JP2019002308A - 高圧燃料供給ポンプ - Google Patents

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大輔 平沼
Daisuke Hiranuma
大輔 平沼
悟史 臼井
Satoshi Usui
悟史 臼井
繁彦 小俣
Shigehiko Komata
繁彦 小俣
斉藤 淳治
Junji Saito
淳治 斉藤
壮嗣 秋山
Moritsugu Akiyama
壮嗣 秋山
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Abstract

【課題】燃料としてアルコール燃料が使用される環境下であっても、吸入弁機構の摺動部のフリクション悪化を抑制した高圧燃料供給ポンプを得る。【解決手段】本発明では上記課題を解決するために、加圧室の上流側に吸入弁機構を備えた高圧燃料供給ポンプにおいて、吸入弁を開弁方向又は閉弁方向に移動させるロッドと、前記ロッドを摺動可能に支持するロッドガイドを備え、ロッドが摺動するロッドガイドの摺動面の軸方向長さを1mm〜1.5mmとなるように構成した。これにより、燃料としてアルコール燃料が使用される環境下であっても、フリクション悪化を抑制することが可能となる。【選択図】 図7

Description

本発明は、筒内(シリンダ)に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えた内燃機関の燃料供給システムに好適な高圧燃料供給ポンプに関する。
本発明の従来技術として特許文献1(特開2011−179319号公報)に記載のものがある。この特許文献1の燃料供給システムでは、燃料タンクから燃料をくみ上げるフィードポンプ(低圧燃料供給ポンプ)によって低圧燃料噴射弁が設置された低圧燃料容積室(コモンレールとも呼ぶ)に低圧燃料通路を通して供給する低圧燃料供給系と、フィードポンプでくみ上げた燃料を高圧燃料供給ポンプで加圧したのち、高圧燃料噴射弁が設置された高圧燃料容積室(高圧燃料蓄圧室とも呼ぶ)に高圧燃料を供給する高圧燃料供給系とを備えている。
高圧燃料噴射弁には、吸入弁の開閉の役目を果たす、プランジャーロッドを備えている。吸入弁の動作タイミングは、電磁ソレノイド原理を用いてコントロールされ、高圧燃料噴射弁の加圧室内に供給する燃料量を制御している。プランジャーロッドは、二つの軸受け部により支えられ、プランジャーロッド軸方向に動作し、閉弁時は、相手方部材(バルブシート)と、金属接触(メタルタッチ)にて気密性を確保し、供給燃料量を調整している。
特開2011−179319号公報
近年、自動車の燃料としてエターノールを主成分とするアルコール燃料を使用することが市場トレンドになり得ると言われている。アルコール燃料は通常のガソリンと燃料成分が異なる。この燃料成分の差異が原因となって、高圧燃料供給ポンプの備える吸入弁機構のロッド部等の摺動部のフリクション悪化の懸念があげられる。
吸入弁機構のロッド部等の摺動部の摺動性が悪くなると、吸入弁機構の開閉の応答性が悪くなる。高圧燃料供給ポンプは、吸入弁機構の開閉のタイミングにより、流量制御を行うため、吸入弁機構の開閉の応答性が悪くなると、流量制御性が悪くなり、必要な流量を吐出できなくなってしまう。また、高圧燃料供給ポンプの吐出側には燃料噴射弁が取り付けられるコモンレールが設置されており、コモンレールには自動車側から要求される燃料圧力を保つ必要がある。しかし、吸入弁機構の閉弁の応答性が悪くなると、吐出燃料が低くなってしまうので、要求される燃料圧力を保つことができない。
一方で電磁吸入弁の開弁の応答性が悪くなると、吐出燃料が高くなってしまうので、コモンレールの燃料圧力が高くなり過ぎる虞がある。コモンレールの燃料圧力が設定圧力以上になってしまうと、故障モードとして、リリーフ弁が作動してしまう場合もある。
そこで本発明は、燃料としてアルコール燃料が使用される環境下であっても、吸入弁機構の摺動部のフリクション悪化を抑制した高圧燃料供給ポンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、加圧室の上流側に吸入弁機構を備えた高圧燃料供給ポンプにおいて、前記吸入弁機構は流路を開閉する吸入弁と、前記吸入弁を開弁方向又は閉弁方向に移動させるロッドと、前記ロッドを摺動可能に支持するロッドガイドと、を備え、前記ロッドが摺動する前記ロッドガイドの摺動面の軸方向長さを1mm〜1.5mmとなるように構成した。
好適には、前記ロッドガイドは前記摺動面から軸方向における両側に径方向に向かって広がるようにテーパ面が形成され、前記摺動面と前記テーパ面との鋭角の交差角度が10〜12°となるように構成した。
好適には、前記吸入弁機構を電磁駆動型の電磁吸入弁機構によって構成し、前記電磁吸入弁機構は無通電時に前記吸入弁が閉じるように構成されたノーマルクローズ型の電磁吸入弁機構である。
好適には、前記吸入弁機構は、アルコール燃料の流路開閉を行うように構成された。
好適には、前記ロッドガイドは、旋盤にて内径部が加工され、一方のテーパ面から前記摺動面、及び他方のテーパ面まで、1回の工程にて加工されることで形成される。
このように構成された本発明によれば、燃料としてアルコール燃料を使用された環境下であっても吸入弁機構の摺動部のフリクション悪化を抑制した高圧燃料供給ポンプを提供することが可能とする。
本発明の実施例による高圧燃料供給ポンプの縦断面図である。 本発明の実施例によるによる高圧燃料供給ポンプの別の縦断面図である。 本発明の実施例によるによる高圧燃料供給ポンプの別の縦断面図である。 本発明の実施例によるによる高圧燃料供給ポンプのシステム図である。 本発明の実施例の改良案によるによる高圧燃料供給ポンプの縦断面図である。 本発明の実施例の改良案による高圧燃料供給ポンプのシステム図である。 本発明の実施例による高圧燃料供給ポンプの縦断面図で、図1、図5における吸気弁の拡大図である。
以下図面に示す実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
図1〜図7に基づき本発明の第1の実施例を説明する。
ポンプハウジング1には加圧室11を形成するためのカップ型の凹所11Aが設けられている。凹所11A(加圧室11)の開口部にはシリンダ6が嵌合されている。ホルダ7をねじ部1bにて螺合することによってシリンダ6の端部がホルダ7によってポンプハウジング1の加圧室11の開口部に設けた段付部16Aに押し付けられる。
シリンダ7とポンプハウジング1は段付部16Aで圧接され、金属接触による燃料シール部を形成する。シリンダ6には中心にプランジャ2の貫通孔(摺動孔とも呼ぶ)が設けられている。プランジャ2はシリンダ6の貫通孔に往復動可能に遊嵌されている。ホルダ7の外周にはねじ部1bの反加圧室11側の位置にシールリング62が装着されている。
シールリング62はホルダ7の外周とポンプハウジング1の凹所11Aの内周壁との間を燃料の漏れないようにシール部を形成する。
ホルダ7の反シリンダ6側には内側筒状部71と外側筒状部72の二重の筒状部が形成されている。ホルダ7の内側筒状部71にはプランジャシール装置13が保持されており、プランジャシール装置13はホルダ7の内周とプランジャ2の周面との間に燃料溜り部67を形成している。燃料溜り部67にはプランジャ2とシリンダ6の摺動面から漏れる燃料が捕獲される。
プランジャシール装置13は後述するカム5側から燃料溜り67に潤滑オイルが侵入することも防止している。
ホルダ7の反シリンダ6側に形成された外側筒状部72はエンジンブロック100に形成された取付け孔100Aに挿入される。ホルダ7の外側筒状部72の外周にはシールリング61が取付けられている。シールリング61は取付け孔100Aから潤滑オイルが大気中に漏れるのを防止し、また大気から水が浸入するのを防止する。
ホルダ7の直径はシールリング62の部分よりもシールリング61の部分の方が大きく構成されている。これは、ポンプハウジング1をエンジンブロックに取付ける際の取付け面積を大きくしてポンプ本体の首振り現象を小さくすることに効果がある。
ポンプハウジング1の下端面101Aはエンジンブロックの取付け孔100Aの周囲の取付け面に当接している。ポンプハウジング1の下端面101Aの中心部には環状突起11Bが形成されている。
環状突起11Bはエンジンブロック100の取付け孔100Aに遊嵌しており、ホルダ7の外側筒状部72の外径とほぼ同じ外径を有するが、ポンプ本体の首振りは環状突起11Aと下端面101Aとで受けるよう配慮される。
プランジャ2はシリンダ6に滑合する大径部2aの直径よりもシリンダから反加圧室側に延びる小径部2bの直径の方が小さく形成されている。その結果プランジャシール装置13の外径を小さくでき、この部分でホルダ7に二重の筒状部71,72を形成するスペースが確保できる。直径が細くなっているプランジャ2の小径部2bの先端部にはばね受け15が固定されている。ホルダ7とばね受け15との間にはばね4が設けられている。
ばね4の一端はホルダ7の内周側筒状部71の周りで外周筒状部72の内側に装着されている。ばね4の他端は有底筒状の金属で構成されるリテーナ15の内側に配置される。リテーナ15の筒状部31Aは取付け穴100Aの内周部に遊嵌されている。
タペット3の底部31Bの内表面にはプランジャ2の下端部21Aが当接している。タペット3の底部31Bの中央部には回転ローラ3Aが取付けられている。ローラ3Aはカム5の表面にばね4の力を受けて押し付けられている。その結果カム5が回転するとカム5のプロフィールに沿ってタペット3とプランジャ2が上下に往復動する。プランジャ2が往復動するとプランジャ2の加圧室側端部2Bは加圧室11に入ったり出たりする。プランジャ2の加圧室側端部2Bが加圧室11に進入するとき加圧室11内の燃料が高圧に加圧されて高圧通路に吐出される。またプランジャ2の加圧室側端部2Bが加圧室11から後退するとき加圧室11内に吸入通路30aから燃料が吸入される。カム5はエンジンのクランクシャフトあるいはオーバヘッドカムシャフトによって回転される。
カム5が図1に示す3葉カム(カム山が3つ)の場合、クランクシャフトあるいはオーバヘッドカムシャフトが1回転するとプランジャ2は3往復する。4サイクルエンジンの場合、1燃焼工程でクランクシャフトは2回転するので、クランクシャフトでカム5を回転する場合、1燃焼サイクルの間(基本的には燃料噴射弁がシリンダに1回燃料を噴射する)にカムは6往復して燃料を6回加圧し吐出する。
ポンプハウジング1にねじ止あるいは溶接で固定されたジョイント101は、低圧燃料口10aを形成している。ジョイント101の内側にはフィルター102が装着されている。ポンプハウジング1の頭部にはダンパカバー14が固定されており、ダンパカバー14とポンプハウジング1との間に区画形成される低圧室10c,10dには、燃料圧力脈動を低減するための圧力脈動低減機構9が収容されている。
ダンパカバー14の頭部には低圧燃料口10bとしてのジョイントが形成されている。
圧力脈動低減機構9はその上下両面にはそれぞれ低圧室10c,10dが設けられている。
ダンパカバー14は圧力脈動低減機構9を収容する低圧室10c,10dを形成する機能と、低圧燃料口10bとしてのジョイントを介して燃料を低圧燃料噴射弁の燃料溜としての低圧燃料容積室43へ通流する機能を有する。
図5に示す吐出口12は、ポンプハウジング1にねじ止若しくは溶接によって固定されたジョイント103で形成されている。
第1実施例の高圧燃料供給ポンプでは(経路1)ジョイント101の低圧燃料口10a−低圧室10d−吸入通路30a−加圧室11−吐出口12に至る燃料通路と、(経路2)ジョイント101の低圧燃料口10a−低圧室10d−低圧室10c−低圧燃料口10bに至る燃料通路の二つの燃料通路が形成される。なお、(経路3)低圧室10d−低圧燃料通路10e−環状低圧通路10h−ホルダ7に設けられた溝7a−燃料溜り部67(環状低圧室10f)も連通されている。この結果、プランジャ2が往復動すると燃料溜り部67(環状低圧室10f)の容積が増減して、低圧室10dと燃料溜り部67(環状低圧室10f)との間で燃料が行き来する。これによりプランジャと2とシリンダ6の摺動熱で暖められた燃料溜り部67(環状低圧室10f)の燃料の熱は、低圧室10dの燃料と熱交換され、冷却される。
加圧室11の入口の吸入通路30aには可変容量制御機構30が設けられている。可変容量制御機構30内には吸入弁31が設けられて、いる。吸入弁はばね33によって吸入口30Aを閉じる方向に付勢力されている。これにより可変容量制御機構30は無通電状態では吸入通路30aから加圧室11に向かう燃料流だけを許す逆止弁となる。
加圧室11の出口には吐出弁ユニット8が設けられている(図5参照)。吐出弁ユニット8は吐出弁シート8a,吐出弁シート8aと接離する吐出弁8b,吐出弁8bを吐出弁シート8aに向かって付勢する吐出弁ばね8c,吐出弁8bと吐出弁シート8aとを収容する吐出弁ホルダ8dから構成され、吐出弁シート8aと吐出弁ホルダ8dとは当接部で溶接8eにより接合されて一体のユニットを形成している。
なお、吐出弁ホルダ8dの内部には、吐出弁8bのストロークを規制するスットパーを形成する段付部8fが設けられている。
加圧室11と吐出口12に燃料差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出弁ばね8cによる付勢力で吐出弁シート8aに圧着され閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が、吐出口12の燃料圧力よりも大きくなった時に始めて、吐出弁8bは吐出弁ばね8cに逆らって開弁し、加圧室11内の燃料は吐出口12を経て低圧容積室23としてのコモンレールへと高圧吐出される。吐出弁8bは開弁した際、吐出弁ストッパ8fと接触し、ストロークが制限される。したがって、吐出弁8bのストロークは吐出弁ストッパ8dによって適切に決定される。これによりストロークが大きすぎて、吐出弁8bの閉じ遅れにより、吐出口12へ高圧吐出された燃料が、再び加圧室11内に逆流してしまうのを防止でき、高圧ポンプの効率低下が抑制できる。また、吐出弁8bが開弁および閉弁運動を繰り返す時に、吐出弁8bがストローク方向にのみ運動するように、吐出弁吐出弁ホルダ8dの内周面にてガイドしている。以上のようにすることで、吐出弁ユニット8は燃料の流通方向を制限する逆止弁となる。
シリンダ6は外周がホルダ7で保持され、ホルダ7の外周に螺刻されたねじを、ポンプ本体に螺刻されたねじにねじ込むことによってねじ部1bにおいてポンプハウジング1に固定される。プランジャ2は大径部2aと小径部2bからなる。シリンダ6は加圧部材であるプランジャ2を大径部2aにて上下に摺動可能に保持する。プランジャ2の下端には、カム5の回転運動を上下運動に変換し、プランジャ2に伝達するリテーナ15が圧入によってプランジャ2に固定されており、プランジャ2はリテーナ15を介してばね4にてタペット3の底部内面に押し付けられている。これによりカム5の回転運動に伴い、プランジャ2を上下に運動させることができる。また、プランジャ2の小径部2bはシリンダ6の図中下側でプランジャシール装置13によりシールされ、ガソリン(燃料)が高圧燃料供給ポンプのから内燃機関の内部に漏れることを防止する。同時に内燃機関の摺動部を潤滑する潤滑油(エンジンオイルでも良い)がポンプハウジング1の内部に流入するのを防止する。
これらの構成により、加圧室11は、可変容量制御機構30,吐出弁ユニット8,プランジャ2,シリンダ6,ポンプハウジング1にて構成される。
燃料は燃料タンク20から低圧燃料供給ポンプ21にて、吸入配管28を通してポンプの低圧燃料口10aに導かれる。低圧燃料供給ポンプ21は、エンジンコントロールユニット27(以後、ECUと称す)からの信号によってポンプハウジング1への吸入燃料を一定の圧力に調圧する。高圧燃料供給ポンプのポンプハウジング1の低圧燃料口10aに導かれた燃料は、上述の経路2を通して低圧燃料容積室43へと供給される。
また、経路1を通して加圧室で加圧された高圧燃料が吐出口12から高圧燃料容積室23へ供給される。高圧燃料容積室23には、高圧燃料噴射弁24,圧力センサ26が装着されている。高圧燃料噴射弁24は、内燃機関の気筒数に合わせて装着されており、ECU27の信号に基づいて内燃機関の燃焼室に燃料を噴射する。
低圧燃料容積室43へは、ポンプハウジング1を通過した低圧燃料が低圧燃料口10bから低圧配管41を介して供給される。低圧燃料容積室43には、低圧燃料噴射装弁44が装着されている。低圧燃料噴射装弁44は、内燃機関の気筒数に合わせて装着されており、ECU27の信号に基づいて内燃機関の吸気ポートに燃料を噴射する。
次に、高圧吐出される燃料の量を調整する可変容量制御機構30について図1,図4及び図5を用いて説明する。
吸入弁体31は吸入弁31a,アンカー31b,ばねストッパ31cからなり、アンカー31b,ばねストッパ31cは吸入弁31aに圧入され固定されている。吸入弁体31は、閉弁時はシート32と接触し、低圧室10dと加圧室11を遮断する。吸入弁ばね33は、ばねストッパ31cの圧入位置にて付勢力を決定する。電磁駆動機構のコイル36が無通電状態で、かつ吸入通路30a(低圧室10d)と加圧室11の流体差圧が無い時は、この吸入弁ばね33の付勢力により、吸入弁体31は図1に示すように図面左の閉弁方向に付勢され閉弁状態となっている。
カム5の回転により、プランジャ2が吸入工程(上死点位置から下死点位置に移動する間)にある時は、加圧室11の容積は増加し加圧室11内の燃料圧力が低下する。加圧室11の燃料圧力が低圧室10dの圧力よりも低くなると、吸入弁体31には燃料の流体差圧による開弁力が発生する。吸入弁体31は、この流体差圧による開弁力が吸入弁ばね33の付勢力を超えることにより、吸入弁ばね33の付勢力に打ち勝って、開弁するように設定されている。吸入弁体31の開弁方向の変位量はコア35にて規制されているので、完全に開弁状態の時は、アンカー31bとコア35が接触している。かくして、このコア35により、吸入弁体31のストロークが決定されることになる。
この状態で、端子37を介してECU27からの入力電圧がコイル36に印加されると、コイル36には電流が流れる。流れる電流の波形はコイル36の抵抗値とインダクタンスの値によって決まる。この電流によって、アンカー31bと、コア35の間には互いに引き合う磁気付勢力が発生する。しかし、すでに流体差圧により吸入弁体31は完全に開弁し、コア35に接しているかあるいは途中まで開弁しているので、磁気付勢力がこの時点で発生しても、アンカー31bとコア35が激しく衝突することはない。かくして開弁時の吸入弁の打音が抑制される。また、吸入弁を駆動する電力が小さくでき、起動電流が不要若しくは小さくできる。
コイル36に入力電圧の印加状態を維持したまま、プランジャ2は吸入工程を終了し、圧縮工程(下死点から上死点に移動する間)へと移行する。プランジャ2が圧縮工程に移ると、流体差圧による開弁力は無いが、入力電圧の印加状態を維持したままなので磁気付勢力は印加されたままであり、依然として吸入弁体31は開弁したままである。従ってこの状態では、加圧室11の容積がプランジャ2の圧縮運動に伴って減少しても、加圧室11内の燃料が再び開弁状態の吸入弁体31を通して吸入通路30a(低圧室10d)へと戻されるので、加圧室の圧力が上昇することは無い。この工程を戻し工程(スピル工程とも称す)と呼ぶ。このとき、吸入弁体31には、吸入弁ばね33による付勢力と、燃料が加圧室11から低圧室10dへ逆流する時に発生する流体力による閉弁力が働く。この閉弁力と吸入弁ばね33による閉弁方向への付勢力が加算されて開弁を維持するための磁気付勢力に対向するので、磁気付勢力はこれに負けない力が必要である。この実施例では上述したように、流体差圧により吸入弁体31が完全に開弁若しくは途中まで開弁できるように、吸入弁ばね33の力が非常に小さく設定されているので、閉弁方向への付勢力は小さい。その結果小さな磁気付勢力でも充分開弁状態を維持できる。
この状態で、ECU27からの入力電圧を解除にすると、コイル36に流れる電流はゼロになるが、吸入弁体に働いている磁気付勢力は、入力電圧が解除になった状態から、一定の時間後(磁気的な遅れの後)に消去される(以後、この時間を、「磁気解除遅れ」と称す)。磁気付勢力が減少し吸入弁体31に作用する吸入弁ばね33による付勢力と、燃料が加圧室11から吸入通路30a(低圧室10d)へ逆流する時に発生する閉弁力の総和の方が大きくなると吸入弁体31が閉弁に転じ、このときから加圧室11の燃料圧力はプランジャ2の上昇運動と共に上昇する。そして、吐出口12の圧力以上になると、吐出弁ユニット8を介して加圧室11に残っている燃料の高圧吐出が行われ、高圧燃料容積室23へ加圧燃料が供給される。この工程を吐出工程と称す。すなわち、プランジャ2による圧縮工程は、戻し工程と吐出工程からなる。
そして、コイル36への入力電圧を解除するタイミング(閉弁タイミング)を制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。入力電圧を解除するタイミング(閉弁タイミング)を早くすれば、圧縮工程中の、戻し工程の割合が小さく、吐出工程の割合が大きい。すなわち、吸入通路30a(低圧室10d)に戻される燃料が少なく、高圧吐出される燃料は多くなる。一方、入力電圧を解除するタイミングを遅くすれば、圧縮工程中の、戻し工程の割合が大きく、吐出工程の割合が小さい。すなわち、吸入通路30a(低圧室10d)に戻される燃料が多く、高圧吐出される燃料は少なくなる。入力電圧を解除するタイミングは、ECUからの司令による。
以上のようにすることで、磁気付勢力は吸入弁体31を開弁状態のまま維持するために充分確保でき、かつ、入力電圧を解除するタイミングを制御することで、高圧吐出される燃料の量を、内燃機関が必要とする量に制御することができる。
上記の吸入工程,戻し工程、および吐出工程の3つの工程中、吸入通路30a(低圧室10d)には常に燃料が出入りするため、燃料圧力に周期的な脈動が生じる。この圧力脈動は圧力脈動低減機構9にて吸収低減され、低圧燃料供給ポンプ21からポンプハウジング1へ至る吸入配管28への圧力脈動の伝播を遮断し、吸入配管28の破損等を防止すると同時に、安定した燃料圧力で加圧室11に燃料を供給することを可能としている。低圧室10cは低圧室10dと接続しているので、圧力脈動低減機構9の両面に燃料は行き渡り効果的に燃料の圧力脈動を抑える。
また、圧力脈動低減機構9は経路(2)を通って低圧燃料用石室へ流れる燃料に対しても脈動低減効果がある。
シリンダ6の下端とプランジャシール装置13の間には燃料溜り67としての環状低圧室10fが存在し、環状低圧室10fは経路3(低圧室10d−低圧燃料通路10e−環状低圧通路10h−ホルダ7に設けられた溝7)にて低圧室10dと接続されている。プランジャ2がシリンダ6内で摺動運動を繰り返すと、大径部2aと小径部2bとの結合部は環状低圧室10f内で上下運動を繰り返し、環状低圧室10fは容積変化する。吸入工程では環状低圧室10fの容積は減少し、環状低圧室10f内の燃料は低圧通路11eを通って低圧室10dへと流れる。戻し工程、および吐出工程では環状低圧室10fの容積は増加し、低圧室10d内の燃料は低圧通路11eを通って環状低圧室10fへと流れる。
低圧室10dに着目すると、吸入工程では低圧室10dから加圧室11に燃料は流入する一方、環状低圧室10fから低圧室10dに燃料が流入する。戻し工程では、加圧室11から低圧室10dに燃料は流入する一方、低圧室10dから環状低圧室10fに燃料が流入する。吐出工程では、環状低圧室10fから低圧室10dに燃料は流入する。このように、環状低圧室10fは低圧室10dへの燃料の出入りを助ける作用があるので、低圧室10dで発生する燃料の圧力脈動を低減する効果がある。
また、低圧燃料口10aと低圧燃料口10bの間に圧力脈動低減機構9が設置されているので、プランジャ2の上下運動に伴って発生する圧力脈動は圧力脈動低減機構9によって吸収され、低圧燃料容積室43への圧力脈動の伝播を防ぐ事ができる。
図3に示すようにリリーフ通路211には燃料の流れを吐出通路から低圧室10dへの一方向のみに制限するリリーフ弁機構200が設けられており、リリーフ弁機構200の入り口は図示しない流路によって、吐出弁8bの下流側と連通されている。
以下、リリーフ弁機構200の動作について説明する。リリーフ弁202は、押し付け力を発生するリリーフばね204によりリリーフ弁シート201に押し付けられており、吸入室内とリリーフ通路内との間の圧力差が規定の圧力以上になるとリリーフ弁202がリリーフ弁シート201から離れ、開弁するようにセット開弁圧を設定している。ここで、リリーフ弁202が開き始める時の圧力をセット開弁圧と定義する。
リリーフ弁機構200は、リリーフ弁シート201と一体であるリリーフ弁ハウジング206,リリーフ弁202,リリーフ押さえ203,リリーフばね204,リリーフばねアジャスタ205からなる。リリーフ弁機構200は、サブアセンブリとしてポンプハウジング1の外部で組み立て、その後にポンプハウジング1に圧入によって固定する。
まず、リリーフ弁ハウジング206に、リリーフ弁202,リリーフ押さえ203,リリーフばね204の順に順次挿入し、リリーフばねアジャスタ205をリリーフ弁ハウジング206に圧入固定する。このリリーフばねアジャスタ205の固定位置によって、リリーフばね204のセット荷重を決定する。リリーフ弁202の開弁圧力は、このリリーフばね204のセット荷重によって決定せられる。こうしてできたリリーフサブアセンブリ200を、ポンプハウジング1に圧入固定する。
この場合、リリーフ弁200の開弁圧力は、高圧燃料供給ポンプの正常動作範囲の最大圧力よりも高い圧力に設定する。
エンジンに燃料を供給する高圧燃料噴射装置(23,24,30)の故障や、高圧燃料供給ポンプなどを制御するECU27等の故障により発生した高圧燃料容積室23内の異常高圧が、リリー弁202のセット開弁圧以上になると、燃料は吐出弁8bの下流側からリリーフ流路211を通り、リリーフ弁202へと達する。そして、リリーフ弁202を通過した燃料は、リリーフばねアジャスタ205に開けられた逃がし通路208低圧部である低圧室10dへ開放される。これにより、高圧燃料容積室23等の高圧部の保護がなされる。
以上のように、内燃機関には高圧燃料噴射装置(23,24,30)または低圧燃料噴射装置(41,43,44)によって燃料が供給されるが、それぞれの噴射装置から噴射される燃料の量は内燃機関の運転状態による。例えば、アイドリング運転のような静粛性を求められる運転状態である。高圧燃料噴射弁24から燃料を噴射すると、高圧燃料供給ポンプは燃料を高圧に加圧して高圧燃料容積室に供給しなくてはならない。このとき、可変容量制御機構30が吐出弁ユニット8などでは金属が衝突し音を発生するので、求められる静粛性を阻害してしまう。そこで、アイドリング運転状態では暖機完了後であれば、低圧燃料供給ポンプ20にて加圧した低圧燃料を低圧燃料噴射装置(41,43,44)から吸気ポートに噴射すれば静粛性を保つ事ができる。低圧燃料容積室43へ供給される低圧燃料は、高圧燃料供給ポンプを通過することになる。つまり、低圧燃料口10aから低圧室10dに流入した低圧燃料は圧力脈動低減機構9、および低圧室10cを通過して低圧燃料口10bから低圧燃料通路41を介して低圧燃料容積室43へ供給される。
内燃機関が低圧燃料噴射装置(41,43,44)のみにて燃料を供給する場合は、高圧燃料供給ポンプは燃料を高圧に加圧する必要はない。この場合、プランジャ2の摺動運動に伴い加圧室11の燃料は低圧室10dとの間で往復を繰り返す。これにより、低圧燃料に圧力脈動が発生するが前述した機構によりこの圧力脈動は低減する事ができる。特に、低圧燃料口10aと低圧燃料口10bとの間に圧力脈動低減機構を設けることにより、プランジャ2の摺動運動によって発生した低圧燃料の圧力脈動を低圧燃料通路41、および低圧燃料容積室43へ伝播する事を防ぐ事ができるので、低圧燃料噴射装置(41,43,44)は安定した噴射を繰り返す事ができる。なお、低圧燃料噴射装置(41,43,44)にのみ燃料を供給するエンジンの運転状態では高圧燃料供給ポンプの可変容量制御機構30は吐出ゼロの状態に維持されるようにするために、電磁駆動機構のコイル36に電流を流し続けることになる。このときの消費電力を少なく押さえるためにも小さい電磁力で吸入弁の開弁状態を維持できる本実施例の構成は効果的である。
プランジャ2とシリンダ6は内燃機関が低圧燃料噴射装置(41,43,44)のみで運転されている場合でも摺動運動を繰り返す。摺動部であるプランジャ2の大径部2aの外形とシリンダ6の内径は、クリアランス(隙間)を例えば8〜10μm程度に設定されている。通常はこのクリアランスは薄い膜状となった燃料によって満たされており、これによってスムーズな摺動を確保している。この燃料の薄膜が何らかの原因で途切れてしまうとプランジャ2とシリンダ6は摺動運動中にロックを起こして固着してしまので、燃料を高圧に加圧する事ができなくなってしまうという問題がある。高圧燃料供給ポンプが燃料を高圧に加圧して吐出している状態では、加圧室11内の燃料の圧力が高くなって、極微小の高圧燃料がクリアランスを通して環状低圧室10fへと圧送され易いので、燃料の薄膜切れは起こりにくい。また、プランジャ2とシリンダ6の摺動運動によって発生する熱も、加圧された高圧燃料によって高圧燃料供給ポンプの外部へと持ち去られるのでクリアランス中の燃料の薄膜が温度上昇によって蒸気化してしまうことで発生する薄膜切れも生じない。
低圧燃料噴射装置(41,43,44)へ供給する燃料が高圧燃料供給ポンプを通らない従来技術では、内燃機関が低圧燃料噴射装置(41,43,44)のみにて燃料を供給する場合は、この燃料の薄膜切れの現象が生じる可能性が高くなる。なぜなら高圧燃料供給ポンプは燃料を高圧に加圧する必要はないので、加圧室11の燃料圧力は低圧室10dや環状低圧室10fと同じ低圧である。したがって、加圧室11からクリアランスを通して環状低圧室10fへ燃料が流れる事が無いので薄膜切れが起こりやすくなる。さらには、プランジャ2とシリンダ6の摺動運動で発生する熱が外部に運び去られる事も無いのでプランジャ2,シリンダ6、およびその周りの部品も温度が上昇してしまう。その結果、クリアランス中の燃料の薄膜が蒸気化してしまい、十分な燃料の薄膜を確保する事が困難であった。
本実施例では燃料タンク20からの低圧燃料を吸入する低圧燃料口10aと、低圧燃料容積室43へ通じる低圧燃料口10bを高圧燃料供給ポンプに設け、その間に圧力脈動低減機構9を設ける。圧力脈動低減機構9の両面には低圧室10c,低圧室10dが存在する低圧燃料口10aは低圧室10dに、低圧吸入口10bは低圧室10cに開口する。プランジャ2には大径部2aと小径部2bを設けて、プランジャ2の摺動運動に伴って環状低圧室10fの容積が変化する構造としている。こうすることで、内燃機関が低圧燃料噴射装置(41,43,44)のみにて燃料を供給する場合でも、燃料は高圧燃料供給ポンプの内部を通過するので高圧燃料供給ポンプから摩擦熱を持ち去る効果がある。さらに、環状低圧室10fは常に低圧室10dとの間で燃料をやり取りしているので、環状低圧室10fも常に温度の低い新鮮な燃料で満たされる。これにより、プランジャ2とシリンダ6の温度上昇を抑制する事ができ、クリアランスに存在する燃料の薄膜の蒸気化による燃料の薄膜切れを抑えることができる。
また、本実施例のように高圧燃料供給ポンプに2個の低圧燃料口を設けることで、内燃機関での組み立て工数が削減できるという利点がある。高圧燃料供給ポンプの外で低圧燃料供給系と高圧燃料供給系が分離する構造では、内燃機関の組み立ての際、分岐部に専用のジョイントなどを組み込んで分岐させなくてはならない。これに対して本実施例の高圧燃料供給ポンプでは、低圧配管,低圧燃料供給系、および高圧燃料供給系をそれぞれ高圧燃料供給ポンプに組めば良い。
図5には、図1に示されていない改良案が記載されている。図5と図1との相違点は、低圧燃料口10bと低圧室10cの間に、オリフィス103Bが存在することである(それ以外は全て図1−図4の第1実施例と同一である)。
プランジャ2の上下運動によって発生した圧力脈動は、圧力脈動低減機構9によって吸収されるが、低圧燃料口10bと低圧室10cの間に、オリフィス103Bを設けることでより効果的に圧力脈動が低圧燃料容積室43へ伝播することを抑えることができる。オリフィス103Bの断面積は大きすぎると、圧力脈動が低圧燃料容積室43へ圧力脈動が伝播してしまい、低圧燃料噴射弁44から吸気ポートへ噴射される燃料が安定しなくなってしまう。逆にオリフィス103Bの断面積は小さすぎると、このオリフィス部で圧力損失が大きくなり、低圧燃料容積室43の燃料圧力を目標とする圧力に保つことが困難になってしまう。これらのことから、オリフィス103Bの面積は慎重に選ばなくてはならない。
また、低圧燃料の圧力脈動の低圧燃料容積室43への伝播を抑える機構として、オリフィスの変わりに燃料の流れを一方向に制限する逆止弁を設けても同じ効果が得られる。逆止弁とはこの場合、低圧室10cから低圧燃料口10bの一方向のみに燃料の流れを制限する弁であり、その逆方向には燃料は流れない。
なお図4とは異なり、図6に示すように低圧燃料口10bが燃料通路(高圧配管)41で低圧燃料容積室43の長手方向中間部に接続し、低圧燃料容積室43の長手方向一端を低圧配管28の途中に接続することもできる。高圧燃料供給ポンプの構成は図1,図2と同一であって良い。このような構成にしても、実施例1と同じ効果が得られる。
ここで本実施例では、燃料としてアルコール燃料が使用される環境下であっても、吸入弁機構の摺動部(ロッド31a)のフリクション悪化を抑制した高圧燃料供給ポンプを提供することを目的とする。本発明者らは、図1又は図5に示す吸入弁機構31のロッド31aをガイドするロッドガイド34の摺動面34aが1mm未満の場合、作動中ロッド31aとロッドガイド34の接触長が短くなり、軸部材のロッドの摺動方向に対する直角方向、即ち径方向への傾きが大きくなることを見出したすなわちこの場合には、ロッド31aに接合されたアンカー31bが、吸入弁の開弁ストロークを決定するコアA35に、傾いて衝突するために、衝撃力によるアンカー31bとコアA35の接触面35aにおいて摩耗促進が懸念されることを突き止めた。摩耗が促進されると、吸入弁のストロークが大きくなってしまう。この場合、吸入弁機構31の開閉の応答性が悪化するため、必要な流量を吐出できない、あるいはコモンレール23を必要な燃料圧力に保つことができない虞がある。
一方でロッドガイド34の摺動面34aが1.5mmより大きいと、今度は高圧燃料ポンプが作動中、アルコール燃料内に発生する化合物質が摺動部に付着し、フリクション増加に繋がり、吸入弁動作すなわち、ロッド31aの応答性を悪化させるという問題が生じる。
この課題を解決するために本発明者らは鋭意検討の末、図7に示す吸入弁機構31について考案した。本実施例では図7に示すように、加圧室11の上流側に吸入弁機構31を備えた高圧燃料供給ポンプ1において、吸入弁機構31は流路を開閉する吸入弁31aと、吸入弁31aを開弁方向又は閉弁方向に移動させるロッド31dと、ロッド31aを摺動可能に支持するロッドガイド34と、を備え、ロッド31dが摺動するロッドガイド34の摺動面34aの軸方向長さを1mm〜1.5mmとなるように構成することとした。 燃料としてアルコール燃料が使用される環境下であっても、吸入弁機構31の摺動部(ロッド31a)のフリクション悪化を抑制することが可能となる。
なお図7に示すように、上記構成において、ロッドガイド34は摺動面34aから軸方向における両側に径方向に向かって広がるようにテーパ面34bが形成され、摺動面34aとテーパ面(34b1、34b2)との鋭角の交差角度αが10〜12°となるように構成することが望ましいことを本発明者らは突き止めた。すなわち、この交差角度αが10°未満であると、ロッド31aがテーパ面34bに対しても摺動面34aと同じように摺動することになり、フリクション悪化を抑制できない。一方で、この交差角度αが12°より大きいと、テーパ面34bからの交差角度が大きすぎることで加工性が悪化する。このため、生産コストが増加するという問題が発生する。これに対して上記構成によれば、生産コストの増加を抑制しつつ、かつフリクション悪化も抑制することが可能である。
なお、本実施例で吸入弁機構31を電磁駆動型の電磁吸入弁機構によって構成し、電磁吸入弁機構31は無通電時に吸入弁31aが閉じるように構成されたノーマルクローズ型の電磁吸入弁機構により構成されることが望ましい。また本実施例では、吸入弁機構31が、アルコール燃料の流路開閉を行うように構成されることが望ましい。そして、本実施例では、ロッドガイド34が、旋盤にて内径部が加工され、一方のテーパ面34b1から摺動面34a、及び他方のテーパ面34b2まで、1回の工程にて加工されることで形成される。すなわち上記したような交差角度で形成することで、このように1回の工程にて加工することが可能になる。したがって、上記したように生産コストの増加を抑制することが可能となる。
1 ポンプハウジング
2 プランジャ
2a 大径部
2b 径部
3 タペット
5 カム
6 シリンダ
7 ホルダ
8 吐出弁ユニット
9 圧力脈動低減機構
10a,10b 低圧燃料口
10c,10d 低圧室
10e,10g 低圧燃料通路
10f 環状低圧室
11 加圧室
12 吐出口
13 プランジャシール装置
20 燃料タンク
21 低圧燃料供給ポンプ
23 高圧燃料容積室
24 高圧燃料噴射弁
26 センサ
27 エンジンコントロールユニット(ECU)
30 可変容量制御機
31 吸入弁
31a ロッド
31b アンカー
34 ロッドガイド
34a ロッドガイド摺動面
35 コアA
43 低圧燃料容積室
44 低圧燃料噴射弁

Claims (5)

  1. 加圧室の上流側に吸入弁機構を備えた高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記吸入弁機構は流路を開閉する吸入弁と、前記吸入弁を開弁方向又は閉弁方向に移動させるロッドと、前記ロッドを摺動可能に支持するロッドガイドと、を備え、前記ロッドが摺動する前記ロッドガイドの摺動面の軸方向長さを1mm〜1.5mmとなるように構成した
    高圧燃料供給ポンプ。
  2. 請求項1に記載のものにおいて、前記ロッドガイドは前記摺動面から軸方向における両側に径方向に向かって広がるようにテーパ面が形成され、前記摺動面と前記テーパ面との鋭角の交差角度が10〜12°となるように構成した
    高圧燃料供給ポンプ。
  3. 請求項1に記載のものにおいて、前記吸入弁機構を電磁駆動型の電磁吸入弁機構によって構成し、前記電磁吸入弁機構は無通電時に前記吸入弁が閉じるように構成されたノーマルクローズ型の電磁吸入弁機構の
    高圧燃料供給ポンプ。
  4. 請求項1に記載のものにおいて、前記吸入弁機構は、アルコール燃料の流路開閉を行うように構成された
    高圧燃料供給ポンプ。
  5. 請求項1に記載のものにおいて、前記ロッドガイドは、旋盤にて内径部が加工され、一方のテーパ面から前記摺動面、及び他方のテーパ面まで、1回の工程にて加工されることで形成される
    高圧燃料供給ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111692029A (zh) * 2019-03-13 2020-09-22 罗伯特·博世有限公司 用于双燃料喷射系统的高压泵、双燃料喷射系统
JP2021143746A (ja) * 2020-03-13 2021-09-24 浜名湖電装株式会社 電磁弁及び電磁弁を用いた作動流体の制御装置

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