【発明の詳細な説明】
マクロライド
本発明は価値のある医薬的および関連した活性を有する新規なマクロライドに
関するものである。簡便のために、この新規マクロライド型化合物をまとめて本
明細書中で『サングリフェリン(Sanglifehrins)』と呼ぶ。
最初のサングリフェリンは、放線菌発酵ブロスから単離された。これらは式A
〜D
で示されるサングリフェリンである。
サングリフェリンA〜Dの大環状環は、i)1〜6 位が 3-カルボキシピペリダ
ジニルカルボン酸残基を含み、ii)7〜9 位が芳香族α-アミノ酸残基を含み、お
よびiii)10〜12 位が脂肪族α-アミノ酸残基を含むことに特徴を有する全く新
規な構造である。基本的な大環状環において、大環状環の残りの部分はヒドロキ
シカルボン酸残基から構成され、サングリフェリンA〜Dの場合では、さらに1
1個の炭素原子が主マクロライド環に供給される。
マクロライド化学における慣用的な手法に従って、サングリフェリンの基本的
な大環状環の原子を、大環状ラクトン結合のカルボニル基の炭素原子を1位とし
て始めて、サングリフェリンAで上記したように番号を付ける。
サングリフェリンA〜Dはまた、ハイドロカルビルリンカー基を介して大環状
環の 23 位に結合している新規な二環状スピロ系の存在によっても特徴づけられ
る。
サングリフェリンA〜Dに多くの化学操作を行うと、さらに別のサングリフェ
リン系のマクロライドが得られ得る。このような操作には、特にラクトンオキシ
基での大環状環の切断、マクロライドおよびスピロ環系の間のリンカー基の切断
、および例えば後述するような置換基の保護、誘導体化または他の化学的修飾な
どの操作等を含む。他の修飾の手段も当業者には既知である。
本発明に従って、サングリフェリンA〜Dの場合のように、特にスピロ環系が
存在するサングリフェリンはその生物学的活性の点から独特で全く新規な特徴を
有することが分かった。特に、それらは以下の活性の組合せを示すことが分かっ
た:
−シクロフィリン結合活性;
−免疫抑制活性;
−B細胞およびT細胞の両方の増殖阻害
−しかしながら、それらはFK結合タンパク質結合活性またはカルシニューリン
阻害活性をもたない。
従ってサングリフェリンは興味深く新規な類の免疫抑制および抗炎症化合物を
提供すると考えられ得る。特に、シクロスポリンおよび例えばラパマイシンおよ
びFK506類などのマクロライドといった既知の免疫抑制および抗炎症化合物
とは異なる活性作用を有し、このことはサングリフェリンがそのような既知化合
物\とは異なる作用機序を有することを示す。このように、サングリフェリンは
構造および活性の両方の点から新規な範疇の薬物を提供し、これは免疫抑制およ
び/または抗炎症療法の限界を実質的に拡大することが予期され、例えば以前の
免疫抑制および抗炎症療法の望ましくない副作用を回避または減少させ、および
/または新しい疾病または新しい範疇に属する患者に対する治療を改善または向
上させる。
例えばマクロライド環が開環形であるか、マクロライドおよびスピロ環系の間
のハイドロカルビル・リンカーの 26 および 27 位が両方共ヒドロキシで置換さ
れているか、または大環状環に結合するスピロ残基が切断又は短くなっているサ
ングリフェリンは、一般的にいくつかのまたは全てのサングリフェリンの特徴的
活性の組み合わせを欠失している。例えば、スピロ残基が切断されているサング
リフェリンは、典型的にシクロフィリン結合活性を有するが、有意な免疫抑制活
性はもたない。しかしながら、当業者には明らかであるように、そのような化合
物は別の新規なサングリフェリンの製造のための価値ある成分、中間体または鍵
となる構築単位を提供し、従ってサングリフェリン系の治療効力をさらに拡大す
る。
その存在が例えばサングリフェリンA〜Dの生物学的活性に重要であるように
、二環状スピロ系もまた鍵となる生物学的重要性をもつ構造成分を提供するもの
と
とらえることができ、例えばマクロライド系の他の免疫抑制薬物の活性を修飾す
るなどの、別のサングリフェリンの製造に関連したさらなる誘導体化または修飾
のための、または他の薬物の誘導体化または修飾のための構造成分として有用で
ある。
示されているように、サングリフェリンは全く新規であり全体的に独特の構造
をもつ大環状化合物の新規な類を表す。
従って第1の態様として、本発明により:
i)大環状環の 2〜6 位(含む)はピペリダジニルカルボン酸残基により提供さ
れ;および/または
ii)大環状環の 7〜9 位(含む)は芳香族α-アミノ酸残基により提供され;お
よび/または
iii)大環状環の 10〜12 位(含む)は脂肪族α-アミノ酸残基により提供される
、遊離形または保護形のマクロライドまたはその塩が提供される。
適当には本発明のマクロライドは2つ、特に3つ全ての独特な構造特徴i)、
ii)およびiii)を含む。
ピペリダジニルカルボン酸残基は適当には、例えば式I
[ただし、割り当てた数字は大環状環における残基の原子の位置を示す]
で示される残基のように、カルボキシ部分が大環状環の1位を占め、1-窒素原
子が 6 位を占める 1,2 ピペリダジン-3-カルボキシ-1-イル残基である。この残
基は環で置換されているか、または非置換であり得る。適当には非置換である。
芳香族α-アミノ酸残基のα-アミノ部分は適当には大環状環の 9 位を占める
。適当には芳香族α-アミノ酸は、遊離形または保護形のフェニルアラニン、特
に3-OH-フェニルアラニン残基である。
脂肪族α-アミノ酸残基のα-アミノ部分は適当には大環状環の 12 位を占める
。適当には脂肪族α-アミノ酸残基は、遊離形または保護形のバリンである。
大環状環の残りの部分は適当には、ヒドロキシカルボンン酸残基、大環状ラク
トン結合を完全にするオキシ部分および大環状環の 12 位でα-アミノ基とアミ
ド結合を形成するカルボニル部分を含む。該ヒドロキシカルボン酸残基は適当に
は 6〜20 の鎖長、より適当には 11 個の炭素原子を有する。置換または非置換
であり得、および/または1つ以上の不飽和結合、特に長さに沿った累積二重結
合を含む。より適当には大環状環の残りの部分は、所望により例えば 2、3、4お
よび/または 5 位が置換された 11-オキシ-エンデカノイル-11-イル、特に11-
オキシ-6,8-エンデカジエノイル-11-イル残基を含む。より適当には該ヒドロキ
シカルボン酸残基は、遊離形または保護形の式II
[式中、
R1およびR2は両方共Hであるか、またはもう1個の結合であり;
R3はHであり;
R4は-CO-CH3または-CH(OH)-CH3であるか、または
R3およびR4は共に式III
で示される構造を示す]
で示される残基、またはその塩である。
従って、本発明に記載の好ましいマクロライドは、遊離形または保護形の式IV
[式中、
X、YおよびZは上記で定義したようにi)、ii)およびiii)の残基であり、
Aは上記で定義したようにヒドロキシカルボン酸残基である]
で示される大環状環を含む化合物、またはその塩;特に、遊離形または保護形の
式V
で示される大環状環、またはその塩を含むものである。
一般的に、サングリフェリンA〜Dのようなサングリフェリンにおいて、大環
状環はラクトン橋のオキシ部分に隣接する炭素原子が置換されている。典型的に
は、この置換基はスピロ残基とマクロライド環の間に 6〜11、典型的には 9 個
の炭素原子の直鎖を含むリンカーを介してマクロライドに結合する、例えば遊離
形または保護形の式VI
[式中、
-a-b-は-(Me)C=CH-または-(Me)CH-CH(OH)-であり
R5はHまたはMeである
(ただしMeおよびEtはそれぞれ、メチルおよびエチルを表す)]
で示される化合物またはその塩のように、2-オキシ-2'-アザ-3'-オキソ-スピロ
ビシクロヘキサン-3-イル残基を含む。
リンカー基は置換または非置換であり得、および/または鎖長に沿って特定の
累積二重結合中に1つ以上の不飽和結合を含む。適当には、リンカー基は例えば
2つのメチル基などのようにメチルで置換され得る。適当には、リンカー基は 3
ヒドロキシ置換基などのヒドロキシによりさらに置換され得、および/または
例えば2つの炭素−炭素二重結合を含むなどのようにエチレン性不飽和であり得
る。より適当には、リンカー基は、所望により 3、4 および/または 8 位など
が置換された 1-メチル-7-メチル-ノナノイル-9-イル、特に 1-メチル-7-メチル
-1-ノネノイル-9-イルまたは 1-メチル-7-メチル-1,3-ノナジエノイル-9-イル残
基を含む。好ましくはリンカー基は、遊離形または保護形の式VII
[式中、
cはスピロ残基との結合を示し
dは大環状環との結合を示し
R6およびR7は各々Hであるか、または共に追加的な結合を示す]
で示される基である。
リンカー基は一般的に、大環状環がその 11 位に 11-オキシ-エンデカノイル-
11-イル残基を含む場合に、ラクトンオキシ基にすぐ隣接する炭素原子の大環状
環に結合する。
従って、本発明は遊離形または保護形の式VIII
S―L―M VIII
[式中、
Sは前記で定義したようにスピロビシクロ残基を示し;
Lは前記で定義したようにリンカー基を示し、および
Mは前記で定義したようにマクロライド環を示す]
で示される化合物、またはその塩を提供する。
特に本発明の化合物は、遊離形または保護形の式IX
[式中、
-a-b-は上記で定義した通りであり;
-e-f-は-CH(OH)-CH(OH)-または-CH=CH-であり;
-g-h-は上記-a-b-で定義した通りであり、および
R3、R4およびR5は上記で定義した通りである]
で示される化合物、またはその塩である。
式I〜IXで示される化合物は不斉炭素原子を含有し、従って数多くのエピマー
形で存在し得る。可能な全てのエピマー並びにそのジアステレオマー混合物は本
発明に包含される。しかしながら、マクロライド環が閉環形であり、適当な立体
化学を有する式VIIIおよびIXで示される化合物が、前述したようなサングリフェ
リンの特徴的活性を典型的に有する。サングリフェリンの特徴的活性を有するエ
ピマーが好ましい。一般的に、例えば本発明に記載の医薬的使用のためには、例
えば少なくとも 90%、例えば少なくとも 95%の活性エピマー(すなわち、例え
ば 5%以下といったように 10%以下の不活性エピマーを含む)といった純粋な
形または実質的に純粋な形(すなわち、サングリフェリンの特徴的活性を欠失し
た遊離または実質的に遊離したエピマー)においてサングリフェリンの特徴的活
性を有するエピマーが好ましい。
好ましくは、大環状環の 1〜6 位の 3-カルボキシピペリダジニルカルボン酸
残基i)は以下の立体配座を有する:
好ましくは、大環状環の 7〜9 位の芳香族アミノ酸ii)は、例えば立体配置
で示されるように、L立体配置を有する。
好ましくは、大環状環の 10〜12 位の脂肪族アミノ酸iii)は、例えば立体配
置
で示されるように、L立体配置を有する。
大環状環の残りが式IIで示される残基を含有する場合、好ましくは
または
で示される立体配置を有する。
R3およびR4が共に
で示される場合、好ましくは
で示される立体配置を有する。
好ましくは 2-オキシ-2'-アザ-3'-オキソースピロビシクロヘキサン-3-イルは
、
で示される立体配置を有し、-a-b-が-(Me)CH-CH(OH)-である場合、好
ましくは
で示される立体配置を有する。
リンカーが式VIIである場合、好ましくは
で示される立体配置である。
R6およびR7が各々OHである場合、26 および 27 位の立体配置は好ましく
は 26(S)、27(S)または 26(R)、27(R)のいずれかである。R6およびR7が共
に追加の結合を有する場合、26 および 27 位の立体配置は好ましくは
で示されるものである。
式IXで示される本発明の化合物は好ましくは以下
で示される立体配座を有し、-a-b-が-(Me)CH-CH(OH)-である場合、好
ましくは
で示される立体配置を有し:
-e-f-が-CH(OH)-CH(OH)-である場合、好ましくは(S),(S)立体配置
または(R),(R)立体配置を有し:
-g-h-が-(Me)CH-CH(OH)-である場合、好ましくは
で示される立体配置を有し:
-g-h-が-(Me)-C=CH-である場合、好ましくは
で示される立体配置を有し:
R3およびR4が共に融合している場合には、好ましくは
で示される立体配置を有する。
好ましくは、サングリフェリンA〜Cは以下
で示される立体配置を有する。
本発明の化合物は、例えば『有機合成の保護基』(T.W.Greene および P.G.M.
Wuts、第2版、1991、John Wiley & Sons Inc.、ニューヨーク)で記載されたよ
うな保護形といったように遊離形または保護形であり得る。特にOH基は、例え
ばシリルエーテル形(例えば Greene および Wuts 同書の 68-86 ページに記載
)、エステル形(例えば Greene および Wuts 同書の 87-103 ページ参照)およ
び炭酸塩形(例えば Greene および Wuts 同書の 104-111 ページ参照)などの
保護形であり得る。そのような保護形はまた内部的な保護形もまた含む;例えば
式IX(式中、-g-h-は-CH(CH3)-CH(OH)-である)で示されるマクロラ
イドの場合、大環状環の 14〜17 位は以下
で示される立体配置をもつ、式X
で示される残基を含む。
また例えばサングリフェリン中の 1,3 ジオールは、例えば Greene およびWut
s 同書の 118-142 ページに記載されているように、適当な環構造として保護し
得る。
本発明の化合物はまた、塩の形で存在し得る。本発明に従って使用するための
適当な医薬的に許容可能な塩の例は、化合物中に存在する特定の置換基に関して
適当である酸および塩基付加塩を含む。
前述したように、本発明の化合物の大環状環は、特にラクトンオキシ基で切断
でき、大環状環が開環した形である化合物が得られる。一般的に、ラクトンオキ
シ基の切断は加水分解(加溶媒分解)により進行し、例えば式XI
R6O―X―Y―Z―A―OH XI
で示される化合物、例えば式XII
で示される化合物、例えば式IX'
[式中、
X、Y、Z、A、R3、R4およびR5は上記で定義した通りであり、R6はHまた
は例えばメチルのようなC1-4アルキルである]
で示される化合物が得られる。
このような開環形により、基本的なサングリフェリンの大環状環系の修飾のた
めの中間的な手段が提供され、これも本発明の一部をなす。
従って、さらなる態様において本発明は:
−開環形の前記で定義したマクロライド、遊離または保護形の該開環大員環、ま
たはその塩;
−前記で定義した遊離または保護形のR6O-X-Y-Z-A-OHで示される化合物
、またはその塩;
−例えば上記で定義した式IIで示される残基および上記で定義した他の記号のよ
うな、遊離形または保護形のR6O-X-Y-Z-A'CH(OH)-L-S(式中-A'-
CH(OH)-はヒドロキシカルボン酸残基である)で示される化合物、またはそ
の塩;
−遊離形または保護形の式XII'
で示される化合物、またはその塩;
−遊離形または保護形の式IX''
で示される化合物、またはその塩を提供する。
本発明はまた、例えば遊離形または保護形の式XII
[式中、a、b、LおよびMは上記で定義した通りである]
で示される化合物、またはその塩のような 2-オキシ-2'-アザ-3'-オキソ-3'イル
-スピロビシクロヘキサン環系が開環形である化合物を含む。
本発明の開環化合物は好ましくは閉環化合物について上記で定義した好ましい
立体配座である。式XIIで示される化合物の開環スピロビシクロ環系は好ましく
は
で示される立体配座であり
ただし、-a-b-が-(Me)CH-CH(OH)-である場合、好ましくは
で示される立体配置を有する。
大環状環に結合したスピロビシクロ残基を有する本発明に記載のマクロライド
は、例えば式IXについてでは、特に 26 と 27 の残基の間の結合といったような
、介在するリンカー基の除去を受け得、分離された新規スピロビシクロ化合物お
よ
びさらに別のマクロライドが得られる。これもまた前述したように、サングリフ
ェリンのスピロビシクロ部分は特にひとつの群としてサングリフェリンの生物活
性において全体的な役割を果たすために、これらの化合物もまた中間体として有
用である。
従って本発明は
−遊離形または保護形の 2-オキシ-2'-アザ-3'-オキソ-3'イル-スピロビシクロ
ヘキサン、またはその塩、特に遊離形または保護形の式VI'
[式中、
R7はH、所望により保護されたOH基、反応性官能基、または-CH2-CH(O
H)-CH(CH3)-CH2-CH2-CHO基、またはそのデルタ・ラクトール等価体
である]
で示される化合物またはその塩である。
好ましくは式VI'で示される化合物は以下
で示される立体配置を有し、-a-b-が-(Me)CH-CH(OH)-である場合、好
ましくは
で示される立体配置を有する。
本発明はまた遊離形または保護形の開環 2-オキシ-2'-アザ-3'-オキソ-3'イル
-スピロビシクロヘキサンまたはその塩、特に遊離形または保護形の式XII'
[式中、a、bおよびR7は前記で定義した通りである]
で示される化合物またはその塩を含む。式XII'で示される化合物の開環スピロビ
シクロ環系は好ましくは
で示される立体配座であり、-a-b-が-(Me)CH-CH(OH)-である場合、好
ましくは
で示される立体配置を有する。
本発明はまた遊離形または保護形の式XIII
[式中、Mは前記で定義したようにマクロライド環である]
で示されるマクロライドまたはその塩、特に遊離形または保護形の式XIV
で示されるマクロライドまたはその塩で、それは好ましくは
で示される立体配座を有し、式中-g-h-は-(Me)CH-CH(OH)-である場合
、好ましくは
で示される立体配置を有し、式中-g-h-が-(Me)C=CH-である場合、好ま
しくは
で示される立体配置を有し、R3およびR4が共に融合している場合には、それら
は好ましくは
で示される立体配置を有する。
さらに別の態様において、本発明はマクロライドおよび本発明の化合物、特に
それらは例えば少なくとも 90%、好ましくは少なくとも 95%、特に少なくとも
98%の純粋形といったような実質的に純粋な形の天然生成物であるものを含む
。
前述に加えて、本発明はまた前記で定義した全ての本発明の化合物の製造法を
提供し、この方法は
i)サングリフェリンA、B、CまたはDを産生する放線菌株を、培養培地中で
培養し、所望のサングリフェリンA、B、CまたはDを得られた培養培地ブロス
から単離し、サングリフェリンA、B、CまたはDのいずれか1つを製造する方
法;
ii)サングリフェリンAおよびBを 15 および 16 位で環化してサングリフェリ
ンCおよびDを製造する方法;
iii)サングリフェリンCおよびDを 15 および 16 位のラクトール環を開環し
てサングリフェリンAおよびBを製造する方法;
iv)式IXまたはIX'(式中、-g-h-は-CH(CH3)-CH(OH)-である)で示さ
れる化合物を脱水して式IXまたはIX'(式中-g-h-は-C(CH3)=CH-である
)で示されるマクロライドまたはその保護形を製造する方法;
v)式IXまたはIX'(式中、R4は-C(O)-CH3である)で示される化合物を脱
水し、式IXまたはIX'(式中、R4は-CH(OH)-CH3である)で示されるマク
ロライドを製造する方法;
vi)式IXまたはIX'で示される化合物を 15 および 17 位で内部保護し、式IXま
たはIX'(式中、大環状環の 14〜16 位は式X
で示される残基を含有する]
で示されるマクロライドを製造する方法;
vii)式IXまたはIX'(式中、大環状環の 14〜16 位は式X
で示される残基を含有する]
で示される化合物の 15 および 17 位の内部保護を脱離し、式IXまたはIX'で示
されるマクロライドを製造する方法;
viii)式IXまたはIX'(式中、R5はHである)で示されるマクロライドをメチル
化し、式IXまたはIX'(式中、R5はメチルである)で示されるマクロライドを製
造する方法;
ix)式IXまたはIX'(式中、R4はO−非保護形である)で示されるマクロライド
をO−保護し、式IXまたはIX'(式中、R4はO−保護形である)で示される
マクロライドを製造する方法;
x)式IXまたはIX'(式中、R4はO−保護形である)で示されるマクロライドを
O−脱保護し、式IXまたはIX'(式中、R4はO−非保護形である)で示されるマ
クロライドを製造する方法;
xi)式IXまたはIX'(式中、大環状環の 7〜10 位にO−非保護ヒドロキシフェニ
ルアラニン残基を含む)で示されるマクロライドをO−保護し、式IXまたはIX'
(式中、大環状環の 7〜10 位にO−保護ヒドロキシフェニルアラニン残基を含
む)で示されるマクロライドを製造する方法;
xii)式IXまたはIX'(式中、大環状環の 7〜10 位にO−保護ヒドロキシフェニ
ルアラニン残基を含む)で示されるマクロライドをO−脱保護し、式IXまたはIX
'(式中、大環状環の 7〜10 位にO−非保護ヒドロキシフェニルアラニン残基を
含む)で示されるマクロライドを製造する方法;
xiii)式IXまたはIX'(式中、-e-f-は-CH=CH-である)で示されるマクロ
ライドを酸化的加水分解し、式IXまたはIX'(式中、-e-f-は-CH(OH)-CH
(OH)-である)で示されるマクロライドを製造する方法;
xiv)式IXまたはIX'で示されるマクロライドをスピロビシクロ環および大環状環
の間のリンカー基を除去し、式V'で示される化合物または式XIIで示される化合
物を製造する方法;
xv)式IVで示される大員環または式VIIIで示される化合物の大環状環をそのラク
トン橋で開環し、式R6O-X-Y-Z-A-OHまたは式R6O-X-Y-Z-A'-CH(
OH)-L-S示される化合物を製造する方法;
xvi)式R6O-X-Y-Z-A-OHで示される化合物または式R6O-X-Y-Z-A'-
CH(OH)-L-Sで示される化合物の大環状環を閉環し、閉環形の式IXまたはXI
Iで示されるマクロライドを製造する方法;
xvii)式IXまたはVI'で示される化合物をスピロビシクロ環系内で開環し、式XII
またはXII'で示される化合物を製造する方法;
xix)式XIIまたはXII'で示される化合物をスピロビシクロ環系内で閉環し、式IX
またはVI'で示される化合物を製造する方法;を含む。
本発明の方法は例えば実施例に記載したように行い得る。ご理解の通り、上記
で定義した方法は前記のような遊離形、保護形、開環形および閉環形の他のマク
ロライドを得るためにあらゆる適当な順序または組合せで使用し得る。
例えばサングリフェリンA〜Dなどの本発明のマクロライドはストレプトマイ
セス属の一群から典型的に得られた天然化合物、またはそれから誘導されたもの
である。
前記で定義したマクロライドを産生し得る微生物は過去に同定されていない。
従って、さらに別の態様において本発明は:
−マクロライドを産生する放線菌株、特にサングリフェリンA、B、CまたはD
を産生する放線菌株を提供し、そのマクロライドは
i)大環状環の 2〜6 位(含む)はピペリダジニルカルボン酸残基から提供され
;および/または
ii)大環状環の 7〜9 位(含む)は芳香族α-アミノ酸残基から提供され;およ
び/または
iii)大環状環の 10〜12 位(含む)は脂肪族α-アミノ酸残基から提供される。
適当には放線菌株はストレプトマイセス科、より適当にはストレプトマイセス
種、特に後述するようなストレプトマイセス属A92-308810 であるか、または例
えば突然変異株、変異株、融合株、組換え株またはその修飾株を含むなどのそれ
らからの誘導される。
適当には本発明の株は生物学的に純粋な単離株の形である。
例えばストレプトマイセス属A92-308110 は、例えばUV照射またはN-メチ
ル-N'-ニトロ-ニトロソグアニジンなどの化学的突然変異源での処理といった慣
用的な技術により変異または修飾を受けて異なる形となり得る。組換えクローン
はプロトプラスト融合により得られ得る。サングリフェリンを産生できるこのよ
うな全ての突然変異株、組換え株または修飾株(増量したサングリフェリンを産
生し得る突然変異株および組換え株を含む)は本発明の範囲内に含まれる。
特に本発明の態様において、他類の中からサングリフェリンA、B、Cおよび
Dが新規ストレプトマイセス属A92-308110 から単離される。ストレプトマイセ ス
属A92-308110 のサンプルは、ブダペスト条約の下、Deutsch sammlung von M
ikroorganismen und Zellkulturen GmbH、Mascheroder Weg 1b、D-38124 Brauns
chweig、ドイツ 1995年5月3日に預けられ、DSM9954番に該当する。ストレプ
トマイセス属A92-308110 はサンド・リミテッド、CH-4002バーゼル、スイス
からも得られ得る。DSM9985 のサンプルの入手は 28(4)および(5)EPCの条
項に従って制限されることをここで通知する。
ストレプトマイセス属A92-308110 の培養物由来のサングリフェリンA、B、
CおよびDの単離は実施例2で記載する。
ストレプトマイセス属株A92-308110 は、Bergey's Manual(4巻、1989年、W
illiams and Wilkins、バルチモア)および The Prokaryotes(1992 Springer V
erlag、ニューヨーク)の記載に従って、ストレプトマイセス属に属する。細胞
壁はLL-ジアミノピメリン酸を含有する。脂肪酸はイソ-およびアンチイソ-分
枝、直鎖および不飽和である。糖スペクトルは特徴的ではない。栄養菌糸体は断
片化しない。気中菌糸体は胞子の長い糸を形成する。
上記で引用した参照本によると、A92-308110 株は新しいストレプトマイセス
である。A92-308110 は種々の有機および無機培地で生育し、ほとんどの場合気
中菌糸体を形成する。初期の基質の菌糸体は菌糸として生育し、一般的に灰色が
かった茶色である。気中菌糸体の色は灰色系列の4番であり、この菌糸体はらせ
ん型bに属する胞子の長い鎖を形成する。
ストレプトマイセス属A92-308110 の通常の生物学的培地で生育する能力、そ
の炭素利用およびその生理学的特徴を以下の表に示す。
表1.種々の生物学的培地での生育 培養培地
培養物の特徴
酵母抽出物/ 生育:良好
麦芽寒天 基質菌糸体:茶色
気中菌糸体:灰色がかった茶色
可溶性色素:なし
オートミール寒天 生育:良好
基質菌糸体:濃い茶色
気中菌糸体:灰色がかった茶色
可溶性色素:茶色
グルコース-アスパラギン 生育:中程度
基質菌糸体:茶色
気中菌糸体:灰色がかった茶色
可溶性色素:なし
無機塩/ 生育:中程度
デンプン寒天 基質菌糸体:灰色
気中菌糸体:灰色がかった茶色
可溶性色素:なし
ショ糖/ 生育:非常に悪い
デンプン寒天 基質菌糸体:やや白い
気中菌糸体:貧弱な灰色がかった茶色
可溶性色素:なし
グリセロール/ 生育:中程度
デンプン寒天 基質菌糸体:茶色
気中菌糸体:灰色がかった茶色
可溶性色素:なし
栄養寒天 生育:中程度
デンプン寒天 基質菌糸体:ベージュ色
気中菌糸体:なし
可溶性色素:茶色
表2:炭素利用
中程度または良好: グルコース、フルクトース、アラビノース、
キシロース、マンノース
貧弱: ラムノース、スクロース、ラフィノース、
セルロース、サリシン
陰性 m-イノシトール
表3:生理学的特徴
窒素還元: 陽性
デンプン加水分解 無機塩−デンプン寒天では中程度
オートミール寒天では陰性
チロシン分解 陰性
乳ぺプトン化: 陽性
メラニン形成: 陽性
生育温度:18-37℃
13℃では非常に生育が貧弱である。
45℃では生育しない。
pH範囲: pH5 および 7 では豊富に生育、
pH9 では良好に生育
NaCl抵抗性: 6%まで、しかし 2%の濃度ですでに生育が減
少
サングリフェリンA、B、CおよびDを含む本発明のマクロライドは、適当な
培養培地上で、ストレプトマイセス属A92-308110 または突然変異株、組換え株
またはその修飾株を培養することにより産生し得る。本発明を説明するための実
施例1には、ストレプトマイセス属A92-308110 の培養法が記載されている。
このように、別の態様において本発明は:
a)本発明のマクロライドを産生し得るストレプトマイセス属A92-308110(D
SM 9954)または突然変異株、組換え株またはその修飾株の生物学的に純粋な
単離株、および
b)適当な培養培地上で、ストレプトマイセス属A92-308110(DSM 9954)ま
たは突然変異株、組換え株またはその修飾株を培養し、所望によりサングリフェ
リンを取得することを含む、本発明のマクロライドの産生法を含む。
サングリフェリンA、B、CおよびDのような式IXで示される化合物およびそ
の医薬的に許容可能な塩といった本発明に記載のマクロライド(以後、本発明の
薬剤とよぶ)は、例えば以下のような組み合わされた活性といったサングリフェ
リンに特徴的な活性を示す:
−シクロフィリン結合活性を有する;
−免疫抑制活性を有する;
−B細胞およびT細胞両方の増殖を阻害する;
−しかしFK結合タンパク質結合活性はもたない;および
−カルシニューリン活性を阻害しない。
これらの活性およびこれらの活性を測定するためのアッセイは後で詳細に記載
する。例えばサングリフェリンA〜Dなどの式IXといった本発明のマクロライド
の生物学的活性は、以下のようにインビトロおよびインビボの試験法で実証され
得る。
1.羊赤血球細胞に対する一次体液性免疫応答(MD、Mishell-Dutton)
マウス脾臓細胞(OF1、雌、8-10 週、1×107)を羊赤血球(SRBC、3×107)
と共に 3 日間、1ml の最終用量で 24 穴プレート中で培養する。リンパ球を採
取し、洗浄し、新鮮な抗原(SRBC)と共に軟寒天上で1×106細胞の濃度で培養
する。補体(モルモット血清)を 60-90 分間インキュベートした後に加え、さ
らに 60 分間続け、その後、プラーク数を計測(顕微鏡)することにより評価す
る。3 日間のインキュベートの間、リンパ球は抗原(SRBC)に対して感受性を有
する。再び抗原と共にインキュベートしたところ、Bリンパ球は分泌リンパ球の
近くで抗原と結合する特異的抗体を分泌する。補体を加えると、プラークを産生
する抗体被膜赤血球の溶解が引き起こされる。各プラークは単一の抗体産生細胞
を示す。
プラーク形成の阻害により医薬的用途が示唆される。例えばサングリフェリン
A〜Dのような本発明の化合物は、このアッセイにおいて約?から約?nMの濃
度で活性がある。
引用文献:
R.I.Mishell & R.W.Dutton(1966)インビトロにおける正常マウス脾臓細胞懸濁
液の免疫法 Science 153:1004-1006
R.I.Mishell & R.W.Dutton(1967)正常マウスの分離脾臓細胞培養物の免疫法 J
.Exp.Med.126:423-442
2.同種刺激に対するリンパ球の増殖応答 2種類のMLR(ネズミ混合リンパ球反応):
Balb/cマウス(雌、8-10 週)の脾臓細胞(2×105)を 4 日間、CBAマウス
(雌、8-10週)の 2×105個の脾臓細胞と共にインキュベートする。同種細胞は
応答側の脾臓細胞集団における増殖応答を誘導し、これは標識された前駆体のD
NAへの取り込みにより測定する。例えばサングリフェリンA、B、CおよびD
などの式IXで示される化合物およびその医薬的に許容可能な塩といった本発明の
マクロライドは、本アッセイで試験した場合にシクロスポリンAに対する約 20n
MのIC50と比較して約 30から約 200nMまでの範囲のIC50を有する。
引用文献:
T.Meo(1979)The MLR in the mouse.『免疫学的方法』、L.Lefkovits and B.Pe
rnis編、Academic Press、N.Y.227-239ページ
3.LPS刺激ネズミB細胞
CBAマウスの脾臓細胞(2×105)を 48 時間、50μg/mlLPSおよび試験化
合物と共にインキュベートする。増殖は標識前駆体のDNAへの取り込みにより
測定する。例えばサングリフェリンA、B、CおよびDなどの式IXで示される化
合物およびその医薬的に許容可能な塩といった本発明のマクロライドは、B細胞
増殖を阻害し、約 40 から約 100μMまでの範囲のIC50を有する。
引用文献:
Greaves,M.および J.Janossy、1972、細胞表面結合リガンドによる選択的Tおよ
びBリンパ球応答の顕現、Transplant Rev.、11:87
Janossy,G.およびM.F.Greaves、1971、リンパ球活性化、I、TおよびBリンパ
球のフィトマイトジェンに対する応答、Clin.Exp.Immunol.9:483-498
4.THP1細胞系を用いたインビトロでの細胞毒性および細胞増殖抑制活性
細胞毒性をヒト単球性細胞系THP1(5×104細胞/穴)を用いて評価し、こ
れはIFNγ(100U/ml)およびLPS(5μg/ml)と試験化合物(10μMまで)
の存在下で 24〜72 時間 37℃でインキュベートする。生細胞を比色定量的解読
MTTを用いて定量し、生細胞中のミトコンドリアのデヒドロゲナーゼ酵素活性
を測定する(Mossman 1983)。例えばサングリフェリンA、B、CおよびDなど
の式IXで示される化合物およびその医薬的に許容可能な塩といった本発明のマク
ロライドは、本アッセイにおいて 24 時間のインキュベート後、約 1000-5000n
MのIC50を有する。
Mossman T.J.(1983)、細胞成長および生存の急速な比色定量的アッセイ:増
殖および細胞毒性アッセイへの応用、J.Imm.Method、65、55-63
5.ヒト末梢血単核細胞によるTNF放出
単核細胞を Hansell 等の方法(1991)に従ってフィコール−ハイパック(Fic
oll-Hypaque)濃度分離器を用いて健康なボランティアの末梢血から調製する。
細胞(容量にして 200μlRPMI 10%FCS中で 105細胞/穴)を刺激を加え
る前に 37℃で 30 分間、試験化合物の連続希釈液と共にインキュベートする。
インターフェロンγ(100U/ml)およびLPS(5μg/ml)を末梢血単核細胞によ
る腫瘍壊死因子(TNF)α放出を誘導するための刺激として使用する。3 時間
インキュベートした後、細胞を遠心(1200rpm で 10 分間)にかけ、上清を回収
する。細胞上清に存在するTNFの量は商業的に入手可能な酵素結合免疫吸着物
アッセイ・キットを用いて測定する。例えばサングリフェリンA、B、Cおよび
Dなどの式IXで示される化合物およびその医薬的に許容可能な塩といった本発明
のマクロライドは、本アッセイにおいて試験した場合に約 200nm〜約1000nmの範
囲のIC50をもつ。
6.シクロフィリン結合アッセイ
適当なシクロフィリン結合アッセイは、Eur.J.Immunol.1987 17 1359-1365 で
Quesniaux により記載された競合的ELISA試験である。この試験において
、試験する化合物を被膜BSA−シクロスポリンAと共にシクロフィリン(ヒト
組換えシクロフィリンA)をインキュベートする間に加え、次いで、競合物なし
で対照反応を 50%阻害するのに必要な濃度(IC50)を計算する。別のアッセ
イはBiochemistry(1994)、33、8218-8224 で Schneider 等により記載された
競合的結合試験であり、これは被膜BSA−シクロスポリンAと共にビオチニル
化シクロフィリン(ヒト組換えシクロフィリンA)をインキュベートする間に試
験化合物を加えることを含む。試験化合物の存在下および非存在下におけるビオ
チニル化シクロフィリン結合の量は、ストレプトアビジン結合アルカリ性ホスフ
ァターゼと共にインキュベートすることにより測定する。例えばサングリフェリ
ンA、B、CおよびDなどの式IXで示される化合物のような本発明のマクロライ
ドは、これらのアッセイで試験した場合にシクロスポリンAに対する約 80nMの
IC50と比較して約 10〜約 100nMの範囲のIC50をもつ。
さらにサングリフェリンの生物学的活性の実証に使用し得るインビトロアッセ
イはIL-2 レポーター遺伝子アッセイおよびConA-刺激脾臓細胞アッセイ(
T細胞活性化の効果を指示する)である。
例えばサングリフェリンA、B、CおよびDなどの式IXで示される化合物のよ
うな本発明のマクロライドは、活性を標準的な試験で試験した場合に、FK結合
タンパク質結合活性をもたず、カルシニューリン活性を阻害しない。
7.ラットにおける局在性移植片−対−宿主(GvH)反応
[Ford et.al.TRANSPL.PROC.10(1979)258]
6 週の雌 Wistar/Furth(WF)ラットの脾臓細胞(1×107)に、約 100g の体
重の雌(F344×WF)F1ラットの左後手に 0 日目に皮下注射する。動物を連続
して 4 日間処理し、膝窩リンパ節を除去し 7 日目に体重を測定する。2 つのリ
ンパ節の体重差を反応を評価するためのパラメーターとする。
上記の試験におけるGvH反応の阻害は医薬用途を示唆する。例えばサングリ
フェリンA、B、CおよびDなどの式IXで示される化合物およびその医薬的に許
容可能な塩のような本発明のマクロライドもまた、約 1mg/ml(皮下投与)の用
量で投与した場合に約 30%までGvH反応を阻害することが可能である。
8.SRBC−TH細胞により誘導されるDTH
TH(活性化された羊赤血球)細胞クローン(2×106)および 10%羊赤血球細
胞(SRBC)懸濁液の1:1(v/v)混合物 15μlを雌C57 BL/6 マウス(6
-12 週)の右後方足に皮下注射する。SRBC細胞懸濁液(PBSで1:1 v/v
に希釈する)50μl を左後方足に皮下注射する(注射方法による、足増大の特異
的増加を測定するため)。右および左の足の厚さを 24 時間後に測定する。
左の足(z)に比較した右の足の厚さの増加パーセンテージを計測する。右の足
の厚さ=x;左の足の厚さ=y;特異的増加%=zである。
z=((x-y)/y).100
例えばサングリフェリンA、B、CおよびDなどの式IXで示される化合物およ
びその医薬的に許容可能な塩のような本発明のマクロライドは 5mg/kg(皮下投
与)の用量で約 50%までDTHマウスの増大を減少させる。
引用文献:
A.T.J.Bianchi、H.Hooijkaas、R.Brenner、R.Tees、AA.Nordin & M.H.Schreier
(1981)ヘルパーT細胞のクローンは抗原特異的、H-2 限定DTHを仲介する
Nature 290:62-63
P.Herrmann、M.H.Schreier、J.-F.Borel & C.Feurer(1988)クローン・ヘルパ
ーT細胞により誘導された遅延型過敏症の効果相における主要な事としての肥満
細胞脱顆粒Int.Archs Allergy appl.Immun.86:102-105
9.ラット/マウス心臓同種移植
本発明のマクロライドのインビボ効力は、皮下投与用の Alzet 浸透性ミニポ
ンプを用いて、ラットおよびマウスの心臓同種移植片で評価する。マウスの心臓
同種移植(BALB/c からC3H)において、例えばサングリフェリンA、B、Cお
よびDなどの式IXで示される化合物およびその医薬的に許容可能な塩のような本
発明のマクロライドは 30mg/kg/日の用量で移植片の生存を延長する。ラット心
臓における、例えばサングリフェリンA、B、CおよびDなどの式IXで示される
化合物およびその医薬的に許容可能な塩のような本発明のマクロライドと組み合
わせたシクロスポリンAの最適下限の用量での同種移植(DA からルイス)処置
により、下記の表に例示したように移植片の生存を延長する。
本発明の薬剤は例えば免疫抑制剤並びに抗炎症剤などの医薬品として有用であ
る。
それらは特に、例えば心臓、肺、組み合わされた心臓−肺、肝臓、腎臓、膵臓
、皮膚または角膜移植の被移植者の治療といった、急性および/または慢性器官
または組織同種および異種移植片拒絶の阻止に有用である。それらはまた例えば
下記の骨髄移植片などの、移植片−対−宿主の疾病の阻止に適用される。
本発明の薬剤はまた、自己免疫疾患および炎症症状の治療、特に例えば関節炎
(例えば慢性関節リウマチ、関節炎および変形性関節炎)およびリウマチ疾患な
どの自己免疫要素を含む病因を有する炎症の症状の治療に有用である。本発明の
薬剤を使用し得る特定の自己免疫疾患は、自己免疫血液学的疾患(例えば溶血性
貧血、再生不良性貧血、純粋赤血球貧血および特発性血小板減少症などを含む)
、全身性エリマトーデス、多発性軟骨炎、硬化症、ウェゲナー内芽腫症、真菌性
皮膚疾患、慢性活動肝炎、重症筋無力症、乾癬、スチーブン−ジョンソン症候群
、特発性スプレー、自己免疫炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎およびクローン
病などを含む)、内分泌性眼障害、グレーブス病、サルコイドーシス、多発性硬
化症、原発性胆汁性肝硬変、若年性糖尿病(I型糖尿病)、ぶどう膜炎(前後)
、乾性角結膜炎および春季および/またはアレルギー性角結膜炎、間質性肺繊維
症、乾癬性関節炎、腎炎(例えば特発性ネフローゼ症候群または微小変化腎症を
含むネフローゼ症候群を有するおよび有さない)および喘息を含む。
これらおよび他の用途のために、本発明の薬剤は単独でまたはシクロスポリン
、ラパマイシン、FK506およびステロイドなどの他の免疫抑制剤または抗炎症
剤と共に投与し得る。
上記の適用のために、例えば治療する対象、投与形態および治療する症状の性
質および重症度により至適用量、および選択する薬剤は必然的に変化し得る。し
かしながら、一般的に、動物における満足のいく結果は1日量にして約 0.01〜1
0mg/kg/日(経口投与)で得られる。例えばヒトなどの大型の動物では、指示さ
れる1日量は経口的に1日に1回またはより適当には1日に2〜4回分割して投
与するサングリフェリン約 0.5〜約 500 の範囲内である。
ヒトにおける器官移植では、本発明の薬剤の化合物の経口用量は 0.1〜100、
好ましくは 0.3〜30、より好ましくは 0.5〜10mg/kgである。本発明の薬剤を他
の免疫抑制剤(例えば 2重、3 重または 4 重薬物療法として、コルチコステロ
イドまたはシクロスポリンまたはラパマイシン類の化合物と共に)と共に投与す
る場合、より低い用量(例えば0.1mg/kg/日(静脈内投与);3mg/kg/日(始めに
経口投与))を使用し得る。特に本発明の薬剤は、部分的または完全にステロイ
ドを置換する目的で、例えばシクロスポリンA、ラパマイシンまたはFK506 な
どの他の非ステロイド系免疫抑制剤と共に投与し得る。
本発明の薬剤はあらゆる慣用的経路で、特に例えばドリンク剤、錠剤またはカ
プセル剤の形といった経口的などの経腸的に、または例えば注射可能な溶液また
は懸濁液などの経皮的に投与し得る。通常全身投与には経口用量形が好ましいが
、例えば肝移植の拒絶の予防などのある状態においては、静脈内注射が望ましい
。化合物はまた、例えば皮膚クリームまたはゲルまたはそのような調製物の形と
いった局所的または皮膚投与し得、または眼への適用には眼用クリーム、ゲルま
たは目薬の形で投与し得る。経口投与の適当な薬用形は例えば1服当たり 0.5〜1
00mg の化合物を含む。
前述に従って、本発明はまた別の一連の態様で以下を提供する:
A.治療を必要とする対象に免疫抑制効果を引き起こす方法であり、この方法は
該対象に本発明の薬剤の有効量を投与することを含む。
B.治療を必要とする対象における以下の方法であり、この方法は該対象に本発
明の薬剤の有効量を投与することを含む:
1)例えば上記のあらゆる特定の型の器官移植の受容者の治療のための、急性お
よび/または慢性器官同種または異種移植片拒絶を阻止する方法;または
2)例えば骨髄移植の受容者における、移植片−対−宿主疾患の阻止の方法;ま
たは
3)自己免疫疾患の治療または上記のあらゆる疾患または症状の治療の方法;ま
たは
4)喘息の治療の方法。
C.例えば免疫抑制剤として使用する、または上記Bに記載のあらゆる疾患また
は症状の治療のための医薬品として使用する本発明の薬剤。
D.医薬的に許容可能な希釈剤または担体と組合せた本発明の薬剤を含む医薬組
成物。
E.免疫抑制剤として使用する医薬品の製造用、または上記Bに記載のあらゆる
疾患または症状の治療に使用する本発明の薬剤の使用。
加えてシクロフィリン結合活性を有する本発明のマクロライドは、例えば我々
の特許出願中のWO95/07468 に記載のアッセイ方法に使用するなどのシクロス
ポリンおよび他のシクロフィリン結合化合物の置換イムノアッセイにおける試薬
として有用であり得る。本特許出願は血中における例えばシクロスポリンなどの
イムノフィリン−結合医薬品の濃度を測定するためのアッセイ方法に関するもの
であり;この方法は血中において免疫抑制−イムノフィリン複合体から医薬品に
置換する結合競合物を加えることを含み;結合競合物には有意に結合しないが医
薬品に結合するレセプターを加え;サンプルからレセプター−医薬品複合体を分
離し;医薬品の量を測定することを含む。サングリフェリンは、シクロフィリン
からシクロスポリンに置換し、例えばシクロスポリンに特異的なモノクローナル
抗体により定量用のためにシクロスポリンを解離するなどのアッセイにおいて結
合競合物として使用し得る。
本発明は、さらに随伴する図を説明する以下の実施例を、説明のために記載す
る:
この中で図1はサングリフェリンBの化合物の質量スペクトルを示し;
図2はサングリフェリンAの化合物の質量スペクトルを示し;
図3はサングリフェリンDの化合物の質量スペクトルを示し;
図4はサングリフェリンCの化合物の質量スペクトルを示し;
図5はサングリフェリンBの化合物のIRスペクトルを示し;
図6はサングリフェリンAの化合物のIRスペクトルを示し;
図7はサングリフェリンDの化合物のIRスペクトルを示し;
図8はサングリフェリンCの化合物のIRスペクトルを示し;
図9はサングリフェリンAの化合物のNMRスペクトルを示し;
図10はサングリフェリンDの化合物のNMRスペクトルを示し;
図11はサングリフェリンBの化合物のNMRスペクトルを示し;および
図12はサングリフェリンCの化合物のNMRスペクトルを示す。
実施例 培養条件
ストレプトマイセス属A92-308110は、好気性または液侵培養方法を用いて、
適当な栄養物およびミネラル成分を用いた種々の培養培地で、適当な温度下で培
養し得る。発酵培地は、典型的には利用可能な炭素源、窒素源および微量元素を
含むミネラル塩を含み、その全ては良く定義された生産物の形または例えば種々
の起源の生物学的生成物においてみられる複合体混合物として加え得る。
実施例1は式Iの化合物が得られた元の条件を記載する。培養条件(酸素供給
、温度、pH、炭素および窒素源の質、ミネラル塩および微量元素の量)の最適
化およびバイオリアクターにおける発酵条件の最適化への制御により収率が改善
し得る。実施例1株A92-308110の培養 a.寒天出発培養
株A92-308110の寒天斜面培養は、以下の寒天培地で27℃で10〜14日間生
育させる:
グルコース 10.0g
可溶性デンプン 20.0g
酵母抽出物 5.0g
(Gistex、Gist Brocades)
NZ-アミン、A型(Sheffield) 5.0g
炭酸カルシウム 1.0g
寒天(Bacto) 15.0g
脱ミネラル水で1000mlに調節する。
培地はNaOH/H2SO4でpH6.6−6.8に調節し、次いで20分間12
1℃で滅菌する。
培養物は−25〜70℃で貯蔵し得る。グリセロール−ペプトンの懸濁液は液
体窒素の下で貯蔵できる。b.前培養
10個の出発培養物の胞子および菌糸体を0.9%塩溶液100mlに懸濁する
。各々11の前培養培地を含有する2つの21エーレンマイヤー・フラスコに、
各
々懸濁液50mlを接種する。前培養培地の組成物は以下の通りである:
グルコース(techn) 7.50g
グリセリン 7.50g
酵母抽出物(BBL) 1.35g
麦芽抽出液(Wander) 7.50g
可溶性デンプン 7.50g
NZ-アミン、A型(Sheffield) 2.50g
大豆タンパク質 2.50g
L(−)アスパラギン 1.00g
CaCO3 0.050g
NaCl 0.050g
KH2PO4 0.250g
K2HPO4 0.500g
MgSO4・7H2O 0.100g
微量元素溶液A 1ml
寒天(Bacto) 1g
脱ミネラル水で1000mlに調節する。
培地はNaOH/H2SO4でpH6.8−7.2に調節し、次いで20分間12
1℃で滅菌する。
微量元素溶液Aの組成物は以下の通りである:
FeSO4・7H2O 5.0g
ZnSO4・7H2O 4.0g
MnCl2・4H2O 2.0g
CuSO4・5H2O 0.2g
CoCl2・6H2O 2.0g
H3BO3 0.1g
KI 0.05g
H2SO4(95%) 1ml
脱イオン水で1000mlに調節する。
前培養は50mmの偏心で200rpmのロータリー・シェーカーで24時間、2
7℃で発酵させる。c.始めの中間培養
各々前培養培地501を含有する2つの751バイオリアクターに、前培養物各
々11を接種し、96時間、27℃で発酵させる。発酵器を150rpmで回転さ
せる。空気を培地11、1分間当たり0.51の速度で導入する。d.2番目の中間体培養
各々前培養培地を5001含有する2つの7501発酵容器に前培養物11を
接種する。2番目の中間体培養物を70時間、27℃でインキュベートする。発
酵器を100rpmで回転させ、空気を培地11、1分間当たり0.81の速度で導
入する。e.主要培養
主要培地を3'0001含有する2つの5'0001バイオリアクターを、それ
ぞれ2番目の中間培養物250および3001と共に接種する。主要培養物を9
6時間24℃で接種する。バイオリアクターを45rpmで回転させ、空気を培地
11、1分間当たり0.51の速度で導入する。
主要培養培地の組成物は以下の通りである:
グルコース(techn) 20g
麦芽抽出液体(Wander) 2g
酵母抽出物(Bacto) 2g
ソイトン(Bacto) 2g
KH2PO4 0.2g
K2HPO4 0.4g
MgSO4・7H2O 0.2g
NaCl 0.05g
CaCl2・6H2O 0.05g
微量元素溶液B 1ml
寒天(Bacto) 1g
脱ミネラル水で1000mlに調節する。
培地はKOH/HClでpH6.3に調節する。培地は20分間121℃で滅
菌する。
微量元素溶液Bの組成物は以下の通りである:
FeSO4 5.0g
ZnSO4・7H2O 4.0g
MnCl2・4H2O 2.0g
CuSO4・5H2O 0.2g
(NH4)6MO7O24 0.2g
CoCl2・6H2O 1.0g
H3BO3 0.1g
KI 0.05g
H2SO4(95%) 1ml
脱イオン水で1000mlに調節する。
主要培養物の最適培養培地は以下の通りである:
大豆粉 20.0g
グリセロール 40.0g
MES 0.1M
脱ミネラル水で1000ml、pH6.8に調節する。実施例2−ストレプトマイセス属A92-308110からのサングリフェリンA、B、 CおよびDの単離
4つの新規CBA活性代謝物の初めての単離および特徴付けが、活性誘導分別
およびHPLCおよび薄層クロマトグラフィー解析により、2つの30001の
タンクの発酵物からなされた。上記のCBA(シクロフィリン結合アッセイ)を生
物学的活性の試験のために使用した。
2つの30001の発酵物を別々に取り扱う。各発酵物15001を20時間
、40001ステンレス鋼容器中で20001酢酸エチルと共に撹拌する。有機
層
の分離はWestfalia-Separator typ SA-20で行う。酢酸エチル抽出物を水801
で2回洗浄し、減圧下で留去乾燥すると1.64および2kg抽出物が得られる。
2つの粗抽出物をメタノール/水401およびヘキサン401で3段階の抽出に
より脱脂する。減圧下での留去乾燥により1.34kgの抽出物が得られる。
脱脂抽出物をメタノール溶液中セファデックスH 10kgのカラムで2回(67
0g)、クロマトグラフィーする。各回をカラムに加える時に、メタノール3.3
1に溶解する。画分1として初めの151の溶出液を回収した後、21の画分を
回収することによりクロマトグラフィーを続ける。最も活性のある画分は2、3
および4であり、よって合わせると146gが得られる。このサンプルをさらに
メチル−tert−ブチル−エーテル(MTBE)、MTBE/5%メタノールおよび
MTBE/10%メタノールでシリカゲルメルク0.04−0063mm 1kgでさ
らにクロマトグラフィーする。21の画分を回収する。5〜9の画分は最も活性
があり、合わせるとサンプル43.8gが得られる。このサンプルをさらに、ヘ
キサン/アセトン7:3からアセトンの勾配でシリカゲル(Merck)0.04−0.
063mm 1kgのカラムで分離する。このクロマトグラフィーから、画分6(7.
0g)をさらにメタノール/水 94:6(画分4−7 2.16g)、Lichroprep
RP 18(Merck)3kg のカラム、次いで塩化メチレンおよび3%メタノール(7
33mg)でシリカゲルH 100gのカラム、メタノール/水 9:1(621mg)
で Lichroprep RP18 3kgのカラム、次いでアセトニトリル/水1:1でLic
hroprep RP18 100gのカラムで分離すると純粋なサングリフェリンA(mp
142−145℃(無定形)、(α)D25=−67.30(c=0−988、メタノー
ル))324mgが得られる。
ヘキサン/アセトンカラムからの画分5および7を合わせ(7.1g)、さらに
メタノール/水9:1(769mg)でLichroprep RP18 40−63μm 3kgの
カラム、MTBE3%メタノール(309mg)でシリカゲルH 100gのカラム
、最後に塩化メチレンおよび3%メタノールでシリカゲルH 100gで精製す
ると、純粋なサングリフェリンB(mp 117−121℃(無定形)、(α)D25=
−52.80(c=1−128、メタノール中))90mgが得られる。
Lichroprep RP18 3kgのメタノール/水94:6でのクロマトグラムの画
分9および10(2.147g)を、塩化メチレン/5%メタノール(800mg)で
シリカゲルH 100gおよび最後にメタノール/水9:1でLichroprep RP
183kgで精製するとサングリフェリンC(mp 165−170℃、(α)D25=
−35.60(c=0−736、メタノール中))480mgが得られる。
Lichroprep RP18 3kg のメタノール/水94:6でのクロマトグラムの画
分11および12(835mg)を、MTBE/5%メタノールでシリカゲルH 1
00gで精製するとサングリフェリンD(mp 137−142℃、無定形)140
mgが得られる。
サングリフェリンA、B、CおよびDは次いで、UV、IR、マスおよびNM
R分光計により特徴付けをする。得られた結果は下記の表4および添付の図面に
示す。
表4 サングリフェリンA
分子式:C60H91N5O13(1090.4)
UV(MeOH):275(1962)、242(54500)、197(75755)
H+:275(1635)、242(51884)、
OH-:292(1973)、242(60495)
IRスペクトル:図6
マススペクトル:FAB 1096[MH+Li]+:図2
NMRスペクトル:図9サングリフェリンB
分子式:C60H89N5O12(1072.4)
UV(MeOH):273(4395)、242(50600)、197(78577)
IRスペクトル:図5
マススペクトル:FAB 1098[MH+Li]+:図1
NMRスペクトル:図11サングリフェリンC
分子式:C61H93N5O13(1104.4)
UV(MeOH):275(1876)、242(51557)、197(72463)
H+:275(1391)、242(50120)、
OH-:292(1832)、242(57960)
IRスペクトル:図8
マススペクトル:FAB 1110[MH+Li]+:図4
NMRスペクトル:図12サングリフェリンD
分子式:C61H91N5O12(1086.4)
UV(MeOH):273(3194)、242(47584)、197(73766)
H+:273(3237)、242(46389)
OH-:285(2600)、242(52907)
IRスペクトル:図7
マススペクトル:FAB 1092[MH+Li]+:図3
NMRスペクトル:図10
サングリフェリンA実施例3−サングリフェリンAからサングリフェリンCへの形質転換
メタノール0.5mL中のサングリフェリンA20mg(18.3μmol)の撹拌し、
冷却(0℃)した溶液に、パラトルエンスルホン酸−水和物の結晶一つを添加する
。得られる黄色溶液を1時間撹拌し、反応を飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液で
停止させる。得られる混合物を2回酢酸エチルで抽出する。有機溶液を2回飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮する。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(95:5メチル−tert−ブチルエ
ーテル:メタノール)で精製し、サングリフェリンCを白色無定形粉末として得
る。後者は、サングリフェリCおよびそのC53エピマーの4:1混合物であり
、サングリフェリは下記のような(S)立体配置を有する(R=Me)。
ジアステレオマーの4:1混合物
別法として、この形質転換は、メタノール中の他のプロトン性酸(パラトルエ
ンスルホン酸ピリジニウム、塩酸またはスルホン酸)またはルイス酸(塩化亜鉛、
臭化または塩化マグネシウム、チタンテトライソプロポキシドまたは三フッ化ホ
ウ素)を使用して行うことができる。エタノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコールのような
アルコール性溶媒または共溶媒の使用は、上記のRがそれぞれエチル、イソプロ
ピル、ブチル、アリル、プロパルギル、ベンジルであるアナログを、同様の方法
で導く。
上記と同様にして、サングリフェリンBをサングリフェリンDに変換できる。実施例4−サングリフェリンCからサングリフェリンAへの形質転換
4:1 THF−水5mL中のサングリフェリンC550mg(0.50mmol)の溶
液を、2N水性硫酸0.5mLで処理し、1.5時間撹拌する。反応を飽和水性炭
酸水素ナトリウムで停止し、2回酢酸エチルで抽出する。有機溶液を飽和水性炭
酸水素ナトリウム溶液および2回飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥させ、濾過して減圧下濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(90:10メチル−tert−ブチルエーテル:メタノール)で精製し、白色無定形
粉末としてサングリフェリンAを得る。
他の無機または有機酸を、水および所望により有機共溶媒を含む媒体中で使用
できる。適当な酸は、塩酸、パラトルエンスルホン酸または他のスルホン酸、パ
ラトルエンスルホン酸ピリジニウム、酢酸、トリフルオロ酢酸ギ酸を含む。適当
な有機共溶媒は、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフオキ
シド、ジオキサンである。
これらの反応は、とりわけ反応時間に依存して、種々の量の式XVの化合物の形
成を伴う(化合物XVを導く良好な方法は下記実施例5参照)。別法として、サング
リフェリンDをサングリフェリンBに形質転換できる。実施例5−サングリフェリンAから式XVの化合物への形質転換
アセトニトリル1.9mL中のサングリフェリンA50mg(46μmol)の撹拌し
、冷却(0℃)した溶液に、フッ化水素−ピリジン0.1mlを添加する。得られる
黄色溶液を1時間撹拌し、反応を飽和水性炭酸水素ナトリウムで停止させる。得
られた混合物を2回酢酸エチルで抽出する。有機溶液を2回飽和食塩水で洗浄し
、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(95:5メチル−tert−ブチルエーテル:メタノ
ール)で精製し、白色無定形粉末として式XVの化合物を得る。
サングリフェリンBを、同様の方法で、式XVIの化合物に形質転換できる。こ
れらの物質は、C53の単一エピマーとして存在するが、完全な立体配置は、明
確には決定していない。
式XV:MZ m/z 1078[M+Li]+(相対強度100):1H NMR(DMS
O)(特徴的シグナルのみ記載)δ0.40(3H,d,H−50),1.20(3H,s,
H−54),1.69(3H,s,H−49),4.20(1H,t,H−15),4.58(1
H,dd,H−17),5.19(1H,dd,H−18),5.28(1H,dd,H−23),5.
62(1H,m,H−21),5.67(1H,m,H−27),5.99(1H,d,H−2
5),6.03(1H,dd,H−19),6.14(1H,dd,H−20),6.22(1H,dd,
H−26)。実施例6−式XVの化合物からサングリフェリンAへの形質転換
4:1 THF−水0.5mL中の式XVの化合物54mg(50μmol)の撹拌した
溶液に、2N水性硫酸50μlを添加する。得られる溶液を環境温度で12時間
撹拌し、反応を飽和水性炭酸水素ナトリウムで停止させる。この混合物を2回酢
酸エチルで抽出する。合わせた有機溶液を飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液およ
び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して減圧下濃縮する。
残渣のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(90:10メチル−tert−ブチル
エーテル:メタノール)により、サングリフェリンAが白色無定形結晶として得
られる。
同様にして、式XVIの化合物を、サングリフェリンBに形質転換できる。
実施例3から6に記載の方法を、選択的分子内保護−脱保護連鎖として使用で
きる。従って、実施例5に記載の反応により、15位のヒドロキシルを、選択的
に保護でき、残った遊離ヒドロキシルの選択的な操作が可能となる。実施例5の
方法は、15および17位の両方のヒドロキシルの選択的保護を可能にする。両
方の方法は、C53ケトンの分子内保護としてまた使用できる。ヒドロキシルお
よびケトンは、実施例4および6に記載の反応により再生できる。サングリフェ
リンCおよびDならびに式XVおよびXVIの化合物は、従って、更なるサングリフ
ェリンの製造のための重要な中間体である。実施例7−16−デヒドロ−17−デヒドロキシ−サングリフェリンA(式XVII) の製造
4:1 アセトニトリル−水1mL中の式XVの化合物54mg(50μmol)および
パラトルエンスルホン酸一水和物の結晶を、80℃で1.5時間加熱する。反応
を飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液で停止させる。得られる混合物を2回酢酸エ
チルで抽出する。有機相を飽和水性炭酸ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(90:10メチル−tert−ブチルエーテル:メタノール)、続く逆
層クロマトグラフィー(RP18、45分にわたり、50:50アセトニトリル
−水からアセトニトリル)で精製して、白色無定形固体として純粋標題化合物を
得る。
MS m/z 1078[M+Li]+(相対強度100);1H NMR(DMSO)(特
徴的シグナルのみ記載)δ1.58(3H,s,H−50),1.71(3H,s,H−4
9),2.08(3H,s,H−54),4.03(2H,d,H−15およびC31−OH
),5.57(2H,m,H−21およびC35−OH),5.72(1H,dt,H−27),
5.96(1H,d,C15−OH),6.03(1H,d,H−25),6.09−6.28
(4H,m,H−18,H−19,H−20およびH−26),6.37(1H,d,H−
17)。実施例8−42−N−メチル−サングリフェリンA(式XVIII)の製造
塩化メチレン1mL中のサングリフェリンA109mg(0.1mmol)および2,6
−ジ−tert-ブチルピリジン67μL(0.3mmol)の撹拌し、冷却した(−15℃)
溶液に、メチルトリフラート16.5μLを添加する。混合物を室温に暖め、撹
拌を6時間続け、その後反応を飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液の添加により停
止させる。得られる混合物を2回酢酸エチルで抽出する。有機相を食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮する。残渣を2回、連続した
シリカゲルクロマトグラフィー(90:10メチル−tert−ブチルエーテル:メ
タノール、次いで95:5メチル−tert−ブチルエーテル:メタノール)で精製
し、白色無定形固体として純粋標題化合物を得る。
MS m/z 1110[M+Li]+(相対強度100);1H NMR(DMSO)(
特徴的シグナルのみ記載)δ1.70(3H,s,H−49)、2.06(3H,s,H−
54),3.53(3H,s,42 N−Me),3.98(1H,d,C31−OH),4.
50(1H,d,H−65),4.77(1H,d,C17−OH),5.43(1H,d,C
15−OH),5.49(1H,d,C35−OH),7.50(1H,d,H−12),8.
11(1H,d,H−9),9.22(1H,s,C61−OH)。実施例9−53−ジヒドロサングリフェリンA(式XIX)の製造
メタノール0.5mL中のサングリフェリンA54mg(50μmol)の撹拌し、冷
却(0℃)した溶液に、水素化ホウ素ナトリウム2.8mg(75μmol)を添加する。
撹拌を1時間続け、飽和水性炭酸水素ナトリウムを添加する。混合物を2回酢酸
エチルで抽出する。有機溶液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ
、濾過して濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(95:5メチル−t
ert−ブチルエーテル:メタノール、続いて90:10メチル−tert−ブチルエ
ーテル:メタノール)で精製し、白色無定形固体として純粋標題化合物を得る。
単離生産物はC−53でのジアステレオマーの約1:1の混合物に対応する。
MS m/z 1098[M+Li]+(相対強度63),1104[M+2Li−H]+(
相対強度100);1H NMR(DMSO)(特徴的シグナルのみ記載)δ0.62(
3H,d,H−50),1.02(3H,d,H−54),3.55および3.59(1H,2
m,H−53)。実施例10−53−トリスヒドラゾン−サングリフェリンA(式XX)の製造
塩化メチレン0.5mL中のサングリフェリンA55mg(50μmol)およびトシル
ヒドラジン23mg(125μmol)の混合物を、室温で、6時間撹拌する。溶媒を
除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(90:10メチル−tert−ブチ
ルエーテル:メタノール)で精製し、白色無定形固体として標題化合物を得る。
MS m/z 1264[M+Li]+(相対強度100);1H NMR(DMSO)(
特徴的シグナルのみ記載)δ1.70(3H,s,H−49),1.77(3H,s,H−
54),2.37(3H,s,−NSO2C6H4CH3),6.51(1H,s,H−60),6
.59(2H,2d,H−62およびH−64),7.06(1H,dd,H−63),7.3
5
(2H,d,トシルメタプロトン),7.73(2H,d,トシルパラプロトン)。実施例11−26S,27S−ジヒドロキシサングリフェリンA(式XXI)および2 6R,27R−ジヒドロキシサングリフェリンA(式XXII)の製造
t−ブタノール2.5mL中のカリウムフェリシアニド495mg(1.5mmol)、
炭酸カリウム207mg(1.5mmol)、(DHQ)2PHAL19.5mg(0.025mmo
l)、t−ブタノール中の0.08Mオスミウムテトロキシド65μl(0.005mm
ol)およびメチルスルホンアミド95mg(1mmol)および水5mLの撹拌し、冷却(
0℃)した溶液に、t−ブタノール2.5mL中のサングリフェリンA545mg(0
.5mmol)の溶液を添加する。得られた2相混合物を室温まで暖め、3時間撹拌す
る。次いで、亜硫酸ナトリウム1.08g(8.6mmol)、続いて酢酸エチルおよび
水を添加し、混合物を激しく15分間撹拌する。合わせた有機相を飽和水性炭酸
水素ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し
て濃縮する。残渣を逆層クロマトグラフィー(RP18、60分にわたり30:
70 アセトニトリル−水からアセトニトリル)で精製し、無定形粉末として2
6S,27S−ジオールを得る。
対応する26R,27Sジオールを、上記方法で、ただし(DHQ)2PHALの
代わりに(DHQD)2PHALを使用して得る。
26S,27S−ジオール:MS m/z 1130[M+Li]+(相対強度100):1
H NMR(DMSO)(特徴的シグナルのみ記載)δ1.64(3H,s,H−49)
,2.06(3H,s,H−54),3.20(1H,広いm,H−27),3.45(1H,広
いm,H−31),3.94(3H,m,H−17、H−26およびC31−OH),4.
30(1H,d,C27−OH),4.57(1H,d,C26−OH),5.20(1H,t
,H−23),5.33(1H,d,H−25),5.57(3H,m,H−18,H−21お
よびC35−OH),6.03(1H,dd,H−19),6.14(1H,dd,H−20)。
26R,27R−ジオール:MS m/z 1130[M+Li]+(相対強度100):1
H NMR(DMSO)(特徴的シグナルのみ記載)δ1.64(3H,s,H−49)
,2.06(3H,s,H−54),3.20(1H,広いm,H−27),3.48(1H,広
いm,H−31),3.94(3H,m,H−17、H−26およびC31−OH),4.
30(1H,d,C27−OH),4.57(1H,d,C26−OH),5.20(1H,t
,H−23),5.35(1H,d,H−25),5.57(3H,m,H−18,H−21お
よびC35−OH),6.03(1H,dd,H−19),6.14(1H,dd,H−20)。実施例12−26S,27S−ジヒドロキシ−サングリフェリンAのジオールの 開裂
2:1 THF−水0.9mL中の26S,27Sジオール90mg(79μmol)の
溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム33.7mg(157μmol)を添加する。撹拌を1時
間続け、飽和水性炭酸水素ナトリウムを添加する。混合物を2回酢酸エチルで抽
出する。有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃
縮する。残渣のシリカゲル(95:5メチル−tert−ブチルエーテル:メタノー
ル)での精製により、式XXIII(泡状物)およびXXIV(粉末)の化合物を得る。
式XXIII:MS m/z 366[M+H−H2O]+(相対強度100);1H NMR
(DMSO)(芳香族中心におけるOHax:OHeqの2:1混合物)(特徴的シグナ
ルのみ記載)δ3.54および4.08(1H,2m,H−31),3.57(1H,広い
m,H−35),3.66(1H,m,H−33),4.38(0.67H,ddd,H−27ax)
,4.95(0.33H,広いm,H−27eq),5.40(0.33H,d,C27−OHe q
),5.59(0.33H,d,C35−OH),5.61(0.67H,d,C35−OH)
,5.96(0.67H,d,C27−OHax),7.89(0.67H,s,NH−42),
7.91(0.33H,s,NH−42)。
式XXIV:MS m/z 745[M+Li]+;1H NMR(DMSO)(特徴的シグ
ナルのみ記載)δ0.64(3H,d,H−50),0.81(6H,d,H−56および
H−57),2.06(3H,s,H−54),2.17(4H,H−14およびH−49)
,3.80(1H,広いm,H−15),3.94(1H,dd,H−17),5.33(1H,広
いd,H−23),5.62(2H,m,H−18およびH−21),6.89(1H,d,
H−25),6.10(1H,dd,H−19),6.18(1H,dd,H−20),10.0(1
H,d,H−26)。実施例13−61−O−アセチル−サングリフェリンA(式XXV)を得るためのサ ングリフェリンAのアセチル化
塩化メチレン0.5mL中のサングリフェリンA54mg(50μmol)およびピリ
ジン50μLの撹拌し、冷却(0℃)した溶液に、酢酸無水物5.2μL(55μmo
l)を添加する。反応を0℃に1時間保ち、次いで室温に暖め、撹拌を12時間続
ける。飽和水性炭酸水素ナトリウムを添加し、得られる混合物を2回酢酸エチル
で抽出する。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して濃縮する。残渣
を逆層クロマトグラフィー(RP18、45分にわたり、40:60アセトニト
リル−水からアセトニトリル)で精製し、無定形粉末として標題化合物を得る。
MS m/s 1132[M+H]+(相対強度100);1H NMR(DMSO)(特
徴的シグナルのみ記載)δ1.68(3H,s,H−49),2.06(3H,s,H−5
4),2.25(3H,s,CH3CO2),4.04(1H,d,C31−OH),4.67(1
H,d,C2−NH),4.76(1H,d,C17−OH),5.42(2H,m,H−8お
よびC15−OH),5.57(3H,m,H−18,H−21およびC35−OH),
6.85(1H,s,H−60),6.98(1H,d,H−62),7.06(1H,d,H−
64),7.31(1H,dd,H−63),7.51(1H,d,H−12),7.89(1H,
s,H−42),8.23(1H,d,H−9)。
─────────────────────────────────────────────────────
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C07K 5/062 C07K 5/062
C12N 1/20 C12N 1/20 A
//(C12P 21/02
C12R 1:645)
(C12N 1/20
C12R 1:465)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK
,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,
MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R
U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR
,TT,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 サングリエ,ジャン−ジャック
スイス、ツェーハー−4123アルシュビル、
レプゲースリ10番
(72)発明者 シュラー,バルター
ドイツ連邦共和国デー−79639グレンツァ
ッハ−ビューレン、ラインシュトラーセ21
番
(72)発明者 セドラニ,リシャール
スイス、ツェーハー−4054バーゼル、ヘレ
ングラーベンベーク15番