅が低ダンパ領域Aよりも大きい領域にスプリング作動領域Bが位置している。ここでは、図中に矢印bで示すように、プランジャ10の振幅が増加しても、テンショナ反力は一定である。
バルブシート21がリザーバ室27側へ移動し、サブチェックバルブ42が閉じられる。これにより、その後、圧力室18内のオイルは、図4(b)に矢印Yで示すように、第二リーク部29を通じて流出して、オイル供給空間28、連通路30を経てリザーバ室27へ戻っていく。この第二リーク部29のみによるオイルのリークを行うダンパ領域を、高ダンパ領域Cと称する。
図5において、プランジャ10の振幅が比較的大きい図中右側の領域に、高ダンパ領域Cが位置している。ここでは、図中に矢印cで示すように、プランジャ10の振幅が増加するにつれて、テンショナ反力が次第に増加していく。第二リーク部29の第二隙間w2は、第一リーク部19の第一隙間w1よりも隙間の寸法が小さいので、高ダンパ領域Cでは、比較的高いダンパ力を発揮することができる。
この発明のチェーンテンショナ1では、テンショナ反力を発生させるオイルの流路として、第一リーク部19、第二リーク部29の2系統を使い分けることにより、運転状況に応じて適切な減衰力設定が可能なチェーンテンショナ1としている。これにより、例えば、通常運転時は、第一リーク部19による低ダンパ領域Aの設定によりチェーン6の過張力を防止し、エンジン始動時は、第二リーク部29による高ダンパ領域Cの設定により高ダンパ領域側でプランジャ10が過度に押し込まれることを防止する可変ダンパ機構とすることができる。この運転状況に応じた適切な減衰力設定によって、チェーン6の振れによる歯飛び防止や、チェーン6の過張力防止によるチェーン6の寿命向上に貢献することができる。
また、低ダンパ領域A、スプリング作動領域B、高ダンパ領域Cのいずれのダンパ領域においても、圧力室18からリークするオイルの多くはリザーバ室27へ戻るので、その戻ったオイルの分、シリンダ9の外部に流出するオイルの量を抑制することができる。これにより、エンジン側から供給されるオイルの消費を抑え、オイルポンプの小型化や低燃費に貢献することができる。
なお、エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなった場合には、リターンスプリング33の付勢力によって、プランジャ10が突出方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、プランジャ10の移動に応じて圧力室18の容積が拡大するので、圧力室18の圧力がリザーバ室27の圧力より低くなり、チェックバルブ20が開く。そして、チェックバルブ20の弁孔21aを通じてリザーバ室27から圧力室18にオイルが流入するので、プランジャ10は速やかに移動する。このとき、オイルポンプの圧力によって、シリンダ9の外側から、給油通路31、オイル供給空間28、連通路30を通じて、リザーバ室27へオイルが導入される。このため、リザーバ室27内の圧力低下が生じにくく、チェーン6の弛みに対する追従性に優れている。
また、このチェーンテンショナ1は、プランジャ10の内部に、チェックバルブ20の弁孔21aの径よりも大径のリザーバ室27が形成されているので、プランジャ10の内部に貯留するオイルの量を多く確保することができる。このため、エンジン始動直後で、エンジンからチェーンテンショナ1へのオイルの供給が無い状態においても、リザーバ室27に貯留されたオイルを用いてダンパ力を発生することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 チェーンテンショナ
9 シリンダ
10 プランジャ
14 内周
15 外周
18 圧力室
19 第一リーク部
20 チェックバルブ
21 バルブシート
21a 弁孔
21b 外周
23 ダンパ切替スプリング
25 弁体(チェックボール)
29 第二リーク部
30 連通路
31 給油通路
33 リターンスプリング
40 移動規制手段
41 内周
42 サブチェックバルブ
A 低ダンパ領域
B スプリング作動領域
C 高ダンパ領域
w1 第一隙間
w2 第二隙間

Claims (6)

  1. 一端が開口し他端が閉じた筒状のシリンダ(9)と、
    前記シリンダ(9)の内周で軸方向に摺動可能に支持され前記シリンダ(9)内への挿入端が開口し前記シリンダ(9)からの突出端が閉塞した筒状のプランジャ(10)と、
    前記プランジャ(10)を前記シリンダ(9)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(33)と、
    前記プランジャ(10)の軸方向移動に伴って容積が変化するように前記シリンダ(9)内に形成された圧力室(18)と、
    弁孔(21a)を備えたバルブシート(21)と、前記弁孔(21a)を開閉する弁体(25)とを備え、前記プランジャ(10)の内部から前記圧力室(18)へのオイルの流れのみを許容するチェックバルブ(20)と、
    前記シリンダ(9)の外側から内側へオイルを導入する給油通路(31)と、
    前記プランジャ(10)の内周(41)と前記バルブシート(21)の外周(21b)との間に形成された第一隙間(w1)を通じて前記圧力室(18)の容積が縮小するときに前記圧力室(18)からオイルをリークさせる第一リーク部(19)と、
    前記プランジャ(10)の外周(15)と前記シリンダ(9)の内周(14)との間に形成された第二隙間(w2)を通じて前記圧力室(18)の容積が縮小するときに前記圧力室(18)からオイルをリークさせる第二リーク部(29)と、
    を備え、
    前記第一隙間(w1)は前記第二隙間(w2)よりも大きく設定されているチェーンテンショナ。
  2. 前記第一リーク部(19)は前記圧力室(18)と前記プランジャ(10)の内部とを結んでおり、前記第二リーク部(29)と前記プランジャ(10)の内部とを連通する連通路(30)を備える請求項に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記プランジャ(10)と前記バルブシート(21)との間に前記第一リーク部(19)を開閉するサブチェックバルブ(42)を備える請求項1又は2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記サブチェックバルブ(42)は、前記プランジャ(10)と前記バルブシート(21)との軸方向への相対移動により前記第一リーク部(19)を開閉するものであり、
    前記プランジャ(10)に対して前記バルブシート(21)を前記第一リーク部(19)の開放側へ付勢するダンパ切替スプリング(23)を備える請求項に記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記プランジャ(10)に対する前記バルブシート(21)の前記開放側への相対移動を所定の位置で規制する移動規制手段(40)を備える請求項に記載のチェーンテンショナ。
  6. 前記圧力室(18)内の圧力に応じて、
    前記サブチェックバルブ(42)を開放して前記第一リーク部(19)によるオイルのリークを行う低ダンパ領域(A)と、
    前記ダンパ切替スプリング(23)の付勢力に抗して前記バルブシート(21)を一端側へ移動させるスプリング作動領域(B)と、
    前記サブチェックバルブ(42)を閉鎖して前記第二リーク部(29)のみによるオイルのリークを行う高ダンパ領域(C)と、
    が切り替えられる請求項4又は5に記載のチェーンテンショナ。
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