JP2021162063A - チェーンテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの削減がしやすく、かつ、組み立ての作業性に優れたチェーンテンショナを提供する。【解決手段】プランジャ10と、プランジャ10の内周に軸方向に摺動可能に嵌合するインナースリーブ14と、プランジャ10をシリンダ9から突出する方向に付勢するリターンスプリング24と、プランジャ10の内周に形成されたプランジャ側セット溝50とインナースリーブ14の外周に形成されたインナースリーブ側セット溝51とにまたがって係合するセットリング52とを有するチェーンテンショナ。【選択図】図2

Description

この発明は、チェーンの張力保持に用いられるチェーンテンショナに関する。
自動車等のエンジンに使用されるチェーン伝動装置として、例えば、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するものや、クランクシャフトの回転をオイルポンプやウォーターポンプやスーパーチャージャー等の補機に伝達するものや、クランクシャフトの回転をバランサシャフトに伝達するものや、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するものなどがある。これらのチェーン伝動装置のチェーンの張力を適正範囲に保つために、チェーンテンショナが使用される。
このような用途に使用されるチェーンテンショナとして、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1のチェーンテンショナは、エンジン側面に取り付けられるシリンダと、そのシリンダに軸方向に摺動可能に挿入され、シリンダ内への挿入端が開口し、シリンダからの突出端が閉塞した筒状のプランジャと、そのプランジャの内周に軸方向に摺動可能に嵌合し、プランジャからの突出端がシリンダの閉塞端で支持されたインナースリーブと、一端がインナースリーブで支持され、他端がプランジャを押圧することで、プランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、インナースリーブおよびプランジャの内部領域をインナースリーブの側のリザーバ室とプランジャの側の圧力室とに区画するチェックバルブと、シリンダの外側から供給されるオイルをリザーバ室に導入する給油通路と、インナースリーブの外周とプランジャの内周との間に形成された円筒状のリーク隙間とを有する。チェックバルブは、リザーバ室の側から圧力室の側へのオイルの流れのみを許容するように構成されている。
この特許文献1のチェーンテンショナは、エンジン作動中にチェーンの張力が大きくなると、そのチェーンの張力によって、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向(以下、「押し込み方向」という)に移動し、チェーンの緊張を吸収する。このとき、圧力室からリーク隙間を通って流出するオイルの粘性抵抗によってダンパ力が発生するので、プランジャはゆっくりと移動する。
一方、エンジン作動中にチェーンの張力が小さくなると、リターンスプリングの付勢力によって、プランジャがシリンダから突出する方向(以下、「突出方向」という)に移動し、チェーンの弛みを吸収する。このとき、チェックバルブが開き、リザーバ室から圧力室内にオイルが流入するので、プランジャは速やかに移動する。
ところで、上記のチェーンテンショナは、エンジンから取り外した状態では、リターンスプリングの付勢力によってプランジャがシリンダから突出する方向に移動する。そして、プランジャがシリンダから大きく突出した状態で、チェーンテンショナをエンジンに取り付けようとすると、チェーンが突っ張ってしまい、チェーンテンショナが取り付けられない。
そのため、チェーンテンショナをエンジンに取り付けるに際しては、あらかじめプランジャをシリンダ内に押し込み、そのプランジャをシリンダから突出しないように押さえておく必要がある。しかし、プランジャを押さえておくのは煩雑である。
そこで、特許文献1のチェーンテンショナにおいては、チェーンテンショナをエンジンに取り付けるに際して、プランジャをシリンダ内に押し込んだ初期セット状態に保持することができるようにしている。具体的には、プランジャをシリンダ内に押し込んだ初期セット状態に保持するための構成として、シリンダの開口端の内周に形成されたシリンダ側セット溝と、プランジャのシリンダからの突出端の外周に形成されたプランジャ側セット溝と、シリンダ側セット溝とプランジャ側セット溝にまたがって係合することでプランジャをシリンダに押し込んだ初期セット状態に保持するセットリングとを設けている。シリンダ側セット溝とプランジャ側セット溝は、初期セット状態に保持されたプランジャをシリンダにさらに押し込む操作によって初期セット状態が解除されるように構成されている。
特開2010−286090号公報
ところで、特許文献1のチェーンテンショナは、プランジャをシリンダに押し込んだ初期セット状態に保持するために、シリンダの内周のシリンダ側セット溝と、プランジャの外周のプランジャ側セット溝とにまたがってセットリングを係合させる構成を採用している。そのため、製造コストの削減が難しいという問題があった。
すなわち、チェーンテンショナは、通常、エンジンごとに設計される。そして、エンジンに取り付けられるシリンダの形状は、エンジンごとに異なったものとなる。そのため、シリンダにシリンダ側セット溝を加工する工程は、エンジンごとに異なるさまざまなシリンダの形状に合わせて行なう必要があり、その加工コストを削減するのは難しいという問題があった。
また、特許文献1のチェーンテンショナは、チェーンテンショナの組立工程において、プランジャをシリンダ内に押し込んだ初期セット状態にする作業が煩雑であるという問題もある。すなわち、プランジャをシリンダ内に押し込んだ初期セット状態にするためには、まず、プランジャをリターンスプリングの付勢力に抗してシリンダ内に押し込み、次にその状態で、セットリングをシリンダ側セット溝とプランジャ側セット溝とにまたがるように係合させる作業を行なう必要がある。ここで、シリンダの形状は、上述したように、通常、エンジンごとに異なるため、セットリングをシリンダ側セット溝とプランジャ側セット溝とにまたがるように係合させる作業は、エンジンごとに異なるさまざまなシリンダの形状に合わせて行なう必要がある。そのため、プランジャをシリンダ内に押し込んだ初期セット状態にする作業は、自動化に馴染まず、煩雑であるという問題があった。
また、近年、自動車の低燃費化を図るため、自動車のオイルポンプが小型化される傾向にあり、これに伴い、チェーンテンショナでのオイル消費量を低減するニーズが高まっている。
この点についても、特許文献1のチェーンテンショナは、圧力室からリーク隙間を通って流出したオイルがすべてシリンダの開口端から外部に排出されるため、オイルの消費量が多いという問題があった。
この発明が解決しようとする課題は、製造コストの削減がしやすく、かつ、組み立ての作業性に優れたチェーンテンショナを提供することである。
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成のチェーンテンショナを提供する。
軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とするシリンダと、
前記シリンダに軸方向に摺動可能に挿入され、前記シリンダ内への挿入端が開口し、前記シリンダからの突出端が閉塞した筒状のプランジャと、
前記プランジャの内周に軸方向に摺動可能に嵌合し、前記プランジャからの突出端が前記シリンダの閉塞端で支持されたインナースリーブと、
一端が前記インナースリーブで支持され、他端が前記プランジャを押圧することで、前記プランジャを前記シリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、
前記インナースリーブおよび前記プランジャの内部領域を、前記インナースリーブの側のリザーバ室と前記プランジャの側の圧力室とに区画し、前記リザーバ室の側から前記圧力室の側へのオイルの流れのみを許容するチェックバルブと、
前記シリンダの外側から供給されるオイルを前記リザーバ室に導入する給油通路と、
前記インナースリーブの外周と前記プランジャの内周との間に形成され、前記圧力室からオイルをリークさせる円筒状のリーク隙間と、
前記プランジャの内周に形成されたプランジャ側セット溝と前記インナースリーブの外周に形成されたインナースリーブ側セット溝とにまたがって係合することで、前記インナースリーブを前記プランジャに押し込んだ初期セット状態に保持するセットリングと、を有し、
前記プランジャ側セット溝と前記インナースリーブ側セット溝は、初期セット状態に保持された前記インナースリーブを前記プランジャにさらに押し込む操作によって前記初期セット状態が解除されるように構成されている、
チェーンテンショナ。
このようにすると、まず、インナースリーブをリターンスプリングの付勢力に抗してプランジャ内に押し込み、次にその状態で、セットリングをプランジャ側セット溝とインナースリーブ側セット溝とにまたがって係合させることにより、インナースリーブをプランジャに押し込んだ初期セット状態に保持し、その後、初期セット状態に保持されたインナースリーブおよびプランジャをシリンダに挿入することで、プランジャをシリンダに押し込んだ状態に保持したチェーンテンショナを得ることができる。ここで、セットリングを係合させる溝は、シリンダではなく、プランジャおよびインナースリーブに設けられているので、エンジンごとに異なった形状をもつシリンダに、セットリングを係合させるための溝を加工する必要がない。一方、プランジャとインナースリーブは、エンジンに直接取り付けられる部材ではないため、複数のエンジンの間でプランジャおよびインナースリーブの形状を共通化することが可能であり、プランジャ側セット溝とインナースリーブ側セット溝を比較的低コストで加工することが可能である。そのため、このチェーンテンショナは、製造コストの削減がしやすい。
また、セットリングを係合させるための溝が、エンジンごとに異なった形状をもつシリンダではなく、複数のエンジンの間で形状を共通化することが可能なプランジャおよびインナースリーブに設けられているので、チェーンテンショナの組立工程において、セットリングをプランジャ側セット溝とインナースリーブ側セット溝とにまたがるように係合させる作業を、エンジンごとに異なるさまざまなシリンダの形状に合わせて行なう必要がない。そのため、このチェーンテンショナは、インナースリーブをプランジャに押し込んだ初期セット状態にする作業を、複数のエンジン間で統一化することが可能であり、組み立ての作業性に優れている。
前記インナースリーブに、前記圧力室から前記リーク隙間を通ってリークしたオイルを前記リザーバ室に戻す油回収孔が形成すると好ましい。
このようにすると、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向に軸方向移動するときに、圧力室からリーク隙間を通ってリークしたオイルが油回収孔を通ってリザーバ室に戻る。そのため、チェーンテンショナでのオイル消費量を抑えることができる。
前記インナースリーブの外周には、前記油回収孔の位置を通って周方向に延びる油回収溝を形成すると好ましい。
このようにすると、リーク隙間から軸方向に流出するオイルが、インナースリーブの外周を周方向に延びる油回収溝で集められて、油回収孔に誘導されるので、圧力室からリーク隙間を通ってリークしたオイルを効率よくリザーバ室に戻すことが可能となる。
前記シリンダの内周と前記プランジャの外周には円筒状のガイド隙間が形成され、前記ガイド隙間の径方向寸法は前記リーク隙間の径方向寸法よりも大きく設定された構成を採用することができる。
このようにすると、リーク隙間を流れるオイルによるダンパ力を確保しながら、チェーンテンショナの組み立て作業性を高めることが可能となる。
前記インナースリーブの前記プランジャからの突出端の端面と、前記シリンダの閉塞端の内端面とのうちの一方に突起が形成され、他方に凹部が形成され、
前記突起と前記凹部は、互いに係合して前記インナースリーブと前記シリンダを周方向に位置決めするようにした構成を採用することができる。
このようにすると、突起と凹部の係合により、インナースリーブがシリンダに対して周方向に位置決めされるので、リザーバ室のエアが排出されやすい周方向位置でインナースリーブを回り止めすることが可能となる。
前記シリンダの内周と前記プランジャの外周のうちの一方に形成したシール溝に、他方に摺接するシール部材を組み込むと好ましい。
このようにすると、チェーンテンショナでのオイル消費量をきわめて効果的に抑制することが可能となる。
前記給油通路は、前記インナースリーブの前記プランジャからの突出部分の外周と前記シリンダの内周との間に形成される環状空間と、前記シリンダの側壁を前記シリンダの軸方向と交差する方向に貫通して形成され、前記シリンダの外側から供給されるオイルを前記環状空間に導入するシリンダ側油路と、前記環状空間と前記リザーバ室の間を連通するように前記インナースリーブの外周から内周に貫通して形成されたインナースリーブ側油路とで構成すると好ましい。
このようにすると、給油通路をシリンダの閉塞端に形成する必要がないので、シリンダの閉塞端の軸方向厚みを薄くすることができ、チェーンテンショナの軸方向長さを短く抑えることが可能となる。
前記シリンダ側油路は、前記シリンダの内周に開口する油出口を有し、
前記シリンダの外周には、取り付け用の座面が形成され、
前記シリンダ側油路は、前記プランジャの前記シリンダからの突出方向が上下方向に対して交差する方向となる姿勢で、前記座面を上下に延びるエンジン側面に固定したときに、前記油出口が前記プランジャの中心線よりも上側で開口するように形成されている構成を採用すると好ましい。
このようにすると、エンジン側面にシリンダを固定したときに、シリンダ側油路の油出口がシリンダの内周の比較的高い位置にくるので、シリンダの内部に溜まったオイルがシリンダ側油路を通ってシリンダの外部に流出したときに、シリンダの内部から流出するオイルの量を抑えることができる。そのため、エンジンの停止に伴いシリンダの外部からシリンダ側油路へのオイルの供給が停止し、その後、エンジンを再始動したときに、ダンパ力を迅速に発生することが可能となる。
前記シリンダは、エンジンブロックと継ぎ目の無い一体に形成することができる。
このようにすると、一般的なチェーンテンショナをエンジン側面に取り付けるときに必要となるエンジン側面の仕上げ加工や、エンジン側面に固定されるシリンダの座面の仕上げ加工などが不要となるため、一層のコスト削減を図ることが可能となる。また、シリンダをエンジン側面に位置決めして固定する作業が不要なので、チェーンテンショナの取り付け作業が簡単である。また、エンジンに対するシリンダの取り付け誤差が無いため、寸法精度の高いチェーンテンショナの設置が可能であり、取り付け誤差に起因してプランジャに過大なモーメント荷重が負荷されるのを防止することが可能である。
前記インナースリーブの外周に、オイルリーク調整用の溝を設けることができる。
このようにすると、溝の深さ等を変えることによってダンパ力の大きさを精度よく調整することが可能となる。
前記セットリングは、円周の一部を切り離した形状のリング部と、前記リング部の両端に設けられた前記リング部の縮径操作用の一対の操作片とからなる、一本の金属線材を曲げて形成された構成であり、
前記プランジャ側セット溝は、前記金属線材の線径よりも小さい深さをもつ浅溝部と、前記浅溝部に対して前記プランジャのシリンダからの突出端の側に連なって形成され、前記金属線材の線径よりも大きい深さをもつ深溝部とで構成され、
前記プランジャには、前記プランジャ側セット溝と交差して前記プランジャを径方向に貫通する切り欠きが形成され、
前記一対の操作片は、前記切り欠きに収容されるとともに、前記プランジャの径方向の厚みの範囲内に収まるように形成されている構成を採用することができる。
このようにすると、プランジャの切り欠きから露出した一対の操作片を操作することで、プランジャ側セット溝におけるセットリングの収容位置を深溝部から浅溝部に移動させ、セットリングを、プランジャ側セット溝とインナースリーブ側セット溝とにまたがって係合させることができる。ここで、一対の操作片は、プランジャの径方向の厚みの範囲内に収まるように形成されているので、一対の操作片を操作してインナースリーブおよびプランジャを初期セット状態に保持し、その後、インナースリーブおよびプランジャをシリンダに挿入するときに、セットリングの一対の操作片が、シリンダに干渉するのを防止することができる。
この発明のチェーンテンショナは、セットリングを係合させる溝が、シリンダではなく、プランジャおよびインナースリーブに設けられているので、エンジンごとに異なった形状をもつシリンダに、セットリングを係合させるための溝を加工する必要がない。そのため、このチェーンテンショナは、製造コストの削減がしやすい。また、セットリングを係合させるための溝が、シリンダではなく、プランジャおよびインナースリーブに設けられているので、チェーンテンショナの組立工程において、セットリングをプランジャ側セット溝とインナースリーブ側セット溝とにまたがるように係合させる作業を、エンジンごとに異なるさまざまなシリンダの形状に合わせて行なう必要がない。そのため、このチェーンテンショナは、組み立ての作業性に優れている。
この発明の第1実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す図 図1のチェーンテンショナ近傍の拡大断面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図2に示すチェーンテンショナの組立工程において、シリンダに挿入する前の中間組立品(プランジャにインナースリーブを挿入し、そのインナースリーブをプランジャに押し込んだ状態に初期セットした状態のもの)を示す断面図 図4に示す中間組立品の斜視図 図4に示す中間組立品を図2に示すシリンダに挿入したときのセットリングの近傍の拡大断面図 図6に示すプランジャをシリンダ内に押し込むことによって、セットリングのリング部がプランジャ側セット溝の浅溝部から深溝部に移動し、拡径した状態を示すセットリングの近傍の拡大断面図 図7に示すようにインナースリーブ側セット溝に対するセットリングの係合が外れた後、図2に示すリターンスプリングの付勢力によってプランジャが突出方向に移動する状態を示すセットリングの近傍の拡大断面図 この発明の第2実施形態のチェーンテンショナを図2に対応して示す図 図9に示すチェーンテンショナの変形例を示す図 図10のXI−XI線に沿った断面図 この発明の第3実施形態のチェーンテンショナを図3に対応して示す図 この発明の第4実施形態のチェーンテンショナを図3に対応して示す図 図4に示す中間組立品を、図2に示す内装式のシリンダとは形状の異なるセルフマウント式のシリンダに組み込んだ実施形態を図2に対応して示す図 図4に示す中間組立品を、図2に示す内装式のシリンダとは形状の異なる外装式のシリンダに組み込んだ他の実施形態を図2に対応して示す図
図1に、この発明の第1実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、カムシャフト4に固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されており、そのチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)の開閉を行なう。
エンジンが作動しているときのクランクシャフト2の回転方向は一定(図では右回転)であり、このときチェーン6は、クランクシャフト2の回転に伴ってスプロケット3に引き込まれる側(図の右側)の部分が張り側となり、スプロケット3から送り出される側(図の左側)の部分が弛み側となる。そして、チェーン6の弛み側の部分には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触している。チェーンテンショナ1は、チェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
図2に示すように、チェーンテンショナ1は、軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とする筒状のシリンダ9と、シリンダ9に軸方向に摺動可能に挿入されたプランジャ10とを有する。プランジャ10のシリンダ9からの突出端はチェーンガイド8を押圧している。
シリンダ9は、金属(例えばアルミ合金)で一体成形されている。シリンダ9は、シリンダ9の外周に一体に形成された複数の取り付け片11にボルト12(図1参照)を締め込むことによって、エンジン側面13(図3参照)に固定されている。シリンダ9は、プランジャ10のシリンダ9からの突出方向が上下方向に対して交差する方向(図では水平よりも下側に傾斜する斜め方向)となるように取り付けられている。
プランジャ10は、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端が開口し、プランジャ10のシリンダ9からの突出端が閉塞した筒状に形成されている。プランジャ10の材質は、鉄系材料(例えばSCM(クロムモリブデン鋼)やSCr(クロム鋼)等の鋼材)である。
プランジャ10の内周には、インナースリーブ14が軸方向に摺動可能に嵌合している。プランジャ10の内周は、軸方向に沿って内径が一定の円筒面である。インナースリーブ14は、軸方向の一端がプランジャ10内に挿入され、軸方向の他端がプランジャ10から突出している。インナースリーブ14のプランジャ10からの突出端は、シリンダ9の閉塞端で支持されている。シリンダ9の閉塞端の内端面15は、インナースリーブ14のプランジャ10からの突出端の端面16と当接することで、インナースリーブ14を支持している。インナースリーブ14は、プランジャ10と同様、鉄系材料(例えばSCr材やSCM材)で形成されている。
インナースリーブ14のプランジャ10内への挿入端には、チェックバルブ17が設けられている。チェックバルブ17は、インナースリーブ14およびプランジャ10の内部領域を、インナースリーブ14の側のリザーバ室18とプランジャ10の側の圧力室19とに区画している。リザーバ室18の容積は、プランジャ10が軸方向移動しても変化せず、一定である。一方、圧力室19の容積は、プランジャ10がシリンダ9から突出する方向に軸方向移動するときは拡大し、プランジャ10がシリンダ9に押し込まれる方向に軸方向移動するときは縮小する。
チェックバルブ17は、インナースリーブ14の内周に嵌め込んで固定されたバルブシート20と、バルブシート20を軸方向に貫通して形成された弁孔21を開閉する弁体22と、弁体22の移動範囲を規制するバルブリテーナ23とを有する。弁体22は、球状に形成されている。バルブリテーナ23は、弁孔21の圧力室19側の端部開口の周縁に形成されたシート面に接触して弁孔21を閉じる閉弁位置と、閉弁位置から圧力室19の側に移動して弁孔21を開く開弁位置との間で、弁体22を移動可能に保持している。このチェックバルブ17は、弁孔21の圧力室19の側からリザーバ室18の側へのオイルの流れを制限し、リザーバ室18の側から圧力室19の側へのオイルの流れのみを許容する。
圧力室19には、リターンスプリング24が組み込まれている。リターンスプリング24は、インナースプリング25とアウタースプリング26からなる二重の圧縮コイルばねで構成されている。アウタースプリング26は、一端がインナースリーブ14のプランジャ10への挿入端で直接支持され、他端がプランジャ10のシリンダ9からの突出端の内面を押圧している。インナースプリング25は、一端がチェックバルブ17を介してインナースリーブ14で支持され、他端がプランジャ10のシリンダ9からの突出端の内面を押圧している。インナースプリング25は、プランジャ10のシリンダ9からの突出端の側を大径とするテーパコイルばねである。
図3に示すように、インナースリーブ14の外周には、インナースリーブ14のプランジャ10内への挿入端に近い側(図では右側)から遠い側(図では左側)に向かって順に、第1円筒面31、油回収溝30、第2円筒面32が形成されている。第1円筒面31と第2円筒面32は、互いに同じ外径寸法をもつ円筒状の外周面である。油回収溝30は、第1円筒面31と第2円筒面32の間を周方向に延びて形成されている。油回収溝30の溝底径は、第1円筒面31および第2円筒面32の外径寸法よりも小さい。すなわち、第1円筒面31と第2円筒面32は、同一工程で加工された円筒面であり、油回収溝30は、その円筒面の軸方向の途中部分を除去して形成された円周溝である。
インナースリーブ14の外周の第1円筒面31と、プランジャ10の内周との間には、圧力室19の容積が縮小するときに圧力室19からオイルをリークさせるリーク隙間33が形成されている。リーク隙間33は、半径方向の幅が0.010〜0.050mmの範囲に設定された円筒状の微小隙間である。
インナースリーブ14の外周の第2円筒面32と、プランジャ10の内周との間にも、円筒状隙間34が形成されている。円筒状隙間34の半径方向の幅は、リーク隙間33の径方向の幅と同じであり、0.010〜0.050mmの範囲に設定されている。
プランジャ10のシリンダ9内への挿入部分の外周は、溝加工のない円筒面である。シリンダ9のプランジャ10の外周を支持する部分の内周も、溝加工のない円筒面である。シリンダ9の内周の円筒面とプランジャ10の外周の円筒面との間には、円筒状のガイド隙間35が形成されている。ガイド隙間35の径方向寸法は、リーク隙間33の径方向寸法よりも大きい。ガイド隙間35の径方向寸法は、例えば、0.015〜0.065mmの範囲に設定することができる。
シリンダ9の外周には、エンジン側面13への取り付け用の座面36が形成されている。エンジン側面13は、エンジンブロック37の側面である。座面36は、プランジャ10の中心線と平行な平面状に形成され、その座面36が、上下(図では紙面に垂直な方向)に延びるエンジン側面13にボルト12(図2参照)で押し付けて固定されている。
シリンダ9およびプランジャ10には、シリンダ9の外側から供給されるオイルをリザーバ室18に導入する給油通路40が設けられている。給油通路40は、シリンダ9の外側から供給されるオイルをシリンダ9の内側に導入するようにシリンダ9に形成されたシリンダ側油路41と、インナースリーブ14のプランジャ10からの突出端に設けられた軸方向の貫通孔42とで構成されている。
シリンダ側油路41のシリンダ9の外側の端部は、油孔43に接続するように、シリンダ9の外周の座面36に開口している。油孔43は、オイルポンプ(図示せず)から送り出されるオイルをチェーンテンショナ1に供給する給油用の孔であり、エンジン側面13に開口している。シリンダ側油路41のシリンダ9の内側の端部は、インナースリーブ14の貫通孔42に接続するように、シリンダ9の閉塞端の内端面15に開口している。
インナースリーブ14には、圧力室19からリーク隙間33を通ってリークしたオイルをリザーバ室18に戻す油回収孔44が形成されている。油回収孔44は、インナースリーブ14を半径方向に貫通する孔である。油回収孔44の外径側の端部は、油回収溝30の内面に開口している。ここで、インナースリーブ14の外周の油回収溝30は、油回収孔44の外径側の端部の開口の全体が油回収溝30に収まるように、油回収孔44の位置を通って周方向に延びている。
またチェーンテンショナ1は、インナースリーブ14をプランジャ10に押し込んだ初期セット状態(図4に示す状態)に保持することを可能とするため、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端の内周に形成されたプランジャ側セット溝50と、インナースリーブ14のプランジャ10からの突出端の外周に形成されたインナースリーブ側セット溝51と、プランジャ側セット溝50に収容されたセットリング52とが設けられている。
図5に示すように、セットリング52は、円周の一部を切り離した形状のリング部53と、リング部53の両端に設けられた縮径操作用の一対の操作片54とからなる。セットリング52は、一本の金属線材を曲げて形成されている。一対の操作片54は、周方向に間隔を空けて対向して配置され、その一対の操作片54の周方向の間隔を狭める操作によって、リング部53の直径が縮小するようにリング部53を弾性変形させることが可能となっている。一対の操作片54は、リング部53の両端から、インナースリーブ14のプランジャ10からの突出端の側に金属線材を曲げて形成されている。
図6に示すように、プランジャ側セット溝50は、セットリング52のリング部53を構成する金属線材の線径よりも小さい深さをもつ浅溝部55と、セットリング52のリング部53を構成する金属線材の線径よりも大きい深さをもつ深溝部56とで構成されている。深溝部56は、浅溝部55に対してプランジャ10のシリンダ9からの突出端の側(図では右側)に連なって形成されている。深溝部56の軸方向幅は、セットリング52のリング部53を構成する金属線材の線径よりも大きい。
インナースリーブ側セット溝51の深さは、セットリング52のリング部53を構成する金属線材の線径よりも小さい。また、インナースリーブ側セット溝51の軸方向幅は、セットリング52のリング部53を構成する金属線材の線径よりも大きい。セットリング52のリング部53は、プランジャ側セット溝50の浅溝部55に組み込んだときに、弾性的に縮径変形した状態となる大きさである。このプランジャ側セット溝50とインナースリーブ側セット溝51は、初期セット状態に保持されたインナースリーブ14をプランジャ10にさらに押し込む操作によって、インナースリーブ側セット溝51に対するセットリング52の係合が外れ、初期セットを解除することができるようになっている。
図5に示すように、プランジャ10には、一対の操作片54を収容する切り欠き57が形成されている。切り欠き57は、プランジャ10のシリンダ9内への挿入端の端面59の一部を軸方向に切り欠いた形状を有する。切り欠き57は、プランジャ側セット溝50にセットリング52を収容したときに、そのセットリング52のリング部53の両端が切り欠き57の内部に突出するように、プランジャ側セット溝50と交差して形成されている。また、切り欠き57に収容された操作片54を外径側から操作できるように、切り欠き57は、プランジャ10を径方向に貫通して形成されている。図2に示すように、各操作片54は、プランジャ10の径方向の厚みの範囲内に収まる寸法に形成されている。
このチェーンテンショナ1のエンジンへの取り付けは、例えば、以下のようにして行なうことができる。
まず、図4、図5に示すように、プランジャ10と、そのプランジャ10に挿入したインナースリーブ14とを有する中間組立品58(サブアッシー)を組み立てる。具体的には、まず、セットリング52のリング部53をプランジャ側セット溝50の深溝部56(図7参照)に収容した状態で、インナースリーブ14を、リターンスプリング24の付勢力に抗してプランジャ10内に押し込む。そして、インナースリーブ側セット溝51が、セットリング52のリング部53と径方向に対向する位置までインナースリーブ14を押し込み、その状態で操作片54を操作して、セットリング52を縮径させ、セットリング52のリング部53をインナースリーブ側セット溝51に収容する。続いて、インナースリーブ14に負荷していたプランジャ10への押し込み方向の力を解除し、リターンスプリング24の付勢力によってインナースリーブ14をプランジャ10から突出する方向に移動させる。そうすると、図6に示すように、プランジャ側セット溝50におけるセットリング52の収容位置が深溝部56から浅溝部55に移動し、セットリング52のリング部53がプランジャ側セット溝50とインナースリーブ側セット溝51とにまたがって係合した状態となる。この状態では、セットリング52の係合によってインナースリーブ14のプランジャ10から突出する方向の相対移動が規制され、インナースリーブ14がプランジャ10に押し込んだ初期セット状態に保持される。
次に、上記のようにして組み立てた中間組立品58をシリンダ9(図3参照)に挿入することで、プランジャ10をシリンダ9に押し込んだ状態に保持したチェーンテンショナ1を得ることができる。
インナースリーブ14とプランジャ10の初期セット状態は、プランジャ10に押し込み方向の荷重を負荷することで解除することができる。具体的には、図6に示すように、セットリング52のリング部53が、プランジャ側セット溝50とインナースリーブ側セット溝51とにまたがって係合した状態から、図7に示すように、プランジャ10に押し込み方向の荷重を負荷することで、プランジャ10をシリンダ9内に押し込む方向(図の矢印の方向)に移動させる。このとき、プランジャ10がインナースリーブ14に対して軸方向に相対移動し、プランジャ側セット溝50におけるセットリング52の収容位置が浅溝部55から深溝部56に移動すると、セットリング52の弾性復元によってリング部53が拡径し、リング部53とインナースリーブ側セット溝51との係合が外れる。これにより、インナースリーブ14のプランジャ10から突出する方向の相対移動が許容された状態となり、初期セット状態は解除される。
初期セット状態が解除されると、図3に示すリターンスプリング24の付勢力によってプランジャ10が突出方向に移動する。そして、このプランジャ10でチェーンガイド8を押圧し、チェーン6(図1参照)に張力を付与する。
次に、このチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ10がシリンダ9内に押し込まれる方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、圧力室19の圧力がリザーバ室18の圧力よりも高くなるので、チェックバルブ17は閉じた状態となる。また、プランジャ10の移動に応じて圧力室19の容積が縮小するので、その縮小した容積の分、圧力室19からリーク隙間33を通ってオイルがリークし、このときリーク隙間33を流れるオイルの粘性抵抗でダンパ力が発生し、そのダンパ力によってチェーン6のばたつきが防止される。そして、圧力室19からリーク隙間33を通ってリークしたオイルの大部分は、油回収溝30および油回収孔44を通ってリザーバ室18に戻る。また、圧力室19からリーク隙間33を通ってリークしたオイルの一部は、円筒状隙間34と、インナースリーブ14のプランジャ10からの突出部分の外周とシリンダ9の内周との間に形成される環状空間とを順に通ってガイド隙間35を潤滑する。
一方、エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなると、リターンスプリング24の付勢力によって、プランジャ10が突出方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、プランジャ10の移動に応じて圧力室19の容積が拡大するので、圧力室19の圧力がリザーバ室18の圧力よりも低くなり、チェックバルブ17が開く。そして、リザーバ室18からチェックバルブ17を通って圧力室19にオイルが流入し、プランジャ10が速やかに移動する。このとき、シリンダ9の外側の油孔43(図3参照)から、給油通路40を通ってリザーバ室18にオイルが導入される。
エンジンが停止し、その後、エンジンが再始動するとき、一般に油孔43(図3参照)内のオイルの油面はいったん下がった状態となっていることから、油孔43からチェーンテンショナ1へのオイル供給が開始するまでに時間がかかる。この場合、エンジンが再始動してから、油孔43からのオイル供給が開始されるまでの間、リザーバ室18内にあらかじめ溜まったオイルが、チェックバルブ17を通って圧力室19に流入することで、圧力室19がオイルで満たした状態に保たれる。そのため、エンジン再始動の直後からダンパ力を発生することが可能であり、チェーン6のばたつきを抑えることが可能となっている。
このチェーンテンショナ1は、セットリング52を係合させる溝が、シリンダ9ではなく、プランジャ10およびインナースリーブ14に設けられているので、エンジンごとに異なった形状をもつシリンダ9に、セットリング52を係合させるための溝を加工する必要がない。一方、プランジャ10とインナースリーブ14は、エンジンに直接取り付けられる部材ではないため、複数のエンジンの間でプランジャ10およびインナースリーブ14の形状を共通化することが可能であり、プランジャ側セット溝50とインナースリーブ側セット溝51を比較的低コストで加工することが可能である。そのため、このチェーンテンショナ1は、製造コストの削減がしやすい。
例えば、図14に示すように、エンジンカバー60を貫通して形成されたテンショナ取り付け孔61にシリンダ9を挿入し、シリンダ9の外周に形成された雄ねじ62をテンショナ取り付け孔61の内周に形成された雌ねじ63にねじ係合させるセルフマウント式のチェーンテンショナ1は、上記実施形態のような内装式のチェーンテンショナ1とは異なる形状のシリンダ9を有するが、上記実施形態と共通化した形状のプランジャ10およびインナースリーブ14を採用することが可能である。
また同様に、図15に示すように、エンジンカバー60を貫通して形成されたテンショナ取り付け孔61にシリンダ9を挿入し、シリンダ9の外周に形成されたフランジ部64をエンジンカバー60の外面にボルト65で固定する外装式のチェーンテンショナ1も、上記実施形態のような内装式のチェーンテンショナとは異なる形状のシリンダ9を有するが、上記実施形態と共通化した形状のプランジャ10およびインナースリーブ14を採用することが可能である。
また、上記実施形態のチェーンテンショナ1は、セットリング52を係合させるための溝が、エンジンごとに異なった形状をもつシリンダ9ではなく、複数のエンジンの間で形状を共通化することが可能なプランジャ10およびインナースリーブ14に設けられているので、チェーンテンショナ1の組立工程において、セットリング52をプランジャ側セット溝50とインナースリーブ側セット溝51とにまたがるように係合させる作業を、エンジンごとに異なるさまざまなシリンダ9の形状に合わせて行なう必要がない。そのため、このチェーンテンショナ1は、インナースリーブ14をプランジャ10に押し込んだ初期セット状態にする作業を、複数のエンジン間で統一化することが可能であり、組み立ての作業性に優れている。
また、このチェーンテンショナ1は、インナースリーブ14に、圧力室19からリーク隙間33を通ってリークしたオイルをリザーバ室18に戻す油回収孔44が形成されているので、プランジャ10がシリンダ9内に押し込まれる方向に軸方向移動するときに、圧力室19からリーク隙間33を通ってリークしたオイルが油回収孔44を通ってリザーバ室18に戻る。そのため、チェーンテンショナ1でのオイル消費量を抑えることができる。ここで、チェーン6の張力によってプランジャ10が押し込み方向に移動するとき、リーク隙間33を流れるオイルにはチェーン6の張力に応じた高い圧力が作用するが、インナースリーブ14の外周の第2円筒面32とプランジャ10の内周との間の円筒状隙間34と、プランジャ10の外周とシリンダ9の内周との間のガイド隙間35とには、油孔43から供給されるオイルの圧力ほどの比較的小さい圧力しか作用しないため、ガイド隙間35を通ってシリンダ9の開口端から流出するオイルは、わずかな量に抑えることができる。
また、このチェーンテンショナ1は、インナースリーブ14の外周に油回収孔44の位置を通って周方向に延びる油回収溝30が形成されているので、リーク隙間33から軸方向に流出するオイルが、インナースリーブ14の外周を周方向に延びる油回収溝30で集められ、油回収孔44に誘導される。そのため、圧力室19からリーク隙間33を通ってリークしたオイルを効率よくリザーバ室18に戻すことが可能である。
また、このチェーンテンショナ1は、シリンダ9の内周とプランジャ10の外周のガイド隙間35の径方向寸法がリーク隙間33の径方向寸法よりも大きく設定されているので、リーク隙間33を流れるオイルによるダンパ力を確保しながら、チェーンテンショナ1の組み立て作業性を高めることが可能となっている。
また、このチェーンテンショナ1は、プランジャ10の切り欠き57から露出した一対の操作片54を操作することで、プランジャ側セット溝50におけるセットリング52の収容位置を深溝部56から浅溝部55に移動させ、セットリング52を、プランジャ側セット溝50とインナースリーブ側セット溝51とにまたがって係合させることができる。ここで、一対の操作片54は、プランジャ10の径方向の厚みの範囲内に収まるように形成されているので、一対の操作片54を操作してインナースリーブ14およびプランジャ10を初期セット状態に保持した中間組立品58(図5参照)をシリンダ9に挿入するときに、セットリング52の一対の操作片54が、シリンダ9に干渉するのを防止することが可能である。
図9に、この発明の第2実施形態のチェーンテンショナ1を示す。第2実施形態は、第1実施形態と比べて給油通路40の構成のみが異なり、それ以外の構成は同一である。そのため、第1実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
給油通路40は、インナースリーブ14のプランジャ10からの突出部分の外周とシリンダ9の内周との間に形成される環状空間70と、シリンダ9の外側から供給されるオイルを環状空間70に導入するシリンダ側油路41と、環状空間70とリザーバ室18の間を連通するようにインナースリーブ14の外周から内周に貫通して形成されたインナースリーブ側油路71とで構成されている。
シリンダ側油路41は、シリンダ9の側壁を、シリンダ9の軸方向と交差する方向(図では紙面に垂直な方向)に貫通して形成されている。シリンダ側油路41は、シリンダ9の内周に開口する油出口72を有し、その油出口72がプランジャ10の中心線よりも上側で開口するように形成されている。インナースリーブ14のプランジャ10からの突出端には、オイルが通過しないようにインナースリーブ14を閉口させる端板73が一体に形成されている。
この第2実施形態のチェーンテンショナ1は、給油通路40をシリンダ9の閉塞端に形成する必要がないので、シリンダ9の閉塞端の軸方向厚みを薄くすることができ、チェーンテンショナ1の軸方向長さを短く抑えることが可能となっている。
また、このチェーンテンショナ1は、プランジャ10のシリンダ9からの突出方向が上下方向に対して交差する方向となる姿勢で、座面36(図3参照)を上下に延びるエンジン側面13(図3参照)に固定したときに、図9に示すように、シリンダ側油路41の油出口72がプランジャ10の中心線よりも上側で開口する(すなわちシリンダ側油路41の油出口72がシリンダ9の内周の比較的高い位置にくる)ので、シリンダ9の内部に溜まったオイルがシリンダ側油路41を通ってシリンダ9の外部の油孔43(図3参照)に流出したときに、シリンダ9の内部から流出するオイルの量を抑えることができる。そのため、エンジンの停止に伴い油孔43(図3参照)からシリンダ側油路41へのオイルの供給が停止し、その後、エンジンを再始動したときに、ダンパ力を迅速に発生することが可能である。
図10、図11に、第2実施形態の変形例を示す。この変形例では、インナースリーブ14のプランジャ10からの突出端の端面16に凹部74が形成され、シリンダ9の閉塞端の内端面15に突起75が形成されている。突起75は、凹部74に嵌合してインナースリーブ14をシリンダ9に対して回り止めしている。凹部74は、図では、インナースリーブ14のプランジャ10からの突出端の円形の端面16の円周の一部を、インナースリーブ14の中心線と平行な平面に沿って切り取ったDカット形状を有する。突起75と凹部74は、互いに係合することで、インナースリーブ14とシリンダ9を周方向に位置決めしており、インナースリーブ14がシリンダ9に対して特定の角度位置(位相)にあるときにのみ、インナースリーブ14のプランジャ10からの突出端の端面16が、シリンダ9の閉塞端の内端面15に当接するようになっている。
この変形例では、突起75と凹部74の係合により、インナースリーブ14がシリンダ9に対して周方向に位置決めされるので、リザーバ室18のエアが排出されやすい周方向位置でインナースリーブ14を回り止めすることが可能である。例えば、シリンダ9をエンジン側面13に固定したときに、油回収孔44が、インナースリーブ14の上側の半周(図ではインナースリーブ14の上端)以内に位置するようにインナースリーブ14を位置決めし、リザーバ室18内のエアを油回収孔44から円滑に排出することが可能である。また、シリンダ9をエンジン側面13に固定したときに、インナースリーブ側油路71が、インナースリーブ14の上側の半周(図ではインナースリーブ14の上端から90度変位した位置)以内に位置するようにインナースリーブ14を位置決めし、リザーバ室18内のエアをインナースリーブ側油路71から円滑に排出することが可能である。
図12に、この発明の第3実施形態のチェーンテンショナ1を示す。第3実施形態は、第1実施形態と比べて、シリンダ9がエンジンブロック37と一体に形成されている点と給油通路40の構成のみが異なり、それ以外の構成は同一である。そのため、第1実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
シリンダ9は、エンジンブロック37と継ぎ目の無い一体に形成されている。エンジンブロック37およびインナースリーブ14には、シリンダ9の外側から供給されるオイルをリザーバ室18に導入する給油通路40が設けられている。
給油通路40は、シリンダ9の外側から供給されるオイルをシリンダ9の内側に導入するようにエンジンブロック37に形成されたエンジン側油路76と、インナースリーブ14のプランジャ10からの突出端に設けられた軸方向の貫通孔42とで構成されている。エンジン側油路76は、シリンダ9の閉塞端に開口する軸方向孔77と、この軸方向孔77に直交してエンジンブロック37を延びる軸直角孔78とを有する。軸直角孔78の端部開口は、止め栓79で塞がれている。止め栓79は、図では、軸直角孔78の端部開口にねじ込んだねじ部材を示したが、これに代えて例えば、軸直角孔78の端部開口に打ち込まれる玉を採用することも可能である。
この第3実施形態のチェーンテンショナ1は、一般的なチェーンテンショナをエンジン側面13(図3参照)に取り付けるときに必要となるエンジン側面13の仕上げ加工や、エンジン側面13に固定されるシリンダ9の座面36(図3参照)の仕上げ加工や、シリンダ9を固定するためのボルト12(図2参照)などが不要であるため、一層のコスト削減を図ることが可能である。
また、このチェーンテンショナ1は、シリンダ9をエンジン側面13(図3参照)に位置決めして固定する作業が不要なので、チェーンテンショナ1の取り付け作業が簡単である。また、エンジンブロック37に対するシリンダ9の取り付け誤差が無いため、寸法精度の高いチェーンテンショナ1の設置が可能であり、取り付け誤差に起因してプランジャ10に過大なモーメント荷重が負荷されるのを防止することが可能である。
図13に、この発明の第4実施形態のチェーンテンショナ1を示す。第4実施形態は、第1実施形態と比べて、シール部材81が設けられている点と、オイルリーク調整用の溝82が設けられている点のみが異なり、それ以外の構成は同一である。第1実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
シリンダ9の開口端の内周には、シール溝80が形成されている。シール溝80には、プランジャ10の外周に摺接するシール部材81が組み込まれている。シール部材81は、環状に成形されたゴム製の部材(例えばOリング)である。これにより、チェーンテンショナ1でのオイル消費量をきわめて効果的に抑制することが可能となっている。
また、インナースリーブ14の外周の第1円筒面31には、オイルリーク調整用の溝82が設けられている。溝82は、図では、リード角をもって螺旋状に延びる螺旋溝を採用している。この溝82の深さやリード角を変えることによって、チェーンテンショナ1のダンパ力の大きさを精度よく調整することが可能である。
上記各実施形態では、チェーンテンショナ1を、クランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達するチェーン伝動装置に組み込んだ例を挙げて説明したが、チェーンテンショナ1は、クランクシャフト2の回転をオイルポンプやウォーターポンプやスーパーチャージャー等の補機に伝達するチェーン伝動装置や、クランクシャフト2の回転をバランサシャフトに伝達するチェーン伝動装置や、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するチェーン伝動装置に組み込むことも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
9 シリンダ
10 プランジャ
13 エンジン側面
14 インナースリーブ
15 内端面
16 端面
17 チェックバルブ
18 リザーバ室
19 圧力室
24 リターンスプリング
30 油回収溝
33 リーク隙間
35 ガイド隙間
36 座面
37 エンジンブロック
40 給油通路
41 シリンダ側油路
44 油回収孔
50 プランジャ側セット溝
51 インナースリーブ側セット溝
52 セットリング
53 リング部
54 操作片
55 浅溝部
56 深溝部
57 切り欠き
70 環状空間
71 インナースリーブ側油路
72 油出口
74 凹部
75 突起
80 シール溝
81 シール部材
82 オイルリーク調整用の溝

Claims (11)

  1. 軸方向の一端を閉塞端とし、軸方向の他端を開口端とするシリンダ(9)と、
    前記シリンダ(9)に軸方向に摺動可能に挿入され、前記シリンダ(9)内への挿入端が開口し、前記シリンダ(9)からの突出端が閉塞した筒状のプランジャ(10)と、
    前記プランジャ(10)の内周に軸方向に摺動可能に嵌合し、前記プランジャ(10)からの突出端が前記シリンダ(9)の閉塞端で支持されたインナースリーブ(14)と、
    一端が前記インナースリーブ(14)で支持され、他端が前記プランジャ(10)を押圧することで、前記プランジャ(10)を前記シリンダ(9)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(24)と、
    前記インナースリーブ(14)および前記プランジャ(10)の内部領域を、前記インナースリーブ(14)の側のリザーバ室(18)と前記プランジャ(10)の側の圧力室(19)とに区画し、前記リザーバ室(18)の側から前記圧力室(19)の側へのオイルの流れのみを許容するチェックバルブ(17)と、
    前記シリンダ(9)の外側から供給されるオイルを前記リザーバ室(18)に導入する給油通路(40)と、
    前記インナースリーブ(14)の外周と前記プランジャ(10)の内周との間に形成され、前記圧力室(19)からオイルをリークさせる円筒状のリーク隙間(33)と、
    前記プランジャ(10)の内周に形成されたプランジャ側セット溝(50)と前記インナースリーブ(14)の外周に形成されたインナースリーブ側セット溝(51)とにまたがって係合することで、前記インナースリーブ(14)を前記プランジャ(10)に押し込んだ初期セット状態に保持するセットリング(52)と、を有し、
    前記プランジャ側セット溝(50)と前記インナースリーブ側セット溝(51)は、初期セット状態に保持された前記インナースリーブ(14)を前記プランジャ(10)にさらに押し込む操作によって前記初期セット状態が解除されるように構成されている、
    チェーンテンショナ。
  2. 前記インナースリーブ(14)に、前記圧力室(19)から前記リーク隙間(33)を通ってリークしたオイルを前記リザーバ室(18)に戻す油回収孔(44)が形成されている請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記インナースリーブ(14)の外周には、前記油回収孔(44)の位置を通って周方向に延びる油回収溝(30)が形成されている請求項2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記シリンダ(9)の内周と前記プランジャ(10)の外周には円筒状のガイド隙間(35)が形成され、前記ガイド隙間(35)の径方向寸法は前記リーク隙間(33)の径方向寸法よりも大きく設定されている請求項1から3のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記インナースリーブ(14)の前記プランジャ(10)からの突出端の端面(16)と、前記シリンダ(9)の閉塞端の内端面(15)とのうちの一方に突起(75)が形成され、他方に凹部(74)が形成され、
    前記突起(75)と前記凹部(74)は、互いに係合して前記インナースリーブ(14)と前記シリンダ(9)を周方向に位置決めするように構成されている、
    請求項1から4のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  6. 前記シリンダ(9)の内周と前記プランジャ(10)の外周のうちの一方に形成したシール溝(80)に、他方に摺接するシール部材(81)を組み込んだ請求項1から5のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  7. 前記給油通路(40)は、前記インナースリーブ(14)の前記プランジャ(10)からの突出部分の外周と前記シリンダ(9)の内周との間に形成される環状空間(70)と、前記シリンダ(9)の側壁を前記シリンダ(9)の軸方向と交差する方向に貫通して形成され、前記シリンダ(9)の外側から供給されるオイルを前記環状空間(70)に導入するシリンダ側油路(41)と、前記環状空間(70)と前記リザーバ室(18)の間を連通するように前記インナースリーブ(14)の外周から内周に貫通して形成されたインナースリーブ側油路(71)とで構成されている請求項1から6のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  8. 前記シリンダ側油路(41)は、前記シリンダ(9)の内周に開口する油出口(72)を有し、
    前記シリンダ(9)の外周には、取り付け用の座面(36)が形成され、
    前記シリンダ側油路(41)は、前記プランジャ(10)の前記シリンダ(9)からの突出方向が上下方向に対して交差する方向となる姿勢で、前記座面(36)を上下に延びるエンジン側面(13)に固定したときに、前記油出口(72)が前記プランジャ(10)の中心線よりも上側で開口するように形成されている、
    請求項7に記載のチェーンテンショナ。
  9. 前記シリンダ(9)は、エンジンブロック(37)と継ぎ目の無い一体に形成されている請求項1から7のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  10. 前記インナースリーブ(14)の外周に、オイルリーク調整用の溝(82)を設けた請求項1から9のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  11. 前記セットリング(52)は、円周の一部を切り離した形状のリング部(53)と、前記リング部(53)の両端に設けられた前記リング部(53)の縮径操作用の一対の操作片(54)とからなる、一本の金属線材を曲げて形成された構成であり、
    前記プランジャ側セット溝(50)は、前記金属線材の線径よりも小さい深さをもつ浅溝部(55)と、前記浅溝部(55)に対して前記プランジャ(10)のシリンダ(9)からの突出端の側に連なって形成され、前記金属線材の線径よりも大きい深さをもつ深溝部(56)とで構成され、
    前記プランジャ(10)には、前記プランジャ側セット溝(50)と交差して前記プランジャ(10)を径方向に貫通する切り欠き(57)が形成され、
    前記一対の操作片(54)は、前記切り欠き(57)に収容されるとともに、前記プランジャ(10)の径方向の厚みの範囲内に収まるように形成されている、
    請求項1から10のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
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