JPH09176A - こんにゃく粉の微粉砕方法及び微粉末を用いたこんにゃく又はこんにゃく含有食品の製造方法 - Google Patents

こんにゃく粉の微粉砕方法及び微粉末を用いたこんにゃく又はこんにゃく含有食品の製造方法

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JPH09176A
JPH09176A JP7177948A JP17794895A JPH09176A JP H09176 A JPH09176 A JP H09176A JP 7177948 A JP7177948 A JP 7177948A JP 17794895 A JP17794895 A JP 17794895A JP H09176 A JPH09176 A JP H09176A
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konjac
powder
ethyl alcohol
konjak
concentration
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JP7177948A
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Hitoshi Kusutani
仁 楠谷
Mikio Yamada
巳喜男 山田
Hideto Kato
秀人 加藤
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Nakano Vinegar Co Ltd
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Nakano Vinegar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 微粉砕されたこんにゃく粉のアルコール懸濁
液から変成の少ないこんにゃく微粉末を回収して膨潤時
においてもだま等を作らず、直ちに膨潤し得るこんにゃ
く又はこんにゃく含有食品の製造方法の提供。 【構成】 こんにゃく精粉を濃度35%重量以上のエ
チルアルコール水溶液に懸濁し、微粉砕することを特徴
とするこんにゃく粉の微粉砕方法、微粉砕されたこん
にゃく粉のエチルアルコール懸濁液から、エチルアルコ
ール懸濁液の上澄みを除去した残りの沈澱部に、アルコ
ール濃度が少なくとも40重量%以上になるようにエチ
ルアルコール水溶液を添加して懸濁させた後、直ちに乾
燥してこんにゃく微粉末を回収し、当こんにゃく微粉末
をエチルアルコールを0.1〜5重量%の割合で含有す
る溶液中に浸漬させた後、水に膨潤させるこんにゃく又
はこんにゃく含有食品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、こんにゃく粉の微粉砕
方法、こんにゃく微粉末の回収方法、及び微粉末を用い
たこんにゃく又はこんにゃく含有食品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】こんにゃくマンナンは、水中で膨潤させ
ることでゾル形態をとり、カルシウムを添加して加熱し
たり、他のゲル剤と混合して加熱冷却することでこんに
ゃくゲルを得る。しかしながら、こんにゃく粉は、膨潤
するまでに数時間を要するため、他の食品に添加して均
質に膨潤させることは困難である。均質に膨潤させる方
法として、こんにゃく粉を微粉砕して微粉末化し、こん
にゃく粉の膨潤時間を短縮しようという試みが以前から
行なわれている。例えば、ジェット噴流によるこんにゃ
く同士の衝突により微粉砕する方法(特開昭50−25
751号公報など)、液体窒素を使用して超低温下で微
粉砕する方法(特開昭55−92667号公報)、一度
膨潤させたこんにゃくを、液体窒素存在の超低温下で粉
砕し、乾燥する方法(特開昭63−18345号公報)
が提案されている。
【0003】しかしながら、乾式の粉砕方法では、破砕
時に発生する熱によって、こんにゃく粉に熱変成が生
じ、焦げによる発色や粘度の低下が起こる。また、超低
温下での破砕は、液体窒素を使用するために、コストと
装置が膨大なものとなってしまう。
【0004】一方、湿式破砕法は破砕時の温度の上昇は
少ないものの、こんにゃくが膨潤してしまうという欠点
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の本発明
の目的は、焦げ等の着色を抑え、かつ粘度低下,ゲル強
度の低下を生じることなく、低廉なコストで、しかもこ
んにゃくを膨潤させることなく、こんにゃく粉を微粉砕
する方法を提供することである。
【0006】また、請求項2記載の本発明の目的は、湿
式研磨機によって微粉砕されたこんにゃく粉のアルコー
ル懸濁液から、これを乾燥してこんにゃく微粉末を回収
するにあたり、変成の少ないこんにゃく微粉末を効率良
く回収する方法を提供することである。
【0007】さらに、請求項3記載の本発明の目的は、
こんにゃく微粉末を水に膨潤させたものを用いて、こん
にゃく又はこんにゃく含有食品を製造するにあたり、膨
潤時においても、だま等を作らず、直ちに膨潤し得るこ
んにゃく又はこんにゃく含有食品の製造方法を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、乾式法ではなく湿式法を
採用し、こんにゃく粉が膨潤を始めないエチルアルコー
ル濃度で湿式研磨を行うことで、粘度低下を生じること
なく、低廉なコストでこんにゃく粉を微粉砕することが
できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに到った。
【0009】すなわち、請求項1記載の本発明は、こん
にゃく粉を湿式研磨機により微粉砕するにあたり、こん
にゃく精粉を濃度35%重量以上のエチルアルコール水
溶液に懸濁し、微粉砕することを特徴とするこんにゃく
粉の微粉砕方法を提供するものである。
【0010】次に、請求項2記載の本発明は、請求項1
記載の方法により微粉砕されたこんにゃく粉のエチルア
ルコール懸濁液から、これを乾燥してこんにゃく微粉末
を回収するにあたり、前記エチルアルコール懸濁液の上
澄みを除去した残りの沈澱部に、アルコール濃度が少な
くとも40重量%以上になるようにエチルアルコール水
溶液を添加して懸濁させた後、直ちに乾燥することを特
徴とするこんにゃく微粉末の回収方法を提供するもので
ある。
【0011】さらに、請求項3記載の本発明は、こんに
ゃく微粉末を水に膨潤させたものを用いて、こんにゃく
又はこんにゃく含有食品を製造するにあたり、こんにゃ
く微粉末をエチルアルコールを0.1〜5重量%の割合
で含有する溶液中に浸漬させた後、水に膨潤させること
を特徴とするこんにゃく又はこんにゃく含有食品の製造
方法を提供するものである。
【0012】以下、本発明について具体的に説明する。
まず請求項1記載の本発明は、こんにゃく粉の微粉砕方
法に関し、こんにゃく粉を湿式研磨機により微粉砕する
にあたり、こんにゃく精粉を濃度35%以上のエチルア
ルコール水溶液に懸濁し、微粉砕することを特徴とする
ものである。
【0013】請求項1記載の本発明を適用することがで
きるこんにゃく芋の種類は特に制限はなく、日本産のこ
んにゃく( Amorphophallus konjac )のみならず、
東南アジア産のムカゴこんにゃくなど、各種のこんにゃ
く芋の粉の微粉砕に適用することができる。なお、上記
のムカゴこんにゃくのように、こんにゃく粉中に色素を
有するこんにゃく粉を処理して行くと、エチルアルコー
ル水溶液中に、こんにゃくの色素が抽出され、こんにゃ
く粉の脱色も同時に行われることが分かった。日本での
こんにゃくの等級は、色の白さ、こんにゃくの粘度の2
点で分けられており、この処理による白色化によって、
こんにゃく粉の品質をランクアップさせることも可能で
ある。
【0014】請求項1記載の本発明では、微粉砕に供す
るこんにゃく粉として、こんにゃく精粉を用いる。ここ
でこんにゃく精粉とは、こんにゃく芋を短冊状にカット
して乾燥した状態の「荒粉」を、粉砕機にかけて粉砕
し、軽い粒子からなる、いわゆる「飛び粉」を除去して
得られる重い粒子を指す。このようなこんにゃく精粉
は、通常、粒径が500〜1,000μm程度のもので
あり、市販されているものを用いることができる。請求
項1記載の本発明では、このようなこんにゃく粉(こん
にゃく精粉)を微粉砕する方法に関するものである。こ
こで目的とする微粉の大きさとしては、上記こんにゃく
精粉の粒径未満のものであれば良く、特に制限はない
が、通常、20〜500μm程度、好ましくは100〜
500μm程度のものである。
【0015】請求項1記載の本発明では、通常のこんに
ゃく精粉を、濃度35%以上、好ましくは40%以上の
エチルアルコール水溶液に懸濁し、微粉砕する。ここで
濃度が35%未満のエチルアルコール水溶液を用いた場
合には、こんにゃく精粉が膨潤するおそれがある。
【0016】なお、懸濁するにあたっては、こんにゃく
精粉1重量部に対して、濃度35%以上のエチルアルコ
ール水溶液を通常、1〜10重量部、好ましくは2〜5
重量部の割合で加えればよい。この際、用いるこんにゃ
く精粉の水分は考慮しない。エチルアルコール水溶液の
使用割合が少な過ぎると、機械への付着によるこんにゃ
く精粉の歩留りの低下が見られたり、温度上昇の原因に
なるため、好ましくない。但し、一般に微粉砕こんにゃ
く粉は、粒径が小さくなるほど表面積が増し、膨潤する
能力が大きくなるため、求める粒径に応じて、エチルア
ルコール水溶液の濃度を前記濃度の範囲内で適宜選択す
る(粒径を小さくするほど、エチルアルコール水溶液の
濃度を高める)ことが好ましい。
【0017】使用するエチルアルコール水溶液の濃度
は、こんにゃく精粉に接触させる前に一様にしておくこ
とが望ましい。高濃度のアルコールと水を、こんにゃく
精粉と共に同一容器で攪拌して、濃度を調整しようとす
ると、少しの時間であるが、アルコールの希薄な箇所が
存在することになり、こんにゃくの膨潤の開始を促すこ
とになるので、初めに濃度を一様にしておくことが望ま
しい。一様なものであれば、エチルアルコールは、食品
として使用できる品質であれば、使用可能である。
【0018】上記のようにこんにゃく精粉を濃度35%
以上のエチルアルコール水溶液に懸濁した後、湿式研磨
機により微粉砕する。粉砕に用いる研磨機は、湿式研磨
可能な機械であれば、どのような研磨機でも使用するこ
とができる。具体的には例えば、増幸産業株式会社製の
マスコロイダーMKZA10−15などを使用すること
ができる。グラインダーは、上記マスコロイダーMKZ
A10−15においては、例えば♯46深溝タイプが使
用できるが、湿式研磨できる機種のグラインダーであれ
ば、他のものを用いることもできる。なお、条件温度
は、常温(0℃から30℃の範囲)で問題なく使用する
ことができ、上記マスコロイダーMKZA10−15を
使用した実施例においては、回転数は1450rpmで
あったが、一般的に使用する研磨機の回転数は、500
〜4000rpmの範囲で使用することができる。こん
にゃく粉の粒径は、使用する機器のグラインダーのクリ
アランスを調整することにより、20〜500μmの範
囲の任意の粒径のものを得ることができる。
【0019】次に、請求項2記載の本発明は、こんにゃ
く微粉末の回収方法に関し、請求項1記載の方法により
微粉砕されたこんにゃく粉のエチルアルコール懸濁液か
ら、これを乾燥してこんにゃく微粉末を回収するにあた
り、前記エチルアルコール懸濁液の上澄みを除去した残
りの沈澱部に、アルコール濃度が少なくとも40重量%
のエチルアルコール水溶液を添加して懸濁させた後、直
ちに乾燥することを特徴とするものである。この請求項
2記載の本発明においては、請求項1記載の方法により
微粉砕されたこんにゃく粉のエチルアルコール懸濁液を
用いる。すなわち、湿式研磨機を用い、エチルアルコー
ル水溶液に懸濁し、微粉砕されたこんにゃく粉を用い
る。
【0020】上記のようにして微粉砕されたこんにゃく
粉は、エチルアルコール水溶液に懸濁状態のものである
ため、必要に応じて乾燥して保存するが、微粉末のこん
にゃく粉は乾燥途中にエチルアルコールが先に蒸発して
しまう。そのため、アルコール濃度が減少して行くの
で、乾燥途中で膨潤が始まり、膨潤したまま乾燥が進ん
で行くために、変成が生じてくる。本発明者は、これを
防ぐためには、最終にアルコール濃度の高い液でこんに
ゃく粉を洗浄し、さらに乾燥途中で攪拌することが有効
であることを見出した。このような知見に基づいて、請
求項2記載の本発明がなされた。請求項2記載の本発明
によれば、変成の少ないこんにゃくの微粉末を得ること
ができる。
【0021】すなわち、請求項2記載の本発明では、請
求項1記載の方法により微粉砕されたこんにゃく粉のエ
チルアルコール懸濁液から、これを乾燥してこんにゃく
微粉末を回収するにあたり、前記エチルアルコール懸濁
液の上澄みを除去した残りの沈澱部に、アルコール濃度
が少なくとも40重量%以上になるようにエチルアルコ
ール水溶液を添加して懸濁させて洗浄し、次いで直ちに
乾燥する。前記エチルアルコール懸濁液の上澄みの除去
は、静置することにより行えば良い。このようにして得
られる残りの沈澱部に、所定濃度のエチルアルコール水
溶液を添加し、アルコール濃度が少なくとも40重量%
以上になるようにした状態で懸濁させて洗浄する。
【0022】ここで添加するエチルアルコール水溶液中
のアルコール濃度は特に制限はないが、最終的にアルコ
ール濃度が少なくとも40重量%以上になるように添加
することが必要である。粒径に応じて、適宜アルコール
濃度を選定すれば良い。最終的に得られるエチルアルコ
ール水溶液中のアルコール濃度が40重量%未満のもの
であると、乾燥表面が膨潤して膜状になりやすく、粉末
として回収できないおそれがある。なお、使用するエチ
ルアルコール水溶液の濃度は、粒径が小さくなるほど、
高濃度のものとする必要がある。また、洗浄に使用する
エチルアルコール水溶液の量は、特に制限はないが、通
常、前記沈澱部1重量部に対して、1〜10重量部の範
囲である。洗浄に使用するエチルアルコール水溶液のア
ルコール濃度が低過ぎると、乾燥途中で膨潤が始まり、
膨潤したまま乾燥が進んで行くために、変成が生じるお
それがある。
【0023】上記のようにして懸濁させた後、直ちに乾
燥する。乾燥時には、だまが生じないように、攪拌しな
がら行うことが望ましい。この乾燥処理は、通常、40
〜100℃の温度で、1〜12時間程度行えば良い。
【0024】また、微粉末こんにゃく粉を使用して、こ
んにゃく粉濃度が1重量%以上のこんにゃく又はこんに
ゃく含有食品を製造しようとする場合、そのまま水に膨
潤すると、だまが生じる。これは、こんにゃく粉の表面
積が増えるため、膨潤能力が増大したためと推定され
る。他に溶解する粉末が多量にある場合は、その粉末に
こんにゃく微粉末を分散させれば良いが、単独でこんに
ゃく微粉末を使用する場合、或いは分散する粉末が少量
の場合には、溶液中に均等に分散膨潤させることは、だ
まが生じ、困難である。
【0025】このような問題を解決するのが、請求項3
記載の本発明である。すなわち、請求項3記載の本発明
は、こんにゃく又はこんにゃく含有食品の製造方法に関
し、こんにゃく微粉末を水に膨潤させたものを用いて、
こんにゃく又はこんにゃく含有食品を製造するにあた
り、こんにゃく微粉末をエチルアルコールを0.1〜5
重量%の割合で含有する溶液中に浸漬させた後、水に膨
潤させることを特徴とするものである。ここで、こんに
ゃく微粉末としては、請求項1記載の本発明により得ら
れたものを用いることもできるし、他の公知の方法によ
り得られたものを用いることもできる。
【0026】このようなこんにゃく微粉末を水に膨潤さ
せたものを用いて、こんにゃく又はこんにゃく含有食品
を製造するが、請求項3記載の本発明は、この際にこん
にゃく微粉末をエチルアルコールを0.1〜5重量%の
割合で含有する溶液中に浸漬させた後、水に膨潤させる
ことを特徴とするものである。ここでこんにゃく含有食
品としては、こんにゃくゼリー,こんにゃくそばなど、
公知のものがある。こんにゃく微粉末にエチルアルコー
ルを含浸させることにより、だまにならず膨潤するこん
にゃく微粉末を得ることができるが、エチルアルコール
の濃度が、溶液中の5重量%を超えると、急激にこんに
ゃくの膨潤能力が低下する。また、エチルアルコールの
濃度が、溶液中の0.1重量%未満であると、だまが生
じやすくなる。ここで溶液とは、通常、エチルアルコー
ル水溶液を指すが、必要に応じて他の成分を含むもので
あっても良い。但し、こんにゃく粉濃度が、0.2重量
%未満の場合には、上記の方法を行わなくても、通常通
り膨潤させることが可能である。なお、粒径が小さくな
るほど、だまを防ぐ必要最少アルコール濃度は大きくな
る。
【0027】こんにゃくマンナンの膨潤は、マンナン表
面の水和性の基が、水分子団の親水基に囲まれるように
して、徐々に分子鎖が水中に広がって行くことで生じ
る。このため、マンナンの粒が小さいと、マンナン表面
の水和性の基の数と表面積の割合が大きくなり、急激に
水中に膨潤しようとする傾向が強くなるため、水分子団
自身が邪魔になり、水分子が中に入っていけなくなる。
この状態が「だま」である。本発明では、マンナン表面
の水和性の基の数を減少させるため、アルコール分子が
水より先に、ある程度のマンナン表面の水和性の基に親
和することを利用し、適当なエチルアルコール濃度を与
えることで、こんにゃく粉のだまになる現象を抑えるも
のである。
【0028】以上のように、こんにゃく微粉末をエチル
アルコールを0.1〜5重量%の割合で含有する溶液中
に浸漬させた後、水に膨潤させ、次いで公知の方法によ
り、加熱ゲル化を行うことにより、目的とする、こんに
ゃく又はこんにゃく含有食品を得ることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれによって何ら限定されるもので
はない。
【0030】実施例1(こんにゃく粉の微粉砕) 湿式研磨機(商品名:マスコロイダーMKZA10−1
5、増幸産業株式会社製)を使用し、こんにゃく精粉
(粒径=600〜1,000μm)1kgを40重量%
の濃度のエチルアルコール水溶液を第1表に示す各種濃
度に希釈したもの5kgに懸濁し、回転数1450rp
mにて湿式粉砕処理を行い、常温において膨潤が開始す
るアルコール濃度を調べた。結果を第1表に示す。な
お、このとき使用したグラインダーは、♯46深溝タイ
プを使用した。グラインダーのクリアランスを500μ
mに調整し、目的粒径を500μmにした場合と、グラ
インダーのクリアランスを100μmに調整し、目的粒
径を100μmにした場合の二つの実験を行った。ここ
で粒径500μmとは、28メッシュパス、32メッシ
ュオンのものを指し、粒径100μmとは、115メッ
シュパス、150メッシュオンのものを指す(以下、同
様)。第1表中の○は、「膨潤しない」状態(合格)を
示す。
【0031】
【表1】
【0032】第1表の結果によれば、グラインダーのク
リアランスを500μmに調整し、目的粒径を500μ
mにした場合、アルコール濃度が30重量%以上であれ
ば、膨潤が抑えられるが、グラインダーのクリアランス
を100μmに調整し、目的粒径を100μmにした場
合には、アルコール濃度が30重量%では膨潤が始まっ
ており、膨潤を抑えるにはアルコール濃度を35重量%
以上とする必要があった。従って、少なくともアルコー
ル濃度を35重量%以上とする必要があることが分かっ
た。
【0033】実施例2(こんにゃく微粉末の回収) 湿式研磨機(商品名:マスコロイダーMKZA10−1
5、増幸産業株式会社製)を使用し、こんにゃく精粉
(粒径=600〜1,000μm)1kgを40重量%
の濃度のエチルアルコール水溶液5kgに懸濁し、回転
数1450rpmにて湿式粉砕処理を行った。このとき
使用したグラインダーは、♯46深溝タイプを使用し、
クリアランスを100μmに調整した。粒径100μm
に湿式粉砕処理されたこんにゃく微粉末懸濁液を30分
間静置し、上澄みを廃棄した。混合後のエチルアルコー
ル濃度(第2表)に示す濃度になるように100重量%
濃度のエチルアルコールを添加して懸濁した。これを5
分間静置し、上澄みを廃棄して、沈澱部をトレーに広
げ、アルコール分を室内で乾燥除去した。乾燥時にだま
が生じないように、攪拌を行ないながら乾燥し、こんに
ゃく粉がさらさらしてから、熱風乾燥機で60℃にて2
時間乾燥し、こんにゃく微粉末995gを得た。各種濃
度のエチルアルコール水溶液を用いた場合の乾燥時の状
況を第2表に示す。そのうち、30gのこんにゃく微粉
末を、60gの50重量%濃度エチルアルコール水溶液
に含浸させた。これを、810gの水に攪拌しながら添
加して、1時間膨潤した。この後、2%水酸化カルシウ
ム水溶液100gを混合し、80℃で加熱ゲル化を行
い、微粉末のこんにゃく粉で作製したこんにゃくを得
た。
【0034】
【表2】
【0035】第2表の結果によれば、アルコール濃度が
少なくとも40重量%のエチルアルコール水溶液でない
と、粉末として回収することができないことが分かっ
た。また、アルコール濃度が99重量%の高濃度のもの
であっても、変成することなく、微粉末こんにゃくとし
て回収することができた。なお、粉末として回収できな
かったものの場合、当然のことながら、こんにゃくは得
られなかった。
【0036】実施例3(こんにゃく又はこんにゃく含有
食品の製造) 湿式研磨機(商品名:マスコロイダーMKZA10−1
5、増幸産業株式会社製)を使用し、こんにゃく精粉
(粒径=600〜1,000μm)1kgを40重量%
の濃度のエチルアルコール水溶液5kgに懸濁し、回転
数1450rpmにて湿式粉砕処理を行った。このとき
使用したグラインダーは、♯46深溝タイプを使用し、
クリアランスを100μmに調整した。粒径100μm
に湿式粉砕処理された微粉末こんにゃく粉10gを計
り、1gの95重量%濃度エチルアルコール水溶液を
2.5倍に希釈して、微粉末こんにゃく粉に添加した。
これを987.5gの水に攪拌しながら添加して膨潤さ
せた。30分間攪拌後、20℃で放置し、1時間後と3
時間後の粘度を、BH型粘度計にて測定した。その他の
エチルアルコール濃度についても同様に粘度を測定し
た。結果を第3表に示す。
【0037】
【表3】
【0038】第3表の結果からは、使用するエチルアル
コールの濃度は5重量%以下に抑えないと、こんにゃく
の膨潤に影響を及ぼすことになることが分かる。また、
使用するエチルアルコールの濃度が0.1重量%未満で
あると、だまを抑える効果が薄れてしまうことが分か
る。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の本発明は、熱変成が抑え
られているため、こんにゃく粉の粘度、ゲル強度を熱変
成によって変成させることがない。従って、請求項1記
載の本発明によれば、焦げ等の着色を抑え、かつ粘度低
下,ゲル強度の低下を生じることなく、低廉なコスト
で、しかもこんにゃくを膨潤させることなく、こんにゃ
く粉を微粉砕することができる。また、請求項1記載の
本発明によれば、エチルアルコール水溶液を用いての湿
式研磨による白色化によって、こんにゃく粉の品質をラ
ンクアップさせることも可能である。次に、請求項2記
載の本発明によれば、湿式研磨機によって微粉砕された
こんにゃく粉のアルコール懸濁液から、変成の少ないこ
んにゃく微粉末を効率良く回収することができる。さら
に、請求項3記載の本発明によれば、膨潤時において
も、「だま」等を作らず、直ちに膨潤し得るこんにゃく
又はこんにゃく含有食品を製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 こんにゃく粉を湿式研磨機により微粉砕
    するにあたり、こんにゃく精粉を濃度35%重量以上の
    エチルアルコール水溶液に懸濁し、微粉砕することを特
    徴とするこんにゃく粉の微粉砕方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により微粉砕された
    こんにゃく粉のエチルアルコール懸濁液から、これを乾
    燥してこんにゃく微粉末を回収するにあたり、前記エチ
    ルアルコール懸濁液の上澄みを除去した残りの沈澱部
    に、アルコール濃度が少なくとも40重量%以上になる
    ようにエチルアルコール水溶液を添加して懸濁させた
    後、直ちに乾燥することを特徴とするこんにゃく微粉末
    の回収方法。
  3. 【請求項3】 こんにゃく微粉末を水に膨潤させたもの
    を用いて、こんにゃく又はこんにゃく含有食品を製造す
    るにあたり、こんにゃく微粉末をエチルアルコールを
    0.1〜5重量%の割合で含有する溶液中に浸漬させた
    後、水に膨潤させることを特徴とするこんにゃく又はこ
    んにゃく含有食品の製造方法。
JP7177948A 1995-06-22 1995-06-22 こんにゃく粉の微粉砕方法及び微粉末を用いたこんにゃく又はこんにゃく含有食品の製造方法 Pending JPH09176A (ja)

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