JPH0880443A - 排気ガス浄化用メタル担体 - Google Patents
排気ガス浄化用メタル担体Info
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Abstract
なるメタル担体において、三個のメタルハニカム体を連
接させるとともに前記メタルハニカム体に対して特殊な
固着方式を適用し、性能が優れるとともに経済性に優れ
たメタル担体を提供する。 【構成】 メタルケーシング内に三個のメタルハニカム
体(H1 〜H3 )を連設してなるメタル担体において、
(i).前記三個のメタルハニカム体の前後部位のメタルハ
ニカム体(H1 ,H3 )が、該メタルハニカム体の構成
部材である平板状帯材と波板状帯材との当接部の少なく
とも一部、及び該メタルハニカム体の外周面とメタルケ
ーシング(C)の内周面との当接部の少なくとも一部、
が固着されて構成されたものであり、かつ、(ii).前記
三個のメタルハニカム体の中間部位のメタルハニカム体
(H2 )が、該メタルハニカム体の構成部材である平板
状帯材と波板状帯材との当接部、及び該メタルハニカム
体の外周面とメタルケーシング(C)の内周面との当接
部、が固着されないで構成されたものである、ことを特
徴とする排気ガス浄化用メタル担体。
Description
スの浄化手段として排気系統の途中に介装されて使用さ
れる排気ガス浄化用触媒を担持するためのメタル担体に
関する。
成要素である薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材と
から成るハニカム構造の排気ガス浄化用触媒を担持する
ためのハニカム体において、その構成及び金属製ケーシ
ング内での固着方式を新規なものにすることにより、耐
久性に優れるとともに経済性に優れた排気ガス浄化用メ
タル担体を提供しようとするものである。
t ,Rh ,Pd などを使用した触媒系)を担持するため
の金属製の担体(以下、メタル担体という。)は、従来
のコーディエライト(cordierite)などセラミックス系の
担体と比較して、優れた特性を有しているため自動車等
に搭載され実用化段階に入っている。なお、前記メタル
担体は、当業界において、メタルサポート(Metal Suppo
rt)またはメタルサブストレート(Metal Substrate) と
いわれており、略記号(MS)が使用されている。本発
明においても、前記略記号(MS)が使用される。
体積当たりの触媒の担持量を多くすること(単位体積当
りの排気ガスと浄化用触媒との有効接触面積を極力大き
くすること)、背圧(排気抵抗)を小さくすること、更
にはメタル担体の自重を可能な限り軽量化すること、な
どを考慮し、耐熱性でかつ薄肉金属製の所定幅の平板状
帯材と波板状帯材を相互に当接するように重積したハニ
カム構造のハニカム体(以下、本発明においてメタルハ
ニカム体という。)、及び、(2).前記メタルハニカム体
を収納し、保持・固定するための金属製ケーシング(以
下、本発明においてメタルケーシングという。)、から
構成されるものである。なお、前記メタルハニカム体
は、ハニカム構造(Honeycomb Structure) に因んで略記
号(H)が使用され、またメタルケーシングはケーシン
グ(Casing)に因んで略記号(C)が使用される。
要素であるメタルハニカム体(H)は、例えば、100
μm 以下(好ましくは50μm 以下)の耐熱性の薄肉鋼
板からなる平板状帯材と、前記薄肉鋼板を波形状に成形
した波板状帯材とを、相互に当接部を有するように重積
し、これを一括渦巻き状に巻回して軸方向に排気ガス通
路のための多数の網目状通気孔路(セル)を持つハニカ
ム構造のハニカム体とされる。
(H)として、前記した巻回タイプのもの以外に、平板
状帯材と波板状帯材からメタルハニカム体(H)を製作
する方法の相違により、各種のものが知られている。例
えば、両帯材を階層状に積層した階層タイプのもの、こ
のほか、特開昭62−273050号、特開昭62−2
73051号、特開平1−218637号、特公表3−
502660号、特開平4−227855号などによ
り、放射状タイプ、S字状タイプ、巴状タイプ、X−ラ
ップ(卍)タイプなどのメタルハニカム体が知られてい
る。
されている。即ち、従来のメタル担体(MS' :Metal
Substrate )は、その主要な構成要素である1個のメタ
ルハニカム体(H' )をメタルケーシング(C)内に配
設した構造のものである。なお、従来のメタル担体(M
S' )とメタルハニカム体(H' )を本発明のものと区
別するために、それぞれ略記号に(ダッシュ)が付され
る。そして、メタル担体(MS' )は排気ガス系統とい
う厳しい熱的環境の条件下で使用されるため、メタルハ
ニカム体(H' )とメタルケーシング(C)は強固に固
着される。これは、メタルハニカム体(H' )とメタル
ケーシング(C)が高温の排気ガス自体からの伝達熱及
び排気ガスと浄化用触媒との発熱反応により高温加熱さ
れ、このような高温雰囲気下のもとで各要素に大きな熱
応力が印加されるためであり、即ち、熱応力に耐えるよ
うにするためであり、更には自動車走行時の振動などに
耐え得るようにするためであり、一般にろう接合などに
より強固に固着される。一方、メタルハニカム体(H'
)を構成する平板状帯材と波板状帯材の当接部も種々
の方法及び方式により固着(例えばハニカム体内部の一
部のかつ所定部位の当接部の固着)される。
した従来のメタルハニカム体(H' )とメタルケーシン
グ(C' )とから構成されるメタル担体(MS' )は、
長期の使用の耐えるものではない。特に、メタルハニカ
ム体(H' )の軸方向(即ち、排気ガスの流れ方向)に
おいて、前記した高い温度雰囲気下において発生する熱
応力により、その最外周面とメタルケーシング(C)の
内周面との剥離が生起し、耐久性を大きく損ねる。
とメタルケーシング(C)を強固に固着すればよいとい
う考え方に修正をせまるものである。本発明者らは、前
記した欠点を解消すべく鋭意検討した。
尺の一個のメタルハニカム体を配設する方式に代えて、
三個のメタルハニカム体を連接させるとともに、各メタ
ルハニカム体の構成部材(平板状帯材と波板状帯材)の
当接部や各メタルハニカム体の外周面とメタルケーシン
グの内周面との当接部の固着方式を改良することによ
り、耐久性はもとより、従来に比較して高価なアモルフ
ァスろう材箔などの高温ろう材の使用量を低減できるこ
とから経済性に優れたメタル担体を製造することが出来
るという知見を得た。本発明は、前記知見をベースにし
て完成されたものであり、本発明により経済性に優れる
とともに耐久性や排気ガス浄化能などに優れたメタル担
体が提供される。
本発明は、薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材とか
らなるハニカム構造の排気ガス浄化用触媒を担持するた
めの三個のメタルハニカム体(H1 ,H2 ,H3 )をメ
タルケーシング(C)内に排気ガス流方向に沿って連接
した構造の排気ガス浄化用メタル担体(MS)におい
て、(i).前記三個のメタルハニカム体の前後部位のメタ
ルハニカム体(H1 ,H3 )が、該メタルハニカム体の
構成部材である平板状帯材と波板状帯材との当接部の少
なくとも一部、及び該メタルハニカム体の外周面とメタ
ルケーシング(C)の内周面との当接部の少なくとも一
部、が固着されて構成されたものであり、かつ、(ii).
前記三個のメタルハニカム体の中間部位のメタルハニカ
ム体(H2 )が、該メタルハニカム体の構成部材である
平板状帯材と波板状帯材との当接部、及び該メタルハニ
カム体の外周面とメタルケーシング(C)の内周面との
当接部、が固着されないで構成されたものである、こと
を特徴とする排気ガス浄化用メタル担体(MS)に関す
るものである。
図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は図示の
ものに限定されないことはいうまでもないことである。
タル担体(MS)を説明する図である。図1は、本発明
の第一実施態様のメタル担体(MS)の軸方向の断面図
である。なお、図1は従来技術を示す図13に対応する
ものである。図示されるように、本発明のメタル担体
(MS)は、排気ガス系統を構成するメタルケーシング
(C)内において、排気ガス流方向(F)に沿って三個
のメタルハニカム体(H1 ,H2 ,H3 )が配設されて
構成されるものである。
S)の第一の特徴点は、前記したようにメタルケーシン
グ(C)内に三個のメタルハニカム体(H1 ,H2 ,H
3 )を排気ガス流方向(F)に沿って連接するという点
にある。前記三個のメタルハニカム体(H1 ,H2 ,H
3 )は、この種の用途において前記したように種々の構
造のものが知られているが、これら構造の1種類を、あ
るいは所望に組合わせて使用することが出来る。例え
ば、三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )の全部を、
図2に示される巻回タイプの構造のもの(H1 )で構成
してもよい。また、本発明において、後述する図4(a)
(b)に示されるように、各メタルハニカム体のセル(網
目状通気孔路)の大きさを適宜、変化させたものであっ
てもよい。なお、図4(a)(b)には、中間部位のメタルハ
ニカム体(H2 )のセル形状を変化させたものが示され
ている。
S)の第二の特徴点は、連接された三個のメタルハニカ
ム体(H1 〜H3 )の固着方式の点にある。即ち、本発
明の第一実施態様のメタル担体(MS)において、各メ
タルハニカム体(H1 〜H3 )の固着は、以下の態様で
行なわれる。 (i).三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )のうち前後
部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )は、図3に示さ
れるように、その構成部材である平板状帯材(1)と波
板状帯材(2)との当接部の少なくとも一部がろう接合
される。なお、図3は全ての当接部がろう接合された態
様を示している。また、本発明において、図示しないが
メタルハニカム体(H1 ,H3 )の外周面とメタルケー
シング(C)の内周面との当接部の少なくとも一部がろ
う接合される。 (ii).更に、三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )の
うち中間部位のメタルハニカム体(H2 )は、図4に示
されるようにその構成部材である平板状帯材(1)と波
板状帯材(2)との当接部、及び該メタルハニカム体
(H2 )とメタルケーシング(C)との当接部がろう接
合などによって固着されずに、単に前部メタルハニカム
体(H1 )と後部メタルハニカム体(H3 )の間に配設
されるだけである。
H3 )の配設及び固着方式により、中間部位のメタルハ
ニカム体(H2 )は、その内部に大きな熱応力が発生し
ても、その前後部位の固着されたメタルハニカム体(H
1 ,H3 )の間で自由に変形可能であるため、その耐久
性が改善される。また、中間部位のメタルハニカム体
(H2 )において、その構成部材(平板状帯材と波板状
帯材)の当接部が従来のように固着されないため(非固
着状態であるため)、各当接部の近傍部位まで排気ガス
浄化用触媒を担持させることができ、浄化能を向上させ
ることが出来る。これはメタル担体(MS)の小型化
(コンパクト化)に通じるものである。いうまでもない
ことであるが、前記当接部の固着方式としてろう接合法
を採用して固着する場合、当接部にフィレット(f)が
形成されることから触媒担持のための有効面積が減少す
ることになる。本発明においては、中間部位のメタルハ
ニカム体(H2 )にろう接合法が適用されないため、前
記触媒担持のための有効面積を増大させることができ
る。
モルファスろう材箔などの高価なNi系高温ろう材が使
用されているが、本発明方式においては前後部のメタル
ハニカム体(H1 ,H3 )のみがろう接合されるため、
ろう材の使用量を大幅に節減することができ、かつ、ろ
う材の金属成分と帯材の金属成分との合金化反応にもと
づく帯材の耐熱性の低下が防止される。
に前後部のメタルハニカム体(H1,H3 )の幅
(W1 ,W3 )を小さく設定したものを使用する場合、
これら前後部のメタルハニカム体(H1 ,H3 )のみを
多量に真空炉内でろう接合できることから、ろう接合の
高い生産性が確保されるため経済性に優れたメタル担体
(MS)を製造することが出来る。前記した真空炉を使
用したろう接合方式は、限られた空間スペースの真空炉
内へメタルハニカム体を収容し、かつ所定の真空条件や
加熱条件の設定や冷却などの前後処理を含めて10数時
間にも及ぶ作業時間が強いられることから、高い生産性
が要求されている。なお、前記した前後部のメタルハニ
カム体(H1 、H3 )のみを多量に真空炉内でろう接合
する態様の場合、メタルケーシング(C)内に前記ろう
接合済みのメタルハニカム体(H1 ,H3 )と非接合タ
イプのメタルハニカム体(H2 )を組込み、例えばメタ
ルケーシング(C)の外部から溶接やカシメなどにより
メタルケーシング(C)と前後部のメタルハニカム体
(H1 〜H3 )との当接部を固着するという製造方法が
採用される。この点、従来のろう接合によりメタル担体
を製造する方式においては、メタルケーシング(C)内
に全幅の大きい1つまたはそれ以上のメタルハニカム体
を組込んだものを真空炉内に配置し、ろう接合している
ためろう接合の生産性が極めて低いものである。
(MS)においては、以下に示すごとく種々の変形例が
可能である。 (1).図1に示される各メタルハニカム体(H1 〜H3 )
の幅(W1 〜W3 )は、所望に設定すればよい。なお、
前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )において、
構成部材の帯材(1〜2)の当接部の全てがろう接合な
どによって固着されるものであっても、これらの幅(W
1 ,W3 )を中間部位のメタルハニカム体(H2 )の幅
より大幅に小さくすることにより、熱応力を小さくし耐
久性を改善するようにしてもよい。
(H1 〜H3 )の間の間隔(d)は、所望に設定すれば
よい。各メタルハニカム体(H1 〜H3 )の幅(W1 〜
W3)にもよるが、相互に密着させてもよいし、軸方向
の変形量(スコーピング量)を考慮し所望の間隔として
もよいことはいうまでもないことである。
前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )のセル
(3)の大きさと、中間部位のメタルハニカム体
(H2 )のセル(3)の大きさを変化させてもよい。例
えば、中間部位のメタルハニカム体(H2 )のセル
(3)の大きさを他のメタルハニカム体(H1 ,H3 )
のものより小さくし、触媒担持量を増大させ、この部位
で大部分の触媒反応(排気ガス浄化反応)を終了させる
ようにしてもよい。より具体的には、波板状帯材(2)
のピッチ幅を変化させたり、頂部(山/谷)の曲率半径
(R)を小さくしたりすればよい。なお、図3には大き
な曲率半径(R)のものが、また図4(b)には小さな
曲率半径(R1 )のものが示されている。
ニカム体(H1 ,H3 )に適用される固着手段は、前記
したろう接合手段に限定されない。図示しないが、レー
ザビーム溶接、電子ビーム溶接、電気溶接など各種の溶
接手段を単独または複合して採用してもよい。
ニカム体(H1 ,H3 )に適用される固着方式は種々の
態様が可能である。より具体的にはメタルハニカム体の
構成部材(平板状帯材と波板状帯材)の当接部の固着に
おいて、全ての当接部を固着してもよいし、または熱応
力の吸収、緩和を考慮して一部の当接部のみを固着して
もよい。例えば、各メタルハニカム体の一端面部位及び
その近傍部位のみを固着し、他端面部位を非固着状態に
してもよい。
タルケーシング(C)との当接面部の固着も、前記した
ろう接合だけでなく、溶接や機械的カシメなどにより固
着されたものであってもよい。また、当接面部の全部を
固着してもよいし、熱応力の吸収、緩和を考慮してその
一部のみを固着してもよい。
(H1 〜H3 )を製作するために使用される平板状帯材
(1)としては、通常のメタルモノリスタイプのメタル
ハニカム体を製作するときに使用されている帯材、例え
ばクロム鋼(クロム13%〜25%)、Fe −Cr 20
%−Al 5%などの耐熱性ステンレス鋼、あるいはこれ
に耐高温酸化性を改善するために希土類金属(REM)
を加えた耐熱性のステンレス鋼など、厚さが40μm 〜
100μm 程度の帯材が使用される。また、波板状帯材
(2)としては、前記平板状帯材(1)から所定の略正
弦波もしくは略台形波を有するように波付加工したもの
が使用される。なお、平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)は互いに異なった板厚でもよく、また異なった材
質のものであってもよい。特に、平板状帯材(1)と波
板状帯材(2)にAl を含有させたものやあるいはその
表面にAl 層を設けたものを熱処理して、その表面にウ
ィスカー状もしくはマッシュルーム状のアルミナ(Al
2 O3 )層を析出させたものが好ましい。前記ウィスカ
ー状などのアルミナ層は、Pt ,Pd ,Rh などの排気
ガス浄化用触媒を担持するためのウォッシュコート層を
強固に保持することができるので好ましいものである。
1 〜H3 )は、メタルケーシング(C)内に填装され、
固着されるものである。前記したメタルケーシング
(C)は、メタルハニカム体(H1 〜H3 )を内部に収
容し固着するものであり、両端が開口し、メタルハニカ
ム体(H1 〜H3 )の断面形状と同じ形状のものであれ
ば、何らの制約を受けるものではない。即ち、メタルハ
ニカム体(H1 〜H3 )の正面(断面)形状に合致させ
た形状のもの、例えば、円形のみならず、レーストラッ
ク形状、楕円形、多角形、その他の異形形状のものであ
ってもよい。前記したメタルケーシング(C)の材料と
して、メタルハニカム体(H1 〜H3 )を構成する帯材
(1、2)と同種の耐熱鋼を使用してもよい。あるい
は、耐熱耐食性に富む二重構造としたもの、具体的には
内側部分にフェライト系ステンレス鋼を、外側部分にオ
ーステナイト系ステンレス鋼を使用した二重構造のメタ
ルケーシングを使用してもよい。
体(MS)を説明する図であり、軸方向の断面図であ
る。本発明の第二実施態様のメタル担体(MS)が、前
記図1の第一実施態様のメタル担体(MS)と大きく異
なる点は、メタルケーシング(C)の形状(コーン状の
排気ガス入口部と出口部を有する)が異なることと、メ
タルハニカム体(H1 〜H3 )の構造が相違しているだ
けであり、その他は実質的に同じである。即ち、第二実
施態様のメタル担体(MS)において、前後部位のメタ
ルハニカム体(H1 ,H3 )は前記第一実施態様と同様
の巻回タイプ(図2)のもので構成されるとともに、中
間部位のメタルハニカム体(H2 )は後述するS字状タ
イプ(図10)のもので構成される。
S)において、中間部位のメタルハニカム体(H2 )構
造には、種々の変形例が可能である。即ち、中間部位の
メタルハニカム体(H2 )として、当業界において排気
ガス浄化用触媒を担持するメタルハニカム体として知ら
れているものを適宜、組合わせて使用すればよい。この
種のメタルハニカム体(H2 )としては、前記したS字
状タイプ(図10)のほかに、積層(階層)タイプ(図
8)、放射タイプ(図9)、巴状タイプ(図11)、及
びX−ラップタイプ(図12)などのものが知られてい
る。
関連において、前記した第一〜第二実施態様のメタル担
体(MS)は、種々の変形例が可能である。即ち、前記
第一〜第二実施態様において、使用される三個のメタル
ハニカム体(H1 〜H3 )は、前記した各種構造のメタ
ルハニカム体を適宜、組合わせて構成してもよいことは
いうまでもないことである。
H3 )を構成する各種構造のメタルハニカム体におい
て、例えば前部のメタルハニカム体(H1 )を構成する
図10〜図11に示されるS字状タイプまたは巴状タイ
プのメタルハニカム体(H1 )は、以下のようにして製
造されるものである。即ち、前記S字状タイプまたは巴
状タイプのメタルハニカム体(H1 )は、薄肉金属板製
の平板状帯材(1)と波板状帯材(2)を交互に所望段
数に積層して形成したスタック(stack) の所望数を使用
し、前記各スタックの略中央部表面に巻回用治具を配設
するとともに、該巻回用治具を中心に同一方向に巻回成
形し、各スタックの各平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)の両端部を外包するメタルケーシングの内壁面に
当接させた構造のものである。なお、前記した製造方法
において、一個のスタックを使用したときは図10に示
されるように中心部位において構成部材がS字状に湾曲
したS字状タイプのものが、また三個のスタックを使用
したときは図11に示されるように中心部位において三
つのスタックが三つ巴状になった巴状タイプのメタルハ
ニカム体(H1)が得られる。
体(H1 )は、薄肉金属板製の平板状帯材(1)と波板
状帯材(2)を交互に所望段数に積層して形成しスタッ
ク (stack)を四つ(X1 〜X4 )使用し、前記各スタッ
クを一端の当接端部で相互に当接させるとともに、該当
接端部を中心に同一方向に巻回成形し、各スタックの各
平板状帯材(1)と波板状帯材(2)が外包するメタル
ケーシングの内壁面に当接させた構造のものである。前
記した製造方法において、図12に示されるように中心
部位において四つのスタックがX−ラップ状(卍状)に
なっているもの、即ちX−ラップタイプと俗称されてい
るメタルハニカム体(H1 )が得られる。
タル担体(MS)を説明する図である。図6は、本発明
の第三実施態様のメタル担体(MS)の軸方向の断面図
である。図7は、第三実施態様のメタル担体(MS)を
構成する三つの部材を示すものである。なお、各部材は
図6と同様、軸方向の断面図である。
は、図7に示される三つの部材、即ち三つのメタル担体
部材(MS1 、MS2 、MS3 )を使用するとともに、
各部材のメタルケース部の当接端部を溶接して構成され
るものである。なお、図7には、溶接部が、(e1 、e
2 )で示されている。前記三つのメタル担体部材(MS
1 〜MS3 )は、三つのケーシング部材(C1 〜C3 )
と三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )を使用して次
の態様により構成される。 (1).第一部材(MS1 )は、メタルケーシング部材(C
1 )内部に前部部位のメタルハニカム体(H1 )を固着
したもので構成される。なお、メタルハニカム体
(H1 )の構成部材(平板状帯材と波板状帯材)の当接
部、及びメタルハニカム帯(H1 )とメタルケーシング
(C1 )の当接部はろう接合により固着される。 (2).第二部材(MS2 )は、メタルケーシング部材(C
2 )内部に中間部位のメタルハニカム体(H2 )を配設
したもので構成される。 (3).第三部材(MS3 )は、前記第一部材(MS1 )と
同様にメタルケーシング部材(C3 )内部に後部部位の
メタルハニカム体(H3 )を固着したもので構成され
る。
1 )と第三メタル担体部材(MS3)は、予めケーシン
グ部材(C1 ,C3 )内に前後部位のメタルハニカム体
(H1 ,H3 )を配設し、かつメタルハニカム体の構成
部材の当接部及びメタルハニカム体とケーシング部材の
当接部をろう接合により固着されて構成されるものであ
る。前記当接部のろう接合は、第一実施態様で説明した
真空炉を用いて同時に行なうことができるため、その生
産性は従来法に比較して格段に高いものである。これ
は、図示されるように、第一メタル担体部材(MS1 )
と第三メタル担体部材(MS3 )が狭幅のもので構成さ
れることから、多量の第一メタル担体部材と第三メタル
担体部材を限られた空間スペースの真空炉内で処理でき
るからである。
(MS)において、種々の変形例が可能である。例え
ば、第一部材(MS1 )と第三部材(MS3 )に適用さ
れるろう接合手段にかえて、種々の固着手段が適用でき
ることはいうまでもないことである。また、固着領域も
所望領域において行なえばよい。
は、三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )をメタルケ
ーシング内に所望の間隔をおいて、あるいは密接させて
配設するとともに、各メタルハニカム体に対して特殊な
固着方式を適用することにより構成されるものである。
このため、下記に示す種々の優れた作用効果が得られ
る。
H3 )のうち中間部位のメタルハニカム体(H2 )は、
厳しい熱的条件下で熱応力を発生し大きく変形しようと
するが、それ自身がメタルケーシング内で非固着状態に
維持されていること、かつろう接合などにより固着され
た前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H3 )の中間に
配設されていることから、中間部位のメタルハニカム体
(H2 )は自由に変形することが出来る。従って、従来
の固着タイプのものよりも耐久性を改善することが出来
る。
(H2 )において、その構成部材(平板状帯材と波板状
帯材)の当接部が従来のように固着されていないため
(非固着状態であるため)、各当接部の近傍部位まで排
気ガス浄化用触媒を担持させることが出来る。別言すれ
ば、従来のものよりも触媒担持のための構成部材の有効
表面積を大きくすることができる。これにより、排気ガ
スの浄化能の向上はもとよりメタル担体の小型化(コン
パクト化)が可能となる。なお、従来の各当接部を固着
する方式のものにあっては、各当接部にフィレット部が
形成されることから、触媒担持のための有効面積が減少
することになる。
式を採用する場合、アモルファスろう材箔などの高価な
Ni系高温ろう材が使用されるが、本発明のメタル担体
においてはこのようなろう材の使用量を大幅に低減化す
ることが出来る。このため、ろう材成分と帯材母材との
合金化反応に基づく帯材の耐熱性の低下、強度低下など
が防止される。また、高価なろう材を使用しないこと、
あるいは溶接などによる固着作業において、固着領域が
少ないために経済的なメタル担体が得られる。
省略した軸方向断面図である。
れる巻回タイプのメタルハニカム体の正面図である。
れる前後部位のメタルハニカム体の一部拡大正面図であ
る。
れる中間部位のメタルハニカム体の一部拡大正面図であ
る。
省略した軸方向断面図である。
省略した軸方向断面図である。
る三つのメタル担体部材(MS1 〜MS3 )の一部を省
略した軸方向断面図である。
のメタルハニカム体(積層タイプ)の正面図である。
のメタルハニカム体(放射タイプ)の正面図である。
例のメタルハニカム体(S字状タイプ)の正面図であ
る。
例のメタルハニカム体(巴状タイプ)の正面図である
例のメタルハニカム体(X−ラップタイプ)の正面図で
ある。
断面図である。
るメタルハニカム体 C ………… メタルケーシング C1 ,C2 ,C3 ……… メタルケーシング部材 1 ………… 平板状帯材 2 ………… 波板状帯材 3 ………… 網目状通気孔路(セル) W1 ,W2 ,W3 ……… 各メタルハニカム体の幅 d ………… 各メタルハニカム体の間の間隔 e1 ,e2 ………… 溶接部 MS' ………… 従来のメタル担体 H' ………… 従来のメタル担体を構成するメタルハ
ニカム体
Claims (8)
- 【請求項1】 薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材
とからなるハニカム構造の排気ガス浄化用触媒を担持す
るための三個のメタルハニカム体(H1 ,H2 ,H3 )
をメタルケーシング(C)内に排気ガス流方向に沿って
連接して配設した構造の排気ガス浄化用メタル担体(M
S)において、 (i).前記メタルケーシング(C)内に配設された前記三
個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )のうち、前後部位
のメタルハニカム体(H1 ,H3 )が、該メタルハニカ
ム体の構成部材である平板状帯材と波板状帯材との当接
部の少なくとも一部、及び該メタルハニカム体の外周面
とメタルケーシング(C)の内周面との当接部の少なく
とも一部、が固着されて構成されたものであり、かつ、 (ii).前記メタルケーシング(C)内に配設された前記
三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )のうち、中間部
位のメタルハニカム体(H2 )が、該メタルハニカム体
の構成部材である平板状帯材と波板状帯材との当接部、
及び該メタルハニカム体の外周面とメタルケーシング
(C)の内周面との当接部が、固着されないで構成され
たものである、ことを特徴とする排気ガス浄化用メタル
担体。 - 【請求項2】 排気ガス浄化用メタル担体(MS)が、
メタルケーシング(C)が三つの部材(C1 〜C3 )に
分割されるとともに、 (i).予め第一のメタルケーシング部材(C1 )内に前部
部位のメタルハニカム体(H1 )が配設された第一メタ
ル担体部材(MS1 )、 (ii).予め第二のメタルケーシング部材(C2 )内に中
間部位のメタルハニカム体(H2 )が配設された第二メ
タル担体部材(MS2 )、及び、 (iii).予め第三のメタルケーシング部材(C3 )内に後
部部位のメタルハニカム体(H3 )が配設された第三メ
タル担体部材(MS3 )、を使用して構成されたもので
ある請求項1に記載の排気ガス浄化用メタル担体。 - 【請求項3】 第一メタル担体部材(MS1 )及び第三
メタル担体部材(MS3 )において、メタルハニカム体
(H1 、H3 )の構成部材である平板状帯材と波板状帯
材の当接部の少なくとも一部、及び前記メタルハニカム
体(H1 、H3 )の外周面とメタルケーシング部材(C
1 、C3 )の内周面との当接部の少なくとも一部が、固
着されて構成されたものである請求項2に記載の排気ガ
ス浄化用メタル担体。 - 【請求項4】 固着手段が、ろう接合方式である請求項
3に記載の排気ガス浄化用メタル担体。 - 【請求項5】 第一〜第三メタル担体部材(MS1 〜M
S3 )を構成するメタルケーシング部材(C1 〜C3 )
の当接部が、溶接により固着されたものである請求項2
に記載の排気ガス浄化用メタル担体。 - 【請求項6】 三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )
の構造が、巻回タイプ、積層タイプ、放射状タイプ、S
字状タイプ、及びX−ラップタイプからえらばれた同種
または異種のもので構成されたものである請求項1に記
載の排気ガス浄化用メタル担体。 - 【請求項7】 中間部位のメタルハニカム体(H2 )の
幅(W2 )が、前後部位のメタルハニカム体(H1 ,H
3 )の幅(W1 ,W3 )より大きいものである請求項1
に記載の排気ガス浄化用メタル担体。 - 【請求項8】 三個のメタルハニカム体(H1 〜H3 )
が、所望の間隔(d)を設けて配設されたものである
か、または密接させて配設されたものである請求項1に
記載の排気ガス浄化用メタル担体。
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JP18049594 | 1994-07-11 | ||
JP16448995A JP3693706B2 (ja) | 1994-07-11 | 1995-06-08 | 排気ガス浄化用メタル担体 |
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JPH0880443A true JPH0880443A (ja) | 1996-03-26 |
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