JPH0780321A - 通電発熱式メタルハニカム体 - Google Patents

通電発熱式メタルハニカム体

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JPH0780321A
JPH0780321A JP5183530A JP18353093A JPH0780321A JP H0780321 A JPH0780321 A JP H0780321A JP 5183530 A JP5183530 A JP 5183530A JP 18353093 A JP18353093 A JP 18353093A JP H0780321 A JPH0780321 A JP H0780321A
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JP
Japan
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honeycomb body
metal honeycomb
metal
type
electric heating
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JP5183530A
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English (en)
Inventor
Yuuzou Tsukiide
雄三 月出
Haruo Serizawa
治夫 芹沢
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 内燃機関のスタート時などにみられる低い排
気ガス浄化率の問題を改善した通電発熱式メタルハニカ
ム体を提供する。 【構成】 (i) 二以上のメタルハニカム体(H=H1
2 ……Hn ,n≧2)で構成し、(ii) 各ハニカム体
は、所望幅(w)の切り込み部(S)を二以上(S=S
1 +S2 ……Sn ,n≧2)有し、各切り込み部
(S1 、S2 、……Sn )により区分される小区分が、
蛇行状に連接し、(iii) 切り込み部(S)が前後(前側
のみもしくは後側のみの場合を含む。)に配設されたメ
タルハニカム体の切り込み部と一致しないように配設
し、(iv) 第一のメタルハニカム体(H1 )から最後の
メタルハニカム体(Hn )にわたり内部の通電距離が最
長になるように外部電源に接続されたもの、より成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、自動車の排気
ガス浄化手段として排気管系統に介装されて使用される
排気ガス浄化装置に関する。更に詳しくは、本発明は、
この種の排気ガス浄化装置における大きな欠点、即ちエ
ンジン始動時(コールドスタート時)の排気ガスの低浄
化率の問題を改善するために、排気ガス浄化装置に組込
まれて使用される電気加熱式メタルハニカム体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の排気ガス浄化装置におい
て、その主要な構成要素である触媒担持母体(主触媒、
触媒コンバータとも言われる。)として、コージェライ
トなどのセラミックス材を用いたセラミックス製のモノ
リスタイプのものと、金属(メタル)製のモノリスタイ
プのものが知られている。特に最近においては、機械的
強度、耐久性、電気抵抗、浄化効率、装置の小型化、な
どの観点から金属製のモノリスタイプのものが盛んに研
究されている。なお、以下の説明においては、説明の便
宜のために後者の金属製モノリスタイプのものを主とし
て説明する。
【0003】排気ガス浄化装置の主要な構成要素である
金属製モノリスタイプの触媒担持母体(主触媒)は、一
般に耐熱性の薄肉鋼板からの平板状帯材と前記薄肉鋼板
を波形形成した波板状帯材とを、相互に当接部を有する
ように重積し、これを一括渦巻状に巻回積層して製作し
た軸方向に排気ガス通路のための多数の網目状通気孔路
(以下、セルという。)を有するハニカム構造としたも
の(本発明においてメタルハニカム体という。)と、前
記メタルハニカム体を填装し固着するための両端が開口
した筒状の金属製ケーシングから構成されている。そし
て、前記メタルハニカム体と金属製ケーシングとは、排
気ガス自体の高温度及び排気ガスと排気ガス浄化用触媒
との発熱反応による高い温度雰囲気下で生起する熱膨脹
や熱的応力に耐え得るように、また自動車走行時の激し
い振動に耐え得るようにろう接または溶接などにより強
固に固着される。なお、メタルハニカム体を構成する平
板状帯材と波板状帯材の当接部は種々の方法により固着
されることはいうまでもないことである。
【0004】メタルハニカム体として、前記した巻回タ
イプのもの以外に、平板状帯材と波板上帯材からメタル
ハニカム体を製作する方法の相違により、各種のものが
ある。例えば、両帯材を階層状に積層した階層タイプの
もの、このほか、特開昭62−273050号、特開昭
62−273051号、特開平1−218637号、特
公表3−502660号、特開平4−227855号な
どに、放射状タイプ、S字状タイプ、巴状タイプ、X−
ラップ(卍)状タイプなどのメタルハニカム体が開示さ
れている。
【0005】この種の排気ガス浄化装置における大きな
問題点は、次の点にある。即ち、エンジン始動時(コー
ルドスタート時)において、メタルハニカム体の壁面に
担持された、Pt ,Pd ,Rh などの排気ガス浄化用触
媒が、排気ガスと効率的に触媒反応を起こす最適な温度
条件に達していないことであり、エンジンから排出され
るCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素化合物)などの
有害な物質のほとんどが浄化されずに大気中に放出され
てしまうという点にある。そして、この点は公害規制の
観点から問題にされようとしている。
【0006】前記したエンジン始動時(コールドスター
ト時)の問題点を解決するために、従来より種々の提案
がなされている。例えば、(i) 実開昭63−67609
号には、セラミックス製モノリスタイプを触媒担持母体
として使用したコンバータにおいて、該触媒担持母体の
排気ガス上流側の近傍部位に、予めハニカム状に製作し
た巻回タイプのメタル担体にアルミナをコートし、かつ
通電可能とされたメタルモノリス触媒を配設する方式、
(ii) 実開平61−10022号や実開平2−9431
6号には、触媒本体の前面部にヒータを配設したり外周
部に遠赤外線ヒータを配設する方式、(iii) 特開平2−
277916号には、波板状帯材の所望枚数を蛇腹状に
折り畳んで1つの束体とし、該束体の隣接する層間に電
気絶縁体を配設するとともに束体の各部に電気接点を固
定する方式、(iv) 実開平3−72593号には、通電
発熱式のメタルハニカム体を波板状帯材のみで放射状タ
イプやS字状タイプに構成する方式、などが提案されて
いる。
【0007】しかしながら、これら従来の提案のもの
は、ヒータ機能を有するハニカム体を十分に高く昇温さ
せて触媒反応を効率的に行なわしめるという要請からみ
ると、昇温温度が不十分でかつ昇温の温度分布が不均一
であったり、解決のためにコストアップを強いられたり
するものである。また、メタルハニカム体自体を通電発
熱式にするものにおいては、その強度や耐久性が不十分
であり所要の抵抗発熱量を得るための抵抗値を得るのに
満足のいくものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、前記した
従来のヒータ機能を有するメタルハニカム体にみられる
問題点を解決すべくなされたものである。本発明によ
り、コールドスタート時に触媒を十分に活性化過温度に
加熱するための抵抗発熱量を確保することができ、かつ
高強度で耐久性に優れる通電発熱式のメタルハニカム体
が提供される。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、薄肉金属板性の平板状帯材と波板状帯材を重
積して製作した通電発熱式のメタルハニカム体(H)に
おいて、前記通電発熱式メタルハニカム体(H)が、
(i) 二以上のメタルハニカム体(H=H1 +H2 ……H
n ,n≧2)で構成され、(ii) 各メタルハニカム体
は、所望幅(w)の切り込み部(S)を二以上(S=S
1 +S2 ……Sn ,n≧2)有するとともに、各切り込
み部(S1 、S2 、……Sn )により区分される各メタ
ルハニカム体の小区分が、蛇行状に連接するように区分
され、(iii) 各メタルハニカム体は、当該メタルハニカ
ム体の切り込み部(S)が前後(前側のみもしくは後側
のみの場合を含む。)に配設されたメタルハニカム体の
切り込み部と一致しないように配設され、更に、(iv)
各メタルハニカム体が、第一のメタルハニカム体
(H1 )から最後のメタルハニカム体(Hn )にわたり
メタルハニカム体内部の通電距離が最長になるように外
部電源に接続されたこと、を特徴とした通電発熱式メタ
ルハニカム体に関するものである。
【0010】以下、本発明の技術的構成及び実施態様を
図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は図示の
ものに限定されないことはいうまでもないことである。
【0011】まず、本発明の技術的構成の理解の便宜の
ために、その開発過程について説明する。本発明者ら
は、メタルハニカム体内を流通する排気ガスを効果的に
乱流化し排気ガスの浄化能を改善することができるメタ
ルハニカム体の構造について検討し、下記の構造のもの
を開発するに至った。そして、本発明者らは、新たに開
発したメタルハニカム体を通電発熱式のメタルハニカム
体に適用した場合、優れた特性を発揮することを見い出
した。
【0012】即ち、本発明者は、効率的に排気ガス流を
乱流化することができる構造のメタルハニカム体につい
て検討したところ、(1) メタルハニカム体を単一体のも
ので構成せずに、二以上の同種または異種タイプのもの
で構成し、かつ、(2) 二以上のメタルハニカム体の夫々
に、所定幅の二以上の切り込み部を所定の方式で設ける
とともに(各メタルハニカム体において、該切り込み部
は、該切り込み部により区分される領域が蛇行して連接
されるように形成される。)、(3) 二以上のメタルハニ
カム体を、前記各メタルハニカム体に設けた切り込み部
に注目したとき、前後のメタルハニカム体において該切
り込み部の大部分が重なり合わない(オーバーラップし
ない)態様で配設する、という構成を採用したとき、メ
タルハニカム体内部において、排気ガス流が効果的に乱
流化されるという知見を見い出した。
【0013】また、該切り込み部の形成により触媒担持
量が減少するにもかかわらず、前記した乱流化効果によ
り排気ガスの浄化能が維持されるということ、別言すれ
ば触媒担持量の減少は相殺されて問題にならないという
知見を見い出した。そして、本発明者らは、前記知見を
ベースにして、メタルハニカム体内部において排気ガス
流が効果的に乱流化されるため、排気ガスの浄化能が改
善され、かつ従来のスコーピング現象(メタルハニカム
体の中心部及びその近傍部位が飛び出してしまう現象)
が改善されたメタルハニカム体を開発し、先に提案し
た。
【0014】ところで、前記した本発明者らの先に開発
したメタルハニカム体において、前記(2) の技術的構
成、即ち、二以上のメタルハニカム体の夫々に所定幅の
二以上の切り込み部を、各メタルハニカム体において該
切り込み部により区分される領域が蛇行して連接される
ように形成するという技術的構成は、二以上のメタルハ
ニカム体を電気的に外部電源部と接続したとき、通電発
熱式とするのに極めて都合の良いものであることが判
る。
【0015】というのは、前記二以上のメタルハニカム
体を外部電源部に電気的に接続するとき、各メタルハニ
カム体において、電流がメタルハニカム体内部を前記切
り込み部の形成により蛇行して流れるため十分な抵抗値
が得られること、別言すれば、十分な抵抗発熱量を確保
することが出来るためである。当然のことながら、二以
上の各メタルハニカム体同士は、電気回路として直列に
接続し、十分な抵抗値、即ち十分な抵抗発熱量が得られ
るように、即ち、通電距離が最長になるように各メタル
ハニカム体を電気的に接続すればよい。
【0016】この点、従来の通電発熱式のメタルハニカ
ム体(H´)は、図4〜図5に示されるものである。図
4は、従来の通電発熱式のメタルハニカム体(H´)
が、金属製ケーシング(4) 内に填装固着され、リード線
(C1 、C2 )を介して外部電源(C)に接続されたも
のの斜視図であり、図5は図4のI−I線断面図であ
る。従って、従来においてはその主要な構成要素として
のメタルハニカム体が単一体で構成されるため、通電距
離を長くし、十分な抵抗発熱量を確保することが困難な
ものである。そして、従来技術のところで説明したよう
に、メタルハニカム体の構成部材間に絶縁材を介在させ
ることにより通電距離を長くするものにおいては、メタ
ルハニカム体の全体的な強度の点、絶縁材の配設の煩雑
さなどの点から問題を残すものである。
【0017】以下、本発明の通電発熱式メタルハニカム
体の実施態様を、図面を参照して説明する。図1は、本
発明の第一実施態様の通電発熱式メタルハニカム体
(H)の斜視図である。図示されるように、本発明の通
電発熱式メタルハニカム体(H)は、二つのメタルハニ
カム体(H=H1 +H2 )で構成される。なお、各メタ
ルハニカム体(H1 、H2 )は、平板状帯材(1)と波
板状帯材(2)を階層状に交互に積層した積層タイプの
ものである。両帯材を積層することにより、排気ガスの
通路となる網目状通気孔路(セル)(3) が自動的に形成
される。なお、図1には図を簡略化するために、一部の
積層構造しか示されていない。本発明において、メタル
ハニカム体(H)は二以上のもので構成される(H=H
1 +H2 ……Hn ,nは2以上の整数を示す)。
【0018】第一のメタルハニカム体(H1 )には、幅
(w)の切り込み部(S)が二本(S=S1 +S2 )設
けられている。前記切り込み部(S=S1 +S2 )をメ
タルハニカム体(H1 )に設ける態様は、該切り込み部
によりメタルハニカム体が区分される小領域(H11,H
12,H13)が、H11→H12→H13の順に蛇行状に連接さ
れる態様のものである。別言すれば、メタルハニカム体
(H1 )は、H11、H12、H13の小領域のものがつづら
折り状に配設されて構成されている。このように二本の
切り込み部を設ける利点は、メタルハニカム体(H1
の全体的な強度、安定性の観点から好ましいからであ
る。なお、本発明において、切り込み部(S)の数は所
望のものでよい(S=S1 +S2 ……Sn ,nは任意の
整数を示す)。
【0019】第二のメタルハニカム体(H2 )にも、同
様にして図示されるように切り込み部(S)が二本(S
=S1 +S2 )設けられている。但し、図1においては
2のS2 は、H1 により隠されている。本発明におい
て、第一〜第二のメタルハニカム体(H1 、H2 )に所
定幅(w)で所定長(l)の切り込み部(S=S1 +S
2 )を設ける方法は任意でよい。例えば平板状帯材
(1)と波板状帯材(2)を積層したときに該切り込み
部が形成されるように予め所定方法に加工したものを使
用したり、あるいは未加工の両帯材(1、2)を交互に
積層した後に切削工具、放電加工機、レーザ加工機など
により該切り込み部を形成してもよい。本発明におい
て、前記所定幅(w)は適宜に設定されるが、両帯材
(1、2)により形成されるセル(3)の大きさからみ
たとき、排気ガスに対する乱流付与の効果、浄化能の観
点からセルの平均径の5倍以内が好ましい。なお、前記
セルの平均径とは、両帯材(1、2)により形成される
セルが、単一の径をもたなかったり又はセル間において
均一の径をもたなかったりする場合があるので、平均化
した意味である。
【0020】本発明の通電発熱式メタルハニカム体(H
=H1 +H2 )において、次に大きな特徴となる点は、
各メタルハニカム体(H1 、H2 )の配設方式である。
図示されるように、第一のメタルハニカム体(H1 )と
第二のメタルハニカム体(H2 )は、夫々に形成された
切り込み部(H1 のS=S1 +S2 、H2 のS=S1
2 )を注目したとき、H1 のS1 とH2 のS2 ならび
にH1 のS2 とH2 のS2 が直交する配置関係で配設さ
れている。いうまでもないことであるが、H1 とH2
々に設けた切り込み部(S=S1+S2 )が相互にオー
バーラップする場合、該切り込み部を通過する排気ガス
は十分に加熱されず、次段に配設される主触媒コンバー
ター(メイン触媒担持母体)において十分に浄化されな
くなる。従って、本発明においては、このような各メタ
ルハニカム体の配設関係は排除される。即ち、本発明に
おいて各メタルハニカム体(H1 、H2 )の配設の位置
関係は、各メタルハニカム体に形成される切り込み部
(S)が、各メタルハニカム体の相互間において一致し
ないように(重なり合わないように)配設されることを
特徴とするものである。なお、本発明において、切り込
み部(S)が各メタルハニカム体の相互間において一致
しないという意味は、相互の切り込み部(S)が大部分
の領域において一致しないこと(重なり合わないこと)
という意味である。図1の態様において、H1 のS1
2 のS2 は直交関係にあり、両者は直交する部位で重
なり合う(オーバーラップする)が、本発明においては
このような配設態様を排除するものではない。
【0021】本発明において、各メタルハニカム体(H
1 、H2 )の間隙部(D)の間隔(d)は所望のものに
設定すればよい。間隔(d)を特に設けなくてもよい
し、設ける場合は乱流付与効果と排気ガスの浄化能の観
点から最適な間隙とすればよい。一般には10mm以下の
間隙(d)が設定される。前記したように、各メタルハ
ニカム体(H1 、H2 )の間隙(D)の間隔(d)によ
り、排気ガス流に対する乱流付与効果が得られ、これに
より排気ガスは通電発熱式メタルハニカム体(H)内で
均一に高温加熱されることになり、次段の触媒担持母体
(メタル製またはセラミック製の主触媒)における浄化
効率が向上することになる。これは、第一メタルハニカ
ム体(H1 )の切り込み部(S=S1 +S2 )を通過し
た排気ガス流は、第二メタルハニカム体(H2 )の前面
に衝突するとともに間隙部(D)において他の排気ガス
流と強制的に混合されるからである。
【0022】本発明の通電発熱式メタルハニカム体(H
=H1 +H2 )において、最後に大きな特徴となる点
は、各メタルハニカム体(H1 、H2 )を電気的に接続
し通電発熱式とする点である。これは、前記したように
各メタルハニカム体(H1 、H2 )を電気的に接続した
とき、最大の抵抗発熱量が得られるように接続すればよ
い。その際、各メタルハニカム体(H1 、H2 )は、夫
々に設けられた切り込み部(S=S1 +S2 )により区
分される小領域が蛇行状に連接されているという構成を
利用して、通電距離が最長になるように電気的に接続さ
れる。
【0023】図1において、第一のメタルハニカム体
(H1 )は切り込み部(S=S1 +S2 )により第一領
域(H11)、第二領域(H12)、及び第三領域(H13
に区分されること、そして第一領域(H11)に電極板
(B1 )、第三領域(H13)に電極板(B12)が配設さ
れることが示されている。また、第二のメタルハニカム
体(H2 )の第一領域(H21)に電極板(B2 )、第三
領域(H23)に電極板(B21)が配設されることが示さ
れている。そして、前記電極板(B12)と(B2 )が接
続され、図示しないが電極板(B1 )と(B21)はリー
ド線(C1 、C2 )を介して外部電線(C)に接続され
る。以上の各メタルハニカム体(H1 、H2 )の電気的
接続態様、及び外部電源(C)への接続態様により十分
な抵抗発熱量を得ることが出来る。
【0024】以上の構成から判るように、本発明の通電
発熱式メタルハニカム体(H)においては、該メタルハ
ニカム体(H)部において排気ガス流が乱流化により均
一に混合攪拌されるという観点(これは、次段の主触媒
での浄化能の向上に通じる。)、及び各メタルハニカム
体(H1 、H2 、……Hn ,n≧2)が高強度に製作さ
れていることから発熱により高温下にさらされても耐久
性に問題がないという利点を享受することができる。
【0025】本発明の通電発熱式メタルハニカム体
(H)において、各メタルハニカム体(H1 、H2 )は
通常のメタルモノリスタイプのハニカム体を製作する方
法に従って製作されるものである。各メタルハニカム体
(H1 、H2 )構成する平板状帯材(1)としては、通
常のメタルモノリスタイプのハニカム体の製作に使用さ
れている帯材、例えばクロム鋼(クロム13〜25%)、F
e −Cr 20%−Al 5%などの耐熱性のステンレス
鋼、あるいはこれに耐高温酸化性を改善するために希土
類を加えた耐熱性のステンレス鋼などの厚さ0.04mm
〜0.1mmの帯材が使用される。また、波板状帯材
(2)として、前記平板状帯材(1)から所定の略正弦
波もしくは略台形波を有するように波付加工したものが
使用される。この他、メタルハニカム体(H1 、H2
の高温下での通電性を考慮してNi −Cr 合金、Ni −
Cr −Fe 合金、Ni −Cr Al −Fe 合金なども使用
される。
【0026】また、本発明においては、後述する理由に
より通電加熱式メタルハニカム体(H)のヒータ特性を
向上させるために、各メタルハニカム体(H1 、H2
の壁面に排気ガスの浄化用触媒を担持させて使用するこ
ともできる。このような場合、該ハニカム体(H1 、H
2 )を構成する部材、即ち平板状帯材(1)と波板状帯
材(2)にAl を含有させたものやあるいはその表面に
Al 層を設けたものを熱処理して、その表面にウィスカ
ー状もしくはマッシュルーム状のアルミナ(Al
2 3 )層を析出させたものが好ましい。前記ウィスカ
ー状などのアルミナ層は、Pt ,Pd ,Rh などの排気
ガスの浄化用触媒を担持するためのウォッシュコート層
を強固に保持することができるので好ましいものであ
る。
【0027】前記したように、本発明の通電加熱式メタ
ルハニカム体(H)においては、そのヒータ特性(加熱
特性)を向上させるために、電気加熱式メタルハニカム
体(H)を構成するメタルハニカム体(H1 、H2 )の
壁面に排気ガスの浄化用触媒を担持させて使用すること
ができるものである。周知のように、排気ガス中のHC
(炭化水素化合物)やCO(一酸化炭素)は、酸化触媒
(Pt ,Pd ,Cr ,V,Cu など)のもとで発熱反応
によりCO2やH2 Oに無害化される。また、理論空燃
比近傍で排気ガス中に排出されるHC、CO及びNOX
を同時に浄化する酸化還元(三元)触媒(Pt −Rh
系、Pt −Pd −Rh 系など)はよく知られているもの
であり、これら排気ガス成分はCO2 やH2 Oに酸化さ
れたりN2 に還元されたりする。なお、三元触媒系でも
全体的には発熱的に触媒反応が進行する。
【0028】本発明において、メタルハニカム体
(H1 、H2 )の側に排気ガスの浄化用触媒を担持する
意味は、排気ガス浄化システム全体の浄化能を向上させ
る一方、前記したように触媒反応に基づく発熱量の有効
活用にあり、この発熱量をヒータ特性の向上に使用する
という点にある。本発明において、メタルハニカム体
(H1 、H2 )の壁面に担持させる触媒としては、前記
した触媒反応からわかるように発熱量の大きさからみて
酸化触媒が好ましいが、酸化還元(三元触媒)(a thre
e-way catalyst)であってもよい。
【0029】図2は、本発明の第二実施態様の通電発熱
式メタルハニカム体(H)の斜視図である。第二実施態
様の通電発熱式メタルハニカム体(H)は、基本的には
第一実施態様のものと同じであるが、n個のメタルハニ
カム体(H1 +H2 +……Hn )で構成されている点が
相違するだけである。勿論、各メタルハニカム体は、形
成された切り込み部(S=S1 +S2 )が、各メタルハ
ニカム体間において第一実施態様のものと同様、メタル
ハニカム付間相互の切り込み部が大部分の領域において
一致しないように配設される。
【0030】図3は、本発明の第三実施態様のメタルハ
ニカム体(H)の斜視図である。第三実施態様のメタル
ハニカム体(H)は、基本的には第一実施態様のものと
同じであるが、断面が円形の2個の巻回タイプのメタル
ハニカム体(H=H1 +H2 )で構成される点、及び各
メタルハニカム体に三本の切り込み部(S=S1+S2
+S3 )が形成されている点、が相違するだけである。
【0031】本発明において、図示はしないが、メタル
ハニカム体(H)を構成する二以上のメタルハニカム体
の構造は、前記した積層タイプのものに限定されない。
例えば、当業界で既知の放射状タイプ、S字状タイプ、
巴状タイプ、X−ラップ(卍状)タイプなどのものが使
用される。また、これら各種タイプのメタルハニカム体
として、同種のものを使用してもよいし異種のものを使
用してもよいことはいうまでもないことである。なお、
メタルハニカム体を構成する二以上のメタルハニカム体
として、異種タイプのものを使用した場合、排気ガス流
が同種タイプのものよりもより不均一化するために好ま
しい。
【0032】
【発明の効果】本発明の通電発熱式メタルハニカム体
(H)は、・メタルハニカム体を単一のものでなく二以
上のもので構成され(H=H1 +H2 ……Hn ,n≧
2)、かつ、・各メタルハニカム体(H1 〜Hn )にお
いて、各メタルハニカム体を通電したときに十分な抵抗
発熱量が得られるように各メタルハニカム体に切り込み
部を設けたもので構成されていることから、次のような
優れた効果を発揮する。 (1) 各メタルハニカム体(H1 ……Hn 、n≧2)を、
通電距離が最長になるように各メタルハニカム同士、及
び外部電源に電気的に接続するだけで、十分な抵抗発熱
量を確保することが出来る。 (2) 各メタルハニカム体自体が高強度の構造であること
から、通電発熱により高温にさらされても耐久性に優れ
ており、長期の使用に耐える通電発熱式メタルハニカム
体が提供される。 (3) 各メタルハニカム体に設けた切り込み部が、相互に
一致しないように各メタルハニカム体を所定の間隙部を
もって配設することにより、排気ガス流は効率的に乱流
化、攪拌されることになる。これは、通電発熱式メタル
ハニカム体の次段に配設される主触媒(触媒担持母体)
の均一な触媒接触反応、均一な浄化能の達成の観点から
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施態様の通電発熱式メタルハ
ニカム体の斜視図である。
【図2】 本発明の第二実施態様の通電発熱式メタルハ
ニカム体の斜視図である。
【図3】 本発明の第三実施態様の通電発熱式メタルハ
ニカム体の斜視図である。
【図4】 従来の通電発熱式メタルハニカム体(メタル
ケーシング内に収納されたもの)の斜視図である。
【図5】 図4のI−I線断面図である。
【符号の説明】
H…………………………通電発熱式メタルハニカム体 H1 ……Hn ……………各メタルハニカム体 S,S1 ……Sn ………切り込み部 B11、B12、……Bn/n+1 ………電極材 C…………………………外部電源 C1 、C2 ………………リード線 D…………………………間隙部 d………………………(間隙部の)間隔 w………………………(切り込み部の)幅 l………………………(切り込み部の)長さ 1…………………………平板状帯材 2…………………………波板状帯材 3…………………………網目状通気孔路(セル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/20 ZAB K

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉金属板性の平板状帯材と波板状帯材
    を重積して製作した通電発熱式のメタルハニカム体
    (H)において、前記通電発熱式メタルハニカム体
    (H)が、 (i) 二以上のメタルハニカム体(H=H1 +H2 ……H
    n ,n≧2)で構成され、 (ii) 各メタルハニカム体は、所望幅(w)の切り込み
    部(S)を二以上(S=S1 +S2 ……Sn ,n≧2)
    有するとともに、各切り込み部(S1 、S2 、……
    n )により区分される各メタルハニカム体の小区分
    が、蛇行状に連接するように区分され、 (iii) 各メタルハニカム体は、当該メタルハニカム体の
    切り込み部(S)が前後(前側のみもしくは後側のみの
    場合を含む。)に配設されたメタルハニカム体の切り込
    み部と一致しないように配設され、更に、 (iv) 各メタルハニカム体が、第一のメタルハニカム体
    (H1 )から最後のメタルハニカム体(Hn )にわたり
    メタルハニカム体内部の通電距離が最長になるように外
    部電源に接続されたこと、を特徴とした通電発熱式メタ
    ルハニカム体。
  2. 【請求項2】 切り込み部(S)の幅(w)が、平板状
    帯材と波板状帯材の重積時に形成される網目状通気孔路
    (セル)径の5倍以内のものである請求項1に記載の通
    電発熱式メタルハニカム体。
  3. 【請求項3】 二以上のメタルハニカム体(H=H1
    2 ……Hn ,n≧2)が、触媒を担持したもので構成
    されたものである請求項1に記載の通電発熱式メタルハ
    ニカム体。
  4. 【請求項4】 各メタルハニカム体(H1 、H2 ……H
    n ,n≧2)が、金属製メタルケーシング内に填装、固
    着されたものである請求項1に記載の通電発熱式メタル
    ハニカム体。
  5. 【請求項5】 各メタルハニカム体(H1 、H2 ……H
    n ,n≧2)が、積層タイプ、巻回タイプ、放射状タイ
    プ、S字状タイプ、巴状タイプ、及びX−ラップ(卍
    状)タイプのものである請求項1に記載の通電発熱式メ
    タルハニカム担体。
  6. 【請求項6】 各メタルハニカム体(H1 、H2 ……H
    n ,n≧2)が、異種タイプのもので構成される請求項
    4に記載の通電発熱式メタルハニカム体。
  7. 【請求項7】 各メタルハニカム体(H1 、H2 ……H
    n ,n≧2)が、間隙を設けて配設されるか、あるいは
    間隙を設けずに配設されたものである請求項1に記載の
    通電発熱式メタルハニカム体。
JP5183530A 1993-06-30 1993-06-30 通電発熱式メタルハニカム体 Pending JPH0780321A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008045435A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Suzuki Motor Corp 電気加熱触媒装置
CN114761117A (zh) * 2019-12-04 2022-07-15 托普索公司 通过电阻加热进行加热的原料气的吸热反应
CN114786810A (zh) * 2019-12-04 2022-07-22 托普索公司 通过电阻加热的原料气的吸热反应
DE102022125694A1 (de) 2022-10-05 2024-04-11 Tenneco Gmbh Heizelement

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