JP7093704B2 - チェーンテンショナ - Google Patents

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Description

この発明は、チェーンテンショナに関する。
自動車等のエンジンに使用されるチェーン伝動装置として、例えば、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するもの、クランクシャフトの回転をオイルポンプ等の補機に伝達するもの、クランクシャフトの回転をバランサシャフトに伝達するもの、あるいは、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するもの等がある。これらのチェーン伝動装置のチェーンの張力を適正範囲に保つために、チェーンテンショナが使用される。
チェーンテンショナは、一般的に、エンジンからのオイル供給により油圧ダンパを発生させて、チェーンの張力の変動を一定に保っている。しかし、エンジン停止時はオイル供給が止まっているため、エンジン始動後、チェーンテンショナ内部の圧力室にオイルが充填されるまでの間は、所定の油圧ダンパを発生させることができない場合がある。このような場合、テンショナが大きく押し込まれて、チェーンのばたつきや異音が発生するという問題がある。そこで、多くのチェーンテンショナでは、ノーバック機構と呼ばれる機構を備え、プランジャが一定量を超えて押し込まれないようにしている。
また、チェーンテンショナ内部でオイルを循環することで、チェーンテンショナの外部へのオイルの流出を抑制するとともに、そのオイルをチェーンテンショナ内部に貯留させることで、エンジン始動直後から油圧ダンパを発生できるようにしたチェーンテンショナもある(例えば、特許文献1,2参照)。
例えば、図9に示すチェーンテンショナ40は、一端が開口し、他端が閉じた筒状のシリンダ9と、そのシリンダ9の内周で軸方向へ摺動可能に支持されたプランジャ10と、プランジャ10の内部に形成されたリザーバ室27と、シリンダ9内においてプランジャ10の他端側に形成されプランジャ10の軸方向移動に伴って容積が変化する圧力室18と、を備えている。
シリンダ9は、オイルポンプによって供給されるオイルを導入する給油通路31を有し、その給油通路31が、プランジャ10の外周とシリンダ9の内周との間に形成されたオイル供給空間28に開口している。また、プランジャ10の外周とシリンダ9の内周の間にはリーク隙間が形成され、リーク隙間及びオイル供給空間28とリザーバ室27とは、連通路30で連通している。
特公平3-010819号公報 特開2015-183767号公報
チェーンテンショナ40において、外部へ流出するオイルの量を抑制するには、リーク隙間は小さいほうが好ましい。
一方、チェーンテンショナ40の減衰力調整を行うには、リーク隙間の寸法の大小で調整する必要がある。このため、例えば、高い減衰力を必要としないエンジンにおいては、圧力室18からオイル供給空間28に至る第1リーク隙間19の寸法を拡大する必要がある。しかし、第1リーク隙間19の寸法を拡大すると、オイル供給空間28からシリンダ9の一端に至る第2リーク隙間29の寸法も拡大されるため、第2リーク隙間29から外部へ流出するオイルの増加につながってしまう。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、チェーンの弛みに対する追従性に優れるとともに、オイルの流出量が少ない好適なチェーンテンショナを提供することである。
上記課題を解決するため、この発明は、一端が開口し他端が閉じた筒状のシリンダと、前記シリンダの内周で軸方向に摺動可能に支持され前記シリンダ内への挿入端が開口し前記シリンダからの突出端が閉塞した筒状のプランジャと、前記プランジャを前記シリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、前記プランジャの軸方向移動に伴って容積が変化するように前記シリンダ内に形成された圧力室と、前記プランジャの下端部に設けられたバルブシートと、前記バルブシートの弁孔を開閉する弁体とを有し、前記プランジャの内部から前記圧力室へのオイルの流れのみを許容するチェックバルブと、前記プランジャの外周と前記シリンダの内周の間に形成され、前記圧力室の容積が縮小するときに前記圧力室からオイルをリークさせるリーク隙間と、前記シリンダの外側から内側へオイルを導入する給油通路と、前記リーク隙間と前記プランジャの内部とを連通する連通路と、を備え、前記バルブシートの外周に切欠きが形成され、前記バルブシート又は前記バルブシートと前記プランジャとの間に配置された部材にオリフィス通路を構成する螺旋状の溝が形成されていて、前記圧力室の圧力が前記プランジャの内部の圧力より高くなった際に、前記圧力室内のオイルが前記切欠き及び前記オリフィス通路を通って前記プランジャの内部に流入するチェーンテンショナを採用した。
このとき、前記バルブシートと前記プランジャとの間に配置される部材はプレートであり、前記螺旋状の溝は前記プレートの前記他端側の端面に形成され、前記螺旋状の溝と前記バルブシートの前記一端側の端面との間で前記オリフィス通路を構成することができる。
前記螺旋状の溝は前記バルブシートの前記一端側の端面に形成されていて、前記螺旋状の溝と前記バルブシートと前記プランジャとの間に配置される部材の前記他端側の端面との間で前記オリフィス通路を構成することができる。
また、前記螺旋状の溝は前記バルブシートの前記一端側の端面に形成され、前記螺旋状の溝と前記プランジャの端面との間で前記オリフィス通路を構成することができる。
これらの各構成において、前記リーク隙間によって前記圧力室から流出するオイルの量よりも、前記オリフィス通路によって前記圧力室から流出するオイルの量の方が大きくなるように設定されている構成を採用することができる。
また、前記プランジャの外周と前記シリンダの内周の間に前記リーク隙間に連通するオイル供給空間が形成されている構成を採用することができる。
前記オイル供給空間は前記プランジャの外周全周に形成され、前記オイル供給空間の前記他端側の端部に前記リーク隙間に接続される段部が形成されている構成を採用することができる。
この発明は、プランジャの内部から圧力室へのオイルの流れのみを許容するチェックバルブのバルブシートの外周に切欠きを形成し、そのバルブシート、又は、そのバルブシートとプランジャとの間に配置される部材にオリフィス通路を構成する螺旋状の溝を形成し、切欠き及びオリフィス通路によって、オイルを圧力室からプランジャの内部へ流入するように設定した。これにより、減衰力調整をリーク隙間の寸法調整に頼ることなく、オリフィス通路の仕様によって減衰力の調整が可能となる。このため、リーク隙間を小さい状態で維持してオイルの流出量を抑制したまま、幅広いエンジン特性に対応可能なチェーンテンショナの減衰特性が設定できる。また、チェーンテンショナによるオイル消費量、すなわち、リーク隙間からチェーンテンショナの外部へのオイル流出量を抑制することができる
また、プランジャが押し込み方向の荷重入力を受けた際は、圧力室内のオイルがオリフィス通路を通じてプランジャの内部へ直接流入するので、プランジャが突出方向へ動くことで圧力室内にオイル供給が必要となった際は、そのプランジャの内部のオイルを使用できる。このため、エンジン始動直後にもダンパ力を発生させることができる。
チェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す全体図 (a)は図1のチェーンテンショナの右側面図、(b)はその背面図 この発明の第一の実施形態のチェーンテンショナを示す縦断面図 図3のチェックバルブが備えるバルブシートを示し、(a)は正面図、(b)は(a)の右側面図 図3のバルブシートの一端側に配置されるプレートを示し、(a)は正面図、(b)は(a)の右側面図 この発明の第三の実施形態のチェーンテンショナを示す縦断面図 図6のチェックバルブが備えるバルブシートを示し、(a)は(b)の左側面図、(b)は正面図、(c)は(b)の右側面図 この発明の第四の実施形態のチェーンテンショナを示す縦断面図 従来例のチェーンテンショナを示す縦断面図
図1に、この発明の第1実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置では、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、2本のカムシャフト4にそれぞれ固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されている。チェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達してカムシャフト4が回転することにより燃焼室のバルブが開閉する。
エンジンが作動しているときのクランクシャフト2の回転方向は一定(図1では右回転)であり、このときチェーン6は、クランクシャフト2の回転に伴ってスプロケット3に引き込まれる側(図1の右側)の部分が張り側となり、スプロケット3から送り出される側(図1の左側)の部分が弛み側となる。そして、チェーン6の弛み側の部分には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触している。チェーンテンショナ1は、チェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
図2及び図3に示すように、チェーンテンショナ1は、一端が開口し、他端が閉じた筒状のシリンダ9と、シリンダ9の内周で軸方向に摺動可能に支持されたプランジャ10とを有する。シリンダ9の一端から突出するプランジャ10の突出端17は、チェーンガイド8を押圧している。
シリンダ9は、金属(例えば、アルミ合金)で一体成形されている。シリンダ9は、シリンダ9の外周に一体に形成された複数の取付片11の孔11a(図2(b)参照)に挿通されたボルト12を締め込むことによって、エンジン壁面に固定されている。また、シリンダ9は、プランジャ10のシリンダ9からの突出方向が斜め上向きとなるように、エンジン壁面に取り付けられている。
プランジャ10は、その他端のシリンダ9内への挿入端が開口し、一端のシリンダ9からの突出端17が閉塞する筒状に形成されている。プランジャ10の材質は、鉄系材料(例えば、SCM(クロームモリブデンン鋼)又はSCr(クローム鋼)等の鋼材)である。
シリンダ9内の他端には、プランジャ10の軸方向移動に伴ってその容積が変化する圧力室18が形成されている。圧力室18の容積は、プランジャ10が突出方向に移動したときに拡大し、プランジャ10が押し込み方向に移動したときに縮小する。
プランジャ10の最大径部の外周15、32は円筒面であり、シリンダ9の内周14も円筒面である。プランジャ10の最大径部の外周15、32とシリンダ9の内周14の間の隙間の大きさは微小であり、半径差で0.005~0.10mmの範囲に設定されている。このプランジャ10の最大径部の外周15、32とシリンダ9の内周14の間の隙間は、圧力室18の容積が縮小するときに、圧力室18からオイルをリークさせるリーク隙間である。
プランジャ10の外周とシリンダ9の内周の間には、リーク隙間に連通するオイル供給空間28が形成されている。オイル供給空間28は、プランジャ10の外周全周に形成された凹部16と、シリンダ9の内周14との間に環状に形成されている。
オイル供給空間28を形成するための凹部16は、プランジャ10の軸方向中央部に設けられ、その凹部16を挟んで一端側と他端側にそれぞれプランジャ10の最大径部の外周15,32が存在する。以下、凹部16を挟んで他端側、すなわち圧力室18側のリーク隙間を第1リーク隙間19と称し、凹部16を挟んで一端側、すなわちプランジャ10の突出端17側のリーク隙間を第2リーク隙間29と称する。
オイル供給空間28の他端側の端部には、第1リーク隙間19に接続される段部35が形成されている。また、オイル供給空間28の一端側の端部には、第2リーク隙間29に接続される段部36が形成されている。
段部35,36は、プランジャ10の進退位置にかかわらず、常にシリンダ9内に位置する。すなわち、第1リーク隙間19を構成するプランジャ10の最大径部の外周15は、その全体が常にシリンダ9内に収容されている。このため、チェーン6の張力変動に応じてプランジャ10が軸方向に移動したときに、第1リーク隙間19の軸方向長さが変化しない。したがって、プランジャ10の軸方向への進退位置によらず、一定したダンパ力を発揮することができる。
プランジャ10のシリンダ9内への挿入端には、プランジャ10の内部から圧力室18側へのオイルの流れのみを許容し、圧力室18からプランジャ10の内部へのオイルの流れを規制するチェックバルブ20が設けられている。チェックバルブ20は、バルブシート21と、チェックボール25と、リテーナ26とを有している。バルブシート21は、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端に設けられている。このため、プランジャ10のシリンダ9内への挿入状態では、バルブシート21は、シリンダ9の下端部に設けられている。バルブシート21には、軸方向に貫通する弁孔21aが設けられている。チェックボール25は、弁孔21aを圧力室18の側から開閉する球状の弁体である。リテーナ26は、チェックボール25の移動範囲を規制する。
プランジャ10の内部空間は、チェックバルブ20の弁孔21aの径よりも大径のリザーバ室27である。
圧力室18には、リターンスプリング33が組み込まれている。リターンスプリング33は、他端がシリンダ9の底部13で支持され、一端がプランジャ10を押圧し、その押圧によって、プランジャ10をシリンダ9からの突出方向に付勢している。この実施形態では、リターンスプリング33は、チェックバルブ20のバルブシート21を介してプランジャ10を押圧しているが、リターンスプリング33がプランジャ10を直接押圧する構成としてもよい。
プランジャ10には、オイル供給空間28とリザーバ室27との間を連通する連通路30が設けられている。連通路30は、オイル供給空間28を通じて、第1リーク隙間19及び第2リーク隙間29とも連通している。
連通路30は、シリンダ9の取付片11をエンジン壁面に固定した状態で、プランジャ10の上側の半周に位置するように設けられている。具体的には、連通路30は、プランジャ10の径方向上側部分で、且つ、プランジャ10の外周寸法の半分に相当する範囲内に設けられ、特に、この実施形態では、連通路30は、プランジャ10の外周の頂上に位置するように設けられている。このため、リザーバ室27の内部に空気が存在するときに、その空気を連通路30から円滑に排出することが可能である。
また、図3に示すように、シリンダ9には、シリンダ9の外側から内側にオイルを導入する給油通路31が設けられている。給油通路31は、シリンダ9を半径方向に貫通する貫通孔である。給油通路31の入口34(図2(b)参照)は、エンジン壁面側のオイル供給口に接続される。給油通路31の出口は、シリンダ9の内周の円筒面に開口して、オイル供給空間28に臨んでいる。この給油通路31によって、エンジンのオイルポンプから供給されるオイルが、シリンダ9の外側から内側へ導入される。
バルブシート21とプランジャ10との間には、螺旋状の溝23によって構成されるオリフィス通路Aが設けられている。圧力室18の圧力がリザーバ室27の圧力より高くなった際に、圧力室18内のオイルが、オリフィス通路Aを通ってリザーバ室27に戻るようにしている。すなわち、このオリフィス通路Aが、チェックバルブ20の背面側(プランジャ10側)における、圧力室18からリザーバ室27へのオイル戻し経路となっている。
このオイル戻し経路を備えたことにより、減衰力調整をリーク隙間の寸法調整に頼ることなく、オリフィス通路Aの仕様によって調整できる。このため、リーク隙間を小さい状態で維持してオイルの流出量を抑制したまま、幅広いエンジン特性に対応可能なチェーンテンショナ1の減衰特性が設定できる。オリフィス通路Aの仕様の設定は、バルブシート21等を適宜のものに交換すればよく、プランジャ10等の主要部品の設計変更を必要としない。
また、プランジャ10が押し込み方向の荷重入力を受けた際は、圧力室18内のオイルがオリフィス通路Aを通じてリザーバ室27へ直接流入する。このため、プランジャ10が突出方向へ動くように圧力室18内にオイル供給が必要となった際は、そのリザーバ室27内のオイルを、圧力室18への供給用のオイルとしてすぐに使用できる。したがって、リーク隙間からチェーンテンショナ1の外部へのオイル流出量を抑制することができ、その結果、チェーンテンショナ1は、エンジンの始動直後にもダンパ力を発生することができる。
ここで、図3~図5に示す第一の実施形態では、チェックバルブ20のバルブシート21とプランジャ10の端面10aとの間にプレート22を配置し、そのプレート22に形成された螺旋状の溝23によってオリフィス通路Aを構成している。
バルブシート21は、図4に示すように、その中央に他端側へ向く突出部21dを備え、その突出部21dを通ってバルブシート21の表裏を貫通する軸心方向の弁孔21aを備えている。弁孔21aの突出部21d側の端部開口に、チェックボール25が接離する。
また、バルブシート21は、その外周21bの一部に切欠き21cを備えている。切欠き21cを設けた部分はプランジャ10の内周に当接せず、その切欠き21cとプランジャ10の内周との間に隙間が介在する。切欠き21cはバルブシート21の表裏方向全長に形成されているので、プランジャ10の内周との間の隙間も、バルブシート21の表裏方向全長に設定される。また、切欠き21c以外の外周21bは、プランジャ10の内周に当接する。
図4の切欠き21cは、バルブシート21の軸心周りの円の接線方向へ伸びる平面状の外面となっているが、切欠き21cの形状は自由に設定できる。例えば、切欠き21cを、内径方向にへこむ凹状の態様としてもよい。
プレート22は、図5に示すように、その中央にプレート22の表裏を貫通する軸心方向の孔22aを備えている。孔22aはバルブシート21の弁孔21aに接続され、チェックバルブ20の開弁時に、弁孔21aと孔22aとで、圧力室18とリザーバ室27とを連通する。
また、プレート22は、その外周22bの一部に切欠き22cを備えている。切欠き22cを設けた部分はプランジャ10の内周に当接せず、その切欠き22cとプランジャ10との間に隙間が介在する。切欠き22cはプレート22の表裏方向全長に形成されているので、プランジャ10の内周との間の隙間も、プレート22の表裏方向全長に設定される。また、切欠き22c以外の外周22bは、プランジャ10の内周に当接する。
図5の切欠き22cは、プレート22の軸心周りの円の接線方向へ伸びる平面状の外面となっているが、切欠き22cの形状は自由に設定できる。例えば、切欠き22cを、内径方向にへこむ凹状の態様としてもよい。
プレート22のバルブシート21側へ向く他端側の端面22eには、螺旋状の溝23が形成されている。螺旋状の溝23はバルブシート21側が開放された溝である。その溝内の空間が、軸方向へ対向するバルブシート21の一端側の端面21eによって閉じられて、外径側端の入口23aと内径側端の出口23bのみが開口した螺旋状のオリフィス通路を構成する。螺旋状の溝23の入口23aは、螺旋の最も外径部で切欠き22cに臨んでいる。螺旋状の溝23の出口23bは、螺旋の最も小径部で孔22aに臨んでいる。バルブシート21の切欠き21cと、プレート22の切欠き22cとは、軸周り方向に重複した方位に配置される。
次に、この発明のチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ10がシリンダ9内への押し込み方向へ移動し、チェーン6の緊張を吸収する。プランジャ10の移動に応じて圧力室18の容積が縮小するので、圧力室18の圧力がプランジャ10の内部のリザーバ室27の圧力より高くなり、チェックバルブ20は閉じる。そして、圧力室18から第1リーク隙間19を通ってオイル供給空間28にオイルが流れる。このとき、第1リーク隙間19を流れるオイルの粘性抵抗によってダンパ力が発生し、プランジャ10はゆっくりと移動する。また、オイル供給空間28から連通路30を通ってリザーバ室27へオイルが流入する。
また、このとき、圧力室18の圧力がリザーバ室27の圧力より高くなっていることから、圧力室18内のオイルは、バルブシート21の切欠き21c、プレート22の切欠き22c、及び、オリフィス通路Aを通ってリザーバ室27へ流入する。
第1リーク隙間19、オイル供給空間28、連通路30を通る経路に加えて、バルブシート21の切欠き21cやオリフィス通路Aを通る経路を通じて、圧力室18内のオイルがリザーバ室27へ戻るので、その両方の経路を通じて戻ったオイルの分、第2リーク隙間29からシリンダ9の外部に流出するオイルの量が抑えられる。
このとき、第1リーク隙間19によって圧力室18から流出するオイルの量(例えば、単位時間当たりのオイルの流出量)よりも、オリフィス通路Aによって圧力室18から流出するオイルの量(同上)の方が大きくなるように設定されていれば、第2リーク隙間29からシリンダ9の外部に流出するオイルの量を、さらに少量に抑えることができる。
一方、エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなると、リターンスプリング33の付勢力によって、プランジャ10が突出方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、プランジャ10の移動に応じて圧力室18の容積が拡大するので、圧力室18の圧力がリザーバ室27の圧力より低くなり、チェックバルブ20が開く。そして、チェックバルブ20の弁孔21aを通じてリザーバ室27から圧力室18にオイルが流入するので、プランジャ10は速やかに移動する。このとき、オイルポンプの圧力によって、シリンダ9の外側から、給油通路31、オイル供給空間28、連通路30を通じて、リザーバ室27へオイルが導入される。このため、リザーバ室27内の圧力低下が生じにくく、チェーン6の弛みに対する追従性に優れている。
また、このチェーンテンショナ1は、プランジャ10の内部に、チェックバルブ20の弁孔21aの径よりも大径のリザーバ室27が形成されているので、プランジャ10の内部に貯留するオイルの量を多く確保することができる。このため、エンジン始動直後で、エンジンからチェーンテンショナ1へのオイルの供給が無い状態においても、プランジャ10の内部に貯留されたオイルを用いてダンパ力を発生することができる。
この第一の実施形態では、オリフィス通路Aを構成する螺旋状の溝23を、バルブシート21とプランジャ10の端面10aとの間に配置した部材であるオリフィス用のプレート22に形成したので、バルブシート21自体は、従前のものをそのまま変更せずに使用することも可能である。あるいは、プレート22の介在によって、バルブシート21の軸方向厚さを従前よりも薄くする場合であっても、螺旋状の溝23は、複雑な形状を成すバルブシート21とは別体の部材であるプレート22に形成されるので、その加工が容易である。
この発明の第二の実施形態として、オリフィス通路Aの構成が異なる以下の形態を採用することができる。
第二の実施形態は、バルブシート21とプランジャ10との間に配置したプレート22の一端側の端面22fに、オリフィス通路Aを構成する螺旋状の溝23を形成したものである。また、そのプレート22とプランジャ10の端面10aとの間に、板状部材からなるシムが配置されている。プレート22は、図5に示す第一の実施形態と同一の部材で構成され、螺旋状の溝23が形成された側の面が、第一の実施形態とは反対側(プランジャ10側)に向けて配置される点で相違する。
螺旋状の溝23はシム側が開放された溝である。その溝内の空間が、軸方向へ対向するシムの他端側の端面によって閉じられて、螺旋状に連続するオリフィス通路Aを構成する。シムはその中央に孔を有しており、切欠き21c、切欠き22c及びオリフィス通路Aを通って螺旋状の溝23の出口23bから出たオイルは、プレート22の孔22a、シムの孔を通じてリザーバ室27へ流入する。
シムは、板状部材であればよく、例えば、金属製のワッシャである。シムは、プレート22の他端側の端面22fとプランジャ10の端面10aとの間に挟まれて固定される。
図6及び図7に、この発明の第三の実施形態を示す。第三の実施形態は、チェックバルブ20のバルブシート21の一端側の端面21eに螺旋状の溝23を形成したものである。また、そのバルブシート21とプランジャ10の端面10aとの間に、板状部材からなるシム24が配置されている。シム24は、第二の実施形態のシムと同様の部材を採用できる。
螺旋状の溝23はプランジャ10側が開放された溝である。その溝内の空間が、軸方向へ対向するシム24の他端側の端面24bによって閉じられて、外径側端の入口23aと内径側端の出口23bのみが開口した螺旋状のオリフィス通路Aを構成する。螺旋状の溝23の入口23aは、螺旋の最も外径部で切欠き21cに臨んでいる。螺旋状の溝23の出口23bは、螺旋の最も小径部で弁孔21aに臨んでいる。切欠き21c及びオリフィス通路Aを通って螺旋状の溝23の出口23bから出たオイルは、バルブシート21の弁孔21aを通じてリザーバ室27へ流入する。
図8に、この発明の第四の実施形態を示す。第四の実施形態は、第三の実施形態と同様に、チェックバルブ20のバルブシート21の一端側の端面21eに螺旋状の溝23を形成したものである。この螺旋状の溝23とプランジャ10の端面10aとの間でオリフィス通路Aを構成する。バルブシート21は、図7に示す第三の実施形態と同一の部材を採用することができる。
螺旋状の溝23はプランジャ10側が開放された溝である。その溝内の空間が、軸方向へ対向するプランジャ10の他端側へ向く端面10aによって閉じられて、外径側端の入口23aと内径側端の出口23bのみが開口した螺旋状のオリフィス通路Aを構成する。螺旋状の溝23の入口23a(図7参照)は、螺旋の最も外径部で切欠き21cに臨んでいる。螺旋状の溝23の出口23bは、螺旋の最も小径部で弁孔21aに臨んでいる。切欠き21c及びオリフィス通路Aを通って螺旋状の溝23の出口23bから出たオイルは、バルブシート21の弁孔21aを通じてリザーバ室27へ流入する。
第四の実施形態では、バルブシート21とプランジャ10との間に、プレート22やシム24等の他の部材を介在させていないので、部品点数が少なく、コストの低減が可能である。
また、第四の実施形態では、図8に示すように、リザーバ室27が他の実施形態と比較して小径で、且つ、軸方向への全長も短くなっている。このようにリザーバ室27の容量は、チェーンテンショナ1の仕様に応じて自由に設定できる。
また、上記の各実施形態では、連通路30や給油通路31は、オイル供給空間28の一端側の端部に配置されている。ただし、連通路30や給油通路31の位置はチェーンテンショナ1の仕様に応じて自由に設定でき、例えば、連通路30や給油通路31を、オイル供給空間28の他端側の端部や軸方向中央部等に位置させてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 チェーンテンショナ
9 シリンダ
10 プランジャ
10a 端面
18 圧力室
20 チェックバルブ
21 バルブシート
21a 弁孔
21c 切欠き
21e 一端側の端面
22 プレート
22e 他端側の端面
23 螺旋状の溝
24b 他端側の端面
25 弁体(チェックボール)
28 オイル供給空間
30 連通路
31 給油通路
33 リターンスプリング
35 段部
A オリフィス通路

Claims (7)

  1. 一端が開口し他端が閉じた筒状のシリンダ(9)と、
    前記シリンダ(9)の内周で軸方向に摺動可能に支持され前記シリンダ(9)内への挿入端が開口し前記シリンダ(9)からの突出端が閉塞した筒状のプランジャ(10)と、
    前記プランジャ(10)を前記シリンダ(9)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(33)と、
    前記プランジャ(10)の軸方向移動に伴って容積が変化するように前記シリンダ(9)内に形成された圧力室(18)と、
    前記プランジャ(10)の下端部に設けられたバルブシート(21)と、前記バルブシート(21)の弁孔(21a)を開閉する弁体(25)とを有し、前記プランジャ(10)の内部から前記圧力室(18)へのオイルの流れのみを許容するチェックバルブ(20)と、
    前記プランジャ(10)の外周と前記シリンダ(9)の内周の間に形成され、前記圧力室(18)の容積が縮小するときに前記圧力室(18)からオイルをリークさせるリーク隙間と、
    前記シリンダ(9)の外側から内側へオイルを導入する給油通路(31)と、
    前記リーク隙間と前記プランジャ(10)の内部とを連通する連通路(30)と、
    を備え、
    前記バルブシート(21)の外周に切欠き(21c)が形成され、前記バルブシート(21)又は前記バルブシート(21)と前記プランジャ(10)との間に配置された部材にオリフィス通路(A)を構成する螺旋状の溝(23)が形成されていて、
    前記圧力室(18)の圧力が前記プランジャ(10)の内部の圧力より高くなった際に、前記圧力室(18)内のオイルが前記切欠き(21c)及び前記オリフィス通路を通って前記プランジャ(10)の内部に流入するチェーンテンショナ。
  2. 前記バルブシート(21)と前記プランジャ(10)との間に配置される前記部材はプレート(22)であり、
    前記螺旋状の溝(23)は前記プレート(22)の前記他端側の端面(22e)に形成され、前記螺旋状の溝(23)と前記バルブシート(21)の前記一端側の端面(21e)との間で前記オリフィス通路(A)を構成する請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記螺旋状の溝(23)は前記バルブシート(21)の前記一端側の端面(21e)に形成されていて、前記螺旋状の溝(23)と前記バルブシート(21)と前記プランジャ(10)との間に配置される部材の前記他端側の端面(24b)との間で前記オリフィス通路(A)を構成する請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記螺旋状の溝(23)は前記バルブシート(21)の前記一端側の端面(21e)に形成され、前記螺旋状の溝(23)と前記プランジャ(10)の端面(10a)との間で前記オリフィス通路(A)を構成する請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記リーク隙間によって前記圧力室(18)から流出するオイルの量よりも、前記オリフィス通路(A)によって前記圧力室(18)から流出するオイルの量の方が大きくなるように設定されている請求項1から4のいずれか一つに記載のチェーンテンショナ。
  6. 前記プランジャ(10)の外周と前記シリンダ(9)の内周の間に前記リーク隙間に連通するオイル供給空間(28)が形成されている請求項1から5のいずれか一つに記載のチェーンテンショナ。
  7. 前記オイル供給空間(28)は前記プランジャ(10)の外周全周に形成され、前記オ
    イル供給空間(28)の前記他端側の端部に前記リーク隙間に接続される段部(35)が形成されている請求項6に記載のチェーンテンショナ。
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