JPH09174183A - メタル担体の製造方法 - Google Patents

メタル担体の製造方法

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JPH09174183A
JPH09174183A JP7349581A JP34958195A JPH09174183A JP H09174183 A JPH09174183 A JP H09174183A JP 7349581 A JP7349581 A JP 7349581A JP 34958195 A JP34958195 A JP 34958195A JP H09174183 A JPH09174183 A JP H09174183A
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JP
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metal
honeycomb body
brazing
metal casing
casing
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Application number
JP7349581A
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English (en)
Inventor
Yasuji Sakamoto
保司 坂本
Haruo Serizawa
治夫 芹沢
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プレス機による絞りと、ろう接合を併用した
メタル担体の製法の提供。 【解決手段】 プレス機Pの下型Pに配設されたメタ
ルハニカム体HをメタルケーシングC内に位置決めする
位置決め用ブロックXと、メタルケーシングの軸方向の
中間部位でメタルケーシングの外周部から半径方向にプ
レス機の上型Pに配設されたダイスYと共働してメタ
ルケーシングを絞るためにメタルケーシングの外周部に
配設された絞り工具Zとからなるプレス機を使用してメ
タルハニカム体とメタルケーシングを縮径により一体化
する際、絞られる部位にろう材を適用しろう接合を併用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製かつハニカ
ム構造の排気ガス浄化用触媒を担持するためのハニカム
構造体(以下、単にメタルハニカム体という。)、及び
前記メタルハニカム体を外包する金属製のケーシング
(以下、単にメタルケーシングという。)とからなる排
気ガス浄化用のメタル担体の新規な製造方法に関する。
【0002】詳しくは、本発明は、メタルハニカム体と
メタルケーシングの一体化固着手段として、プレス機に
よるダイス絞り加工法とろう接合法を組合わせた新しい
メタル担体の製造方法に関する。
【0003】更に詳しくは、本発明は、メタルハニカム
体とメタルケーシングの一体化固着手段として、両部材
(メタルハニカム体部とメタルケーシング部)をプレス
機によるダイス絞り加工法とろう接合法を併用して両部
材を強固に一体化固着することを特徴としたメタル担体
の製造方法に関する。本発明のメタル担体の製造方法
は、両部材(メタルハニカム体部とメタルケーシング
部)が機械的に強固に一体化するため、メタルハニカム
体部及び/又はメタルハニカム体部とメタルケーシング
部の当接面部に付加的に適用されるろう接合作業の負荷
を低減化し得るものであり、メタル担体の新規かつ経済
的な製造方法である。
【0004】
【従来の技術】従来の典型的な排気ガス浄化用のメタル
担体が図16〜図17に示されている。図示されたよう
に、この種のメタル担体(MS)は、薄肉金属板製の平
板状帯材(平箔)(1)と波板状帯材(波箔)(2)を
交互に重積したハニカム構造を有する排気ガス浄化用触
媒を担持するためのメタルハニカム体(H)、及び前記
メタルハニカム体(H)を外包するメタルケーシング
(C´)、とから構成されるものである。
【0005】更に詳しくは、前記メタルハニカム体
(H)は、耐熱性の薄肉金属板製の平板状帯材(平箔)
(1)と波板状帯材(波箔)(2)を交互に重積すると
ともに、これを巻回成形して製作したハニカム構造体で
あって、排気ガス浄化用触媒(例えばPt,Rh,Pd
などを使用した触媒系)を担持するための母体となるも
のである。そして、前記メタルハニカム体(H)は、図
16〜図17に示されるようにメタルケーシング(C
´)の内部に収容され、固着されてメタル担体(MS)
とされるものである。
【0006】前記したメタル担体(MS)は、当業界に
おいては、メタルサポート(MetalSupport )またはメ
タルサブストレート(Metal Substrate )などといわれ
ており、略記号(MS)が使用されている。この意味
で、図16〜図17も略記号(MS)を使用している。
また、ハニカム構造体は、ハニカム構造(Honeycomb St
ructure )に因んで、略記号(H)が使用されている。
更に、メタルケーシングは、ケーシング(Casing)に因
んで、略記号(C)が使用されている。なお、本発明と
従来技術を区別するために、従来技術のものはダッシュ
付き記号(C´)で示されている。
【0007】前記した従来のメタル担体(MS)の主要
な構成要素であるメタルハニカム体(H)としては、種
々の構造のものが提案されている。前記した図16〜図
17に示されるメタルハニカム体(H)は、平箔(1)
と波箔(2)が巻回積層されて構成されていることか
ら、当業界においては巻回タイプと俗称されている。な
お、図16は従来の巻回タイプのメタルハニカム体
(H)をメタルケーシング(C´)内に固定して製作し
たメタル担体(MS)の斜視図を示し、図17は前記図
16に示される従来のメタル担体(MS)の正面図を示
す。
【0008】前記した従来の巻回タイプのメタルハニカ
ム体(H)は、例えば100μm以下(好ましくは50
μm以下)の耐熱性のFe−Cr20%−Al 5%系
薄肉鋼板からなる平箔(1)と波箔(2)とを、交互に
当接部を有するように重積し、これを一括渦巻状に巻回
成形して軸方向に排気ガス通路のための多数の網目状通
気孔路(セル)(3)を持つハニカム構造体としたもの
である。
【0009】このほか、メタル担体(MS)の主要な構
成要素であるメタルハニカム体(H)としては、前記し
た巻回タイプのもの以外に、平箔(1)と波箔(2)か
らハニカム構造体を製造する方法の相違により、各種の
構造のものが提案されている。
【0010】図示しないが、例えば、平箔と波箔を階層
状に相互に当接させて重積した構造の階層タイプのも
の、このほか、特開昭62−273050号、特開昭6
2−273051号、特公表3−502660号、特開
平4−227855号などに開示されている放射状タイ
プ、S字状タイプ、巴状タイプ、及びX−ラップ(卍
状)タイプなどの形状構造とした各種のメタルハニカム
体(H)が知られている。
【0011】また、前記した従来のメタル担体(MS)
のメタルケーシング(C´)としては、内部に前記メタ
ルハニカム体(H)を収容し、固着するための筒状体が
使用されている。前記メタルケーシング(C´)の正面
(断面)形状は、図16〜図17に示される円形のもの
に限定されず、メタルハニカム体(H)の正面(断面)
形状に適合した形状のもの、例えば楕円形、長円形、レ
ーストラック形状、多角形、その他の異形形状のもので
あってもよいものである。
【0012】そして、前記した従来のメタル担体(M
S)は、排気ガス系統という過酷な熱的環境条件のもと
で使用されるため、メタルハニカム体(H)を構成する
両箔材(平箔と波箔)の当接部は強固に固着される。こ
れは、メタル担体(MS)の主要な構成要素であるメタ
ルハニカム体(H)が、排気ガス自体の高温度及び排気
ガスと排気ガス浄化用触媒との発熱反応により発生する
高温度にさらされ、このような高温雰囲気のもとで大き
な熱応力を発生するためであり、前記熱応力に耐え得る
ように前記当接部はろう接合や溶接などの固着方式によ
り強固に固着される。
【0013】即ち、メタルハニカム体(H)は、前記し
た過酷な使用条件下における耐久性の確保という観点か
ら、その構成部材である平箔と波箔の当接部は、種々の
方法及び方式により固着される。例えば、メタルハニカ
ム体(H)内部の所望部位の平箔と波箔との接続部が、
ろう接合や溶接などの固着手段により固着される(特公
昭63−44466号、特開平2−218442号参
照)。
【0014】一方、メタルハニカム体(H)とメタルケ
ーシング(C´)の当接面も、両構成要素の前記熱応力
及び振動に基づく離体の防止という観点などから強固に
固着されるものである。なお、メタルハニカム体(H)
内部には大きな熱応力が発生し、これが両構成要素の当
接面に集中・集積し両構成要素の離体を誘発するが、前
記した熱応力を吸収・緩和させるために、前記当接面の
特定部位をろう接合などにより固着するという方式も提
案されている(例えば、実開昭62−19443号参
照)。
【0015】前記したように、メタル担体(MS)の製
造において、メタルハニカム体(H)を構成する両箔材
(平箔と波箔)の当接部、及びメタルハニカム体(H)
とメタルケーシング(C´)の当接面は耐久性の観点か
らろう接合(ろう付け)や溶接などの固着手段が適用さ
れて固着されるものである。なお、前記固着手段として
は、一般に生産性や固着強度の均一性などの観点から、
ろう接合方式が広く採用されている。
【0016】しかしながら、前記した固着手段としての
ろう接合方式は、改善すべき余地を残すものである。例
えば、前記ろう接合方式において一般的に使用されてい
るろう材は、メタル担体(MS)の高温雰囲気下での使
用条件ということから、Ni系、Ni−Cr系などの高
価な高温用ろう材であり、経済性の観点からその使用量
の低減化が強く求められている。また、前記したろう材
使用量の低減化の点は、両箔材(波箔と平箔)の当接部
の当接面積が大きいため、例えばろう材を両箔材の巻回
成形前に適用する場合は使用されるろう材が多くなり、
このためろう材成分と両箔材の金属成分との合金化反応
や拡散反応による両箔材の耐熱性の低下、更には触媒の
死活化などの問題が誘発され、この面からもろう材使用
量の低減化が強く求められている。なお、前記両箔材の
当接部の面積は、波箔の波形構造にも依存するが、全面
積の10〜30%にも及ぶものである。特に、両箔材相
互の強固な固着のために、波箔の波形構造として、矩形
波もしくは台形波を有するものにおいては、前記当接部
の面積はより大きなものとなる。
【0017】当業界において、メタルハニカム体部とメ
タルケーシング部を一体化する固着技術は種々のものが
知られている。一般的には、メタルハニカム体(H)と
してメタルケーシング(C´)の内径寸法よりも若干、
大き目の外径寸法を有するものを調整し、前記メタルハ
ニカム体(H)をメタルケーシング(C´)に圧入・填
装する方式が採用されている。この方式の場合、メタル
ハニカム体の外径寸法にバラツキがあることなどから両
部材(メタルハニカム体部とメタルケーシング部)の均
一かつ強固な固着という観点からみると、改善の余地を
残すものである。また、前記した方式以外に、例えば下
記に示す方式が提案されている。
【0018】メタルケーシング(C´)内にメタルハニ
カム体(H)を所望位置にセットした状態で固定し、メ
タルケーシング(C´)の外周面に回転絞り手段を適用
し、メタルケーシング(C´)の軸方向にみて所望幅の
縮径部を形成して両部材(メタルハニカム体部とメタル
ケーシング部)を一体化固着する方式がある。この方式
は図18〜図19に示されている。前記回転絞り手段に
より縮径部を形成するためには、例えば両部材を位置決
めするとともに、メタルケーシング(C´)の外周面に
複数または複数組の回転絞りロールを配設するとともに
メタルケーシング(C´)の半径方向に押圧し、かつメ
タルケーシング(C´)の軸方向に所望幅を変位させな
がら行なえばよい。前記したことから明らかのように、
この方式においては回転絞りのための専用機が必要であ
り、また加工精度(従って両部材の均一かつ強固な固着
強度)に改善の余地を残すものである。
【0019】また、半割型を上下(または左右)から押
圧して両部材(メタルハニカム体部とメタルケーシング
部)を一体化する方式がある。この方式は図20〜図2
2に示されている。前記方式は、図22に示されるよう
に、上型(P1 ' )と下型(P2 ' )を使用して両部材
を押圧一体化するものであるが、単純に上型(P1 ' )
と下型(P2 ' )に押圧力を印加する方式であるため、
縮径加工後に両部材の押圧方向の戻り(復元力)により
縮径部(C1 ' )の、特に両型(P1 ' ,P2 ' )の合
わせ部付近(図21〜22のC3 ' 部付近)の締りが弱
いという問題点があり、改善を残すものである。
【0020】更にまた、図示しないが、特開平2−26
8834号公報には仕上り外径より大きなメタルケーシ
ング(C´)内に、仕上がり外径より大きく、かつ前記
メタルケーシング(C´)の内径より小さい外径を有す
るメタルハニカム体(H)を挿入し、前記挿入体を複数
の金属製セグメント(例えば10〜20に分割されたも
の)よりなる引込み用治具の内部に収容し、前記した状
態の引込み用治具をダイス内に連通させメタルケーシン
グ(C´)の全幅にわたりメタルケーシング(C´)と
メタルハニカム体(H)を同時に絞り加工(縮径加工)
し、更にろう付け加工を付加してなるメタル担体の製造
方法が開示されている。しかしながら、前記提案のもの
は、メタルハニカム体(H)の外周部全体を絞り加工
(縮径加工)するものであり、メタルハニカム体(H)
の熱応力の緩和特性の改善、高価なろう材の節約(低減
化)という立場からメタルケーシング部を部分縮径する
という技術思想を開示するものではなく、かつ絞り加工
(縮径加工)のための引込用油圧シリンダーなどの専用
機(設備)を強いるという問題点がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
メタルハニカム体(H)とメタルケーシング(C)の一
体化固着技術にみられる限界を克服するために、創案さ
れたものである。特に、メタルハニカム体(H)とメタ
ルケーシング(C)の機械的な一体化技術を、次工程の
メタルハニカム体(H)部に適用されるろう接合技術と
の関連で、即ち、ろう接合時のろう材使用量の低減化を
図ることができる両部材の一体化固着手段を開発すると
いう観点から創案されたものである。また、本発明は、
当然のことながらろう接合技術の前段階に採用される機
械的一体化技術の開発に当たり、従来技術よりも簡便な
方式により均一な固着力により両部材の一体化が図られ
る方式を開発という観点をも踏まえて創案されたもので
ある。
【0022】その結果、本発明者らは、メタルケーシン
グ(C)の軸方向にみて全領域でなく特定部位(特にメ
タルケーシング部の略中央部)を縮径すること、即ち部
分縮径を採用すること、また、前記部分縮径を、汎用の
プレス機を採用するとともに、プレス機の一方の型のメ
タルケーシング(C)の外周部に配置された縮径用工具
(絞り工具)、及び、他方の型に配設され、かつ前記縮
径用工具(絞り工具)と共働してメタルケーシング
(C)の外周面を半径方向にメタルハニカム体(H)の
外径を縮径する程度に絞り込むダイス、を前記プレス機
に組込んで行なうことが極めて有効であることを見い出
した。
【0023】更に、前記方式によりメタルハニカム体
(H)とメタルケーシング(C)を一体化して製作した
メタル担体の前駆体(プリカーサー)は、次工程で所望
部位をろう接合するとき、Ni基ベースの高価な高温用
ろう材の使用量を低減化させても高強度のメタル担体
(MS)を製造することができるという知見を見い出し
た。なお、本発明において、ろう接合工程の前工程でメ
タルハニカム体(H)とメタルケーシング(C)を絞り
加工して一体化させたものは、次工程のろう接合で所望
部位がろう接合されて最終製品のメタル担体(MS)と
なるため、前記一体化されたものをメタル担体(MS)
の前駆体(プリカーサー,Precursor )ということもあ
る。
【0024】本発明は、前記知見をベースにして完成さ
れたものである。本発明により特段の専用機を用いず
に、かつメタルハニカム体(H)とメタルケーシング
(C)の一体化固着強度を均一にすることができ、更に
メタルハニカム体(H)部やメタルハニカム体(H)と
メタルケーシング(C)の当接面部に適用される付加的
なろう接合の作業負荷や高価なろう材使用量を低減化す
ることができる、経済的で効率的なメタル担体(MS)
の製造方法が提供される。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、薄肉金属板製の平板状帯材(平箔)と波板状帯
材(波箔)を交互に重積したハニカム構造を有する排気
ガス浄化用触媒を担持するためのメタルハニカム体、及
び前記メタルハニカム体を外包するメタルケーシング、
とから成るメタル担体の製造方法において、前記製造方
法が、 I.(i) プレス機の一方の型に配設されたメタルハニカ
ム体をメタルケーシング内の所望部位に位置決めする位
置決め用ブロック、(ii)メタルケーシングの軸方向にみ
て中間部位において、かつメタルケーシングの外周部か
ら半径方向にプレス機の他方の型に配設されたダイスと
共働してメタルケーシングを絞るためのメタルケーシン
グの外周部に配設された絞り工具、(iii)プレス機の他
方の型に配設され、かつ双方の型の間の間隔が小さくな
るときに前記絞り工具の外周面をメタルケーシングの半
径方向にプレス力により変位させるダイス、とから成る
プレス機を使用して、メタルハニカム体外周面とメタル
ケーシング内周面の少なくとも一方の面の前記絞り工具
により絞られる部位にろう材を適用した状態または適用
しない状態で、かつ予めメタルハニカム体の所望部位に
ろう材を適用した状態または適用しない状態でメタルケ
ーシング内に収容し、メタルケーシングの中間部位にお
いてメタルハニカム体の外径を縮径させる程度にメタル
ケーシングを絞り加工し、メタルハニカム体とメタルケ
ーシングを一体化する工程、 II.前記I工程で調製されたメタルハニカム体とメタ
ルケーシングが一体化したメタル担体前駆体において、
前記I工程で絞られる部位にろう材が適用されず、かつ
所望部位にろう材を適用しないメタルハニカム体が使用
された場合は、メタルハニカム体の所望部位にろう材を
適用し、ろう接合してメタル担体とする工程、もしく
は、前記I工程でメタル担体前駆体にろう材が適用され
ている場合は、その状態で、ろう接合してメタル担体と
する工程、とから成ることを特徴とするメタル担体の製
造方法に関するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の技術的構成及び実
施態様を図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明
は図示のものに限定されないことはいうまでもないこと
である。また、説明の便宜上、メタルハニカム体(H)
の構造としては、平箔と波箔を交互に重積したものを一
括巻回成形して調製した巻回タイプのものについて説明
するが、本発明のメタルハニカム体(H)の構造はこの
ものに限定されない。
【0027】前記したように本発明のメタル担体(M
S)の製造方法は、 ・ (I)工程、即ちプレス機により絞り(縮径)加工
する工程(以下、単にプレス絞り工程という場合があ
る)、及び、 ・ (II)工程、即ち前記(I)工程で製作されたメ
タル担体(MS)の前駆体(プリカーサー)をろう接合
する工程(以下、ろう接合工程という場合がある。)、
の二つの工程から成るものである。図1〜図8は、本発
明のメタル担体(MS)の製造方法における前記(I)
工程(プレス絞り工程)を説明する図である。図9〜図
15は、本発明のメタル担体(MS)の製造方法におけ
る前記(II)工程(ろう接合工程)を説明する図であ
る。以下、本発明のメタル担体(MS)の製造方法を、
前記(I)工程、(II)工程の順に説明する。
【0028】図1は、本発明の前記(I)工程、即ちメ
タル担体(MS)の製造方法に適用されるプレス絞り工
程の第一実施態様を説明するものである。図示されるよ
うに、本発明の第一実施態様のプレス絞り工程は、次の
機器構成及びプロセスからなるものである。 (1).一方の型として下型(P2 )と他方の型として上型
(P1 )から成るプレス機(P)を採用する。 (2).前記プレス機(P)の下型(P2 )に、メタルハニ
カム体(H)をメタルケーシング(C)内の軸方向の所
望位置に位置決めする位置決めブロック(X)を配設す
る。 (3).前記位置決めブロック(X)上に、メタルハニカム
体(H)を内部に遊嵌させたメタルケーシング(C)を
載置する。 (4).前記位置決めブロック(X)上に載置されたメタル
ケーシング(C)の外周部において、その軸方向の略中
間部位に、かつ円周方向に、後述する上型(P1 )に配
設されたダイス(Y)と共働してメタルケーシング
(C)を少なくともメタルハニカム体(H)の外径を縮
径する程度に絞り込む(縮径する)絞り工具(Z)を配
設する。 (5).下型(P2 )に対して下降及び上昇する上型
(P1 )に、前記絞り工具(Z)と共働してメタルケー
シング(C)の略中間部位をその半径方向に絞り加工す
るダイス(Y)を配設する。 (6).前記構成のプレス機(P)において、上型(P1
を下型(P2 )方向に下降させ、前記絞り工具(Z)と
ダイス(Y)の共働によりメタルケーシング(C)の略
中間部を一工程(ワン・ストローク)で絞り加工(縮径
加工)し、メタル担体(MS)前駆体(プリカーサー)
を製造する。
【0029】前記第一実施態様の本発明のプレス絞り工
程により製造されたメタル担体(MS)前駆体(プリカ
ーサー)の構造は、図2〜図3に示されている。図2
は、メタル担体(MS)前駆体の平面図を示し、メタル
ケーシング(C)は、中間部において絞り部(縮径部)
(C1 )を有し、かつ両端部において非絞り部(非縮径
部)(C2 )を有する。なお、図中(C3 )は、後述の
図4を引用して詳しく説明されるが、前記絞り工具
(Z)の構成上、メタルケーシング(C)の前記絞り部
(縮径部)(C1 )の外周面の軸方向に形成される不完
全縮径部、即ち、絞り工具(Z)のセグメント間のスリ
ット部(型の合せ目)に形成されたメタルケーシング
(C)の突条部を示すものである。
【0030】本発明の前記第一実施態様のメタル担体
(MS)前駆体の製造プロセスに適用されるプレス機
(P)は、汎用の機構・構成のものを採用すればよい。
即ち、上型(P1 )と下型(P2 )の間で押圧力を発生
させ、被加工物を押圧処理する汎用のプレス機(P)を
採用すればよい。図1においては、上型(P1 )と下型
(P2 )の位置関係が垂直方向になっているものが示さ
れているが、これが水平方向のものであっても、斜め方
向のものであってもよい。また、上型(P1 )と下型
(P2 )の間の相対距離は、上型(P1 )の下降及び上
昇方式により変化させるものに限定されず、その逆であ
ったり、または両者の同時移動による方式のものであっ
てもよい。
【0031】本発明の前記第一実施態様のメタル担体
(MS)前駆体の製造プロセスに適用される絞り工具
(Z)は、図4に示されるようにメタルケーシング
(C)の周方向に所望幅のスリット(ZS )を有して多
分割されたもので構成される。即ち、図4には6個のセ
グメントZ1 〜Z6 から成る多分割型の絞り工具(Z)
が示されている。絞り工具(Z)とダイス(Y)の共働
によりメタルケーシング(C)の外周部を半径方向に絞
り加工するとき、メタルケーシング(C)の縮径率との
関連で各セグメント間のスリット(ZS )間隔、例えば
1 とZ2 の間の間隔は狭まるが、前記した不完全縮径
部(C3 )(図3参照)が形成されることになる。
【0032】本発明において、前記絞り工具(Z)の構
造は、図1及び図4に示されるものに限定されない。例
えば、図5に示される各種構造の絞り工具(Z)を使用
してもよい。なお、図5(1)〜(2)は、絞り工具
(Z)の一部断面図を示すものである。即ち、図5
(1)は、メタルケーシング(C)の軸方向にみた中間
部位に、軸方向にみて間欠的に2個の絞り部を一工程で
形成させるために使用される絞り工具(Z)の断面図で
ある。また、図5(2)は、メタルケーシング(C)の
軸方向にみた中間部位に、同様に間欠的に3個の絞り部
を一工程で形成させるために使用される絞り工具(Z)
の断面図である。本発明において、前記間欠的に絞られ
る絞り部の個数は所望に設定されて良いことはいうまで
もないことである。なお、前記二個以上の絞り部(縮径
部)の間に形成される間欠部(非絞り部)は、メタルハ
ニカム体(H)の内部に発生する大きな熱応力の吸収・
緩和ゾーンとして作用することはいうまでもないことで
ある。
【0033】また、本発明において、絞り工具(Z)の
構造は、メタル担体(MS)の断面形状、従ってメタル
ハニカム体(H)部及びメタルケーシング(C)部の断
面形状に依存するが、図4(平面図)に示される円形状
のものに限定されない。即ち、メタル担体(MS)の断
面形状、例えば長円形またはレーストラック形状などの
所望形状に対応した構造のものであってよいことはいう
までもないことである。
【0034】本発明の前記第一実施態様のメタル担体
(MS)前駆体の製造プロセスに適用されるダイス
(Y)の構造は、前記絞り工具(Z)と共働してメタル
ケーシング(C)を外周部から少なくともメタルハニカ
ム体(H)の外径が縮径する程に絞り込み加工できるも
のであれば、何等の制約も受けない。
【0035】本発明の前記第一実施態様のメタル担体
(MS)前駆体(プリカーサー)の製造プロセスにより
製造されるメタル担体(MS)前駆体の構造の一部が、
図6に示されている。図6は、メタルハニカム体(H)
の中間部の所望幅の外周部に対応するメタルケーシング
(C)の領域において、前記部位のメタルハニカム体
(H)の外周面が縮径されてメタルケーシング(C)が
メタルハニカム体(H)に食込み、両部材が強固に一体
化されて絞り部(C1 )が形成されることを示してい
る。また、前記第一実施態様のメタル担体(MS)前駆
体の製造プロセスにおいては、メタルハニカム体(H)
の外径がメタルケーシング(C)の内径より小さいもの
を使用しているため、メタルケーシング(C)の非絞り
部(非縮径)(C2)の内周面と対応する部位に位置す
るメタルハニカム体(H)の外周面との間には、図6に
示されるように空間部(S)が形成される。前記空間部
(S)は、当該部位にあるメタルハニカム体(H)部に
おいて、熱応力の吸収、緩和ゾーンとして有用であり、
かつ断熱シール効果の役割を果たすものである。
【0036】本発明の(I)工程、即ち、メタル担体
(MS)前駆体の製造プロセスにおいて、製造されるメ
タル担体(MS)の構造は、前記図6に示されるものに
限定されず、例えば図7〜図8に示される変形例が可能
である。図7(1)のメタル担体(MS)前駆体は、前
記第一実施態様のメタル担体(MS)前駆体(図6参
照)と同様に空間部(S)を有するメタル担体(MS)
前駆体であるが、(i) メタルハニカム体(H)部の最外
層が平箔で構成されること、かつ、(ii)前記最外層の平
箔が、排気ガス通過方向(F)の流入側空間部(S)の
排気ガスをメタルハニカム体(H)部の内側層の波箔へ
流入させるために、略円形状の穴部(a)を有するもの
で構成されていること、の点で相違するものである。な
お、図7(1)のメタル担体(MS)前駆体は、メタル
ハニカム体(H)部が排気ガス流出側の空間部(S)へ
排気ガスを導出する穴部(b)を有するもので構成され
ていることを示しているが、前記穴部(b)は配設して
もあるいは配設しなくてもよいものである。
【0037】図7(2)のメタル担体(MS)前駆体
は、前記図7(1)のメタル担体(MS)前駆体と比較
して、穴部(a),(b)の形状が相違するだけであ
る。即ち、図7(2)のメタル担体(MS)前駆体にお
いて、メタルハニカム体(H)部の最外層の平箔に形成
される穴部(a),(b)の形状は、図7(1)の略円
形状のものに対し略矩形状のものである。本発明におい
て、前記穴部(a)、(b)の形状、及び配設個数は適
宜に決めればよいものである。また、本発明において、
前記した空間部(S)に滞留する排気ガスをメタルハニ
カム体(H)の内部に導くという観点から、メタルハニ
カム体(H)の最外層が波箔で構成される場合であっ
て、かつ前記波箔が縮径により完全に圧潰されるような
場合には、前記波箔に対しても前記した平箔と同様な穴
部(a)、(b)を形成することが好ましいことはいう
までもないことである。
【0038】図8は、絞り加工前のメタルハニカム体
(H)の外径とメタルケーシング(C)の内径が略同一
のメタルハニカム体(H)とメタルケーシング(C)を
使用して製造してメタル担体(MS)前駆体の構造を示
すもので、前記図6に対応する図である。図8のメタル
担体(MS)前駆体は、図6のメタル担体(MS)前駆
体(第一実施態様)と相違して空間部(S)をもたない
ことはいうまでもないことである。しかし、図8のメタ
ル担体(MS)前駆体は、図6の空間部(S)が形成さ
れる部位においてメタルケーシング(C)が絞り加工
(縮径加工)されないため、メタルハニカム体(H)の
軸方向に熱応力を吸収・緩和させることができるもので
ある。
【0039】本発明の前記(I)工程で製造されたメタ
ル担体(MS)前駆体(プリカーサー)それ自体は、メ
タルケーシング(C)の中間部においてメタルハニカム
体(H)とメタルケーシング(C)がメタルケーシング
の一工程の絞り加工(縮径加工)により強固に一体化固
着されたものである。しかしながら、メタル担体(M
S)は、前記したように厳しい使用条件下で使用される
ため、即ち、大きな熱応力が付加される条件下及び厳し
い振動が付加される条件下で使用されるものである。こ
のため、本発明においては、前記(I)工程で製作され
たメタル担体(MS)前駆体(プリカーサー)を、次の
(II)工程でろう接合による固着手段を適用し、より
耐久性に優れたものとする。以下、本発明のメタル担体
(MS)の製造方法の前記(II)工程を説明する。
【0040】図9は、本発明の前記(II)工程、即ち
本発明のメタル担体(MS)の製造方法に適用されるろ
う接合工程の第一実施態様を説明するものである。図9
に示されるメタル担体(MS)は、前記(I)工程のプ
レス絞り工程の第一実施態様により製作されたメタル担
体(MS)前駆体(図6参照)に(II)工程のろう接
合を適用して製作したメタル担体(MS)の軸心を通る
断面図を示す。なお、ろう接合部位は、ろう材(Brazin
g material)に因んで記号(B)で示される。また、メ
タルハニカム体(H)部は、図示明確化のために断面構
造が省略されている。
【0041】図9に示されるように(II)工程(ろう
接合工程)の第一実施態様において、ろう接合部位(B
1 )は、絞り工具(Z)及びダイス(Y)によりプレス
絞りされる部位(縮径部)(C1 )に設定される。本発
明において、前記した態様のろう接合部位(B1 )を実
現するためには、前記(I)工程(プレス絞り工程)の
段階で、絞り工具(Z)とダイス(Y)により絞られる
部位(縮径部:C1 )に対応した部位において、少なく
ともメタルハニカム体(H)又はメタルケーシング
(C)のいずれか一方に、予めろう材を適用しておくこ
とが必要である。
【0042】本発明において、前記したろう材として
は、Ni基、Ni−Cr基などをベースの粉末状ろう
材、ろう材ペースト、ろう材箔(アモルファスろう材
箔)などを使用すればよい。また、ろう接合の条件も適
宜に決めればよい。前記ろう接合は、例えば、真空炉を
用いて真空下(1×10-3Torr以下)、不活性ガス雰囲
気下または還元性雰囲気下、加熱温度、1000〜12
00℃で所望時間加熱処理して行なえばよい。
【0043】本発明の(II)工程(ろう接合工程)に
おけるろう接合法は、前記第一実施態様のものに限定さ
れず、例えば、以下に説明する態様でろう接合を行なっ
てもよいことはいうまでもないことである。
【0044】図10は、前記図7(1)に示されるメタ
ル担体(MS)前駆体に対するろう接合態様(第二実施
態様)を示すものである。図示されるように、ろう接合
部位はメタルハニカム体(H)の前端部(B2 )に設定
される。なお、本発明においては、メタルハニカム体
(H)の後端部(B2 )にも同様のろう接合部位
(B2 )(図中、点線で示される部位)を設定してもよ
い。本発明において、前記ろう接合部位(B2 )の幅
(メタルハニカム体の軸方向にみた幅)の大きさは、メ
タルハニカム体(H)部の固着強度及びろう材の節約な
どの観点から適宜に決定すればよい。また、本発明にお
いて、前記ろう接合部位(B2 )へのろう材の適用は、
前記(I)工程(プレス絞り工程)の段階で使用される
メタルハニカム体(H)に、予め適用してもよい。また
は、前記(I)工程の後に、メタル担体(MS)前駆体
を、例えばろう材スラリー浴への浸漬処理などして所望
部位(B2 )へろう材を適用すればよい。
【0045】図11〜図14は、前記図7(2)に示さ
れるメタル担体(MS)前駆体に対するろう接合態様
(第三実施態様)を示すものである。前記メタル担体
(MS)前駆体の主要な構成要素であるメタルハニカム
体(H)は、図7(2)に示されるように最外周層の平
箔に略矩形状の穴部(a,b)を有するものである。な
お、図7(1)のメタルハニカム体(H)は、略円形状
の穴部(a,b)を有するものである。図11〜図12
から明らかのように、メタルハニカム体(H)に対して
前記ろう接合態様(第三実施態様)は、(i) メタルハニ
カム体(H)の一端面において、かつ、メタルケーシン
グ(C)に内接するメタルハニカム体(H)の外周面か
ら中心部に向かう所望幅のメタルハニカム体(H)の外
周面に沿う帯域において、交互にろう接合部位(B3
……)と非ろう接合部位(NB)が設定され、かつ、(i
i)前記ろう接合部位(B3 、……)において、メタルハ
ニカム体(H)の軸方向全域の平箔と波箔の当接部をろ
う接合するものである。
【0046】要するに、前記ろう接合部位(B3 、…
…)は、図12に示されるようにメタルハニカム体
(H)の外周面に接するとともに、スポット状に設定さ
れる。なお、ろう接合部位(B3 ,……)の大きさを決
める前記帯域の幅(メタルハニカム体の外周面から半径
方向にみた幅)の大きさは所望に決めればよい。例え
ば、巻回タイプのメタルハニカム体(H)の場合、その
半径を(r)とした場合、前記帯域の幅は1/8・
(r)〜2/3・(r)に設定すればよい。
【0047】図12のろう接合態様(第三実施態様)に
おいて、図12(1)〜(5)は、ろう接合部位
(B3 )の形状が異なる態様を示すものである。即ち、
図12(1)の場合、ろう接合部位(B3 )の形状は、
メタルケーシング(C)に内接する略円形状のものであ
る。これに対して、図12(2)の場合、メタルハニカ
ム体(H)の中心部方向に一つの頂点を配置した略三角
形状のものである。後者の図12(2)の場合、略三角
形状のろう接合部位(B3 )の底部が、メタルケーシン
グ(C)の内周面に当接するため、前記図12(1)の
ものに比較してメタルハニカム体(H)の外周部及びそ
の近傍部位の耐久性が改善される。本発明において、ろ
う接合部位(B3 )は、必ずしもメタルケーシング
(C)に内接しなくてもよいものである。なお、図12
(3)〜(5)は、ろう接合部位(B3 )がメタルケー
シング(C)に内接しない態様を含む種々の変形例を示
すものである。
【0048】前記ろう接合態様(第三実施態様)を実施
するためのろう材供給装置(T)の一例が、図13〜図
14に示されている。図13に示されるようにろう材供
給装置(T)は、メタルハニカム体(H)の一端面部に
載置する本体部(T1 )、前記本体部(T1 )に配設さ
れるろう材スラリー液の供給用パイプ(P)、及びろう
材スラリー液の循環用ポンプ(Bp)からなるものであ
る。なお、図示のものは、ろう材接合部位(B3 )を8
個スポット状に設定するために8本の供給用パイプ
(P)が示されている。また、図中、点線で示された
(AIR)回路は、ろう材スラリーの所望部位への供給
が終了した時点で、余分のスラリー液をフラッシング除
去するための空気供給回路を示す。
【0049】図14に図示されるように、前記本体部
(T1 )は、メタルハニカム体(H)の一端面部に当接
し、シール部分(T2 )を形成することができるものが
好ましい。前記した構造の本体部(T1 )は、他の領域
へのろう材スラリー液のまわり込み防止することができ
るため好ましいものである。従って、前記治具(T1
は、弾性のあるゴムまたは合成樹脂材、及びこれらの発
泡体などで構成されることが好ましい。
【0050】本発明において、前記ろう材スラリー液と
しては、例えば、粒径が50〜100μmの高温用Ni
基ろう材(Ni−Cr−Si系、Ni−Si−B系な
ど)を界面活性剤(分散剤)を使用して所望濃度(例え
ば、固形分濃度40〜80%)に調整したものを使用す
ればよい。本発明において、前記本体部(T1 )、ろう
材スラリー液の供給用パイプ(P)及びろう材スラリー
液の循環用ポンプ(Bp)とから成るろう材供給装置
(T)により、メタルハニカム体(H)の所望のろう接
合部位(B3 )へ正確かつ適正量のろう材を効率的に供
給することができる。
【0051】図15は、前記図8に示されるメタル担体
(MS)前駆体(空間部Sがないもの)に対するろう接
合態様(第四実施態様)を示す図である。前記ろう接合
態様(第四実施態様)で特徴的な点は、ろう接合部位
を、(i) 前記図9のろう接合態様(第一実施態様)と同
様に絞り部(縮径部)(C1 )に対する部位(B4 )、
及び、(ii)前記図10のろう接合態様(第二実施態様)
と同様にメタルハニカム体(H)の前端部及び/又は後
端部に対する部位(B5 )、に設定している点である。
別言すれば、ろう接合部位を二箇所(または三箇所)に
設定(B4 ,B5 )(またはB4 ,B5 ,B5 )してい
る点である。
【0052】ここで、前記ろう接合態様(第四実施態
様)(図15参照)を利用して、本発明に係る製造方法
のメリット及びろう材使用量の節約効果を説明する。比
較対象は、図15において、絞り加工部(縮径部)(C
1 )を持たない従来法のメタル担体(MS)である。前
記比較対象のメタル担体(MS)は、以下のようにして
製作されたものである。 (i) メタルケーシング(C)の内径よりもやや大き目の
外径を有するメタルハニカム体(H)を調整し、その外
周面の所望部位(図15のB4 部)にろう材箔(Ni基
ベース、厚さ25μm)を巻付け、これをメタルケーシ
ング(C)内に圧入填装する。 (ii)次に、メタルハニカム体(H)の両端部のろう接合
部位(B4 )へのろう材の供給は、両端部をろう材スラ
リー液へ浸漬処理して行なった。 (iii) 次いで、真空炉中で加熱処理し、ろう接合を行な
った。
【0053】比較対象のメタル担体(MS)において
は、 ・ メタルハニカム体(H)をメタルケーシング(C)
内へ圧入填装するというプロセスを採用する関係上、そ
の外周面に適用するろう材としては、比較的安価な粉末
状ろう材を使用することができず、前記した粉末状ろう
材の約3倍の重量ベース価格を有する高価なろう材箔を
使用せざるを得ないこと、 ・ 前記したようにろう材箔を使用したとしても、メタ
ルハニカム体(H)のメタルケーシング(C)内への圧
入填装時に、ろう材箔の端部がめくれたり破断などして
均一かつ強固なろう接合強度を得ることが困難であるこ
と、 ・ また、本発明のメタル担体(MS)のように絞り部
(縮径部)(C1 )が存在しないため、両構成要素(メ
タルハニカム体とメタルケーシング部)の間を強固に接
合するために、高価なろう材箔を多量に使用しなければ
ならないこと、更に、 ・ 前記絞り部(縮径部)(C1 )が存在しないことに
関連して、メタルハニカム体(H)部に耐久性を持たせ
るために、多量の粉末状ろう材を使用しなければならな
いこと、などの欠点を伴なうものである。
【0054】一方、本発明のメタル担体(MS)の製造
方法においては、前記したマイナス要因は全て解消され
る。具体的にはメタルハニカム体(H)の外周部には比
較的安価な粉末状ろう材を使用することができること、
また、メタルハニカム体(H)部においても前記絞り部
(縮径部)(C1 )が存在するため、粉末状ろう材の使
用量を大幅に低減させることができる。本発明のメタル
担体(MS)の製造方法に適用されるろう材使用量は、
前記比較対象のメタル担体(MS)と比較して、重さに
換算して15%〜25%、また金額に換算して20%〜
30%の節減経済性(メリット)を得ることができる。
その上、本発明のメタル担体(MS)の製造方法におい
ては、メタルハニカム体(H)の外周部へ粉末状ろう材
を極めて簡単に塗布することができること、プレス絞り
加工法を採用しているためろう材の剥離、脱落がなく両
構成部材間を均一な強度のもとでろう接合することがで
きること、プレス絞り工法により両構成部材を効率的に
強固に一体化することができること、などプロセス上及
び特性上のメリットを享受することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明のメタルハニカム体(H)と前記
メタルハニカム体(H)を外包し、固着するためのメタ
ルケーシング(C)を主要な構成要素とするメタル担体
(MS)の製造方法は、大別して二つの工程から成る。
即ち、第一の工程は、汎用のプレス機を利用してメタル
ハニカム体(H)をメタルケーシング(C)内部の所望
部位に配置するとともに一工程で絞り加工(縮径加工)
するプレス絞り工程、第二の工程は、前記第一の工程で
調整されたメタル担体(MS)の前駆体(プリカーサ
ー)にろう接合法を適用して耐久性に優れたメタル担体
(MS)とするろう接合工程、とから成る。
【0056】本発明の第一の工程(プレス絞り工程)に
より両構成要素(メタルハニカム体とメタルケーシン
グ)を効率よく均一な絞り力(縮径力)により一体化さ
せることができる。即ち、汎用のプレス機の採用という
ことから、第一の工程(プレス絞り工程)それ自体によ
り経済的であるとともに効率的に高品質のメタル担体
(MS)の前駆体(プリカーサー)を製造することがで
きる。
【0057】また、本発明の第一の工程で製造されるメ
タル担体(MS)の前駆体(プリカーサー)は、メタル
ケーシング(C)の軸方向にみて中間部位の所定幅が半
径方向に絞り加工(縮径加工)されること、別言すれば
メタルハニカム体(H)の両端部はメタルケーシング
(C)の内周面に押圧されて絞り加工されないものであ
る。従って、メタルハニカム体(H)の両端部は熱応力
の吸収・緩和ゾーンとして作用し、最終製品のメタル担
体(MS)の耐久性の向上に寄与するものである。
【0058】本発明の第二の工程(ろう接合工程)にお
いては、前記第一の工程(プレス絞り工程)との関連の
もとで、メタルハニカム体(H)とメタルケーシング
(C)の当接面部、及びメタルハニカム体(H)部の所
定部位へのろう材の供給プロセスが簡便化、効率化され
るとともに、高価なろう材の使用量を大幅に低減化する
ことができる。
【0059】前記したように、本発明のメタル担体(M
S)の製造方法により、耐久性(耐熱応力性及び耐振
性)に優れたメタル担体(MS)が効率的かつ経済的に
製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のメタル担体(MS)の製造方法の
(I)工程(プレス絞り工程)の第一実施態様を説明す
る図である。
【図2】 本発明の(I)工程(プレス絞り工程)の第
一実施態様の製造方法により製造されたメタル担体(M
S)の平面図である。
【図3】 図2のI−I線断面図である。
【図4】 本発明の(I)工程(プレス絞り工程)第一
実施態様の製造方法に適用された絞り工具の正面図であ
る。
【図5】 本発明のメタル担体(MS)の製造方法の
(I)工程(プレス絞り工程)に適用される他の絞り工
具の一部断面図である。
【図6】 本発明の(I)工程(プレス絞り工程)第一
実施態様の製造方法により製造されたメタル担体(M
S)の一部断面図である。
【図7】 本発明の(I)工程(プレス絞り工程)他の
製造方法により製造されたメタル担体(MS)を説明す
る図であり、図6に対応する図である。
【図8】 本発明の(I)工程(プレス絞り工程)更に
他の製造方法により製造されたメタル担体(MS)を説
明する図であり、図6に対応する図である。
【図9】 本発明のメタル担体(MS)の製造方法の
(II)工程(ろう接合工程)の第一実施態様により製
造されたメタル担体(MS)の断面図である。
【図10】 本発明の(II)工程(ろう接合工程)の
第二実施態様により製造されたメタル担体(MS)の断
面図である。
【図11】 本発明の(II)工程(ろう接合工程)の
第三実施態様により製造されたメタル担体(MS)の断
面図である。
【図12】 図11のII−II線断面図である。
【図13】 本発明の(II)工程(ろう接合工程)の
第三実施態様に適用されるろう材供給装置(T)の斜視
図である。
【図14】 図13に示されるろう材供給装置(T)の
使用態様を説明する図である。
【図15】 本発明の(II)工程(ろう接合工程)の
第四実施態様により製造されたメタル担体(MS)の断
面図である。
【図16】 従来の巻回タイプのメタルハニカム体
(H)とメタルケーシング(C´)とから成るメタル担
体(MS)の斜視図である。
【図17】 図9のメタル担体(MS)の正面図であ
る。
【図18】 従来の回転絞り手段(回転絞りロール工
法)により製造されたメタル担体(MS)の平面図であ
る。
【図19】 図18のII−II線断面図である。
【図20】 従来の半割り型(上型及び下型)を利用し
た押圧加工法により製造したメタル担体(MS)の平面
図である。
【図21】 図20のIII−III線断面図である。
【図22】 従来の半割り型(上型及び下型)を利用し
た押圧加工法を説明する図である。
【符号の説明】
MS ……… メタル担体 H ………メタルハニカム体 1 ……… 平箔 2 ……… 波箔 3 ……… セル(網目状通気孔路) C ……… メタルケーシング(本発明) C1 ……… 絞り部(縮径部) C2 ,C2 ……… 非絞り部(非縮径部) C3 ……… メタルケーシング中間部の不完全縮径部 C´ ……… メタルケーシング(従来例) P ……… プレス機 P1 ……… 他方の型(上型) P2 ……… 一方の型(下型) X ……… 位置決めブロック Y ……… ダイス Z ……… 絞り工具 Z1 ,Z2 ……… (絞り工具)セグメント部材 ZS ……… (絞り工具)スリット B,B1 ,B2 ,B3 ,B4 ,B5 ………… ろう接合
部位 NB ……… 非ろう接合部位 T ……… ろう材供給装置 T1 ……… (ろう材供給装置)本体部 T2 ……… シール部分 Bp ……… ろう材スラリーの循環用ポンプ P ……… ろう材スラリーの供給用パイプ S ……… 空間部 a,b ……… 穴部 F ……… 排気ガス通過方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23P 19/04 B23P 19/04 A F01N 3/28 301 F01N 3/28 301U // B23K 101:02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉金属板製の平板状帯材(平箔)と波
    板状帯材(波箔)を交互に重積したハニカム構造を有す
    る排気ガス浄化用触媒を担持するためのメタルハニカム
    体、及び前記メタルハニカム体を外包するメタルケーシ
    ング、とから成るメタル担体の製造方法において、前記
    製造方法が、 I.(i) プレス機の一方の型に配設されたメタルハニカ
    ム体をメタルケーシング内の所望部位に位置決めする位
    置決め用ブロック、(ii)メタルケーシングの軸方向にみ
    た中間部位において、かつメタルケーシングの外周部か
    ら半径方向にプレス機の他方の型に配設されたダイスと
    共働してメタルケーシングを絞るためのメタルケーシン
    グの外周部に配設された絞り工具、(iii)プレス機の他
    方の型に配設され、かつ双方の型の間の間隔が小さくな
    るときに前記絞り工具の外周面をメタルケーシングの半
    径方向にプレス力により変位させるダイス、とから成る
    プレス機を使用して、メタルハニカム体外周面とメタル
    ケーシング内周面の少なくとも一方の面の前記絞り工具
    により絞られる部位にろう材を適用した状態または適用
    しない状態で、かつ予めメタルハニカム体の所望部位に
    ろう材を適用した状態または適用しない状態でメタルケ
    ーシング内に収容し、メタルケーシングの中間部位にお
    いてメタルハニカム体の外径を縮径させる程度にメタル
    ケーシングを絞り加工し、メタルハニカム体とメタルケ
    ーシングを一体化する工程、 II.前記I工程で調製されたメタルハニカム体とメタ
    ルケーシングが一体化したメタル担体前駆体において、
    前記I工程で絞られる部位にろう材が適用されず、かつ
    所望部位にろう材を適用しないメタルハニカム体が使用
    された場合は、メタルハニカム体の所望部位にろう材を
    適用し、ろう接合してメタル担体とする工程、もしく
    は、前記I工程でメタル担体前駆体にろう材が適用され
    ている場合はその状態で、ろう接合してメタル担体とす
    る工程、とから成ることを特徴とするメタル担体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 絞り工具が、メタルケーシングの外周方
    向において、3以上の割型である請求項1に記載のメタ
    ル担体の製造方法。
  3. 【請求項3】 絞り加工前のメタルハニカム体の外径
    が、メタルケーシングの内径と略同一のものである請求
    項1に記載のメタル担体の製造方法。
  4. 【請求項4】 絞り加工前のメタルハニカム体の外径
    が、メタルケーシングの内径より小さいものである請求
    項1に記載のメタル担体の製造方法。
  5. 【請求項5】 絞り加工後の非絞り加工部において、メ
    タルハニカム体の外周面とメタルケーシングの内周面の
    間に空間スペースを形成するものである請求項4に記載
    のメタル担体の製造方法。
  6. 【請求項6】 メタルケーシングの軸方向にみて中間部
    位が、軸方向にみて間欠的に2個以上の絞り部(縮径
    部)を有するように絞り加工される請求項1に記載のメ
    タル担体の製造方法。
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