JP2004521927A - Cns障害の治療用薬剤の製造におけるチオルチン二酸化物およびその誘導体の使用、ならびにこれらの製造方法 - Google Patents

Cns障害の治療用薬剤の製造におけるチオルチン二酸化物およびその誘導体の使用、ならびにこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、CNS障害の治療のための薬剤の製造における、チオルチン二酸化物およびその誘導体の使用、微生物ノカルジオプシス種ST 100692、DSM 13834の培養によるこれらの製造方法、および微生物ノカルジオプシス種ST 100692、DSM 13834に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、CNS障害の治療のための薬剤の製造におけるチオルチン二酸化物および誘導体の使用に関し、また、微生物ノカルジオプシス種(Nocardiopsis species)ST 100692、DSM 13834の培養によるこれらの製造方法に関し、さらに、ノカルジオプシス種ST 100692、DSM 13834に関する。
【背景技術】
【0002】
チオルチンは、市販されている公知の天然化合物である(Apin Chemicals, UK; CMS Speciality Chemicals, UK; Ubichem plc, UK)。チオルチン二酸化物もまた、公知の化合物である。チオルチン二酸化物の公知の製造方法の1つは、Schachtner et al., J. Heterocycl. Chem., 1999, 161-175に述べられるように、チオルチンのm−クロル過安息香酸を用いての酸化収率30%である。
【0003】
チオルチン二酸化物は、薬剤特性を有するものであるとして既に述べられている。WO 99/12543 は、抗腫瘍薬としてのチオルチン二酸化物の使用を述べており、また、WO 96/32396 は、抗菌剤および抗真菌剤としてのチオルチン二酸化物の使用を述べている。
【0004】
驚くべきことに、チオルチン二酸化物が、神経溶解素の効果的な阻害剤であることが、今回見出された。神経溶解素は、亜鉛含有メタロプロテアーゼのファミリーに属する。これは、ニューロテンシンの生理学的不活化において、おそらく内因性抗精神病薬の役割を演ずる。チオルチン二酸化物は神経溶解素のニューロテンシン不活化を阻害し、そして、それゆえ、パーキンソン病やアルツハイマー病のような神経変性疾患の治療において有用である。チオルチン二酸化物はまた、エンケファリナーゼや、アンギオテンシン転化酵素のようなその他の亜鉛含有メタロプロテアーゼを阻害しないということにおいて選択的である。
また、ノカルジオプシス種ST 100692、DSM 13834が、比較的高い収率においてチオルチン二酸化物を形成し得ることが今回見出された。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、CNS障害の治療のための薬剤の製造における、一般式Iの化合物:
【化1】
Figure 2004521927
(式中、R1、R2およびR3は、独立して、H、アルキル、および、アシルから選択されたものである。)
ならびにその生理学的に許容された塩類の使用に関する。
R1がアシル、R2がH、および/またはR3がアルキルである一般式Iの化合物、ならびにその生理学的に許容された塩類が好ましい。
【0006】
一般式Iの化合物におけるアシル基は、2〜10の炭素原子を有する、好ましくは2〜6炭素原子を有し得、そして、直鎖または分枝のもので在り得、飽和または1もしくは2つの不飽和であり得る。
2つの炭素原子を有するアシル基は、例えばアセチル基を意味する。
【0007】
飽和の、分枝のないアシル基の例は、酢酸残基、プロピオン酸残基、酪酸残基、吉草酸残基、カプロン酸残基、エナント酸残基、カプリル酸残基、ペラルゴン酸残基およびカプリン酸である。
一不飽和である分枝のないアシル残基の例は、アクリル酸残基およびクロトン酸残基である。
二不飽和である分枝のないアシル基の例は、ソルビン酸残基である。
【0008】
一般式Iの化合物中のアルキル基は、1〜6つの炭素原子を有し得、そして、直鎖または分枝のものであり得る。さらに、アルキル基は、飽和基ならびに不飽和基を含み、このうち後者は1つまたは2つの二重結合を含む。1〜6つの炭素原子を含むアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシル、これらの全ての基のn−異性体、イソプロピル、イソブチル、1−メチルブチル、イソペンチル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチルおよびイソヘキシルである。
【0009】
不飽和アルキル基は、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル(=アリル)、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、5−へキセニル、または1,3−ペンタジエニルのようなアルケニル残基である。
【0010】
一実施態様において、本発明は一般式IIの化合物
【化2】
Figure 2004521927
またはその生理学的に許容される塩の、CNS障害の治療のための薬剤の製造における使用に関するものである。
【0011】
一般式Iの化合物は、循環神経溶解素の正常値を超えることによって引き起こされる障害を治療するのに有用である。一般式Iの化合物で治療され得るCNS障害は、例えば精神分裂症のような精神障害、および、例えばアルツハイマー病およびパーキンソン病のような神経変性障害を含むものである。
【0012】
一般式Iの化合物は、微生物ノカルジオプシス種ST 100692、DSM 13834またはその変異体もしくは突然変異体を適当な条件下で培養し、少なくとも1つの化合物を単離し、そして、必要に応じてこれを生理学的に許容された塩、誘導体または誘導体の生理学的に許容された塩に変換することにより得ることができる。
【0013】
従って本発明は、微生物ノカルジオプシス種ST 100692、DSM 13834またはその突然変異体若しくは変異体を、水性栄養培地において培養し、そして少なくとも1つの標的化合物を単離および精製し、さらに、場合により、この化合物をその生理学的に許容された塩、誘導体または誘導体の生理学的に許容された塩へ変換することからなる、一般式Iの化合物の製造方法に関するものである。
【0014】
チオルチン二酸化物を生産することに加えて、ノカルジオプシス種ST 100692、DSM 13834はまた、記載されている培養条件で、チオルチンを産生する。
得られたチオルチンは、単離され、そして当業者に公知の方法によってチオルチン二酸化物に変換されることができる。
従って、一般式Iの化合物の本発明による別の製造方法は、ノカルジオプシス種ST 100692、DSM 13834またはその突然変異体若しくは変異体を、水性栄養培地において培養し、そしてチオルチンを単離および精製し、チオルチンを少なくとも1つの標的化合物に変換し、さらに、場合により、この化合物をその生理学的に許容された塩、誘導体または誘導体の生理学的に許容された塩へ変換することからなるものである。
【0015】
微生物ノカルジオプシス種ST 100692、DSM 13834は、2000年11月13日に、ブタペスト条約の条件下に、Mascheroder weg 1b, D-38124 Braunschweig所在のDeutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturenへ、寄託番号DSM 13834で寄託された。
【0016】
ガスクロマトグラフィを使用した脂肪酸の分析による、微生物ノカルジオプシス種ST 100692、DSM 13834の分類学的試験は、特徴のある酸が、14:0 iso、 15:0 anteiso、15:0 iso、16:0、16:0 iso、17:0、17:0 iso、17:0 anteisoおよび18:0であることを示した。コロニー色は、特にISP2(酵母−麦芽)およびISP3(オートミール)培地上で、白色の気菌糸を形成して、クロムイエローである。
【0017】
株DSM 13834に代えて、その突然変異体および変異体を、これらが本発明に係る化合物を合成する限りにおいて、用いることも可能である。このような突然変異体は、それ自体公知である手法において、物理的手段、例えば、照射、例えば、メタンスルホン酸エチル(EMS);2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(MOB)またはN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトログアニジン(MNNG)の照射によって、作成することができる。
【0018】
本発明に係る化合物を産生する突然変異体および変異体のスクリーニングは、培地ブロスに蓄積された活性物質の生物学的活性を測定することによって、例えば、以下に記載した方法を用いて神経溶解素阻害効果を調べることによって、行うことができる。
【0019】
好気培養のための炭素源として適切かつ好ましいものは、例えば、グルコース、ラクトースまたはD−マンニトールのような同化可能な炭水化物および糖アルコール、並びに、例えば麦芽抽出物のような炭水化物含有天然産物である。好ましい窒素含有栄養物は、アミノ酸、ペプチドおよび蛋白質;例えばペプトンまたはトリプトンのような蛋白質分解産物;肉抽出物;例えばとうもろこし、小麦、大豆またはコットン・プラントのような種子粉砕物;アルコール、ミートミールまたは酵母抽出物の製造からの蒸留残留物;ならびにアンモニウム塩および硝酸塩である。前記栄養液が含有し得る無機塩は、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土金属、鉄、亜鉛、コバルトおよびマンガンの塩化物、炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩である。
【0020】
チオルチン二酸化物の調製は、例えば、約0.5〜5%、より好ましくは1〜2%のグルコース、0.5〜5%、より好ましくは1〜2%の大豆ミール、0.1〜1.5%、より好ましくは0.3〜0.8%のコーンスティープ(液体)、0.05〜1.0%、より好ましくは0.1〜0.5%の炭酸カルシウム、および0.05〜1%、好ましくは0.3〜0.8%の塩化ナトリウム(いずれも完全栄養液の重量に基づく)を含有する栄養液中で、特に良好に達成することができる。
【0021】
培養は、好気的、すなわち、例えば振盪フラスコまたは培養槽中で振盪または攪拌しながら液中培養することで行われ、必要に応じて空気または酸素が導入される。培養は、例えば、種々の容積の広口瓶または丸底フラスコ中で、またガラス製培養槽またはステンレス鋼製タンク中で、行うことができる。培養は、約20〜35℃、好ましくは約25〜30℃の温度範囲において行うことができる。pHは、4〜10の間、有利には6〜8の間とすべきである。前記微生物は、これらの条件下、一般に、20〜200時間、好ましくは24〜150時間の期間で培養される。
【0022】
培養は、いくつかの段階で有利に実施される、すなわち、1またはそれ以上の予備培養物が液状栄養培地中に最初に産生され、そして次に、この予備培養物が実際の産生培地に、例えば容量比で1:10の割合で移され、本培養が行われる。予備培養物は、例えば、栄養液中に胞子形成した菌糸体を移し、そして約20〜120時間、好ましくは24〜90時間成長させることによって得られる。胞子形成した菌糸体は、例えば、酵母−麦芽寒天またはポテトデキストロース寒天のような、固形または液状栄養培地上で、約1〜40日間、好ましくは5〜12日間、株を成長させることによって得ることができる。
【0023】
培養の経過および本発明に係る化合物の形成の経過は、当業者に公知の方法、例えば、生物学的検定法において生物学的活性を調べることによって、または、薄相クロマトグラフィー(TLC)や高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)のようなクロマトグラフィー法によって、追跡することが可能である。
【0024】
一般式Iの化合物は、菌糸体中および培養濾液中の双方に生じ得るが、大部分の量は、通常、バイオマス(菌糸体)中に見出される。それゆえ、前者から後者を濾過または遠心分離によって分離することが得策である。濾液は、1−ブタノール、酢酸エチル、クロロホルム等のような水不混和性溶剤で抽出される。菌糸体は、メタノールやアセトンで便宜上抽出されるが、上記水不混和性溶剤を用いることも可能である。
【0025】
抽出物は、広いpH範囲において実施することができるが、中性媒体、好ましくはpH4およびpH8の間で行うことが好ましい。有機抽出物は、例えば、真空において濃縮され、乾燥されることができる。
【0026】
1つの精製方法は、吸着樹脂上、例えば、Diaion(R) HP-20(三菱化成、東京)上、Amberlite(R) XAD7(Rohm and Haas, USA)上、Amberchrom(R) CG(Toso Haas, Philadelphia, USA)上での、クロマトグラフィーである。多くの逆相支持体、例えば、RP18も、一般的に公知であるように、例えば高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)のフレームワーク内で、適したものである。
【0027】
一般式Iの化合物は、上記したものと同様の方法あるいは当業者に公知の他の方法によって単離し、精製することができる。
上記一般式Iはまた、チオルチン二酸化物の誘導体にも当てはまる。これらの誘導体は、同様の効果を有するか、あるいはチオルチン二酸化物と同様の効果を有する化合物へと穏やかな条件下で変換される。誘導体は、当業者に公知の方法によって調製可能である。一般式Iによって表されるチオルチン二酸化物誘導体のいくつかの調製方法の例は、以下に示される:
1)チオルチン二酸化物の(環外の)アセチル基は、文献、例えば、‘Protective Groups in Organic Synthesis', 3rd Edition, T. Greene & P. Wuts, John Wiley & Sons, 1999, pp 553-555において述べられるように、酸または塩基を用いて切断することができる。
2)チオルチン二酸化物の遊離アミノ基は、例えば、‘Advanced Organic Chemistry',
4th Edition, J. March, John Wiley & Sons, 1992, pp 898-900において述べられるような、還元的アルキル化によって、アルキル化することができる。
3)チオルチン二酸化物のアミノ基は、例えば、酸塩化物または無水物を用い、当業者に公知の標準的手法によってアシル化することができる。
【0028】
一般式Iの化合物のその他の誘導体は、例えば、P. N. Rylander, ‘Hydrogenation Methods’, Academic Press, New York (1985), Chpt. 2のような文献に述べられる方法により、一般式Iの化合物、例えば、チオルチン二酸化物の少なくとも1つの二重結合を還元することで得られる化合物、あるいは、H. O. House in ‘Modern Synthetic Reactions’, W.A. Benjamin, Inc., New York (1972), pp 446-452において述べられるような脱ハロゲン化水素によって得られた化合物を含むものである。
本発明に係る化合物は、薬理学的に許容され得る塩に変換することができる。この塩は、当業者にとって公知の標準的手順によって調製することができる。
一般式Iの化合物の生理学的に許容される塩は、Remington's Pharmaceutical Sciences (17th edition, page 1418 (1985))において述べられるように、有機および無機の双方の塩を意味する。ナトリウム塩およびカリウム塩のような塩は、例えば、本発明に係る化合物を適当なナトリウムまたはカリウム塩基で処理することによって調製され得る。
【0029】
本発明の更なる観点は、一般式Iの化合物のプロドラッグの使用である。このようなプロドラッグは、生体内において、チオルチン二酸化物のような一般式Iの化合物に代謝され得る。プロドラックそれ自体は、活性なものであっても、そうでなくともよい。
一般式Iの化合物は、種々の多形体、例えば、非晶性および結晶性多形体として、存在し得る。一般式Iの化合物の全ての多形体は、本発明の範囲内のものであり、そして、本発明の別の観点である。
本発明の化合物およびその薬理学的に許容され得る塩および誘導体は、動物、好ましくは哺乳類、特に、ヒトに対して、単独であるいは他との混合物において薬剤として投与可能である。
従って、適当な薬理学的組成物は、1またはそれ以上の一般式I若しくはIIの化合物、またはその薬理学的に許容され得る塩の有効量を、薬理学的に許容され得る担体と共に有してなるものである。
【0030】
本発明の化合物は、経口的に、筋肉内注射で、静脈内注射で、あるいは他の投与形態によって投与可能である。これらの化合物またはその薬理学的に許容され得る塩または誘導体、場合により、薬理学的に活性なその他の物質を含む薬理学的組成物は、1またはそれ以上の生理学的に許容される助剤および/または添加剤を、これら活性化合物と混合することによって製造することができる。該混合物は、次に、適当な薬剤形体、例えば、錠剤、被覆錠剤、カプセル、顆粒剤、粉剤、乳剤、懸濁剤、または液剤に換えることができる。
記載され得る助剤および/または添加剤の例は、充填剤、乳化剤、滑剤、被覆風味剤、着色剤および緩衝物質、トラガカント、ラクトース、タルク、寒天、ポリグリコール、エタノールおよび水である。
【0031】
適当でかつ好ましい非経口投与は、水への懸濁液または溶液である。例えば、カプセル中のような、適当な形体において、ビヒクルまたは希釈剤を用いることなく、活性物質を投与することも可能である。
適当な薬剤の製造方法は、本発明の化合物の少なくとも1つを、薬理学的に適当なかつ生理学的に許容される担体、および必要に応じて、別の適当な活性物質、混和剤、および添加剤と共に、適当な投与形態へと転換することからなる。
特定の症例に適当な、生薬処方および投与方法ならびに投与量は、恒例により、治療すべき種に依存し、およびそれぞれの条件または疾患の状態に依存し、そして、公知技術である方法を使用して最適化することができる。例えば錠剤またはカプセルのような固形の投与形態を用いて、一日当り、最高500mg、好ましくは0.1〜250mgを投与することが可能である。一日当り、最高300mg、好ましくは0.5〜150mgが、非経口投与として与えられ得る。
以下は、本発明の実施例であるが、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例1】
【0032】
産生株ノカルジオプシス種DSM 13834の芽胞懸濁液の製造
滅菌された300ml三角フラスコ中の100mlの栄養液(水1000ml中、4g/l 酵母抽出物、15g/l 可溶性スターチ、1g/l K2HPO4、0.5g/l MgSO4・7H2O、滅菌前pH7.0)に、ノカルジオプシス種DSM 13834を接種し、5日間、ロータリーシェーカーにおいて、28℃、180rpmでインキュベートした。その後、この培地の1.5mlを99%グリセリン1.5mlで希釈し、そして−20℃で貯蔵した。
【実施例2】
【0033】
三角フラスコ中での産生株の培地または予備培地の製造
大豆粉15g/l、グルコース15g/l、コーンスティープ液5g/l、NaCl 5g/lおよびCaCO32gを含む栄養液100mlを入れた、滅菌された三角フラスコに、スラント試験管(2%寒天を有する以外は、同様の栄養液)中で成長させた培養株、またはグリセリン培養株(実施例1参照)1mlを接種し、そして振盪器において25℃、180rpmでインキュベートした。チオルチン二酸化物の最大の産生は、約96時間後に達せられた。72時間令の液中培養株(振盪培養に関して述べた方法と同様であるが、グルコース15g/l、大豆粉15g/l、コーンスティープ5g/l、CaCO32glおよびNaCl 5g/lを含むpH7.5の培地を用いて産生された。)は、約5%の接種材料で10および100l培養槽に接種するために十分なものであった。
【実施例3】
【0034】
チオルチン二酸化物の製造
200l培養槽は、以下の条件で操作された:
Figure 2004521927
起泡は、エタノール性ポリオール溶液の1〜2mlの数滴を添加することを繰り返すことによって、抑制された。最大の産生は69時間後に達せられた。
【実施例4】
【0035】
チオルチン二酸化物の単離
実施例3で得られた培養溶液3リットルを、凍結乾燥し、その後、凍結乾燥物をメタノール(2〜3l)で抽出した。メタノール抽出物を、真空で濃縮し、メタノール含量10%を含む水で希釈した。希釈した抽出物を、吸着樹脂CHP-20Pを充填した1リットル容量のカラムにかけた。溶出は、水からアセトニトリルへの溶剤勾配を用いて行われた。カラム通過流(30ml/分)は、30mlの分画群とされ、そして所望の化合物含有分画を集め、真空で濃縮し、凍結乾燥して、約30mgの黄褐色粉末を得た。得られた粉末を、LUNA(R) 10 uC18(2)を充填したカラム(幅×高さ=21mm×250mm)にかけ、そして、0.1%酢酸アンモニウム/水中におけるアセトニトリルの10〜60%の勾配で溶出した。溶離剤の流速は、25ml/分であり、カラムからの流出物は、25mlの分画群へと集められた。チロキシン二酸化物は、15および16の分画において見出された。該指定分画の凍結乾燥物から、>95%純度のチオルチン二酸化物1.8mgを得た。
【0036】
チオルチン二酸化物の物理化学的なおよび分光学的な特性は、以下のように要約できる:
分子式:C88242
分子量:260.3
UV極大:230、302、388nm
1H−および13C−NMR:表1参照。
【0037】
【表1】
Figure 2004521927
【実施例5】
【0038】
神経溶解素阻害剤としてのチオルチン二酸化物
検定は、CyBioピペッテイングシステムにて、384ウェル プレート型において16μlの最終検定容量で実施された。
簡潔には、4mlの適当に希釈された微生物抽出液(50mM Trisバッファ、pH7.5に希釈)を、試験プレート(Greiner、白色の384−小容積ウェル プレート)に分配した。その後、4μlの神経溶解素(1:5に予め希釈されたもの、蛋白質360ng)が、各ウェルへと添加された。試料および酵素の室温での10分間の予備インキュベーションの後、Trisバッファ中の基質(Mcc-Pro-Leu-Gly-D-Lys(Dnp)-OH、CALBIOCHEM)8μlの添加によって反応を開始した。
ピペット操作後、プレートを直ちに蛍光測定器(SpectraFluorplus、SLT)内に配置し、そして蛍光の初期量を読み取った(λex:360nm/λem405nm)。次いで反応を30℃で30分間進行させて、そして最終蛍光量を読み取った。
データは、最初ブランク更正された。次に、30分後の各値からゼロ時点での値を減算した後、試料阻害活性が
100−(化合物の正味強度/比較対照の正味強度)×100(%)
として表された。
各試験プレートは、陽性の比較対照およびブランク(酵素の代わりのバッファ)の適正な数を含んでいた。
チオルチン二酸化物のIC50は、0.6μMであることがわかった。
【0039】
微生物の受託書
Figure 2004521927
【0040】
微生物の受託書
Figure 2004521927
【0041】
微生物の生存に関する証明書
Figure 2004521927

Claims (7)

  1. CNS障害の治療用薬剤の製造における、一般式I
    Figure 2004521927
    (式中、R1、R2およびR3は、独立して、H、アルキル、およびアシルから選択される)
    の化合物、ならびにその生理学的に許容された塩類およびその誘導体の使用。
  2. R1がアシル、R2がH、そして、R3がアルキルである請求項1に記載の一般式Iの化合物の使用。
  3. 化合物が一般式IIのチオルチン二酸化物である請求項1に記載の使用。
    Figure 2004521927
  4. 微生物 Nocardiopsis種ST 100692、DSM 13834またはその突然変異体若しくは変異体を、好気的条件下で、炭素および窒素源を含有する栄養培地において、該栄養培地中に式Iの化合物の少なくとも1つが存在するようになるまで培養し、そして該化合物を単離および精製することからなる、一般式Iの化合物の製造方法。
  5. 微生物 Nocardiopsis種ST 100692、DSM 13834またはその突然変異体若しくは変異体を、好気的条件下で、炭素および窒素源を含有する栄養培地において、該栄養培地中にチオルチンが存在するようになるまで培養し、チオルチンを単離し、そしてこのチオルチンを一般式Iの少なくとも1つの化合物に変換することからなる、一般式Iの化合物の製造方法。
  6. 一般式Iの化合物を、その生理学的に許容された塩、誘導体または該誘導体の生理学的に許容された塩に変換することをさらに含む請求項4または請求項5に記載の方法。
  7. Nocardiopsis種ST 100692、DSM 13834。
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