JPH0917723A - 塗布液塗布方法及びその装置 - Google Patents

塗布液塗布方法及びその装置

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JPH0917723A
JPH0917723A JP18346295A JP18346295A JPH0917723A JP H0917723 A JPH0917723 A JP H0917723A JP 18346295 A JP18346295 A JP 18346295A JP 18346295 A JP18346295 A JP 18346295A JP H0917723 A JPH0917723 A JP H0917723A
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JP
Japan
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substrate
coating liquid
rotation
coating
photoresist
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JP18346295A
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English (en)
Inventor
Masakazu Sanada
雅和 真田
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板の表面全体に塗布液を塗布する際に供給
する塗布液の量を極めて少なくすることができる塗布液
塗布方法及びその装置を提供する。 【構成】 基板の回転中心付近にフォトレジスト液を一
定流量で供給開始し(時間tS )、所定時間後にその供
給を停止する(時間tE )。そして、基板を回転させる
前に、基板を所定の加速度で上昇させる(時間tU )。
これにより基板の回転中心付近にあるフォトレジスト液
をその形状を保たせたままほぼ同心円状に拡げる。その
後、基板を所定の回転数R3で回転させることによりフ
ォトレジスト液を基板の表面全体に塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウエハ、フォト
マスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、
光ディスク用の基板等の基板にフォトレジスト液や現像
液などの塗布液を塗布する方法及びその装置に係り、特
に、基板の回転中心付近に塗布液を供給した後、その基
板を回転させることによって基板の表面全体に塗布液を
塗布する塗布液塗布方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の塗布液塗布方法につい
て、図6に示す装置を例に採って説明する。この図は回
転式基板塗布装置の要部を示し、この装置は基板Wをほ
ぼ水平姿勢で吸引支持して回転させる吸引式スピンチャ
ック10と、そのほぼ回転中心の上方に、塗布液である
フォトレジスト液を基板Wの表面に供給するための吐出
ノズル30を備えている。
【0003】このように構成された装置では、図7のタ
イムチャートに示すように回転数制御を行なって基板の
表面全体に塗布液を塗布し、基板Wの表面全体にわたっ
て所望の膜厚のフォトレジスト膜を得るようになってい
る。
【0004】すなわち、まず、吸引式スピンチャック1
0に基板Wを吸引支持させ、その上方に位置する吐出ノ
ズル30から、その回転中心付近に所定流量でフォトレ
ジスト液Rの供給を開始(図7中の時間tS )する。そ
して、予め定められた時間が経過した時点でフォトレジ
スト液Rの供給を停止する(図7中の時間tE )。これ
により基板Wの回転中心付近には、所定量のフォトレジ
スト液Rがほぼ円形状を保って滴下された状態となって
いる(図6中のハッチングで示す領域)。
【0005】そして、図示しないモータによって吸引式
スピンチャック10を回転駆動して、基板Wを所定の回
転数R1(例えば、900rpm)で回転させる。その
回転によって、基板Wの回転中心付近に滴下されたフォ
トレジスト液を基板Wの表面全体にわたって拡げる。そ
の後、基板Wの回転数を回転数R1よりも高い回転数R
2(例えば、3,000rpm)に上げて所定時間これ
を保つことによって、基板Wの表面全体を覆っているフ
ォトレジスト液Rの余剰分を振り切り、基板Wの表面全
体にわたって所望する膜厚のフォトレジスト膜を形成す
るようになっている。
【0006】上述したような従来の方法においては、図
8(a)〜図8(f)の模式図に示すようなフォトレジ
スト液Rの挙動によってフォトレジスト膜が形成され
る。なお、これらの図では、簡略的に基板Wを円で示
し、フォトレジスト液Rをハッチングした領域で示し、
各過程における基板Wの回転数を矢印の大きさで模式的
に示している。
【0007】まず、基板Wが静止した状態で基板Wの表
面にフォトレジスト液Rを供給し、所定量のフォトレジ
スト液Rの供給を終えた状態(図7の時間tE の時点)
では、フォトレジスト液Rは平面視でほぼ円形状の塊R
a (以下、これをコアRa と称する)となって基板Wの
回転中心付近にある(図8(a))。基板Wを回転数R
1で回転させると、このコアRa の径は回転に伴う遠心
力が作用してほぼ円形状を保ったまま基板Wの周縁に向
かって同心円状に広がっていく。
【0008】コアRa は暫くの間(数秒間)は円形状を
保っているが、その後に大きく形を変えていく。具体的
には、この円形状のコアRa の円周部から基板Wの周縁
部に向かって多数の細長いフォトレジスト液Rb の流れ
(以下、これをヒゲRb と称する)が放射状に伸び始め
る。この多数のヒゲRb は、遠心力によってコアRa
径の拡大とともに基板Wの周縁部に向かって伸び続ける
が、ヒゲRb はコアRa に比べてその回転半径が大き
く、そのために遠心力が大きく加わるので、コアRa
径の拡大よりも速く基板Wの周縁部に向かって伸びるこ
とになる(図8(b))。
【0009】さらに基板Wの回転を回転数R1で続ける
と、多数のヒゲRb の先端部は、基板Wの周縁部に到達
する(図8(c))。このように多数のヒゲRb が基板
Wの周縁部に到達すると、フォトレジスト液RはコアR
a からヒゲRb を通って基板Wの周縁部に達して飛散
(飛散フォトレジスト液Rc )する。さらにコアRa
径が大きくなるとともにヒゲRb の幅が拡がる(図8
(c)中の二点鎖線と図8(d))ことによって、フォ
トレジスト液Rで覆われていないヒゲRb 間の領域が次
第に少なくなって基板Wの表面全体がフォトレジスト液
R(コアRa ,ヒゲRb )によって覆われる(図8
(e))。
【0010】以上のように、フォトレジスト液Rで基板
Wの表面全体を覆った後に、基板Wの回転数を、現在の
回転数R1よりも高い回転数R2として、基板Wの表面
を覆っているフォトレジスト液Rの余剰分(余剰フォト
レジスト液Rd )を振り切ることによって、基板Wの表
面に所望の膜厚のフォトレジスト膜R’を形成する(図
8(f))。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の方法には、次のような問題点がある。すなわ
ち、図8(c)に示すように、多数のヒゲRb が基板W
の周縁部に到達すると、基板Wの表面に供給されたフォ
トレジスト液Rの大部分は、コアRa からヒゲRb を通
って基板Wの周囲に放出されて飛散する(飛散フォトレ
ジスト液Rc )ことになる。したがって、その飛散フォ
トレジスト液Rc の量を予め見込んでおき、実際に必要
なフォトレジスト液に飛散フォトレジスト液Rc を加え
た量のフォトレジスト液を基板Wに対して供給する必要
があり、フォトレジスト液の使用量が極めて多くなると
いう問題点がある。つまり、基板Wの表面全体を塗布液
で覆うために供給するフォトレジスト液Rの量が極めて
多いという問題点がある。特に、塗布液のなかでもフォ
トレジスト液は、現像液やリンス液などの有機溶剤を主
成分とする処理液に比較して非常に高価であるので、飛
散する不要な塗布液の量を少なくすることは重要な課題
である。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、基板の表面全体に塗布液を塗布する際
に供給する塗布液の量を極めて少なくすることができる
塗布液塗布方法及びその装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明方法は、基板の回転中心付近
に塗布液を供給した後、その基板を回転させることによ
って基板の表面全体に塗布液を塗布する塗布液塗布方法
において、基板の回転中心付近に塗布液を供給した後、
その基板を回転させる前に、所定の加速度で基板を鉛直
方向に上昇させることを特徴とするものである。
【0014】また、請求項2に記載の発明装置は、基板
の回転中心付近に塗布液を供給した後、その基板を回転
させることによって基板の表面全体に塗布液を塗布する
塗布液塗布装置において、基板を略水平姿勢で支持して
回転させる支持回転手段と、前記支持回転手段によって
支持された基板の回転中心付近に、その上方から塗布液
を供給する塗布液吐出手段と、前記支持回転手段を鉛直
方向に所定の加速度で上昇させる上昇手段と、前記支持
回転手段に支持された基板の上方から、その回転中心付
近に前記塗布液吐出手段を介して塗布液を供給し、前記
上昇手段を介して基板を上昇させた後に前記支持回転手
段を介して基板を所定の回転数で回転させる制御手段
と、を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
【作用】請求項1に記載の発明方法の作用は次のとおり
である。基板の回転中心付近に塗布液を供給した後、そ
の基板を回転させることによって基板の表面全体に塗布
液を塗布する。しかし、上述したようにこれらの過程に
おいて、まず、円形状の塗布液R(コアRa )から多数
の細長いヒゲRb が基板Wの周縁に向かって放射状に伸
び始め(図8(b)参照)、これらのヒゲRb が基板W
の周縁に到達(図8(c)参照)すると、これらを通っ
て塗布液が基板Wの周囲に飛散塗布液RC となって飛散
する(図8(c),(d)参照)ので、不要な塗布液の
量が極めて多くなり、これを見込んで塗布液を供給する
必要がある。そこで、塗布液が供給された基板を回転さ
せる前に、所定の加速度で基板を鉛直方向に上昇させ
る。すなわち、図8(b)に示すように基板Wを回転さ
せることによりヒゲRa が発生する前、つまり図8
(a)に示すように塗布液RのコアRa が円形状を保っ
た状態において、基板Wを鉛直方向に所定の加速度で上
昇させることにより、基板Wの表面にあるコアRa はそ
の全面にわたってほぼ均等に加速度に応じた下向きの力
を受けることになるので、コアRa はその形状をほぼ円
形に保ったまま同心円状に拡がってゆく。
【0016】このようにコアRa の径を大きくした後に
基板Wを回転させてもコアRa からはヒゲRb が発生す
るが、コアRa の外周部から基板Wの周縁までの距離は
短くなっているので、ヒゲRb が基板Wの周縁に到達し
てから基板Wの表面全体が塗布液Rで覆われるまでの時
間は短くなる。すなわち、ヒゲRb を通して基板Wの周
縁から飛散する塗布液の量が少なくなるので、必要な塗
布液の量に加味する飛散塗布液の量を少なくすることが
でき、基板の表面全体に塗布液を塗布する際に供給する
〔必要な塗布液量と加味する飛散塗布液量をあわせた〕
塗布液の量を極めて少なくすることができる。
【0017】請求項2に記載の発明装置の作用は次のと
おりである。支持回転手段に略水平姿勢で支持された基
板の上方から、塗布液吐出手段を介してその回転中心付
近に塗布液を供給する。このとき基板の回転中心付近の
塗布液は、平面視でほぼ円形状(コアRa )を保ってい
る。その後、制御手段が上昇手段を介して支持回転手段
に支持された基板を所定の加速度で上昇させることによ
り、基板表面の塗布液(コアRa )は、その全面にわた
ってほぼ均等に加速度に応じた下向きの力を受けること
になるので、コアRa はその形状をほぼ円形に保ったま
ま同心円状に拡がってゆく。
【0018】その後、制御手段が支持回転手段を介して
基板を所定の回転速度で回転させると、コアRa からは
ヒゲRb が発生するが、コアRa の外周部から基板の周
縁までの距離は短くなっているので、ヒゲRb が基板の
周縁に到達してから基板の表面全体が塗布液によって覆
われるまでの時間は短くなる。すなわち、ヒゲRb を通
して基板の周縁から飛散する塗布液の量が少なくなるの
で、必要な塗布液の量に加味する飛散塗布液の量を少な
くすることができ、基板の表面全体に塗布液を塗布する
際に供給する〔必要な塗布液量と加味する飛散塗布液量
をあわせた〕塗布液の量を極めて少なくすることができ
る。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。 <第1実施例>図1は、本発明方法に係る回転式基板塗
布装置を示す縦断面図である。
【0020】図中、符号10は、吸引式スピンチャック
であって基板Wをほぼ水平姿勢で吸着支持するものであ
る。この吸引式スピンチャック10は、中空の回転軸1
1を介して回転モータ12によって回転駆動される。こ
の回転モータ12は、その周囲をケーシング12aで覆
われており、ケーシング12aの上面には回転軸11を
囲う筒部材12bが長手方向に沿って配設されている。
なお、吸引式スピンチャック10と、中空の回転軸11
と、回転モータ12とは本発明における支持回転手段に
相当する。
【0021】吸引式スピンチャック10の周囲には、塗
布液であるフォトレジスト液などの飛散を防止するため
の飛散防止カップ13が配置されている。また、図示し
ない搬送手段が未処理の基板Wを吸引式スピンチャック
10に載置したり、吸引式スピンチャック10から処理
済みの基板Wを受け取る際には、後述する昇降機構40
が回転モータ12をそのケーシング12aとともに飛散
防止カップ13に対して昇降させることによって、吸引
式スピンチャック10を飛散防止カップ13の上方へと
移動させる(図中の二点鎖線であって距離L)。この移
動距離Lは、例えば約20cmに設定されている。
【0022】飛散防止カップ13は、上カップ14と、
円形整流板15と、下カップ17等から構成されてい
る。上カップ14は、上部に開口部14aと、基板Wの
回転によるフォトレジスト液などの飛沫を下方へ案内す
る傾斜面14bとを有する。
【0023】円形整流板15は、開口部14aから流入
して基板Wの周縁に沿って流下する気流を下カップ17
に整流して案内するとともに、上カップ14の傾斜面1
4bによって下方に案内されたフォトレジスト液などの
飛沫をこの気流に乗せて下カップ17に案内する。
【0024】下カップ17の底部には、排液口17aが
配設されている。この排液口17aは、図示しない排液
タンクに接続されており、回転振り切り後のフォトレジ
スト液などを回収するようになっている。下カップ17
の底部には、さらにカップ排気口17bが配設されてい
る。このカップ排気口17bは、図示しない排気ポンプ
に接続されており、飛散防止カップ13内に滞留する霧
状のフォトレジスト液などを空気とともに吸引して排気
するようになっている。
【0025】さらに、飛散防止カップ13の開口部14
aの上方であって、基板Wのほぼ回転中心の上方には、
フォトレジスト液を吐出する吐出ノズル30(塗布液吐
出手段)が配設されている。また、吐出ノズル30へフ
ォトレジスト液を所定量だけ供給する図示しない塗布液
供給部と、回転モータ12を飛散防止カップ13に対し
て昇降する昇降機構40と、回転モータ12とは、制御
部50によって制御されるように構成されている。な
お、制御部50は、メモリ51に格納された、後述する
タイムチャートに応じたプログラムによって上記各部の
制御を行なうようになっている。
【0026】次に、回転モータ12を飛散防止カップ1
3に対して昇降させる昇降機構40について説明する。
昇降機構40は、〔装置ベースに連結された〕位置固定
の昇降機構ベース40aに鉛直方向に互いにほぼ平行に
立設された2本のガイドレール40cと、2本のガイド
レール40cの上端部をそれぞれ結合するものであっ
て、中央部付近に筒部材12bが貫通する開口を備えた
結合部材40bと、回転モータ12のケーシング12a
の側面に配設されてガイドレール40cに沿って摺動可
能な2個の摺動部材40dと、駆動部60とから構成さ
れている。
【0027】駆動部60は、昇降機構ベース40aの開
口40a1 に回転軸を水平にして配設された昇降モータ
60aと、昇降モータ60aの回転軸に取り付けられた
カム60bとにより構成されている。なお、昇降モータ
60aは、制御部50によってその回転を制御されてお
り、回転数や回転速度を可変されるようになっている。
【0028】カム60bは、その周縁形状を次のように
形成されている。すなわち、昇降モータ60aの回転軸
に相当する回転中心Pからの距離が最も短くなるように
初期位置Iを形成し、この初期位置Iから時計方向に約
90°の角度関係となる点に、回転中心Pからの距離が
最も長くなるように頂点位置Tを形成する(初期位置I
から頂点位置Tまでの角度を角度A1 =90°とす
る)。そして、初期位置Iから時計方向に頂点位置Tま
でを直線的に滑らかに結び、頂点位置Tから時計方向に
(これを角度A2 とし、この場合A2 =270°)初期
位置Iまでを回転中心Pからの距離が徐々に短くなるよ
うに結ぶ。これにより図に示すようなカム60b形状と
なる。また、回転中心Pから頂点位置Tまでの距離と、
回転中心Pから初期位置Iまでの距離の差分は、基板W
が鉛直方向に昇降する距離Lに等しくなるように設定さ
れている。
【0029】次に、図2のタイムチャートおよび図3、
図4の模式図を参照して、フォトレジスト塗布処理につ
いて説明する。なお、このタイムチャートに相当するプ
ログラムは、図1に示したメモリ51に格納されて制御
部50によって実行される。また、図4の模式図は、簡
略的に基板Wを円形で表し、フォトレジスト液をハッチ
ングした領域で表している。
【0030】まず、制御部50によって昇降モータ60
aが低速で正転方向(時計方向)に回転駆動され、昇降
モータ60aの回転軸に取り付けられたカム60bがそ
の初期位置Iから頂点位置Tに回転した時点で停止され
る。これにより吸引式スピンチャック10は、図1中に
二点鎖線で示す、上カップ14の開口部14aから上方
に突出した状態で停止される。そして処理対象の基板W
が、図示しない搬送手段によって吸引式スピンチャック
10に載置され、吸引が行なわれることにより基板Wが
吸引式スピンチャック10に吸着保持される。
【0031】次いで、制御部50により昇降モータ60
aがさらに正転方向に回転駆動され、カム60bがその
頂点位置Tから初期位置Iにまで回転した時点で停止さ
れる。これにより吸引式スピンチャック10に吸着保持
された基板Wは、飛散防止カップ13内に下降される。
【0032】制御部50は、吐出ノズル30を介してフ
ォトレジスト液を一定流量で基板Wの回転中心付近に供
給開始する(図2の時間tS )。そして、予め定められ
た時間が経過した後に、その吐出を停止する(図2の時
間tE )。これにより基板Wの回転中心付近には、フォ
トレジスト液がほぼ円形状で滴下された状態となってい
る(図4(a)参照)。なお、吐出開始時間tS から吐
出停止時間tE までの時間は、予めメモリ51に記憶設
定されたりタイマ等に設定されるものであり、基板Wの
大きさやフォトレジスト液の種類などによってその時
間、すなわち、基板Wへのフォトレジスト液の供給量が
決定されている。
【0033】この後に制御部50は、昇降モータ60a
を1回転だけ正転駆動する。このときカム60bがその
初期位置Iから頂点位置Tにまで回転駆動された状態に
ついて説明する。この回転によりカム60bの周縁でケ
ーシング12aが押し上げられるとともに基板Wも上昇
される。このときのカム60bの回転駆動による基板W
の上昇は、カム60bの周縁の形状により所定の加速度
によって行なわれるものであり、この加速度としては、
例えば、2〜5m/s2 の範囲が好ましい。また、図3
の模式図に示すように、この加速度によりフォトレジス
ト液Rは、その全面にわたってほぼ均等に加速度に応じ
た下向きの力を受けることになるので、フォトレジスト
液RはコアRa から基板Wの周縁に向かって伸びる放射
状のフォトレジスト液Rの流れ(ヒゲRb )を生じるこ
となくほぼ同心円状に拡がってゆく(図4(a)から図
4(b))。なお、フォトレジスト液Rの、基板Wの半
径B方向への拡がりは、図3の模式図に示すように基板
Wの半径の約50%以上(0.5B)となるようにする
のが好ましい。
【0034】さらにカム60bがその頂点位置Tから初
期位置Iにまで回転駆動された状態について説明する。
これにより上昇されていた基板W(図1の二点鎖線)
は、カム60bの周縁形状により上昇時より極めて緩や
かに回転塗布位置(図1の実線)に下降される。また、
この基板Wの上昇および下降動作は、図2中の時間tU
までに終了するようにする。すなわち、基板Wを回転さ
せる前に終了するように行なう。
【0035】次に制御部50は、回転モータ12を回転
駆動して基板Wを回転させる。このときの回転数R3
は、例えば、900rpmである。この回転数R3を所
定時間だけ保持することにより、基板Wの回転中心付近
にあるコアRa は、次のようにその形を変えてゆく。す
なわち、図4(c)に示すように、その径を拡大された
コアRa の外周部から基板Wの周縁に向かって多数のヒ
ゲRb が発生し始める。このヒゲRb が基板Wの周縁に
到達すると(図4(d)参照)、これを通してフォトレ
ジスト液Rが基板Wの周囲に放出・飛散する(飛散フォ
トレジスト液RC)。したがって、基板Wの表面に供給
したフォトレジスト液Rのうち飛散フォトレジスト液R
C は無駄になるが、コアRa は先の上昇動作によってそ
の径が拡大されているので、その外周部から基板Wの周
縁までの間隔が短くなっている。その結果、基板Wの周
縁に向かって拡大/伸長してゆくコアRa /ヒゲRb
一体となって、フォトレジスト液Rによって基板Wの表
面全体が覆われるまでの時間が従来に比較して大幅に短
縮される(図4(c),(d),(e))。これにより
ヒゲRb が基板Wの周縁に到達してから飛散するフォト
レジスト液Rc の量を極めて少なくすることができる。
【0036】その後、回転数R4での回転を所定時間継
続して基板Wの表面全体を覆っているフォトレジスト液
Rのうちの余剰分(余剰フォトレジスト液Rd )を振り
切ることによって、基板Wの表面に所望膜厚のフォトレ
ジスト膜R’を形成する(図4(f))。
【0037】このように静止した基板Wにフォトレジス
ト液Rを供給した後、その基板Wを回転させる前に、基
板Wを所定の加速度で上昇させてコアRa の径を拡大し
ておくことにより、コアRa と基板Wの周縁までの距離
を短くすることができるので、ヒゲRb が基板Wの周縁
に達してから基板Wの表面全体がフォトレジスト液Rに
よって覆われるまでの時間を短縮することができる。し
たがって、ヒゲRb を通して基板Wの周縁から周囲に飛
散するフォトレジスト液Rの量を少なくすることができ
る。その結果、実際に必要なフォトレジスト液に加味す
る〔予め実験などによって見込まれた〕飛散フォトレジ
スト液の量を極めて少なくすることができるので、基板
Wの表面全体にフォトレジスト液を塗布する際に供給す
るフォトレジスト液の量を極めて少なくすることができ
るとともに、所望膜厚のフォトレジスト膜を得るために
供給するフォトレジスト液の量を極めて少なくすること
ができる。
【0038】なお、上述した第1実施例では、カム60
bの回転を直接的に回転モータ12に伝達することによ
り基板Wを昇降するように構成したが、リンク機構を介
してカム60bの動作を増大して回転モータ12を昇降
するように構成してもよい。このようにカム60bの動
作を増大することにより、カム60bの形状を小さくす
ることができて小型化を計ることができる。また、カム
60bは、約90°の位相でもって回転モータ12を上
昇させるようにしたが、この位相は適宜決定されるもの
である。
【0039】また、基板Wを1回ないしは複数回にわた
って加速上昇させることによってフォトレジスト液Rを
基板Wの表面全体に塗布した場合には、図2に点線で示
すように、回転数R3での回転駆動を行なうことなく回
転数R4で基板Wを回転駆動するようにしてもよい。こ
れによりヒゲRb をほとんど発生させることなくフォト
レジスト膜を得ることができるので、フォトレジスト液
の飛散量を一層低減することができる。
【0040】<第2実施例>次に、図5に示す回転式基
板塗布装置の縦断面図を参照して説明する。なお、図
中、第1実施例と同じ符号を付したものは、それと同じ
構成のものであるので、ここでの詳細な説明は省略す
る。
【0041】本実施例における構成と、第1実施例にお
ける構成との差異は、昇降機構40の駆動部にある。す
なわち、第1実施例ではカム60bの回転運動によって
吸引式スピンチャック10を鉛直方向に昇降させたが、
本実施例ではエアシリンダの直線運動によって吸引式ス
ピンチャック10を鉛直方向に昇降させるように構成さ
れている。
【0042】駆動部は単動式エアシリンダ70で構成さ
れており、これはシリンダ70aと、その内側面上方に
取り付けられたスプリング70bと、オリフィス70c
を形成されたピストン70dと、ピストン70dに一体
的に連結されたピストンロッド70eとから構成されて
いる。また、ピストンロッド70eの上端部は、回転モ
ータ12のケーシング12aの底部に連結されている。
なお、スプリング70bは、ピストンロッド70eが最
も突出されたときに、その衝撃により基板W上のフォト
レジスト液Rが飛散しないように、その衝撃を吸収する
ために配設されている。
【0043】この単動式エアシリンダ70は、その側面
下方に位置する流入口70fを介して、ピストン70d
によって仕切られたシリンダ70a内の下部チャンバ内
に圧縮空気を注入されることによって、そのピストンロ
ッド70eが伸長されるようになっている。なお、加圧
空気の注入開始/停止は、一端側が加圧空気源(図中の
圧空)に接続され、他端側が流入口70fに接続された
流量調節弁80の弁開度を制御部50が調節することに
よって行なわれる。
【0044】この単動式エアシリンダ70は、上下のチ
ャンバに連通した細穴であるオリフィス70cがピスト
ン70dに形成されているので、シリンダ70a内の下
方のチャンバ内に加圧空気が注入されるとピストンロッ
ド70eは速やかに上昇されるが、その後に注入が停止
されるとオリフィス70cを通して下部チャンバから上
部チャンバ内に加圧空気が徐々に漏れてピストンロッド
70eは緩やかに下降されるようになっている。また、
単動式エアシリンダ70のピストン70dのストローク
は、図5中の基板Wの昇降距離Lに等しくなるように設
定されている。なお、ピストンロッド70eの伸長(基
板Wの上昇)は、上述した第1実施例と同様に所定の加
速度で行なわれ、収縮(基板Wの下降)は緩やかに行な
われるようになっている。
【0045】このような構成によっても第1実施例と同
様に、基板Wの回転中心付近にあるコアRa の径を拡大
することにより、コアRa と基板Wの周縁までの距離を
短くすることができるので、ヒゲRb が基板Wの周縁に
達してから基板Wの表面全体がフォトレジスト液Rによ
って覆われるまでの時間を短縮することができる。よっ
て実際に必要なフォトレジスト液に加味する飛散フォト
レジスト液の量を極めて少なくすることができるので、
基板Wの表面全体にフォトレジスト液を塗布する際に供
給するフォトレジスト液の量を極めて少なくすることが
できるとともに、所望膜厚のフォトレジスト膜を得るた
めに供給するフォトレジスト液の量を極めて少なくする
ことができる。これにより半導体装置等の製造コストを
低減できる。
【0046】なお、第2実施例においては、上昇手段と
して単動式エアシリンダ70を採用したが、複動式エア
シリンダを採用してもよい。この場合は、流量調節弁を
上部チャンバ用と下部チャンバ用にそれぞれ配設し、そ
れぞれの弁開度を調節することによりピストンロッド7
0eの伸長/収縮を制御すればよい。この場合には、
〔それぞれの弁開度を調節することにより〕容易に上昇
時の加速度を調節することができるので、種々の大きさ
の基板を処理する装置や種々のフォトレジスト液(塗布
液)を用いる装置に好適である。また、上昇手段として
は、所定の加速度で基板を鉛直方向に上昇させることが
できれば上述した以外の種々の構成を採用することがで
きる。
【0047】なお、上記の第1実施例および第2実施例
では、回転モータ12(およびそのケーシング12a)
を昇降することによって、基板Wを昇降するようにした
が、本発明装置はこれに限定されることなく種々の変形
実施が可能である。例えば、鉛直方向に摺動自在の回転
軸11を備えた回転モータ12を採用し、回転モータ1
2を昇降させることなく、〔回転モータ12を貫通して
底部から突出した回転軸11の底部を昇降させることに
より〕回転軸11だけを昇降させるようにしてもよい。
【0048】また、各実施例は、塗布液としてフォトレ
ジスト液を例に採って説明したが、本発明はパシベーシ
ョン膜形成用の塗布液や現像液などにも適用可能であ
る。すなわち、パシベーション膜形成用の塗布液の場合
は、上記のフォトレジスト液の場合と同様に行なえばよ
い。また、現像液の場合には、現像液を基板Wの表面に
滴下して盛り、その後低速回転により現像液を基板の表
面全体に拡げて所定時間だけ保持し、その後に所定の回
転数で基板Wを回転させることにより現像液を基板Wの
表面から振り切って現像処理を終了する。このときにも
現像液を基板Wの表面全体に塗布する必要があるので、
本発明が適用可能であり、これにより現像液の供給量を
極めて少なくすることができる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明方法によれば、基板の回転中心付近に塗
布液を供給した後、その基板を回転させる前に、所定の
加速度で基板を鉛直方向に上昇させることにより、ほぼ
円形状を保ったまま塗布液の径を拡げることができ、そ
の外周と基板の周縁との距離を短くすることができる。
したがって、塗布液の放射状の流れが基板の周縁に到達
してから基板の表面全体が塗布液で覆われるまでの時間
を短くすることができる。これにより飛散する塗布液の
量を極めて少なくすることができ、基板の表面全体に塗
布液を塗布する際に供給する塗布液の量を極めて少なく
することができる。したがって、半導体装置等の製造コ
ストを低減することができる。
【0050】請求項2に記載の発明装置によれば、請求
項1に記載の発明方法を好適に実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る回転式基板塗布装置を示す縦
断面図である。
【図2】フォトレジスト液塗布方法を示すタイムチャー
トである。
【図3】基板の上昇時の説明に供する図である。
【図4】フォトレジスト液塗布方法の説明に供する模式
図である。
【図5】第2実施例に係る回転式基板塗布装置を示す縦
断面図である。
【図6】従来例に係る回転式基板塗布装置の要部を示す
図である。
【図7】従来例に係る塗布液塗布方法を示すタイムチャ
ートである。
【図8】従来例に係る塗布液塗布方法の説明に供する図
である。
【符号の説明】
10 … 吸引式スピンチャック 12 … 回転モータ 30 … 吐出ノズル 40 … 昇降機構 50 … 制御部 51 … メモリ 60 … 駆動部 60a … 昇降モータ 60b … カム 70 … 単動式エアシリンダ 70a … シリンダ 70c … オリフィス 70e … ピストンロッド 80 … 流量調節弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の回転中心付近に塗布液を供給した
    後、その基板を回転させることによって基板の表面全体
    に塗布液を塗布する塗布液塗布方法において、 基板の回転中心付近に塗布液を供給した後、その基板を
    回転させる前に、所定の加速度で基板を鉛直方向に上昇
    させることを特徴とする塗布液塗布方法。
  2. 【請求項2】 基板の回転中心付近に塗布液を供給した
    後、その基板を回転させることによって基板の表面全体
    に塗布液を塗布する塗布液塗布装置において、 基板を略水平姿勢で支持して回転させる支持回転手段
    と、 前記支持回転手段によって支持された基板の回転中心付
    近に、その上方から塗布液を吐出する塗布液吐出手段
    と、 前記支持回転手段を鉛直方向に所定の加速度で上昇させ
    る上昇手段と、 前記支持回転手段に支持された基板の上方から、その回
    転中心付近に前記塗布液吐出手段を介して塗布液を吐出
    し、前記上昇手段を介して基板を上昇させた後に前記支
    持回転手段を介して基板を所定の回転数で回転させる制
    御手段と、 を備えたことを特徴とする塗布液塗布装置。
JP18346295A 1995-06-26 1995-06-26 塗布液塗布方法及びその装置 Pending JPH0917723A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006032496A (ja) * 2004-07-13 2006-02-02 Sony Corp 反射防止膜の形成方法及び塗膜形成装置
JP2010199323A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Tokyo Electron Ltd 現像装置及び現像方法

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