JPH11116577A - 新規化合物am6898e及びその製法 - Google Patents
新規化合物am6898e及びその製法Info
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- JPH11116577A JPH11116577A JP9280022A JP28002297A JPH11116577A JP H11116577 A JPH11116577 A JP H11116577A JP 9280022 A JP9280022 A JP 9280022A JP 28002297 A JP28002297 A JP 28002297A JP H11116577 A JPH11116577 A JP H11116577A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 式(I)
【化1】
で表される化合物、およびシュードアレッシェリア属に
属する微生物による製造方法。 【効果】 IgE産生抑制剤、またはIgEの異常産生
に基づく免疫疾患の予防・治療剤等の医薬として有用で
ある。
属する微生物による製造方法。 【効果】 IgE産生抑制剤、またはIgEの異常産生
に基づく免疫疾患の予防・治療剤等の医薬として有用で
ある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IgE抗体産生を
抑制する作用を有する新規化合物、その製法と用途、お
よび生産菌に関する。
抑制する作用を有する新規化合物、その製法と用途、お
よび生産菌に関する。
【0002】
【従来の技術】アレルギ−反応はその発症の機序、症状
の違いなどによりI型アレルギ−反応、II型アレルギ
−反応、III型アレルギ−反応およびIV型アレルギ
−反応に区別されている。アレルギ−反応の代表的なも
のは、即時型アレルギ−反応ともいわれているI型アレ
ルギ−反応である。I型アレルギ−反応においては、生
体内に入った抗原によりIgEが生起し、これが組織の
肥満細胞または血中の好塩基性細胞の細胞膜に固着した
IgE抗体が抗原と反応することにより、当該細胞から
ヒスタミン、セロトニン、その他の種々の化学伝達物質
を遊離する。該化学伝達物質は平滑筋の収縮、血管透過
性の亢進など様々な組織反応を引き起こす。I型アレル
ギ−の病態としては、アトピ−性気管支喘息、アトピ−
性皮膚炎、アレルギ−性鼻炎、花粉症、アナフィラキシ
−、食物アレルギ−などが挙げられる。
の違いなどによりI型アレルギ−反応、II型アレルギ
−反応、III型アレルギ−反応およびIV型アレルギ
−反応に区別されている。アレルギ−反応の代表的なも
のは、即時型アレルギ−反応ともいわれているI型アレ
ルギ−反応である。I型アレルギ−反応においては、生
体内に入った抗原によりIgEが生起し、これが組織の
肥満細胞または血中の好塩基性細胞の細胞膜に固着した
IgE抗体が抗原と反応することにより、当該細胞から
ヒスタミン、セロトニン、その他の種々の化学伝達物質
を遊離する。該化学伝達物質は平滑筋の収縮、血管透過
性の亢進など様々な組織反応を引き起こす。I型アレル
ギ−の病態としては、アトピ−性気管支喘息、アトピ−
性皮膚炎、アレルギ−性鼻炎、花粉症、アナフィラキシ
−、食物アレルギ−などが挙げられる。
【0003】現在のところ、I型アレルギ−反応を抑制
する薬剤として、肥満細胞および好塩基性細胞からの化
学伝達物質遊離抑制薬、化学伝達物質拮抗薬が開発され
ている。しかしながら、化学伝達物質の遊離もしくは生
成を特異的に抑制する薬剤または特異的な拮抗薬が知ら
れている化学伝達物質は少なく、また化学伝達物質は多
種多様であるため、I型アレルギ−反応を抑制するため
には、種々の化学伝達物質の相互作用の解析が必要とさ
れているのが現状である。さらに、上記の薬剤は、アレ
ルギ−反応の根本的原因であるIgEの産生を抑制する
ことではなく、その意味で根本的治療剤にはなり得な
い。
する薬剤として、肥満細胞および好塩基性細胞からの化
学伝達物質遊離抑制薬、化学伝達物質拮抗薬が開発され
ている。しかしながら、化学伝達物質の遊離もしくは生
成を特異的に抑制する薬剤または特異的な拮抗薬が知ら
れている化学伝達物質は少なく、また化学伝達物質は多
種多様であるため、I型アレルギ−反応を抑制するため
には、種々の化学伝達物質の相互作用の解析が必要とさ
れているのが現状である。さらに、上記の薬剤は、アレ
ルギ−反応の根本的原因であるIgEの産生を抑制する
ことではなく、その意味で根本的治療剤にはなり得な
い。
【0004】また、サイクロスポリンAのような免疫抑
制剤によってIgE産生を抑制し、アレルギ−疾患を治
療しようとする試みも行われているが、非特異的免疫抑
制を伴うため、副作用の問題を克服することは困難であ
る。
制剤によってIgE産生を抑制し、アレルギ−疾患を治
療しようとする試みも行われているが、非特異的免疫抑
制を伴うため、副作用の問題を克服することは困難であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来より、IgE産生
を特異的に抑制する免疫抑制剤として有用な新規化合物
の提供が求められている。
を特異的に抑制する免疫抑制剤として有用な新規化合物
の提供が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、IgE抗
体産生を特異的に阻害する新規な生理活性物質を微生物
代謝産物より見出すべく鋭意探索を行った。その結果、
工業技術院生命工学工業技術院にFERM BP−55
43として寄託されているシュードアレッシェリア(Ps
eudallescheria) 属に属するM6898株の培養液から
IgE抗体産生に対して阻害活性を示す新規生理活性物
質が産生されることを見出し本発明を完成させた。
体産生を特異的に阻害する新規な生理活性物質を微生物
代謝産物より見出すべく鋭意探索を行った。その結果、
工業技術院生命工学工業技術院にFERM BP−55
43として寄託されているシュードアレッシェリア(Ps
eudallescheria) 属に属するM6898株の培養液から
IgE抗体産生に対して阻害活性を示す新規生理活性物
質が産生されることを見出し本発明を完成させた。
【0007】即ち、本発明は、式(I)
【0008】
【化2】
【0009】で表される化合物である(以下、本発明の
化合物をAM6898E、またはAM6898E化合物
と称することがある)。本発明のAM6898E化合物
の性状は以下の通りである。 1)外観:無色油状 2)酸性、塩基性、中性の区別:中性物質 3)比旋光度:[α]D 23−44°±10°(C=1.
0,CHCl3 ) 4)分子式:C15H24O3 5)分子量:FAB−MS m/z 253(M+H)
+ 6)元素分析:計算値(%)(C15H24O3 に対し) C,71.39;H,9.58 実測値(%) C,69.77;H,9.84 7)紫外部吸収スペクトル:末端吸収(MeOH) 8)赤外部吸収スペクトル:(KBr、cm-1)図1に
示す通りである。
化合物をAM6898E、またはAM6898E化合物
と称することがある)。本発明のAM6898E化合物
の性状は以下の通りである。 1)外観:無色油状 2)酸性、塩基性、中性の区別:中性物質 3)比旋光度:[α]D 23−44°±10°(C=1.
0,CHCl3 ) 4)分子式:C15H24O3 5)分子量:FAB−MS m/z 253(M+H)
+ 6)元素分析:計算値(%)(C15H24O3 に対し) C,71.39;H,9.58 実測値(%) C,69.77;H,9.84 7)紫外部吸収スペクトル:末端吸収(MeOH) 8)赤外部吸収スペクトル:(KBr、cm-1)図1に
示す通りである。
【0010】主な吸収は次の通りである。3423、2
937、2866、1444、1381、1066、9
22、866、841、793、692 9) 1H−NMRスペクトル:(400MHz,CDC
l3 )図2に示す通りである。 10)13C−NMRスペクトル:(100MHz,CD
Cl3 )δ(ppm)135.0(s)、118.2
(d)、69.4(d)、64.3(d)60.5
(s)、58.5(s)、50.5(t)、46.7
(d)35.1(t)、32.7(t)、32.7
(t)、27.5(t)、25.7(q)、18.0
(q),13.5(q) 11)溶解性:クロロホルム、酢酸エチル、ベンゼン、
メタノールに可溶で、水に不溶である。
937、2866、1444、1381、1066、9
22、866、841、793、692 9) 1H−NMRスペクトル:(400MHz,CDC
l3 )図2に示す通りである。 10)13C−NMRスペクトル:(100MHz,CD
Cl3 )δ(ppm)135.0(s)、118.2
(d)、69.4(d)、64.3(d)60.5
(s)、58.5(s)、50.5(t)、46.7
(d)35.1(t)、32.7(t)、32.7
(t)、27.5(t)、25.7(q)、18.0
(q),13.5(q) 11)溶解性:クロロホルム、酢酸エチル、ベンゼン、
メタノールに可溶で、水に不溶である。
【0011】12)呈色試験:ヨウ素蒸気との反応、過
マンガン酸カリウム脱色反応に陽性を示し、塩化第二鉄
反応、ニンヒドリン反応に陰性を示す。 13)薄層クロマトグラフィ−:固定相 展開溶媒 Rf値 シリカゲルf S201 ヘキサン:アセトン 0.21 (東京化成社製) (10:2.5) 14)高速液体クロマトグラフィ−: 分離カラム:Shodex C18−5A(カラムサイ
ズ φ4.5×150mm、昭和電工社製) 溶媒:35%アセトニトリル 流速:1.0ml/分 検出:UV 205nm 保持時間:9.8分 また、本発明は、AM6898E化合物を産生する能力
を有するシュードアレッシェリア属に属する微生物を培
養し、その培養物よりAM6898E化合物を採取する
ことを特徴とするAM6898Eの製造方法である。
マンガン酸カリウム脱色反応に陽性を示し、塩化第二鉄
反応、ニンヒドリン反応に陰性を示す。 13)薄層クロマトグラフィ−:固定相 展開溶媒 Rf値 シリカゲルf S201 ヘキサン:アセトン 0.21 (東京化成社製) (10:2.5) 14)高速液体クロマトグラフィ−: 分離カラム:Shodex C18−5A(カラムサイ
ズ φ4.5×150mm、昭和電工社製) 溶媒:35%アセトニトリル 流速:1.0ml/分 検出:UV 205nm 保持時間:9.8分 また、本発明は、AM6898E化合物を産生する能力
を有するシュードアレッシェリア属に属する微生物を培
養し、その培養物よりAM6898E化合物を採取する
ことを特徴とするAM6898Eの製造方法である。
【0012】本発明のAM6898E化合物を産生する
能力を有するシュードアレッシェリア属に属する微生物
としては、本発明の化合物を生産する能力があれば特に
限定されないが、例えば、工業技術院生命工学工業技術
院にFERM BP−5543として寄託されている下
記のシュードアレッシェリア・エスピー(Pseudallesch
eria sp.) M6898株が例示される。
能力を有するシュードアレッシェリア属に属する微生物
としては、本発明の化合物を生産する能力があれば特に
限定されないが、例えば、工業技術院生命工学工業技術
院にFERM BP−5543として寄託されている下
記のシュードアレッシェリア・エスピー(Pseudallesch
eria sp.) M6898株が例示される。
【0013】上記M6898株の菌学的性状は次の通り
である。 1.各培地上での生育状態 1)イ−スト・リン酸・可溶性澱粉(YpSs)寒天培
地 25℃、7日間の培養でコロニ−の直径は27mm以上
に達し、培地上で白色(1A1)、綿毛上のコロニーと
なる。コロニーの裏面は白色(1A1)ないし灰色(1
B2)である。25℃、40日間の培養では、コロニー
は培地全面に広がり、表面はフェルト状で幅の広い環状
模様が認められ、パステル灰色(1C1)ないし赤褐色
(9E3)のコロニーとなる。コロニーの最外縁部は灰
褐色(8D3)である。コロニー裏面は暗褐色(8F
8)を主体とするが、最外縁部は鈍赤色(8C3)であ
る。裏面全体に閉子嚢果が粒子状に散在する。37℃、
7日間の培養でコロニーの直径は25mmであった。
である。 1.各培地上での生育状態 1)イ−スト・リン酸・可溶性澱粉(YpSs)寒天培
地 25℃、7日間の培養でコロニ−の直径は27mm以上
に達し、培地上で白色(1A1)、綿毛上のコロニーと
なる。コロニーの裏面は白色(1A1)ないし灰色(1
B2)である。25℃、40日間の培養では、コロニー
は培地全面に広がり、表面はフェルト状で幅の広い環状
模様が認められ、パステル灰色(1C1)ないし赤褐色
(9E3)のコロニーとなる。コロニーの最外縁部は灰
褐色(8D3)である。コロニー裏面は暗褐色(8F
8)を主体とするが、最外縁部は鈍赤色(8C3)であ
る。裏面全体に閉子嚢果が粒子状に散在する。37℃、
7日間の培養でコロニーの直径は25mmであった。
【0014】2)ポテト・グルコ−ス寒天培地 25℃、7日間の培養でコロニ−の直径は22mm以上
に達し、表面はフェルト状で白色(1A1)ないし灰色
(1C1)である。コロニーの裏面は白色(1A1)な
いし黄白色(3A2)である。25℃、40日間培養し
た場合、コロニーは培地全面に広がり、表面はフェルト
状で幅の狭い環状模様が認められる。コロニーは褐灰色
(6D2)で、裏面は淡肌色(6B3)ないし暗褐色
(6F7)である。裏面全体に閉子嚢果が粒子状に散在
する。37℃、7日間の培養でコロニーの直径は11m
mであった。
に達し、表面はフェルト状で白色(1A1)ないし灰色
(1C1)である。コロニーの裏面は白色(1A1)な
いし黄白色(3A2)である。25℃、40日間培養し
た場合、コロニーは培地全面に広がり、表面はフェルト
状で幅の狭い環状模様が認められる。コロニーは褐灰色
(6D2)で、裏面は淡肌色(6B3)ないし暗褐色
(6F7)である。裏面全体に閉子嚢果が粒子状に散在
する。37℃、7日間の培養でコロニーの直径は11m
mであった。
【0015】2.生理学的性状 ポテト・グルコ−ス液体培地で培養した場合、生育し得
るpHの範囲は、3.0〜9.0であり、最適生育pH
は、5.0〜8.0である。ポテト・グルコ−ス寒天培
地で培養した場合、生育し得る温度の範囲は、16.5
〜39℃であり、最適生育温度は、27〜33℃であ
る。
るpHの範囲は、3.0〜9.0であり、最適生育pH
は、5.0〜8.0である。ポテト・グルコ−ス寒天培
地で培養した場合、生育し得る温度の範囲は、16.5
〜39℃であり、最適生育温度は、27〜33℃であ
る。
【0016】3.顕微鏡下における形態的特徴 本菌は、有性世代と無性世代を形成する。有性世代では
暗褐色(7F6)で球形ないし亜球形で、直径60〜1
50μmの閉子嚢果を形成する。閉子嚢果の殻壁は厚さ
が5〜7μm、暗褐色(7F6)で、多角形の細胞で構
成される。子嚢は消失性で、13×15μmの大きさで
あり、球形ないし亜球形で8胞子性である。子嚢胞子は
単胞子性で5×7〜8μmの楕円形である。両端に発芽
孔を有するが、発芽孔が不明瞭な胞子もある。子嚢胞子
の表面は滑面で、成熟したものは淡黄色(4B4)ない
し淡橙色(5C5)である。
暗褐色(7F6)で球形ないし亜球形で、直径60〜1
50μmの閉子嚢果を形成する。閉子嚢果の殻壁は厚さ
が5〜7μm、暗褐色(7F6)で、多角形の細胞で構
成される。子嚢は消失性で、13×15μmの大きさで
あり、球形ないし亜球形で8胞子性である。子嚢胞子は
単胞子性で5×7〜8μmの楕円形である。両端に発芽
孔を有するが、発芽孔が不明瞭な胞子もある。子嚢胞子
の表面は滑面で、成熟したものは淡黄色(4B4)ない
し淡橙色(5C5)である。
【0017】無性世代の分生子は、黄白色(3A2)な
いし淡黄色(4A3)で滑面であり、Scedospo
rium型の分生子を形成する。分生子形成様式は、ア
レウリオ型で、分生子の大きさは、6〜8×3〜5μm
である。分生子は単細胞性で球形、亜球形、卵形、楕円
形、棒状と様々な形態のものが認められるが、基部に切
り取った様な跡(truncate base )が共通して認められ
る。
いし淡黄色(4A3)で滑面であり、Scedospo
rium型の分生子を形成する。分生子形成様式は、ア
レウリオ型で、分生子の大きさは、6〜8×3〜5μm
である。分生子は単細胞性で球形、亜球形、卵形、楕円
形、棒状と様々な形態のものが認められるが、基部に切
り取った様な跡(truncate base )が共通して認められ
る。
【0018】各培地における生育状態の色の表示は、Ko
rnerup A. and Wanscher J.H.1978"Methuen Handbook o
f Colour 3rd ed."Eyre Methuen,London の表示に従っ
た。 参考文献 1).von Arx,J.A.1973.The Genera petriellidium an
d Pithoascus (Microascaceae).Persoonia 7:365-375 2).McGinnis,M.R.,Padhye,A.A.and Ajello,L.1970.P
seudallescheria Negroni et Fischer,1943 and itslat
er synonym petriellidium Malloch.1970.Mycotaxon 1
4:94-102 . 本発明に係わるAM6898Eの典型的で好ましい製造
方法は、シュードアレッシェリア属に属する該化合物生
産菌(例えばPseudallescheria sp. M6898)を好
適な培地で培養し、その培養物から分離する方法が例示
される。
rnerup A. and Wanscher J.H.1978"Methuen Handbook o
f Colour 3rd ed."Eyre Methuen,London の表示に従っ
た。 参考文献 1).von Arx,J.A.1973.The Genera petriellidium an
d Pithoascus (Microascaceae).Persoonia 7:365-375 2).McGinnis,M.R.,Padhye,A.A.and Ajello,L.1970.P
seudallescheria Negroni et Fischer,1943 and itslat
er synonym petriellidium Malloch.1970.Mycotaxon 1
4:94-102 . 本発明に係わるAM6898Eの典型的で好ましい製造
方法は、シュードアレッシェリア属に属する該化合物生
産菌(例えばPseudallescheria sp. M6898)を好
適な培地で培養し、その培養物から分離する方法が例示
される。
【0019】本発明物質を製造するのに使用される培地
は、液体培地による振盪培養または通気攪拌培養が最も
適しているが、これに限定されない。培地はAM689
8E生産菌が生育して培地中に該化合物を蓄積するもの
であれば特に限定されず、例えば、炭素源としてはグル
コ−ス、シュ−クロ−ス、デキストリン、澱粉、グリセ
リン、糖蜜、有機酸などが使用できる。また窒素源とし
ては、例えばイ−ストエキス、ペプトン、肉エキス、大
豆粉、綿実粉、グルテンミ−ル、小麦胚芽、コ−ンステ
ィ−プリカ−、アミノ酸類、アンモニウム塩、硝酸塩、
その他各種有機あるいは無機窒素化合物が用いられる。
無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸
カルシウム、各リン酸塩、マグネシウム塩、銅塩、コバ
ルト塩等を添加してもよい。また菌の生育及びAM68
98E生産を促進するようなビタミン類、補酵素類等を
添加してもよい。特に、培地が強く発泡するのであれ
ば、必要あるときに液体パラフィン、動物油、植物油、
鉱物油、シリコン等を添加してもよい。
は、液体培地による振盪培養または通気攪拌培養が最も
適しているが、これに限定されない。培地はAM689
8E生産菌が生育して培地中に該化合物を蓄積するもの
であれば特に限定されず、例えば、炭素源としてはグル
コ−ス、シュ−クロ−ス、デキストリン、澱粉、グリセ
リン、糖蜜、有機酸などが使用できる。また窒素源とし
ては、例えばイ−ストエキス、ペプトン、肉エキス、大
豆粉、綿実粉、グルテンミ−ル、小麦胚芽、コ−ンステ
ィ−プリカ−、アミノ酸類、アンモニウム塩、硝酸塩、
その他各種有機あるいは無機窒素化合物が用いられる。
無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸
カルシウム、各リン酸塩、マグネシウム塩、銅塩、コバ
ルト塩等を添加してもよい。また菌の生育及びAM68
98E生産を促進するようなビタミン類、補酵素類等を
添加してもよい。特に、培地が強く発泡するのであれ
ば、必要あるときに液体パラフィン、動物油、植物油、
鉱物油、シリコン等を添加してもよい。
【0020】AM6898E生産菌の培養における培養
温度、培養時間、攪拌速度、通気量、培養液のpHなど
の条件は、AM6898Eの蓄積量が最大となるように
適当に選択、調節される。例えば、通常の通気攪拌培養
の場合、培養温度27〜30℃、2〜5日間の培養が好
ましく、また培養液のpHはpH5.0〜8.0に調節
するのが好ましい。
温度、培養時間、攪拌速度、通気量、培養液のpHなど
の条件は、AM6898Eの蓄積量が最大となるように
適当に選択、調節される。例えば、通常の通気攪拌培養
の場合、培養温度27〜30℃、2〜5日間の培養が好
ましく、また培養液のpHはpH5.0〜8.0に調節
するのが好ましい。
【0021】培養の経過に伴って培養液中に蓄積される
AM6898Eの量の経時的変化は後述の産生阻害活性
あるいは逆相HPLCにより測定することができる。通
常は、48時間から96時間の培養でその生産量は最大
に達する。培養終了後、主としてその液体部分に蓄積す
るAM6898Eは、菌体その他の固形部分を濾過操作
または遠心分離によって除去し、その濾液または上清液
から分離するのが好ましいが、必要に応じて菌体を除去
することなく培養液から該化合物を分離することも可能
である。培養液からのAM6898Eの分離、精製に
は、その物理化学的特性に基づく種々の方法を用いるこ
とができる。例えば、濾液または上清液中に存在するA
M6898Eは、中性pH条件下で水と混和しない有機
溶媒、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、ブタノ−ル、ク
ロロホルム、ジクロルメタン、塩化メチレン、塩化エチ
レンなどの単独またはそれらの組み合わせにより抽出精
製することができる。あるいは吸着剤として例えばダイ
ヤイオンHP−20(三菱化成社製)等が使用される。
AM6898Eを含む画分を上記の吸着剤の層を通過さ
せて不純物を吸着させて取り除くか、または、AM68
98Eを吸着させた後、メタノ−ル水、アセトン水など
を用いて溶出させることにより該化合物を得ることがで
きる。更にシリカゲル、アルミナ、フロリジルのような
担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィ−、セファデ
ックスLH−20(ファルマシア社製)、トヨパ−ルH
W−40(東ソ−社製)などを用いた分配カラムクロマ
トグラフィ−、および順相、逆相カラムを用いた高速液
体クロマトグラフィ−などでAM6898Eを精製する
ことができる。
AM6898Eの量の経時的変化は後述の産生阻害活性
あるいは逆相HPLCにより測定することができる。通
常は、48時間から96時間の培養でその生産量は最大
に達する。培養終了後、主としてその液体部分に蓄積す
るAM6898Eは、菌体その他の固形部分を濾過操作
または遠心分離によって除去し、その濾液または上清液
から分離するのが好ましいが、必要に応じて菌体を除去
することなく培養液から該化合物を分離することも可能
である。培養液からのAM6898Eの分離、精製に
は、その物理化学的特性に基づく種々の方法を用いるこ
とができる。例えば、濾液または上清液中に存在するA
M6898Eは、中性pH条件下で水と混和しない有機
溶媒、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、ブタノ−ル、ク
ロロホルム、ジクロルメタン、塩化メチレン、塩化エチ
レンなどの単独またはそれらの組み合わせにより抽出精
製することができる。あるいは吸着剤として例えばダイ
ヤイオンHP−20(三菱化成社製)等が使用される。
AM6898Eを含む画分を上記の吸着剤の層を通過さ
せて不純物を吸着させて取り除くか、または、AM68
98Eを吸着させた後、メタノ−ル水、アセトン水など
を用いて溶出させることにより該化合物を得ることがで
きる。更にシリカゲル、アルミナ、フロリジルのような
担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィ−、セファデ
ックスLH−20(ファルマシア社製)、トヨパ−ルH
W−40(東ソ−社製)などを用いた分配カラムクロマ
トグラフィ−、および順相、逆相カラムを用いた高速液
体クロマトグラフィ−などでAM6898Eを精製する
ことができる。
【0022】また、本発明は、AM6898E化合物を
有効成分とする医薬である。本発明の医薬は、通常、A
M6898E化合物の他に、薬学的に許容される担体と
からなることができる。担体としては、公知のものが使
用でき、その性質によっては賦型剤、結合剤、崩壊剤、
潤沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コ−ティン
グ剤等と分類されることもあるが、例えば、ラクト−
ス、コ−ンスタ−チ、ステアリン酸マグネシウム等が挙
げられる。
有効成分とする医薬である。本発明の医薬は、通常、A
M6898E化合物の他に、薬学的に許容される担体と
からなることができる。担体としては、公知のものが使
用でき、その性質によっては賦型剤、結合剤、崩壊剤、
潤沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コ−ティン
グ剤等と分類されることもあるが、例えば、ラクト−
ス、コ−ンスタ−チ、ステアリン酸マグネシウム等が挙
げられる。
【0023】本発明の医薬は、例えば免疫抑制剤であ
り、さらに詳しくは、IgE産生抑制剤、あるいは、I
gEの異常産生に基づく免疫疾患の予防治療剤であり、
例えば、抗アトピ−性気管支喘息剤、抗アトピ−性皮膚
炎剤、抗アレルギ−性鼻炎剤、抗花粉症剤、抗アナフィ
ラキシ−剤または抗食物アレルギ−剤が例示される。本
発明の医薬は、種々の形態で投与され得るが、例えば錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤等による経口投与
または注射剤(静脈内、筋肉内、皮下)、点眼剤、坐
薬、軟膏、スプレ−、ロ−ション等による非経口投与を
挙げることができる。
り、さらに詳しくは、IgE産生抑制剤、あるいは、I
gEの異常産生に基づく免疫疾患の予防治療剤であり、
例えば、抗アトピ−性気管支喘息剤、抗アトピ−性皮膚
炎剤、抗アレルギ−性鼻炎剤、抗花粉症剤、抗アナフィ
ラキシ−剤または抗食物アレルギ−剤が例示される。本
発明の医薬は、種々の形態で投与され得るが、例えば錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤等による経口投与
または注射剤(静脈内、筋肉内、皮下)、点眼剤、坐
薬、軟膏、スプレ−、ロ−ション等による非経口投与を
挙げることができる。
【0024】これらの医薬は、症状、年齢、体重、投与
方法および剤形等によって異なるが通常は成人に対して
1日20mg乃至1000mgを投与することができ
る。
方法および剤形等によって異なるが通常は成人に対して
1日20mg乃至1000mgを投与することができ
る。
【0025】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこの実施例によって限定されるもの
ではない。
明するが、本発明はこの実施例によって限定されるもの
ではない。
【0026】
【実施例1】 (1)AM6898E化合物の醗酵生産 グルコ−ス2%、可溶性澱粉2%、大豆粉2%、イ−ス
トエキス0.5%、NaCl0.25%、CaCO
3 0.35%およびセライト1%を含有する水性培地
(pH6.5)100mlを500ml容三角フラスコ
に分注し、120℃で20分間滅菌した。これにM68
98株(FERM BP−5543)のスラントを一白
金耳接種し、28℃で3日間ロ−タリ−シェ−カ−(毎
分200rpm)で培養を行い1次種培養液とした。得
られた1次種培養液を、30l容ジャ−ファ−メンタ−
中の上記と同じ滅菌培地20l中へ接種した。ファ−メ
ンタ−を20l/分の通気および200rpm、28℃
で48時間通気攪拌培養し、2次種培養液とした。
トエキス0.5%、NaCl0.25%、CaCO
3 0.35%およびセライト1%を含有する水性培地
(pH6.5)100mlを500ml容三角フラスコ
に分注し、120℃で20分間滅菌した。これにM68
98株(FERM BP−5543)のスラントを一白
金耳接種し、28℃で3日間ロ−タリ−シェ−カ−(毎
分200rpm)で培養を行い1次種培養液とした。得
られた1次種培養液を、30l容ジャ−ファ−メンタ−
中の上記と同じ滅菌培地20l中へ接種した。ファ−メ
ンタ−を20l/分の通気および200rpm、28℃
で48時間通気攪拌培養し、2次種培養液とした。
【0027】こうして得た2次種培養液4lをさらに、
グルコ−ス2%、綿実粉0.5%、乾燥酵母0.2%、
ペプトン0.1%、NaNO3 0.5%、MgSO4 ・
7H 2 O0.1%、CoCl2 ・6H2 O0.001
%、CaCO3 0.2%およびアンチフォームFS−0
28(Dow Corning K.K社製)0.03
%を含有する300l容ステンレス製ファ−メンタ−中
の滅菌培地200lに接種した。280l/分の通気お
よび300rpmの攪拌のもとに、28℃で72時間培
養を行った。
グルコ−ス2%、綿実粉0.5%、乾燥酵母0.2%、
ペプトン0.1%、NaNO3 0.5%、MgSO4 ・
7H 2 O0.1%、CoCl2 ・6H2 O0.001
%、CaCO3 0.2%およびアンチフォームFS−0
28(Dow Corning K.K社製)0.03
%を含有する300l容ステンレス製ファ−メンタ−中
の滅菌培地200lに接種した。280l/分の通気お
よび300rpmの攪拌のもとに、28℃で72時間培
養を行った。
【0028】(2)AM6898E化合物の精製 上記の培養方法で得られたブロス200lに珪藻土(5
kg)を添加後濾過し、濾液(180l)を得た。得ら
れた濾液を塩酸でpH7.0に調製した後、酢酸エチル
(90l)を添加し、抽出操作を行った。この酢酸エチ
ル層を減圧下に濃縮し、約100mlのシロップ状物質
を得た。このシロップ状物質にヘキサン約1lを添加
し、不溶物を濾過により除き、濾液を減圧濃縮した。濃
縮物を予めベンゼン−酢酸エチル(10:2)混合溶媒
で作製したシリカゲルカラム(850ml)に付し、同
溶媒で6.8l溶出を行った後、ベンゼン−酢酸エチル
(10:4)混合溶媒で溶出を行い、20mlずつ分画
した。精製過程に於ける活性物質の検出には、シリカゲ
ル薄層クロマトグラフィ−[TLC:東京化成社製、シ
リカゲルf S201;展開系:ベンゼン−酢酸エチル
=10:3でRf値0.20の物質]を用いた。
kg)を添加後濾過し、濾液(180l)を得た。得ら
れた濾液を塩酸でpH7.0に調製した後、酢酸エチル
(90l)を添加し、抽出操作を行った。この酢酸エチ
ル層を減圧下に濃縮し、約100mlのシロップ状物質
を得た。このシロップ状物質にヘキサン約1lを添加
し、不溶物を濾過により除き、濾液を減圧濃縮した。濃
縮物を予めベンゼン−酢酸エチル(10:2)混合溶媒
で作製したシリカゲルカラム(850ml)に付し、同
溶媒で6.8l溶出を行った後、ベンゼン−酢酸エチル
(10:4)混合溶媒で溶出を行い、20mlずつ分画
した。精製過程に於ける活性物質の検出には、シリカゲ
ル薄層クロマトグラフィ−[TLC:東京化成社製、シ
リカゲルf S201;展開系:ベンゼン−酢酸エチル
=10:3でRf値0.20の物質]を用いた。
【0029】フラクションNo.51−No.150に
主としてRf値0.20を示すAM6898E成分が溶
出された。AM6898E成分を含むフラクションを集
め、減圧下濃縮した。AM6898E成分を含む濃縮物
はさらに予めヘキサン−酢酸エチルで作製したシリカゲ
ルカラム(500ml)に付し、同溶媒で溶出を行い、
18mlずつ分画した。フラクションNo.72−93
にAM6898E成分が溶出された。このフラクション
を集め、減圧濃縮した。AM6898E成分を含む濃縮
物はさらに予めクロロホルム−メタノール=10:0.
1で作製したシリカゲルカラム(300ml)に付し、
クロロホルム−メタノール(10:0.1)混合溶媒で
溶出を行い、15mlずつ分画した。フラクションN
o.49〜No.54にAM6898E成分が溶出され
た。AM6898E成分を含むフラクションを集め減圧
下濃縮し、濃縮物をさらに分取液体クロマトグラフィー
にて精製を行った。即ち、カラム:Shodex C1
8−5F、移動相:45%メタノール、流速:6ml/
分でクロマトグラフィーを実施し、9mlずつ分画し
た。フラクションNo.34〜No.50にAM689
8E成分が溶出された。AM6898E成分を含むフラ
クションを集め減圧下濃縮し、無色油状のAM6898
E(137mg)を得た。
主としてRf値0.20を示すAM6898E成分が溶
出された。AM6898E成分を含むフラクションを集
め、減圧下濃縮した。AM6898E成分を含む濃縮物
はさらに予めヘキサン−酢酸エチルで作製したシリカゲ
ルカラム(500ml)に付し、同溶媒で溶出を行い、
18mlずつ分画した。フラクションNo.72−93
にAM6898E成分が溶出された。このフラクション
を集め、減圧濃縮した。AM6898E成分を含む濃縮
物はさらに予めクロロホルム−メタノール=10:0.
1で作製したシリカゲルカラム(300ml)に付し、
クロロホルム−メタノール(10:0.1)混合溶媒で
溶出を行い、15mlずつ分画した。フラクションN
o.49〜No.54にAM6898E成分が溶出され
た。AM6898E成分を含むフラクションを集め減圧
下濃縮し、濃縮物をさらに分取液体クロマトグラフィー
にて精製を行った。即ち、カラム:Shodex C1
8−5F、移動相:45%メタノール、流速:6ml/
分でクロマトグラフィーを実施し、9mlずつ分画し
た。フラクションNo.34〜No.50にAM689
8E成分が溶出された。AM6898E成分を含むフラ
クションを集め減圧下濃縮し、無色油状のAM6898
E(137mg)を得た。
【0030】
【実施例2】 (1)AM6898EのIgE抗体産生抑制活性 実施例1で得られたAM6898Eについて、IgE抗
体産生抑制活性の測定を次のようにして行い、該活性を
確認した。6週齢の雌性BALB/c系マウスの脾臓を
無菌的に摘出し、ステンレスメッシュを通過させ大きな
細胞塊を除いた後、10%牛胎児血清(Hyclone
社)、2mMグルタミン、5x10-5M2−メルカプト
エタノ−ル、0.2%NaHCO3 、ペニシリンG(5
0IU/ml)及びストレプトマイシン(50μg/m
l)を含むRPMI−1640培地(GIBCO BR
L社)に細胞を懸濁して脾臓細胞浮遊液を得た。この液
を1200rpmで10分間遠心後、140mMNH4
Cl−15mMトリス溶液で赤血球を破壊し、PBS
(−)(2.7mMKCl、1.5mMKH2 PO4 、
0.14MNaCl,8.1mMNa2HPO4 ・7H
2 Oを含有する)溶液にて2回洗浄後、更に抗Thy−
1抗体及びウサギ補体を用いてT細胞を死滅させB細胞
源とした。このB細胞源をPBS(−)溶液にて2回洗
浄し、上記RPMI−1640培地にて5x106 細胞
/mlに調製し、B細胞浮遊液を得た。このB細胞浮遊
液に、B細胞刺激剤としてLPS(Difco社;E.
coli由来)を50μg/mlとなるように添加し、
24時間、37℃、5%CO2 下で前培養した。その
後、細胞を回収し、PBS(−)溶液で2回洗浄した。
再度細胞を上記RPMI−1640培地にて5x106
細胞/mlに調製し、この細胞浮遊液100μlを96
穴プレ−トの各ウェル(5x105 細胞/ウェル)に入
れ、これに上記のLPSを5μgと市販マウスIL−4
(Genzyme社)100Uを添加した。次いで各種
濃度のAM6898E化合物50μlを加え、200μ
l/ウェルとし、5%CO2 インキュベ−タ−を用いて
37℃で7日間培養した後、培地中のIgE量を測定し
た。尚、AM6898E化合物は水に不溶性なので、D
MSOに溶解した後、上記培地で希釈した。コントロ−
ルとして、AM6898E化合物を添加しなかった他は
上記の操作を繰り返した。
体産生抑制活性の測定を次のようにして行い、該活性を
確認した。6週齢の雌性BALB/c系マウスの脾臓を
無菌的に摘出し、ステンレスメッシュを通過させ大きな
細胞塊を除いた後、10%牛胎児血清(Hyclone
社)、2mMグルタミン、5x10-5M2−メルカプト
エタノ−ル、0.2%NaHCO3 、ペニシリンG(5
0IU/ml)及びストレプトマイシン(50μg/m
l)を含むRPMI−1640培地(GIBCO BR
L社)に細胞を懸濁して脾臓細胞浮遊液を得た。この液
を1200rpmで10分間遠心後、140mMNH4
Cl−15mMトリス溶液で赤血球を破壊し、PBS
(−)(2.7mMKCl、1.5mMKH2 PO4 、
0.14MNaCl,8.1mMNa2HPO4 ・7H
2 Oを含有する)溶液にて2回洗浄後、更に抗Thy−
1抗体及びウサギ補体を用いてT細胞を死滅させB細胞
源とした。このB細胞源をPBS(−)溶液にて2回洗
浄し、上記RPMI−1640培地にて5x106 細胞
/mlに調製し、B細胞浮遊液を得た。このB細胞浮遊
液に、B細胞刺激剤としてLPS(Difco社;E.
coli由来)を50μg/mlとなるように添加し、
24時間、37℃、5%CO2 下で前培養した。その
後、細胞を回収し、PBS(−)溶液で2回洗浄した。
再度細胞を上記RPMI−1640培地にて5x106
細胞/mlに調製し、この細胞浮遊液100μlを96
穴プレ−トの各ウェル(5x105 細胞/ウェル)に入
れ、これに上記のLPSを5μgと市販マウスIL−4
(Genzyme社)100Uを添加した。次いで各種
濃度のAM6898E化合物50μlを加え、200μ
l/ウェルとし、5%CO2 インキュベ−タ−を用いて
37℃で7日間培養した後、培地中のIgE量を測定し
た。尚、AM6898E化合物は水に不溶性なので、D
MSOに溶解した後、上記培地で希釈した。コントロ−
ルとして、AM6898E化合物を添加しなかった他は
上記の操作を繰り返した。
【0031】培養上清中のIgE量は以下の方法により
測定した。1次抗体として市販のラット抗マウスIgE
モノクロナ−ル抗体(ヤマサ醤油(株))を2μg/m
lとなるようにPBS(−)溶液に溶解し、96穴EL
ISAプレ−ト(Dynatech社)に50μl/ウ
ェルの割合で分注し、室温で1.5時間保持した。その
後PBS(−)溶液を捨て、300μl/ウェルの割合
で0.05%Tween20含有PBS(−)溶液を加
えることにより各ウェルを洗浄した。この洗浄操作を4
回繰り返し行った。洗浄後、200μl/ウェルの割合
でブロッキング溶液[1%BSA(Miles社;fr
actionV)含有PBS(−)溶液]を加え、4℃
で一昼夜保持し、ブロッキングを行った。次いで、ブロ
ッキング溶液を捨て、先に述べた0.05%Tween
20含有PBS(−)溶液による洗浄操作を4回繰り返
した。次に予め用意しておいた活性測定用の一連のサン
プル希釈液を50μl/ウェルの割合で加え、室温で1
時間保持した。0.05%Tween20含有PBS
(−)溶液による洗浄操作を4回繰り返した。次に2次
抗体として市販のビオチン標識ラット抗マウスIgEモ
ノクロナ−ル抗体(ヤマサ醤油(株))を2μg/ml
となるようにPBS(−)溶液で溶解し、50μl/ウ
ェル加え、室温で1時間保持した。0.05%Twee
n20含有PBS(−)溶液による洗浄操作を4回繰り
返した後、PBS(−)溶液を用いて2000倍に希釈
したHorseradish Peroxidase
Avidin D(Vector社、A2004)を5
0μl/ウェル加えて室温で1時間保持した。0.05
%Tween20含有PBS(−)溶液による洗浄操作
を4回繰り返した後、ABTS溶液[0.129gクエ
ン酸;0.276gNa2 HPO4 ・12H2 O;30
%H2 O2 1μl;3mg2,2−Azino−bis
(3−ethylbenzothiazoline−6
−sulfonic acid)diammonium
salt(和光純薬(株));10ml蒸留水]を5
0μl/ウェル加えて室温で10分間保持し、5%(w
/v)のシュウ酸を50μl/ウェル加えて反応を停止
した。その後、415nmの吸光度を測定することによ
りIgE量の測定を行った。
測定した。1次抗体として市販のラット抗マウスIgE
モノクロナ−ル抗体(ヤマサ醤油(株))を2μg/m
lとなるようにPBS(−)溶液に溶解し、96穴EL
ISAプレ−ト(Dynatech社)に50μl/ウ
ェルの割合で分注し、室温で1.5時間保持した。その
後PBS(−)溶液を捨て、300μl/ウェルの割合
で0.05%Tween20含有PBS(−)溶液を加
えることにより各ウェルを洗浄した。この洗浄操作を4
回繰り返し行った。洗浄後、200μl/ウェルの割合
でブロッキング溶液[1%BSA(Miles社;fr
actionV)含有PBS(−)溶液]を加え、4℃
で一昼夜保持し、ブロッキングを行った。次いで、ブロ
ッキング溶液を捨て、先に述べた0.05%Tween
20含有PBS(−)溶液による洗浄操作を4回繰り返
した。次に予め用意しておいた活性測定用の一連のサン
プル希釈液を50μl/ウェルの割合で加え、室温で1
時間保持した。0.05%Tween20含有PBS
(−)溶液による洗浄操作を4回繰り返した。次に2次
抗体として市販のビオチン標識ラット抗マウスIgEモ
ノクロナ−ル抗体(ヤマサ醤油(株))を2μg/ml
となるようにPBS(−)溶液で溶解し、50μl/ウ
ェル加え、室温で1時間保持した。0.05%Twee
n20含有PBS(−)溶液による洗浄操作を4回繰り
返した後、PBS(−)溶液を用いて2000倍に希釈
したHorseradish Peroxidase
Avidin D(Vector社、A2004)を5
0μl/ウェル加えて室温で1時間保持した。0.05
%Tween20含有PBS(−)溶液による洗浄操作
を4回繰り返した後、ABTS溶液[0.129gクエ
ン酸;0.276gNa2 HPO4 ・12H2 O;30
%H2 O2 1μl;3mg2,2−Azino−bis
(3−ethylbenzothiazoline−6
−sulfonic acid)diammonium
salt(和光純薬(株));10ml蒸留水]を5
0μl/ウェル加えて室温で10分間保持し、5%(w
/v)のシュウ酸を50μl/ウェル加えて反応を停止
した。その後、415nmの吸光度を測定することによ
りIgE量の測定を行った。
【0032】IgE抗体産生抑制活性は、IgE抗体産
生量がコントロ−ルの50%に減少した濃度をIC
50(μg/ml)として求め、AM6898Eの活性を
算出した。 (2)AM6898E化合物の
細胞毒性 この研究では、マウスリンパ腫P388D1細胞(AT
CC CCL−46)を用いた。細胞生存率は、Mic
hael C,Alleyらの方法[Cancer Res.,48,5
89-601(1988)]に準じ、MTT[3−(4,5−dim
ethylthiazol−2−yl)−2,5−di
phenyltetrazoliumbromid]試
薬(SIGAMA社)を用いたMTT法で測定した。即
ち、10%牛胎児血清(Hyclone社)、2mMグ
ルタミン、5μM2−メルカプトエタン−ル、0.2%
炭酸水素ナトリウム、ペニシリンG(50IU/ml)
及びストレプトマイシン(50μg/ml)を含有する
RPMI 1640培地(GIBCO BRL社)にて
マウスリンパ腫P388D1細胞を1x105 細胞/m
lに調製した。この細胞浮遊液100μlを96穴プレ
−トの各ウェル(1x104 細胞/ウェル)に入れた。
これに上記培地を用いて作製した各種濃度のAM689
8E化合物溶液100μl/ウェルを加え、5%CO2
インキュベ−タ−を用いて37℃で3日間培養した。そ
の後、上記MTT試薬をPBS(−)溶液にて1mg/
mlになるように溶解し、50μlを各ウェルに添加
し、5%CO2 インキュベ−タ−を用いて37℃で4時
間培養した。培養終了後、生細胞によって生じた青色素
を570nmで測定した。尚、AM6898E化合物は
水に不溶性なので、DMSOに溶解した後、上記培地で
希釈した。コントロ−ルとして、AM6898E化合物
を添加しなかった他は上記の操作を繰り返した。細胞数
がコントロ−ルの50%に減少した濃度をIC50(μg
/ml)としてAM6898EのIC50値を測定した。
以上の結果を表1に示した。
生量がコントロ−ルの50%に減少した濃度をIC
50(μg/ml)として求め、AM6898Eの活性を
算出した。 (2)AM6898E化合物の
細胞毒性 この研究では、マウスリンパ腫P388D1細胞(AT
CC CCL−46)を用いた。細胞生存率は、Mic
hael C,Alleyらの方法[Cancer Res.,48,5
89-601(1988)]に準じ、MTT[3−(4,5−dim
ethylthiazol−2−yl)−2,5−di
phenyltetrazoliumbromid]試
薬(SIGAMA社)を用いたMTT法で測定した。即
ち、10%牛胎児血清(Hyclone社)、2mMグ
ルタミン、5μM2−メルカプトエタン−ル、0.2%
炭酸水素ナトリウム、ペニシリンG(50IU/ml)
及びストレプトマイシン(50μg/ml)を含有する
RPMI 1640培地(GIBCO BRL社)にて
マウスリンパ腫P388D1細胞を1x105 細胞/m
lに調製した。この細胞浮遊液100μlを96穴プレ
−トの各ウェル(1x104 細胞/ウェル)に入れた。
これに上記培地を用いて作製した各種濃度のAM689
8E化合物溶液100μl/ウェルを加え、5%CO2
インキュベ−タ−を用いて37℃で3日間培養した。そ
の後、上記MTT試薬をPBS(−)溶液にて1mg/
mlになるように溶解し、50μlを各ウェルに添加
し、5%CO2 インキュベ−タ−を用いて37℃で4時
間培養した。培養終了後、生細胞によって生じた青色素
を570nmで測定した。尚、AM6898E化合物は
水に不溶性なので、DMSOに溶解した後、上記培地で
希釈した。コントロ−ルとして、AM6898E化合物
を添加しなかった他は上記の操作を繰り返した。細胞数
がコントロ−ルの50%に減少した濃度をIC50(μg
/ml)としてAM6898EのIC50値を測定した。
以上の結果を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】以上の結果から明らかなように、AM68
98E化合物は、細胞毒性の低い化合物であり、低濃度
でIgE抗体産生抑制作用を有する事が確認された。従
って、本発明の化合物が、免疫抑制剤であること、更
に、IgEの異常産生に基づく免疫疾患の予防治療剤で
あり、例えば、抗アトピ−性気管支喘息剤、抗アトピ−
性皮膚炎剤、抗アレルギ−性鼻炎剤、抗花粉症剤、抗ア
ナフィラキシ−剤または抗食物アレルギ−剤に使用でき
る可能性が確認された。
98E化合物は、細胞毒性の低い化合物であり、低濃度
でIgE抗体産生抑制作用を有する事が確認された。従
って、本発明の化合物が、免疫抑制剤であること、更
に、IgEの異常産生に基づく免疫疾患の予防治療剤で
あり、例えば、抗アトピ−性気管支喘息剤、抗アトピ−
性皮膚炎剤、抗アレルギ−性鼻炎剤、抗花粉症剤、抗ア
ナフィラキシ−剤または抗食物アレルギ−剤に使用でき
る可能性が確認された。
【0035】(3)AM6898E化合物の急性毒性 AM6898E化合物をDMSOに溶解した後、生理的
食塩水溶液で希釈し、30mg/kgを1日1回5日間
ICR系マウス5匹(雌性、5週齢)に腹腔内投与し
た。結果としてマウスの異常な症状は何ら観察されず、
本化合物は安全性も高いことが確認された。 実施例3 経口用カプセル剤 実施例1で製造したAM6898Eの30mgを、ラク
ト−ス170mg、コ−ンスタ−チ140mg、ステア
リン酸マグネシウム2mgと良く混合し、この粉末35
0mgをゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤とした。
食塩水溶液で希釈し、30mg/kgを1日1回5日間
ICR系マウス5匹(雌性、5週齢)に腹腔内投与し
た。結果としてマウスの異常な症状は何ら観察されず、
本化合物は安全性も高いことが確認された。 実施例3 経口用カプセル剤 実施例1で製造したAM6898Eの30mgを、ラク
ト−ス170mg、コ−ンスタ−チ140mg、ステア
リン酸マグネシウム2mgと良く混合し、この粉末35
0mgをゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤とした。
【0036】
【発明の効果】本発明は、新規な化合物を提供するもの
であり、これらの化合物は、一般的免疫抑制作用を示さ
ず、優れたIgE抗体産生抑制作用を示す。したがっ
て、特に、IgEの産生異常で惹起される病気、例えば
アトピ−性気管支喘息、アトピ−性皮膚炎、アレルギ−
性鼻炎、花粉症、アナフィラキシ−、食物アレルギ−等
の治療薬または予防薬あるいはそれらへの変換素材とし
て非常に有用である。
であり、これらの化合物は、一般的免疫抑制作用を示さ
ず、優れたIgE抗体産生抑制作用を示す。したがっ
て、特に、IgEの産生異常で惹起される病気、例えば
アトピ−性気管支喘息、アトピ−性皮膚炎、アレルギ−
性鼻炎、花粉症、アナフィラキシ−、食物アレルギ−等
の治療薬または予防薬あるいはそれらへの変換素材とし
て非常に有用である。
【図1】図1はAM6898Eの臭化カリウム錠剤中で
の赤外部吸収スペクトルを示す。
の赤外部吸収スペクトルを示す。
【図2】図2はAM6898Eの重クロロホルム溶液中
での400MHz 1H−NMRスペクトルを示す。
での400MHz 1H−NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:645) (C12N 1/14 C12R 1:645)
Claims (4)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表される化合物。
- 【請求項2】 請求項1に記載の化合物を産生する能力
を有するシュードアレッシェリア属に属する微生物を培
養し、その培養物より該化合物を採取することを特徴と
する該化合物の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の化合物を有効成分とす
る医薬。 - 【請求項4】 医薬が、IgE産生抑制剤、またはIg
Eの異常産生に基づく免疫疾患の予防・治療剤である請
求項3に記載の医薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9280022A JPH11116577A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 新規化合物am6898e及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9280022A JPH11116577A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 新規化合物am6898e及びその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11116577A true JPH11116577A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17619217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9280022A Withdrawn JPH11116577A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | 新規化合物am6898e及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11116577A (ja) |
-
1997
- 1997-10-14 JP JP9280022A patent/JPH11116577A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050104 |