JP2022138974A - チェーンテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】チェックバルブの位置にリリーフバルブを有し、部品点数が少ないチェーンテンショナを提供する。【解決手段】チェックバルブ13のバルブシート部材26は、リリーフ隙間31をおいてプランジャ10内を軸方向に移動可能に設けられ、プランジャ10内には、リリーフスプリング30が組み込まれ、プランジャ10の内周には、バルブシート部材26を接触支持する段差状のリリーフシート部32が設けられ、バルブシート部材26とリリーフシート部32とリリーフスプリング30は、リリーフバルブを構成している。【選択図】図2

Description

この発明は、チェーンの張力保持に用いられるチェーンテンショナに関する。
自動車等のエンジンに使用されるチェーン伝動装置として、例えば、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するものや、クランクシャフトの回転をオイルポンプやウォーターポンプやスーパーチャージャー等の補機に伝達するものや、クランクシャフトの回転をバランサシャフトに伝達するものや、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するものなどがある。これらのチェーン伝動装置のチェーンの張力を適正範囲に保つために、チェーンテンショナが使用される。
このような用途に使用されるチェーンテンショナとして、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1のチェーンテンショナは、軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とする筒状のシリンダと、シリンダに軸方向に摺動可能に挿入され、シリンダ内への挿入端が開口し、シリンダからの突出端が閉塞した筒状のプランジャと、プランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、シリンダとプランジャとで囲まれる領域をシリンダの側のリザーバ室とプランジャの側の圧力室とに区画するようにプランジャに組み込まれたチェックバルブとを有する。
また、プランジャの外周とシリンダの内周との間には、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向に移動するときに圧力室からオイルをリークさせるリーク隙間と、リーク隙間を通って圧力室からリークしたオイルを受け入れる拡大隙間とが形成されている。拡大隙間は、リーク隙間よりも大きい径方向寸法をもつ隙間である。
さらに、シリンダには、シリンダの外側のエンジンブロックの油孔から供給されるオイルを、プランジャの外周とシリンダの内周の拡大隙間に導入するように、シリンダの内周に開口するシリンダ側油路が形成されている。また、プランジャには、拡大隙間からリザーバ室にオイルを導入するように、プランジャを径方向に貫通するプランジャ側油路が形成されている。
この特許文献1のチェーンテンショナは、エンジン作動中にチェーンの張力が大きくなると、そのチェーンの張力によって、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向(以下、「押し込み方向」という)に移動し、チェーンの緊張を吸収する。このとき、圧力室からリーク隙間を通って流出するオイルの粘性抵抗によってダンパ力が発生するので、プランジャはゆっくりと移動する。
一方、エンジン作動中にチェーンの張力が小さくなると、リターンスプリングの付勢力によって、プランジャがシリンダから突出する方向(以下、「突出方向」という)に移動し、チェーンの弛みを吸収する。このとき、チェックバルブが開き、リザーバ室から圧力室内にオイルが流入するので、プランジャは速やかに移動する。
ここで、プランジャが押し込み方向に移動して圧力室の容積が縮小するとき、圧力室からリークしたオイルは、拡大隙間に流入する。そして、拡大隙間のオイルは、再びプランジャ側油路を通じてプランジャ内のリザーバ室に戻って再利用される。そのため、このチェーンテンショナは、オイル消費量を抑制することが可能となっている。
さらに、特許文献1のチェーンテンショナは、プランジャ内のチェックバルブの位置に、圧力室の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに圧力室からリザーバ室にオイルを逃がすリリーフバルブが設けられている。このリリーフバルブを設けると、エンジンの高回転域において、リーク隙間によるダンパ力が過大となるのを防ぐことが可能となる。
特開2017-89749号公報
ところで、特許文献1のチェーンテンショナは部品点数が多い。すなわち、特許文献1のチェーンテンショナにおいて、リリーフバルブは、チェックバルブのバルブシート部材(圧力室とリザーバ室の間を連通する弁孔が形成され、その弁孔の圧力室側の端部が球状の弁体で開閉される部材)と、このバルブシート部材をスライド可能に支持するリリーフスリーブと、バルブシート部材を押圧するリリーフスプリングと、リリーフスプリングを支持する押圧バネ押さえと、リリーフスプリングの付勢力に抗してバルブシート部材を接触支持するリリーフバルブシート部とを、それぞれプランジャとは別体の部品として有する。そのため、チェーンテンショナの部品点数が多い。
また、特許文献1のチェーンテンショナは、リリーフバルブの組み立て性も悪い。すなわち、特許文献1のチェーンテンショナにおいて、リリーフバルブをプランジャ内に組み付けるに際しては、リリーフスリーブをプランジャ内に圧入するともに、リリーフバルブシート部もプランジャ内に圧入する必要がある。しかし、プランジャ内に2つの部品を順に圧入して、その2つの部品を位置決めするのは難しい。
この発明が解決しようとする課題は、チェックバルブの位置にリリーフバルブを有し、部品点数が少ないチェーンテンショナを提供することである。
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成のチェーンテンショナを提供する。
軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とする筒状のシリンダと、
前記シリンダに軸方向に摺動可能に挿入され、前記シリンダ内への挿入端が開口し、前記シリンダからの突出端が閉塞した筒状のプランジャと、
前記プランジャを前記シリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、
前記シリンダと前記プランジャとで囲まれる領域を、前記シリンダの側の圧力室と前記プランジャの側のリザーバ室とに区画するように前記プランジャに組み込まれ、前記リザーバ室の側から前記圧力室の側へのオイルの流れのみを許容するチェックバルブと、
前記プランジャの外周と前記シリンダの内周との間に形成され、前記プランジャが前記シリンダ内に押し込まれる方向に移動するときに前記圧力室からオイルをリークさせるリーク隙間と、
前記リーク隙間を通って前記圧力室からリークしたオイルを受け入れるように前記プランジャの外周と前記シリンダの内周との間に形成され、前記リーク隙間よりも大きい径方向寸法をもつ拡大隙間と、
前記シリンダの内周に開口し、前記シリンダの外側から供給されるオイルを前記拡大隙間に導入するシリンダ側油路と、
前記プランジャを径方向に貫通して形成され、前記拡大隙間から前記リザーバ室にオイルを導入するプランジャ側油路と、を有し、
前記チェックバルブは、前記圧力室と前記リザーバ室の間を連通する弁孔が形成されたバルブシート部材と、前記弁孔の圧力室の側の端部を開閉する弁体とを有するチェーンテンショナにおいて、
前記バルブシート部材は、前記バルブシート部材の外周と前記プランジャの内周との間にオイルの通過を許容するリリーフ隙間をおいて前記プランジャ内を軸方向に移動可能に設けられ、
前記プランジャ内には、一端が前記プランジャの前記シリンダからの突出端で支持され、他端が前記バルブシート部材を押圧することで、前記バルブシート部材を前記プランジャの前記シリンダ内への挿入端に向かう方向に付勢するリリーフスプリングが組み込まれ、
前記プランジャの内周には、前記リリーフスプリングの付勢力に抗して前記バルブシート部材を接触支持する段差状のリリーフシート部が設けられ、
前記バルブシート部材と前記リリーフシート部と前記リリーフスプリングは、前記圧力室の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに前記圧力室から前記リザーバ室にオイルを逃がすリリーフバルブを構成していることを特徴とするチェーンテンショナ。
このようにすると、プランジャのシリンダからの突出端を利用してリリーフスプリングを支持するので、プランジャの内部に、リリーフスプリングを支持する部材を設ける必要がなく、部品点数を抑えることが可能である。
前記バルブシート部材は、前記リリーフ隙間をおいて前記プランジャの内周で軸方向に移動可能に案内される円柱部と、前記円柱部の軸方向の端部外周に形成され、前記リリーフシート部に接触支持される環状の外周凸部とを有する構成を採用すると好ましい。
このようにすると、バルブシート部材の円柱部がプランジャの内周で案内されるので、圧力室の圧力に応じてバルブシート部材が軸方向に移動するときのバルブシート部材の姿勢を安定させることができる。
前記外周凸部の前記リリーフシート部に対する接触面と、前記リリーフシート部の前記外周凸部に対する接触面とを、テーパ状に形成すると好ましい。
このようにすると、バルブシート部材の外周凸部とリリーフシート部とが、テーパ状の面同士で接触するので、バルブシート部材の中心とリリーフシート部の中心とが一致しやすくなり、バルブシート部材がリリーフシート部に接触したときのバルブシート部材の姿勢を安定させることができる。
前記プランジャは、前記シリンダ内への挿入端が開口し、前記シリンダからの突出端が閉塞した筒状のプランジャ本体と、前記プランジャ本体の前記シリンダ内への挿入端に圧入された筒状の圧入部品とからなるものを採用し、前記圧入部品に前記リリーフシート部を形成すると好ましい。
このようにすると、プランジャ本体のシリンダ内への挿入端の側からプランジャ本体にリリーフスプリングとバルブシート部材を順に挿入した後、プランジャ本体のシリンダ内への挿入端に圧入部品を圧入することで、容易にリリーフバルブの組み付けを行なうことができる。
この場合、プランジャ本体の内周に、バルブシート部材がプランジャのシリンダ内からの突出端に向かう方向に移動したときにバルブシート部材を受け止めることでバルブシート部材の移動範囲を規制する段差部を形成すると好ましい。
このようにすると、バルブシート部材の移動範囲が段差部によって規制されるので、圧力室の圧力上昇によりバルブシート部材がリリーフシート部から離反したときに、バルブシート部材が大きく移動しすぎてバルブシート部材の姿勢が不安定となるのを防ぐことができる。
この場合、前記バルブシート部材には、前記段差部との接触面を横切って延びるオイル溝を形成すると好ましい。
このようにすると、バルブシート部材が大きく移動して段差部に接触したときに、バルブシート部材の段差部との接触面に形成されたオイル溝を介して、圧力室からリザーバ室にオイルを逃がすことが可能となる。
また、前記段差部に、前記バルブシート部材との接触面を横切って延びるオイル溝を形成するようにしてもよい。
このようにすると、バルブシート部材が大きく移動して段差部に接触したときに、段差部のバルブシート部材との接触面に形成されたオイル溝を介して、圧力室からリザーバ室にオイルを逃がすことが可能となる。
前記リターンスプリングは、第1の圧縮コイルばねと、前記第1の圧縮コイルばねの内側に同軸に配置された第2の圧縮コイルばねとからなり、
前記圧入部品は、前記プランジャ本体の内周に圧入される円筒部と、前記円筒部と継ぎ目の無い一体に形成され、前記円筒部の一端から径方向外方および径方向内方に延びるフランジ部とを有し、
前記フランジ部には、前記第1の圧縮コイルばねおよび前記第2の圧縮コイルばねを受ける座面が形成されている構成を採用することができる。
このようにすると、リリーフバルブの開弁圧を変えずにリターンスプリングの付勢力を強化し、プランジャのチェーンに対する追従性を向上させることが可能となる。
前記リターンスプリングは、第1の圧縮コイルばねと、前記第1の圧縮コイルばねの内側に同軸に配置された第2の圧縮コイルばねとからなり、
前記プランジャ本体の前記シリンダ内への挿入端と、前記第1の圧縮コイルばねおよび前記第2の圧縮コイルばねとの間に、前記圧入部品の内径よりも小さい内径を有する円環状のワッシャが挟んで設けられ、
前記ワッシャには、前記第1の圧縮コイルばねおよび前記第2の圧縮コイルばねを受ける座面が形成されている構成を採用することができる。
このようにすると、リリーフバルブの開弁圧を変えずにリターンスプリングの付勢力を強化し、プランジャのチェーンに対する追従性を向上させることが可能となる。
前記プランジャは、両端が開口した筒状のプランジャ本体と、前記プランジャ本体の前記シリンダからの突出端に圧入された圧入部品とからなるものを採用し、前記圧入部品で前記プランジャの前記シリンダからの突出端を形成すると好ましい。
このようにすると、プランジャ本体のシリンダからの突出端の側からプランジャ本体にバルブシート部材とリリーフスプリングを順に挿入した後、プランジャ本体のシリンダからの突出端に圧入部品を圧入することで、容易にリリーフバルブの組み付けを行なうことができる。
前記リターンスプリングは、第1の圧縮コイルばねと、前記第1の圧縮コイルばねの内側に同軸に配置された第2の圧縮コイルばねとからなり、
前記プランジャ本体には、前記プランジャ本体の前記シリンダ内への挿入端から径方向内方に延びる内向きフランジ部が継ぎ目のない一体に形成され、
前記プランジャ本体の前記シリンダ内への挿入端および前記内向きフランジ部には、前記第1の圧縮コイルばねおよび前記第2の圧縮コイルばねを受ける座面が形成されている構成を採用することができる。
このようにすると、リリーフバルブの開弁圧を変えずにリターンスプリングの付勢力を強化し、プランジャのチェーンに対する追従性を向上させることが可能となる。
この発明のチェーンテンショナは、プランジャのシリンダからの突出端を利用してリリーフスプリングを支持しているので、プランジャの内部に、リリーフスプリングを支持する部材を設ける必要がなく、部品点数を抑えることが可能である。
この発明の第1実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す図 図1のチェーンテンショナ近傍の拡大断面図 図2のバルブシート部材の近傍の拡大断面図 図3に示すバルブシート部材がリリーフシート部から離反した状態を示す図 図2のバルブシート部材のリリーフシート部に対する接触面にオイル溝を形成した変形例を示す図 図5のVI-VI線に沿った断面図 図2のリリーフシート部のバルブシート部材に対する接触面にオイル溝を形成した変形例を示す図 図7のVIII-VIII線に沿った断面図 図2のリターンスプリングおよび圧入部品の変形例を示す図 図2のバルブシート部材およびリテーナの変形例を示す図 図10の変形例にワッシャを追加するとともに、2重の圧縮コイルばねをリターンスプリングに採用した変形例を示す図 この発明の第2実施形態のチェーンテンショナを図2に対応して示す図 図12のプランジャ本体に内向きフランジ部を形成するとともに、2重の圧縮コイルばねをリターンスプリングに採用した変形例を示す図
図1に、この発明の第1実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、カムシャフト4に固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されており、そのチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)の開閉を行なう。
エンジンが作動しているときのクランクシャフト2の回転方向は一定(図では右回転)であり、このときチェーン6は、クランクシャフト2の回転に伴ってスプロケット3に引き込まれる側(図の右側)の部分が張り側となり、スプロケット3から送り出される側(図の左側)の部分が弛み側となる。そして、チェーン6の弛み側の部分には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触している。チェーンテンショナ1は、チェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
図2に示すように、チェーンテンショナ1は、軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とする筒状のシリンダ9と、シリンダ9に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャ10とを有する。プランジャ10のシリンダ9からの突出端はチェーンガイド8を押圧している。
シリンダ9は、アルミ合金で一体成形されている。シリンダ9は、シリンダ9の外周に一体に形成された複数の取り付け片11にボルト12(図1参照)を締め込むことによって、エンジンブロック(図示せず)に固定されている。
プランジャ10は、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端が開口し、プランジャ10のシリンダ9からの突出端が閉塞した筒状に形成されている。この実施形態では、プランジャ10は、シリンダ9内への挿入端が開口し、シリンダ9からの突出端が閉塞した筒状のプランジャ本体10Aと、プランジャ本体10Aのシリンダ9内への挿入端に圧入された筒状の圧入部品10Bとからなる。プランジャ本体10Aの材質は、金属(例えば、SCMやSCr等の鋼材)である。圧入部品10Bの材質は、金属または樹脂である。
プランジャ10のシリンダ9内への挿入側の端部には、チェックバルブ13が組み込まれている。チェックバルブ13は、シリンダ9とプランジャ10とで囲まれる領域を、シリンダ9の閉塞端の側の圧力室14とプランジャ10のシリンダ9からの突出端の側のリザーバ室15とに区画している。ここで、圧力室14の容積は、プランジャ10がシリンダ9から突出する方向に軸方向移動するときは拡大し、プランジャ10がシリンダ9に押し込まれる方向に軸方向移動するときは縮小する。一方、リザーバ室15の容積は、プランジャ10が軸方向移動しても変化せず、一定である。
プランジャ本体10Aの外周には、シリンダ9の内周に軸方向に摺動可能に嵌合する嵌合円筒面16が形成されている。嵌合円筒面16は、軸方向に沿って外径が変化せず一定の円筒面である。シリンダ9の内周も、軸方向に沿って内径が変化せず一定の円筒面とされている。嵌合円筒面16とシリンダ9の内周との間には、プランジャ10がシリンダ9内に押し込まれる方向に移動するときに圧力室14からオイルをリークさせるリーク隙間17が形成されている。リーク隙間17は、半径方向の幅が0.010~0.050mmの範囲に設定された円筒状の微小隙間である。
また、プランジャ本体10Aの外周には、嵌合円筒面16に対して、プランジャ10のシリンダ9からの突出端に近い側(図では右側)に、嵌合円筒面16の外径よりも小さい外径をもつ小径外径面18が形成されている。そして、小径外径面18とシリンダ9の内周との間には、リーク隙間17よりも大きい径方向寸法をもつ拡大隙間19が形成されている。拡大隙間19の軸方向長さは、チェーン6(図1参照)の経時延びに対するプランジャ10の移動ストロークよりも長く設定され、例えば10mm以上に設定される。拡大隙間19は、リーク隙間17を通って圧力室14からリークしたオイルを受け入れるようにリーク隙間17と軸方向に隣接して形成されている。
また、プランジャ本体10Aの外周には、小径外径面18に対して、プランジャ10のシリンダ9からの突出端に近い側(図では右側)に、シリンダ9の内周に軸方向に摺動可能に嵌合する第2嵌合円筒面20が形成されている。第2嵌合円筒面20は、嵌合円筒面16と同じ外径寸法をもつ円筒面である。
シリンダ9には、シリンダ9の外側の図示しないオイルポンプから供給されるオイルを拡大隙間19に導入するシリンダ側油路21が形成されている。シリンダ側油路21は、シリンダ9の内周のうち、プランジャ本体10Aの外周の小径外径面18と径方向に対向する部分に開口している。
プランジャ本体10Aには、拡大隙間19からリザーバ室15にオイルを導入するプランジャ側油路23が形成されている。プランジャ側油路23は、プランジャ本体10Aを径方向に貫通して形成された孔である。プランジャ側油路23のプランジャ本体10Aの外周の側の端部は、小径外径面18に開口している。
圧力室14には、リターンスプリング24が組み込まれている。リターンスプリング24は、金属製の線材を螺旋状に巻回した圧縮コイルばねである。リターンスプリング24は、一端がシリンダ9の閉塞端で支持され、他端がプランジャ10のシリンダ9内への挿入端を軸方向に押圧し、その押圧によって、プランジャ10をシリンダ9から突出する方向に付勢している。
図3に示すように、チェックバルブ13は、圧力室14とリザーバ室15の間を連通する弁孔25が形成されたバルブシート部材26と、弁孔25の圧力室14の側の端部を開閉する球状の弁体27とを有する。バルブシート部材26には、弁体27の移動範囲を制限するリテーナ28が取り付けられている。リテーナ28と弁体27の間には、弁体27を開弁位置から閉弁位置に向けて付勢するチェックスプリング29が組み込まれている。チェックバルブ13は、圧力室14の側からリザーバ室15の側へのオイルの流れを制限し、リザーバ室15の側から圧力室14の側へのオイルの流れのみを許容する。
図2に示すように、プランジャ10内には、リリーフスプリング30が組み込まれている。リリーフスプリング30は、金属製の線材を螺旋状に巻回した圧縮コイルばねである。リリーフスプリング30の一端は、プランジャ10のシリンダ9からの突出端で支持され、リリーフスプリング30の他端は、バルブシート部材26を軸方向に押圧している。
リリーフスプリング30の外周は、プランジャ10の内周に直接嵌合している。リリーフスプリング30の軸方向長さは、プランジャ10の軸方向長さの半分よりも長い。バルブシート部材26は、このリリーフスプリング30の押圧によって、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端に向かう方向に付勢されている。
図3、図4に示すように、バルブシート部材26は、バルブシート部材26の外周とプランジャ10(この実施形態で圧入部品10B)の内周との間にオイルの通過を許容するリリーフ隙間31をおいて、プランジャ10内を軸方向に移動可能に設けられている。プランジャ10の内周には、リリーフスプリング30の付勢力に抗してバルブシート部材26を接触支持する段差状のリリーフシート部32が設けられている。リリーフシート部32は、圧入部品10Bに形成されている。
バルブシート部材26とリリーフシート部32とリリーフスプリング30は、圧力室14の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに圧力室14からリザーバ室15にオイルを逃がすリリーフバルブを構成している。
圧入部品10Bは、プランジャ本体10Aの内周に圧入される円筒部33と、円筒部33の一端から径方向外方に延びるフランジ部34とを有する。フランジ部34は、プランジャ本体10Aのシリンダ9内への挿入端と軸方向に当接している。
バルブシート部材26は、リリーフ隙間31をおいてプランジャ10(この実施形態で圧入部品10Bの円筒部33)の内周で軸方向に移動可能に案内される円柱部35と、円柱部35の軸方向の端部外周に形成され、リリーフシート部32に接触支持される外周凸部36とを有する。
図3に示すように、外周凸部36のリリーフシート部32に対する接触面は、リリーフスプリング30の押圧方向に沿って次第に小径となる凹テーパ状に形成されている。また、リリーフシート部32の外周凸部36に対する接触面も、リリーフスプリング30の押圧方向に沿って次第に小径となる凸テーパ状に形成されている。
プランジャ本体10Aの内周には、リリーフシート部32に対して、プランジャ10のシリンダ9内からの突出端に近い側(図では右側)に段差部37が形成されている。段差部37は、バルブシート部材26がプランジャ10のシリンダ9内からの突出端に向かう方向(図では右方向)に移動したときにバルブシート部材26を受け止めることでバルブシート部材26の移動範囲を規制する(図5参照)。
次に、このチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
エンジン作動中に、図1に示すチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ10がシリンダ9内に押し込まれる方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、図2に示す圧力室14の圧力がリザーバ室15の圧力よりも高くなるので、チェックバルブ13は閉じた状態となる。また、プランジャ10の移動に応じて圧力室14の容積が縮小するので、その縮小した容積の分、圧力室14からリーク隙間17を通ってオイルがリークし、このときリーク隙間17を流れるオイルの粘性抵抗でダンパ力が発生し、そのダンパ力によってチェーン6のばたつきが防止される。ここで、プランジャ10が押し込み方向に移動して圧力室14の容積が縮小するとき、圧力室14からリークしたオイルは、拡大隙間19に流入する。そして、拡大隙間19のオイルは、再びプランジャ側油路23を通じてプランジャ10内のリザーバ室15に戻って再利用される。
一方、エンジン作動中に、図1に示すチェーン6の張力が小さくなると、図2に示すリターンスプリング24の付勢力と圧力室14の油圧とによって、プランジャ10が突出方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、プランジャ10の移動に応じて圧力室14の容積が拡大するので、圧力室14の圧力がリザーバ室15の圧力よりも低くなり、チェックバルブ13が開く。そして、リザーバ室15からチェックバルブ13を通って圧力室14にオイルが流入し、プランジャ10が速やかに移動する。このとき、シリンダ9の外部からシリンダ側油路21、拡大隙間19、プランジャ側油路23を順に通ってリザーバ室15にオイルが導入される。
エンジンが高回転域で作動するとき、チェーン6からプランジャ10に高周波の加振力が作用し続けるため、リーク隙間17を流れるオイルにより発生するダンパ力は、過大となる傾向がある。このとき、圧力室14の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなると、図4に示すように、圧力室14の圧力によってバルブシート部材26がリリーフシート部32から離反し、リリーフ隙間31とバルブシート部材26とリリーフシート部32の間の隙間とを順に通って圧力室14のオイルがリザーバ室15に逃がされる。そのため、圧力室14の圧力上昇が抑えられ、ダンパ力が過大となるのを防ぐことができる。
このチェーンテンショナ1は、プランジャ10のシリンダ9からの突出端を利用してリリーフスプリング30を支持しているので、プランジャ10の内部に、リリーフスプリング30を支持する部材を設ける必要がなく、部品点数を抑えることが可能である。
また、このチェーンテンショナ1は、リリーフスプリング30を構成する圧縮コイルばねのコイル径が大きく、かつその軸方向長さが長いので、リリーフスプリング30からバルブシート部材26に付与される押圧力が著しく安定したものとなり、リリーフバルブの開弁圧のばらつきが無く、リリーフバルブの安定した動作を確保することが可能である。
また、このチェーンテンショナ1は、プランジャ10の内周で軸方向に移動可能に案内される円柱部35と、リリーフシート部32に接触支持される外周凸部36とからなるバルブシート部材26を採用しているので、圧力室14の圧力に応じてバルブシート部材26が軸方向に移動するときのバルブシート部材26の姿勢が安定している。
また、このチェーンテンショナ1は、バルブシート部材26の外周凸部36とリリーフシート部32とが、テーパ状の面同士で接触するので、バルブシート部材26の中心とリリーフシート部32の中心とが一致しやすく、バルブシート部材26がリリーフシート部32に接触したときのバルブシート部材26の姿勢が安定している。
また、このチェーンテンショナ1は、プランジャ本体10Aと、プランジャ本体10Aのシリンダ9内への挿入端に圧入された筒状の圧入部品10Bとからなるプランジャ10を採用しているので、プランジャ本体10Aのシリンダ9内への挿入端の側からプランジャ本体10Aにリリーフスプリング30とバルブシート部材26を順に挿入した後、プランジャ本体10Aのシリンダ9内への挿入端に圧入部品10Bを圧入することで、容易にリリーフバルブの組み付けを行なうことが可能となっている。また、リリーフバルブの組み付けに際し、圧入が必要となる部品(圧入部品10B)が1つで済む。
また、このチェーンテンショナ1は、プランジャ本体10Aの内周に、バルブシート部材26の移動範囲を規制する段差部37を形成しているので、圧力室14の圧力上昇によりバルブシート部材26がリリーフシート部32から離反したときに、バルブシート部材26が大きく移動しすぎてバルブシート部材26の姿勢が不安定となるのを防ぐことが可能である。
図5、図6に示すように、バルブシート部材26の段差部37との接触面を横切って延びるオイル溝38を形成すると好ましい。このようにすると、図5に示すように、バルブシート部材26が大きく移動して段差部37に接触したときに、バルブシート部材26の段差部37との接触面に形成されたオイル溝38を介して、圧力室14からリザーバ室15にオイルを逃がすことが可能となる。図において、オイル溝38は、バルブシート部材26の段差部37との接触面を、バルブシート部材26の外周から弁孔25(図6参照)の位置まで半径方向に貫通して延びる複数の溝である。
図7、図8に示すように、プランジャ本体10Aの内周の段差部37のバルブシート部材26との接触面を横切って延びるオイル溝39を形成するようにしてもよい。このようにすると、図7に示すように、バルブシート部材26が大きく移動して段差部37に接触したときに、段差部37のバルブシート部材26との接触面に形成されたオイル溝39を介して、圧力室14からリザーバ室15にオイルを逃がすことが可能となる。
図9に、リターンスプリング24および圧入部品10Bの変形例を示す。図において、リターンスプリング24は、第1の圧縮コイルばね24aと、第1の圧縮コイルばね24aの内側に同軸に配置された第2の圧縮コイルばね24bとで構成されている。第1の圧縮コイルばね24aは、シリンダ9の内周に沿って延びる円筒コイルばねである。第2の圧縮コイルばね24bは、シリンダ9の閉塞端からプランジャ10に向かって縮径する円すいコイルばねである。
圧入部品10Bは、プランジャ本体10Aの内周に圧入される円筒部33と、円筒部33の一端から径方向外方および径方向内方に延びるフランジ部34とを有する。円筒部33とフランジ部34は、継ぎ目の無い一体に形成されている。フランジ部34には、第1の圧縮コイルばね24aおよび第2の圧縮コイルばね24bを受ける座面が形成されている。
この図9の構成を採用すると、リリーフバルブの開弁圧を変えずにリターンスプリング24の付勢力を強化し、プランジャ10のチェーン6に対する追従性を向上させることが可能となる。
図10に、バルブシート部材26およびリテーナ28の変形例を示す。図10において、バルブシート部材26の圧力室14の側の面には、弁孔25を囲む環状突起40が形成されている。リテーナ28は、環状突起40の外周に嵌合することで、バルブシート部材26に固定されている。
図11に、図10にワッシャを追加するとともに、2重の圧縮コイルばねをリターンスプリングに用いた変形例を示す。図11において、リターンスプリング24は、図9に示す変形例と同様、第1の圧縮コイルばね24aと、第1の圧縮コイルばね24aの内側に同軸に配置された第2の圧縮コイルばね24bとで構成されている。プランジャ本体10Aのシリンダ9内への挿入端と、第1の圧縮コイルばね24aおよび第2の圧縮コイルばね24bとの間には、圧入部品10Bの内径よりも小さい内径を有する円環状のワッシャ41が挟んで設けられている。ワッシャ41には、第1の圧縮コイルばね24aおよび第2の圧縮コイルばね24bを受ける座面が形成されている。
この図11の構成を採用すると、リリーフバルブの開弁圧を変えずにリターンスプリング24の付勢力を強化し、プランジャ10のチェーン6に対する追従性を向上させることが可能となる。
図12に、この発明の第2実施形態のチェーンテンショナ1を示す。第2実施形態は、第1実施形態と比べて、プランジャ本体と圧入部品の構成のみが異なり、その他の構成は同一である。そのため、第1実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
プランジャ10は、両端が開口した筒状のプランジャ本体10Aと、プランジャ本体10Aのシリンダ9からの突出端に圧入された圧入部品10Cとからなる。プランジャ本体10Aの材質は、金属である。圧入部品10Cの材質は、金属または樹脂である。
バルブシート部材26は、バルブシート部材26の外周とプランジャ本体10Aの内周との間にオイルの通過を許容するリリーフ隙間31をおいて、プランジャ10内を軸方向に移動可能に設けられている。リリーフシート部32は、プランジャ本体10Aの内周に形成されている。
圧入部品10Cは、チェーンガイド8に接触している。また、リリーフスプリング30の一端は、圧入部品10Cで支持されている。圧入部品10Cは、プランジャ本体10Aのシリンダ9からの突出端に圧入して固定される円筒部42と、円筒部42の一端を閉塞する端板部43とを有する。
このチェーンテンショナ1は、プランジャ本体10Aと、プランジャ本体10Aのシリンダ9からの突出端に圧入された圧入部品10Cとからなるプランジャ10を採用しているので、プランジャ本体10Aのシリンダ9からの突出端の側からプランジャ本体10Aにバルブシート部材26とリリーフスプリング30を順に挿入した後、プランジャ本体10Aのシリンダ9からの突出端に圧入部品10Cを圧入することで、容易にリリーフバルブの組み付けを行なうことが可能となっている。また、リリーフバルブの組み付けに際し、圧入が必要となる部品(圧入部品10C)が1つで済む。
図13に、リターンスプリング24およびプランジャ本体10Aの変形例を示す。図において、リターンスプリング24は、図9に示す変形例と同様、第1の圧縮コイルばね24aと、第1の圧縮コイルばね24aの内側に同軸に配置された第2の圧縮コイルばね24bとで構成されている。
プランジャ本体10Aには、プランジャ本体10Aのシリンダ9内への挿入端から径方向内方に延びる内向きフランジ部44が継ぎ目のない一体に形成されている。プランジャ本体10Aのシリンダ9内への挿入端および内向きフランジ部44には、第1の圧縮コイルばね24aおよび第2の圧縮コイルばね24bを受ける座面が形成されている。
この図13の構成を採用すると、リリーフバルブの開弁圧を変えずにリターンスプリング24の付勢力を強化し、プランジャ10のチェーン6に対する追従性を向上させることが可能となる。
上記各実施形態では、チェーンテンショナ1を、クランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達するチェーン伝動装置に組み込んだ例を挙げて説明したが、チェーンテンショナ1は、クランクシャフトの回転をオイルポンプやウォーターポンプやスーパーチャージャー等の補機に伝達するチェーン伝動装置や、クランクシャフトの回転をバランサシャフトに伝達するチェーン伝動装置や、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するチェーン伝動装置に組み込むことも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 チェーンテンショナ
9 シリンダ
10 プランジャ
10A プランジャ本体
10B 圧入部品
10C 圧入部品
13 チェックバルブ
14 圧力室
15 リザーバ室
17 リーク隙間
19 拡大隙間
21 シリンダ側油路
23 プランジャ側油路
24 リターンスプリング
24a 第1の圧縮コイルばね
24b 第2の圧縮コイルばね
25 弁孔
26 バルブシート部材
27 弁体
30 リリーフスプリング
31 リリーフ隙間
32 リリーフシート部
33 円筒部
34 フランジ部
35 円柱部
36 外周凸部
37 段差部
38 オイル溝
39 オイル溝
41 ワッシャ
44 内向きフランジ部

Claims (11)

  1. 軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とする筒状のシリンダ(9)と、
    前記シリンダ(9)に軸方向に摺動可能に挿入され、前記シリンダ(9)内への挿入端が開口し、前記シリンダ(9)からの突出端が閉塞した筒状のプランジャ(10)と、
    前記プランジャ(10)を前記シリンダ(9)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(24)と、
    前記シリンダ(9)と前記プランジャ(10)とで囲まれる領域を、前記シリンダ(9)の側の圧力室(14)と前記プランジャ(10)の側のリザーバ室(15)とに区画するように前記プランジャ(10)に組み込まれ、前記リザーバ室(15)の側から前記圧力室(14)の側へのオイルの流れのみを許容するチェックバルブ(13)と、
    前記プランジャ(10)の外周と前記シリンダ(9)の内周との間に形成され、前記プランジャ(10)が前記シリンダ(9)内に押し込まれる方向に移動するときに前記圧力室(14)からオイルをリークさせるリーク隙間(17)と、
    前記リーク隙間(17)を通って前記圧力室(14)からリークしたオイルを受け入れるように前記プランジャ(10)の外周と前記シリンダ(9)の内周との間に形成され、前記リーク隙間(17)よりも大きい径方向寸法をもつ拡大隙間(19)と、
    前記シリンダ(9)の内周に開口し、前記シリンダ(9)の外側から供給されるオイルを前記拡大隙間(19)に導入するシリンダ側油路(21)と、
    前記プランジャ(10)を径方向に貫通して形成され、前記拡大隙間(19)から前記リザーバ室(15)にオイルを導入するプランジャ側油路(23)と、を有し、
    前記チェックバルブ(13)は、前記圧力室(14)と前記リザーバ室(15)の間を連通する弁孔(25)が形成されたバルブシート部材(26)と、前記弁孔(25)の圧力室(14)の側の端部を開閉する弁体(27)とを有するチェーンテンショナにおいて、
    前記バルブシート部材(26)は、前記バルブシート部材(26)の外周と前記プランジャ(10)の内周との間にオイルの通過を許容するリリーフ隙間(31)をおいて前記プランジャ(10)内を軸方向に移動可能に設けられ、
    前記プランジャ(10)内には、一端が前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)からの突出端で支持され、他端が前記バルブシート部材(26)を押圧することで、前記バルブシート部材(26)を前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)内への挿入端に向かう方向に付勢するリリーフスプリング(30)が組み込まれ、
    前記プランジャ(10)の内周には、前記リリーフスプリング(30)の付勢力に抗して前記バルブシート部材(26)を接触支持する段差状のリリーフシート部(32)が設けられ、
    前記バルブシート部材(26)と前記リリーフシート部(32)と前記リリーフスプリング(30)は、前記圧力室(14)の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに前記圧力室(14)から前記リザーバ室(15)にオイルを逃がすリリーフバルブを構成していることを特徴とするチェーンテンショナ。
  2. 前記バルブシート部材(26)は、前記リリーフ隙間(31)をおいて前記プランジャ(10)の内周で軸方向に移動可能に案内される円柱部(35)と、前記円柱部(35)の軸方向の端部外周に形成され、前記リリーフシート部(32)に接触支持される外周凸部(36)とを有する請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記外周凸部(36)の前記リリーフシート部(32)に対する接触面と、前記リリーフシート部(32)の前記外周凸部(36)に対する接触面とが、テーパ状に形成されている請求項2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記プランジャ(10)は、前記シリンダ(9)内への挿入端が開口し、前記シリンダ(9)からの突出端が閉塞した筒状のプランジャ本体(10A)と、前記プランジャ本体(10A)の前記シリンダ(9)内への挿入端に圧入された筒状の圧入部品(10B)とからなり、前記圧入部品(10B)に前記リリーフシート部(32)が形成されている請求項1から3のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記プランジャ本体(10A)の内周には、前記バルブシート部材(26)が前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)内からの突出端に向かう方向に移動したときに前記バルブシート部材(26)を受け止めることで前記バルブシート部材(26)の移動範囲を規制する段差部(37)が形成されている請求項4に記載のチェーンテンショナ。
  6. 前記バルブシート部材(26)には、前記段差部(37)との接触面を横切って延びるオイル溝(38)が形成されている請求項5に記載のチェーンテンショナ。
  7. 前記段差部(37)には、前記バルブシート部材(26)との接触面を横切って延びるオイル溝(39)が形成されている請求項5に記載のチェーンテンショナ。
  8. 前記リターンスプリング(24)は、第1の圧縮コイルばね(24a)と、前記第1の圧縮コイルばね(24a)の内側に同軸に配置された第2の圧縮コイルばね(24b)とからなり、
    前記圧入部品(10B)は、前記プランジャ本体(10A)の内周に圧入される円筒部(33)と、前記円筒部(33)と継ぎ目の無い一体に形成され、前記円筒部(33)の一端から径方向外方および径方向内方に延びるフランジ部(34)とを有し、
    前記フランジ部(34)には、前記第1の圧縮コイルばね(24a)および前記第2の圧縮コイルばね(24b)を受ける座面が形成されている請求項4から7のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  9. 前記リターンスプリング(24)は、第1の圧縮コイルばね(24a)と、前記第1の圧縮コイルばね(24a)の内側に同軸に配置された第2の圧縮コイルばね(24b)とからなり、
    前記プランジャ本体(10A)の前記シリンダ(9)内への挿入端と、前記第1の圧縮コイルばね(24a)および前記第2の圧縮コイルばね(24b)との間に、前記圧入部品(10B)の内径よりも小さい内径を有する円環状のワッシャ(41)が挟んで設けられ、
    前記ワッシャ(41)には、前記第1の圧縮コイルばね(24a)および前記第2の圧縮コイルばね(24b)を受ける座面が形成されている請求項4から7のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  10. 前記プランジャ(10)は、両端が開口した筒状のプランジャ本体(10A)と、前記プランジャ本体(10A)の前記シリンダ(9)からの突出端に圧入された圧入部品(10C)とからなり、前記圧入部品(10C)で前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)からの突出端が形成されている請求項1から3のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  11. 前記リターンスプリング(24)は、第1の圧縮コイルばね(24a)と、前記第1の圧縮コイルばね(24a)の内側に同軸に配置された第2の圧縮コイルばね(24b)とからなり、
    前記プランジャ本体(10A)には、前記プランジャ本体(10A)の前記シリンダ(9)内への挿入端から径方向内方に延びる内向きフランジ部(44)が継ぎ目のない一体に形成され、
    前記プランジャ本体(10A)の前記シリンダ(9)内への挿入端および前記内向きフランジ部(44)には、前記第1の圧縮コイルばね(24a)および前記第2の圧縮コイルばね(24b)を受ける座面が形成されている請求項10に記載のチェーンテンショナ。
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