JPH09151729A - メタル担体 - Google Patents

メタル担体

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JPH09151729A
JPH09151729A JP7335680A JP33568095A JPH09151729A JP H09151729 A JPH09151729 A JP H09151729A JP 7335680 A JP7335680 A JP 7335680A JP 33568095 A JP33568095 A JP 33568095A JP H09151729 A JPH09151729 A JP H09151729A
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JP
Japan
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hollow tube
honeycomb structure
metal carrier
metal
diameter
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JP7335680A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Usui
正佳 臼井
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01NGAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
    • F01N2330/00Structure of catalyst support or particle filter
    • F01N2330/30Honeycomb supports characterised by their structural details
    • F01N2330/38Honeycomb supports characterised by their structural details flow channels with means to enhance flow mixing,(e.g. protrusions or projections)

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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の平箔と波箔とからなる排気ガス浄化用
触媒を担持するためのハニカム構造体にかえて、特殊構
造の細径中空チューブから成るハニカム構造体を利用し
た諸特性及び経済的に優れた排気ガス浄化用メタル担体
を提供する。 【解決手段】 排気ガス浄化用触媒を担持するための金
属製のハニカム構造体、及び前記ハニカム構造体を外包
する金属製のケーシング、とからなる排気ガス浄化用の
メタル担体において、前記金属製のハニカム構造体が、
(i).複数本の略同じ長さのかつ略円筒状の中空チューブ
の集合体で構成され、かつ、(ii).前記各中空チューブ
が、(ii)-1.両端部に、他の中空チューブの外周部と当
接する拡径部、及び、(ii)-2.前記両端部以外の部位
に、他の中空チューブの両端部以外の部位の外周部と当
接しない少なくとも1つの縮径部を有するもので構成さ
れたこと、を特徴とするメタル担体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製かつハニカ
ム構造の排気ガス浄化用触媒を担持するためのハニカム
構造体(以下、単にハニカム構造体という。)、及び前
記ハニカム構造体を外包する金属製のケーシング(以
下、単にメタルケーシングという。)とからなる排気ガ
ス浄化用のメタル担体に関する。
【0002】詳しくは、本発明は、メタル担体の主要な
構成要素であるハニカム構造体の新規な構成に関する。
更に詳しくは、本発明は、この種のメタル担体の主要な
構成要素であるハニカム構造体を、従来の平板状帯材
(平箔)と波板状帯材(波箔)を重積して構成したもの
に代えて、特殊な略円筒状の中空チューブの集合体によ
り構成したことを特徴とするものである。
【0003】
【従来の技術】前記したように、本発明の排気ガス浄化
用メタル担体の必須の構成要素であるハニカム構造体の
構造は、略円筒状の中空チューブの集合体により構成し
た特殊なものである。前記した本発明の特殊構造のハニ
カム構造体との関連において、以下、従来技術を説明す
る。
【0004】従来の排気ガス浄化用メタル担体の主要な
構成要素であるハニカム構造体の典型例が、その構成部
材を含めて図24〜図27に示されている。図示される
ように、この種のハニカム構造体(H´)は、耐熱性の
薄肉金属板製の平板状帯材(平箔)(1)と波板状帯材
(波箔)(2)を交互に重積するとともに(図24参
照)、これを巻回成形して製作したハニカム構造体であ
って、排気ガス浄化用触媒(例えばPt,Rh,Pdな
どを使用した触媒系)を担持するための母体となるもの
である。そして、前記ハニカム構造体(H´)は、図2
5〜図27に示されるようにメタルケーシング(C)の
内部に収容され、固着されてメタル担体(MS)とされ
るものである。
【0005】前記したメタル担体(MS)は、当業界に
おいては、メタルサポート(MetalSupport )またはメ
タルサブストレート(Metal Substrate )などといわれ
ており、略記号(MS)が使用されている。この意味
で、図25〜図27も略記号(MS)を使用している。
また、ハニカム構造体は、ハニカム構造(Honeycomb St
ructure )に因んで、略記号(H)が使用されている。
なお、本発明と従来技術を区別するために、従来技術の
ものはダッシュ付き記号(H´)で示されている。更
に、メタルケーシングは、ケーシング(Casing)に因ん
で、略記号(C)が使用されている。
【0006】前記した従来のメタル担体(MS)の主要
な構成要素であるハニカム構造体(H´)としては、種
々の構造のものが提案されている。前記した図24〜図
27に示されるハニカム構造体(H´)は、平箔(1)
と波箔(2)が巻回積層されて構成されていることか
ら、当業界においては巻回タイプと俗称されている。な
お、図24は前記巻回タイプのハニカム構造体(H´)
の構成部材である一組の平箔(1)と波箔(2)の斜視
図を示し、図25は前記した従来の巻回タイプのハニカ
ム構造体(H´)をメタルケーシング(C)内に固定し
て製作したメタル担体(MS)の斜視図を示し、図26
は前記した従来の巻回タイプのハニカム構造体(H´)
を利用したメタル担体(MS)の正面図、及び図27
は、図25に示されるメタル担体(MS)の軸心を通る
断面図を示す。図27中、(F)は排気ガス通過方向を
示す。
【0007】前記した従来の巻回タイプのハニカム構造
体(H´)は、例えば100μm以下(好ましくは50
μm以下)の耐熱性の薄肉鋼板からなる平箔(1)と波
箔(2)とを、交互に当接部を有するように重積し、こ
れを一括渦巻き状に巻回成形して軸方向に排気ガス通路
のための多数の網目状通気孔路(セル)(3)を持つハ
ニカム構造体としたものである。
【0008】このほか、メタル担体(MS)の主要な構
成要素であるハニカム構造体(H´)として、前記した
巻回タイプのもの以外に、平箔(1)と波箔(2)から
ハニカム構造体を製造する方法の相違により、各種の構
造のものが提案されている。
【0009】図示しないが、例えば、平箔と波箔を階層
状に相互に当接、重積した構造の階層タイプのもの、こ
のほか、特開昭62−273050号、特開昭62−2
73051号、特公表3−502660号、特開平4−
227855号などに開示されている放射状タイプ、S
字状タイプ、巴状タイプ、及びX−ラップ(卍状)タイ
プの形状構造としたハニカム構造体(H´)などが知ら
れている。
【0010】また、前記した従来のメタル担体(MS)
のメタルケーシング(C)としては、内部に前記ハニカ
ム構造体(H´)を収容し、固着するための筒状体が使
用されている。前記メタルケーシング(C)の正面(断
面)形状は、図25〜図26に示される円形のものに限
定されず、ハニカム構造体(H´)の正面(断面)形状
に適合した形状のもの、例えば楕円形、長円形、レース
トラック形状、多角形、その他の異形形状のものであっ
てもよいものである。
【0011】そして、前記した従来のメタル担体(M
S)は、排気ガス系統という過酷な熱的環境条件のもと
で使用されるため、ハニカム構造体(H´)を構成する
両箔材(平箔と波箔)の当接部は強固に固着される。こ
れは、メタル担体(MS)の主要な構成要素であるハニ
カム構造体(H´)が、排気ガス自体の高温度及び排気
ガスと排気ガス浄化用触媒との発熱反応により発生する
高温度にさらされ、このような高温雰囲気のもとで大き
な熱応力を発生するためであり、前記熱応力に耐え得る
ように前記当接部はろう接合や溶接などの固着方式によ
り強固に固着される。
【0012】即ち、ハニカム構造体(H´)は、前記し
た過酷な使用条件下における耐久性の確保という観点か
ら、その構成部材である平箔と波箔の当接部は、種々の
方法及び方式により固着される。例えば、ハニカム構造
体(H´)内部の所望部位の平箔と波箔との当接部が、
ろう接合や溶接などの固着手段により固着される(例え
ば、特公昭63−44466号、特開平2−21844
2号参照)。
【0013】一方、ハニカム構造体(H´)とメタルケ
ーシング(C)の当接面部も、両構成要素の前記熱応力
及び振動に基づく離体の防止という観点などから強固に
固着されるものである。なお、ハニカム構造体(H´)
内部には大きな熱応力が発生し、これが両構成要素の当
接面部に集中・集積し両構成要素の離体を誘発するが、
前記した熱応力を吸収・緩和させるために、前記当接面
部の特定部位をろう接合などにより固着するという方式
も提案されている(例えば、実開昭62−19443号
参照)。
【0014】前記したように、従来のメタル担体(M
S)の主要な構成要素であるハニカム構造体(H´)に
おいて、その構成部材である平箔と波箔は、波箔の山部
及び谷部で相互に固着された構造のものである。従っ
て、前記当接部に触媒物質を担持させることができない
ため、両箔材の全表面に対する触媒担持のための有効面
積率は低いものである。より具体的には、この種の平箔
及び波箔として厚さ50μm以下の耐熱性のFe−Cr
20%−Al 5%系鋼箔が使用されているが、前記し
た両箔材(平箔と波箔)の当接部の面積が全表面の10
〜30%にも及ぶため、前記触媒担体のための有効面積
率は低いものである。特に、両箔材相互の強固な固着の
ために、波箔の波形構成として矩形波もしくは台形波を
有するものにおいては、前記有効面積率が極めて低いも
のである。
【0015】これを経済的観点から評価すると、ハニカ
ム構造体(H´)用の両箔材(平箔と波箔)として使用
されている前記Fe−Cr20%−Al 5%系などの
厚さ50μm以下の耐熱鋼箔は、重量ベースの価格が厚
さ1.5mm程度のSUS304の材料の5倍前後と極
めて高価なものであり、前記当接部による触媒担持のた
めの有効面積率の低下は、非経済的なものである。因み
に、メタル担体(MS)全体の原価に対する前記耐熱鋼
箔の材料費の比率は50%にも及ぶものであり、耐熱鋼
箔の排気ガス浄化用触媒を担持するための有効面積率を
増大化すること、あるいは所定の有効面積率のもとで排
気ガス浄化能を向上させて耐熱鋼箔の使用量を低減化す
ること、などが経済性の観点から強く求められている。
【0016】更に、従来のメタル担体(MS)において
検討されなければならない点は、メタル担体(MS)の
製造に適用される固着手段である。前記したように、メ
タル担体(MS)の製造において、ハニカム構造体(H
´)を構成する両箔材(平箔と波箔)の当接部、及びハ
ニカム構造体(H´)とメタルケーシング(C)の当接
面部は耐久性の観点からろう接合(ろう付け)や溶接な
どの固着手段が適用されて固着されるものである。そし
て、前記固着手段としては、一般に生産性や固着強度の
均一性などの観点からろう接合方式が採用されている。
しかしながら、前記ろう接合方式において、使用されて
いるろう材は、メタル担体(MS)の高温雰囲気下での
使用条件ということから、例えばNi系、Ni−Cr系
などの高価な高温用ろう材であり、経済性の観点からそ
の使用量の低減化が強く求められている。また、前記し
たろう材使用量の低減化の点は、前記したように両箔材
(平箔と波箔)の当接部の当接面積が大きなものである
ことから、使用されるろう材が多くなり、このためろう
材成分と両箔材の金属成分との合金化反応や拡散反応に
よる両箔材の耐熱性の低下、更には触媒の死活化などの
問題が誘発され、この面からもろう材使用量の低減化が
強く求められている。
【0017】当業界において、メタル担体(MS)の構
成に関して、種々の改善策が提案されている。この中
で、特に本発明のハニカム構造体の構成に強いて関連す
るものを抽出すれば、ハニカム構造体を前記した平箔と
波箔で構成せずに複数本の薄肉小径管(細管)で構成す
る技術が提案されている(例えば、特開昭63−136
84号、同63−273517号、同63−31515
0号、同63−315151号参照)。しかしながら、
これら提案のものは、小径細管同士をその外周面を相互
に密着させてハニカム構造体とするため、排気ガスの浄
化用触媒を担持するための有効表面積が著しく減ぜられ
るものであり、かつ、内部に発生する熱応力の吸収・緩
和能あるいは高価なろう材の使用量の低減化率の観点か
らみて、まだ改善の余地を残すものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来の高価な箔材(平箔及び波箔)から成るハニカム構造
体を主要な構成要素とするメタル担体(MS)に対する
改善要求に鑑み、創案されたものである。本発明者は、
新しい構造のハニカム構造体について鋭意、検討を加え
た。その結果、本発明者は、複数本の細径中空チューブ
を使用するとともに、前記各中空チューブとして両端部
に周囲に配設される他の中空チューブの両端部に当接す
る拡径部を有し、かつ前記両端部以外の部位に周囲に配
設される他の中空チューブの外周面と当接しない少なく
とも1つの縮径部を有するものを使用してハニカム構造
体を構成した場合、コストメリットが得られるとともに
耐久性(熱応力の吸収・緩和能)などに優れたメタル担
体を製造することができるという知見を得た。
【0019】また、本発明者は、前記構造の中空チュー
ブの採用により、その中間部が周囲の中空チューブの外
周部に当接しないことから触媒担持量を増大させること
ができるため、細管の使用量を減じることができるこ
と、また各細径中空チューブの間に形成される空間スペ
ースをおいて排気ガスが効率よく混合、攪拌、乱流化さ
れるため、排気ガスの浄化能力を向上させることができ
るという知見を得た。
【0020】本発明は、前記知見をベースにして完成さ
れたものである。本発明により、経済的でかつ諸特性に
優れた排気ガス浄化性能のメタル担体が提供される。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、排気ガス浄化用触媒を担持するための金属製の
ハニカム構造体、及び前記ハニカム構造体を外包する金
属製のケーシング、とからなる排気ガス浄化用のメタル
担体において、前記金属製のハニカム構造体が、(i).複
数本の略同じ長さのかつ略円筒状の中空チューブの集合
体で構成され、かつ、(ii).前記各中空チューブが、(i
i)-1.両端部に、他の中空チューブの外周部と当接する
拡径部、及び、(ii)-2.前記両端部以外の部位に、他の
中空チューブの両端部以外の部位の外周部と当接しない
少なくとも1つの縮径部を有するもので構成されたこ
と、を特徴とするメタル担体。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の技術的構成及び実
施態様を図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明
は図示のものに限定されないことはいうまでもないこと
である。
【0023】図1〜図4は、本発明の第一実施態様のメ
タル担体(MS)を説明する図である。図1は、本発明
の第一実施態様のメタル担体(MS)の主要な構成要素
であるハニカム構造体(H)の構成部材である一本の細
径中空チューブ(t)の斜視図である。図2は、前記図
1に示される細径中空チューブ(t)を複数本束ねて構
成したハニカム構造体(H)、及び前記ハニカム構造体
(H)を外包するメタルケーシング(C)、とからなる
本発明のメタル担体(MS)の軸心を通る断面図であ
る。なお、図2は、従来技術に関する図27に対応する
図である。図3は、図2のI−I線断面図である。図4
は、図2のII−II線断面図である。
【0024】本発明のハニカム構造体(H)は、図1に
示される細径中空チューブ(t)を所望本数n(nは所
望の整数)を束ねることにより構成される。前記細径の
中空チューブ(t)は、図1に示されるように、(i).両
端部において所望長(l1 、l2 )が拡径された拡径部
(t1 ,t2)、及び、(ii).前記両端部(拡径部)以外
の部位が縮径された縮径部(t3 )、を有するもので構
成される。また、前記細径の中空チューブ(t)は、図
示されるように、両端部間にまたがって軸方向に平行な
一本の割り溝部(スリット)(a)を有するもので構成
される。
【0025】本発明の第一実施態様のメタル担体(M
S)(図2参照)に適用されるハニカム構造体(H)に
おいて、ハニカム構造体(H)の構成部材である細径中
空チューブ(t)の使用本数、径寸法(拡径部及び縮径
部)(φ1 、φ2 )(図3〜図4参照)、チューブの肉
厚などは、メタル担体やハニカム構造体の全体容積、排
気ガスの浄化設定値(目標設定値)などを勘案して適宜
に決定すればよい。
【0026】例えば、従来の平箔と波箔とで構成される
巻回タイプなどのハニカム構造体(H´)と同程度の排
気ガス浄化能を達成するためには、次の使用本数の設定
値が参考となる。箔厚50μmの箔材を使用し、セル密
度が200cpsi(平方インチ当たりのセル数)のφ6
0.5mm、幅75mmの円筒状の従来の巻回タイプの
ハニカム構造体(H´)と同等の排気ガス浄化能を達成
するには、本発明のハニカム構造体(H)は、同等の担
持表面積を持つことが必要である。この場合、細径中空
チューブ(t)として、単純に同一径のものを使用した
とした場合、即ち内径1.4mm、外径1.5mm、長
さ75mmの中空チューブ(t)を使用すると仮定した
場合、使用本数は720本となる。また、内径1.1m
m、外径1.3mm、長さ75mmの中空チューブ
(t)を使用すると仮定した場合、使用本数は890本
となる。
【0027】前記したように、ハニカム構造体(H)の
浄化能力に関連するが、一般には、細径中空チューブ
(t)の外径寸法は、拡径部(φ1 )は1.0〜4.0
mm、縮径部(φ2 )は0.7〜3.5mmの大きさで
ある。また、細径中空チューブ(t)の肉厚は、20μ
m〜250μmである。
【0028】本発明の細径中空チューブ(t)(図1参
照)は、縮径部(t3 )及び割り溝部(a)を有するた
め、これにより排気ガスは効率よく拡散、攪拌(乱流
化)されるため、各細径中空チューブ(t)の内壁面及
び外壁面に担持された排気ガス浄化用触媒と効率よく接
触反応することができる。このため、前記した単純計算
例よりも少ない本数で優れた排気ガス浄化能を達成する
ことができる。
【0029】本発明の細径中空チューブ(t)の構造か
らして、所望本数の細径中空チューブ(t)が集束され
たとき、拡径部である前端部(t1 )と後端部(t2
の外周面部は、他の細径中空チューブ(t)と当接する
ものである。本発明において、前記当接部位の少なくと
も一部の部位を、ろう接合や溶接などの固着手段により
固着する領域として利用してもよいことはいうまでもな
いことである。
【0030】図3(図2のI−I線断面図)は、各細径
中空チューブ(t)の拡径部(t1)の当接部(b)に
おいて固着されていることを示している。これにより、
ハニカム構造体(H)は耐久性及び耐振性に優れたもの
となる。本発明において、前端部(t1 )及び後端部
(t2 )の幅(各端面から軸方向にみた幅)(l1 ,l
2 )(図1参照)は、固着強度、耐久性の向上、排気ガ
スの攪拌(乱流)化効果などを勘案して適宜に決めれば
よい。
【0031】一方、図4(図2のII−II線断面図)
は、各細径中空チューブ(t)の縮径部(t3 )におい
て、その外周部は他の中空チューブ(t)と非当接状態
にあること、即ち空間スペース(S)を形成しているこ
とを示している。このことは、本発明のハニカム構造体
(H)の構成部材である各細径中空チューブ(t)の縮
径部(t3 )及びスリット(a)は、ハニカム構造体
(H)内部に発生する熱応力を吸収、緩和させるゾーン
として作用すること、かつ排気ガスを効率的に混合、攪
拌、乱流化することができることを意味する。即ち、前
者はハニカム構造体(H)の耐久性の向上に寄与し、後
者は排気ガス浄化能の向上に寄与するものである。
【0032】図5〜図7は、本発明の第二実施態様のメ
タル担体(MS)を説明する図である。図5は、本発明
の第二実施態様のメタル担体(MS)の主要な構成要素
であるハニカム構造体(H)の構成部材である一本の細
径中空チューブ(t)の斜視図である。図6は、前記第
二実施態様のメタル担体(MS)に関する図3に対応す
る図である。図7は、前記第二実施態様のメタル担体
(MS)に関する図4に対応する図である。
【0033】本発明の第二実施態様のメタル担体(M
S)が、前記第一実施態様のメタル担体(MS)と大き
く異なる点は、ハニカム構造体(H)の構成部材である
細径中空チューブ(t)の構造にある。即ち、第二実施
態様のメタル担体(MS)に適用される細径中空チュー
ブ(t)(図5参照)が、前記第一実施態様のメタル担
体(MS)に適用される細径中空チューブ(t)(図1
参照)と大きく異なる点は、第二実施態様のものが割り
溝部(スリット)(a)を持たない点であり、その他の
構成は実質的に同じである。前記割り溝部(スリット)
(a)を持たない構造の細径中空チューブ(t)であっ
ても、ハニカム構造体(H)の部材として有用であり、
これにより耐久性や排気ガス浄化能などに優れたメタル
担体(MS)を製造することができる。
【0034】図8は、本発明の第三実施態様のメタル担
体(MS)に適用されるハニカム構造体(H)の構成部
材、即ち細径中空チューブ(t)の構造を説明する図で
ある。第三実施態様のメタル担体(MS)に適用される
細径中空チューブ(t)(図8参照)において特徴的な
点は、両端部(t1 ,t2 )以外の宿径部(t3 )が単
一の宿径部から構成されるものではなく、所望数の宿径
部(t31………t3n)と拡径部(te )で構成されると
いう点である。本発明において、前記宿径部(t3 )に
おける宿径部(t31………t3n)と拡径部(te )の設
定個数は、適宜に決めればよい。
【0035】本発明のメタル担体(MS)の製造のため
に適用される細径中空チューブ(t)は、所望本数を集
束してハニカム構造体(H)とされるものである。以
下、本発明の細径中空チュ−ブ(t)の利用形態、特
に、所望本数を集束してハニカム体(H)とする態様に
ついて説明する。従って、以下に説明する細径中空チュ
−ブ(t)の利用形態は、本発明の技術思想に実質的に
包含されるものと理解されるべきである。
【0036】前記したように、本発明は、前記細径中空
チュ−ブ(t)は、所望本数が集束されて、メタル担体
(MS)の主要な構成要素であるハニカム構造体(H)
とされるものである。このため、各細径中空チュ−ブ
(t)のハンドリング、集束作業、各細径中空チュ−ブ
(t)の締付け(結束力の付与)などの便宜のために、
各細径中空チュ−ブ(t)の少なくとも一端部には、各
細径中空チュ−ブ(t)をワイヤ材により連結するため
のワイヤ係止部が配設される。以下、各細径中空チュ−
ブ(t)にワイヤ係止部を配設し、かつ、前記ワイヤ係
止部を介して中空チュ−ブ連結用ワイヤにより細径チュ
−ブ(t)の所望本数を集束してハニカム構造体(H)
とする態様について、図面を参照して詳しく説明する。
【0037】図9〜図12は、ハニカム構造体(H)を
製作する上での前記細径中空チュ−ブ(t)の第一利用
形態を説明する図である。図9は、ハニカム構造体
(H)の最小構成単位である一本の細径中空チュ−ブ
(t)の斜視図、図10は所望本数の細径中空チュ−ブ
(t)が連結用ワイヤ(w)により簾状に連結固定され
た連結体(t´)の一部斜視図、図11は図10の連結
体(t´)を一本の細径中空チュ−ブ(t)を起点とし
て巻回して製作したハニカム構造体(H)の一部を省略
した正面図、及び図12は図11のハニカム構造体をメ
タルケーシング(C)内に填製して製作したメタル担体
(MS)の一部を省略した断面図である。本発明の細径
中空チュ−ブ(t)の第一利用形態において、前記細径
中空チュ−ブ(t)は、図9に示されるように、(i).両
端部において所望長(l1 、l2 )が拡径された拡径部
(t1 、t2)、及び前記両端部(拡径部)以外の部位
が縮径された縮径部(t3 )を有するもので構成され、
かつ、(ii).一端部壁部において、中空チューブ連結用
ワイヤ(W)を係止するためのワイヤ係止部(ta)を
対称部位に一対、配設したもので構成される。前記ワイ
ヤ係止部((ta)は、図9のものは切欠部で構成され
ている。
【0038】本発明において、前記細径中空チュ−ブ
(t)の一端部壁部に配設されるワイヤ係止部(ta)
の配設個数は、対称部位に複数対を配列したり、あるい
は三個以上を一端部壁部に適宜に配設したものであって
もよい。また、ワイヤは係止部(ta)の構造は、前記
した切欠構造のものでなく、穴構造などであってもよい
ことはいうまでもないことである。
【0039】前記ハニカム構造体(H)の最小構成単位
である一本の細径中空チューブ(t)は、図10に示さ
れるように所望本数が中空チューブ連結用ワイヤ(W)
により連結されて簾状の連結体(t´)とされる。
【0040】前記連結体(t´)は、図11に示される
ように一本の細径中空チュ−ブ(t)を中心(起点)に
して、前記中空チューブ連結ワイヤ(W)で各中空チュ
ーブ(t)を締めつけながら巻回成形され、所望径のハ
ニカム構造体(H)とされる。所望径のハニカム構造体
(H)が製作されたとき、前記中空連結用ワイヤ(W)
の最終端は、ハニカム構造体(H)の所望部位に固着さ
れる。
【0041】前記態様により製作されたハニカム構造体
(H)は、図12に示されるように定法に従ってメタル
ケーシング(C)内に収容され、メタル担体(MS)と
される。なお、図12において、I−I線断面図は、図
3に示されており、またII−II線断面図は図4に示
されている。
【0042】本発明において、前記中空チューブ連結用
ワイヤ(W)は、各中空チューブ(t)を強固に連結固
定し得るものであれば特段の制約を受けない。例えば、
中空チューブ連結用ワイヤ(W)として、従来の平箔と
波箔とからなるハニカム構造体に使用されている箔材と
同等の特性を有するもの、即ち高温耐酸化性に優れた材
質のものが好ましい。具体的には、Fe−20Cr−5
Al製のワイヤ、またはこれにREM成分を添加したも
のや第一ステナイト系ステンレスなどを使用して製造し
たワイヤが使用される。また、中空チューブ連結用ワイ
ヤ(W)の断面形状は、一般的には円形であるが、任意
の断面形状であってもよい。なお、狭幅かつ偏平状のリ
ボン材を使用した場合、リボン材の端部をハニカム構造
体の所望部位に固着するとき、強固な固着力を得ること
ができるため好ましいものである。前記中空チューブ連
結用ワイヤ(W)の線径は所望のものでよく、例えば断
面円形の線材の場合、一般に線径が0.1〜1.0mm
のものが使用される。
【0043】図13〜図14は、本発明の前記細径チュ
−ブ(t)の利用形態を説明する図である。即ち、図1
3は、第二利用形態に供される細径中空チューブ(t)
の構造を説明する図である。なお、図13は、前記第一
利用形態に関する図9に対応する図である。また、図1
4は前記細径中空チュ−ブ(t)を各中空チューブ
(t)の両端部に配設された中空チューブ連結用ワイヤ
(W,W)により簾状に連結固定した連結体(t´)を
示す。なお、図14は、前記第一利用形態に関する図1
0に対応する図である。
【0044】図示されるように、前記細径中空チュ−ブ
(t)の第二利用形態により製作されるハニカム構造体
(H)が、前記第一利用形態により製作されるハニカム
構造体(H)と大きく異なる点は、両端部にワイヤ係止
部(ta,tb)を有する細径中空チュ−ブ(t)を最
小構成単位とし(図13参照)、かつ前記ワイヤ係止部
(ta,tb)を利用して二本の中空チューブ連結用ワ
イヤ(W,W)で各中空チューブ(t)を連結固定して
いる(図14参照)という点である。従って、ハニカム
構造体(H)は、その両端部において、各中空チューブ
(t)が中空チューブ連結用ワイヤ(W)により相互に
連結固定された構造を有するものである。
【0045】細径中空チュ−ブ(t)の第二利用形態に
より製作されるハニカム構造体(H)は、その両端部に
おいて構成部材である中空チューブ(t)が中空チュー
ブ連結用ワイヤ(W,W)により相互に強固に連結固定
されるため、耐久性がより優れたものとなる。この場
合、ハニカム構造体(H)の両端部がそれぞれ独立して
中空チューブ連結用ワイヤ(W,W)の締付により固定
されるため、ハニカム構造体(H)内部に発生する熱応
力は、各中空チューブ(t)の縮径部(t3 )の変形、
膨脹により吸収、緩和されることになる。従って、この
種のハニカム構造体にみられる中心部の飛出し現象(ハ
ニカム構造体の中心部が熱応力により軸方向に飛出しし
てしまう現象のことで、テレスコーピング、フィルムア
ウトなどともいわれている。)を抑制することができ
る。
【0046】図15は、本発明の細径中空チュ−ブ
(t)の第三利用形態に供される細径中空チュ−ブ
(t)の構造を説明する図である。図示されるように、
第三利用形態に供される細径中空チュ−ブ(t)が前記
第二利用形態に供されたものと大きく異なる点は、両端
部間にまたがる軸方向に平行な一本の割り溝部(スリッ
ト部)(a)を有するもので構成されているという点で
ある。
【0047】この場合、前記一本の割り溝部(スリット
部)(a)により、排気ガスはハニカム構造体(H)内
部において前記スリット部を介して効率よく拡散、攪拌
(乱流化)されるため、排気ガス浄化能が向上する。従
って、中空チューブ(t)の使用本数を低減化すること
ができる。また、前記排気ガスの攪拌(乱流化)と関連
して、ハニカム構造体内部での異常反応によるヒートス
ポットの形成が防止され耐久性に優れたメタル担体(M
S)が得られる。
【0048】図16〜図20は、本発明の細径中空チュ
−ブ(t)の第四利用形態を説明する図である。図16
は、ハニカム構造体(H)の最小構成単位である一本の
細径中空チュ−ブ(t)の斜視図、図17は、所望本数
の細径中空チュ−ブ(t)は中空チューブ連結用ワイヤ
(W)により簾状に連結固定された連結体(t´)の一
部斜視図である。
【0049】図18は、前記図17の連結体(t´)を
一本の細径中空チュ−ブ(t)を起点としてその周囲に
前記中空チューブ連結用ワイヤ(W)により各中空チュ
ーブ(t)を締付けながら巻回して巻回状連結体(t
´)を製作するとともに、詳しくは図19〜図20を参
照して説明するが、前記ワイヤ(W)の延長部分を巻回
状連結体(t´)の一端部側から他端部側へ張説し、他
端部側を同様に連結固定し、更に他端部側から前記一端
部側に張説し、他端部側を同様に連結固定し、更に他端
部側から前記一端部側に張説し、図示される態様によ
り、即ち前記ワイヤ(W)の延長部分を前記一端面部に
おいてクロス状に張説し、巻回状連結体(t´)を固定
して製作したハニカム構造体(H)の一部を省略した正
面図である。なお、図18は、ハニカム構造体(H)の
前端側(排気ガスの流入側)正面図を示している。
【0050】図19は、前記中空チューブ連結用ワイヤ
(W)により巻回状連結体(t´)を固定し、ハニカム
構造体(H)を製造する方法を説明する図である。な
お、中空チューブ連結用ワイヤ(W)の延長部分により
巻回状連結体(t´)固定法の詳細は後述される。
【0051】図20は、前記図18〜図19のハニカム
構造体(H)をメタルケーシング(C)内に填装して製
作したメタル担体(MS)の軸心を通る断面図である。
なお、図20は、従来技術に関連する図27に対応する
図である。また、図20のI−I線断面図は図3に示さ
れ、図20のII−II線断面図は図4に示されてい
る。
【0052】本発明の細径中空チュ−ブ(t)の第四利
用形態において、前記細径中空チュ−ブ(t)は、図1
6に示されるように、(i).両端部において所望長
(l1 、l2 )が拡径された拡径部(t1 、t2)、及
び前記両端部(拡径部)以外の部位が縮径された縮径部
(t3 )を有するもので構成され、かつ、(ii).両端部
壁部において、中空チューブ連結用ワイヤ(W)を係止
するためのワイヤ係止部(ta、tb)を対称部位に二
対配設したもので構成される。より具体的には、前端部
壁部のワイヤ係止部(ta)は、a1 とa2、a3 とa
4 の二対のもので構成される。また、後端部壁部のワイ
ヤ係止部(tb)は、b1 とb2 、b3 とb4 の二対の
もので構成される。前記ワイヤ係止部(ta)は、図1
6のものは切欠部で構成されている。
【0053】本発明において、前記細径中空チュ−ブ
(t)の両端部壁部に配設されるワイヤ係止部(ta、
tb)の配設個数は、対称部位に複数対を配設したり、
あるいは三個以上をそれぞれの端部壁部に適宜に配設し
たものであってもよい。また、ワイヤ係止部(ta、t
b)の構造は、前記した切欠部構造のものでなく、穴構
造などであってもよいことはいうまでもないことであ
る。
【0054】前記ハニカム構造体(H)の最小構成単位
である一本の細径中空チュ−ブ(t)は、図17に示さ
れるように所望本数が中空チューブ連結用ワイヤ(W)
により連結されて簾状の連結体(t´)とされる。
【0055】前記連結体(t´)は、まず図18に示さ
れるように一本の細径中空チュ−ブ(t)を中心(起
点)にして、前記中空チューブ連結ワイヤ(W)で各中
空チューブ(t)を締めつけながら巻回成形し、所望径
のハニカム構造体(H)とされる。次いで、図18の状
態のハニカム構造体(H)は、図19に示されるように
中空チューブ連結用ワイヤ(W)の延長部分を利用して
下記態様により前端部側(一端部側)と後端部側(他端
部側)を固定して最終のハニカム構造体(H)とする。
【0056】前記中空チューブ連結用ワイヤ(W)によ
るハニカム構造体(H)の前端部側及び後端部側の連結
固定法は、以下の態様で行なえばよい。 (1).図17の簾状巻回体(t´)図18のハニカム構造
体(H)が製作されたあと、図19に示されるように中
空チュ−ブ連結用ワイヤ(W)の延長部分をハニカム構
造体(H)の前端部側(図20の上側)から後端部側
(図20の下側)へ張説する。 (2).次に、後端部側の各細径中空チュ−ブ(t)の端部
壁部に配設されたワイヤ−係止部(tb)(図16参
照)を利用して、中空チュ−ブ連結用ワイヤ(W)をハ
ニカム構造体(H)の後端面の中心を通るように張説す
る。なお、本発明において、中空チューブ連結用ワイヤ
(W)は、必ずしも巻回状連結体(t´)の中心部を通
るように張説される必要はない。 (3).次いで前記(2) 工程のあと、中空チュ−ブ連結用ワ
イヤ(W)の延長部分を再びハニカム構造体(H)の前
端部側に張説し、所望の部位で固着する。 (4).前記(1) 〜(3) を1サイクル(1工程)として、少
なくとも1サイクルを行なって中空チューブ連結用ワイ
ヤ(W)によりハニカム構造体(H)の両端部及び両端
部間を連結固定し、最終製品のハニカム構造体(H)を
製作する。なお、第四実施態様において、中空チュ−ブ
連結用ワイヤ(W)は、図18に示されるように前記サ
イクルを多数回繰り返すとともに、クロス状に張説され
ている。
【0057】前記態様により製作されたハニカム構造体
(H)は、図20に示されるように定法に従ってメタル
ケーシング(C)内に収容され、メタル担体(MS)と
される。
【0058】前記細径中空チュ−ブ(t)の第四利用形
態により製作されるハニカム構造体(H)は、両端部に
おいて、その構成部材である細径中空チュ−ブ(t)が
中空チュ−ブ連結用ワイヤ(W)により相互に強固に連
結固定されているため、ハニカム構造体(H)内部に発
生する熱応力及び振動に対して耐久性を有するものであ
る。また、前記構成により、各細径中空チュ−ブ(t)
が相互に当接する外周部のろう接合や溶接などによる固
着が、不要化されたりあるいは低減化さる。
【0059】更に、各中空チュ−ブ連結用ワイヤ(W)
がハニカム構造体(H)の前端部と後端部の中心部を通
るように配設され、かつ前端部側を後端部側の間に張設
して誇張されているため、テレスコ−ピング(フィルム
アウト)を防止することができる。即ち、この種のハニ
カム構造体においては、中心部に大きな熱応力が発生す
るため中心部の部材が外側へ飛び出す現象、いわゆるテ
レスコ−ピング現象を伴い、ハニカム構造体の耐久性を
著しく低下させるが、本発明においては前記テレスコー
ピングが効果的に抑制される。
【0060】図21〜図22は、本発明の前記細径中空
チュ−ブ(t)の第五利用形態を説明する図である。即
ち、図21は、第五利用形態に供される細径中空チュ−
ブ(t)の構造を説明する図である。なお、図21は、
前記第一利用形態に関する図9に対応する図である。ま
た、図22は前記細径中空チュ−ブ(t)を各中空チュ
−ブ(t)の両端部に配設された中空チューブ連結用ワ
イヤ(W,W)により 状に連結固定した連結体(t
´)を示す。なお、図22は、前記第一利用形態に関す
る図10に対応する図である。
【0061】前記細径中空チュ−ブ(t)第五利用形態
により製作されるハニカム構造体(H)が、前記第四利
用形態に供されたものと大きく異なる点は、最小構成単
位である中空チュ−ブ(t)のそれぞれの端部に一本づ
つ、合計二本の中空チュ−ブ連結用ワイヤ(W,W)を
配設し(図21参照)、前記二本の中空チューブ連結用
ワイヤ(W,W)により所望本数の中空チュ−ブ(t)
を連結固定して簾状の連結体とし(図22参照)、前記
簾状連結体(t´)からハニカム構造体(H)(図示せ
ず)を製作するとともに、前記二本の中空チュ−ブ連結
用ワイヤ(W,W)の延長部分で前記態様により固定し
て最終製品のハニカム構造体(H)を製作しているとい
う点である。
【0062】即ち、前記ハニカム体(H)の中空チュ−
ブ連結用ワイヤ(W,W)による連結固定法は、前記第
四利用形態と同様に行なえばよく、ハニカム構造体
(H)の一方の端部側と他方の端部側にそれぞれ配設さ
れた中空チュ−ブ連結用ワイヤ(W,W)により、それ
ぞれ独立して前記第四利用形態で採用した連結固定法を
適用すればよい。
【0063】細径中空チュ−ブ(t)の第五利用形態に
より製作されるハニカム構造体(H)は、その両端部に
おいて構成部材である細径中空チュ−ブ(t)が中空チ
ュ−ブ連結用ワイヤ(W,W)により相互に強固に連結
固定されるため、耐久性がより優れたものとなる。この
場合、ハニカム構造体(H)の両端部がそれぞれ独立し
て中空チューブ連結用ワイヤ(W,W)の締付により固
定され、かつ両端部間において中空チューブ連結用ワイ
ヤが張設、誇設されるため、ハニカム構造体(H)内部
に発生する熱応力は、各中空チューブ(t)の縮径部
(t3 )の変形、膨脹により吸収、緩和されることにな
る。従って、この種のハニカム構造体にみられる中心部
の飛出し現象(ハニカム構造体の中心部が熱応力により
軸方向に飛出ししてしまう現象のことで、テレスコーピ
ング、フィルムアウトなどともいわれている。)を防止
することができる。
【0064】図28は、本発明の前記細径チュ−ブ
(t)の第六利用形態に供される細径中空チュ−ブ
(t)の構造を説明する図である。図示されるように、
第六利用形態に供される細径中空チュ−ブ(t)が、前
記第五利用形態に供されたものと大きく異なる点は、両
端部間にまたがる軸方向に平行な一本の割り溝部(スリ
ット部)(a)を有するもので構成されているという点
である。
【0065】この場合、前記一本の割り溝部(スリット
部)(a)により、排気ガスはハニカム構造体(H)内
部において前記スリット部を介して効率よく拡散、攪拌
(乱流化)されるため、排気ガス浄化能が向上する。従
って、中空チューブ(t)の使用本数を低減化すること
ができる。また、前記排気ガスの攪拌(乱流化)と関連
して、ハニカム構造体内部での異常反応によるヒートス
ポットの形成が防止され耐久性に優れたメタル担体(M
S)が得られる。
【0066】
【発明の効果】本発明の排気ガス浄化用触媒を担持する
ためのハニカム構造体(H)、及び前記ハニカム構造体
(H)を外包するメタルケーシング(C)とから構成さ
れるメタル担体(MS)において、前記ハニカム構造体
(H)は、従来技術の平箔と波箔とから構成されるもの
とは全く異なる新しい構造のものである。即ち、本発明
のメタル担体(MS)の主要な構成要素であるハニカム
構造体(H)は、従来の高価な箔材(平箔及び波箔)を
使用せずに構成されるものであり、細径中空チューブ
(t)であって、その両端部に拡径部、及び中間部に縮
径部を有する細径中空チューブ(t)を所望本数束ねた
もので構成される。
【0067】前記細径中空チューブ(t)を採用したハ
ニカム構造体(H)において、細径中空チューブ(t)
の両端部の少なくとも一方の部位は、各細径中空チュー
ブ(t)の固着ゾーンとして使用することができ、また
縮径部は、排気ガスの拡散、攪拌(乱流化)ゾーン及び
ハニカム構造体(H)内部に発生する熱応力の吸収・緩
和ゾーンとして作用するため、本発明により優れた特性
のメタル担体(MS)が提供される。また、本発明にお
いて、細径中空チューブ(t)の両端部間にまたがる割
り溝部(スリット)を配設した場合、前記排気ガスの拡
散・攪拌化作用及び熱応力の吸収・緩和作用を更に向上
させることができる。更にまた、本発明のメタル担体
(MS)は、従来の高価な箔材(平箔及び波箔)を使用
しないため、コストメリットのある経済的なメタル担体
(MS)である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施態様のメタル担体に適用さ
れる中空チューブ(ハニカム構造体の構成部材)の斜視
図である。
【図2】 本発明の第一実施態様のメタル担体の軸心を
通る断面図である。
【図3】 図2のI−I線断面図である。
【図4】 図2のII−II線断面図である。
【図5】 本発明の第二実施態様のメタル担体に適用さ
れる中空チューブ(ハニカム構造体の構成部材)の斜視
図である。
【図6】 本発明の第二実施態様のメタル担体に関する
前記図3に対応する図である。
【図7】 本発明の第二実施態様のメタル担体に関する
前記図4に対応する図である。
【図8】 本発明の第三実施態様のメタル担体に適用さ
れる中空チューブ(ハニカム構造体の構成部材)の斜視
図である。
【図9】 本発明の中空チューブの第一利用形態に関す
る図であり、中空チューブの斜視図を示す。
【図10】 本発明の中空チューブの第一利用形態に関
する図であり、中空チューブの簾状の連結体の一部斜視
図を示す。
【図11】 本発明の中空チューブの第一利用形態に関
する図であり、中空チューブより製作したハニカム構造
体の正面図を示す。
【図12】 本発明の中空チューブの第一利用形態に関
する図であり、中空チューブより製作したハニカム構造
体とメタルケーシングとからなるメタル担体の断面図で
ある。
【図13】 本発明の中空チューブの第二利用形態に関
する図であり、中空チューブの斜視図を示す。
【図14】 本発明の中空チューブの第二利用形態に関
する図であり、中空チューブの簾状の連結体の一部正面
図を示す。
【図15】 本発明の中空チューブの第三利用形態に関
する図であり、中空チューブの斜視図を示す。
【図16】 本発明の中空チューブの第四利用形態に関
する図であり、中空チューブの斜視図を示す。
【図17】 本発明の中空チューブの第四利用形態に関
する図であり、中空チューブの簾状の連結体の一部斜視
図を示す。
【図18】 本発明の中空チューブの第四利用形態に関
する図であり、中空チューブより製作したハニカム構造
体の正面図を示す。
【図19】 本発明の中空チューブの第四利用形態に関
する図であり、中空チューブより製作したハニカム構造
体の中空連結用ワイヤによる連結固定法を説明する図で
ある。
【図20】 本発明の中空チューブの第四利用形態に関
する図であり、中空チューブより製作したハニカム構造
体とメタルケーシングとからなるメタル担体の断面図を
示す。
【図21】 本発明の中空チューブの第五利用形態に関
する図であり、中空チューブの斜視図を示す。
【図22】 本発明の中空チューブの第五利用形態に関
する図であり、中空チューブの簾状の連結体の一部正面
図を示す。
【図23】 本発明の中空チューブの第六利用形態に関
する図であり、中空チューブの斜視図を示す。
【図24】 従来のハニカム構造体用構成部材(平箔と
波箔)の斜視図である。
【図25】 従来の巻回タイプのハニカム構造体とメタ
ルケーシングとからなるメタル担体の斜視図である。
【図26】 従来の巻回タイプのハニカム構造体とメタ
ルケーシングとからなるメタル担体の正面図である。
【図27】 従来の巻回タイプのハニカム構造体とメタ
ルケーシングとからなるメタル担体の軸心を通る断面図
である。
【符号の説明】
MS ……… メタル担体 H ……… 本発明のハニカム構造体 C ……… メタルケーシング t ……… 中空チューブ t1 ,t2 ……… (中空チューブ)の拡径部 t3 ……… (中空チューブ)縮径部 a ……… 割り溝部(スリット部) b ……… 中空チューブ相互の当接部 S ……… 空間スペース部 W ……… 中空チューブの連結用ワイヤ ta,tb ……… (中空チューブの)ワイヤ係止部 H´ ……… 従来のハニカム構造体 1 ……… 従来のハニカム構造体(H´)の構成部材
(平箔) 2 ……… 従来のハニカム構造体(H´)の構成部材
(波箔) 3 ……… セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B01J 35/04 301 B01J 35/04 301C B01D 53/36 ZABC

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガス浄化用触媒を担持するための金
    属製のハニカム構造体、及び前記ハニカム構造体を外包
    する金属製のケーシング、とからなる排気ガス浄化用の
    メタル担体において、前記金属製のハニカム構造体が、 (i).複数本の略同じ長さのかつ略円筒状の中空チューブ
    の集合体で構成され、かつ、 (ii).前記各中空チューブが、 (ii)-1.両端部に、他の中空チューブの外周部と当接す
    る拡径部、及び、 (ii)-2.前記両端部以外の部位に、他の中空チューブの
    両端部以外の部位の外周部と当接しない少なくとも1つ
    の縮径部を有するもので構成されたこと、を特徴とする
    メタル担体。
  2. 【請求項2】 各中空チューブが、両端部間にまたがる
    軸方向に平行な一本の割り溝部を有するオープンチュー
    ブで構成されたものである請求項1に記載のメタル担
    体。
  3. 【請求項3】 各中空チューブが、両端部間にまたがる
    軸方向に平行な割り溝部を有さない非オープンチューブ
    で構成されたものである請求項1に記載のメタル担体。
  4. 【請求項4】 各中空チューブの両端部以外の部位が、
    縮径部のみで構成されたものである請求項1に記載のメ
    タル担体。
  5. 【請求項5】 各中空チューブの両端部以外の部位が、
    縮径部と他の中空チューブの外周部と当接する拡径部で
    構成されたものである請求項1に記載のメタル担体。
  6. 【請求項6】 縮径部と拡径部が、所望の数の組合わせ
    により構成されたものである請求項5に記載のメタル担
    体。
  7. 【請求項7】 各中空チューブの厚さが、20〜250
    μmである請求項1に記載のメタル担体。
  8. 【請求項8】 各中空チューブが、少なくとも一方の端
    部において、各中空チューブの外周部において固着され
    たものである請求項1に記載のメタル担体。
  9. 【請求項9】 各中空チューブの外周部での固着が、ろ
    う接合または溶接によるものである請求項8に記載のメ
    タル担体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005139929A (ja) * 2003-11-04 2005-06-02 Cataler Corp 排気ガス浄化装置
JP2009297674A (ja) * 2008-06-16 2009-12-24 Nakagawa Sangyo Kk 排ガス浄化触媒用メタル担体

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