JP3693706B2 - 排気ガス浄化用メタル担体 - Google Patents

排気ガス浄化用メタル担体 Download PDF

Info

Publication number
JP3693706B2
JP3693706B2 JP16448995A JP16448995A JP3693706B2 JP 3693706 B2 JP3693706 B2 JP 3693706B2 JP 16448995 A JP16448995 A JP 16448995A JP 16448995 A JP16448995 A JP 16448995A JP 3693706 B2 JP3693706 B2 JP 3693706B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
honeycomb body
metal honeycomb
carrier
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16448995A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0880443A (ja
Inventor
正佳 臼井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Usui Co Ltd
Original Assignee
Usui Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Usui Co Ltd filed Critical Usui Co Ltd
Priority to JP16448995A priority Critical patent/JP3693706B2/ja
Publication of JPH0880443A publication Critical patent/JPH0880443A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3693706B2 publication Critical patent/JP3693706B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、一般に自動車の排気ガスの浄化手段として排気系統の途中に介装されて使用される排気ガス浄化用触媒を担持するためのメタル担体に関する。
【0002】
特に、本発明は前記メタル担体の主要な構成要素である薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材とから成るハニカム構造の排気ガス浄化用触媒を担持するためのハニカム体において、その構成及び金属製ケーシング内での固着方式を新規なものにすることにより、耐久性に優れるとともに経済性に優れた排気ガス浄化用メタル担体を提供しようとするものである。
【0003】
【従来の技術】
この種の排気ガス浄化用触媒(例えばPt ,Rh ,Pd などを使用した触媒系)を担持するための金属製の担体(以下、メタル担体という。)は、従来のコーディエライト(cordierite)などセラミックス系の担体と比較して、優れた特性を有しているため自動車等に搭載され実用化段階に入っている。
なお、前記メタル担体は、当業界において、メタルサポート(Metal Support) またはメタルサブストレート(Metal Substrate) といわれており、略記号(MS)が使用されている。本発明においても、前記略記号(MS)が使用される。
【0004】
前記したメタル担体(MS)は、
(1).単位体積当たりの触媒の担持量を多くすること(単位体積当りの排気ガスと浄化用触媒との有効接触面積を極力大きくすること)、背圧(排気抵抗)を小さくすること、更にはメタル担体の自重を可能な限り軽量化すること、などを考慮し、耐熱性でかつ薄肉金属製の所定幅の平板状帯材と波板状帯材を相互に当接するように重積したハニカム構造のハニカム体(以下、本発明においてメタルハニカム体という。)、及び、
(2).前記メタルハニカム体を収納し、保持・固定するための金属製ケーシング(以下、本発明においてメタルケーシングという。)、
から構成されるものである。
なお、前記メタルハニカム体は、ハニカム構造(Honeycomb Structure) に因んで略記号(H)が使用され、またメタルケーシングはケーシング(Casing)に因んで略記号(C)が使用される。
【0005】
前記したメタル担体(MS)の主要な構成要素であるメタルハニカム体(H)は、例えば、100μm 以下(好ましくは50μm 以下)の耐熱性の薄肉鋼板からなる平板状帯材と、前記薄肉鋼板を波形状に成形した波板状帯材とを、相互に当接部を有するように重積し、これを一括渦巻き状に巻回して軸方向に排気ガス通路のための多数の網目状通気孔路(セル)を持つハニカム構造のハニカム体とされる。
【0006】
当業界において前記メタルハニカム体(H)として、前記した巻回タイプのもの以外に、平板状帯材と波板状帯材からメタルハニカム体(H)を製作する方法の相違により、各種のものが知られている。例えば、両帯材を階層状に積層した階層タイプのもの、このほか、特開昭62−273050号、特開昭62−273051号、特開平1−218637号、特公表3−502660号、特開平4−227855号などにより、放射状タイプ、S字状タイプ、巴状タイプ、X−ラップ(卍)タイプなどのメタルハニカム体が知られている。
【0007】
従来の典型的なメタル担体は、図13に示されている。即ち、従来のメタル担体(MS´ :Metal Substrate )は、その主要な構成要素である1個のメタルハニカム体(H´ )をメタルケーシング(C)内に配設した構造のものである。
なお、従来のメタル担体(MS´ )とメタルハニカム体(H´ )を本発明のものと区別するために、それぞれ略記号に(ダッシュ)が付される。
そして、メタル担体(MS´ )は排気ガス系統という厳しい熱的環境の条件下で使用されるため、メタルハニカム体(H´ )とメタルケーシング(C)は強固に固着される。これは、メタルハニカム体(H´ )とメタルケーシング(C)が高温の排気ガス自体からの伝達熱及び排気ガスと浄化用触媒との発熱反応により高温加熱され、このような高温雰囲気下のもとで各要素に大きな熱応力が印加されるためであり、即ち、熱応力に耐えるようにするためであり、更には自動車走行時の振動などに耐え得るようにするためであり、一般にろう接合などにより強固に固着される。
一方、メタルハニカム体(H´ )を構成する平板状帯材と波板状帯材の当接部も種々の方法及び方式により固着(例えばハニカム体内部の一部のかつ所定部位の当接部の固着)される。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、前記した従来のメタルハニカム体(H´ )とメタルケーシング(C´ )とから構成されるメタル担体(MS´ )は、長期の使用の耐えるものではない。特に、メタルハニカム体(H´ )の軸方向(即ち、排気ガスの流れ方向)において、前記した高い温度雰囲気下において発生する熱応力により、その最外周面とメタルケーシング(C)の内周面との剥離が生起し、耐久性を大きく損ねる。
【0009】
これは、単純にメタルハニカム体(H´ )とメタルケーシング(C)を強固に固着すればよいという考え方に修正をせまるものである。
本発明者らは、前記した欠点を解消すべく鋭意検討した。
【0010】
その結果、従来のメタルケーシング内に長尺の一個のメタルハニカム体を配設する方式に代えて、三個のメタルハニカム体を連接させるとともに、各メタルハニカム体の構成部材(平板状帯材と波板状帯材)の当接部や各メタルハニカム体の外周面とメタルケーシングの内周面との当接部の固着方式を改良することにより、耐久性はもとより、従来に比較して高価なアモルファスろう材箔などの高温ろう材の使用量を低減できることから経済性に優れたメタル担体を製造することが出来るという知見を得た。
本発明は、前記知見をベースにして完成されたものであり、本発明により経済性に優れるとともに耐久性や排気ガス浄化能などに優れたメタル担体が提供される。
【0011】
【問題点を解決するための手段】
本発明を概説すれば、本発明は、薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材とからなるハニカム構造の排気ガス浄化用触媒を担持するための三個のメタルハニカム体(H1 ,H2 ,H3 )をメタルケーシング(C)内に排気ガス流方向に沿って連接した構造の排気ガス浄化用メタル担体(MS)において、
(i).前記三個のメタルハニカム体の前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )が、該メタルハニカム体の構成部材である平板状帯材と波板状帯材との当接部の少なくとも一部、及び該メタルハニカム体の外周面とメタルケーシング(C)の内周面との当接部の少なくとも一部、が固着されて構成されたものであり、かつ、
(ii).前記三個のメタルハニカム体の中間部位のメタルハニカム体(H2 )が、該メタルハニカム体の構成部材である平板状帯材と波板状帯材との当接部、及び該メタルハニカム体の外周面とメタルケーシング(C)の内周面との当接部、が固着されないで構成されたものである、
ことを特徴とする排気ガス浄化用メタル担体(MS)に関するものである。
【0012】
以下、本発明の技術的構成及び実施態様を図面を参照して詳しく説明する。
なお、本発明は図示のものに限定されないことはいうまでもないことである。
【0013】
図1〜図4は、本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)を説明する図である。
図1は、本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)の軸方向の断面図である。なお、図1は従来技術を示す図13に対応するものである。
図示されるように、本発明のメタル担体(MS)は、排気ガス系統を構成するメタルケーシング(C)内において、排気ガス流方向(F)に沿って三個のメタルハニカム体(H1 ,H2 ,H3 )が配設されて構成されるものである。
【0014】
本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)の第一の特徴点は、前記したようにメタルケーシング(C)内に三個のメタルハニカム体(H1 ,H2 ,H3 )を排気ガス流方向(F)に沿って連接するという点にある。
前記三個のメタルハニカム体(H1 ,H2 ,H3 )は、この種の用途において前記したように種々の構造のものが知られているが、これら構造の1種類を、あるいは所望に組合わせて使用することが出来る。
例えば、三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )の全部を、図2に示される巻回タイプの構造のもの(H1 )で構成してもよい。
また、本発明において、後述する図4(a)(b)に示されるように、各メタルハニカム体のセル(網目状通気孔路)の大きさを適宜、変化させたものであってもよい。なお、図4(a)(b)には、中間部位のメタルハニカム体(H2 )のセル形状を変化させたものが示されている。
【0015】
本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)の第二の特徴点は、連接された三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )の固着方式の点にある。
即ち、本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)において、各メタルハニカム体(H1 〜H3 )の固着は、以下の態様で行なわれる。
(i).三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )のうち前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )は、図3に示されるように、その構成部材である平板状帯材(1)と波板状帯材(2)との当接部の少なくとも一部がろう接合される。なお、図3は全ての当接部がろう接合された態様を示している。また、本発明において、図示しないがメタルハニカム体(H1 ,H3 )の外周面とメタルケーシング(C)の内周面との当接部の少なくとも一部がろう接合される。
(ii).更に、三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )のうち中間部位のメタルハニカム体(H2 )は、図4に示されるようにその構成部材である平板状帯材(1)と波板状帯材(2)との当接部、及び該メタルハニカム体(H2 )とメタルケーシング(C)との当接部がろう接合などによって固着されずに、単に前部メタルハニカム体(H1 )と後部メタルハニカム体(H3 )の間に配設されるだけである。
【0016】
前記三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )の配設及び固着方式により、中間部位のメタルハニカム体(H2 )は、その内部に大きな熱応力が発生しても、その前後部位の固着されたメタルハニカム体(H1 ,H3 )の間で自由に変形可能であるため、その耐久性が改善される。
また、中間部位のメタルハニカム体(H2 )において、その構成部材(平板状帯材と波板状帯材)の当接部が従来のように固着されないため(非固着状態であるため)、各当接部の近傍部位まで排気ガス浄化用触媒を担持させることができ、浄化能を向上させることが出来る。これはメタル担体(MS)の小型化(コンパクト化)に通じるものである。
いうまでもないことであるが、前記当接部の固着方式としてろう接合法を採用して固着する場合、当接部にフィレット(f)が形成されることから触媒担持のための有効面積が減少することになる。
本発明においては、中間部位のメタルハニカム体(H2 )にろう接合法が適用されないため、前記触媒担持のための有効面積を増大させることができる。
【0017】
更に、前記したろう接合法においては、アモルファスろう材箔などの高価なNi系高温ろう材が使用されているが、本発明方式においては前後部のメタルハニカム体(H1 ,H3 )のみがろう接合されるため、ろう材の使用量を大幅に節減することができ、かつ、ろう材の金属成分と帯材の金属成分との合金化反応にもとづく帯材の耐熱性の低下が防止される。
【0018】
更にまた、本発明において、後述するように前後部のメタルハニカム体(H1 ,H3 )の幅(W1 ,W3 )を小さく設定したものを使用する場合、これら前後部のメタルハニカム体(H1 ,H3 )のみを多量に真空炉内でろう接合できることから、ろう接合の高い生産性が確保されるため経済性に優れたメタル担体(MS)を製造することが出来る。
前記した真空炉を使用したろう接合方式は、限られた空間スペースの真空炉内へメタルハニカム体を収容し、かつ所定の真空条件や加熱条件の設定や冷却などの前後処理を含めて10数時間にも及ぶ作業時間が強いられることから、高い生産性が要求されている。
なお、前記した前後部のメタルハニカム体(H1 、H3 )のみを多量に真空炉内でろう接合する態様の場合、メタルケーシング(C)内に前記ろう接合済みのメタルハニカム体(H1 ,H3 )と非接合タイプのメタルハニカム体(H2 )を組込み、例えばメタルケーシング(C)の外部から溶接やカシメなどによりメタルケーシング(C)と前後部のメタルハニカム体(H ,H との当接部を固着するという製造方法が採用される。
この点、従来のろう接合によりメタル担体を製造する方式においては、メタルケーシング(C)内に全幅の大きい1つまたはそれ以上のメタルハニカム体を組込んだものを真空炉内に配置し、ろう接合しているためろう接合の生産性が極めて低いものである。
【0019】
本発明の前記第一実施態様のメタル担体(MS)においては、以下に示すごとく種々の変形例が可能である。
(1).図1に示される各メタルハニカム体(H1 〜H3 )の幅(W1 〜W3 )は、所望に設定すればよい。
なお、前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )において、構成部材の帯材(1〜2)の当接部の全てがろう接合などによって固着されるものであっても、これらの幅(W1 ,W3 )を中間部位のメタルハニカム体(H2 )の幅より大幅に小さくすることにより、熱応力を小さくし耐久性を改善するようにしてもよい。
【0020】
(2).図1に示される各メタルハニカム体(H1 〜H3 )の間の間隔(d)は、所望に設定すればよい。各メタルハニカム体(H1 〜H3 )の幅(W1 〜W3 )にもよるが、相互に密着させてもよいし、軸方向の変形量(スコーピング量)を考慮し所望の間隔としてもよいことはいうまでもないことである。
【0021】
(3).図3と図4(b)に示されるように、前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )のセル(3)の大きさと、中間部位のメタルハニカム体(H2 )のセル(3)の大きさを変化させてもよい。例えば、中間部位のメタルハニカム体(H2 )のセル(3)の大きさを他のメタルハニカム体(H1 ,H3 )のものより小さくし、触媒担持量を増大させ、この部位で大部分の触媒反応(排気ガス浄化反応)を終了させるようにしてもよい。
より具体的には、波板状帯材(2)のピッチ幅を変化させたり、頂部(山/谷)の曲率半径(R)を小さくしたりすればよい。なお、図3には大きな曲率半径(R)のものが、また図4(b)には小さな曲率半径(R1 )のものが示されている。
【0022】
(4).本発明において、前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )に適用される固着手段は、前記したろう接合手段に限定されない。図示しないが、レーザビーム溶接、電子ビーム溶接、電気溶接など各種の溶接手段を単独または複合して採用してもよい。
【0023】
(5).本発明において、前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )に適用される固着方式は種々の態様が可能である。
より具体的にはメタルハニカム体の構成部材(平板状帯材と波板状帯材)の当接部の固着において、全ての当接部を固着してもよいし、または熱応力の吸収、緩和を考慮して一部の当接部のみを固着してもよい。例えば、各メタルハニカム体の一端面部位及びその近傍部位のみを固着し、他端面部位を非固着状態にしてもよい。
【0024】
(6).メタルハニカム体(H1 、H3 )とメタルケーシング(C)との当接面部の固着も、前記したろう接合だけでなく、溶接や機械的カシメなどにより固着されたものであってもよい。また、当接面部の全部を固着してもよいし、熱応力の吸収、緩和を考慮してその一部のみを固着してもよい。
【0025】
本発明において、前記メタルハニカム体(H1 〜H3 )を製作するために使用される平板状帯材(1)としては、通常のメタルモノリスタイプのメタルハニカム体を製作するときに使用されている帯材、例えばクロム鋼(クロム13%〜25%)、Fe −Cr 20%−Al 5%などの耐熱性ステンレス鋼、あるいはこれに耐高温酸化性を改善するために希土類金属(REM)を加えた耐熱性のステンレス鋼など、厚さが40μm 〜100μm 程度の帯材が使用される。また、波板状帯材(2)としては、前記平板状帯材(1)から所定の略正弦波もしくは略台形波を有するように波付加工したものが使用される。なお、平板状帯材(1)と波板状帯材(2)は互いに異なった板厚でもよく、また異なった材質のものであってもよい。
特に、平板状帯材(1)と波板状帯材(2)にAl を含有させたものやあるいはその表面にAl 層を設けたものを熱処理して、その表面にウィスカー状もしくはマッシュルーム状のアルミナ(Al 2 3 )層を析出させたものが好ましい。前記ウィスカー状などのアルミナ層は、Pt ,Pd ,Rh などの排気ガス浄化用触媒を担持するためのウォッシュコート層を強固に保持することができるので好ましいものである。
【0026】
本発明において前記メタルハニカム体(H1 〜H3 )は、メタルケーシング(C)内に填装され、固着されるものである。
前記したメタルケーシング(C)は、メタルハニカム体(H1 〜H3 )を内部に収容し固着するものであり、両端が開口し、メタルハニカム体(H1 〜H3 )の断面形状と同じ形状のものであれば、何らの制約を受けるものではない。
即ち、メタルハニカム体(H1 〜H3 )の正面(断面)形状に合致させた形状のもの、例えば、円形のみならず、レーストラック形状、楕円形、多角形、その他の異形形状のものであってもよい。
前記したメタルケーシング(C)の材料として、メタルハニカム体(H1 〜H3 )を構成する帯材(1、2)と同種の耐熱鋼を使用してもよい。あるいは、耐熱耐食性に富む二重構造としたもの、具体的には内側部分にフェライト系ステンレス鋼を、外側部分にオーステナイト系ステンレス鋼を使用した二重構造のメタルケーシングを使用してもよい。
【0027】
図5は、本発明の第二実施態様のメタル担体(MS)を説明する図であり、軸方向の断面図である。
本発明の第二実施態様のメタル担体(MS)が、前記図1の第一実施態様のメタル担体(MS)と大きく異なる点は、メタルケーシング(C)の形状(コーン状の排気ガス入口部と出口部を有する)が異なることと、メタルハニカム体(H1 〜H3 )の構造が相違しているだけであり、その他は実質的に同じである。
即ち、第二実施態様のメタル担体(MS)において、前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )は前記第一実施態様と同様の巻回タイプ(図2)のもので構成されるとともに、中間部位のメタルハニカム体(H2 )は後述するS字状タイプ(図10)のもので構成される。
【0028】
本発明の第二実施態様のメタル担体(MS)において、中間部位のメタルハニカム体(H2 )構造には、種々の変形例が可能である。即ち、中間部位のメタルハニカム体(H2 )として、当業界において排気ガス浄化用触媒を担持するメタルハニカム体として知られているものを適宜、組合わせて使用すればよい。
この種のメタルハニカム体(H2 )としては、前記したS字状タイプ(図10)のほかに、積層(階層)タイプ(図8)、放射タイプ(図9)、巴状タイプ(図11)、及びX−ラップタイプ(図12)などのものが知られている。
【0029】
前記した各種構造のメタルハニカム体との関連において、前記した第一〜第二実施態様のメタル担体(MS)は、種々の変形例が可能である。即ち、前記第一〜第二実施態様において、使用される三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )は、前記した各種構造のメタルハニカム体を適宜、組合わせて構成してもよいことはいうまでもないことである。
【0030】
前記した三つのメタルハニカム体(H1 〜H3 )を構成する各種構造のメタルハニカム体において、例えば前部のメタルハニカム体(H1 )を構成する図10〜図11に示されるS字状タイプまたは巴状タイプのメタルハニカム体(H1 )は、以下のようにして製造されるものである。
即ち、前記S字状タイプまたは巴状タイプのメタルハニカム体(H1 )は、薄肉金属板製の平板状帯材(1)と波板状帯材(2)を交互に所望段数に積層して形成したスタック(stack) の所望数を使用し、前記各スタックの略中央部表面に巻回用治具を配設するとともに、該巻回用治具を中心に同一方向に巻回成形し、各スタックの各平板状帯材(1)と波板状帯材(2)の両端部を外包するメタルケーシングの内壁面に当接させた構造のものである。
なお、前記した製造方法において、一個のスタックを使用したときは図10に示されるように中心部位において構成部材がS字状に湾曲したS字状タイプのものが、また三個のスタックを使用したときは図11に示されるように中心部位において三つのスタックが三つ巴状になった巴状タイプのメタルハニカム体(H1 )が得られる。
【0031】
また、X−ラップタイプのメタルハニカム体(H1 )は、薄肉金属板製の平板状帯材(1)と波板状帯材(2)を交互に所望段数に積層して形成しスタック (stack)を四つ(X1 〜X4 )使用し、前記各スタックを一端の当接端部で相互に当接させるとともに、該当接端部を中心に同一方向に巻回成形し、各スタックの各平板状帯材(1)と波板状帯材(2)が外包するメタルケーシングの内壁面に当接させた構造のものである。前記した製造方法において、図12に示されるように中心部位において四つのスタックがX−ラップ状(卍状)になっているもの、即ちX−ラップタイプと俗称されているメタルハニカム体(H1 )が得られる。
【0032】
図6〜図7は、本発明の第三実施態様のメタル担体(MS)を説明する図である。
図6は、本発明の第三実施態様のメタル担体(MS)の軸方向の断面図である。図7は、第三実施態様のメタル担体(MS)を構成する三つの部材を示すものである。なお、各部材は図6と同様、軸方向の断面図である。
【0033】
前記第三実施態様のメタル担体(MS)は、図7に示される三つの部材、即ち三つのメタル担体部材(MS1 、MS2 、MS3 )を使用するとともに、各部材のメタルケース部の当接端部を溶接して構成されるものである。なお、図には、溶接部が、(e1 、e2 )で示されている。
前記三つのメタル担体部材(MS1 〜MS3 )は、三つのケーシング部材(C1 〜C3 )と三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )を使用して次の態様により構成される。
(1).第一部材(MS1 )は、メタルケーシング部材(C1 )内部に前部部位のメタルハニカム体(H1 )を固着したもので構成される。なお、メタルハニカム体(H1 )の構成部材(平板状帯材と波板状帯材)の当接部、及びメタルハニカム帯(H1 )とメタルケーシング(C1 )の当接部はろう接合により固着される。
(2).第二部材(MS2 )は、メタルケーシング部材(C2 )内部に中間部位のメタルハニカム体(H2 )を配設したもので構成される。
(3).第三部材(MS3 )は、前記第一部材(MS1 )と同様にメタルケーシング部材(C3 )内部に後部部位のメタルハニカム体(H3 )を固着したもので構成される。
【0034】
前記したように第一メタル担体部材(MS1 )と第三メタル担体部材(MS3 )は、予めケーシング部材(C1 ,C3 )内に前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )を配設し、かつメタルハニカム体の構成部材の当接部及びメタルハニカム体とケーシング部材の当接部をろう接合により固着されて構成されるものである。
前記当接部のろう接合は、第一実施態様で説明した真空炉を用いて同時に行なうことができるため、その生産性は従来法に比較して格段に高いものである。これは、図示されるように、第一メタル担体部材(MS1 )と第三メタル担体部材(MS3 )が狭幅のもので構成されることから、多量の第一メタル担体部材と第三メタル担体部材を限られた空間スペースの真空炉内で処理できるからである。
【0035】
本発明の前記第三実施態様のメタル担体(MS)において、種々の変形例が可能である。
例えば、第一部材(MS1 )と第三部材(MS3 )に適用されるろう接合手段にかえて、種々の固着手段が適用できることはいうまでもないことである。また、固着領域も所望領域において行なえばよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明の排気ガス浄化用のメタル担体は、三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )をメタルケーシング内に所望の間隔をおいて、あるいは密接させて配設するとともに、各メタルハニカム体に対して特殊な固着方式を適用することにより構成されるものである。このため、下記に示す種々の優れた作用効果が得られる。
【0037】
(i).三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )のうち中間部位のメタルハニカム体(H2 )は、厳しい熱的条件下で熱応力を発生し大きく変形しようとするが、それ自身がメタルケーシング内で非固着状態に維持されていること、かつろう接合などにより固着された前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )の中間に配設されていることから、中間部位のメタルハニカム体(H2 )は自由に変形することが出来る。従って、従来の固着タイプのものよりも耐久性を改善することが出来る。
【0038】
(ii).中間部位のメタルハニカム体(H2 )において、その構成部材(平板状帯材と波板状帯材)の当接部が従来のように固着されていないため(非固着状態であるため)、各当接部の近傍部位まで排気ガス浄化用触媒を担持させることが出来る。別言すれば、従来のものよりも触媒担持のための構成部材の有効表面積を大きくすることができる。これにより、排気ガスの浄化能の向上はもとよりメタル担体の小型化(コンパクト化)が可能となる。
なお、従来の各当接部を固着する方式のものにあっては、各当接部にフィレット部が形成されることから、触媒担持のための有効面積が減少することになる。
【0039】
(iii).固着手段として、例えばろう接合方式を採用する場合、アモルファスろう材箔などの高価なNi系高温ろう材が使用されるが、本発明のメタル担体においてはこのようなろう材の使用量を大幅に低減化することが出来る。このため、ろう材成分と帯材母材との合金化反応に基づく帯材の耐熱性の低下、強度低下などが防止される。また、高価なろう材を使用しないこと、あるいは溶接などによる固着作業において、固着領域が少ないために経済的なメタル担体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施態様のメタル担体の一部を省略した軸方向断面図である。
【図2】 本発明の第一実施態様のメタル担体に適用される巻回タイプのメタルハニカム体の正面図である。
【図3】 本発明の第一実施態様のメタル担体に適用される前後部位のメタルハニカム体の一部拡大正面図である。
【図4】 本発明の第一実施態様のメタル担体に適用される中間部位のメタルハニカム体の一部拡大正面図である。
【図5】 本発明の第二実施態様のメタル担体の一部を省略した軸方向断面図である。
【図6】 本発明の第三実施態様のメタル担体の一部を省略した軸方向断面図である。
【図7】 本発明の第三実施態様のメタル担体を構成する三つのメタル担体部材(MS1 〜MS3 )の一部を省略した軸方向断面図である。
【図8】 本発明のメタル担体に適用される第二変形例のメタルハニカム体(積層タイプ)の正面図である。
【図9】 本発明のメタル担体に適用される第三変形例のメタルハニカム体(放射タイプ)の正面図である。
【図10】 本発明のメタル担体に適用される第四変形例のメタルハニカム体(S字状タイプ)の正面図である。
【図11】 本発明のメタル担体に適用される第五変形例のメタルハニカム体(巴状タイプ)の正面図である
【図12】 本発明のメタル担体に適用される第六変形例のメタルハニカム体(X−ラップタイプ)の正面図である。
【図13】 従来のメタル担体の一部を省略した軸方向断面図である。
【符号の説明】
MS ………… 本発明のメタル担体
MS1 ,MS2 ,MS3 ………… メタル担体部材
1 ,H2 ,H3 ……… 本発明のメタル担体を構成するメタルハニカム体
C ………… メタルケーシング
1 ,C2 ,C3 ……… メタルケーシング部材
1 ………… 平板状帯材
2 ………… 波板状帯材
3 ………… 網目状通気孔路(セル)
1 ,W2 ,W3 ……… 各メタルハニカム体の幅
d ………… 各メタルハニカム体の間の間隔
1 ,e2 ………… 溶接部
MS´ ………… 従来のメタル担体
H´ ………… 従来のメタル担体を構成するメタルハニカム体

Claims (2)

  1. 薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材とからなるハニカム構造の排気ガス浄化用触媒を担持するための三個のメタルハニカム体(H1 ,H2 ,H3 )をメタルケーシング(C)内に排気ガス流方向に沿って連接して配設した構造の排気ガス浄化用メタル担体(MS)において、
    (i).前記メタルケーシング(C)内に配設された前記三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )のうち、前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )が、該メタルハニカム体の構成部材である平板状帯材と波板状帯材との当接部の少なくとも一部、及び該メタルハニカム体の外周面とメタルケーシング(C)の内周面との当接部の少なくとも一部、が固着されて構成されたものであり、かつ、
    (ii).前記メタルケーシング(C)内に配設された前記三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )のうち、中間部位のメタルハニカム体(H2 )が、該メタルハニカム体の構成部材である平板状帯材と波板状帯材との当接部、及び該メタルハニカム体の外周面とメタルケーシング(C)の内周面との当接部が、固着されないで構成されたものである、
    ことを特徴とする排気ガス浄化用メタル担体。
  2. 排気ガス浄化用メタル担体(MS)が、メタルケーシング(C)が三つの部材(C1 〜C3 )に分割されるとともに、
    (i).予め第一のメタルケーシング部材(C1 )内に前部部位のメタルハニカム体(H1 )が配設された第一メタル担体部材(MS1 )、
    (ii).予め第二のメタルケーシング部材(C2 )内に中間部位のメタルハニカム体(H2 )が配設された第二メタル担体部材(MS2 )、及び、
    (iii).予め第三のメタルケーシング部材(C3 )内に後部部位のメタルハニカム体(H3 )が配設された第三メタル担体部材(MS3 )、
    を使用して構成されたものである請求項1に記載の排気ガス浄化用メタル担体。
JP16448995A 1994-07-11 1995-06-08 排気ガス浄化用メタル担体 Expired - Fee Related JP3693706B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16448995A JP3693706B2 (ja) 1994-07-11 1995-06-08 排気ガス浄化用メタル担体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18049594 1994-07-11
JP6-180495 1994-07-11
JP16448995A JP3693706B2 (ja) 1994-07-11 1995-06-08 排気ガス浄化用メタル担体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0880443A JPH0880443A (ja) 1996-03-26
JP3693706B2 true JP3693706B2 (ja) 2005-09-07

Family

ID=26489566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16448995A Expired - Fee Related JP3693706B2 (ja) 1994-07-11 1995-06-08 排気ガス浄化用メタル担体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3693706B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0880443A (ja) 1996-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5620666A (en) Exhaust gas cleaning metallic substrate
JPH02293043A (ja) 排気ガス浄化装置
JP2862298B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JPH06205984A (ja) X−ラップタイプのメタルハニカム体
JP3693706B2 (ja) 排気ガス浄化用メタル担体
JPH08131847A (ja) メタル担体の製造方法
JPH08131843A (ja) メタル担体
JPH08112668A (ja) メタルハニカム体の製造方法
JP3262624B2 (ja) メタル担体
JPH07303843A (ja) メタル担体
JPH05200304A (ja) 排気ガス浄化装置
JPH07171413A (ja) メタル担体
JPH07171418A (ja) メタル担体
JPH07308587A (ja) メタル担体
JPH08131844A (ja) メタル担体の製造方法
JPH06346726A (ja) メタル担体
JPH03178338A (ja) 触媒コンバータ用ハニカム体の製造方法
JPH07171411A (ja) メタル担体
JPH07303841A (ja) メタル担体
JPH06205988A (ja) 排気ガス浄化装置
JPH07171420A (ja) メタル担体
JPH08112536A (ja) メタル担体
JPH06106075A (ja) 排気ガス浄化用ハニカム体
JPH0780326A (ja) メタルハニカム体
JPH07308585A (ja) メタル担体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050622

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees