JPH09174883A - インクジェット記録ヘッドの駆動装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの駆動装置

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JPH09174883A
JPH09174883A JP33739395A JP33739395A JPH09174883A JP H09174883 A JPH09174883 A JP H09174883A JP 33739395 A JP33739395 A JP 33739395A JP 33739395 A JP33739395 A JP 33739395A JP H09174883 A JPH09174883 A JP H09174883A
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drive
ink
piezoelectric body
output
drive voltage
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JP33739395A
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Yoshikiyo Futagawa
良清 二川
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク吐出量に対応した複数の駆動電波形を用
意してこれらをプリントデ−タにより選択的にヘッドを
構成するアクチュエ−タに与えて、記録ヘッドと駆動回
路を高価にすることなく且つ記録ドット配置間隔も変更
することなく、ドット大きさを安定的に変調して円滑な
階調表現を図ること。 【解決手段】インク吐出量に対応した複数の複数の駆動
電圧波形を発生する共通波形発生手段の1つの駆動電圧
波形を、階調データ信号により選択して、圧電体に印加
する構成にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録ヘッドを構成するアクチュエータの付勢方法を選択的
に可変にすることで、記録紙上に形成するドットの大き
さを可変にし、文字・画像の階調表現を高めるインクジ
ェット記録ヘッドの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、本願に係るインクジェット記録ヘ
ッドの構成例を図1で説明する。
【0003】図1において、符号1はコの字型の室枠
で、開口面を振動板3で封じることで、内部にインク室
2を形成している。そして、この振動板3には、他端が
固定部材5で固定された圧電体6が固着されており、電
極対7を介して圧電体6に電圧を印加することで圧電体
6を伸縮させて振動板3をたわませ、インク室2を収縮
或いは拡大するよう構成されている。
【0004】圧電体6に電圧を緩やかに印加すると、圧
電体6は図中の右方向に縮みインク室2を膨張させ、図
示せぬリザーバーよりインク供給口4を通してインク室
2にインクを吸引する。その後、急激に印加電圧を除去
すると圧電体6は急激に元に復帰してインク室2を急激
に圧縮し、インク室2内のインクが押圧されて室枠1に
設けたノズル孔8よりインク滴9を吐出させる。シリア
ルプリンタに搭載されるインクジェット記録ヘッドは、
図1に示したようなアクチュエ−タが複数個一体形成さ
れている。
【0005】この様に構成されたインクジェット記録ヘ
ッドの従来の駆動方法は、図2に示す方法により行われ
ていた。即ち、図2(a)に示すように、圧電体6に電
圧Vmを印加した状態から、印刷信号に同期して、t1
時間をかけて電圧Vpまで印加電圧を上昇させ、インク
室2を膨張してインクを吸引し、所定時間(t2時間)
をおいてから、t3時間で急激に電圧を除去してインク
室2を圧縮し、インク滴を吐出させる。そして、所定時
間(t4時間)後に、t5時間で印加電圧を定常印加電
圧Vmまで上昇させ、基の待機状態に戻し、所定時間
(t6時間)後に、次の印刷信号により印加電圧をVp
まで上昇させるという駆動方法を採っていた。
【0006】図2(b)は、その際の振動板3又はイン
ク室2の膨張・圧縮の様子を示すもので、0(%)また
は100(%)で示す線は、印加電圧が0ボルトまたは
Vpの時の圧電体6の静的変位量を示す線であり、図中
の下方向が膨張方向である。実際の動的変位は、上記線
を越えてオーバーシュートし、残留振動が長時間続くこ
とがあるが、前述の圧電体の印加電圧傾斜、t4時間の
間隔等のパラメータを最適値に調整することで残留振動
を速やかに静定させることができる。
【0007】この様な駆動方法によれば、残留振動等に
伴う微小インク滴の発生が防げ印字品質の良好な印刷が
可能である。
【0008】尚、圧電体6の印加電圧の最大値Vpは、
アクチュエータの構成とインク特性にもよるが、概ね1
5〜50ボルトである。
【0009】昨今、この様なインクジェット記録ヘッド
を用いて、記録ドット密度が300〜400ドット/イ
ンチ程度で、階調表現に優れた印刷出力が望まれてきて
おり、特にカラ−画像出力において要望が著しい。
【0010】ところが、従来のテキスト印字を主体とし
たインクジェット記録ヘッドでは、図3(a)に示すよ
うに記録ドット径の大きさは、塗り潰し可能にして文字
をきれいに表現するために、ドット配置間隔より大きく
するのが通常であり、これを画像記録に適用すると、図
3(b)に示すようにドットが連なり特殊なパ−タンが
発生して、ザラツキ感・目障り又は汚い画像となってし
まう。また、ドットとドットが部分的に重なってしまう
ことから、階調のダイナミクレンジが小さくなってしま
い原画のような階調豊かな印刷出力が得られない。
【0011】そこで、階調を重視する印刷においては、
図3(c)に示すように、3種の大きさのドットc1,
c2,c3を用いて記録ドット径を可変にすることが考
えられている。この様なドット径を用いて記録を行え
ば、図3(d)に示すように同じドット配置でも図3
(b)と比較して、パターンの特殊性も薄れ滑らかにな
り、階調性に優れた美しい印刷結果が得られることにな
る。
【0012】この様なドット径を変調する技術として、
特開昭57−41966号公報、特開昭58−2016
57号公報、特開昭59−190862号公報等で開示
されている技術があるが、これらは、何れも異なる径の
ノズルを複数用意してインク吐出量を制御するもので、
変調ドットレベルに応じた分のノズルが必要で、ヘッド
の大型化とその分の駆動回路が必要になることから、装
置が大変複雑となり高価になるとうい問題がある。
【0013】また別の技術として、特開平1−1309
49号公報に開示の技術もある。この技術は、圧電体へ
の第1回目のパルスの印加後、この印加により生じたイ
ンクの圧力波動パルスを打ち消す為に第2〜第n回のパ
ルスの印加を行うとともに、第1回目の印加パルス〜第
n回目の印加パルスの相対的な印加タイミング及びパル
ス強度の比を一定に保ったままパルス強度を可変設定し
て吐出インク量を制御するものである。この技術の実現
には、1ノズルに対してアナログ乗算器、増幅回路が必
要となり、多数ノズルのインクジェット記録ヘッドに対
しては、構成が複雑且つ極めて高価になる欠陥を有す
る。又、アナログ回路で供給電圧近傍までパルス出力振
幅を得ることは、困難で電源利用効率も悪い欠陥も有す
る。
【0014】また、更に別の技術として、主走査方向に
比較的小さいドットで、極めて近傍に数個のドットを乾
燥に到る前に着滴させ、結合拡大させてドット大きさを
変える方法も提案されているが、この場合はヘツドのイ
ンク吐出周波数特性を数倍に高める必要があり、電力消
費も数倍になる欠陥を有する。また、記録ヘッドの走査
速度等の影響で、ドットが真円でなく尾引き状態となり
印刷品質が劣化する問題もある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な問題
に鑑みてなされたもであって、その目的とするところ
は、インク吐出量に対応した複数の駆動電圧波形を用意
して、これらをプリントデ−タにより選択的に圧電体に
印加して、記録ヘッドと駆動回路を高価にすることな
く、且つ、記録ドットの大きさを変え、記録ドット配置
間隔も変更することなく階調表現を可能としたインクジ
ェット記録ヘッドの駆動装置を提供するものである。ま
た、アクチュエータを構成する圧電体の充放電による熱
発生を容易に放熱させるインクジェット記録ヘッドの駆
動装置を提供するものである。
【0016】
【課題を解決する為の手段】上記課題を達成するため
に、本発明のインクジェット記録ヘッドの駆動装置は、
圧電体に電圧を印加し、該圧電体の伸縮によりインク室
の体積を変化させインクを吐出させるインクジエット記
録ヘッドの駆動装置において、インク吐出量を制御する
波形の異なる複数の駆動電圧波形を発生する共通波形発
生手段と、前記複数の駆動電圧波形の内の1つ出力する
マルチプレクサと、多値のプリントデ−タを1つの肯定
出力に変換し記憶するプリントデ−タ記憶手段とを備
え、前記プリントデータ記憶手段の出力に基づき、前記
マルチプレクサが出力する前記複数の駆動電圧波形を選
択して圧電体に供給するようにすることで、階調データ
に応じた大きさのインク滴を吐出させるようにしてい
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。
【0018】図4に本発明に適用する駆動回路のブロッ
ク構成と、部分的な回路を示す。
【0019】符号20は所定の複数のドットの大きさに
対応した駆動電圧波形を発生する共通波形発生手段で、
具体的には図5に示す(a)、(b)、(c)、(d)
のような波形信号S3、S2、S1、S0を発生する。
この共通波形発生手段20の具体的な構成は出願人が特
開平2−164544号公報、特開平2−274554
号公報などに開示している。これらは、波高値Vp1、
Vp2、Vp3、Vm及び波形が少し異なるものであ
る。これらの波形信号S3、S2、S1、S0によ記録
されるドット大きさをD3、D2、D1、D0とすれ
ば、D3>D2>D1>D0=0(インクを吐出しな
い)で、図3に示すC3、C2、C1にそれぞれ対応す
る。
【0020】本実施例では、吐出しない値も含めて4値
に設定したが、この値に限定されるものではない。しか
し、実際問題として、アクチュエ−タ特性の製造上又は
温度等の環境上のバラツキによるドットの大きさがオ−
バラップして、多値表現に限界生じることから、闇雲に
多くしても意味がなく6値くらいまでが適当である。
【0021】尚、D0=0としたインク吐出させない場
合の波形信号S0も出力するようにしているのは、ノズ
ル開口部近傍に形成されるメニスカスが外気に触れて表
面が膜化するのをインクが吐出しない程度の微振動を与
えて防止するためである。ただ、数十分以上印字指令が
来ない場合には、記録ヘッドをホ−ムポジションに戻し
ノズル面をキヤップしてインクの蒸発と固化を防止する
ことは従来通りである。
【0022】符号21はシステム制御手段で、共通波形
発生手段20の発生タイミング信号PSの出力と、更に
後述する複数のドライブユニット22、・・・に多値の
プリントデ−タ、シフトクロック、ラッチパルス等を出
力するものである。
【0023】ドライブユニット22は、階調デ−タ(多
値のプリントデ−タ)を取り込む記憶手段23と、この
記憶手段23の出力処理を行う信号処理手段27と、信
号処理手段27の出力を制御信号として、共通波形発生
手段20が出力する駆動電圧波形S0、S1、S2、S
3の内の1つを選択して圧電体に印加し、階調デ−タに
対応したドットを形成させるマルチプレクサ30より構
成されている。
【0024】詳細には、記憶手段23は、システム制御
手段21からの2ビット階調デ−タをバイナリ信号とし
シフトし記憶するシフト回路24と、該シフト回路24
の出力を所定のタイミングでラッチ回路25にラッチし
てシリアルデータをパラレルデ−タに変換する2ビット
のラッチ回路25と、該ラッチ回路25の出力を4出力
に変換して何れか一つを肯定出力にするデ−コ−ダ26
より構成されている。
【0025】尚、シフト回路、ラッチ回路を4ビット構
成にして、階調デ−タを何れか一個が肯定のシリアルデ
−タとなるように転送すれば、デ−コ−ダを不要にした
記憶手段23も構成できる。
【0026】そして、記憶手段23からの4出力は、シ
ステム制御手段21が出力するイネブル信号に同期して
ANDゲ−ト28と、処理信号CS0、CS3を通過さ
せるORゲ−ト29よりなる信号処理手段27を介して
マルチプレクサ30へ出力される。
【0027】マルチプレクサ30では、信号処理手段2
7の出力をレベル変換器31で所定のレベルまでレベル
変換し、4個のトラスファゲ−ト32の制御端子に出力
する。それにより、4個のトランスファゲート32の1
つが導通し、駆動電圧波形S0、S1、S2、S3の内
の一つが圧電体に印加される。これにより、個々のノズ
ルから要求された量のインクを吐出させるかノズル開口
近傍に形成されるメニスカスの揺動を促す。
【0028】尚、レベル変換を必要とするのは、デ−コ
−ダまでは約5ボルトの供給電源電圧に対して、マルチ
プレクサに印加されるピ−ク電圧が15〜50ボルトで
あることによる。
【0029】次に、システム制御手段21から出力する
処理信号CS0、CS3について説明する。
【0030】処理信号CS0は、電源投入時のように、
各圧電体が電圧Vmに充電されていない時に、図5に示
す駆動電圧波形S0が0ボルトからVmまで上昇する区
間を選択して、インクが吐出しないよう緩やかに待機状
態の電圧値Vmまで充電させる為である。また、処理信
号CS0は、非印刷期間中にノズル開口近傍に形成され
るメニスカスを揺動させ、インク膜形成を防止する時に
も利用する。
【0031】また、処理信号CS3は何等かの原因でノ
ズルが目詰まりした場合等に、全てのノズルよりインク
を空吐出させて通常状態に回復させる時に出力するもの
である。この空吐出は、記録紙に影響を与えないように
印字領域外のホーム位置で行う。
【0032】尚、本実施例では、多値のプリントデ−タ
(階調デ−タ)の生成は、システム制御手段21が元画
像デ−タに生成記録画像に整合させた画像処理、例えば
多値ディザ法、多値誤差拡散法等を施すことで生成す
る。また、本実施例では、信号線数を減らすために階調
データをシリアルデータとして転送するようにしている
が、信号線が増えても問題ない場合は、直接パラレルデ
ータとして出力し、ラッチ回路に記憶させても良い。
【0033】ところで、アクチュエ−タを構成する圧電
体は、駆動側から見ると単に容量性負荷とみなせ、その
容量値Cは構成にもよるが、概ねC=500pF〜20
nFであるので、充放電による消費電力Pは、P=N・
C・Vc2・f になる。ここで、Nは圧電体の総数、V
cは充電電圧、fは駆動周波数(数K〜数十Khz)で
あり、この消費電力Pは数十ワットになる場合がある。
この電力は、主に共通波形発生手段20で消費され、ト
ランスファゲートは導通抵抗を小さく設計してあるか
ら、電力消費を殆ど無い。従って、共通波形発生手段2
0は放熱を配慮した設計が必要な場合がある。何れにし
ても、本実施例では、記録ドットの変調をするのに繰り
返し周波数を変更するようなことをしていないので従来
と同じスループットで記録が行え、電力消費も増加させ
ることがない。
【0034】それに対して、図6に示したように、1ド
ット画素の周期内で複数の小インク滴を吐出し、該小イ
ンク滴の数により記録ドット径を変える従来技術に準じ
ると、前述のように大きな記録ドットを形成する場合に
は、電力消費が大きくなり、また、ドット形状が尾引き
状になり印刷品質が劣化する不具合が生じてしまう。
【0035】図7は、入力画像デ−タ対出力画像濃度階
調に関して、1種の大きなドットによる場合と、本実施
例との比較して示している。実線が本実施例によるもの
で、階調豊かな出力結果が得られる。
【0036】次に、本発明の他の実施例について図8を
基に説明する。
【0037】図8は、図4に示したドライブユニット2
2と同じ構成で、出力能力を小さくしたドライブユニッ
ト52−1、52−2、・・・、52−nと、該ドライ
ブユニットの出力を増幅する電力増幅器70−1、70
−2、・・・、70−nを集積化した駆動IC50を示
している。
【0038】この駆動IC50の出力80−1、80−
2、・・・、80−nに各圧電体を接続し、各圧電体を
駆動するものである。また、各ドライブユニット52−
1、52−2、・・・、52−nには、図4に示した制
御信号・データ等をまとめた制御・データ入力バス51
が入力する構成になっている。
【0039】図8の構成にすると、圧電体の充放電によ
る消費電力は、各電力増幅器70−1、70−2、・・
・、70−nで分散されて消費されるので、それにより
発生する熱は局所に集中することなく放熱が容易で、集
積化がし易くなる。
【0040】図9(a)及び(b)は、図8に示した電
力増幅器70−1、70−2、・・・、70−nの詳細
を説明しているものである。
【0041】図9(a)は第1の電力増幅器回路例を示
し、NPN型のトランジスタTr2とPNP型のTr3
による相補対のエミッタフォロアーを基本構成にしたも
ので、電圧増幅率は1で電力増幅のみである。
【0042】PNP型のトランジスタTr1とNPN型
のトランジスタTr4は、急峻な電圧変化の場合トラン
ジスタTr2、Tr3の応答遅れの差により生じる同時
通電状態での貫通電流を防止するためのもので、相補対
のエミッタフォロアーの一方を動作させる様にスイッチ
ングさせて貫通電流を防止する。
【0043】尚、入力40に入力する電圧波形の変化率
を10ボルト/μsec以下にすれば、貫通電流は殆ど
流れないので、トランジスタTr1、Tr4が不要にな
ることもある。
【0044】この電力増幅器70−1、70−2、・・
・、70−nは、入力40の電圧がが上昇する時は、ト
ランジスタTr1、Tr2が通電して圧電体6に電圧/
時間に圧電体6の容量値を乗じた充電電流Icを流し、
入力40の電圧が下降する時は、トランジスタTr3、
Tr4が通電して充電電流と同様な放電電流Idを流
す。この時、トランジスタTr1、Tr4はスイッチン
グ動作のみで消費電力をほとんど発生しないが、トラン
ジスタTr2はコレクタ・エミッタ間電圧×Ic、トラ
ンジスタTr3もコレクタ・エミッタ間電圧×Idの消
費電力を発生する。これらの和は、圧電体の容量をC、
充電電圧VcとすればC・Vc2 と等しい。従って、駆
動IC50の最大消費電力は先述したN・C・Vc2
fとなるが、実際の印刷に際しては全圧電体を連続して
長時間駆動することはは極稀であり、通常はこの10分
の1程度になる。
【0045】尚、本実施例のインクジェットプリンタで
は、充電及び放電電流は電圧急変部で100mA程度ま
で、電圧緩変部で数mAであり、電圧変化がない時は、
電流は流れない。
【0046】図9(b)は、第2の電力増幅回路例を説
明しており、スイッチング素子としてMOSトランジス
タを利用している。
【0047】MOSトランジスタTr5は、P型のトラ
ンジスタでソース接地型の電力増幅器として、また、M
OSトランジスタTr6は、N型のトランジスタで同様
な電力増幅器として動作するものである。
【0048】この場合、バイポーラトランジスタと違っ
て、MOSトランジスタは、ゲート・ソース間のスレッ
シュホールド電圧のバラツキが大きく、ソースフォロア
ーとしてそのまま用いると、入出力間の追従電圧差が大
きすぎてインクジェットプリンタに利用できない場合が
あるので、オペアンプOP1とオペアンプOP2とで共
働して全帰還ループにして電圧増幅率を1にしている。
【0049】端子CNT1と端子CNT2は、オペアン
プOP1とOP2を制御して、MOSトランジスタTr
5、Tr6の作動/非作動を制御する制御極であり、図
9(a)に示した第1の電力増幅回路のトランジスタT
r1、Tr4と同様の作用を奏じさせためのものであ
る。
【0050】図9(b)の電力増幅回路でもMOSトラ
ンジスタTr5、Tr6が圧電体6の充放電のエネルギ
をほとんど消費する。何れにしても、駆動IC50が圧
電体の充放電エネルギを吸収するから、共通波形発生手
段20の能力は小さいものでよい。
【0051】次に、この様な駆動IC50を図10に示
すキャリジに搭載したシリアルプリンタの具体例を説明
する。
【0052】符号91がヘッド筺体で、ガイド軸92に
支持され、ベルト93により記録紙の幅方向に移動可能
に取り付けらてれいる。ヘッド筺体91は、インクを吐
出させるアクチュエータ94、アクチュエータ94の圧
電体と後述する駆動IC50の接続及び駆動IC50に
外部から電力及び信号を供給するための配線パターンを
印刷した配線基板95、シアン・マゼンタ・イエローの
インクを貯蔵・供給するインクカットリジ96、放熱基
板97、放熱基板97の裏面に配した駆動IC50でな
っている。
【0053】駆動IC50の消費電力が数ワットの場合
は、放熱基板97のみか放熱フイン98を追加して放熱
問題でき、ヘット筺体91の主走査方向の移動に伴って
熱放散性もよくなる。消費電力が約5ワット以上の場合
は、放熱フィン98に加えてマイクロファン99を設置
して強制空冷にする。
【0054】尚、図4のドライブユニット22をIC化
した駆動ICをヘット筺体に搭載しても勿論構わない
が、発熱の問題を除けば駆動IC50の方が、図4のド
ライブユニット22をIC化したより有利になる。それ
は、電力増幅器70を付加したことにより図8のマルチ
プレクサの能力は図4のそれより10分の1以下でよく
なるからである。
【0055】つまり、同じ圧電体の駆動であれば、電流
容量から図4の4個のトランスファゲート32のそれぞ
れの能力を、図8の電力増幅器70のそれと同じにする
必要があり、駆動ICの出力部のチップ面積が4倍にな
る。その他のロジック回路を含めた駆動IC全体のチッ
プ面積に換算比較しても2.5倍以上になってしまう。
それに対して、図8の図示してないトランスファゲート
は波形情報を伝送するのみで、小さいもので済むから、
図8の構成の方が有利になる。
【0056】尚、何れの型の駆動ICでもヘッド筺体に
搭載してインタフェイス用の線数(図8の制御・データ
入力バース相当)を低減して、連絡ケーブルの負荷を低
減することが望ましい。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に適用した構
成の駆動方法によれば、構成要素に負担をかけることな
く、単に所望の複数のドット大きさに対応する駆動電圧
波形を選択するのみであるから、消費電力も増加させる
ことなくコストパフォマンスの良い美しい円滑な階調画
像を得る効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録ヘッドを構成する圧電体を
用いたアクチュエ−タの例を説明する図である。
【図2】圧電体を駆動する駆動電圧の波形例と、これに
呼応してインク室の膨張と収縮過程を示す図である。
【図3】ドット大きさによる階調表現の差異を説明する
図である。
【図4】本発明を実施する具体的なブロック構成と部分
的な回路構成を示す図である。
【図5】本発明に適用する異なる大きさのドットを形成
する駆動電圧波形例を示す図である。
【図6】従来技術に準じた駆動電圧波形の出力例を示す
図である。
【図7】従来方法と本発明による階調表現能力の差異を
示す図である。
【図8】本発明の他の実施例で、図4のドライブユニッ
ト部を変更したものを示す図である。
【図9】図8に使用する電力増幅器の具体的な構成例を
示す図である。
【図10】本発明の部分構成をなす駆動ICをシリアル
プリンタのヘッド筺体に搭載した例を示す図である。
【符号の説明】
20…共通波形発生手段 21…システム制御手段 22、52−1、、、…ドライブユニット 23…階調デ−タの記憶手段 27…信号処理手段 30…マルチプレクサ 24…シフト回路 25…ラッチ回路 26…デ−コ−ダ 31…レベル変換器 32…トランスファゲ−ト 50…駆動IC 70…電力増幅器 91…ヘッド筺体 94…アクチュエータ 96…インクカットリジ 97…放熱基板 99…マイクロファン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電体に電圧を印加し、該圧電体の伸縮に
    よりインク室の体積を変化させインクを吐出させるイン
    クジエット記録ヘッドの駆動装置において、 インク吐出量を制御する波形の異なる複数の駆動電圧波
    形を発生する共通波形発生手段と、 前記複数の駆動電圧波形の内の1つを出力するマルチプ
    レクサと、 多値のプリントデ−タを1つの肯定出力に変換し記憶す
    るプリントデ−タ記憶手段とを備え、 前記プリントデータ記憶手段の出力に基づき、前記マル
    チプレクサが出力する前記複数の駆動電圧波形を選択し
    て前記圧電体に供給することを特徴とするインクジェッ
    トヘッドの駆動装置。
  2. 【請求項2】前記マルチプレクサの出力に電力増幅回路
    が接続されていることを特徴とする請求項1記載のイン
    クジェット記録ヘッドの駆動装置。
  3. 【請求項3】前記増幅回路が接続されたマルチプレクサ
    を1つのユニットとなし、該ユニットを複数集積した駆
    動ICをプリンタのキャリッジに搭載したことを特徴と
    する請求項2記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  4. 【請求項4】前記複数の駆動電圧波形の1つは、インク
    吐出に到らない程度の電圧波形あることを特徴とする請
    求項1記載のインクジェット記録ヘッドの駆動装置。
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