JP6933766B1 - チェーンテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】低回転域と高回転域の両方において最適なダンパ力を得ることが可能であり、かつ、オイル消費量が少ないチェーンテンショナを提供する。【解決手段】シリンダ9とプランジャ10とで囲まれる空間を圧力室15とリザーバ室16とに区画する隔壁部14と、隔壁部14に形成された第1の貫通孔21と、第1の貫通孔21に設けられたチェックバルブ23と、圧力室15からオイルをリークさせる第1の隙間31とを有する。給油通路33は、圧力室15から第1の隙間31を通ってリークしたオイルを給油通路33に戻すように第1の隙間31の出口側端部と接続して設けられている。隔壁部14に形成された第2の貫通孔22と、第2の貫通孔22に設けられたリリーフバルブ24とを更に有する。【選択図】図2

Description

この発明は、チェーンの張力保持に用いられるチェーンテンショナに関する。
自動車等のエンジンに使用されるチェーン伝動装置として、例えば、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するものや、クランクシャフトの回転をオイルポンプやウォーターポンプやスーパーチャージャー等の補機に伝達するものや、クランクシャフトの回転をバランサシャフトに伝達するものや、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するものなどがある。これらのチェーン伝動装置のチェーンの張力を適正範囲に保つために、チェーンテンショナが使用される。
このような用途に使用されるチェーンテンショナとして、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1のチェーンテンショナは、軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とする筒状のシリンダと、シリンダに軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャと、プランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、シリンダとプランジャとで囲まれた圧力室と、プランジャの外周とシリンダの内周との間に形成されたリーク隙間と、シリンダの外側から供給されるオイルを圧力室に導入する給油通路と、給油通路の圧力室の側の端部に設けられたチェックバルブとを有する。
この特許文献1のチェーンテンショナは、エンジン作動中にチェーンの張力が大きくなると、そのチェーンの張力によって、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向(以下、「押し込み方向」という)に移動し、チェーンの緊張を吸収する。このとき、圧力室からリーク隙間を通って流出するオイルの粘性抵抗によってダンパ力が発生するので、プランジャはゆっくりと移動する。
一方、エンジン作動中にチェーンの張力が小さくなると、リターンスプリングの付勢力によって、プランジャがシリンダから突出する方向(以下、「突出方向」という)に移動し、チェーンの弛みを吸収する。このとき、チェックバルブが開き、給油通路から圧力室内にオイルが流入するので、プランジャは速やかに移動する。
さらに、特許文献1のチェーンテンショナには、圧力室の圧力を調整するリリーフバルブが設けられている。具体的には、シリンダの内周から外周に至る逃がし通路がシリンダに設けられ、その逃がし通路に、圧力室内の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに開弁するリリーフバルブが組み込まれている。このリリーフバルブを設けることで、エンジンの高回転域において、リーク隙間によるダンパ力が過大となるのを防ぐことが可能となり、その結果、低回転域と高回転域の両方において最適なダンパ力を得ることが可能となっている。
ところで、近年、自動車の低燃費化を図るため、自動車のオイルポンプが小型化される傾向にあり、これに伴い、チェーンテンショナでのオイル消費量を低減するニーズが高まっている。
そこで、本願の出願人は、オイル消費量を低減することを可能としたチェーンテンショナとして、特許文献2のものを提案した。
特許文献2のチェーンテンショナは、軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とする筒状のシリンダと、シリンダに軸方向に摺動可能に挿入され、シリンダ内への挿入端が開口し、シリンダからの突出端が閉塞した筒状のプランジャと、プランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、シリンダとプランジャとで囲まれる空間を圧力室とリザーバ室に軸方向に区画する隔壁部(バルブシート)と、隔壁部を軸方向に貫通して形成された弁孔と、弁孔のリザーバ室の側から圧力室の側へのオイルの移動のみを許容するチェックバルブと、圧力室の容積が縮小する方向にプランジャが軸方向移動するときに圧力室からオイルをリークさせるリーク隙間と、シリンダの外側から供給されるオイルをリザーバ室に導入する給油通路とを有する。
ここで、給油通路は、圧力室からリーク隙間を通ってリークしたオイルを給油通路に戻すようにリーク隙間の出口側端部と接続して設けられている。
この特許文献2のチェーンテンショナは、プランジャが押し込み方向に移動して圧力室の容積が縮小するときに、圧力室からリーク隙間を通ってオイルがリークし、このとき、圧力室からリークしたオイルの一部が給油通路に戻るため、チェーンテンショナから外部に排出されるオイルの量が少ない。そのため、チェーンテンショナでのオイル消費量を抑えることが可能である。
特開2004−176821号公報 特開2019−152285号公報
ところで、本願の出願人は、特許文献2のチェーンテンショナにおいて、特許文献1のように、圧力室の圧力を調整するリリーフバルブを追加することを社内で検討した。
具体的には、特許文献2のチェーンテンショナにおいて、シリンダの内周から外周に至る逃がし通路をシリンダに設け、その逃がし通路に、圧力室内の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに開弁するリリーフバルブを組み込むことを検討した。
しかしながら、特許文献2のチェーンテンショナにおいて、シリンダの内周から外周に至る逃がし通路と、その逃がし通路に組み込まれるリリーフバルブとを設けた場合、チェーンテンショナでのオイル消費量が多くなるという問題がある。
すなわち、シリンダの内周から外周に至る逃がし通路にリリーフバルブを組み込んだ場合、そのリリーフバルブが開弁したときに、圧力室のオイルが逃がし通路を通ってシリンダの外部に排出される。そのため、エンジンの高回転域では、リリーフバルブの開弁によってシリンダの外部に排出されるオイルも多くなり、チェーンテンショナでのオイル消費量が多くなるという問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、低回転域と高回転域の両方において最適なダンパ力を得ることが可能であり、かつ、オイル消費量が少ないチェーンテンショナを提供することである。
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成のチェーンテンショナを提供する。
軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とする筒状のシリンダと、
前記シリンダに軸方向に摺動可能に挿入され、前記シリンダ内への挿入端が開口し、前記シリンダからの突出端が閉塞した筒状のプランジャと、
前記シリンダと前記プランジャとで囲まれる空間を、前記プランジャの軸方向移動に伴って容積が変化する圧力室と、前記プランジャが軸方向移動しても容積が変化しないリザーバ室とに軸方向に区画する隔壁部と、
前記シリンダの外側から供給されるオイルを前記リザーバ室に導入する給油通路と、
前記隔壁部を軸方向に貫通して形成された第1の貫通孔と、
前記第1の貫通孔の前記リザーバ室の側から前記圧力室の側へのオイルの移動のみを許容するチェックバルブと、
前記圧力室の容積が縮小する方向に前記プランジャが軸方向移動するときに前記圧力室からオイルをリークさせるリーク隙間と、
前記プランジャを前記シリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、を有し、
前記給油通路は、前記圧力室から前記リーク隙間を通ってリークしたオイルを前記給油通路に戻すように前記リーク隙間の出口側端部と接続して設けられ、
前記隔壁部を前記第1の貫通孔と並列に軸方向に貫通して形成された第2の貫通孔と、
前記第2の貫通孔に設けられ、前記圧力室内の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに前記圧力室から前記リザーバ室にオイルを逃がすリリーフバルブと、を更に有するチェーンテンショナ。
このようにすると、圧力室内の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに圧力室からオイルを逃がすリリーフバルブが設けられているので、エンジンの高回転域において、リーク隙間によるダンパ力が過大となるのを防ぐことが可能となり、その結果、低回転域と高回転域の両方において最適なダンパ力を得ることが可能となる。
また、リーク隙間の出口側端部が給油通路に接続しているので、圧力室の容積が縮小する方向にプランジャが軸方向移動するときに、圧力室からリーク隙間を通ってリークしたオイルが給油通路に戻る。さらに、リリーフバルブが、圧力室とリザーバ室の間を区画する隔壁部に形成された第2の貫通孔に配置されているので、リリーフバルブが開弁したときに、そのリリーフバルブを通って圧力室から流出するオイルがリザーバ室に戻る。そのため、チェーンテンショナでのオイル消費量を抑えることができる。
前記第1の貫通孔は、前記プランジャの中心に対して偏心した位置に形成し、
前記第2の貫通孔は、前記プランジャの中心に対して、前記第1の貫通孔とは反対側に偏心した位置に形成すると好ましい。
このようにすると、第1の貫通孔と第2の貫通孔とが、プランジャの中心に対して互いに反対側に偏心した配置となるので、第1の貫通孔の流路面積と第2の貫通孔の流路面積とをそれぞれ確保しやすい。そのため、チェックバルブの開弁時の流量を確保することで、チェーンの弛みに対する優れた追従性を得るとともに、リリーフバルブの開弁時の流量を確保することで、エンジンの高回転域のチェーンの張力が過大となるのを効果的に抑制することができる。
前記第2の貫通孔は、前記隔壁部に直接形成された、前記圧力室の側を大径とし前記リザーバ室の側を小径とする段付き孔であり、
前記リリーフバルブは、前記第2の貫通孔の前記圧力室の側の端部に挿入して固定した第2の環状部材で前記第2の貫通孔内に保持されている構成を採用すると好ましい。
このようにすると、圧力室内のオイルから受ける圧力やプランジャの振動などによるリリーフバルブの脱落を確実に防止することが可能となる。すなわち、リリーフバルブは、圧力室の側を大径としリザーバ室の側を小径とする段付き孔である第2の貫通孔に、圧力室の側から挿入される。そして、圧力室内のオイルからリリーフバルブに作用する圧力の方向が、段付き孔である第2の貫通孔へのリリーフバルブの挿入方向と同じ方向なので、圧力室内のオイルから受ける圧力やプランジャの振動などによってリリーフバルブが第2の貫通孔から脱落する事態を確実に防止することが可能となる。
この場合、前記第1の貫通孔は、前記隔壁部に直接形成された、前記圧力室の側を大径とし前記リザーバ室の側を小径とする段付き孔であり、
前記チェックバルブは、前記第1の貫通孔の前記圧力室の側の端部に挿入して固定した第1の環状部材で前記第1の貫通孔内に保持されている構成を採用すると好ましい。
このようにすると、チェックバルブおよびリリーフバルブを隔壁部に組み付けるときの第1の貫通孔に対するチェックバルブの挿入方向と、第2の貫通孔に対するリリーフバルブの挿入方向とが同じ方向となるので、チェックバルブおよびリリーフバルブを隔壁部に組み付けるときに、隔壁部の向きを変更する必要がなく、優れた組立作業性を得ることができる。
前記第2の貫通孔は、前記隔壁部の前記リザーバ室の側の端面から前記圧力室の側に延びる内径が一定の第2の小径部と、前記第2の小径部から前記圧力室の側に拡径する第2の段部と、前記第2の段部から前記圧力室の側に延び、前記第2の小径部の内径よりも大きい内径をもつ第2の大径部とを有し、
前記リリーフバルブは、前記第2の環状部材に接触する閉弁位置とその閉弁位置から前記リザーバ室の側に移動した開弁位置との間で移動可能な第2の弁体と、前記第2の弁体を前記リザーバ室の側から前記圧力室の側に付勢する第2のバルブスプリングとを有し、
前記第2の段部で、前記第2のバルブスプリングの前記リザーバ室の側の端部が支持されている構成を採用することができる。
このようにすると、第2の環状部材が、リリーフバルブのバルブシート(第2の弁体が着座する部材)として機能し、また、第2の貫通孔の第2の段部が、リリーフバルブのバルブリテーナ(第2の弁体と第2のバルブスプリングとを保持する部材)として機能するので、リリーフバルブの構成部品の部品点数を最小化することが可能となる。
前記第2の貫通孔は、前記隔壁部の前記リザーバ室の側の端面から前記圧力室の側に延びる内径が一定の第2の小径部と、前記第2の小径部から前記圧力室の側に拡径する第2の段部と、前記第2の段部から前記圧力室の側に延び、前記第2の小径部の内径よりも大きい内径をもつ第2の大径部とを有し、
前記リリーフバルブは、環状の第2のバルブシートと、前記第2のバルブシートに接触する閉弁位置とその閉弁位置から前記リザーバ室の側に移動した開弁位置との間で移動可能な第2の弁体と、前記第2の弁体を前記リザーバ室の側から前記圧力室の側に付勢する第2のバルブスプリングと、前記第2のバルブシートと前記第2の弁体と前記第2のバルブスプリングとを一体のアセンブリとして保持するバルブスリーブとを有し、
前記バルブスリーブは、前記第2のバルブシートと前記第2の弁体と前記第2のバルブスプリングとを一体のアセンブリとして保持した状態で第2の大径部に挿入され、前記第2の環状部材で前記第2の大径部から抜け止めされている構成を採用することができる。
このようにすると、リリーフバルブが、第2のバルブシートと第2の弁体と第2のバルブスプリングとを一体のアセンブリとして保持するバルブスリーブを有するので、リリーフバルブを第2の貫通孔に組み込む前に、リリーフバルブの構成部品をあらかじめ一体のアセンブリとして組み立て、そのアセンブリの状態で第2の貫通孔への組み込み作業を行なうことができる。
前記チェックバルブは、前記第1の貫通孔を前記圧力室の側から開閉する第1の弁体と、前記第1の弁体が前記第1の貫通孔を閉じたときに前記第1の弁体が着座する第1のシート面とを有し、
前記リリーフバルブは、前記第2の貫通孔を前記リザーバ室の側から開閉する第2の弁体と、前記第2の弁体が前記第2の貫通孔を閉じたときに前記第2の弁体が着座する第2のシート面とを有する場合、
前記第1のシート面と前記第2のシート面とが形成された一体部材を前記隔壁部として採用すると好ましい。
このようにすると、チェックバルブの第1のシート面と、リリーフバルブの第2のシート面とが共通の一体部材に形成されているので、チェックバルブおよびリリーフバルブの製造コストを低減することが可能となる。
前記隔壁部は、樹脂または焼結合金で形成することができる。
前記第1の弁体は球状に形成し、前記第2の弁体も球状に形成すると好ましい。
このようにすると、チェックバルブの開閉動作およびリリーフバルブの開閉動作を、いずれも安定かつ確実なものとすることができる。
前記第1のシート面は、前記第1の貫通孔の前記圧力室の側の端部開口の周縁に形成され、
前記チェックバルブは、前記第1の弁体が前記第1のシート面に着座する閉弁位置と、前記第1の弁体が前記閉弁位置から前記圧力室の側に移動して前記第1のシート面から離反する開弁位置との間で前記第1の弁体を移動可能に保持する第1のバルブリテーナと、前記第1の弁体を前記開弁位置から前記閉弁位置に向けて付勢する第1のバルブスプリングとを有し、
前記第1のバルブリテーナは、前記隔壁部の前記圧力室の側の軸方向端面に支持される第1のフランジ部と、前記第1のフランジ部から前記圧力室の側に軸方向に延び、前記第1の弁体を軸方向に移動可能に収容する第1の筒部と、前記第1の筒部の前記圧力室の側の軸方向端部に設けられ、前記第1のバルブスプリングを支持する第1の端板とで構成され、
前記第2のシート面は、前記第2の貫通孔の前記リザーバ室の側の端部開口の周縁に形成され、
前記リリーフバルブは、前記第2の弁体が前記第2のシート面に着座する閉弁位置と、前記第2の弁体が前記閉弁位置から前記リザーバ室の側に移動して前記第2のシート面から離反する開弁位置との間で前記第2の弁体を移動可能に保持する第2のバルブリテーナと、前記第2の弁体を前記開弁位置から前記閉弁位置に向けて付勢する第2のバルブスプリングとを有し、
前記第2のバルブリテーナは、前記隔壁部の前記リザーバ室の側の軸方向端面に支持される第2のフランジ部と、前記第2のフランジ部から前記リザーバ室の側に軸方向に延び、前記第2の弁体を軸方向に移動可能に収容する第2の筒部と、前記第2の筒部の前記リザーバ室の側の軸方向端部に設けられ、前記第2のバルブスプリングを支持する第2の端板とで構成することができる。
このようにすると、チェックバルブの第1の弁体が、第1の貫通孔の圧力室の側の端部開口を開閉する構成であるため、チェックバルブが開弁したときの第1の貫通孔の流路面積を確保しやすい。また、リリーフバルブの第2の弁体が、第2の貫通孔のリザーバ室の側の端部開口を開閉する構成であるため、リリーフバルブが開弁したときの第2の貫通孔の流路面積を確保しやすい。そのため、チェックバルブの開弁時の流量とリリーフバルブの開弁時の流量とをいずれも大きく設定することが可能である。
前記第1のシート面は、前記第1の貫通孔の内周に形成され、
前記第1の弁体は、前記第1の弁体が前記第1のシート面に着座する閉弁位置と、前記第1の弁体が前記閉弁位置から前記圧力室の側に移動して前記第1のシート面から離反する開弁位置との間で、前記第1の貫通孔の内部に軸方向に移動可能に収容され、
前記第1の貫通孔の内部に、前記第1の弁体を前記開弁位置から前記閉弁位置に向けて付勢する第1のバルブスプリングが設けられ、
前記第1の貫通孔の圧力室の側の端部開口に、前記第1のバルブスプリングを支持する第1のスプリング支持部材が設けられ、
前記第2のシート面は、前記第2の貫通孔の内周に形成され、
前記第2の弁体は、前記第2の弁体が前記第2のシート面に着座する閉弁位置と、前記第2の弁体が前記閉弁位置から前記リザーバ室の側に移動して前記第2のシート面から離反する開弁位置との間で、前記第2の貫通孔の内部に軸方向に移動可能に収容され、
前記第2の貫通孔の内部に、前記第2の弁体を前記開弁位置から前記閉弁位置に向けて付勢する第2のバルブスプリングが設けられ、
前記第2の貫通孔のリザーバ室の側の端部開口に、前記第2のバルブスプリングを支持する第2のスプリング支持部材が設けられている構成を採用することができる。
このようにすると、チェックバルブを構成する第1の弁体および第1のバルブスプリングが、隔壁部の第1の貫通孔の内部に収容され、リリーフバルブを構成する第2の弁体および第2のバルブスプリングが、隔壁部の第2の貫通孔の内部に収容されているので、チェックバルブおよびリリーフバルブの軸方向寸法を短く抑えることができ、チェーンテンショナを小型化することが可能となる。
前記隔壁部は、前記プランジャと軸方向に一体に移動するように前記プランジャに固定して設けられ、
前記リーク隙間は、前記プランジャの外周と前記シリンダの内周との間の環状隙間のうち、前記プランジャの前記シリンダ内への挿入端に近い側の端部に形成された第1の隙間であり、
前記プランジャの外周と前記シリンダの内周との間の環状隙間のうち、前記第1の隙間に対して前記プランジャの前記シリンダ内への挿入端から遠い側の部分に形成され、前記第1の隙間よりも大きい隙間寸法をもつ拡大隙間部と、
前記プランジャの外周と前記シリンダの内周との間の環状隙間のうち、前記拡大隙間部に対して前記プランジャの前記シリンダ内への挿入端から遠い側の部分に形成され、前記拡大隙間部よりも小さい隙間寸法をもつ第2の隙間と、を更に有し、
前記給油通路は、前記シリンダの外側から供給されるオイルを前記拡大隙間部に導入するように前記シリンダに形成されたシリンダ側油路と、前記拡大隙間部と、前記拡大隙間部と前記リザーバ室の間を連通するように前記プランジャの外周から内周に貫通して形成されたプランジャ側油路とで構成することができる。
このようにすると、シリンダに対するプランジャの軸方向位置が変化したときにも、拡大隙間部を介して、シリンダ側油路とプランジャ側油路の間の連通を維持することが可能である。また、圧力室から、プランジャの外周とシリンダの内周との間の第1の隙間(リーク隙間)を通ってリークするオイルを給油通路(拡大隙間部)に戻すことが可能である。
前記プランジャの外周のうち、前記プランジャの前記シリンダ内への挿入端に近い側の端部に円筒状の第1の大径外径面が形成され、
前記プランジャの外周のうち、前記第1の大径外径面に対して、前記プランジャの前記シリンダ内への挿入端から遠い側の部分に、前記第1の大径外径面よりも小さい外径寸法をもつ小径外径面が形成され、
前記プランジャの外周のうち、前記小径外径面に対して、前記プランジャの前記シリンダ内への挿入端から遠い側の部分に、前記第1の大径外径面と同じ外径寸法をもつ第2の大径外径面が形成され、
前記第1の隙間は、前記第1の大径外径面と前記シリンダの内周との間に形成される隙間であり、
前記拡大隙間部は、前記小径外径面と前記シリンダの内周との間に形成される隙間であり、
第2の隙間は、前記第2の大径外径面と前記シリンダの内周との間に形成される隙間である構成を採用すると好ましい。
このようにすると、プランジャがシリンダに対して軸方向移動したときにも、リーク隙間の軸方向長さが変化せず一定なので、安定した大きさのダンパ力を得ることが可能である。
前記シリンダ側油路は、前記シリンダの内周に開口する油出口を有し、
前記シリンダの内周には円周溝が形成され、その円周溝は、前記油出口の全体が前記円周溝内に収まるように形成されている構成を採用すると好ましい。
このようにすると、シリンダの内周に、シリンダ側油路の油出口の全体を収める円周溝が形成されているので、シリンダ側油路をシリンダに加工したときに、そのシリンダ側油路のシリンダの内周に開口する油出口にバリが生じても、そのバリが、プランジャの外周の第1の大径外径面および第2の大径外径面に干渉するのを防止することができる。そのため、プランジャの安定した動作を確保することができる。
この発明のチェーンテンショナは、圧力室内の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに圧力室からオイルを逃がすリリーフバルブが設けられているので、エンジンの高回転域において、リーク隙間によるダンパ力が過大となるのを防ぐことが可能であり、低回転域と高回転域の両方において最適なダンパ力を得ることが可能である。また、リーク隙間の出口側端部が給油通路に接続しているので、圧力室の容積が縮小する方向にプランジャが軸方向移動するときに、圧力室からリーク隙間を通ってリークしたオイルが給油通路に戻る。さらに、リリーフバルブが、圧力室とリザーバ室の間を区画する隔壁部に形成された第2の貫通孔に配置されているので、リリーフバルブが開弁したときに、そのリリーフバルブを通って圧力室から流出するオイルがリザーバ室に戻る。そのため、このチェーンテンショナは、オイル消費量が少ない。
この発明の第1実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す図 図1のチェーンテンショナ近傍の拡大断面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図2に示すリリーフバルブが開弁したときの隔壁部の近傍を示す拡大断面図 この発明の第2実施形態のチェーンテンショナを図2に対応して示す図 図5のVI−VI線に沿った断面図 図6に示すリリーフバルブが開弁したときの隔壁部の近傍を示す拡大断面図 この発明の第3実施形態のチェーンテンショナを図4に対応して示す図 図8に示すリターンスプリングの変形例を示す図 図9に示す第1の環状部材の変形例を示す図 この発明の第4実施形態のチェーンテンショナのリリーフバルブのみを取り出して示す図 この発明の第4実施形態のチェーンテンショナを図4に対応して示す図
図1に、この発明の第1実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、カムシャフト4に固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されており、そのチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)の開閉を行なう。
エンジンが作動しているときのクランクシャフト2の回転方向は一定(図では右回転)であり、このときチェーン6は、クランクシャフト2の回転に伴ってスプロケット3に引き込まれる側(図の右側)の部分が張り側となり、スプロケット3から送り出される側(図の左側)の部分が弛み側となる。そして、チェーン6の弛み側の部分には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触している。チェーンテンショナ1は、チェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
図2に示すように、チェーンテンショナ1は、軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とする筒状のシリンダ9と、シリンダ9に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャ10とを有する。プランジャ10のシリンダ9からの突出端はチェーンガイド8を押圧している。
シリンダ9は、金属(例えばアルミ合金)で一体成形されている。シリンダ9は、シリンダ9の外周に一体に形成された複数の取り付け片11にボルト12(図1参照)を締め込むことによって、エンジン壁面13(図3参照)に固定されている。
プランジャ10は、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端が開口し、プランジャ10のシリンダ9からの突出端が閉塞した筒状に形成されている。プランジャ10の材質は、鉄系材料(例えばSCM(クロムモリブデン鋼)やSCr(クロム鋼)等の鋼材)である。
プランジャ10のシリンダ9内への挿入部分の内周には、隔壁部14が設けられている。隔壁部14は、シリンダ9とプランジャ10とで囲まれる空間を、プランジャ10の軸方向移動に伴って容積が変化する圧力室15と、プランジャ10が軸方向移動しても容積が変化しないリザーバ室16とに軸方向に区画している。プランジャ10がシリンダ9から突出する側に軸方向移動するとき、圧力室15の容積は拡大し、プランジャ10がシリンダ9内に押し込まれる側に軸方向移動するとき、圧力室15の容積は縮小する。
隔壁部14は、プランジャ10と軸方向に一体に移動するようにプランジャ10に固定して設けられている。ここで、圧力室15は、シリンダ9とプランジャ10とで囲まれる空間のうち、隔壁部14に対してシリンダ9の閉塞端の側の領域であり、一方、リザーバ室16は、シリンダ9とプランジャ10とで囲まれる空間のうち、隔壁部14に対してプランジャ10のシリンダ9からの突出端の側の領域である。
隔壁部14には、隔壁部14を軸方向に貫通する第1の貫通孔21と、隔壁部14を第1の貫通孔21と並列に軸方向に貫通する第2の貫通孔22とが形成されている。第1の貫通孔21は、プランジャ10の中心に対して偏心した位置(図では下側に偏心した位置)を中心に軸方向に延びる断面丸形の孔である。また、第2の貫通孔22は、プランジャ10の中心に対して、第1の貫通孔21とは反対側に偏心した位置(図では上側に偏心した位置)を中心に軸方向に延びる断面丸形の孔である。隔壁部14は、樹脂または焼結合金で形成することができる。
第1の貫通孔21の圧力室15の側の端部には、第1の貫通孔21の圧力室15の側からリザーバ室16の側へのオイルの移動を制限し、第1の貫通孔21のリザーバ室16の側から圧力室15の側へのオイルの移動のみを許容するチェックバルブ23が設けられている。第2の貫通孔22のリザーバ室16の側の端部には、圧力室15内の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに圧力室15からリザーバ室16にオイルを逃がすリリーフバルブ24が設けられている。
圧力室15には、リターンスプリング25が組み込まれている。リターンスプリング25は、金属製の線材を螺旋状に巻回した圧縮コイルばねである。リターンスプリング25は、一端がシリンダ9の閉塞端で支持され、他端が隔壁部14を介してプランジャ10を軸方向に押圧し、その押圧によって、プランジャ10をシリンダ9から突出する方向に付勢している。
プランジャ10の外周には、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端に近い側(図では左側)から遠い側(図では右側)に向かって順に、第1の大径外径面26、小径外径面27、第2の大径外径面28が形成されている。ここで、第1の大径外径面26は、プランジャ10の外周のうち、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端に近い側の部分に形成された円筒状の外径面である。また、小径外径面27は、プランジャ10の外周のうち、第1の大径外径面26に対して、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端から遠い側に隣接する部分に形成された、第1の大径外径面26よりも小さい外径寸法をもつ外径面である。また、第2の大径外径面28は、プランジャ10の外周のうち、小径外径面27に対して、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端から遠い側に隣接する部分に形成された、第1の大径外径面26と同じ外径寸法をもつ円筒状の外径面である。すなわち、第1の大径外径面26と第2の大径外径面28は、同一工程で加工された円筒面である。
プランジャ10の第1の大径外径面26とシリンダ9の内周との間には、第1の隙間31が形成されている。第1の隙間31は、プランジャ10の外周とシリンダ9の内周との間の環状隙間のうち、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端に近い側の端部に形成された部分である。この第1の隙間31は、圧力室15の容積が縮小する方向にプランジャ10が軸方向移動するときに、圧力室15からオイルをリークさせるリーク隙間を構成している。第1の隙間31(リーク隙間)は、軸に直交する断面形状が軸方向に沿って変化せず一定の隙間であり、例えば、円筒状の隙間である。ここでは、半径方向の幅が0.015〜0.080mmの範囲に設定された円筒状の微小隙間を採用している。
プランジャ10の小径外径面27とシリンダ9の内周との間には、拡大隙間部30が形成されている。拡大隙間部30は、プランジャ10の外周とシリンダ9の内周との間の環状隙間のうち、第1の隙間31に対してプランジャ10のシリンダ9内への挿入端から遠い側に隣接して形成され、第1の隙間31よりも大きい隙間寸法をもつ部分である。拡大隙間部30の軸方向長さは、チェーン6の経時延びに対するプランジャ10の移動ストロークよりも長く設定され、例えば10mm以上に設定される。
プランジャ10の第2の大径外径面28とシリンダ9の内周との間には、第2の隙間32が形成されている。第2の隙間32は、プランジャ10の外周とシリンダ9の内周との間の環状隙間のうち、拡大隙間部30に対してプランジャ10のシリンダ9内への挿入端から遠い側に隣接して形成され、拡大隙間部30よりも小さい隙間寸法をもつ部分である。第2の隙間32は、半径方向の幅が0.015〜0.080mmの範囲に設定された円筒状の微小隙間である。
図2、図3に示すように、シリンダ9およびプランジャ10には、シリンダ9の外側から供給されるオイルをリザーバ室16に導入する給油通路33が設けられている。給油通路33は、シリンダ9の外側から供給されるオイルを拡大隙間部30に導入するようにシリンダ9に形成されたシリンダ側油路34と、拡大隙間部30と、拡大隙間部30とリザーバ室16の間を連通するようにプランジャ10に形成されたプランジャ側油路35とで構成されている、
図3に示すように、シリンダ側油路34は、シリンダ9の外周から内周に貫通して形成された孔である。シリンダ側油路34は、シリンダ9の外周に開口する油入口36と、シリンダ9の内周に開口する油出口37とを有する。油入口36は、エンジン壁面13に開口する油孔38に接続するように、シリンダ9の外周の座面39に開口している。座面39は、エンジン壁面13に対する合わせ面である。油孔38は、オイルポンプ(図示せず)から送り出されるオイルをチェーンテンショナ1に供給する給油用の孔である。
図2に示すように、シリンダ9の内周には、円周溝40が形成されている。円周溝40は、シリンダ側油路34の油出口37の全体が円周溝40内に収まるように油出口37の位置に配置されている。円周溝40の軸方向幅(すなわち、シリンダ9の内周の円筒面から窪んだ部分の軸方向幅)は、油出口37の開口の軸方向幅寸法の1.5倍以上3.0倍以下の大きさに設定されている。
プランジャ側油路35は、筒状のプランジャ10の外周から内周に貫通して形成された孔である。プランジャ側油路35のプランジャ10の外周の側の端部は、プランジャ10の小径外径面27の範囲内に開口している。
ここで、給油通路33を構成する拡大隙間部30は、第1の隙間31(リーク隙間)の出口側端部と接続して配置されており、これにより、圧力室15から第1の隙間31(リーク隙間)を通ってリークしたオイルが、給油通路33(拡大隙間部30)に合流して戻るようになっている。
図4に示すように、チェックバルブ23は、第1の貫通孔21を圧力室15の側から開閉する第1の弁体41と、第1の弁体41が第1の貫通孔21を閉じたときに第1の弁体41が着座する第1のシート面42と、第1の弁体41が第1のシート面42に着座する閉弁位置と、第1の弁体41が閉弁位置から圧力室15の側に移動して第1のシート面42から離反する開弁位置との間で第1の弁体41を移動可能に保持する第1のバルブリテーナ43と、第1の弁体41を開弁位置から閉弁位置に向けて付勢する第1のバルブスプリング44とを有する。
同様に、リリーフバルブ24は、第2の貫通孔22をリザーバ室16の側から開閉する第2の弁体51と、第2の弁体51が第2の貫通孔22を閉じたときに第2の弁体51が着座する第2のシート面52と、第2の弁体51が第2のシート面52に着座する閉弁位置と、第2の弁体51が閉弁位置からリザーバ室16の側に移動して第2のシート面52から離反する開弁位置との間で第2の弁体51を移動可能に保持する第2のバルブリテーナ53と、第2の弁体51を開弁位置から閉弁位置に向けて付勢する第2のバルブスプリング54とを有する。
第2のバルブスプリング54は、第1のバルブスプリング44よりも大きい断面積をもつ線材を巻回した圧縮コイルばねが用いられている。この第2のバルブスプリング54は、第1のバルブスプリング44が第1の弁体41を押圧する力よりも大きい力で第2の弁体51を押圧している。
第1の弁体41は、球状に形成されている。第1のシート面42は、第1の貫通孔21の圧力室15の側の端部開口の周縁に形成されている。第1のシート面42は、圧力室15に向かって拡径する方向に傾斜したテーパ状の内周面である。第1のシート面42は、円弧形状の断面をもつ内周面としてもよい。
同様に、第2の弁体51は、球状に形成されている。第2のシート面52は、第2の貫通孔22のリザーバ室16の側の端部開口の周縁に形成されている。第2のシート面52は、リザーバ室16に向かって拡径する方向に傾斜したテーパ状の内周面である。第2のシート面52は、円弧形状の断面をもつ内周面としてもよい。
隔壁部14は、第1のシート面42と第2のシート面52とが形成された一体の板状部材である。隔壁部14の外周は円筒面である。隔壁部14は、プランジャ10の内周に嵌め込まれ、プランジャ10の内周に形成された段差部60で軸方向に位置決めされている。段差部60は、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端の側(図の左側)から、プランジャ10のシリンダ9からの突出端の側(図の右側)に向かって小径となる段差状の部分である。
第1のバルブリテーナ43は、隔壁部14の圧力室15の側の軸方向端面に支持される第1のフランジ部45と、第1のフランジ部45から圧力室15の側に軸方向に延び、第1の弁体41を軸方向に移動可能に収容する第1の筒部46と、第1の筒部46の圧力室15の側の軸方向端部に設けられ、第1のバルブスプリング44を支持する第1の端板47とで構成されている。第1のフランジ部45は、リターンスプリング25と隔壁部14の間に軸方向に挟み込んで固定されている。第1のバルブリテーナ43には、第1の筒部46の内側から外側にオイルが通過できるように通油用の開口48(図では、第1の筒部46および第1のフランジ部45を周方向に分断するスリット)が形成されている。
第2のバルブリテーナ53は、隔壁部14のリザーバ室16の側の軸方向端面に支持される第2のフランジ部55と、第2のフランジ部55からリザーバ室16の側に軸方向に延び、第2の弁体51を軸方向に移動可能に収容する第2の筒部56と、第2の筒部56のリザーバ室16の側の軸方向端部に設けられ、第2のバルブスプリング54を支持する第2の端板57とで構成されている。第2のフランジ部55は、隔壁部14と段差部60の間に軸方向に挟み込んで固定されている。第2のバルブリテーナ53には、第2の筒部56の内側から外側にオイルが通過できるように通油用の開口58(図では、第2の筒部56および第2のフランジ部55を周方向に分断するスリット)が形成されている。
次に、このチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ10がシリンダ9内に押し込まれる方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、圧力室15の圧力がリザーバ室16の圧力よりも高くなるので、チェックバルブ23は閉じた状態となる。また、プランジャ10の移動に応じて圧力室15の容積が縮小するので、その縮小した容積の分、圧力室15から第1の隙間31(リーク隙間)を通って拡大隙間部30にオイルがリークし、このとき第1の隙間31(リーク隙間)を流れるオイルの粘性抵抗でダンパ力が発生し、そのダンパ力によってチェーン6のばたつきが防止される。そして、圧力室15から第1の隙間31(リーク隙間)を通ってリークしたオイルは、拡大隙間部30(給油通路33)に戻り、さらにプランジャ側油路35に流入したり、シリンダ側油路34に戻ったり、第2の隙間32を通ってプランジャ10とシリンダ9の摺動面間を潤滑したりする。
一方、エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなると、リターンスプリング25の付勢力によって、プランジャ10が突出方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、プランジャ10の移動に応じて圧力室15の容積が拡大するので、圧力室15の圧力がリザーバ室16の圧力よりも低くなり、チェックバルブ23が開く。そして、リザーバ室16から第1の貫通孔21を通って圧力室15にオイルが流入し、プランジャ10が速やかに移動する。このとき、シリンダ9の外側の油孔38(図3参照)から、給油通路33(シリンダ側油路34、拡大隙間部30、プランジャ側油路35)を通ってリザーバ室16にオイルが導入される。
エンジンが高回転域で作動するとき、チェーン6からプランジャ10に高周波の加振力が作用し続けるため、第1の隙間31(リーク隙間)を流れるオイルにより発生するダンパ力は、過大となる傾向がある。このとき、圧力室15の圧力が上昇してリリーフバルブ24が開くことで、圧力室15から第2の貫通孔22を通ってリザーバ室16にオイルが流出する。これにより、圧力室15の圧力上昇が抑えられ、過大なダンパ力が生じるのが防止される。このとき、第2の貫通孔22を通って圧力室15から流出したオイルはリザーバ室16に戻る。
エンジンが停止し、その後、エンジンが再始動するとき、一般に油孔38(図3参照)内のオイルの油面はいったん下がった状態となっていることから、油孔38からチェーンテンショナ1へのオイル供給が開始するまでに時間がかかる。この場合、エンジンが再始動してから、油孔38からのオイル供給が開始されるまでの間、リザーバ室16内にあらかじめ溜まったオイルが、第1の貫通孔21を通って圧力室15に流入することで、圧力室15がオイルで満たした状態に保たれる。そのため、エンジン再始動の直後からダンパ力を発生することが可能であり、チェーン6のばたつきを抑えることが可能となっている。
このチェーンテンショナ1は、圧力室15内の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに圧力室15からオイルを逃がすリリーフバルブ24が設けられているので、エンジンの高回転域において、第1の隙間31(リーク隙間)によるダンパ力が過大となるのを防ぐことが可能であり、低回転域と高回転域の両方において最適なダンパ力を得ることが可能である。
また、このチェーンテンショナ1は、第1の隙間31(リーク隙間)の出口側端部が、給油通路33(拡大隙間部30)に接続しているので、圧力室15の容積が縮小する方向にプランジャ10が軸方向移動するときに、圧力室15から第1の隙間31(リーク隙間)を通ってリークしたオイルが給油通路33に戻る。さらに、リリーフバルブ24が、圧力室15とリザーバ室16の間を区画する隔壁部14に形成された第2の貫通孔22に配置されているので、リリーフバルブ24が開弁したときに、そのリリーフバルブ24を通って圧力室15から流出するオイルがリザーバ室16に戻る。そのため、このチェーンテンショナ1は、オイル消費量が少ない。
また、このチェーンテンショナ1は、第1の貫通孔21と第2の貫通孔22とが、プランジャ10の中心に対して互いに反対側に偏心した配置なので、第1の貫通孔21の流路面積と第2の貫通孔22の流路面積とをそれぞれ確保することができる。そのため、チェックバルブ23の開弁時の流量を確保することで、チェーン6の弛みに対する優れた追従性を得るとともに、リリーフバルブ24の開弁時の流量を確保することで、エンジンの高回転域のチェーン6の張力が過大となるのを効果的に抑制することが可能となっている。
また、このチェーンテンショナ1は、チェックバルブ23の第1のシート面42と、リリーフバルブ24の第2のシート面52とが共通の一体部材(隔壁部14)に形成されているので、チェックバルブ23およびリリーフバルブ24の製造コストを低減することが可能である。
また、このチェーンテンショナ1は、第1の弁体41を球状に形成し、第2の弁体51も球状に形成しているので、チェックバルブ23の開閉動作およびリリーフバルブ24の開閉動作が、いずれも安定かつ確実であり、動作の信頼性が高いものとなっている。
また、このチェーンテンショナ1は、チェックバルブ23の第1の弁体41が、第1の貫通孔21の圧力室15の側の端部開口を開閉する構成であるため、チェックバルブ23が開弁したときの第1の貫通孔21の流路面積を確保しやすい。また、リリーフバルブ24の第2の弁体51が、第2の貫通孔22のリザーバ室16の側の端部開口を開閉する構成であるため、リリーフバルブ24が開弁したときの第2の貫通孔22の流路面積を確保しやすい。そのため、チェックバルブ23の開弁時の流量とリリーフバルブ24の開弁時の流量とをいずれも大きく設定することが可能である。
また、このチェーンテンショナ1は、シリンダ9に対するプランジャ10の軸方向位置が変化したときにも、拡大隙間部30を介して、シリンダ側油路34とプランジャ側油路35の間の連通を維持することが可能である。また、圧力室15から、プランジャ10の外周とシリンダ9の内周との間の第1の隙間31(リーク隙間)を通ってリークするオイルを給油通路33(拡大隙間部30)に戻すことが可能である。
また、このチェーンテンショナ1は、プランジャ10の外周に、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端に近い側から遠い側に向かって第1の大径外径面26、小径外径面27、第2の大径外径面28を順に形成し、第1の大径外径面26とシリンダ9の内周との間に形成される第1の隙間31を、リーク隙間としているので、プランジャ10がシリンダ9に対して軸方向移動したときにも、リーク隙間の軸方向長さが変化せず一定となり、安定した大きさのダンパ力を得ることが可能となっている。
また、このチェーンテンショナ1は、シリンダ9の内周に、シリンダ側油路34の油出口37の全体を収める円周溝40が形成されているので、シリンダ側油路34をシリンダ9に加工したときに、そのシリンダ側油路34のシリンダ9の内周に開口する油出口37にバリが生じても、そのバリが、プランジャ10の外周の第1の大径外径面26および第2の大径外径面28に干渉するのを防止することができる。そのため、プランジャ10の安定した動作を確保することができる。
プランジャ10の外周とシリンダ9の内周との間に、第2の隙間32をシールするシール部材を設けてもよい。例えば、プランジャ10の外周の第2の大径外径面28にシール溝(図示せず)を設け、そのシール溝に、シリンダ9の内周に摺接する環状のシール部材を組み込んでもよい。このようにすると、チェーンテンショナ1でのオイル消費量をきわめて効果的に抑制することが可能となる。
図5〜図7に、この発明の第2実施形態のチェーンテンショナ1を示す。第1実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、チェックバルブ23は、第1の貫通孔21を圧力室15の側から開閉する第1の弁体41と、第1の弁体41が第1の貫通孔21を閉じたときに第1の弁体41が着座する第1のシート面42とを有する。
第1のシート面42は、第1の貫通孔21の内周に形成されている。第1のシート面42は、圧力室15に向かって拡径する方向に傾斜したテーパ状の内周面である。また、第1の貫通孔21の内周には、第1のシート面42から圧力室15の側に連なる円筒状の内周面61が形成されている。内周面61の軸方向長さは、第1の弁体41の直径よりも大きく設定されている。ここで、第1の弁体41は、第1の弁体41が第1のシート面42に着座する閉弁位置と、第1の弁体41が閉弁位置から圧力室15の側に移動して第1のシート面42から離反する開弁位置との間で、第1の貫通孔21の内部に軸方向に移動可能に収容されている。
第1の貫通孔21の内部には、第1の弁体41を開弁位置から閉弁位置に向けて付勢する第1のバルブスプリング44が設けられている。第1の貫通孔21の圧力室15の側の端部開口には、第1のバルブスプリング44を支持する第1のスプリング支持部材62が固定されている。第1のスプリング支持部材62は、ここでは、第1の貫通孔21の端部内周に嵌合する金属製の環状部材である。
同様に、リリーフバルブ24は、第2の貫通孔22をリザーバ室16の側から開閉する第2の弁体51と、第2の弁体51が第2の貫通孔22を閉じたときに第2の弁体51が着座する第2のシート面52とを有する。
第2のシート面52は、第2の貫通孔22の内周に形成されている。第2のシート面52は、リザーバ室16に向かって拡径する方向に傾斜したテーパ状の内周面である。また、第2の貫通孔22の内周には、第2のシート面52からリザーバ室16の側に連なる円筒状の内周面63が形成されている。内周面63の軸方向長さは、第2の弁体51の直径よりも大きく設定されている。ここで、第2の弁体51は、第2の弁体51が第2のシート面52に着座する閉弁位置と、第2の弁体51が閉弁位置からリザーバ室16の側に移動して第2のシート面52から離反する開弁位置との間で、第2の貫通孔22の内部に軸方向に移動可能に収容されている。
第2の貫通孔22の内部には、第2の弁体51を開弁位置から閉弁位置に向けて付勢する第2のバルブスプリング54が設けられている。第2の貫通孔22のリザーバ室16の側の端部開口には、第2のバルブスプリング54を支持する第2のスプリング支持部材64が固定されている。第2のスプリング支持部材64は、ここでは、第2の貫通孔22の端部内周に嵌合する金属製の環状部材である。
隔壁部14は、第1のシート面42と第2のシート面52とが形成された一体の板状部材である。隔壁部14の外周は円筒面である。隔壁部14は、プランジャ10の内周に嵌め込まれ、プランジャ10の内周に形成された段差部60で軸方向に位置決めされている。
このチェーンテンショナ1は、チェックバルブ23を構成する第1の弁体41および第1のバルブスプリング44が、隔壁部14の第1の貫通孔21の内部に収容され、リリーフバルブ24を構成する第2の弁体51および第2のバルブスプリング54が、隔壁部14の第2の貫通孔22の内部に収容されているので、チェックバルブ23およびリリーフバルブ24の軸方向寸法を短く抑えることができる。そのため、チェーンテンショナ1を小型化することが可能である。その他、このチェーンテンショナ1は、第1実施形態と同様の作用効果を有する。
図8に、この発明の第3実施形態のチェーンテンショナ1のチェックバルブ23およびリリーフバルブ24の近傍を示す。第1実施形態および第2実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
チェックバルブ23は、隔壁部14に直接形成された段付き孔である第1の貫通孔21に挿入されている。第1の貫通孔21は、圧力室15の側を大径としリザーバ室16の側を小径とする段付き孔である。チェックバルブ23は、第1の貫通孔21の圧力室15の側の端部に挿入して固定した第1の環状部材70で第1の貫通孔21内に保持されている。
第1の貫通孔21は、隔壁部14のリザーバ室16の側の端面から圧力室15の側に延びる内径が一定の第1の小径部71と、第1の小径部71から圧力室15の側に拡径する第1の段部72と、第1の段部72から圧力室15の側に延び、第1の小径部71の内径よりも大きい内径をもつ第1の大径部73とを有する。第1の大径部73の圧力室15の側の端部には、第1の環状部材70のリザーバ室16の側の端部を軸方向に支持する段差部74が形成されている。
チェックバルブ23は、第1の段部72に接触する閉弁位置とその閉弁位置から圧力室15の側に移動した開弁位置との間で移動可能な第1の弁体41と、第1の弁体41を圧力室15の側からリザーバ室16の側に付勢する第1のバルブスプリング44とを有する。
第1のバルブスプリング44は、第1の大径部73の内部に同軸に配置されたコイルスプリングである。第1のバルブスプリング44の圧力室15の側の端部は、第1の環状部材70で支持され、第1のバルブスプリング44のリザーバ室16の側の端部は、第1の弁体41を押圧している。第1の環状部材70は、第1の貫通孔21の圧力室15の側の端部に、締め代をもって挿入することで、隔壁部14に固定されている。第1の環状部材70は、焼結合金または樹脂で形成されている。
ここで、チェックバルブ23の構成部材は、圧力室15の側からリザーバ室16の側に向かって、第1の環状部材70、第1のバルブスプリング44、第1の弁体41の順に並んでいる。また、第1の貫通孔21の内部の第1の段部72は、チェックバルブ23の第1の弁体41が着座するバルブシートを構成している。
リリーフバルブ24は、隔壁部14に直接形成された段付き孔である第2の貫通孔22に挿入されている。第2の貫通孔22は、圧力室15の側を大径としリザーバ室16の側を小径とする段付き孔である。リリーフバルブ24は、第2の貫通孔22の圧力室15の側の端部に挿入して固定した第2の環状部材80で第2の貫通孔22内に保持されている。
第2の貫通孔22は、隔壁部14のリザーバ室16の側の端面から圧力室15の側に延びる内径が一定の第2の小径部81と、第2の小径部81から圧力室15の側に拡径する第2の段部82と、第2の段部82から圧力室15の側に延び、第2の小径部81の内径よりも大きい内径をもつ第2の大径部83とを有する。第2の大径部83の圧力室15の側の端部には、第2の環状部材80のリザーバ室16の側の端部を軸方向に支持する段差部84が形成されている。第2の小径部81の内径は、第1の小径部71の内径よりも小さい。
リリーフバルブ24は、第2の環状部材80に接触する閉弁位置と、閉弁位置からリザーバ室16の側に移動した開弁位置との間で移動可能な第2の弁体51と、第2の弁体51をリザーバ室16の側から圧力室15の側に付勢する第2のバルブスプリング54とを有する。
第2のバルブスプリング54は、第2の大径部83の内部に同軸に配置されたコイルスプリングである。第2のバルブスプリング54のリザーバ室16の側の端部は、第2の段部82で支持され、第2のバルブスプリング54の圧力室15の側の端部は、第2の弁体51を押圧している。第2の環状部材80は、第2の貫通孔22の圧力室15の側の端部に、締め代をもって挿入することで、隔壁部14に固定されている。第2の環状部材80は、焼結金属で形成されている。
ここで、リリーフバルブ24の構成部材は、圧力室15の側からリザーバ室16の側に向かって、第2の環状部材80、第2の弁体51、第2のバルブスプリング54の順に並んでいる。第2の環状部材80は、リリーフバルブ24の第2の弁体51が着座するバルブシートを構成している。また、第2の貫通孔22の内部の第2の段部82は、第2の弁体51と第2のバルブスプリング54とを保持するバルブリテーナを構成している。
隔壁部14は、プランジャ10の内周に、締め代が存在しない寸法関係となるように嵌め込まれている。隔壁部14の外周とプランジャ10の内周との間に締め代を設けないことで、第1の隙間31(リーク隙間)の大きさを高い寸法精度をもって厳密に管理することが可能となる。隔壁部14の圧力室15の側の端面には、リターンスプリング25の一端が接触している。隔壁部14は、リターンスプリング25から受ける力によって、プランジャ10の内周に形成された段差部60に押さえ付けられている。
このチェーンテンショナ1は、圧力室15内のオイルから受ける圧力やプランジャ10の振動などによるリリーフバルブ24の脱落を確実に防止することが可能である。
すなわち、リリーフバルブ24は、圧力室15の側を大径としリザーバ室16の側を小径とする段付き孔である第2の貫通孔22に、圧力室15の側から挿入される。そして、圧力室15内のオイルからリリーフバルブ24に作用する圧力の方向が、段付き孔である第2の貫通孔22へのリリーフバルブ24の挿入方向と同じ方向なので、圧力室15内のオイルから受ける圧力やプランジャ10の振動などによってリリーフバルブ24が第2の貫通孔22から脱落する事態を確実に防止することが可能である。
また、このチェーンテンショナ1は、チェックバルブ23およびリリーフバルブ24を隔壁部14に組み付けるときの第1の貫通孔21に対するチェックバルブ23の挿入方向と、第2の貫通孔22に対するリリーフバルブ24の挿入方向とが、いずれも同じ方向(圧力室15の側からリザーバ室16の側に向かう方向)なので、チェックバルブ23およびリリーフバルブ24を隔壁部14に組み付けるときに、隔壁部14の向きを変更する必要がなく、組立作業性に優れる。
また、このチェーンテンショナ1は、第2の環状部材80が、リリーフバルブ24のバルブシート(第2の弁体51が着座する部材)として機能し、また、第2の貫通孔22の第2の段部82が、リリーフバルブ24のバルブリテーナ(第2の弁体51と第2のバルブスプリング54とを保持する部材)として機能するので、リリーフバルブ24の構成部品の部品点数を最小化することが可能である。
上記実施形態では、隔壁部14とプランジャ10のうちの隔壁部14のみに接触するように、リターンスプリング25のコイル径の大きさを設定したが、図9に示すように、リターンスプリング25のコイル径を拡大し、リターンスプリング25が隔壁部14とプランジャ10の両方に接触するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1の環状部材70として、焼結合金または樹脂で形成されたものを採用したが、図10に示すように、第1の環状部材70として、金属板で形成されたものを採用することも可能である。図10において、第1の環状部材70は、第1の貫通孔21の圧力室15の側の端部の内周に嵌合する円筒部75と、円筒部75のリザーバ室16の側の端部に一体に形成された端板部76と、端板部76を軸方向に貫通して形成された孔77とを有する。
図11、図12に、この発明の第4実施形態を示す。第4実施形態は、第3実施形態と比べて、リリーフバルブ24の構成のみが異なり、それ以外の構成は同一である。そのため、以下、第3実施形態と異なる構成のみを説明する。
図12に示すように、リリーフバルブ24は、隔壁部14に直接形成された段付き孔である第2の貫通孔22に挿入されている。第2の貫通孔22は、圧力室15の側を大径としリザーバ室16の側を小径とする段付き孔である。リリーフバルブ24は、第2の貫通孔22の圧力室15の側の端部に挿入して固定した第2の環状部材80で第2の貫通孔22内に保持されている。
図11に示すように、リリーフバルブ24は、環状の第2のバルブシート85と、第2のバルブシート85に接触する閉弁位置とその閉弁位置からリザーバ室16(図12参照)の側(図の右側)に移動した開弁位置との間で移動可能な第2の弁体51と、第2の弁体51をリザーバ室16(図12参照)の側から圧力室15の側に付勢する第2のバルブスプリング54と、第2のバルブシート85と第2の弁体51と第2のバルブスプリング54とを一体のアセンブリとして保持するバルブスリーブ86とを有する。
バルブスリーブ86は、第2の弁体51および第2のバルブスプリング54の外側を囲む筒部87と、筒部87の一端に形成された内向きフランジ部88とを有するカップ状の部材である。このバルブスリーブ86は、金属または樹脂で形成することができる。内向きフランジ部88は、第2のバルブスプリング54を支持している。筒部87の他端には、第2のバルブシート85が圧入されている。第2のバルブシート85は、焼結合金で形成されている。
図12に示すように、バルブスリーブ86は、第2のバルブシート85と第2の弁体51と第2のバルブスプリング54とを一体のアセンブリとして保持した状態で、第2の大径部83に挿入され、第2の環状部材80で第2の大径部83から抜け止めされている。第2の環状部材80は、第2の貫通孔22に圧入して固定されている。
このチェーンテンショナ1は、リリーフバルブ24が、第2のバルブシート85と第2の弁体51と第2のバルブスプリング54とを一体のアセンブリとして保持するバルブスリーブ86を有するので、リリーフバルブ24を第2の貫通孔22に組み込む前に、リリーフバルブ24の構成部品をあらかじめ一体のアセンブリとして組み立て、そのアセンブリの状態で第2の貫通孔22への組み込み作業を行なうことができる。
上記各実施形態では、チェーンテンショナ1を、クランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達するチェーン伝動装置に組み込んだ例を挙げて説明したが、チェーンテンショナ1は、クランクシャフト2の回転をオイルポンプやウォーターポンプやスーパーチャージャー等の補機に伝達するチェーン伝動装置や、クランクシャフト2の回転をバランサシャフトに伝達するチェーン伝動装置や、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するチェーン伝動装置に組み込むことも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 チェーンテンショナ
9 シリンダ
10 プランジャ
14 隔壁部
15 圧力室
16 リザーバ室
21 第1の貫通孔
22 第2の貫通孔
23 チェックバルブ
24 リリーフバルブ
25 リターンスプリング
26 第1の大径外径面
27 小径外径面
28 第2の大径外径面
30 拡大隙間部
31 第1の隙間(リーク隙間)
32 第2の隙間
33 給油通路
34 シリンダ側油路
35 プランジャ側油路
37 油出口
40 円周溝
41 第1の弁体
42 第1のシート面
43 第1のバルブリテーナ
44 第1のバルブスプリング
45 第1のフランジ部
46 第1の筒部
47 第1の端板
51 第2の弁体
52 第2のシート面
53 第2のバルブリテーナ
54 第2のバルブスプリング
55 第2のフランジ部
56 第2の筒部
57 第2の端板
62 第1のスプリング支持部材
64 第2のスプリング支持部材
70 第1の環状部材
80 第2の環状部材
81 第2の小径部
82 第2の段部
83 第2の大径部
85 第2のバルブシート
86 バルブスリーブ

Claims (14)

  1. 軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とする筒状のシリンダ(9)と、
    前記シリンダ(9)に軸方向に摺動可能に挿入され、前記シリンダ(9)内への挿入端が開口し、前記シリンダ(9)からの突出端が閉塞した筒状のプランジャ(10)と、
    前記シリンダ(9)と前記プランジャ(10)とで囲まれる空間を、前記プランジャ(10)の軸方向移動に伴って容積が変化する圧力室(15)と、前記プランジャ(10)が軸方向移動しても容積が変化しないリザーバ室(16)とに軸方向に区画する隔壁部(14)と、
    前記シリンダ(9)の外側から供給されるオイルを前記リザーバ室(16)に導入する給油通路(33)と、
    前記隔壁部(14)を軸方向に貫通して形成された第1の貫通孔(21)と、
    前記第1の貫通孔(21)の前記リザーバ室(16)の側から前記圧力室(15)の側へのオイルの移動のみを許容するチェックバルブ(23)と、
    前記圧力室(15)の容積が縮小する方向に前記プランジャ(10)が軸方向移動するときに前記圧力室(15)からオイルをリークさせるリーク隙間と、
    前記プランジャ(10)を前記シリンダ(9)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(25)と、を有し、
    前記給油通路(33)は、前記圧力室(15)から前記リーク隙間を通ってリークしたオイルを前記給油通路(33)に戻すように前記リーク隙間の出口側端部と接続して設けられ、
    前記隔壁部(14)を前記第1の貫通孔(21)と並列に軸方向に貫通して形成された第2の貫通孔(22)と、
    前記第2の貫通孔(22)に設けられ、前記圧力室(15)内の圧力が予め設定した圧力よりも大きくなったときに前記圧力室(15)から前記リザーバ室(16)にオイルを逃がすリリーフバルブ(24)と、を更に有するチェーンテンショナ。
  2. 前記第1の貫通孔(21)は、前記プランジャ(10)の中心に対して偏心した位置に形成され、
    前記第2の貫通孔(22)は、前記プランジャ(10)の中心に対して、前記第1の貫通孔(21)とは反対側に偏心した位置に形成されている
    請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記第2の貫通孔(22)は、前記隔壁部(14)に直接形成された、前記圧力室(15)の側を大径とし前記リザーバ室(16)の側を小径とする段付き孔であり、
    前記リリーフバルブ(24)は、前記第2の貫通孔(22)の前記圧力室(15)の側の端部に挿入して固定した第2の環状部材(80)で前記第2の貫通孔(22)内に保持されている請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記第1の貫通孔(21)は、前記隔壁部(14)に直接形成された、前記圧力室(15)の側を大径とし前記リザーバ室(16)の側を小径とする段付き孔であり、
    前記チェックバルブ(23)は、前記第1の貫通孔(21)の前記圧力室(15)の側の端部に挿入して固定した第1の環状部材(70)で前記第1の貫通孔(21)内に保持されている請求項3に記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記第2の貫通孔(22)は、前記隔壁部(14)の前記リザーバ室(16)の側の端面から前記圧力室(15)の側に延びる内径が一定の第2の小径部(81)と、前記第2の小径部(81)から前記圧力室(15)の側に拡径する第2の段部(82)と、前記第2の段部(82)から前記圧力室(15)の側に延び、前記第2の小径部(81)の内径よりも大きい内径をもつ第2の大径部(83)とを有し、
    前記リリーフバルブ(24)は、前記第2の環状部材(80)に接触する閉弁位置とその閉弁位置から前記リザーバ室(16)の側に移動した開弁位置との間で移動可能な第2の弁体(51)と、前記第2の弁体(51)を前記リザーバ室(16)の側から前記圧力室(15)の側に付勢する第2のバルブスプリング(54)とを有し、
    前記第2の段部(82)で、前記第2のバルブスプリング(54)の前記リザーバ室(16)の側の端部が支持されている、
    請求項3または4に記載のチェーンテンショナ。
  6. 前記第2の貫通孔(22)は、前記隔壁部(14)の前記リザーバ室(16)の側の端面から前記圧力室(15)の側に延びる内径が一定の第2の小径部(81)と、前記第2の小径部(81)から前記圧力室(15)の側に拡径する第2の段部(82)と、前記第2の段部(82)から前記圧力室(15)の側に延び、前記第2の小径部(81)の内径よりも大きい内径をもつ第2の大径部(83)とを有し、
    前記リリーフバルブ(24)は、環状の第2のバルブシート(85)と、前記第2のバルブシート(85)に接触する閉弁位置とその閉弁位置から前記リザーバ室(16)の側に移動した開弁位置との間で移動可能な第2の弁体(51)と、前記第2の弁体(51)を前記リザーバ室(16)の側から前記圧力室(15)の側に付勢する第2のバルブスプリング(54)と、前記第2のバルブシート(85)と前記第2の弁体(51)と前記第2のバルブスプリング(54)とを一体のアセンブリとして保持するバルブスリーブ(86)とを有し、
    前記バルブスリーブ(86)は、前記第2のバルブシート(85)と前記第2の弁体(51)と前記第2のバルブスプリング(54)とを一体のアセンブリとして保持した状態で第2の大径部(83)に挿入され、前記第2の環状部材(80)で前記第2の大径部(83)から抜け止めされている、
    請求項3または4に記載のチェーンテンショナ。
  7. 前記チェックバルブ(23)は、前記第1の貫通孔(21)を前記圧力室(15)の側から開閉する第1の弁体(41)と、前記第1の弁体(41)が前記第1の貫通孔(21)を閉じたときに前記第1の弁体(41)が着座する第1のシート面(42)とを有し、
    前記リリーフバルブ(24)は、前記第2の貫通孔(22)を前記リザーバ室(16)の側から開閉する第2の弁体(51)と、前記第2の弁体(51)が前記第2の貫通孔(22)を閉じたときに前記第2の弁体(51)が着座する第2のシート面(52)とを有し、
    前記隔壁部(14)は、前記第1のシート面(42)と前記第2のシート面(52)とが形成された一体部材である請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
  8. 前記隔壁部(14)は、樹脂または焼結合金で形成されている請求項7に記載のチェーンテンショナ。
  9. 前記第1の弁体(41)は球状に形成され、前記第2の弁体(51)も球状に形成されている請求項7または8に記載のチェーンテンショナ。
  10. 前記第1のシート面(42)は、前記第1の貫通孔(21)の前記圧力室(15)の側の端部開口の周縁に形成され、
    前記チェックバルブ(23)は、前記第1の弁体(41)が前記第1のシート面(42)に着座する閉弁位置と、前記第1の弁体(41)が前記閉弁位置から前記圧力室(15)の側に移動して前記第1のシート面(42)から離反する開弁位置との間で前記第1の弁体(41)を移動可能に保持する第1のバルブリテーナ(43)と、前記第1の弁体(41)を前記開弁位置から前記閉弁位置に向けて付勢する第1のバルブスプリング(44)とを有し、
    前記第1のバルブリテーナ(43)は、前記隔壁部(14)の前記圧力室(15)の側の軸方向端面に支持される第1のフランジ部(45)と、前記第1のフランジ部(45)から前記圧力室(15)の側に軸方向に延び、前記第1の弁体(41)を軸方向に移動可能に収容する第1の筒部(46)と、前記第1の筒部(46)の前記圧力室(15)の側の軸方向端部に設けられ、前記第1のバルブスプリング(44)を支持する第1の端板(47)とで構成され、
    前記第2のシート面(52)は、前記第2の貫通孔(22)の前記リザーバ室(16)の側の端部開口の周縁に形成され、
    前記リリーフバルブ(24)は、前記第2の弁体(51)が前記第2のシート面(52)に着座する閉弁位置と、前記第2の弁体(51)が前記閉弁位置から前記リザーバ室(16)の側に移動して前記第2のシート面(52)から離反する開弁位置との間で前記第2の弁体(51)を移動可能に保持する第2のバルブリテーナ(53)と、前記第2の弁体(51)を前記開弁位置から前記閉弁位置に向けて付勢する第2のバルブスプリング(54)とを有し、
    前記第2のバルブリテーナ(53)は、前記隔壁部(14)の前記リザーバ室(16)の側の軸方向端面に支持される第2のフランジ部(55)と、前記第2のフランジ部(55)から前記リザーバ室(16)の側に軸方向に延び、前記第2の弁体(51)を軸方向に移動可能に収容する第2の筒部(56)と、前記第2の筒部(56)の前記リザーバ室(16)の側の軸方向端部に設けられ、前記第2のバルブスプリング(54)を支持する第2の端板(57)とで構成されている
    請求項7から9のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  11. 前記第1のシート面(42)は、前記第1の貫通孔(21)の内周に形成され、
    前記第1の弁体(41)は、前記第1の弁体(41)が前記第1のシート面(42)に着座する閉弁位置と、前記第1の弁体(41)が前記閉弁位置から前記圧力室(15)の側に移動して前記第1のシート面(42)から離反する開弁位置との間で、前記第1の貫通孔(21)の内部に軸方向に移動可能に収容され、
    前記第1の貫通孔(21)の内部に、前記第1の弁体(41)を前記開弁位置から前記閉弁位置に向けて付勢する第1のバルブスプリング(44)が設けられ、
    前記第1の貫通孔(21)の圧力室(15)の側の端部開口に、前記第1のバルブスプリング(44)を支持する第1のスプリング支持部材(62)が設けられ、
    前記第2のシート面(52)は、前記第2の貫通孔(22)の内周に形成され、
    前記第2の弁体(51)は、前記第2の弁体(51)が前記第2のシート面(52)に着座する閉弁位置と、前記第2の弁体(51)が前記閉弁位置から前記リザーバ室(16)の側に移動して前記第2のシート面(52)から離反する開弁位置との間で、前記第2の貫通孔(22)の内部に軸方向に移動可能に収容され、
    前記第2の貫通孔(22)の内部に、前記第2の弁体(51)を前記開弁位置から前記閉弁位置に向けて付勢する第2のバルブスプリング(54)が設けられ、
    前記第2の貫通孔(22)のリザーバ室(16)の側の端部開口に、前記第2のバルブスプリング(54)を支持する第2のスプリング支持部材(64)が設けられている
    請求項7から9のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  12. 前記隔壁部(14)は、前記プランジャ(10)と軸方向に一体に移動するように前記プランジャ(10)に固定して設けられ、
    前記リーク隙間は、前記プランジャ(10)の外周と前記シリンダ(9)の内周との間の環状隙間のうち、前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)内への挿入端に近い側の端部に形成された第1の隙間(31)であり、
    前記プランジャ(10)の外周と前記シリンダ(9)の内周との間の環状隙間のうち、前記第1の隙間(31)に対して前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)内への挿入端から遠い側の部分に形成され、前記第1の隙間(31)よりも大きい隙間寸法をもつ拡大隙間部(30)と、
    前記プランジャ(10)の外周と前記シリンダ(9)の内周との間の環状隙間のうち、前記拡大隙間部(30)に対して前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)内への挿入端から遠い側の部分に形成され、前記拡大隙間部(30)よりも小さい隙間寸法をもつ第2の隙間(32)と、を更に有し、
    前記給油通路(33)は、前記シリンダ(9)の外側から供給されるオイルを前記拡大隙間部(30)に導入するように前記シリンダ(9)に形成されたシリンダ側油路(34)と、前記拡大隙間部(30)と、前記拡大隙間部(30)と前記リザーバ室(16)の間を連通するように前記プランジャ(10)の外周から内周に貫通して形成されたプランジャ側油路(35)とで構成されている
    請求項1から11のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  13. 前記プランジャ(10)の外周のうち、前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)内への挿入端に近い側の端部に円筒状の第1の大径外径面(26)が形成され、
    前記プランジャ(10)の外周のうち、前記第1の大径外径面(26)に対して、前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)内への挿入端から遠い側の部分に、前記第1の大径外径面(26)よりも小さい外径寸法をもつ小径外径面(27)が形成され、
    前記プランジャ(10)の外周のうち、前記小径外径面(27)に対して、前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)内への挿入端から遠い側の部分に、前記第1の大径外径面(26)と同じ外径寸法をもつ第2の大径外径面(28)が形成され、
    前記第1の隙間(31)は、前記第1の大径外径面(26)と前記シリンダ(9)の内周との間に形成される隙間であり、
    前記拡大隙間部(30)は、前記小径外径面(27)と前記シリンダ(9)の内周との間に形成される隙間であり、
    第2の隙間(32)は、前記第2の大径外径面(28)と前記シリンダ(9)の内周との間に形成される隙間である
    請求項12に記載のチェーンテンショナ。
  14. 前記シリンダ側油路(34)は、前記シリンダ(9)の内周に開口する油出口(37)を有し、
    前記シリンダ(9)の内周には円周溝(40)が形成され、その円周溝(40)は、前記油出口(37)の全体が前記円周溝(40)内に収まるように形成されている請求項13に記載のチェーンテンショナ。
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