JPH09220483A - メタルハニカム体用波箔の製造方法 - Google Patents

メタルハニカム体用波箔の製造方法

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JPH09220483A
JPH09220483A JP8048475A JP4847596A JPH09220483A JP H09220483 A JPH09220483 A JP H09220483A JP 8048475 A JP8048475 A JP 8048475A JP 4847596 A JP4847596 A JP 4847596A JP H09220483 A JPH09220483 A JP H09220483A
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wave
foil
honeycomb body
rectangular wave
metal honeycomb
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JP8048475A
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English (en)
Inventor
Yasuji Sakamoto
保司 坂本
Haruo Serizawa
治夫 芹沢
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 メタルハニカム体(H)の必須の構成部材で
ある特殊構造の波箔、即ち略正弦波と矩形波の両者を併
有する波箔の効率的かつ経済的な製造方法を提供する。 【解決手段】 排気ガス浄化用触媒を担持するための略
正弦波形と矩形波を併有するメタルハニカム体H用の波
箔1の製造方法が、 (1).所望幅かつ長尺の薄肉金属板製の平板状帯材(平
箔)2を、上下一対の矩形波成形用ロール(R)の間に
挿入し、平箔2の長手方向に平箔2の全幅に及ぶ矩形波
を形成する工程、 (2).前記(1) 工程により製作される矩形波を有する波箔
1を、矩形波形の波高h12よりも高い波高の略正弦波
を形成するもので構成された略正弦波及び矩形波成形用
ロール、S1,…S及びT1,…Tの間に挿入し、
幅方向にみて所望幅(W1 )の略正弦波と所望幅
(W2)の矩形波を交互に併有する波箔1を形成する工
程、とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製かつハニカ
ム構造の排気ガス浄化用触媒を担持するためのハニカム
体(以下、単にメタルハニカム体という。)を製造する
ときの必須の構成部材の製造方法に関する。
【0002】詳しくは、本発明は、メタルハニカム体の
必須の構成部材である薄肉金属板製の特定構造の波板状
帯材(以下、波箔という。)の製造方法に関する。
【0003】更に詳しくは、本発明は、波箔の幅方向
(メタルハニカム体としたときの排気ガス通過方向)に
みて、この種のメタルハニカム体の製造のために使用さ
れている薄肉金属板製の平板状帯材(以下、平箔とい
う。)との当接関係において、例えば、(i).少なくとも
一方の端部及びその近傍部位の領域において、前記平箔
に当接する波高の略正弦波形を有するとともに、(ii).
前記部位以外の領域において、前記平箔と非当接状態の
波高の矩形波形有する、特殊構造の波箔の製造方法に関
するものである。
【0004】
【従来の技術】前記したように、本発明は、メタルハニ
カム体用の必須の構成部材である特殊構造の波箔の製造
方法に関するものである。そこで、本発明の理解を助け
るために、従来から提案されているメタルハニカム体に
ついて説明する。
【0005】従来から提案されている典型的な排気ガス
浄化用のメタル担体は、メタルハニカム体を主要な構成
要素とするものであり、その一例が、図13〜図15に
示されている。図示されるように、この種のメタルハニ
カム体(H´)は、耐熱性の薄肉金属板製の波板状帯材
(波箔)(1´)と平板状帯材(平箔)(2´)を交互
に重積するとともに(図13参照)、これを巻回成形し
て製作したハニカム構造体(図14〜図15参照)であ
って、排気ガス浄化用触媒(例えばPt,Rh,Pdな
どを使用した触媒系)を担持するための母体となるもの
である。なお、前記メタルハニカム体(H´)は、図1
4〜図15に示されるように金属製のケーシング(以
下、メタルケーシングという。)(C)の内部に収容さ
れ、固定されてメタル担体(MS)とされるものであ
る。
【0006】前記したメタル担体は、当業界において
は、メタルサポート(Metal Support)またはメタルサ
ブストレート(Metal Substrate )などといわれてお
り、略記号(MS)が使用されている。この意味で、図
14と図15も略記号(MS)を使用している。また、
メタルハニカム体は、ハニカム構造(Honeycomb Struct
ure )に因んで、略記号(H)が使用されている。な
お、後述する本発明により製造される特殊構造の波箔
は、前記したようにメタルハニカム体の必須の構成部材
として利用されるものである。本発明により製造される
波箔の重要性は、これを利用したメタルハニカム体との
関連で後述するが、本発明の波箔を利用したメタルハニ
カム体と従来技術のメタルハニカム体を区別するため
に、後者はダッシュ付き記号(H´)で示される。ま
た、従来のメタルハニカム体(H´)の構成部材もダッ
シュ付き記号で示し、波箔を(1´)、平箔を(2´)
で示す。更に、メタルケーシングは、ケーシング(Casi
ng)に因んで、略記号(C)が使用されている。
【0007】前記した従来のメタル担体(MS)の主要
な構成要素であるメタルハニカム体(H´)としては、
種々の構造のものが提案されている。前記した図13〜
図15に示されるメタルハニカム体(H´)は、波箔
(1´)と平箔(2´)が巻回積層されて構成されてい
ることから、当業界においては巻回タイプと称されてい
る。なお、図13は、前記巻回タイプのメタルハニカム
体(H´)の構成部材である一組の波箔(1´)と平箔
(2´)の斜視図を示す。図14は、前記波箔(1´)
と平箔(2´)を重積するとともに巻回成形して製作し
た従来の巻回タイプのメタルハニカム体(H´)をメタ
ルケーシング(C)内に固定して製作したメタル担体
(MS)の斜視図を示す。図15は、前記した従来の巻
回タイプのメタルハニカム体(H´)を主要な構成要素
とするメタル担体(MS)の正面図を示す。
【0008】前記した従来の巻回タイプのメタルハニカ
ム体(H´)は、例えば100μm以下(好ましくは5
0μm以下)の耐熱性の薄肉鋼板からなる波箔(1´)
と平箔(2´)とを、交互に当接部を有するように重積
し、これを一括渦巻き状に巻回成形して軸方向に排気ガ
ス通路のための多数の網目状通気孔路(セル)(3)を
持つハニカム構造体としたものである。
【0009】このほか、従来から提案されているメタル
担体(MS)の主要な構成要素であるメタルハニカム体
(H´)として、前記した巻回タイプのもの以外に、波
箔(1´)と平箔(2´)からメタルハニカム体(H
´)を製造する方法の相違により、各種のものが提案さ
れている。
【0010】例えば、波箔と平箔を単純に階層状に相互
に当接、重積された構造の階層タイプのメタルハニカム
体(H´)、あるいは、特開昭62−273050号、
特開昭62−273051号、特公表3−502660
号、特開平4−227855号などに開示されている放
射状タイプ、S字状タイプ、巴状タイプ、及びX−ラッ
プ(卍状)タイプのメタルハニカム体(H´)などが知
られている。
【0011】また、前記した従来のメタル担体(MS)
のメタルケーシング(C)としては、内部に前記メタル
ハニカム体(H)を収容し、固定するための筒状体が使
用されている。前記メタルケーシング(C)の正面(断
面)形状は、前記図14〜図15に示される円形のもの
に限定されず、メタルハニカム体(H´)の正面(断
面)形状に適合した形状のもの、例えば楕円形、長円
形、レーストラック形状、多角形、その他の異形形状の
ものが使用されている。
【0012】そして、前記した従来のメタル担体(M
S)は、排気ガス系統という過酷な熱的環境条件のもと
で使用されるため、メタルハニカム体(H´)を構成す
る両箔材(波箔と平箔)(1´,2´)の当接部は強固
に固着される。これは、メタル担体(MS)の主要な構
成要素であるメタルハニカム体(H´)とメタルケーシ
ング(C)が、排気ガス自体の高温度及び排気ガスと排
気ガス浄化用触媒との発熱反応により発生する高温度に
さらされ、このような高温雰囲気のもとで各要素に大き
な熱応力が印加されるためであり、両箔材(波箔と平
箔)(1´,2´)の当接部は熱応力に耐え得るように
ろう接合や溶接などの固着方式により強固に固着され
る。
【0013】即ち、メタルハニカム体(H)は、前記し
た過酷な使用条件下における耐久性の確保という観点か
ら、その構成部材である波箔(1´)と平箔(2´)の
当接部は、種々の方法及び方式により固着される。例え
ば、メタルハニカム体(H´)内部の所望部位の波箔
(1´)と平箔(2´)の当接部が、ろう接合や溶接な
どの固着手段により固着される(例えば、特公昭63−
44466号、特開平2−218442号参照)。
【0014】一方、メタルハニカム体(H´)とメタル
ケーシング(C)の当接面も、両要素の離体を防止する
という観点などから強固に固着されるものである。な
お、メタルハニカム体(H´)内部には大きな熱応力が
発生し、これが両要素の当接部に集中・集積し両要素の
離体を誘発するが、前記した熱応力を吸収・緩和させる
ために、前記当接部の特定部位を固着するという方式も
提案されている(例えば、実開昭62−19443号参
照)。
【0015】前記したように、従来のメタル担体(M
S)の主要な構成要素であるメタルハニカム体(H´)
において、その構成部材である波箔(1´)と平箔(2
´)は、波箔(1´)の山部及び谷部で相互に固着され
た構造のものである。従って、前記当接部に触媒物質を
担持させることができないため、両箔材の全表面に対す
る触媒担持のための有効面積率は低いものである。より
具体的には、この種の波箔と平箔として厚さ50μm以
下の耐熱性ステンレス鋼箔が使用されているが、前記し
た両箔材(1´,2´)の当接部の面積が全表面の10
〜30%にも及ぶため、前記触媒担体のための有効面積
率は低いものである。特に、両箔材(1´,2´)相互
の強固な固着のために、波箔(1´)の波形構成として
矩形波もしくは台形波を有するものにおいては、前記有
効面積率は極めて低いものである。
【0016】これを経済的観点から評価すると、メタル
ハニカム体(H´)用の両箔材(波箔と平箔)(1´,
2´)として使用されている前記Fe−Cr20%−A
l5%系などの厚さ50μm以下の耐熱鋼箔は、価格が
厚さ1.5mm程度のSUS304の材料の5倍前後と
極めて高価なものであり、前記当接部による触媒担持の
ための有効面積率の低下は、非経済的なものである。因
みに、メタル担体(MS)全体の原価に対する前記耐熱
鋼箔の材料費の比率は50%にも及ぶものであり、耐熱
鋼箔の排気ガス浄化用触媒を担持するための有効面積率
を増大化すること、あるいは所定の有効面積率のものと
で排気ガス状可能を向上させて耐熱鋼箔の使用量を低減
化すること、などが経済性の観点から強く求められてい
る。
【0017】更に、従来のメタル担体(MS)において
検討されなければならない点は、メタル担体(MS)の
製造に適用される固着手段である。前記したように、メ
タル担体(MS)の製造において、メタルハニカム体
(H´)を構成する両箔材(波箔と平箔)(1´,2
´)の当接部、及びメタルハニカム体(H´)とメタル
ケーシング(C)の当接部は耐久性の観点からろう接合
(ろう付け)や溶接などの固着手段が適用されて固着さ
れるものである。そして、前記固着手段として一般に採
用されているろう接合方式において、使用されているろ
う材は、メタル担体(MS)の高温雰囲気下での使用条
件ということから、例えばNi系、Ni−Cr系などの
高価な高温用ろう材であり、経済性の観点からその使用
量の低減化が強く求められている。また、前記したろう
材使用量の低減化の点は、前記したように両箔材(波箔
と平箔)(1´,2´)の当接部の当接面積が大きなも
のであることから、使用されるろう材が多くなり、この
ためろう材成分と両箔材の金属成分との合金化反応や拡
散反応による両箔材(1´,2´)の耐熱性の低下、更
には触媒の死活化などの問題が誘発され、この面からも
ろう材使用量の低減化が強く求められている。
【0018】更にまた、前記したメタルハニカム体(H
´)の波箔(1´)と平箔(2´)の当接部に対するろ
う接合時の高価なろう材使用量の増大は、当接部の当接
面積が大きいことに起因するのに加えて、当接部におけ
るろう材フィレットの形成により倍加されるものであ
る。これは背圧抵抗を増大させたり、事後的にウォッシ
ュコート処理により排気ガス浄化用触媒を担持させると
きに、両箔材(1´,2´)の触媒担持のための有効面
積を低下させ、触媒担持量を低下させるものである。ま
た、ろう接合の対象にならない部位の波箔(1´)と平
箔(2´)の当接部においても、前記したウォッシュコ
ート処理時にウォッシュコート液のフィレットが形成さ
れ、これも触媒担持量を低下させたり、背圧抵抗を増大
させたりする。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
のメタルハニカム体(H´)においては、多くの課題が
残されている。本発明は、従来のメタルハニカム体(H
´)の特性改善において、波箔の構造を新しい構造のも
のに置換することが重要である、という知見をベースに
するものである。
【0020】本発明者らは、前記した従来の単純構造の
波箔(1´)と平箔(2´)を利用したメタルハニカム
体(H´)において、主として両箔材(1´,2´)の
当接部に起因する触媒担持のための有効面積率の低下、
及びろう材フィレットやウォッシュコートフィレットの
形成を解消するためには、波箔の構造を、平箔との当接
関係において、波箔の幅方向(メタルハニカム体とした
時の排気ガス通過方向)にみて、例えば、(i).少なくと
も一方の端部及びその近傍部位の領域において、前記平
箔に当接する波高の略正弦波形を有するものにするとと
もに、(ii).前記部位以外の領域において、前記平箔と
非当接状態となる波高の矩形波形を有するものにするこ
と、が極めて有効である、という知見を見い出してい
る。
【0021】即ち、本発明者らは、前記した波箔の特殊
な構造により、平箔との当接関係が大幅に縮小されるた
め、前記した両箔材の当接部に起因した多くの課題が解
消されること、更に両箔材の非当接領域に形成される空
間スペース部は、排気ガスの混合、攪拌、乱流化ゾーン
及びメタルハニカム体の内部に発生する大きな熱応力の
吸収・緩和ゾーンとして作用する、という重要な知見を
見い出している。
【0022】本発明は、前記した特殊構造の波箔を効率
よく、かつ経済的に製造する方法を提供するものであ
る。本発明のメタルハニカム体用の特殊構造の波箔の製
造方法により、排気ガス浄化用装置(メタル担体(M
S))の主要な構成要素である高性能のメタルハニカム
体(H)が提供される。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第一の発明は、排気ガス浄化用触媒を担持するた
めの略正弦波形と矩形波を併有するメタルハニカム体用
の薄肉金属板製の波板状帯材(波箔)の製造方法におい
て、前記波箔の製造方法が、 (1).所望幅かつ長尺の薄肉金属板製の平板状帯材(平
箔)を、上下一対の矩形波成形用ロール(R)の間に挿
入し、前記平箔の長手方向(メタルハニカム体としたと
きのメタルハニカム体の軸方向に直交する方向)に前記
平箔の全幅に及ぶ矩形波を形成する工程、 (2).前記(1) 工程により製作される矩形波を有する波箔
を、(2)-1.幅方向(メタルハニカム体としたときのメタ
ルハニカム体の軸方向)にみて、所望幅(sn )の上下
一対の略正弦波成形用ロール(Sn )と所望幅(tn )
の上下一対の前記(1) 工程の矩形波成形用ロールと同じ
矩形波形(同じ周期長、同じ波高)の歯形を有する矩形
波成形用ロール(Tn )が、交互に配設された略正弦波
形及び矩形波成形用ロールであって、(2)-2.前記略正弦
波成形用ロール(Sn )は、前記矩形波形の波高よりも
高い波高の略正弦波を形成するもので構成された略正弦
波及び矩形波成形用ロール、の間に挿入し、幅方向にみ
て所望幅(W1 )の略正弦波と所望幅(W2 )の矩形波
を交互に併有する波箔を形成する工程、とからなること
を特徴とする略正弦波と矩形波を併有するメタルハニカ
ム体用波箔の製造方法に関するものである。
【0024】また、本発明の第二の発明は、排気ガス浄
化用触媒を担持するための略正弦波形と矩形波を併有す
るメタルハニカム体用の薄肉金属板製の波板状帯材(波
箔)の製造方法において、前記波箔の製造方法が、 (1).所望幅かつ長尺の薄肉金属板製の平板状帯材(平
箔)を、(1)-1.幅方向(メタルハニカム体としたときの
メタルハニカム体の軸方向)にみて、所望幅(sn )の
上下一対の略正弦波の歯形を有する略正弦波成形用ロー
ル(Sn )と所望幅(tn )の上下一対の矩形の歯形を
有する矩形波成形用ロール(Tn )が、交互に配設され
た略正弦波及び矩形波成形用ロールであって、(1)-2.前
記略正弦波成形用ロール(Sn )は、前記矩形波形の波
高よりも高い波高の略正弦波を形成するもので構成され
た略正弦波及び矩形波成形用ロール、の間に挿入し、幅
方向にみて所望幅(W1 )の略正弦波と所望幅(W2
の矩形波を交互に併有する波箔を形成する工程、により
製造することを特徴とする略正弦波と矩形波を併有する
メタルハニカム体用箔の製造方法に関するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の技術的構成及び実
施態様を図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明
は図示のものに限定されないことはいうまでもないこと
である。
【0026】図1〜図5は、本発明のメタルハニカム体
(H)用波箔の製造方法により製造された波箔(1)の
構造とその応用例を説明する図である。
【0027】図1は、本発明により製造されたメタルハ
ニカム体(H)用波箔(1)の一部斜視図を示す。図示
されるように、本発明のメタルハニカム体(H)用波箔
(1)は、メタルハニカム体(H)の他の構成部材であ
る平箔(2)とともに、メタルハニカム体(H)を製造
するときに、その幅方向(メタルハニカム体とされた時
の排気ガス通過方向)にみて、(i).前記平箔(2)に当
接する高い波高の三角波(11)領域と、(ii).前記平
箔(2)に当接しない低い波高の矩形波(12)領域、
が交互に配設されて構成されるものである。
【0028】図2〜図3は、前記図1のメタルハニカム
体(H)用波箔(1)と平箔(2)を重積し、かつ巻回
成形して製作したメタルハニカム体(H)を主要な構成
要素とするメタル担体(MS)の斜視図(図2)、及び
正面図(図3)を示すものである。
【0029】図4は、前記図2に示されるメタル担体
(MS)の軸芯を通る断面において、特に、メタルハニ
カム体(H)部の一部断面図を示すものである。図中、
(3)は、波箔(1)と平箔(2)により囲繞される排
気ガス通気孔路(セル)、(4)は、波箔(1)と平箔
(2)の非当接関係により形成される空間部(空間スペ
ース部)を示す。前記空間部(4)は、排気ガスの混
合、攪拌、乱流化ゾーンとして作用するとともに、メタ
ルハニカム体(H)の内部に発生する大きな熱応力の吸
収・緩和ゾーンとして作用するものであり、メタルハニ
カム体(H)の特性向上において重要なものである。
【0030】図4に示されるように、本発明のメタルハ
ニカム体(H)用波箔(1)は、平箔(2)との当接関
係でみると、メタルハニカム体(H)の軸方向にみて、
(1).両端部及びその近傍部位の領域、即ち、図4の(W
1 )及び(W3 )の領域において、平箔(2)と当接す
る波高の波形を有するもので構成され、かつ、(2).前記
部位以外の領域、即ち、図4の(W2 )の領域におい
て、平箔(2)と当接しない(非当接の)波高の波形を
有するもので構成されるものである。なお、前記領域
(W1 ,W2 ,W3 )は、それぞれが同じ記号で示され
るW1,W2 ,W3 の幅を有するものと解釈されるべき
である。また、図4において、平箔(2)と当接しない
領域の幅(W2 )は、図1の斜視図にみられるものより
も大きく示されている。この点は、本発明の波箔(1)
においては、前記領域(W1 ,W2 ,W3 )の大きさは
所望に設定されるものであり、この意味で前記幅
(W2 )が変更されて示されていると解釈されるべきで
ある。
【0031】図5は、前記図4のA線矢視図の一部拡大
図である。図示されるように、本発明のメタルハニカム
体(H)用波箔(1)は、三角波(11)領域と矩形波
(12)領域を併有しているため、メタルハニカム体
(H)のもう一方の構成部材である平箔(2)と共働し
て、前記した排気ガス通気孔路(セル)(3)及び空間
スペース部(4)を確実に形成することができる。図5
において、波箔(1)の三角波(11)の頂部、即ち平
箔(2)と当接する部位は、メタルハニカム体(H)の
製造時の巻回応力の印加により、多少変形し、略正弦波
に近くなっていることが示されている。本発明におい
て、平箔(2)と当接する波箔(1)の波形形状は、三
角波形のものであっても正弦波形のものであってもよ
く、広義に解釈されるべきものである。
【0032】図6〜図11は、本発明のメタルハニカム
体(H)用の三角波(11)及び矩形波(12)を併有
する波箔(1)の製造方法を説明する図である。
【0033】図6は、本発明のメタルハニカム体(H)
用の波箔(1)を製造するための装置、即ち、異種の波
形構造を併有する波箔(1)を製造するフォーミングギ
ア(5)の一部斜視図である。図6に示されるフォーミ
ングギア(5)は、三角波(11)の形成部(51)と
矩形波(12)の形成部(52)が一体型のものであ
る。なお、本発明の波箔(1)の製造装置は、図6に示
されるフォーミング(5)に限定されず、所望の波形成
形装置であってもよいことはいうまでもないことであ
る。即ち、図6に示される三角波(11)の形成部(5
1)と矩形波(12)の形成部(52)が一体型のフォ
ーミングギア(5)に代えて、後述する実施態様に示さ
れるように、それぞれが独立した歯付ロールをユニット
化して構成したものであってもよい。
【0034】図6に示されるフォーミングギア(5)を
利用してメタルハニカム体(H)用の波箔(1)を製造
する場合、波箔(1)の波形構造として、三角波形(1
1)と矩形波形(12)が略同一の展開長をもつように
するとき、波付加工が容易に行なえるので好ましいこと
はいうまでもないことである。なお、この点は、後述す
る図10〜図11を参照して詳しく説明する。本発明に
おいて、前記波付加工は一段で行なってもよいし、ある
いは多段工程で行なってもよいことはいうまでもないこ
とである。
【0035】本発明のメタルハニカム体(H)の波箔
(1)の波形形状において、前記三角波形(11)と矩
形波形(12)の境界部(図6の5a,5b,5cの部
位参照)の波形形状は、前記境界部において、明確かつ
鋭く三角波形(11)と矩形波形(12)が区分される
ものであってもよいし、あるいは、漸次、三角波形(1
1)から矩形波形(12)に変化(移行)するものであ
ってもよい。なお、前記図6の5a,5b,5cの部位
は、それぞれ前記図1の1a,1b(図示せず)、1c
に対応することはいうまでもないことである。更にま
た、本発明により製造される波箔(1)において、前記
境界部、即ち図6の5a,5b,5cの部位の少なくと
も1つが、穴あきのものであってもよいものである。な
お、前記図6の5a,5b,5cの部位を穴あきとする
には、波箔(1)を調製するときの波付加工と同時に行
なってもよいし、事後的に穴あき加工を行なってもよい
ものである。
【0036】図7〜図10は、本発明のメタルハニカム
体(H)の波箔(1)の製造方法として、波形成形用ロ
ールユニットを採用した方式を説明する図である。ま
た、図11〜図12は、前記波成形用ロールユニットを
構成する歯付ロールの構成(歯型)を説明する図であ
る。
【0037】本発明のメタルハニカム体(H)用の波箔
(1)を波形成形用ロールユニットを利用して製造する
場合、以下に説明するように(1).2工程方式(ツー・ス
テップ方式)、または、(2).1工程方式(ワン・ステッ
プ方式)、の2方式がある。しかしながら、本発明はこ
れら方式に限定されず、前記方式の変更を含めて所望の
方式を採用できることはいうまでもないことである。
【0038】(1).2工程方式(ツー・ステップ方式) 図7は、2工程方式(ツー・ステップ方式)の第1工程
を説明する図である。図7に示されるU(1)は、波箔
(1)の製造用出発材料である平箔(2)に矩形波(1
2)を成形するための波形成形用ロール・ユニットを示
す。具体的には、U(1)は、上下一対の矩形波成形ロ
ール(R)で構成される。平箔(2)を前記U(1)に
挿入することにより、平箔(2)の長手方向、即ち、メ
タルハニカム体(H)としたときのメタルハニカム体
(H)の軸方向に直交する方向に前記平箔(2)の全幅
に及ぶ所望の大きさの矩形波(12)を有する波箔(1
A)が製造される。
【0039】図8は、2工程方式(ツー・ステップ方
式)の第2工程を説明する図である。図8に示されるU
(2)は、前記第1工程で製造された矩形波(12)を
有する波箔(1A)に三角波(11)を成形するための
波形成形用ロール・ユニットを示す。本発明において、
前記U(2)は、「略正弦波及び矩形波成形用ロール」
と称することができる。なお、前記名称において、「略
正弦波」という用語は、前記三角波(11)を含むよう
に広義に解釈されるべきである。
【0040】図9は、前記U(2)の斜視図である。図
示されるように、第1工程で製造された矩形波(12)
を有する波箔(1A)に三角波(11)を成形するため
のU(2)、即ち「略正弦波及び矩形波成形用ロール」
は、前記第1工程で製造された矩形波(12)を有する
波箔(1A)の幅方向、即ちメタルハニカム体(H)と
したときのメタルハニカム体(H)の軸方向(排気ガス
の通過方向)にみて、(1)-1.所望幅(sn )の上下一対
の略正弦波成形用ロール(Sn :S+S1 +S2 +……
…Sn )と、(1)-2.所望幅(tn )の上下一対の前記第
1工程の矩形波成形用ロール(R)(図7参照)と同じ
波形(同じ周期長、同じ波高)の歯型を有する矩形波成
形用ロール(Tn :T1 +T2 +………Tn )が、交互
に配設され、かつ、(1)-3.前記略正弦波成形用ロール
(Sn )は、前記矩形波(12)の波高よりも高い波高
の略正弦波を成形するもので構成されている。
【0041】本発明において、前記略正弦波成形用ロー
ル(Sn )(S1 +S2 +………Sn )と矩形波成形用
ロール(Tn )(T1 +T2 +………Tn )が交互に配
設されるという具体的な態様は、図9から明らかのよう
に、n=2の場合、(S1 )−(T1 )−(S2 )−
(T2 )の配列順序を意味するものである。前記したU
(2)(略正弦波及び矩形波成形用ロール)の操作にお
いて、第一工程で製造された矩形波(12)を有する波
箔(1A)(図7参照)は、U(2)の矩形波成形用ロ
ール(Tn )(T1 +T2 +………Tn )の歯形、即ち
前記第1工程の矩形波成形用ロール(R)と同じ周期
長、同じ波高の歯形に案内される一方、同時に略正弦波
成形用ロール(Sn )(S1 +S2 +………+Sn )に
より矩形波(12)の上に三角波(11)が重畳されて
成形されることになる。
【0042】前記U(2)(略正弦波及び矩形波成形用
ロール)において、略正弦波成形ロール(Sn )(S1
+S2 +………Sn )部による三角波(11)の成形
は、第一工程で形成された所望部位及び所望幅の矩形波
(12)を三角波(11)に変形して行なうものであ
る。このため、本発明においては、前記三角波(11)
の成形は、容易に行なうことができるとともに、設計し
た通りの波形構造の三角波(11)を形成することがで
きる。即ち、本発明の前記した製造方法により、設計し
た通りの三角波(11)及び矩形波(12)を併有する
波箔(1)を製造することができる。
【0043】図9は、前記したように前記U(2)(略
正弦波及び矩形波成形用ロール)の斜視図を示すもので
ある。図示されるように、U(2)において、三角波
(11)を成形する略正弦波成形用ロール(Sn )と矩
形波(12)を成形する矩形波成形用ロール(Tn )
は、次のように構成されるものである。 (i).前記略正弦波成形用ロール(Sn )は、所望幅(s
n )の上下一対の所望組の略正弦成形用ロール(S1 +
S2 +………Sn )で構成され、(ii).前記矩形波成形
用ロール(Tn )は、所望幅(tn )の上下一対の所望
組の矩形波成形用ロール(T1 +T2 +………Tn )で
構成され、かつ、(iii).前記略正弦波成形用ロール(S
1 +S2 +………Sn )と矩形波成形用ロール(T1 +
T2 +………Tn )は、交互に配設されて構成される。
なお、図中、各ロールの幅寸法は、それぞれのロールに
対応する大文字記号(S、T)に対して、小文字記号
(s1 ………sn )(t1………tn )で示される。
【0044】図9に示されるU(2)において、前記ロ
ール(Sn 、Tn )の上下一対の一方のロール群は、減
速機付モータ(M)により回転駆動する駆動軸(61)
に交互に固定される。また、前記ロール(Sn 、Tn )
の上下一対の他方のロール群は、受動軸(62)に交互
に固定される。そして、前記ロール群は、駆動軸(6
1)に固定された動力伝達歯車(63)と受動軸(6
2)に固定された動力伝達歯車(64)の両動力伝達歯
車(63,64)の噛合回転により、逆方向に回転され
る。図中、(65,66)はU(2)(略正弦波及び矩
形波成形用ロール)の両側に立設されたフレーム部を示
す。なお、本発明において、駆動軸(61)及び受動軸
(62)とフレーム部(65,66)の間の軸受部、あ
るいは両軸(61,62)の間の間隔調整機構は、適宜
に構成すればよい。
【0045】図10〜図11は、前記U(1)及びU
(2)により製造される三角波(11)及び矩形波(1
2)を併有する波箔(1)において、三角波(11)と
矩形波(12)の波形構造を説明するものである。これ
は、U(1)及びU(2)の波形成形ロール(Sn 、T
n )の歯形がどのように構成されているかをも説明する
ものである。
【0046】図10は、U(1)、即ち、第1工程の矩
形波成形ロール(R)により製造された矩形波(12)
を有する波箔(1A)(図7参照)において、矩形波
(11)の構造を説明する図である。矩形波(12)の
波形構想は、頂部の長さが(ce)、高さ(波高)が
(ef)のものである。また、頂部の半波長の大きさ
は、(ab)=(fg)=1/2・(ce)の関係にあ
る。更に前記頂部の長さ(ce)と波高(ef)は、
(ce)=(ef)の関係にある。
【0047】図11は、U(2)、即ち、第2工程の略
正弦波及び矩形波成形用ロールにより製造された三角波
(11)及び矩形波(12)を併有する波箔(1)にお
いて、両波(11,12)の波形構造を説明するもので
ある。なお、矩形波(12)の波形構造は図10で説明
したものと全く同じである。本発明において、U(2)
により矩形波(12)の上に重畳させて三角波(11)
を成形する場合、両波(11,12)が同じ位相になる
ように成形される。即ち、図示されるように三角波(1
1)の始点(L)は、矩形波(12)の頂部の中央点
(a)に対応するように配設され、三角波(11)の半
波長点(M)は矩形波(12)の半波長点(d)に対応
するように配設され、三角波(11)の終点(N)は矩
形波(12)の終点(g)に対応するように配設され
る。
【0048】前記したことから明らかのように、本発明
において、前記三角波(11)と矩形波(12)併有す
る波箔(1)の製造において、その三角波(11)と矩
形波(12)の一周期の展開長(1ピッチ分の展開長)
が同じであることが好ましいものである。即ち、「三角
波(11)の二辺の長さ=矩形波(12)の一周期長」
の関係が成立することが好ましい。これを図10〜図1
1に示される記号で説明すると、以下のようになる。 LM+MN=ab+bc+cd+de+ef+fg 別言すれば、本発明のU(1)及びU(2)に適用され
る波形成形ロール(Sn =S1 +S2 +………Sn ;T
n =T1 +T2 +………Tn )の歯型は、前記関係式が
成り立つように構成することが好ましい。
【0049】本発明の前記した2工程式(ツー・ステッ
プ方式)で製造される三角波(11)及び矩形波(1
2)を併用する波箔(1)(図11参照)の波形構造
(波長、波高など)の一例は、以下の通りである。な
お、下記の数値は、本発明により製造された波箔(1)
及び平箔(2)を使用して巻回タイプのメタルハニカム
体(H)を製造したときの数値であると理解されるべき
である。 (i).三角波(11)の領域 波高(h11):1.4〜1.6mm 一ピッチ幅(NM):2.9〜3.2mm (ii).矩形波(12)の領域 波高(h12):0.8〜1.1mm 頂部の長さ(ce):前記波高(h12)と同じ 一ピッチ幅(ag):前記三角波(11)の一ピッチ幅
(NM)と同じ (iii).波箔(1)の肉厚:40〜50μm(平箔の肉厚
と同じ)
【0050】本発明において、第二実施態様の三角波
(11)及び矩形波(12)を併用する波箔(1)を製
造する方法として、前記2工程方式(ツー・ステップ方
式)の第2工程を単独で行なう方式がある。即ち、前記
U(2)(略正弦波及び矩形波成形用ロール)に対し
て、直接、出発材料である平箔(2)を挿入し、三角波
(11)と矩形波(12)を同時に成形する方式を採用
してもよい。前記U(2)による三角波(11)と矩形
波(12)を同時成形する方式において、平箔(2)を
一回通過させる方式(ワン・ストローク方式)により最
終の波形構造を有する両波(11,12)を成形しても
よいし、ロール間隔を多段階に調整して複数回通過させ
る方式により最終形状の両波(11,12)を成形して
もよい。
【0051】本発明者らは、前記一回通過方式(ワン・
スルー方式)の実験において、出発材料としてFe−2
0%Cr−5%Al系の極めて伸びの小さい平箔(2)
(フェライト系ステンレス鋼箔)を使用する場合、三角
波(11)と矩形波(12)の一周期の展開長を同じに
しても、歯付ロールの回転時に相互に引張り合いが生じ
るため、三角波(11)の頂部に亀裂(パンク)が発生
することを経験している。前記三角波(11)の頂部に
みられる亀裂(パンク)の防止について、本発明者ら
は、略正弦波成形用ロール(S1 +S2 +………+Sn
)の波高(h11)(図11参照)を理論値よりも低目
に微調整しておくことが有効であることをつきとめてい
る。具体的には、前記三角波(11)の波高(h11
1.4〜1.6mmとの関係において、0.1〜0.1
5mm程度、低目に略正弦波成形用ロールの歯型の高さ
を調整しておくことが有効である。
【0052】また、前記一回通過方式(ワン・スルー方
式)において、U(2)から搬出される三角波(11)
及び矩形波(12)を併有する波箔(1)は、三角波
(11)と矩形波(12)の成形のために出発材料であ
る平箔(1)に複雑な加工応力が印加されるため、多
少、曲がりを生じる。このため、U(2)により製造か
つ搬出される波箔(1)に対し、適度なテンションを印
加し、波箔(1)のネジレを矯正することが好ましい。
【0053】図12は、本発明の前記ツー・パス方式を
採用した第二製造例により製造された三角波(11)及
び矩形波(12)を併有する波箔(1)のメタルハニカ
ム体(H)への第二応用例を説明する図である。なお図
12は、前記ツー・パス方式を採用した第一製造例によ
り製造された波箔(1)の第一応用例に関する図4に対
応する図である。図示されるように、第二製造例により
製造される波箔(1)は、平箔(2)に対する当接関係
で波形構造を規定すると、(i).波箔(1)の両端部及び
その近傍部位(W1 、及びW3 の領域)において、平箔
(2)と当接する三角波(11)を有するとともに、(i
i).前記部位以外の領域(W2 )において、小さい領域
(W4 )で平箔(2)と当接する三角波(11)を有す
る点に特徴がある。
【0054】図12から明らかのように、第二製造例に
より製造される前記波箔(1)の波形構造により、メタ
ルハニカム体(H)へ応用されたとき、第一応用例にみ
られた空間部(4)は前記領域(W4 )により二つに区
分される。そして、前記二つに区分された空間部(4)
のそれぞれは、排気ガスの混合、攪拌、乱流化ゾーン及
び熱応力の吸収・緩和ゾーンとして作用することにな
る。
【0055】
【発明の効果】本発明は、排気ガス浄化用装置(メタル
担体(MS))の主要な構成要素であるメタルハニカム
体(H)の構成部材である特殊構造の波箔の製造方法に
関する。特に、本発明は、メタルハニカム体(H)の他
の構成部材である平箔との当接関係においてその波形構
造を規定すると、波箔の幅方向(メタルハニカム体とし
た時のメタルハニカム体の軸芯方向あるいは排気ガスの
通過方向)にみて、(i).少なくとも、一方の端部及びそ
の近傍部位の領域において、前記平箔に当接する波高の
略正弦波形(三角波形を含む。)を有するとともに、(i
i).前記部位以外の領域において、前記平箔と非当接状
態となる波高の矩形波形を有するものであるか、または
前記平箔に間欠的に当接する波高の略正弦波形を前記非
当接の矩形波形の部位に有する、という特殊な波形構造
を有するメタルハニカム体(H)用の波箔の経済的な製
造方法を提供するものである。
【0056】本発明により製造される略正弦波(三角波
を含む)と矩形波を併有する波箔は、平箔と共にメタル
ハニカム体(H)に適用された場合、前記波箔の波形構
造により、両箔(波箔と平箔)の当接部に起因する過大
なろう材フィレットやウォッシュコートフィレットの形
成が解決され、またメタルハニカム体(H)の内部に発
生する熱応力の吸収・緩和特性が向上し、更にはメタル
ハニカム体(H)の内部における排気ガスの混合、攪
拌、乱流化特性が促進され排気ガス浄化能が向上すると
いう優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のメタルハニカム体用波箔の第一製造
例により製造された波箔の一部斜視図である。
【図2】 図1の波箔を利用したメタルハニカム体
(H)を主要な構成要素とするメタル担体(MS)の斜
視図である。
【図3】 図2のメタル担体(MS)の正面図である。
【図4】 図2のメタル担体(MS)の軸芯を通る一部
断面図である。
【図5】 図4のA線矢視の一部拡大図である。
【図6】 本発明のメタルハニカム体用波箔の製造方法
に適用されるフォーミングギア(5)の一部斜視図であ
る。
【図7】 本発明の波箔の第一製造例(2工程方式)に
適用される第1工程の矩形波成形用ロールユニット(U
(1))を説明する図である。
【図8】 本発明の波箔の第一製造例(2工程方式)に
適用される第2工程の略正弦波及び矩形波成形用ロール
ユニット(U(2))を説明する図である。
【図9】 図8のU(2)の詳細を示す斜視図である。
【図10】 図7に示される矩形波成形用ロールユニッ
ト(U(1))により製造される矩形波(12)を有す
る矩形波(12)の波形構造を説明する図である。
【図11】 図8に示される略正弦波及び矩形波成形用
ロールユニット(U(2))により製造される波箔
(1)の三角波(11)及び矩形波(12)の波形構造
を説明する図である。
【図12】 本発明のメタルハニカム体用波箔の第二製
造例により製造された波箔の構造を説明する図であり、
前記第一製造例に関係する図4に対応する図である。
【図13】 従来の巻回タイプのメタルハニカム体(H
´)の構成部材である一組の平箔(1´)と波箔(2
´)の斜視図である。
【図14】 従来の巻回タイプのメタルハニカム体(H
´)とメタルケーシング(C)とから成るメタル担体
(MS)の斜視図である。
【図15】 図14の従来のメタル担体(MS)の正面
図である。
【符号の説明】
1 ……… 波箔 11 ……… 三角波 12 ……… 矩形波 2 ……… 平箔 3 ……… セル MS ……… メタル担体 H ……… メタルハニカム体 4 ……… メタルハニカム体内部において波箔と平箔
の非当接部領域が形成する空間部 5 ……… 三角波及び矩形波を形成するメタルハニカ
ム体のフォーミングギア 51 ……… 三角波形成部 52 ……… 矩形波形成部 U(1) ……… 矩形波成形用ロールユニット R ……… 矩形波成形用ロール U(2) ……… 略正弦波及び矩形波成形用ロールユ
ニット S1 ,………Sn ………略正弦波成形用ロール T1 ,………Tn ………矩形波成形用ロール M ……… 減速機付モータ 61 ……… 駆動軸 62 ……… 受動軸 63,64 ……… 動力伝達歯車 65,66 ……… フレーム h11 ……… 三角波の波高 h12 ……… 矩形波の波高 H´ ……… 従来のメタルハニカム体 1´ ……… 従来のメタルハニカム体用波箔 2´ ……… 従来のメタルハニカム体用平箔
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21D 47/00 F01N 3/28 301P F01N 3/28 301 B01D 53/36 ZABC

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガス浄化用触媒を担持するための略
    正弦波形と矩形波を併有するメタルハニカム体用の薄肉
    金属板製の波板状帯材(波箔)の製造方法において、前
    記波箔の製造方法が、 (1).所望幅かつ長尺の薄肉金属板製の平板状帯材(平
    箔)を、上下一対の矩形波成形用ロール(R)の間に挿
    入し、前記平箔の長手方向(メタルハニカム体としたと
    きのメタルハニカム体の軸方向に直交する方向)に前記
    平箔の全幅に及ぶ矩形波を形成する工程、 (2).前記(1) 工程により製作される矩形波を有する波箔
    を、(2)-1.幅方向(メタルハニカム体としたときのメタ
    ルハニカム体の軸方向)にみて、所望幅(sn )の上下
    一対の略正弦波成形用ロール(Sn )と所望幅(tn )
    の上下一対の前記(1) 工程の矩形波成形用ロールと同じ
    矩形波形(同じ周期長、同じ波高)の歯形を有する矩形
    波成形用ロール(Tn )が、交互に配設された略正弦波
    及び矩形波成形用ロールであって、(2)-2.前記略正弦波
    成形用ロール(Sn )は、前記矩形波形の波高よりも高
    い波高の略正弦波を形成するもので構成された略正弦波
    及び矩形波成形用ロール、の間に挿入し、幅方向にみて
    所望幅(W1 )の略正弦波と所望幅(W2 )の矩形波を
    交互に併有する波箔を形成する工程、とからなることを
    特徴とする略正弦波と矩形波を併有するメタルハニカム
    体用波箔の製造方法。
  2. 【請求項2】 略正弦波の波形と矩形波の波形が、略同
    一展開長を有するものである請求項1に記載のメタルハ
    ニカム体用波箔の製造方法。
  3. 【請求項3】 略正弦波の波形の波高(h11)が0.8
    〜3.5mmであり、矩形波の波高(h12)が前記略正
    弦波の波形の波高(h11)よりも小さく0.4〜2.5
    mmである請求項1に記載のメタルハニカム体用波箔の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 略正弦波及び矩形波成形用ロールが、所
    望の配列順序で略正弦波成形用ロール(Sn )と矩形波
    成形用ロール(Tn )が交互に配設されて構成されたも
    のである請求項1に記載のメタルハニカム体用波箔の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 波箔の幅方向にみて、両端側に略正弦波
    が形成されるように略正弦波成形用ロール(Sn )と矩
    形波成形用ロール(Tn )が交互に配設されたものであ
    る請求項4に記載のメタルハニカム体用波箔の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 波箔の幅方向にみて、一端側に略正弦波
    が形成され、かつ他端側に矩形波が形成されるように略
    正弦波成形用ロール(Sn )と矩形波成形用ロール(T
    n )が交互に配設されたものである請求項4に記載のメ
    タルハニカム体用波箔の製造方法。
  7. 【請求項7】 出発材料の平箔の肉厚が、10μm〜2
    00μmである請求項1に記載のメタルハニカム体用波
    箔の製造方法。
  8. 【請求項8】 排気ガス浄化用触媒を担持するための略
    正弦波形と矩形波を併有するメタルハニカム体用の薄肉
    金属板製の波板状帯材(波箔)の製造方法において、前
    記波箔の製造方法が、 (1).所望幅かつ長尺の薄肉金属板製の平板状帯材(平
    箔)を、(1)-1.幅方向(メタルハニカム体としたときの
    メタルハニカム体の軸方向)にみて、所望幅(sn )の
    上下一対の略正弦波の歯形を有する略正弦波成形用ロー
    ル(Sn )と所望幅(tn )の上下一対の矩形の歯形を
    有する矩形波成形用ロール(Tn )が、交互に配設され
    た略正弦波及び矩形波成形用ロールであって、(1)-2.前
    記略正弦波成形用ロール(Sn )は、前記矩形波形の波
    高よりも高い波高の略正弦波を形成するもので構成され
    た略正弦波及び矩形波成形用ロール、の間に挿入し、幅
    方向にみて所望幅(W1 )の略正弦波と所望幅(W2
    の矩形波を交互に併有する波箔を形成する工程、により
    製造することを特徴とする略正弦波と矩形波を併有する
    メタルハニカム体用箔の製造方法。
  9. 【請求項9】 略正弦波の波形と矩形波の波形が、略同
    一展開長を有するものである請求項8に記載のメタルハ
    ニカム体用波箔の製造方法。
  10. 【請求項10】 略正弦波の波形の波高(h11)が0.
    8〜3.5mmであり、矩形波の波高(h12)が前記略
    正弦波の波形の波高(h11)よりも小さく0.4〜2.
    5mmである請求項8に記載のメタルハニカム体用波箔
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 略正弦波及び矩形波成形用ロールが、
    所望の配列順序で略正弦波成形用ロール(Sn )と矩形
    波成形用ロール(Tn )が交互に配設されて構成された
    ものである請求項8に記載のメタルハニカム体用波箔の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 波箔の幅方向にみて、両端側に略正弦
    波が形成されるように略正弦波成形用ロール(Sn )と
    矩形波成形用ロール(Tn )が交互に配設されたもので
    ある請求項11に記載のメタルハニカム体用波箔の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 波箔の幅方向にみて、一端側に略正弦
    波が形成され、かつ他端側に矩形波が形成されるように
    略正弦波成形用ロール(Sn )と矩形波成形用ロール
    (Tn )が交互に配設されたものである請求項11に記
    載のメタルハニカム体用波箔の製造方法。
  14. 【請求項14】 出発材料の平箔の肉厚が、10μm〜
    200μmである請求項8に記載のメタルハニカム体用
    波箔の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007504956A (ja) * 2003-05-30 2007-03-08 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング 排ガス処理装置用の構造化した金属板の製造方法及び装置
US8661670B2 (en) 2003-05-30 2014-03-04 Emitec Gesellschaft Fuer Emissionstechnologie Mbh Apparatus for producing a structured metal sheet for exhaust gas treatment devices

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