JP3315607B2 - 塗布液塗布方法 - Google Patents

塗布液塗布方法

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JP3315607B2
JP3315607B2 JP30177396A JP30177396A JP3315607B2 JP 3315607 B2 JP3315607 B2 JP 3315607B2 JP 30177396 A JP30177396 A JP 30177396A JP 30177396 A JP30177396 A JP 30177396A JP 3315607 B2 JP3315607 B2 JP 3315607B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ、フ
ォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基
板、光ディスク用の基板など(以下、単に基板と称す
る)に対して、SOG(Spin On Glass,シリカ系被膜形成材
とも呼ばれる) 液、フォトレジスト液、ポリイミド樹脂
などの塗布液を塗布する方法に係り、特に基板の表面に
塗布液を供給して所望膜厚の塗布被膜を形成する技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の塗布液塗布方法につい
て、図13に示す装置を例に採って説明する。この図は
回転式基板塗布装置の要部を示すものであり、基板Wを
ほぼ水平姿勢で吸引支持して回転させる吸引式スピンチ
ャック10と、その中心付近の上方に、塗布液であるフ
ォトレジスト液を基板Wの表面に供給するための吐出ノ
ズル30とを備えている。
【0003】このように構成された装置では、図14の
タイムチャートに示すような回転数制御を行って基板W
の表面に所望する膜厚のフォトレジスト被膜を形成する
ようになっている。
【0004】すなわち、まず、基板Wを吸引式スピンチ
ャック10に吸着支持させる。そして、基板Wを静止さ
せた状態で吐出ノズル30から一定流量でフォトレジス
ト液Rを吐出させ始め(図14中のtS )、予め設定さ
れている供給時間TSUだけ基板Wの表面中心付近にフォ
トレジスト液Rを供給し続ける。そして、tS 時点から
供給時間TSUだけ経過したt1 時点(=tE )において
フォトレジスト液Rの供給を停止するとともに、t2
点で回転数R1(例えば900rpm)に到達するよう
に図示しないモータによって基板Wの回転駆動を開始す
る。
【0005】t2 時点からt3 時点までの間、基板Wの
回転数を回転数R1に保持して、基板Wの表面に供給さ
れたフォトレジスト液Rをその表面全体に拡げる。次い
で、t4 時点で基板Wの回転数が現在の回転数R1より
も高い回転数R2(例えば、3,000rpm)に到達
するように、t3 時点において基板Wの回転数を上げ始
める。そして、この回転数R2をt5 時点まで維持する
ことにより、基板Wの表面に供給された余剰のフォトレ
ジスト液Rを振り切り、基板Wの表面に所望する膜厚の
フォトレジスト被膜を形成するようになっている。
【0006】なお、基板Wを静止させた状態でフォトレ
ジスト液Rの供給を開始してフォトレジスト被膜を形成
する手法には、上述したように基板Wを静止させた状態
でフォトレジスト液Rの供給開始および供給停止を行っ
て、その後に基板Wの回転を開始する手法(以下、これ
を『スタティック法』と称する)の他に、基板Wを回転
させた状態でフォトレジスト液Rを供給開始および供給
停止する手法(以下、ダイナミック法と称する)と上記
のスタティック法とを組み合わせたような手法、つま
り、基板Wを静止させた状態でフォトレジスト液Rの供
給を開始し、基板Wを回転させた後にフォトレジスト液
の供給を停止する手法(以下、『スタミック法』と称す
る)がある。このスタミック法は、例えば、図14中に
括弧書きで示すように、基板Wを静止させた状態のtS
時点でフォトレジスト液Rの供給を開始し、供給時間
(TSU)の間その供給を続けて、基板Wの回転数を回転
数R1へ上げてゆく途中の(tE )時点においてその供
給を停止するというものである。
【0007】このような『スタティック法』や『スタミ
ック法』による従来の方法においては、図15(a)〜
図15(f)の模式図に示すようなフォトレジスト液R
の挙動によってフォトレジスト被膜が形成される。な
お、これらの図では、簡略的に基板Wを円で示し、フォ
トレジスト液Rをハッチングした領域で示し、各図にお
ける基板Wの回転数を矢印の大きさで模式的に示してい
る。
【0008】まず、基板Wを静止させた状態で基板Wの
表面にフォトレジスト液Rを供給し始めた直後では、図
15(a)に示すようにフォトレジスト液Rは平面視で
円形状の塊Ra (以下、これをコアRa と称する)とな
って基板Wの中心付近にある。さらにフォトレジスト液
Rを供給時間TSUだけ供給し続けると、このコアR
aは、自重により半径方向に拡がって同心円状に拡がっ
て行く(図15(a)中の点線)。
【0009】その後、フォトレジスト液Rの供給を停止
するとともに基板Wを回転数R1で回転させ始めると、
コアRa は暫くの間(数秒間)は円形状を保ってその径
を拡大してゆくが、その後に大きく形を変えてゆく。具
体的には、この円形状のコアRa の円周部から基板Wの
周縁部に向かって多数の細長いフォトレジスト液Rb
流れ(以下、これをヒゲRb と称する)が放射状に延び
始める(図15(a)の点線)。この多数のヒゲR
b は、回転数R1に伴う遠心力によってコアRa の径の
拡大とともに基板Wの周縁部に向かって延び続けるが、
ヒゲRb はコアRaに比較してその回転半径が大きいこ
とにより遠心力も大きく加わるので、コアR a の径の拡
大よりも速く基板Wの周縁部に向かって延びることにな
る(図15(b))。
【0010】さらに基板Wの回転を回転数R1で続ける
と、多数のヒゲRb の先端部は、基板Wの周縁部に到達
する(図15(c))。このように多数のヒゲRb が基
板Wの周縁部に到達すると、フォトレジスト液Rはコア
a からヒゲRb を通って基板Wの周縁部に到達して飛
散(飛散フォトレジスト液Rc )する。さらにコアR a
の径が大きくなるとともにヒゲRb の幅が拡がる(図1
5(c)中の二点鎖線と図15(d))ことによって、
フォトレジスト液Rによって覆われていないヒゲRb
の領域が次第に少なくなって基板Wの全面がフォトレジ
スト液R(コアRa ,ヒゲRb )によって覆われる(図
15(e))。
【0011】以上のように、フォトレジスト液Rで基板
Wの表面全体を覆った後、基板Wの回転数を、現在の回
転数R1よりも高い回転数2として、基板Wの表面全体
を覆っているフォトレジスト液Rの余剰分(余剰フォト
レジスト液Rd )を振り切って、基板Wの表面に所望膜
厚のフォトレジスト被膜R’を形成する。
【0012】なお、上記の説明は、スタティック法によ
るものであるが、スタミック法であってもフォトレジス
ト液Rに生じる挙動は同様のものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の方法には、次のような問題点がある。す
なわち、図15(c)に示すように、多数のヒゲRb
基板Wの周縁部に到達すると、基板Wの表面に供給され
たフォトレジスト液Rの大部分がヒゲRb を通って基板
Wの周囲に放出されて飛散する(飛散フォトレジスト液
c )ことになる。したがって、基板Wの表面全体がフ
ォトレジスト液Rによって覆われるようにするために
は、上記の飛散フォトレジスト液Rc の量を見込んで供
給時間T SUを長くするか、あるいは同様にその量を見込
んでフォトレジスト液Rの流量を多くしておく必要があ
り、フォトレジスト液の使用量が極めて多くなるという
問題点がある。因みに、このフォトレジスト液などの塗
布液は、現像液やリンス液などの処理液に比較して非常
に高価であるので、飛散する不要な塗布液の量を少なく
することは半導体装置などの製造コストを低減する上で
非常に重要な課題である。
【0014】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、回転数制御を工夫することによって、
所望膜厚の塗布被膜を得るために供給する塗布液の量を
極めて少なくすることができる塗布液塗布方法を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明は、基板の表面に塗布液を供
給して所望膜厚の塗布被膜を形成する塗布液塗布方法で
あって、(a)基板を静止させた状態で、その表面の中
心付近に塗布液を供給する過程と、(b)前記基板の回
転数を第1の回転数へと上げてゆく過程と、(c)前記
基板の表面に供給された塗布液が前記第1の回転数によ
って拡がって前記基板の表面全体を覆う前に、前記基板
の回転数を所定の加速度で前記第1の回転数よりも高い
第2の回転数へと上げてゆく過程と、を順に実施するこ
とを特徴とするものである。
【0016】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の塗布液塗布方法において、前記過程(c)を、
前記基板の表面に供給されて平面視でほぼ円形に拡がっ
ている塗布液の周囲から放射状に塗布液の流れが生じ始
める時点よりも後であって、かつ放射状に延びた塗布液
の流れが前記基板の周縁部に到達する時点よりも前に実
施することを特徴とするものである。
【0017】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の塗布液塗布方法において、前記
基板の回転数が前記第1の回転数に到達した後、所定時
間その回転数を保持することを特徴とするものである。
【0018】 また、請求項1ないし請求項3のいずれ
に記載の塗布液塗布方法において、前記塗布液の供給
を、前記第1の回転数へと上げてゆく前に停止すること
を特徴とするものである。
【0019】 また、請求項1ないし請求項3のいずれ
に記載の塗布液塗布方法において、前記塗布液の供給
を、前記第1の回転数へと上げ始めた後に停止すること
を特徴とするものである。
【0020】
【作用】請求項1に記載の発明の作用は次のとおりであ
る。基板を静止させた状態でその表面に塗布液を供給し
(過程(a))、基板の回転数を第1の回転数へと上げ
てゆく(過程(b))。そして、第1の回転数よりも高
い第2の回転数へと基板の回転数を上げてゆくことによ
り、塗布液の余剰分を振り切って基板の表面に所望膜厚
の塗布被膜を形成する(過程(c))。しかし、上述し
たようにこれらの過程において、まず、円形状の塗布液
RのコアRaから多数の細長いヒゲRb が基板Wの周縁
部に向かって放射状に延び始め(図15(a),(b)
参照)、これらのヒゲRb が基板Wの周縁部に到達(図
15((c)参照)すると、これらを通って塗布液が基
板Wの周囲に飛散塗布液Rc となって飛散する(図15
(c),(d)参照)ので、不要な塗布液の量が極めて
多くなる。そこで、基板Wの表面に供給された塗布液が
第1の回転数によって拡がって基板Wの表面全体を覆う
前に、すなわち、図15(a)に示すようにコアRa
円形状を保った状態から、図15(e)に示すようにコ
アRa とヒゲRbが相殺されて塗布液Rが基板Wの表面
全体を覆う前に、基板Wの回転数を第1の回転数よりも
高い第2の回転数へと所定の加速度で上げてゆく。
【0021】例えば、上記の条件を満たす図15(b)
に示すコアRa からヒゲRb が延びた状態において、基
板の回転数を第1の回転数から〔これよりも高い〕第2
の回転数に所定の加速度で上げた場合について説明す
る。このように回転数を制御すると、塗布液は図4およ
び図5の模式図に示すような挙動をする。
【0022】まず、従来例のように回転数が第1の回転
数のままである場合は、図4中にハッチングで示す領域
コアRa /ヒゲRb の状態から、二点鎖線で示すように
コアRa /ヒゲRb が基板Wの周縁部に向かって遠心力
により拡大/伸長する。その一方、回転数を第1の回転
数よりも高い第2の回転数に所定の加速度で上げてゆく
(加速してゆく)と、ヒゲRb に慣性力、つまり回転方
向とは逆方向の力が作用する。このときに多数のヒゲR
b の間から、新たな放射状の塗布液の流れ(以下、新た
なヒゲRb ’と称する)が生じて、多数のヒゲRb の間
から多数の新たなヒゲRb ’が基板Wの周縁部に向かっ
て延び始める。
【0023】また、これらのヒゲRb および新たなヒゲ
b ’には、上記のようにして慣性力が働くので、遠心
力と慣性力との合力により、図5に示すように周方向に
曲げられるようにその幅が拡大するとともに、遠心力に
よってその先端部が周縁部に向かって伸長し、コアRa
の径も拡大することになる。
【0024】その結果、図5に示すようにヒゲRb およ
び新たなヒゲRb ’は基板Wの周縁に向かって伸長する
だけでなく周方向にもその幅を拡大するので、ヒゲRb
が基板Wの周縁部に達するまでにヒゲRb 間の隙間が、
新たなヒゲRb ’の発生も加わって急速に狭まり、塗布
液Rが基板Wの表面全体を覆うまでの時間(被覆所要時
間)を大幅に短縮することができる。被覆所要時間が短
いということは、塗布液Rの供給を開始してから、塗布
液Rが基板Wの全面を覆って供給が停止されるまでの時
間が短いことを意味する。換言すれば、上述したような
ヒゲRb (および新たなヒゲRb ’)が基板Wの周縁部
に達してから塗布液Rの供給が停止されるまでの時間が
短くなり、それだけヒゲRb を通って基板Wの周縁部か
ら飛散する塗布液Rの量が少なくなるので、所望膜厚の
塗布被膜を得るのに要する塗布液Rの量を少なくするこ
とができる。
【0025】また、請求項2に記載の発明によれば、基
板の表面に供給されて平面視でほぼ円形の状態(コアR
a )に拡がっている塗布液の周囲から放射状に塗布液の
流れが伸び始める時点、すなわち、図15(a)に示す
状態から後であって、その放射状に延びた塗布液(ヒゲ
b )が基板の周縁部に達する前、すなわち、図15
(c)に示す状態となる前に、過程(c)を行う、つま
り、基板の回転数を第1の回転数から所定の加速度で第
2の回転数へと上げ始めるので、ヒゲRb および新たな
ヒゲRb ’に対して効果的に慣性力を与えて、その幅を
拡大することができ、基板の周縁部に到達したヒゲRb
(および新たなヒゲRb ’)を通して飛散する塗布液の
量を少なくすることができる。
【0026】また、請求項3に記載の発明によれば、基
板の回転数を第1の回転数で所定時間保持することによ
り、ヒゲRb (および新たなヒゲRb ’)を基板の周縁
部に向けて直線的に伸長させることになる。次いで、基
板の回転数を第2の回転数へと所定の加速度で上げてゆ
くことにより、直線的に基板の周縁部に延び始めたヒゲ
b (および新たなヒゲRb ’)に対して効果的に慣性
力を与えてそれらの幅を周方向に急速に拡大することが
できる。したがって、基板の周縁部に到達したヒゲRb
(および新たなヒゲRb ’)を通して飛散する塗布液の
量を少なくすることができる。
【0027】また、請求項4に記載の発明によれば、基
板が静止した状態で塗布液の供給を開始し、基板の回転
数を第1の回転数へと上げてゆく前に停止するスタティ
ック法による塗布液塗布方法であっても、その後に基板
の回転数を第2の回転数へと所定の加速度で上げてゆく
ことにより、ヒゲRb (および新たなヒゲRb ’)の周
方向の幅を拡大することができて、基板の周縁部に到達
したヒゲRb (および新たなヒゲRb ’)を通して飛散
する塗布液の量を少なくすることができる。
【0028】また、請求項5に記載の発明によれば、基
板が静止した状態で塗布液の供給を開始し、基板の回転
数を第1の回転数へと上げ始めた後に停止するスタミッ
ク法(ダイナミック法と上記スタティック法とを組み合
わせたような方法)による塗布液塗布方法であっても、
その後に基板の回転数を第2の回転数へと所定の加速度
で上げてゆくことにより、ヒゲRb (および新たなヒゲ
b ’)の周方向の幅を拡大することができて、基板の
周縁部に到達したヒゲRb (および新たなヒゲRb ’)
を通して飛散する塗布液の量を少なくすることができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。図1は、本発明方法に基づく回転数
制御を行なう回転式基板塗布装置を示す縦断面図であ
る。
【0030】図中、符号10は、吸引式スピンチャック
であって基板Wをほぼ水平姿勢で吸着支持するものであ
る。この吸引式スピンチャック10は、中空の回転軸1
1を介して回転モータ12によって回転駆動される。吸
引式スピンチャック10の周囲には、塗布液であるフォ
トレジスト液などの飛散を防止するための飛散防止カッ
プ13が配置されている。また、図示しない搬送手段が
未処理の基板Wを吸引式スピンチャック10に載置した
り、吸引式スピンチャック10から処理済みの基板Wを
受け取る際には、図示しない昇降手段が回転軸11と飛
散防止カップ13とを相対昇降させることによって、吸
引式スピンチャック10を飛散防止カップ13の上方へ
と移動させる(図中の二点鎖線)。
【0031】飛散防止カップ13は、上カップ14と、
円形整流板15と、下カップ17等から構成されてい
る。上カップ14は、上部に開口部14aと、基板Wの
回転によるフォトレジスト液などの飛沫を下方へ案内す
る傾斜面14bとを有する。
【0032】円形整流板15は、開口部14aから流入
して基板Wの周縁に沿って流下する気流を下カップ17
に整流して案内するとともに、上カップ14の傾斜面1
4bによって下方に案内されたフォトレジスト液などの
飛沫をこの気流に乗せて下カップ17に案内する。
【0033】下カップ17の底部には、排液口17aが
配設されている。この排液口17aは、排液タンク17
bに接続されており、回転振り切り後のフォトレジスト
液などを回収するようになっている。下カップ17の底
部には、さらにカップ排気口17cが配設されている。
このカップ排気口17cは、排気ポンプ17dに接続さ
れており、飛散防止カップ13内に滞留する霧状のフォ
トレジスト液などを空気とともに吸引して排気するよう
になっている。
【0034】円形整流板15の内側には、基板Wの裏面
に回り込んだフォトレジスト液や付着したミストを除去
するための洗浄液を基板Wの裏面に向けて吐出するため
のバックリンスノズル20が配設されている。このバッ
クリンスノズル20には、管継手18と供給配管18a
を介して洗浄液供給部18bから洗浄液が供給されるよ
うになっている。なお、後述する塗布処理を示すタイム
チャートでは省略しているが、フォトレジスト液やその
ミストが基板Wの裏面に付着することを防止するため
に、このバックリングノズル20から洗浄液を基板Wの
裏面に供給することが好ましい。
【0035】さらに、飛散防止カップ13の開口部14
aの上方であって、基板Wのほぼ回転中心の上方には、
フォトレジスト液を吐出する吐出ノズル30が配設され
ている。また、吐出ノズル30へフォトレジスト液を所
定量だけ供給する図示しない塗布液供給手段と、吸引式
スピンチャック10と飛散防止カップ13とを相対昇降
する図示しない昇降手段と、回転モータ12とは、制御
部50によって制御されるように構成されている。な
お、制御部50は、メモリ51に格納された、後述する
タイムチャートに応じたプログラムによって上記各部の
制御を行なうようになっている。
【0036】<スタティック法>次に、図2のタイムチ
ャートおよび図3〜図10の模式図を参照して、基板W
を静止させた状態でフォトレジスト液の供給を完了する
『スタティック法』によるフォトレジスト液の塗布処理
について説明する。なお、このタイムチャートに相当す
るプログラムは、図1に示したメモリ51に格納されて
制御部50によって実行される。また、処理対象の基板
Wは、既に吸引式スピンチャック10に載置されて吸着
保持され、さらに基板Wの中心付近の上方には、既に吐
出ノズル30が位置しているものとする。また、図3〜
図10の模式図では、簡略的に基板Wを円形で表し、フ
ォトレジスト液をハッチングした領域で表している。
【0037】まず、基板Wを吸引式スピンチャック10
に吸着保持させただけの状態、つまり回転モータ12を
回転駆動することなく基板Wを静止させた状態で、tS
時点において吐出ノズル30からフォトレジスト液を一
定流量で供給開始する。また、この時点tS から予め設
定されている供給時間TSUだけフォトレジスト液の供給
が継続されるようになっている。この間、基板Wの表面
に供給されたフォトレジスト液Rは、図3中に円形状の
実線および円形状の点線で示すように自重でその径を拡
げつつ同心円状に拡大し、基板Wの中心付近に平面視で
円形状の塊Ra(以下、これをコアRa と称する)とな
って存在している。
【0038】フォトレジスト液Rの供給開始時点tS
ら供給時間TSUが経過すると(時点tE )、吐出ノズル
30からのフォトレジスト液Rの供給を停止する。な
お、時点tS から時点tE が本発明の過程(a)に相当
する。さらにフォトレジスト液Rの供給を停止するとと
もに時点t1 (=tE )にて回転モータ12の回転駆動
を開始して、t2 時点において基板Wの回転数が第1の
回転数R3(例えば、1,000rpm)に到達するよ
うに加速する。なお、この時点t1 から時点t2までが
本発明の過程(b)に相当する。
【0039】この加速時間(t1 〜t2 )は、例えば、
8インチ径の基板Wの場合で0.1sec程度が好まし
い。また、第1の回転数R3による基板Wの回転駆動
は、t 2 時点からt3 時点まで継続される。その継続時
間(t2 〜t3 )は、例えば、8インチ径の基板Wの場
合で0.1sec〜0.2sec程度が好ましい。つま
り、基板Wの回転駆動を開始してから時間Ta ’(例え
ば、0.1〜0.3sec程度であり、以下、回転数切
換開始時間と称する)内に基板Wの回転数を上げてゆく
と、後述するようにヒゲRa および新たなヒゲRb ’に
対して効果的に慣性力を与えることができる。
【0040】なお、上記の回転数切換開始時間Ta
は、後述するヒゲRa が第1の回転数R3により伸長
し、基板の周縁部に到達するまでの時間(到達時間)内
となるように設定することが好ましい。例えば、基板の
サイズが8インチである場合、その到達時間は、実験に
より約0.5secであることが判明している。
【0041】このときコアRa は暫くの間は円形状を保
っているが、その後つぎのように大きくその形状を変え
てゆく。つまり、この円形状のコアRa の円周部から基
板Wの周縁部に向かって多数の細長いフォトレジスト液
Rの流れRb (以下、これをヒゲRb と称する)が放射
状に延び始める(図3中に示す放射状の点線)。この多
数のヒゲRb は、基板Wの回転数を第1の回転数R3に
保持する間、遠心力によってコアRa の径の拡大ととも
に基板Wの周縁部に向かって直線的に延び続けるが、ヒ
ゲRb はコアRaより半径が大きいことから遠心力がよ
り大きく加わるので、コアRa の径の拡大よりも速く基
板Wの周縁部に向かって延びることになる(図4中の実
線および二点鎖線)。さらに、コアRa から新たな放射
状のフォトレジスト液Rの流れRb’(以下、新たなヒ
ゲRb ’と称する)が生じて、多数のヒゲRb の間から
新たなヒゲRb ’(図4中の二点鎖線)が基板Wの周縁
部に向かって延び始める。
【0042】そこで、フォトレジスト液Rが基板Wの表
面全体を覆う前、より具体的には直線的に延びてゆくヒ
ゲRb および新たなヒゲRb ’が基板Wの周縁部に到達
する前に、基板Wの回転数を上記の第1の回転数R3
(1,000rpm)よりも高い第2の回転数R4に上
げてゆく。なお、具体的な回転制御としては制御部50
が、回転モータ12の回転数を時間t3 から時間t4
短い時間Tb (以下、回転数切換時間と称する)内に、
第1の回転数R3から第2の回転数R4に向けて急激に
上げてゆく。この第2の回転数R4としては、例えば、
3,000rpmである。また、その回転数切換時間T
b (=t3 〜t4 )は、例えば、約0.07secであ
る。なお、上記の時間t3 から時間t4 が本発明におけ
る過程(c)に相当する。
【0043】このように基板Wの回転数を回転数切換時
間Tb 内に第1の回転数R3から第2の回転数R4に急
激に上げることにより、基板Wの周縁部に向かって直線
的に延びてゆくはずのヒゲRb および新たなヒゲRb
に慣性力、つまり回転方向(図5の矢印)とは逆方向の
力が作用することになる。したがって、遠心力と慣性力
との合力によりヒゲRb および新たなヒゲRb ’は、図
5および図6に示すように周方向に曲げられるようにそ
の幅を拡大するとともに、遠心力によってその先端部が
基板Wの周縁部に向かって伸長する。さらに、これに伴
ってコアRa の径も拡大することになる。
【0044】そして、図7に示すように、多数のヒゲR
b および多数の新たなヒゲRb ’の先端部が基板Wの周
縁部に到達すると、それらを通って基板Wの周縁部にフ
ォトレジスト液Rが飛散する(以下、飛散フォトレジス
ト液Rc と称する)。しかしながら、加速度によりヒゲ
b および新たなヒゲRb ’が周方向に曲げられている
ので、基板Wの周縁部に向かって拡大/伸長していくコ
アRa /新たなヒゲR b ’/ヒゲRb が一体となって基
板Wの表面全体が覆われるまでの時間(被覆所要時間)
が従来に比較して大幅に短縮される(図7〜図9)。こ
のような作用を生じさせた後、基板Wの回転数をt5
点まで第2の回転数R4に保持することによって、図1
0に示すように基板Wの表面全体を覆っているフォトレ
ジスト液Rのうち余剰分(余剰フォトレジスト液Rd
を振り切って、基板Wの表面に所望膜厚のフォトレジス
ト被膜R’を形成することができる。
【0045】このように静止した状態の基板Wにフォト
レジスト液Rを供給した後に、基板Wを第1の回転数R
3で回転させ、基板Wの表面全体がフォトレジスト液R
によって覆われる前に、具体的には、基板Wの回転を開
始した時点t1 から回転数切換開始時間Ta ’後に、第
1の回転数R3よりも高い第2の回転数4に回転数を上
げ始め、その回転上昇を短い回転数切換時間Tb 内に完
了、つまり所定の加速度をもって回転数を上げてゆくこ
とにより、被覆所要時間を大幅に短縮することができ
る。したがって、ヒゲRb および新たなヒゲRb ’が基
板Wの周縁部に到達してから、基板Wの表面全体をフォ
トレジスト液Rが覆い尽くすまでの時間が短くなるの
で、ヒゲRb および新たなヒゲRb ’を通して基板Wの
周囲に放出・飛散するフォトレジスト液Rの量を少なく
することができる。その結果、所望膜厚のフォトレジス
ト被膜R’を形成するのに要するフォトレジスト液Rの
量を極めて少なくすることができる。
【0046】なお、上記の説明では、時点ts から供給
開始したフォトレジスト液Rを、基板Wの回転数を第1
の回転数R3に上げ始める時点t1 (=tE )で同時に
供給停止するようにしたが、図2に括弧書きで示すよう
に、時点ts から供給開始したフォトレジスト液Rを、
基板Wの回転を開始する時点t1 よりも前の時点
(t E )において供給停止するようにしてもよい。
【0047】<スタミック法>次に、基板を静止させた
状態でフォトレジスト液を供給開始し、基板の回転を開
始した後にフォトレジスト液を供給停止する、ダイナミ
ック法と上記のスタティック法とを組み合わせたような
スタミック法によるフォトレジスト液の塗布処理につい
て、図11のタイムチャートを参照して説明する。な
お、第1の回転数R3および第2の回転数R4、回転数
切換開始時間Ta ’と回転数切換時間Tbなどは、上記
の<スタティック法>で挙げたものと同様である。
【0048】まず、基板Wを吸引式スピンチャック10
に吸着保持させた状態で、回転モータ12を回転駆動す
ることなく、tS 時点において吐出ノズル30からフォ
トレジスト液を一定流量で供給開始する。このフォトレ
ジスト液Rの供給は、この時点tS から予め設定された
供給時間TSUの間だけ継続される。
【0049】そして、フォトレジスト液Rの供給を継続
しつつ、時点t1 において回転モータ12の回転駆動を
開始し、時点t2 において基板Wの回転数が第1の回転
数R3に到達するように加速する。この例では、静止し
た状態から第1の回転数R3への加速途中のtE 時点に
おいてフォトレジスト液Rの供給を停止するように、予
め供給時間TSUが設定されている。なお、フォトレジス
ト液Rの供給を停止するのは、上記の例に限定されるも
のではなく基板Wの回転を開始した後であれば種々の時
点に設定することができる。例えば、図中に括弧書きで
示すように、基板Wの回転数が第1の回転数R3に到達
して一定時間が経過した時点(tE )においてその供給
を停止するようにしてもよい。この場合、当然のことな
がら、フォトレジスト液を供給する時間が供給時間TSU
よりも供給時間(TSU)の方が長くなることから、吐出
ノズル30よりフォトレジスト液を供給する際の流量は
小さく設定される。
【0050】なお、上記の時点tS から時点tE が本発
明の過程(a)に相当し、時点t1から時点t2 が本発
明の過程(b)に相当する。
【0051】そして、基板Wの回転駆動が開始された時
点t1 から、静止した状態で基板Wに供給開始されたフ
ォトレジスト液が第1の回転数R3によって拡がってそ
の表面全体を覆う前に、具体的には時点t3 から時点t
4 の間に基板Wの回転数を第1の回転数R3から所定の
加速度をもって第2の回転数R4へと上げてゆく。な
お、第1の回転数R3から第2の回転数R4へと急激に
回転数を上げるには、<スタティック法>において述べ
たように回転数切換時間Tb 内に完了することが好まし
い。また、上記の時点t3 から時点t4 は、本発明の過
程(c)に相当する。
【0052】上記の<スタティック法>において既に述
べたように、第1の回転数R3から第2の回転数R4へ
基板Wの回転数を上げてゆく過程では、フォトレジスト
液Rに同様の作用が生じる。つまり、第1の回転数R3
によってコアRa から基板Wの周縁部に向かって直線的
に伸長している多数のヒゲRb および多数の新たなヒゲ
b ’に対して慣性力を与えることができ、それらの幅
を周方向に拡げることができる。したがって、被覆所要
時間を大幅に短縮することができ、ヒゲRb およびヒゲ
b ’が基板Wの周縁部に到達してから、基板Wの表面
全体をフォトレジスト液Rが覆い尽くすまでの時間が短
くなるので、ヒゲRb および新たなヒゲRb ’を通して
基板Wの周囲に放出・飛散するフォトレジスト液Rの量
を少なくすることができる。その結果、所望膜厚のフォ
トレジスト被膜R’を形成するのに要するフォトレジス
ト液Rの量を極めて少なくすることができる。
【0053】なお、上述した<スタティック法>および
<スタミック法>の例では、第1の回転数R3(1,0
00rpm)から第2の回転数R4(3,000rp
m)へ基板Wの回転数を切り換えるのに要する回転数切
換時間Tb が約0.07secであるので、加速度とし
ては約28,751rpm/secである。この加速度
によりヒゲRb および新たなヒゲRb ’に慣性力を与え
て被覆所要時間を短縮することから、上記の加速度は大
きい方が好ましい。しかしながら、加速度が大きすぎる
と逆に被覆所要時間が長くなり、不要なフォトレジスト
液が増大することが実験によって判明している。そこ
で、基板Wとして8インチ径のものを採用し、フォトレ
ジスト液として住友化学製i線レジストPFIを採用し
て種々の実験を行った結果、加速度が7,500〜5
0,000rpm/secの範囲で被覆所要時間を短縮
できることがわかった。したがって、上述したように第
1の回転数R3から第2の回転数R4へ回転数を切り換
えるには、この範囲の加速度で行うことが好ましい。
【0054】<変形例1>上述した二つの塗布方法で
は、いずれも静止した状態の基板の回転数を第1の回転
数R3に上げた後、所定時間だけその回転数を保持する
ようにした。具体的には、図2および図11のt2 から
3 までの間、第1の回転数R3を保持するようにし
た。その回転数の保持は、図4の模式図に示すようにコ
アRa から基板Wの周縁部に向けてヒゲRb および新た
なヒゲRb ’を直線的に伸長させ、その後の加速により
周方向に慣性力を与えるためである。しかしながら、第
1の回転数R3へ回転数を上げてゆく際にもヒゲRb
少なからず発生するので、その回転数を保持することな
く第2の回転数R4へ加速してもヒゲRb を発生させる
ことができ慣性力を与えることができる。したがって、
第1の回転数R3の保持は必須ではなく、図12に示す
ように回転数を制御してもよい。
【0055】つまり、基板Wの回転数を第1の回転数R
3に上げてゆき、第1の回転数R3に到達した時点t2
において、即座に第2の回転数R4へと回転数を上げて
ゆく。このようにしても第1の回転数R3で発生したヒ
ゲRb を周方向に曲げることができ、上記のような効果
を得ることができる。
【0056】なお、このタイムチャート中における供給
時間TSUは『スタティック法』によるフォトレジスト液
の供給タイミングを示し、供給時間(TSU)は『スタミ
ック法』による供給タイミングを示している。
【0057】<変形例2>上記の<スタティック法>お
よび<スタミック法>による塗布処理においては、第1
の回転数R3および第2の回転数R4の二段階で回転数
を上げてゆく回転数制御を例に採って説明したが、本発
明はこのような回転数制御に限定されるものではない。
【0058】つまり、図12中に点線で示すようにフォ
トレジスト液が供給された基板を第1の回転数R3で回
転駆動した後、上述した第2の回転数R4よりも高い第
2の回転数(R5)に回転数を上げてゆき、その後に回
転数R4に回転数を下げて、3段階に回転数を制御して
所望膜厚のフォトレジスト被膜を形成するようにしても
よい。この場合には、放射状に延びたヒゲRb および新
たなヒゲRb ’に対してより大きな慣性力を与えること
ができ、それらの幅をより速く周方向に拡大することが
できる。したがって、被覆所要時間をさらに短くするこ
とができ、不要なフォトレジスト液の量をさらに少なく
することが可能である。よって、所望膜厚のフォトレジ
スト被膜を形成するのに要するフォトレジスト液の量を
極めて少なくすることができる。
【0059】また、フォトレジスト液が供給された基板
を第1の回転数R3で回転駆動した後、上述した第2の
回転数R4よりも低い第2の回転数(R6)に回転数を
上げてゆき、その後に回転数R4に回転数を上げて所望
膜厚のフォトレジスト被膜を得るようにしてもよい。こ
の場合には、放射状に延びたヒゲRb および新たなヒゲ
b ’が遠心力によって基板の周縁部に到達する時間を
抑えることができ、フォトレジスト液が飛散する量を抑
制することができる。したがって、不要なフォトレジス
ト液の量をさらに少なくすることができる。
【0060】なお、上述した説明では、塗布液としてフ
ォトレジスト液を例に採って説明したが、本発明はSO
G液やポリイミド樹脂などの塗布液であっても適用可能
である。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、静止した状態の基板表面に供
給された塗布液が第1の回転数によって拡がって基板の
表面全体を覆う前に、基板の回転数を所定の加速度で第
2の回転数へと上げてゆくことにより、同心円状の塗布
液から放射状に延びた塗布液の流れの間に、新たな塗布
液の流れを生じさせることができるとともに、各塗布液
の流れに慣性力を与えることができ、各放射状の塗布液
の流れの間の隙間を急速に狭めることができる。その結
果、放射状の塗布液の流れを通して基板の周囲に飛散す
る塗布液の量を少なくすることができる。これにより現
像液やリンス液などの処理液に比較して高価な塗布液の
量を少なくすることができるので、半導体装置などの製
造コストを低減するとともにスループットを向上させる
ことができる。
【0062】また、請求項2に記載の発明によれば、基
板の表面に供給されて平面視でほぼ円形状に拡がってい
る塗布液の周囲から放射状に塗布液の流れが生じ始める
時点よりも後であって、かつ放射状に伸び始めた塗布液
の流れが基板の周縁に達する時点よりも前に、基板の回
転数を第1の回転数から第2の回転数へと上げ始めるこ
とにより放射状に伸び始めた塗布液の流れに効果的に慣
性力を与えて、その幅を拡大することができる。したが
って、基板の周縁部に到達した塗布液の流れを通して飛
散する塗布液の量をより一層少なくすることができる。
その結果、所望膜厚の塗布被膜を得るに要する塗布液の
量を少なくすることができる。
【0063】また、請求項3に記載の発明によれば、第
1の回転数を所定時間保持することにより、放射状の塗
布液の流れを基板の周縁部に向けて直線的に延ばし、そ
の後に基板の回転数を第2の回転数へと上げることによ
り、それらの周方向の幅を効果的に拡大することができ
る。したがって、基板の周縁部に到達した放射状の塗布
液の流れを通して周囲に飛散する塗布液の量を少なくす
ることができ、所望膜厚の塗布被膜を得るのに要する塗
布液の量を少なくすることができる。
【0064】また、請求項4に記載の発明によれば、基
板が静止した状態で塗布液の供給を完了するスタティッ
ク法による塗布液塗布方法であっても請求項1と同等の
効果を得ることができる。
【0065】また、請求項5に記載の発明によれば、基
板が静止した状態で塗布液の供給を開始し、基板が第1
の回転数により回転を開始した後にその供給を完了す
る、ダイナミック法と上記のスタティック法とを組み合
わせたような塗布液塗布方法(スタミック法)であって
も請求項1と同じ効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用した回転式基板塗布装置の縦
断面図である。
【図2】スタティック法によるフォトレジスト液塗布方
法を示すタイムチャートである。
【図3】フォトレジスト液の挙動を示す模式図である。
【図4】フォトレジスト液の挙動を示す模式図である。
【図5】フォトレジスト液の挙動を示す模式図である。
【図6】フォトレジスト液の挙動を示す模式図である。
【図7】フォトレジスト液の挙動を示す模式図である。
【図8】フォトレジスト液の挙動を示す模式図である。
【図9】フォトレジスト液の挙動を示す模式図である。
【図10】フォトレジスト液の挙動を示す模式図であ
る。
【図11】スタミック法によるフォトレジスト液塗布方
法を示すタイムチャートである。
【図12】フォトレジスト液塗布方法の変形例を示すタ
イムチャートである。
【図13】従来例に係る回転式基板塗布装置の要部を示
す図である。
【図14】従来例に係る塗布液塗布方法を示すタイムチ
ャートである。
【図15】従来例に係る塗布液塗布方法の説明に供する
図である。
【符号の説明】
10 … 吸引式スピンチャック 13 … 飛散防止カップ 30 … 吐出ノズル 50 … 制御部 51 … メモリ W … 基板 R … フォトレジスト液(塗布液) Ra … コア(円形状の塗布液) Rb … ヒゲ(放射状の塗布液の流れ) Rb ’ … 新たなヒゲ(放射状の塗布液の流れ) Rc … 飛散フォトレジスト液 Rd … 余剰フォトレジスト液 R3 … 第1の回転数 R4,(R5),(R6) … 第2の回転数 Ta ’ … 回転数切換開始時間 Tb … 回転数切換時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/40 B05C 11/08 G03F 7/16 502 G03F 7/30 502 H01L 21/027

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に塗布液を供給して所望膜厚
    の塗布被膜を形成する塗布液塗布方法であって、 (a)基板を静止させた状態で、その表面の中心付近に
    塗布液を供給する過程と、 (b)前記基板の回転数を第1の回転数へと上げてゆく
    過程と、 (c)前記基板の表面に供給された塗布液が前記第1の
    回転数によって拡がって前記基板の表面全体を覆う前
    に、前記基板の回転数を所定の加速度で前記第1の回転
    数よりも高い第2の回転数へと上げてゆく過程と、 を順に実施することを特徴とする塗布液塗布方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の塗布液塗布方法におい
    て、前記過程(c)を、前記基板の表面に供給されて平
    面視でほぼ円形に拡がっている塗布液の周囲から放射状
    に塗布液の流れが生じ始める時点よりも後であって、か
    つ放射状に延びた塗布液の流れが前記基板の周縁部に到
    達する時点よりも前に実施することを特徴とする塗布液
    塗布方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の塗布液
    塗布方法において、前記基板の回転数が前記第1の回転
    数に到達した後、所定時間その回転数を保持することを
    特徴とする塗布液塗布方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の塗布液塗布方法において、前記塗布液の供給を、前
    記第1の回転数へと上げてゆく前に停止することを特徴
    とする塗布液塗布方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の塗布液塗布方法において、前記塗布液の供給を、前
    記第1の回転数へと上げ始めた後に停止することを特徴
    とする塗布液塗布方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8580340B2 (en) 2009-12-07 2013-11-12 Sokudo Co., Ltd. Substrate processing apparatus and substrate processing method

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