JPH09176105A - Tan−2451関連化合物、その製造法および用途 - Google Patents

Tan−2451関連化合物、その製造法および用途

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JPH09176105A
JPH09176105A JP34041895A JP34041895A JPH09176105A JP H09176105 A JPH09176105 A JP H09176105A JP 34041895 A JP34041895 A JP 34041895A JP 34041895 A JP34041895 A JP 34041895A JP H09176105 A JPH09176105 A JP H09176105A
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tan
acid
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acyl group
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JP34041895A
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English (en)
Inventor
Seiichi Tanida
清一 谷田
Kozo Hayashi
浩三 林
Takashi Horiguchi
隆司 堀口
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた免疫調節作用を有するTAN−2451
関連化合物、その製造法および免疫調節剤を提供する。 【解決手段】一般式 【化1】 〔式中、R1およびR3は同一または異なって置換されて
いてもよい水酸基を、R2は置換されていてもよいアミ
ノ基を、R4はオキソ基、置換されていてもよいヒドロ
キシイミノ基、または置換されていてもよい水酸基およ
び水素原子を、R5は炭素数3または4のアルキル基を
示す〕で表される化合物またはその塩は、低毒性あり、
優れた免疫調節作用を有し、本発明化合物を含んでなる
医薬は、ヒトの自己免疫疾患やアレルギー疾患など、免
疫機能の異常に起因する疾患や免疫機能の異常を伴う疾
患の治療剤または予防剤等として安全に用いることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免疫機能の異常に起
因する疾患、免疫機能の異常を伴う疾患、ならびに臓器
や骨髄の移植に伴って発生する移植片拒絶反応や移植片
対宿主病の治療剤または予防剤として有用なTAN−2
451関連化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アレルギー疾患や自己免疫疾患など、免
疫機能の異常に起因する疾患や免疫機能の異常を伴う疾
患では、しばしばT細胞亜集団のバランスに異常が認め
られ、これがこの種の疾患の発症や増悪に深く関わって
いることが明らかにされつつある〔アニュア・レビュー・
オブ・イムノロジー(Annual Review of Immunology)第
12巻227〜257頁(1994年);トレンズ・イ
ン・ファーマコロジカル・サイエンス(Trends in Phar
macological Science)第15巻、324〜332頁(1
994年);イムノロジー・トゥデイ(Immunology Toda
y)第16巻、34〜38頁(1995年)〕。しかし、
これらの疾患に対してT細胞亜集団のバランスの異常を
積極的に改善することによって効果を発揮する治療薬は
知られていない。また、抗菌作用を有するネオエナクチ
ンおよびその誘導体が、ザ・ジャーナル・オブ・アンテ
ィビオチクス(The Journal of Antibiotics)第32
巻、13〜17頁(1979年);同、第36巻、13
99〜1401頁(1983年);同、第39巻、71
7〜720頁(1986年);同、第40巻、266〜
273頁(1987年)、同、第43巻、1012〜1
017頁(1990年)に記載されているが、免疫調節
作用については一切記載されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、アレルギー疾患
や自己免疫疾患など、免疫機能の異常に起因する疾患や
免疫機能の異常を伴う疾患が増加し、これが医療分野で
大きな問題となっている。この種の疾患には、例えば慢
性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化
症、悪性貧血、突発性血小板減少性紫斑症、重症筋無力
症、強皮症、ぶどう膜炎、橋本病、シェグレン病、アジ
ゾン病、バセドー病、顆粒球減少症、気管支喘息、アレ
ルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、花粉症、接触性皮膚
炎、過敏性肺炎、ループス腎炎など広範囲の疾患が含ま
れる。最近では、これらの疾患へのT細胞亜集団の関与
が注目を集め、中でもヘルパーT細胞の1型あるいは2
型への著しい偏りがこの種の疾患の発症や増悪の主因を
なしていると考えられるに至っている。これらの疾患に
対してはステロイド剤、非ステロイド系抗炎症剤、抗ヒ
スタミン剤をはじめ様々な薬剤が治療に用いられている
が、満足すべき効果を得るには至っていない。また、臓
器移植に際しては、移植片の拒絶に1型のヘルパーT細
胞やキラーT細胞が中心的な役割を果たすことが知られ
ている。この分野では移植片の生着を助けるため、ある
いは移植骨髄細胞による移植片対宿主病を防ぐためにス
テロイド剤、細胞毒性剤、サイクロスポリン、タクロリ
ムスなどが用いられているが、これらの使用に伴う腎障
害や肝障害などの副作用が問題となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑みて、新たな観点から免疫調節作用を有する
化合物の研究を重ねた結果、植物根より新たに分離され
たある種の微生物が、適宜の培地に培養することによっ
て、1型あるいは2型ヘルパーT細胞のどちらか一方を
より強く活性化する抗原で感作したマウスの脾細胞の抗
原特異的増殖応答、並びに正常マウス脾細胞のT細胞マ
イトジェンで誘導される幼若化反応を共に抑制する化合
物を培地中に蓄積すること、該微生物が放線菌の一種で
あることを見いだした。そして、活性物質としてTAN
−2451を単離し、それらの物理化学的および生物学
的性質から、該化合物が新規の構造を有することを確か
め、これらの知見に基づいて更に研究を重ねた結果、本
発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、(1)一般式
【化3】 〔式中、R1およびR3は同一または異なって置換されて
いてもよい水酸基を、R2は置換されていてもよいアミ
ノ基を、R4はオキソ基、置換されていてもよいヒドロ
キシイミノ基、または置換されていてもよい水酸基およ
び水素原子を、R5は炭素数3または4のアルキル基を
示す〕で表される化合物またはその塩、(2)R1およ
びR3が水酸基である上記(1)記載の化合物、(3)
2がアミノ基である上記(1)記載の化合物、(4)
4がオキソ基である上記(1)記載の化合物、(5)
5がイソプロピルである上記(1)記載の化合物、
(6)R5がイソブチルである上記(1)記載の化合
物、(7)R5がsec-ブチルである上記(1)記載の化
合物、(8)式
【化4】 〔式中、R5’はイソプロピル、イソブチル、sec−ブチ
ル基を示す〕で表される化合物TAN−2451A、B
またはCである上記(1)記載の化合物、(9)上記
(8)記載の化合物TAN−2451A、BまたはCを
生産する能力を有する放線菌DB−179−10株を培
地に培養し、培養液中に該化合物を生成蓄積させ、これ
を採取することを特徴とするTAN−2451A、Bも
しくはC、またはそれらの塩の製造法、(10)上記
(8)記載の化合物TAN−2451A、BまたはCを
生産する能力を有する放線菌DB−179−10株、
(11)上記(1)記載の化合物を含有してなる医薬、
および(12)請求項1記載の化合物を含有してなる免
疫調節剤に関する。
【0006】上記R1、R3またはR4で示される置換さ
れていてもよい水酸基、R4で示される置換されていて
もよいヒドロキシイミノ基およびR2で示される置換さ
れていてもよいアミノ基における置換基としては、例え
ば、炭化水素基、アシル基等が挙げられる。炭化水素基
としては、好ましくは炭素数1から20の炭化水素基が
挙げられる。このような炭化水素基としては、例えばア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−ア
ルキル基等が挙げられる。アルキル基としては、好まし
くは炭素数1から10のアルキル基、例えばメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシルなどが挙げられ
る。このうち炭素数1から6のアルキル基、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル
などが更に好ましい。アルケニル基としては、好ましく
は炭素数2から10のアルケニル基、例えばビニル、ア
リル、1−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、
1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペ
ニル、3−メチル−2−ブテニル、2−ヘプテニル、2
−オクテニル、2−デセニルなどが挙げられる。このう
ち炭素数2から5のアルケニル基、例えばビニル、アリ
ル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プ
ロペニル、3−メチル−2−ブテニルなどが更に好まし
い。
【0007】アルキニル基としては、好ましくは炭素数
2から10のアルキニル基、例えばエチニル、1−プロ
ピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニ
ル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、1−
ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘプチニル、2−オ
クチニル、2−デシニルなどが挙げられる。このうち炭
素数2から4のアルキニル基、例えばエチニル、1−プ
ロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニ
ル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニルなどが
更に好ましい。アリール基としては、好ましくは炭素数
6から14のアリール基、例えばフェニル、トリル、o
−キシリル、m−キシリル、p−キシリル、ビフェニリ
ル、アンスラセニル、1−または2−ナフチル、1−、
2−、4−、5−または6−アズレニル等が挙げられ
る。このうちフェニル、トリルなどが更に好ましい。ア
ラルキル基としては、好ましくは炭素数7から20のア
ラルキル基、例えばベンジル、フェネチル、3−フェニ
ルプロピル、ベンズヒドリル、トリチル、トリフェニル
エチル、(1−ナフチル)メチル、(2−ナフチル)メ
チルなどのC6-14アリール−C1-6アルキル基などが挙
げられる。このうちベンジル、フェネチル、ベンズヒド
リルなどが更に好ましい。 シクロアルキル基として
は、好ましくは炭素数3から7のシクロアルキル基、例
えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。シ
クロアルキル−アルキル基としては、好ましくは上記し
たシクロアルキル基で置換された炭素数1から4のアル
キル基、例えばシクロプロピルメチル、シクロペンチル
メチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルブチル
などのC3-7シクロアルキル−C1-4アルキル基などが挙
げられる。
【0008】このような炭化水素基は置換可能な位置に
適当な置換基を有していてもよい。このような置換基と
しては、例えば(1)モノ−またはジ−C1-4アルキル
基で置換されていてもよいアミノ基(例、アミノ、メチ
ルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピ
ルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ等)、(2)炭素数1から6のアルカノイルアミノ
基(例、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニ
ルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、バレ
リルアミノ、イソバレリルアミノ、ピバロイルアミノ、
ヘキサノイルアミノ等)、(3)炭素数7から11のア
ロイルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ、p-トルオイル
アミノ、1-ナフトイルアミノ、2-ナフトイルアミノ
等)、(4)炭素数2から7のアルコキシカルボニルア
ミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカル
ボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、イソプロ
ポキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルア
ミノ等)、(5)炭素数8から12のアラルキルオキシ
カルボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカルボニルア
ミノ、フェネチルオキシカルボニルアミノ等)、(6)
水酸基、(7)炭素数1から4のアルコキシ基(例、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブト
キシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ
等)、(8)カルボキシル基、(9)炭素数2から5の
アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカ
ルボニル、tert-ブトキシカルボニル等)、(10)炭
素数2から7のアシルオキシ基(例、アセトキシ、プロ
ピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキ
シ、ベンゾイルオキシ等)等が挙げられる。置換基の数
は好ましくは1から5個である。上記炭化水素基のなか
でもアルキル基(好ましくは、C1-10アルキル基)など
が好ましい。
【0009】アシル基としては、好ましくは炭素数1な
いし20のアシル基が用いられる。このようなアシル基
としては、例えば、有機カルボン酸、有機スルホン等の
有機酸から誘導されるアシル基が用いられる。有機カル
ボン酸から誘導されるアシル基としては、例えば脂肪族
カルボン酸から誘導される脂肪族アシル基、環状カルボ
ン酸から誘導される環状アシル基、芳香族カルボン酸か
ら誘導される芳香族アシル基およびアミノ酸から誘導さ
れるアシル基等が挙げられる。脂肪族アシル基として
は、好ましくは炭素数1から10の脂肪族アシル基、例
えばC1-10の飽和脂肪族アシル基(例、ホルミル、アセ
チル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オク
タノイル、ノナノイル、デカノイル等)、C3-10の不飽
和脂肪族アシル基(例、プロペノイル、2−ブテノイ
ル、3−メチル−2−ブテノイル、ヘキセノイル、ヘキ
セジエノイル、オクテノイル、オクタジエノイル、ノネ
ノイル、デセノイル等)などが挙げられる。
【0010】環状アシル基としては、好ましくはシクロ
プロパンカルボニル、シクロブタンカルボニル、シクロ
ペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シク
ロヘプタンカルボニル、シクロオクタンカルボニル等の
3-8シクロアルキル−カルボニルが挙げられる。芳香
族カルボン酸由来のアシル基としては、好ましくは炭素
数7から11のアリールカルボン酸由来のアシル基、例
えばベンゾイル、1-ナフタレンカルボニル、2-ナフタ
レンカルボニル、ビフェニリルカルボニルなどが挙げら
れる。有機スルホン酸由来のアシル基としては、好まし
くはメタンスルホニル、エタンスルホニル、プロパンス
ルホニル、ブタンスルホニル、ヘキサンスルホニル、オ
クタンスルホニル等のC1-8アルキル−スルホン酸から
誘導されるアシル基、シクロプロパンスルホニル、シク
ロブタンスルホニル、シクロヘキサンスルホニル、シク
ロオクタンスルホニルなどのC3-8シクロアルキル−ス
ルホン酸から誘導されるアシル基、ベンゼンスルホニ
ル、トルエンスルホニルなどのC6-14芳香族炭化水素ス
ルホン酸から誘導されるアシル基等が挙げられる。
【0011】アミノ酸由来のアシル基としては、例えば
蛋白質を構成するアミノ酸から誘導されるアシル基
〔例、グリシル、L-またはD-アラニル、L-またはD-
バリル、L-またはD-ロイシル、L-およびD-イソロイ
シルなど脂肪族モノアミノモノカルボン酸から誘導され
るアシル基、L-またはD-セリル、L-またはD-スレオ
ニルなど脂肪族オキシアミノ酸から誘導されるアシル
基、L-またはD-アスパラギル、L-またはD-グルタミ
ルなど酸性のアミノ酸から誘導されるアシル基、L-ま
たはD-アスパラギニル、L-またはD-グルタミニルな
ど酸性のアミノ酸アミドから誘導されるアシル基、L-
またはD-フェニルアラニル、L-またはD-チロシル、
L-またはD-トリプトファニルなど芳香族アミノ酸から
誘導されるアシル基、L-またはD-プロリル、L-また
はD-ヒドロキシプロリルなどイミノカルボン酸から誘
導されるアシル基、L-またはD-アルギニル、L-また
はD-リシル、L-またはD-ヒスチジルなどの塩基性の
アミノ酸から誘導されるアシル基、L-またはD-メチオ
ニル、L-またはD-シスチル、L-またはD-システイニ
ルなど含硫アミノ酸から誘導されるアシル基等〕、微生
物代謝産物あるいは動植物成分として天然界から得られ
るアミノ酸から誘導されるアシル基〔例、L−α−アミ
ノブチリル、γ−アミノブチリル、β−アミノイソブチ
リル、β−アラニル、ホモセリル、α−メチル−D−セ
リル、O−カルバミル−D−セリル、δ−ハイドロキシ
−γ−オキソ−ノルバリルなど脂肪族モノアミノモノカ
ルボン酸から誘導されるアシル基、L−α−アミノアジ
ピニル、L−β−アミノアジピニル、L−テアニル、L
−γ−メチレングルタミル、L−γ−メチルグルタミル
などのモノアミノジカルボン酸から誘導されるアシル
基、L−オルニチル、β−リシル、α,β−ジアミノプ
ロピオニル、L−α,γ−ジアミノブチリルなどのジア
ミノモノカルボン酸から誘導されるアシル基、ジアミノ
ピメリルなどのジアミノジカルボン酸から誘導されるア
シル基、システイニルなどの含スルホン酸モノアミノモ
ノカルボン酸から誘導されるアシル基、タウリルなどの
含スルホン酸アミノ酸から誘導されるアシル基、キヌレ
ニル、3,4−ジオキシフェニル−L−アラニルなどの
芳香族アミノ酸から誘導されるアシル基、2,3−ジカ
ルボキシアジリジル、〔S〕−2−アミノ−3−(イソ
キサゾリン−5−オン−4−イル)−プロピオニル、ア
ンチカプシルなどの複素環アミノ酸から誘導されるアシ
ル基、L−4−オキサリシル、L−4−オキソリシル、
〔3R,5R〕−3,6−ジアミノ−5−ハイドロキシヘ
キサニルなどの塩基性のアミノ酸から誘導されるアシル
基、ランチオニル、S−メチル−L−システイニルなど
の含硫アミノ酸から誘導されるアシル基、ピペコリニ
ル、アゼチジン−2−カルボニル、〔1R,2S〕−2
−アミノシクロペンタン−1−カルボニルなどの環状ア
ミノ酸から誘導されるアシル基、シトルリニル、アラノ
シル、L−アザセリルなどの特殊官能基置換アミノ酸か
ら誘導されるアシル基等〕などが挙げられる。該アミノ
酸から誘導されるアシル基としては、例えば有機合成法
によって得られるアミノ酸から誘導されるアシル基
〔例、6−アミノヘキサノイル、8−アミノオクタノイ
ル、12−アミノドデカノイル、4−アミノベンゾイ
ル、4−(アミノメチル)ベンゾイル、4−(N−(カ
ルボキシメチル)アミノメチル)ベンゾイル等)なども
挙げられる。このようなアシル基は置換可能な位置に、
前記した炭化水素基における置換基と同様な置換基を1
から5個有していてもよい。上記のアシル基の中でも、
アミノ酸由来のアシル基などが好ましい。
【0012】一般式〔I〕において、R1としては水酸
基などが好ましい。一般式〔I〕において、R2として
はアミノ基などが好ましい。一般式〔I〕において、R
3としては水酸基などが好ましい。一般式〔I〕におい
て、R4としてはオキソ基などが好ましい。一般式
〔I〕において、R5で示される炭素数3または4のア
ルキル基としては、例えば、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル基など
が用いられる。なかでも、イソプロピル、イソブチル、
sec-ブチル基などが好ましく、イソプロピル基などが特
に好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の製造法に使用されるTA
N−2451を生産する微生物としては、例えば、沖縄
県西表島に生息する植物根より新たに分離された放線菌
DB−179−10株等が挙げられる。本菌株をインタ
ーナショナル・ジャーナル・オブ・システマティック・
バクテリオロジー(International Journal of Systema
tic Bacteriology)、第16巻、313〜340頁(1
966年)記載の方法に準じて検討した分類学的性状は
下記のとおりである。なお、各種培地上の所見は特に記
載のない限り、28℃で14日間培養し、常法に従って
観察したものである。
【0014】(1)形態学的特徴 限られた培地上でよく伸長分枝した基生菌糸に気菌糸を
着生し、調べた限りで気菌糸上に胞子の着成は認められ
なかった。
【0015】(2)各種培地上での生育状態 各種培地上での生育の程度(G)、気菌糸の生育および
色調(AM)、裏面の色調(R)、可溶性色素の有無お
よび色調(SP)などについて以下に列記する。色の記
載について( )で示す標準色調記号は、コンティナー
・コーポレーション・オブ・アメリカ(Container Corp
oration of America)のザ・カラー・ハーモニー・マニ
ュアル(The Color Harmony Manual)第4版、1958
年によった。
【0016】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (a) シュークロース・ G :良好、灰黄褐色(3le)〜暗黄褐色(3pi) 硝酸塩寒天培地 AM:なし R :灰黄褐色(3ic)〜暗黄褐色(3ng) SP:なし ─────────────────────────────────── (b) グルコース・ G :中程度、象牙色(2ea)〜暗黄褐色(3ng) アスパラギン寒天培地 AM:なし R :象牙色(2ea)〜暗黄褐色(3ng) SP:なし ─────────────────────────────────── (c) グリセリン・ G :中程度、象牙色(2ea)〜暗黄褐色(3ng) アスパラギン寒天培地 AM:なし R :淡黄褐色(2ga)〜暗黄褐色(3ng) SP:なし ─────────────────────────────────── (d) スターチ・無機塩 G :良好、象牙色(2ea)〜淡褐色(2ic) 寒天培地 AM:なし R :象牙色(2ea)〜黄褐色(2le) SP:なし ─────────────────────────────────── (e) チロシン寒天培地 G :良好、黄灰色(2le) AM:貧弱、灰黄色(3ec)〜灰褐色(3ie) R :淡黄褐色(2ga)〜暗黄褐色(3ng) SP:なし ─────────────────────────────────── (f) 栄養寒天培地 G :中程度、淡象牙色(2ca)〜淡黄褐色(2ia) AM:なし R :淡象牙色(2ca)〜淡黄褐色(2la) SP:なし ─────────────────────────────────── (g) 酵母エキス・ G :良好、淡黄褐色(2ga)〜黄褐(2nc) 麦芽エキス寒天培地 AM:なし R :淡黄褐色(2ia)〜黄褐色(2nc) SP:なし ─────────────────────────────────── (h) オートミール G :中程度、象牙色(2ea)〜黄褐(2ne) 寒天培地 AM:なし R :象牙色(2ea)〜黄褐色(2nc) SP:なし ─────────────────────────────────── (i) ペプトン・酵母エキス・ G :良好、淡黄褐色(2ga) 鉄寒天培地 AM:なし R :淡黄褐色(2ia) SP:なし ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0017】(3)生理的性質 (a)生育温度範囲 : 16〜47
℃ 最適生育温度範囲 : 26〜36℃ (b)硝酸塩の還元 : 陰性 (c)ゼラチンの液化 : 陰性 (グルコース・ペプトン・ゼラチン培地) (d)澱粉の加水分解 : 陽性 (e)脱脂乳の凝固 : 陽性 脱脂乳のペプトン化 : 陽性 (f)メラニン様色素の生成 チロシン寒天培地 : 陰性 ペプトン・酵母エキス・ 鉄・寒天培地 : 陰性 (g)炭素源の資化性(プリードハム・ゴットリープ寒
天培地) L−アラビノース : ++ D−キシロース : ++ D−グルコース : ++ D−フラクトース : ++ シュークロース : + イノシトール : ++ L−ラムノース : ++ ラフィノース : − D−マンニトール : ++ 対 照 : − (注)++:比較的良好な生育 + :生育を認める − :生育せず
【0018】(4)化学分類学的性質 可溶性澱粉0.4%、麦芽エキス1%、酵母エキス0.4
%(pH7.3)からなる培地を用いて28℃、5日間
培養した後、全菌体、乾燥菌体および「放線菌の同定実
験法」〔日本放線菌学会編(1988年)〕記載の方法
に準じて調製した細胞壁画分を用いて以下の分析を行っ
た。 a)細胞壁アミノ酸の分析 細胞壁画分を6N塩酸を用いて105℃、18時間加水
分解して得られた分解物を、高速液体クロマトグラフィ
ー(カラム:Wakopak WS-PTC)で分析した。その結果、
グリシン、アラニン、アスパラギン、バリンが認められ
た。次に、ジアミノピメリン酸の光学異性体は、二村ら
の方法に従って高速液体クロマトグラフィー(カラム:
CAPCELL PAC C18)で分析した。その結果、細胞壁ジア
ミノピメリン酸はメソ(meso)体であった。以上より、
本菌の細胞壁タイプはII型と判断された。 b)還元糖の分析 全菌体を2N塩酸で105℃、3時間加水分解し、得ら
れた分解物を高速液体クロマトグラフィーで分析した。
その結果、ラムノース、マンノース、グルコースが検出
されたが、アラビノース、ガラクトース、マジュロース
が検出されなかったことから、糖タイプはC型と判定さ
れた。 c)メナキノンの分析 乾燥菌体をクロロホルム・メタノール混液(2:1、v
/v)を用いて室温で18時間撹拌抽出し、この抽出液
を濃縮してシリカゲル薄層クロマトグラフィー〔展開溶
媒;ヘキサン・ジエチルエーテル(9:1)〕に付し、
メナキノン区分をアセトンで溶出した。溶出液を濃縮
後、常法に従って高速液体クロマトグラフィー(カラ
ム:YMC Pack ODS-A)で分析した結果、メナキノンとし
てMK−9(H2)、MK−9(H4)、MK−9(H
6)が確認され、MK−9(H4)が主体であった。 d)リン脂質の分析 乾燥菌体をクロロホルム・メタノール混液(2:1、v
/v)を用いて28℃、18時間撹拌抽出し、この抽出
液を濃縮してシリカゲル・カラムクロマトグラフィーに
付し、メタノールで溶出した。溶出液を濃縮後、2次元
シリカゲル薄層クロマトグラフィー〔展開溶媒 1次
元;クロロホルム・メタノール・水(65:25:
4)、2次元;クロロホルム・酢酸・メタノール・水
(40:7.5:6:2)〕に付し、各種発色試薬を用
いて分析した。その結果、ホスファチジルグリセロー
ル、ホスファチジルエタノールアミンが検出され、リン
脂質タイプはPII型と判明した。 e)脂肪酸の分析 乾燥菌体を5%塩酸−メタノールで100℃、3時間メ
タノリシスし、これをヘキサンで抽出した後、濃縮し、
この濃縮物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー〔展開
溶媒;ヘキサン・ジエチルエーテル(1:1)〕で展開
した後、脂肪酸画分を鈴木と駒形の方法に準じてガスク
ロマトグラフィー(島津GC-14A;キャピラリーカラム、
BPX-70)で分析した。その結果、iso-C15:0, iso-C16:
0, iso-C17:0, anteiso-C15:0, anteiso-C16:0, anteis
o-C17:0, C16:0、および微量のiso-C14:0, C14:0, C15:
0, C17:0, C17:1 型脂肪酸が検出された。この結果から
脂肪酸タイプは2d型と判断された。
【0019】以上の形態学的および化学分類学的特徴を
基にバージェーズ・マニュアル・オブ・システマティッ
ク・バクテリオロジー(Bergey's Manual of Systemati
c Bacteriology)第4版(1989年)で検索すると、
本菌が希少放線菌群に属することは明らかであるが、該
当する属名が見いだせなかったため、本菌を放線菌DB
−179−10株と称することにした。放線菌DB−1
79−10株は、平成7年12月5日財団法人・発酵研
究所(IFO)に受託番号IFO 15907として寄
託され、また、平成7年12月22日にブダペスト条約
の下、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所
(NIBH)に受託番号FERM BP−5351とし
て寄託されている。放線菌DB−179−10株は、他
の放線菌の場合と同様に、たとえば紫外線、放射線など
の照射、単細胞分離、種々の変異処理、その他の手段で
変異させることができ、このような変異株あるいは自然
に得られる突然変異株であっても、上記した分類学的性
状との比較において実質的に別種とするに足らず、しか
も当該化合物を生産する性質を有するものは、すべて本
発明方法に利用し得る。
【0020】放線菌DB−179−10株の培養に用い
られる培地は、該菌が利用し得る栄養源を含むものな
ら、液状のものでも固状のものでもよいが、大量に処理
するときは液体培地を用いるのがより適当である。培地
には、当該生産菌が同化し得る炭素源、窒素源、無機物
質、微量栄養源が適宜配合される。炭素源としては、た
とえばグルコース、ラクトース、シュークロース、マル
トース、デキストリン、スターチ、グリセリン、マンニ
トール、ソルビトール、油脂類(例、大豆油、ラード
油、チキン油など)、n−パラフィンその他が、窒素源
としては、たとえば肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、
大豆粉、コーン・スティープ・リカー、ペプトン、綿実
粉、廃糖蜜、尿素、アンモニウム塩類(例、硫酸アンモ
ニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸ア
ンモニウムなど)その他が用いられる。更に、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガ
ン、亜鉛、コバルト、ニッケルなどの塩類、リン酸、ホ
ウ酸などの塩類や酢酸、プロピオン酸などの有機酸の塩
類が適宜用いられる。その他、アミノ酸類(例、グルタ
ミン酸、アスパラギン酸、アラニン、リジン、メチオニ
ン、プロリンなど)、ペプチド類(例、ジペプチド、ト
リペプチドなど)、ビタミン類(例、B1、B2、ニコチ
ン酸、B12,Cなど)、核酸類(例、プリン、ピリミジ
ン、その誘導体など)等を含有させてもよい。もちろ
ん、培地のpHを調節する目的で無機または有機の酸ま
たはアルカリ類、緩衝剤などを加え、あるいは消泡の目
的で油脂類、界面活性剤等の適量を添加して差し支えな
い。液体培養に際しては、培地のpHは中性付近、特に
約pH5.5〜8が好ましい。培養温度は約24℃〜3
0℃、培養時間は約48時間〜168時間が好ましい。
【0021】培養の経過に伴って生産されるTAN−2
451類の定量は、後述する逆相系HPLC〔担体:O
DS、YMC-Pack A−312、ワイエムシイ(YMC)
社製、日本、移動相:60%(v/v)アセトニトリル
/0.02Mリン酸緩衝液(pH3.0)〕により分析し
た。通常、約4〜6日の培養でTAN−2451類の生
産量は最高に達する。培養物から目的とするTAN−2
451類を採取する方法を以下に述べる。これらは脂溶
性物質で塩基性を示すため、この性質を利用する一般的
手段を採用すればよい。またこれら各成分は菌体および
濾液中に含まれるため次のような精製法が採用される。
まず培養液を約pH5ないし14好ましくは約pH7な
いし12に調整後、水と混和しない有機溶媒たとえばク
ロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトンある
いはブタノ−ルなどを加え、約10分ないし10時間、
好ましくは約30分ないし2時間撹拌混和し、ろ過助剤
を加えてろ過、あるいは遠心分離によって菌体を除去す
る。得られた有機溶媒層を、水および/または適当な無
機塩類例えば食塩、重曹、塩化アンモニウムなどの水溶
液により適宜洗浄後、濃縮してTAN−2451類を含
有する粗物質が得られる。粗物質をさらに精製し、純粋
なTAN−2451A、BまたはCを得るには種々のク
ロマトグラフィ−法が有利に用いられる。担体としては
シリカゲル、結晶セルロ−ス、吸着性樹脂たとえばダイ
ヤイオン HP-20 (三菱化成社製)、アンバーライト XAD
-I または II (ローム・アンド・ハース社製、米国)、セ
ファデックス LH-20(ファルマシア社製、スウエ−デ
ン)などが用いられ、これらは通常カラムクロマトグラ
フィ−法で行なわれる。担体から活性物質を溶出するに
は担体の種類によって異なるが、適当な有機溶媒たとえ
ばジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトン、
2-プロパノール、メタノールなどの単独あるいは混合溶
媒が、または、水と混和し得る有機溶媒たとえばアセト
ン、アセトニトリル、メタノールなどと水溶液たとえば
水、希アルカリ水、希酸水、緩衝液などとの混合溶媒が
用いられる。
【0022】さらに、化合物を精製する場合に、分取用
高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)法も有利に用
いられる。担体としてはオクタデシルシラン(ODS)
系およびシリカゲル系のものが有利に用いられる。例え
ばODSの場合、メタノールあるいはアセトニトリルと
水或は塩類含有水溶液の混合溶液が有利に用いられる。
また本物質は塩基性を示すため塩として得ることができ
る。塩としては生理学的に許容される塩が挙げられ、例
えば酸付加塩(例、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無
機酸との塩、および酢酸、シュウ酸、コハク酸、トリフ
ルオロ酢酸などの有機酸との塩など)がある。後述する
実施例2で得られたTAN−2451A,BおよびCは
物理化学データおよびNMRスペクトルの詳細な検討に
より、下記の構造を有するものと決定した。
【0023】
【化5】
【0024】以下に、TAN−2451A、Bもしくは
Cまたはそれらの塩から誘導される化合物〔I〕の製造
法を示す。例えば、化合物〔I〕においてR1およびR3
が炭化水素基で置換された水酸基、R2が炭化水素基で
置換されたアミノ基である化合物は、TAN−2451
A、BもしくはC、またはそれらの塩を塩基存在下、脱
離基を有する化合物と反応させることにより製造され
る。塩基としては、例えば、水素化アルカリ金属(例、
水素化ナトリウム、水素化カリウムなど)、水素化アル
カリ土類金属類(例、水素化カルシウムなど)、アルカ
リ金属類のアルコキシド類(例、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert−ブト
キシドなど)、アルカリ金属炭酸塩(例、炭酸水素ナト
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリ
ウムなど)、アルカリ金属水酸化物(例、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなど)、アルカリ土類金属水酸化
物(例、水酸化カルシウムなど)、有機塩基(例、ピリ
ジン、2,4,6−トリメチルピリジン、ピコリン、4-
ジメチルアミノピリジン、2,6-ルチジン、ジアザビシク
ロウンデセンなどの芳香族塩基類、トリエチルアミン、
ジイソブチルエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3
級アミン類)、アルカリ金属類(例、ナトリウム、ブチ
ルリチウム類など)およびアルカリ金属アミド類(例、
リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビストリメチ
ルシリルアミド、ナチリウムビストリメチルシリルアミ
ドなど)などが挙げられる。これらのうち液体のものは
溶媒としても用いられる。
【0025】脱離基を有する化合物としてはハロゲン化
物(例、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピ
ル、ヨウ化イソプロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化イソブ
チル、ヨウ化ペンチル、ヨード酢酸、ヨードアセトアミ
ド、ヨードアセトニトリル、ヨード酢酸メチル、ヨード
酢酸 tert-ブチル、臭化アリル、臭化ベンジル、臭化 t
ert-ブチル、臭化トリフェニルメチル、塩化メトキシメ
チル、塩化メトキシエトキシメチル、塩化メチルチオメ
チル、塩化テトラヒドロピラニルなど)、スルホン酸エ
ステル類(例、p-トルエンスルホン酸メチル、p-トル
エンスルホン酸エチルなどのp-トルエンスルホン酸エ
ステル類、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸
ブチルなどのメタンスルホン酸エステル類、ベンゼンス
ルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸ブチルなどのベン
ゼンスルホン酸エステル類、トリフルオロメタンスルホ
ン酸エチルなどのトリフルオロメタンスルホン酸エステ
ル類など)、硫酸エステル類(例、ジメチル硫酸、ジエ
チル硫酸など)およびエポキシド類(例、酸化プロピレ
ン、グリシドールなど)等が挙げられる。これらのうち
ハロゲン化物、スルホン酸エステル類は対応するアルコ
ール類から公知の方法により得ることができる。
【0026】溶媒としては、アミド類(例、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、エーテル類
(例、テトラヒドロフラン,ジエチルエ−テル,ジオキ
サン、ジメトキシエタンなど)、スルホキシド類(例、
ジメチルスルホキシドなど)、アルコ−ル類(例、メタ
ノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノー
ル、tert-ブタノールなど)、ニトリル類(例、アセト
ニトリルなど)、ケトン類(例、アセトン、メチルイソ
ブチルケトンなど)、エステル類(例、ギ酸エチル、酢
酸エチル、酢酸 tert-ブチルなど)、芳香族炭化水素類
(例、ベンゼン,トルエンなど)、脂肪族炭化水素
(例、ヘキサンなど)およびアミン類(例、液体アンモ
ニア、メチルアミンなど)など、あるいはこれらの混合
溶媒が挙げられる。これらのうちアミド類(例、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、エーテル
類(例、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ
エタン等)が好ましい。これらは無水溶媒であることが
特に好ましい。本方法においては、TAN2451−
A、BもしくはCまたはそれらの塩に対し塩基を通常約
1から50当量、好ましくは約1から5当量用いる。脱
離基を有する化合物は通常約1から10当量、好ましく
は約1から5当量を用いる。反応温度は反応が進行する
限り特に限定されないが、通常−70℃から150℃、
好ましくは約0℃から80℃、反応時間は、用いられる
溶媒、塩基、脱離基を有する化合物の種類、反応温度に
より異なるが、通常約2分間から5日間、好ましくは約
10分間から2日間である。
【0027】化合物〔I〕においてR1およびR3がアシ
ル基で置換された水酸基、R2がアシル基で置換された
アミノ基である化合物は、TAN−2451A、Bもし
くはC、またはそれらの塩を、塩基存在下、アシル化反
応に付すことにより製造される。アシル化反応は、自体
公知の方法により行われる。アシル化反応は、例えばア
シル化剤を用いて行われる。アシル化剤としては、例え
ば有機酸(例、有機カルボン酸、有機スルホン酸等)ま
たはその反応性誘導体等が用いられる。有機カルボン酸
を用いる場合、適当な縮合剤と反応させることによりア
シル化することができる。縮合剤としてはジシクロヘキ
シルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド塩酸塩などのジイミド類、または上記縮合剤とペン
タクロロフェノール、2,4,5-トリクロロフェノール、2,
4-ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、p−
ニトロフェノール、N−ハイドロキシ-5-ノルボルネン
−2,3-ジカルボキシイミド、N−ハイドロキシコハク酸
イミド、N−ハイドロキシフタルイミド、1−ハイドロ
キシベンゾトリアゾールなどとの混合物などが用いられ
る。またはアゾジカルボン酸エステル類(例、アゾジカ
ルボン酸ジエチルなど)とトリアルキルホスフィン
(例、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン
など)の混合物を用いてもよい。
【0028】有機酸の反応性誘導体を用いる場合、これ
らの反応性誘導体としては、酸無水物(例、無水酢酸、
無水プロピオン酸、無水メタンスルホン酸などの対称型
酸無水物、または無水ギ酸酢酸、無水ギ酸プロピオン
酸、無水ギ酸安息香酸、無水酢酸トリクロロ酢酸などの
混合酸無水物等)、酸ハロゲン化物(例、アセチルクロ
リド、プロピオニルクロリド、ブチリルクロリド、イソ
ブチリルクロリド、バレリルクロリド、イソバレリルク
ロリド、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニ
ルクロリド、トルエンスルホニルクロリド等の酸クロリ
ド類、アセチルブロミド等の酸ブロミド類等)、酸活性
エステル類(例、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリ
クロロフェノール、2,4-ジニトロフェノール、シアノメ
チルアルコール、p−ニトロフェノール、N−ハイドロ
キシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド、N−ハ
イドロキシコハク酸イミド、N−ハイドロキシフタルイ
ミド、N−ハイドロキシベンゾトリアゾール等とのエス
テル類)、酸活性アミド類(例、ピラゾール、ジメチル
ピラゾール、イミダゾール、4-置換イミダゾール、ベン
ゾトリアゾール等とのアミド類)、酸活性チオエステル
類(例、2-ピリジルチオール、2-ベンゾチアゾリルチオ
ール等の複素環チオールなどとのチオエステル類)等が
挙げられる。
【0029】本反応は、通常反応を阻害しない溶媒中、
塩基の存在下有利に行われる。反応に影響を与えない溶
媒としては、例えば前記したと同様な溶媒、ハロゲン化
炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-
ジクロロエタン等)および水等が用いられる。これらの
うちジクロロメタンが好ましい。塩基としては、例えば
前記したと同様な塩基が用いられる。塩基の使用量は、
用いられる有機酸、有機酸の反応性誘導体および縮合剤
の種類、その他の反応条件によって異なるが、原料化合
物1当量に対し約1当量から50当量、好ましくは約1
から5当量用いられる。本反応においては、有機酸また
はその反応性誘導体などのアシル化剤および縮合剤など
は、通常原料化合物1モルに対して約1〜50モル、好
ましくは約1〜10モル程度が用いられる。反応温度は
反応が進行する限り特に限定されないが、約−70℃か
ら約150℃、好ましくは約0℃から80℃で行われ
る。反応時間は用いられる溶媒、塩基、有機酸またはそ
の反応性誘導体などのアシル化剤および縮合剤の種類、
反応時間により異なるが、通常約2分間から5日間、好
ましくは約10分間から2日間である。
【0030】化合物〔I〕においてR4が水酸基および
水素原子がである化合物は、TAN−2451A、Bも
しくはC、またはそれらの塩を原料とし、それぞれ水素
化金属(例、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウム
ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等)またはシ
アノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤と反応させる
ことによって得られる。還元剤は通常原料化合物1当量
に対し約0.2から10当量、好ましくは約1から5当
量程度が用いられる。本反応は、通常反応を阻害しない
溶媒中で行われる。反応に影響を与えない溶媒として
は、例えば前記したと同様な溶媒が用いられる。反応温
度は反応が進行する限り特に限定されないが、約4℃か
ら80℃、好ましくは約10℃から40℃で行われる。
反応時間は用いられる溶媒、還元剤の種類、反応温度に
より異なるが、通常約30秒から5時間、好ましくは約
5分から1時間である。
【0031】化合物〔I〕においてR4がヒドロキシイ
ミノ基である化合物またはその塩は、R4がオキソ基で
ある化合物またはその塩と、ヒドロキシアミンまたはそ
の塩を反応させることにより製造することができる。該
反応は、反応に悪影響を与えない溶媒中で行われる。該
溶媒としては、例えばアミド類(例、ホルムアミド、N,
N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メ
チルピロリドン等)、スルホキシド類(例、ジメチルス
ルホキシド等)、芳香族塩基類(例、ピリジン等)、ハ
ロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム,ジクロロメタ
ン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセト
ニトリル等)、エステル類(例、酢酸エチル,ギ酸エチ
ル等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール
等)、水など、あるいはこれらの適宜の割合の混合物な
どが挙げられる。本反応において塩基の存在下実施され
る場合があり,用いられる塩基としては,例えば3級ア
ミン(例、トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ
プロピルアミン,N-メチルピペリジン,N-メチルピロリ
ジン,シクロヘキシルジメチルアミン,N-メチルモルホ
リン等)、2級アミン(例、ジ-n-ブチルアミン,ジイ
ソブチルアミン,ジシクロヘキシルアミン等)、芳香族
塩基(例、ピリジン,ルチジン,コリジン等)、アルカ
リ金属の水酸化物(例、水酸化ナトリウム,水酸化カリ
ウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウ
ム,炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ
土類金属の水酸化物(例、水酸化カルシウム等)などが
用いられる。反応温度は、反応が進行する限り特に限定
されないが,通常約−50℃ないし150℃,好ましく
は約−30℃ないし80℃で行われる。反応時間は、用
いられる原料,反応温度,溶媒の種類により異なるが,
通常数十分から数十時間反応させる。
【0032】化合物〔I〕においてR4がアシル基で置
換されたヒドロキシイミノ基である化合物またはその塩
は、例えば、化合物〔I〕おいてR4がヒドロキシイミ
ノ基である化合物またはその塩を、前述と同様なアシル
化反応に付すことにより製造することができる。本発明
の化合物は、骨格中に不斉炭素を持つため異性体が存在
し得るが、それらの各異性体、およびそれらの混合物も
本発明に含まれる。またその置換基に不斉炭素を有する
場合も同様に立体異性体を生ずるが、それらの各異性
体、およびそれらの混合物も本発明に含まれる。
【0033】本発明化合物〔I〕またはその塩は、免疫
調節作用を有し、低毒性であり、これらを含んでなる本
発明の免疫調節剤は、慢性関節リウマチ、全身性エリテ
マトーデス、多発性硬化症、悪性貧血、突発性血小板減
少性紫斑症、重症筋無力症、強皮症、ぶどう膜炎、橋本
病、シェグレン病、アジゾン病、バセドー病、顆粒球減
少症、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚
炎、花粉症、接触性皮膚炎、過敏性肺炎、ループス腎炎
等のヒトまたは哺乳動物(例、マウス、ラット、モルモ
ット、サル、チンパンジー、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツ
ジ、ネコ、イヌ、ウサギ等)の免疫機能の異常に起因す
る疾患や免疫機能の異常を伴う疾患等の治療剤または予
防剤として安全に用いることができる。また、化合物
〔I〕またはその塩を含んでなる免疫調節剤は、ヒトに
おける臓器移植時に移植片の生着を助けるための、ある
いは移植骨髄細胞による移植片対宿主病を防ぐための薬
剤として有用である。
【0034】本発明の免疫調節剤は、化合物〔I〕また
はその塩と薬理学的に許容され得る担体もしくは賦形剤
とを混合することにより製造される。本発明の免疫調節
剤は、医薬に適切な剤型の非経口剤または経口剤とされ
る。非経口剤として、例えば注射剤、点滴剤、外用剤
(例、経鼻投与製剤、経皮製剤など)、坐剤(例、直腸
坐剤、膣坐剤など)などが、経口剤として、例えばカプ
セル剤、錠剤、シロップ剤、散剤および顆粒剤等が挙げ
られる。これらの製剤は、製剤工程において通常一般に
用いられる自体公知の方法により製造することができ
る。例えば、化合物〔I〕またはその塩は、分散剤
〔例、ツィーン (Tween) 80 (アトラスパウダー社製、
米国)、HCO 60(日光ケミカルズ製)、ポリエチレング
リコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナ
トリウムなど〕、保存剤(例、メチルパラベン、ベンジ
ルアルコール、クロロブタノールなど)、等張化剤
(例、塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビトール、ブ
ドウ糖など)などと共に水性注射剤に、あるいはオリー
ブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、綿実油、コーン油などの
植物油、プロピレングリコールなどに溶解、懸濁あるい
は乳化して油性注射剤に成形し、注射剤とすることがで
きる。
【0035】経口投与製剤にするには、自体公知の方法
に従い、化合物〔I〕またはその塩を、例えば賦形剤
(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤(例、デン
プン、炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、デンプン、
アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースなど)ま
たは滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、
ポリエチレングリコール6000 など)などを添加して圧
縮成形する。錠剤、顆粒剤、細粒剤に関しては、味のマ
スキング、直溶性あるいは持続性の目的で自体公知の方
法でコーティングしてもよい。そのコーティング剤とし
ては、例えば一般のフイルムコーティング剤〔例、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、TC−5(信越化学
工業(株))、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシ
エチレングリコール等〕、水性コーティング剤〔例、セ
ルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチル
セルースアセテートサクシメート等〕、メチルメタクリ
レート・メタクリル酸共重合体、オイラギッド−L,S
(ローム社、ドイツ)、メチルアクリレ−ト・メタクリ
ル酸共重合体、色素(例、タルク、酸化チタン、ベンガ
ラ等)等が用いられる。腸溶性コ−ティングを行う場
合、活性成分を含む中心核と腸溶皮膜との間に、自体公
知の方法に従い、上記フィルム形成コ−ティング剤で一
層または二層以上の中間層を設けることも有効である。
【0036】外用剤とするには、自体公知の方法に従
い、化合物〔I〕またはその塩を固状、半固状または液
状の外用投与剤とすることができる。例えば、上記固状
のものとしては、化合物〔I〕またはその塩をそのま
ま、あるいは賦形剤(例、グリコール、マンニトール、
デンプン、微結晶セルロースなど)、増粘剤(例、天然
ゴム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体など)な
どを添加、混合して粉状の組成物とする。上記液状のも
のとしては、注射剤の場合とほとんど同様で、油性ある
いは水性懸濁剤とする。半固状の場合は、水性または油
性のゲル剤、あるいは軟膏状のものがよい。また、これ
らはいずれも、pH調節剤(例、炭酸、リン酸、クエン
酸、塩酸、水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラ
オキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベ
ンザルコニウムなど)などを加えても良い。坐剤とする
には、自体公知の方法に従い、化合物〔I〕またはその
塩を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤
とすることができる。上記組成物に用いる油性基剤とし
ては、例えば高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、
ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製)など〕、
あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)な
どが挙げられる。また、水性基剤としては、例えばポリ
エチレングリコール類、プロピレングリコール、水性ゲ
ル基剤としては、例えば天然ゴム類、セルロース誘導
体、ビニル重合体、アクリル酸重合体などが挙げられ
る。
【0037】例えば、本発明化合物〔I〕を人に用いる
場合の投与量は、対象疾患、投与経路、治療する患者の
個々の年齢および疾患の程度によって異なるが、例え
ば、体重50kgの成人患者の場合、本発明化合物
〔I〕として、一日当たり通常約10〜500mg程
度、好ましくは約20〜200mgが治療に用いられ
る。
【0038】
【実施例】以下に実施例、製剤例、試験例を挙げて、本
発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が
限定されるものではない。なお、培地におけるパーセン
ト(%)は、特に断りのない限り、重量/容量パーセン
トを表す。また、溶媒の混合比率は、特に断りのない限
り、容量比を表示する。13C核磁気共鳴(NMR)スペクト
ルは内部標準としてテトラメチルシランを用い、DPX-30
0 型スペクトルメーター(ブルカー社製、ドイツ)で測
定し、全δ値を ppm で示した。実施例中Qは4級炭素
を意味する。
【0039】
【実施例1】酵母エキス・麦芽エキス斜面寒天培地に培
養した放線菌DB−179−10株を200ml容三角
フラスコ内のグルコース2%、可溶性澱粉3%、生大豆
粉1%、コーン・スティープ・リカー0.3%、ペプト
ン0.5%、NaCl 0.3%、CaCO3 0.5%を含
む40mlの種培地(pH7.0)に接種し、24℃、
2日間回転振盪機上で培養した。この培養液の5mlを
2000ml容坂口フラスコ内の500mlの種培地に
移植し、24℃、2日間往復振盪機上で培養した。この
培養液500mlを200リットル容ステンレス・スチ
ール・タンク内のデキストリン5%、コーン・スティー
プ・リカー 3%、ペプトン 0.1%、CaCl2
%、CaCO3 0.5%、アクトコ−ル 0.05%(p
H7.0)を含む120リットルの主培地に移植し、2
4℃、通気120リットル/分、撹拌120回転/分、
内圧1kg/cm2の条件で3日間培養し、主培養液を
得た。
【0040】
【実施例2】実施例1で得られた培養液(310リット
ル)をpH12に調整後、酢酸エチル(200リット
ル)を加えて45分間撹拌混和した。この混合物を濾過
補助剤(ラジオライト600,昭和化学工業社製)を用
いて濾過し、菌体を酢酸エチル(110リットル)で洗
浄した。得られた有機層(255リットル)を0.02
N塩酸および水、各々、80リットルで2回洗浄した。
得られた有機層(240リットル)を減圧下濃縮して油
状残渣(160g)を得た。得られた油状物をシリカゲ
ル(キーゼルゲル60、1.5リットル)のカラムクロ
マトグラフィーに付しヘキサン/酢酸エチル(50:5
0、20:80、各4リットル)で洗浄後、ヘキサン/
アセトン〔20:80、(Fr.1−5)、各1リット
ル〕、ヘキサン/アセトン/メタノール〔20:60:
20、(Fr.6−15)、各1リットル〕で溶出分画
した。Fr.2−12を濃縮乾固し、油状物(20.5
g)を得た。これをセファデックスLH−20(ファル
マシア社製、スウェーデン、3.0リットル)のカラム
クロマトグラフィ−に付し、メタノ−ル(Fr.1−2
5、各150ml)で溶出分画した。Fr.10−17
を集めて濃縮乾固し、油状物(6.8g)を得た。これ
を分取HPLC(カラム:ODS、YMC-Pack S-363, S-
15, ワイ・エム・シイ社製、移動相:55%アセトニトリ
ル/0.05%トリフルオロ酢酸、流速:20ml/
分)に付し、溶出容量400−480mlの画分を集め
減圧濃縮しpH9.5に補正後、酢酸エチルで抽出し
た。得られた有機層を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥、濃縮乾固して、TAN−2451A(646mg)
を無色油状物質として得た。溶出容量520−580m
lの画分を濃縮後、同様に抽出し、TAN−2451C
主成分画分(135mg)を得た。溶出容量620−7
40mlの画分から同様の操作でTAN−2451B主
成分画分(150mg)を得た。TAN−2451C主
成分画分(135mg)をさらに分取HPLC(カラ
ム:D−ODS−5, ワイ・エム・シイ社製、移動相:5
5%アセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸、流
速:10ml/分)に付し、溶出容量330−390m
lの画分を集め減圧濃縮しpH9.5に補正後、酢酸エ
チルで抽出した。得られた有機層を水洗後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥、濃縮乾固して、TAN−2451C
(63mg)を無色油状物質として得た。TAN−24
51B主成分画分(135mg)についてもC主成分画
分と同様の条件でHPLCによる分取を行い、溶出容量
360−435mlの画分を先と同様に抽出し、TAN
−2451B(17mg)を無色油状物質として得た。
TAN−2451A(646mg)については、さらに
メタノ−ル(10ml)に溶解後、2N硫酸(1ml)
および水(30ml)を加え5℃に冷却した。生じた沈
殿を濾取後、水、アセトンおよびメタノ−ルで順次洗浄
し、TAN−2451A・0.5硫酸塩(610mg)
を白色粉末として得た。TAN−2451BおよびCに
ついてもそれぞれ同様の操作を行い、TAN−2451
B・0.5硫酸塩(13mg)、TAN−2451C・
0.5硫酸塩(52mg)をそれぞれ白色粉末として得
た。
【0041】TAN−2451A・0.5硫酸塩 1)外観:白色粉末 2)分子量:FAB−マススペクトル;m/z 359(M
+H)+ 3)元素分析値:(%)(水分0.5モルとして計算) 計算値;C, 55.38; H, 9.66; N, 6.80; S, 3.89 実測値;C, 55.24; H, 9.40; N, 6.74; S, 3.88 4)分子式:C19H38N2O4・0.5H2SO4 5)IRスヘ゜クトル:KBr錠剤中、主な吸収を示す。(波数、c
m-1)。(図1) 3420, 3310, 3140, 2920, 2850, 1700, 1630, 1480, 13
80, 1120, 1080 6)13CNMRスペクトル:75MHz、重ジメチルス
ルホキシド+トリフルオロ酢酸中、δppm (図2) 208.5 (Q), 166.2 (Q), 58.8 (CH2), 53.1 (CH), 43.1
(CH2), 41.9 (CH2),38.7 (CH2), 38.3 (CH2), 29.2 (CH
2), 29.0 (CH2), 28.9 (CH2), 28.8 (CH2),28.8 (CH2),
28.5 (CH2), 27.3 (CH), 26.7 (CH2), 23.0 (CH2), 2
2.4 (CH3), 22.4 (CH3) 7)呈色反応:陽性;リンモリブデン酸、バ−トン試
薬、ニンヒドリン試薬 陰性;ドラ−ゲンドルフ、エ−ルリヒ試薬 8)高速液体クロマトグラフィー(HPLC) カラム;YMC-Pack A-312, ODS, 6.0 x 150 mmm (ワイ
エムシイ社製) 移動相;60%(v/v)アセトニトリル/0.02Mリン酸
緩衝液(pH3.0) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;3.8分 9)薄層クロマトグラフィ−(TLC):担体;シリカ
ゲル60F254(メルク社製、ドイツ) 展開溶媒;クロロホルム/メタノ−ル/水 (6:3:
0.5) Rf値;0.51
【0042】TAN−2451B・0.5硫酸塩 1)外観:白色粉末 2)分子量:FAB−マススペクトル;m/z 373(M
+H)+ 3)高分解能FAB−マススペクトル 計算値(C20H41N2O4として);373.3066 実測値 ;373.3056 4)分子式:C20H40N2O4・0.5H2SO4 5)IRスペクトル:KBr錠剤中、主な吸収を示す。
(波数、cm-1)。 3420, 3310, 3140, 2920, 2850, 1700, 1630, 1480, 13
80, 1120, 1080 6)13CNMRスペクトル:75MHz、重ジメチルス
ルホキシド+トリフルオロ酢酸中、δppm 208.4 (Q), 166.2 (Q), 58.8 (CH2), 53.1 (CH), 43.1
(CH2), 41.9 (CH2),38.7 (CH2), 38.4 (CH2), 29.2 (CH
2), 29.0 (CH2), 29.0 (CH2), 28.9 (CH2),28.8 (CH2),
28.8 (CH2), 28.5 (CH2), 27.3 (CH), 26.7 (CH2), 2
3.0 (CH2), 22.4 (CH3), 22.4 (CH3) 7)呈色反応:陽性;リンモリブデン酸、バ−トン試
薬、ニンヒドリン試薬 陰性;ドラ−ゲンドルフ、エ−ルリヒ試薬 8)高速液体クロマトグラフィ−(HPLC) カラム;YMC-Pack A-312, ODS, 6.0 x 150 mmm (ワイ
エムシイ社製) 移動相;60%(v/v)アセトニトリル/0.02Mリン酸
緩衝液(pH3.0) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;5.3分 9)薄層クロマトグラフィ−(TLC):担体;シリカ
ゲル60F254(メルク社製、ドイツ) 展開溶媒;クロロホルム/メタノ−ル/水 (6:3:
0.5) Rf値;0.56
【0043】TAN−2451C・0.5硫酸塩 1)外観:白色粉末 2)分子量:FAB−マススペクトル;m/z 373(M
+H)+ 3)高分解能FAB−マススペクトル 計算値(C20H41N2O4として);373.3066 実測値 ;373.3077 4)分子式:C20H40N2O4・0.5H2SO4 5)IRスペクトル:KBr錠剤中、主な吸収を示す。
(波数、cm-1)。 3410, 3310, 3140, 2920, 2850, 1700, 1630, 1480, 13
80, 1120, 1080 6)13CNMRスペクトル:75MHz、重ジメチルスル
ホキシド+トリフルオロ酢酸中、δppm 208.4 (Q), 166.2 (Q), 58.8 (CH2), 53.1 (CH), 43.1
(CH2), 41.9 (CH2),38.7 (CH2), 35.9 (CH2), 33.7 (C
H), 29.3 (CH2), 29.0 (CH2), 28.9 (CH2), 28.9 (C
H2), 28.9 (CH2), 28.8 (CH2), 28.5 (CH2), 26.4 (C
H2), 23.0 (CH2), 19.0 (CH3),11.1 (CH3) 7)呈色反応:陽性;リンモリブデン酸、バ−トン試
薬、ニンヒドリン試薬陰性;ドラ−ゲンドルフ、エ−ル
リヒ試薬 8)高速液体クロマトグラフィ−(HPLC) カラム;YMC-Pack A-312, ODS, 6.0 x 150 mmm (ワイ
エムシイ社製) 移動相;60%(v/v)アセトニトリル/0.02Mリン酸
緩衝液(pH3.0) 流 速;2.0ml/分 検出法;214 nm 保持時間;5.1分 9)薄層クロマトグラフィ−(TLC):担体;シリカ
ゲル60F254(メルク社製、ドイツ) 展開溶媒;クロロホルム/メタノ−ル/水 (6:3:
0.5) Rf値;0.55
【0044】
【製剤例1】TAN−2451A・0.5硫酸塩を用い
て、下記に示す処方の全成分を混和し、ゼラチンカプセ
ルに充填し、カプセル1個当たり、30mgのTAN−
2451A・0.5硫酸塩を含有するカプセル剤を製造
した。 TAN−2451A・0.5硫酸塩 30mg 乳糖 100mg コーンスターチ 40mg ステアリン酸マグネシウム 10mg 合 計 180mg
【0045】
【製剤例2】TAN−2451A・0.5硫酸塩 、乳
糖、コーンスターチ(下記に示す量の半分)及びヒドロ
キシプロピルセルロースを混合し、これに水を加えて練
合・造粒した。次いで真空乾燥後、これとステアリン酸
マグネシウム及びコーンスターチ(下記に示す量の半
分)の混合物とを混合した。得られた混合物を圧縮成型
し、下記に示す1錠あたり200mgの錠剤を製造し
た。 TAN−2451A・0.5硫酸塩 60 mg 乳糖 68.4mg コーンスターチ 65 mg ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg ステアリン酸マグネシウム 0.6mg 合 計 200.0mg
【0046】
【製剤例3】TAN−2451A・0.5硫酸塩を30
%(w/v)ポリエチレングリコール400を含む生理食
塩水に溶解して、TAN−2451A・0.5硫酸塩の
0.05%(w/v)溶液を調製し、滅菌瀘過して、バイア
ルに30mlずつ分注した。バイアル1個当たり、15
mgのTAN−2451A・0.5硫酸塩を含有する静
注剤を製造した。
【0047】
【試験例1】マウス脾細胞の幼若化反応抑制試験 BALB/c雌マウス(9週齢、日本チャ−ルズリバ−
社)脾細胞1x106/ml、2mM L−グルタミン、
20μg/mlゲンタミシン(バイオ・ウイッカー社
製、米国)、10%牛胎児血清(バイオ・ウイッカー社
製、米国)を含むRPMI1640培地(バイオ・ウイ
ッカー社製、米国)にマイトジェンとしてコンカナバリ
ンA(Concanavalin A、以下ConAと略称;シグマ社
製、米国)1μg/mlまたはフィトヘムアグルチニン
(Phytohemagglutinin、以下PHAと略称;ディフコ社
製、米国)15μg/mlを加え、さらにTAN−24
51Aを適宜の濃度加えて、37℃、5%炭酸ガス下で
3日間培養した後、MTT還元法〔多田ら、ジャーナル
・オブ・イムノロジカル・メソーズ(Journal of Immun
ological Methods)第93巻、157頁、1986年〕
で脾細胞の増殖を測定した。その結果を〔表1〕に示
す。マウス脾細胞幼若化率は、化合物無添加区を1とし
て示した。幼若化率の値が小さいほど、被験化合物の幼
若化反応抑制作用が強いことを意味する。
【0048】
【表1】 マウス脾細胞幼若化反応抑制作用 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ TAN−2451A 幼若化率1) (μg/ml) ConA刺激 PHA刺激 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 0.19 0.47 0.5 0.24 0.52 0.25 0.32 0.48 0.1 0.36 0.44 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1)化合物無添加区を1として表示。
【0049】
【試験例2】マウス脾細胞のPPD特異的増殖応答抑制
試験 1型ヘルパーT細胞を強く活性化することが知られてい
る人型結核菌蛋白質〔PPD(purified protein deriv
ative)〕を用いて1型ヘルパーT細胞応答を強く発現
するC57BL/6マウスを感作し、その脾細胞のPP
D特異的増殖応答に対するTAN−2451Aの抑制作
用を調べた。あらかじめC57BL/6マウス(雄、9
週齢;日本チャールスリバー社)にPPD(日本ビー・
シー・ジー製造社製)をマウス当たり10μg、アジュ
バントとして合成TAN−1511誘導体[(2R,6R)-2-
amino-6,7-bis(hexadecanoyloxy)-4-thiaheptanoyl-Gly
-Gly-Glu 2Na]〔ザ・ジャーナル・オブ・アンティビオ
ティクス(The Journal of Antibiotics)第48巻、5
89〜603頁(1995年)に記載〕をマウス当たり
0.5μg、それぞれ腹腔内投与し、7日後の脾臓より
脾細胞を得た。この脾細胞3x106/ml、2mM L
−グルタミン、20μg/mlゲンタミシン(バイオ・
ウイッカー社製、米国)、10%牛胎児血清(バイオ・
ウイッカー社製、米国)を含むRPMI1640培地
(バイオ・ウイッカー社製、米国)にPPDを1μg/
mlを加え、さらにTAN−2451Aを適宜の濃度加
えて、37℃、5%炭酸ガス下で3日間培養した後、実
験例1と同様のMTT還元法で脾細胞の増殖を測定し
た。その結果を〔表2〕に示す。マウス脾細胞の増殖率
は、化合物無添加区を1として示した。増殖率の値が小
さいほど、被験化合物のPPD特異的増殖応答抑制作用
が強いことを意味する。
【0050】
【表2】 マウス脾細胞のPPD特異的増殖応答に対する抑制作用 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ TAN−2451A 増殖率1) (μg/ml) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 0.63 0.20 0.31 0.40 0.16 0.55 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1)化合物無添加区を1として表示。
【0051】
【試験例3】インターフェロン・ガンマ産生抑制試験 実験例2と同じ条件でTAN−2451Aと共に4日間
培養した脾細胞の培養上清を用いてインターフェロン・
ガンマ(IFN−γ)の産生量をELISA法(市販キ
ット;ギブコ・ビー・アール・エル社製、米国)で測定
した。その結果を〔表3〕に示す。インターフェロン・
ガンマ産生率は、化合物無添加区を1として示した。産
生率の値が小さいほど、被験化合物のインターフェロン
・ガンマ産生抑制作用が強いことを意味する。
【0052】
【表3】 インターフェロン・ガンマ産生抑制作用 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ TAN−2451A 産生率1) (μg/ml) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 0.31 <0.02 0.16 0.21 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1)化合物無添加区を1として表示。
【0053】
【試験例4】マウス脾細胞のアスカリス抗原特異的増殖
応答抑制試験 2型ヘルパーT細胞を強く活性化することがしられてい
るアスカリス抗原を用いて2型ヘルパーT細胞応答を強
く発現するBALB/cマウスを感作し、その脾細胞の
アスカリス抗原特異的増殖応答に対するTAN−245
1Aの抑制作用を調べた。あらかじめBALB/cマウ
ス(雌、9週齢;日本チャールスリバー社)にアスカリ
ス抽出物(エル・エス・エル社製)をマウス当たり40
μg、アジュバントとして実験例2に示した合成TAN
−1511誘導体をマウス当たり0.5μg、それぞれ
腹腔内投与し、14日後の脾臓より脾細胞を得た。この
脾細胞3x106/ml、2mM L−グルタミン、20
μg/mlゲンタミシン(バイオ・ウイッカー社製、米
国)、10%牛胎児血清(バイオ・ウイッカー社製、米
国)を含むRPMI1640培地(バイオ・ウイッカー
社製、米国)にアスカリス抗原50μg/mlを加え、
さらにTAN−2451Aを適宜の濃度加えて、37
℃、5%炭酸ガス下で3日間培養した後、実験例1と同
様のMTT還元法で脾細胞の増殖を測定した。その結果
を〔表4〕に示す。マウス脾細胞の増殖率は、化合物無
添加区を1として示した。増殖率の値が小さいほど、被
験化合物のマウス脾細胞のアスカリス抗原特異的増殖応
答抑制作用が強いことを意味する。
【0054】
【表4】 マウス脾細胞のアスカリス抗原特異的増殖応答に対する抑制作用 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ TAN−2451A 増殖率1) (μg/ml) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 0.63 0.18 0.31 0.45 0.16 0.58 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1)化合物無添加区を1として表示。
【0055】
【試験例5】インターロイキン5産生抑制試験 実験例4と同じ条件でTAN−2451Aと共に4日間
培養した脾細胞の培養上清を用いてインターロイキン5
(IL−5)の産生量をELISA法(市販キット;エ
ンドゲン社製、米国)で測定した。その結果を〔表5〕
に示す。インターロイキン5産生率は、化合物無添加区
を1として示した。産生率の値が小さいほど、被験化合
物のインターロイキン5産生抑制作用が強いことを意味
する。
【0056】
【表5】 インターロイキン5産生抑制作用 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ TAN−2451A 産生率1) (μg/ml) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 0.63 0.39 0.31 0.64 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1)化合物無添加区を1として表示。
【0057】以上の諸性状から明らかなように、本発明
化合物〔I〕またはその塩は、T細胞の機能を調節し、
1型あるいは2型ヘルパーT細胞をより強く活性化する
抗原に特異的な免疫応答、並びにそれに伴う主要なサイ
トカイン産生を抑制して、免疫系疾患で問題となるT細
胞亜集団のバランスの異常を改善する作用を有するの
で、上述した人の各種免疫系疾患の治療剤または予防剤
として有用な化合物である。
【0058】
【発明の効果】本発明化合物〔I〕またはその塩は、免
疫調節作用を有し、低毒性であり、これらを含んでなる
本発明の免疫調節剤は、慢性関節リウマチ、全身性エリ
テマトーデス、多発性硬化症、悪性貧血、突発性血小板
減少性紫斑症、重症筋無力症、強皮症、ぶどう膜炎、橋
本病、シェグレン病、アジゾン病、バセドー病、顆粒球
減少症、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮
膚炎、花粉症、接触性皮膚炎、過敏性肺炎、ループス腎
炎等の免疫機能の異常に起因する疾患や免疫機能の異常
を伴う疾患等の治療剤または予防剤として安全に用いる
ことができる。また、化合物〔I〕またはその塩を含ん
でなる免疫調節剤は、ヒトにおける臓器移植時に移植片
の生着を助けるための、あるいは移植骨髄細胞による移
植片対宿主病を防ぐための薬剤として有用である。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物TAN−2451Aの赤外線吸収(I
R)スペクトル(KBr錠剤中)
【図2】化合物TAN−2451Aの13C核磁気共鳴
(NMR)スペクトル(重ジメチルスルホキシド+トリ
フルオロ酢酸中)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/16 ADA A61K 31/16 ADA AGB AGB C12P 13/00 C12P 13/00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中、R1およびR3は同一または異なって置換されて
    いてもよい水酸基を、R2は置換されていてもよいアミ
    ノ基を、R4はオキソ基、置換されていてもよいヒドロ
    キシイミノ基、または置換されていてもよい水酸基およ
    び水素原子を、R5は炭素数3または4のアルキル基を
    示す〕で表される化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】R1およびR3が水酸基である請求項1記載
    の化合物。
  3. 【請求項3】R2がアミノ基である請求項1記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】R4がオキソ基である請求項1記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】R5がイソプロピルである請求項1記載の
    化合物。
  6. 【請求項6】R5がイソブチルである請求項1記載の化
    合物。
  7. 【請求項7】R5がsec-ブチルである請求項1記載の化
    合物。
  8. 【請求項8】式 【化2】 〔式中、R5’はイソプロピル、イソブチルまたはsec−
    ブチル基を示す〕で表される化合物TAN−2451
    A、BまたはCである請求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】請求項8記載の化合物TAN−2451
    A、BまたはCを生産する能力を有する放線菌DB−1
    79−10株を培地に培養し、培養液中に該化合物を生
    成蓄積させ、これを採取することを特徴とするTAN−
    2451A、BもしくはC、またはそれらの塩の製造
    法。
  10. 【請求項10】請求項8記載の化合物TAN−2451
    A、BまたはCを生産する能力を有する放線菌DB−1
    79−10株。
  11. 【請求項11】請求項1記載の化合物を含有してなる医
    薬。
  12. 【請求項12】請求項1記載の化合物を含有してなる免
    疫調節剤。
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