JPH0796203A - 電気加熱式ハニカム体 - Google Patents

電気加熱式ハニカム体

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JPH0796203A
JPH0796203A JP5202467A JP20246793A JPH0796203A JP H0796203 A JPH0796203 A JP H0796203A JP 5202467 A JP5202467 A JP 5202467A JP 20246793 A JP20246793 A JP 20246793A JP H0796203 A JPH0796203 A JP H0796203A
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JP
Japan
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honeycomb body
electrically heated
exhaust gas
honeycomb
type
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JP5202467A
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English (en)
Inventor
Yuuzou Tsukiide
雄三 月出
Haruo Serizawa
治夫 芹沢
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メタル製モノリスタイプあるいはセラミック
ス製モノリスタイプの主触媒(MC)を主要な構成要素
とする排気ガス浄化装置において、エンジン始動時(コ
ールドスタート時)の排気ガスの浄化能力を向上させる
ために、排気ガスを均一にかつ触媒反応に好適な充分に
高い温度に加熱することができる電気加熱式ハニカム体
を該主触媒(MC)の前部に配設する。 【構成】 薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材を相
互に当接するように重積して製作した少なくとも二つ以
上の要素ハニカム体(H1 〜Hn )からなる電気加熱式
ハニカム体において、(i)各要素ハニカム体(H1 〜H
n )が、絶縁材を介して隣接したものであり、かつ(ii)
各要素ハニカム体(H1 〜Hn )が、電気的に直列に接
続したもの、を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、自動車の排気
ガス浄化手段として排気管系統に介装されて使用される
排気ガス浄化装置に関する。更に詳しくは、本発明は、
この種の排気ガス浄化装置における大きな欠点、即ちエ
ンジン始動時(コールドスタート時)の排気ガスの低浄
化率の問題を改善するために排気ガス浄化装置に組込ま
れる電気加熱式ハニカム体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の排気ガス浄化装置の主要
な構成要素である触媒担持母体として、コージェライト
などのセラモックス材を用いたセラモックス製のモノリ
スタイプのものと、金属(メタル)製のモノリスタイプ
のものが知られている。特に最近においては、機械的強
度、耐久性、電気抵抗、浄化効率、装置の小型化、など
の観点から金属製のモノリスタイプのものが盛んに研究
されている。なお、以下の説明においては、説明の便宜
のために後者の金属製モノリスタイプのものを主として
説明する。金属製モノリスタイプの排気ガス浄化装置
は、一般に耐熱性の薄肉鋼板からの平板状帯材と前記薄
肉鋼板を波形成形した波板状帯材とを、相互に当接部を
有するように重積し、これを一括渦巻状に巻回積層する
か、あるいは階層状に重積して製作した軸方向に排気ガ
ス通路のための多数の網目状通気孔路(以下、セルとい
う。)を有するハニカム状積層体(以下、ハニカム体と
いう。)と、前記ハニカム体を填装し固着するための両
端が開口した筒状の金属製ケースから構成されている。
そして、前記ハニカム体と金属製ケースとは、排気ガス
自体の高温度及び排気ガスと浄化用触媒との発熱反応に
よる高い温度雰囲気下で生起する熱膨脹や熱的応力に耐
えるように、また自動車走行時の激しい振動に耐え得る
ようにろう接または溶接などにより強固に固着される。
なお、ハニカム体を構成する平板状帯材と波板状帯材の
当接部は種々の方法により固着されることはいうまでも
ないことである。
【0003】この種の排気ガス浄化装置における大きな
問題点は、次の点にある。即ち、エンジン始動時(コー
ルドスタート時)において、金属製ハニカム体の壁面に
担持された、Pt,Pd,Rhなどの排気ガス浄化用触
媒が、排気ガスと効率的に触媒反応を起こす最適な温度
条件に達していないことであり、エンジンから排出され
るCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素化合物)などの
有害な物質のほとんどが浄化されずに大気中に放出され
てしまうという点にある。そして、この点は公害規制の
観点から問題にされようとしている。
【0004】前記したエンジン始動時(コールドスター
ト時)の問題点を解決するために種々の提案がなされて
いる。例えば、(i) 実開昭63−67609号には、セ
ラミックス製モノリスタイプを主触媒担持母体として使
用したコンバータにおいて、該主触媒担持母体の排気ガ
ス上流側の近傍部位に、予めハニカム状に製作したメタ
ル担体にアルミナをコートし、かつ通電可能とされたメ
タルモノリス触媒を配設する方法、(ii)実開平2−94
316号には、触媒本体の外周部に遠赤外線ヒータを配
設する方式、(iii)実開平3−10022号には、モノ
リスタイプの触媒の前面(排気ガスの上流側)に加熱ヒ
ータ、更に該ヒータの前面に排気ガスを整流するための
整流板を配設する方式、(iv)特開平2−277916号
には、波板状帯材の所望枚数を蛇腹状に折畳んで1つの
束体とし、該束体の隣接する層間に電気絶縁体を配設す
るとともに束体の各端部に電気接点を固定する方式、な
どが提案されている。しかしながら、これら従来の提案
のものは、ヒータ機能を有するハニカム体を十分に高く
昇温させて触媒反応を効率的に行なわしめるという要請
からみると、昇温温度が不十分でかつ昇温の温度分布が
不均一であったり、解決のためにコストアップを強いら
れたり、更にはハニカム体それ自体の強度が不十分であ
ったりなどして充分に満足のいくものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、前記した
従来のヒータ機能を有するハニカム体にみられる問題点
を解決すべくなされたものである。本発明者らは、コー
ルドスタート時にハニカム体の温度、特にハニカム体の
内部全体を均一にかつ充分に高い温度に昇温させる技術
について種々、検討を加えた。特に、従来技術において
説明した実開昭63−67609号などに提案されてい
る排気ガス浄化装置用の電気加熱式ハニカム体の改良に
ついて、鋭意、検討を加えた。
【0006】その結果、本発明者らは、従来技術として
説明した実開昭63−67609号などに提案されてい
る耐熱製の薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材を当
接させるように重積し、これを巻回成形して巻回タイプ
のハニカム体を製作し、その中心部と外周部に電極材を
配設してプレヒータとしたもの(なお、前記従来技術
は、更にハニカム体の壁面をアルミナでコーティングし
ているが、これは形成されるコーティング層に排気ガス
の浄化用触媒を担持させるためであると認められる。)
は、次のような欠点があることを見い出した。
【0007】(i) 例えば、前記構造の電気加熱式のプレ
ヒータとしてのハニカム体において、外部の電源部(バ
ッテリなど)に対して、ハニカム体の外周部電極材と中
心部電極材の一方を+極、他方を−極に接続して通電し
たとき、(イ)外周部電極材(ハニカム体は導電性の円
筒状金属製ケース内で固着されるので、該金属製ケース
全体が外周部電極材となる。)の表面積に対するハニカ
ム体の外周部及びその近傍部位における単位体積当りの
平板状帯材と波板状帯材が形成する通電面積の割合(別
言すれば、該部位における電流密度の割合ということが
できる。)と、(ロ)中心部電極材(例えばNi製丸棒
材)の表面積に対するハニカム体の中心部及びその近傍
部位における単位体積当りの平板状帯材と波板状帯材が
形成する通電面積の割合(該部位における電流密度の割
合)において、前者(イ)の方が圧倒的に多いことか
ら、前者の各セルの壁を通じて流れる電流密度が後者よ
り極めて少なくなること、別言すれば、通電によりハニ
カム体の外周部及びその近傍部位での抵抗加熱により得
られる発熱量は、ハニカム体の中心部及びその近傍部位
での抵抗加熱により得られる発熱量と比較して小さいも
のとなる。その結果、プレヒータとしてのハニカム体内
部の温度が不均一となる。
【0008】従って、従来のプレヒータ機能を有する電
気加熱式ハニカム体を組込んだ排気ガス浄化装置(な
お、装置全体の概要は、後述する図4に示されるものと
同じであるため、以下の説明は図4が参考になる。)に
おいては、通電により内部が均一に加熱昇温されず、そ
の内部を通過する排気ガスは不均一に加熱されて下流側
の主触媒(MC:Main Converter)に至る。即ち、排気
ガスは、触媒反応にとって最適な温度に均一に加熱され
ずに主触媒(MC)内に流入してしまい、この結果、最
適な排気ガス浄化を達成することができない。また、従
来の電気加熱式ハニカム体においては、前記した電流密
度の相違から中央部位を適温にすると外周部位が低温と
なるが、これを解消しようとして外周部位を適温にする
と中心部位、特に中心部電極材の近傍部位はオーバーヒ
ートし、極端な場合にはメルトダウン(溶損)してしま
いハニカム体の耐振耐久性(機械的強度)が大きく損な
われる。
【0009】(ii) また、外周部電極材と中心部電極材
に通電したとき、ハニカム体の構成部材である平板状帯
材や波板状帯材、あるいは両帯材の当接部を通じて一方
の極から他極に至る通電距離が非常に短いため、十分な
抵抗加熱が得られない。即ち、ハニカム体内部の温度を
触媒反応に最適な十分に高い温度に昇温させることがで
きないという欠点を有する。
【0010】これに対し、本発明者らは、従来のプレヒ
ータ機能を有するハニカム体の構造において、ハニカム
体に配設される(+)極電極材と(−)極電極材へ通電
するに際して、ハニカム体内部を複数の要素ハニカム体
に区分するとともに、各要素ハニカム体を電気的に直列
に接続する手段を講じた場合、前記した電流密度や通電
距離による欠点が解消され、高い排気ガスの浄化効率が
達成されることを見い出した。本発明は、前記知見をベ
ースとした排気ガス浄化装置、特にその主要な構成要素
であるヒータ特性に優れた電気加熱式ハニカム体を提供
しようとするものである。
【0011】周知のように、電気加熱式ハニカム体を組
込んだ排気ガス浄化装置は、当業界においてはEHC
(Electrically Heated Converter )と呼称され、特に
LEV(Low Emission Vehicle, 低公害車)用としてE
HCは注目されている。これは、主触媒(MC)を含む
全体的名称である。これに対し、本発明は特に電気加熱
式ハニカム体の構造を改善するものであり、以下の説明
において前記EHCとの関連で該電気加熱式ハニカム体
をEHH(Electrically Heated Honeycomb )と略記さ
れる場合がある。また該EHHを構成する要素ハニカム
体はH1 〜Hn と略記される場合がある。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材を相
互に当接するように重積して製作した少なくとも二つ以
上の要素ハニカム体(H1 〜Hn )からなる電気加熱式
ハニカム体において、(i)各要素ハニカム体(H1 〜H
n )が、絶縁材を介して隣接したものであり、かつ(ii)
各要素ハニカム体(H1 〜Hn )が、電気的に直列に接
続したものである、ことを特徴とする電気加熱式ハニカ
ム体に関するものである。
【0013】以下、本発明の技術的構成及び実施態様に
ついて、図面を参照して説明する。なお、本発明は図示
のものに限定されないことはいうまでもないことであ
る。
【0014】まず、はじめに、本発明の電気加熱式ハニ
カム体(EHH)と排気ガス浄化装置(A)の関係を説
明する。一般に、本発明のプレヒータ機能を有する電気
加熱式ハニカム体(EHH)は、図4に示される態様
で、排気ガス浄化装置(A)に組込まれて使用されるも
のである。図4は、電気加熱式ハニカム体(EHH)を
組込んだ排気ガス浄化装置(A)の一部を省略した断面
図である。図示されるように、排気ガス浄化装置(A)
は、排気ガス流方向(F)に対し、排気ガスの上流側に
電気加熱式ハニカム体(EHH)を、また下流側にP
t、Pd、Rhなどの排気ガスの浄化用触媒を担持した
メイン(主)触媒(MC)を金属製ケース(C)内に配
設して構成される。
【0015】そして、図4において該電気加熱式ハニカ
ム体(EHH)は、二つの要素ハニカム体(H1
2 )、絶縁体(I1 ,I2 )及び中心部電極材
(B1 )で構成されるとともに、該電気加熱式ハニカム
体(EHH)は外部電源部(4)に対して、導線(41,
42)により接続される。前記二つの要素ハニカム体(H
1 〜H2)は図4からは必ずしも明らかでないが巻回タ
イプのものである。なお、電気加熱式ハニカム体(EH
H)の配設において他部材との絶縁に留意しなければな
らないが、図4は簡略化のためにこれを省略してある。
本発明においては、後述するようにEHHのヒータ特性
を改善するために、各要素ハニカム体(H1 〜Hn )に
触媒を担持させる場合があるが、このような場合にはメ
イン触媒(MC)を排除してもよいことはいうまでもな
いことである。即ち、このような場合、EHHがMCの
機能を兼ねることになる。
【0016】次に、本発明の電気加熱式ハニカム体(E
HH)において、通電したときに該ハニカム体(EH
H)を構成する各要素ハニカム体(H1 〜Hn )(n は
2以上の所望の整数)の内部を均一にかつ高温度に加熱
される理由について説明する。
【0017】本発明においては、前記したように本発明
の電気加熱式ハニカム体(EHH)は、二つ以上の要素
ハニカム体(H1 〜Hn )に区分(分割)され、各要素
ハニカム体(H1 〜Hn )間には電気絶縁体(I1 〜I
n )配設される。即ち、各要素ハニカム体(H1
n )は電気絶縁体(I1 〜In )を介して隣接され
る。また、本発明において、各要素ハニカム体(H1
n )は外部電源部(4)に対して電気的に直列に接続
されるものである。
【0018】このような技術的構成により、例えば本発
明の電気加熱式ハニカム体(EHH)が複数個の巻回タ
イプの要素ハニカム体(H1 〜Hn )で構成される場
合、単一のハニカム体(H1 )で構成される従来のもの
に比較して、ハニカム体内部に配設される絶縁体により
通電チャンネルが分散化されるため、ハニカム体内部の
電流密度は略同一になる。また、絶縁体の存在により通
電チャンネルが長くなる。このため電流密度の不均一化
にともなう異常加熱が防止され、かつ長い通電チャンネ
ル(十分な通電抵抗)が確保されることから十分に高く
かつ均一な抵抗加熱が得られる。前記した点は、電気加
熱式ハニカム体(EHH)が積層タイプの要素ハニカム
体(H1 〜Hn )で構成される場合についても同様にい
えることである。
【0019】図1〜図2は、本発明の電気加熱式ハニカ
ム体(EHH)の第一実施例を説明するための図であ
る。図1は電気加熱式ハニカム体(EHH)の正面図で
あり、図2は側面断面図である。図1〜図2に示される
ように、第一実施例の電気加熱式ハニカム体(EHH)
は3個の同心円状の巻回タイプの要素ハニカム体(H1
〜H3 )で構成され、第一と第二の要素ハニカム体(H
1 ,H2 )の間、第二と第三の要素ハニカム体(H2
3 )の間、及び第三要素ハニカム体(H3 )の外周部
にそれぞれ電気絶縁体(I1 ,I2 ,I3 )が配設され
るとともに、中心部に電極材B1 が配設される。
【0020】各要素ハニカム体(H1 〜H3 )は、図1
においては一部しか示されていないが、薄肉金属板製の
平板状帯材(1)と波板状帯材(2)を相互に当接する
ように重積し、これを巻回成形して製作した巻回タイプ
のものである。なお、前記平板状帯材(1)と波板状帯
材(2)の巻回成形により図1に示されるように多数の
排気ガスの網目状通気孔路(セル)(3)が自動的に形
成される。本発明において、各要素ハニカム体(H1
n )の間に配設される電気絶縁体(I1 〜In )とし
ては、耐高温性の絶縁材であれば特に制限がなく、例え
ばセラミックス製シート、セラミックス製ハニカム材な
どが使用される。
【0021】本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)
は、図2で示される態様により外部電源部(4)に接続
すればよい。即ち、電源部(4)の(+)極からのリー
ド線(41)を、第一要素ハニカム体(H1 )の中心部に
配設された中心部電極材(B1 )に接続し、電気絶縁体
(I1 〜I2 )を介して隣接する各要素ハニカム体(H
1 〜H3 )は通電チャンネルが最長になるように電気的
に直列に接続し、最後の要素ハニカム体(H3 )をリー
ド線(42)により外部電極部(4)の(−)極に配線す
ればよい。
【0022】本発明において、前記電気加熱式ハニカム
体(EHH)を構成する各要素ハニカム体(H1
n )を製作するために使用される平板状帯材(1)と
しては、通常のメタルモノリスタイプの主触媒担持母体
(MC)の製作に使用されている帯材、例えばクロム鋼
(クロム13〜25%)、Fe−Cr 20%−Al 5%
などの耐熱性のステンレス鋼、あるいはこれに耐酸化性
を改善するために希土類を加えた耐熱性のステンレス鋼
などの厚さ0.04mm〜0.1mmの帯材を使用する。ま
た、波板状帯材(2)として、前記平板状帯材(1)か
ら所定の略正弦波、略三角波もしくは略台形波を有する
ように波付加工したものが使用される。このほか、ハニ
カム体(H)の高温下での通電性を考慮してNi−Cr
合金、Ni−Cr−Fe合金、Ni−Cr−Al−Fe
合金なども使用される。
【0023】特に、本発明においては、後述するように
電気加熱式ハニカム体(EHH)のヒータ特性を向上さ
せるために、各要素ハニカム体(H1 〜Hn )の壁面に
排気ガス浄化用触媒を担持させて使用することができる
ものであり、該要素ハニカム体(H1 〜Hn )を構成す
る部材、即ち平板状帯材(1)と波板状帯材(2)にA
lを含有させたものやあるいはその表面にAl層を設け
たものを熱処理して、その表面にウィスカー状もしくは
マッシュルーム状のアルミナ(Al2 3 )を析出させ
たものが好ましい。前記ウィスカー状などのアルミナ層
は、後述するようにPt,Pd,Rhなどの排気ガス浄
化用触媒を担持するためのウォッシュコート層を強固に
保持することができるので好ましいものである。
【0024】前記したように、本発明の電気加熱式ハニ
カム体(EHH)においては、そのヒータ特性(加熱特
性)を向上させるために、電気加熱式ハニカム体(EH
H)の主要な構成要素であるハニカム体(H)の壁面に
排気ガス浄化用触媒を担持させて使用することができる
ものである。周知のように、排気ガス中のHC(炭化水
素化合物)やCO(一酸化炭素)は、酸化触媒(Pt,
Pd,Cr,V,Cuなど)のもとで発熱反応によりC
2やH2 Oに無害化される。また、理論空燃比近傍で
排気ガス中に排出されるHC,CO及びNOx を同時に
浄化する酸化還元(三元)触媒(Pt−Rh系,Pt−
Pd−Rh系など)はよく知られているものであり、こ
れら排気ガス成分はCO2 やH2 Oに酸化されたりN2
に還元されたりする。なお、三元触媒系でも全体的には
発熱的に触媒反応が進行する。
【0025】本発明において、各要素ハニカム体(H1
〜Hn )の側に排気ガスの浄化用触媒を担持する意味
は、排気ガス浄化装置(A)全体の浄化能を向上させる
一方、前記したように触媒反応に基づく発熱量の有効活
用にあり、この発熱量をヒータ特性の向上に使うという
点にある。本発明において、各要素ハニカム体(H1
n )の壁面に担持させる触媒としては、前記した触媒
反応からわかるように発熱量の大きさからみて酸化触媒
が好ましいが、酸化還元触媒であってもよい。なお、こ
れら触媒成分を担持させる方法は、後述する主触媒(M
C)のところで説明する。
【0026】本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)
と外部電源部(4)の配設関係(通電接続)は、図2に
より説明したが、排気ガス浄化装置(A)の全体からみ
たときは図4のように行なえばよい。本発明において、
図示されていないが、外部電源部(4)から電極材(B
1 )への電力供給は、タイマーで時間を限っておこなっ
てもよいし、あるいはハニカム体の所望の部位に取付け
たセンサー(熱電対など)によりハニカム体の温度や排
気ガス温度を測定して所望の設定値でオンーオフされる
ようにしてもよく、その態様に何等の制限を受けるもの
ではない。また、外部電源部(4)として直流電源を例
示したが、交流電源であってもよいことはいうまでもな
いことである。
【0027】図3は、本発明の電気加熱式ハニカム体
(EHH)の第二実施例を説明するための図である。図
3は、電気加熱式ハニカム体(EHH)の正面図であ
り、図1に対応するものである。図3に示されるよう
に、第二実施例の電気加熱式ハニカム体(EHH)は、
4個の階層タイプの要素ハニカム体(H1 〜H4 )で構
成され、第一と第二の要素ハニカム体(H1 ,H2 )の
間、第二と第三の要素ハニカム体(H2 ,H3 )の間、
及び第三と第四の要素ハニカム体(H3 ,H4 )の間に
それぞれ電気絶縁体(I1 ,I2 ,I3 )が配設され
る。
【0028】各要素ハニカム体(H1 〜H4 )は、図3
においては一部しか示されていないが、薄肉金属板製の
平板状帯材(1)と波板状帯材(2)を交互に階層状に
積層して製作される階層タイプのものである。なお、前
記平板状帯材(1)と波板状帯材(2)の交互の積層に
より図3に示されるように多数の排気ガスの網目状通気
孔路(セル)(3)が自動的に形成される。
【0029】第二実施例において、電気加熱式ハニカム
体(EHH)は、図3に示される態様で外部電源部
(4)に接続すればよい。第一実施例と同様、各要素ハ
ニカム体(H1 〜Hn )は通電チャンネルが最長になる
ように電気的に直列に接続すればよい。なお、図3に
は、図1と相違して板状のB2 〜B5 の電極材が示され
ているが、一部を省略してもよいことはいうまでもない
ことである。
【0030】本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)
は、図4に示されるように一般的には主触媒(MC)の
前部に配設されて使用されるものである。以下、主触媒
(MC)について説明する。排気ガス浄化装置(A)の
もう一方の主要な構成要素である主触媒(MC)は、セ
ラミックス製モノリスタイプのものであってもよく、あ
るいは金属(メタル)製モノリスタイプのものであって
もよい。これらは、常法に従って製作すればよく、例え
ば主触媒(MC)の前駆体である主触媒担持母体を製作
し、これに排気ガス浄化用触媒を担持させればよい。以
下に、金属(メタル)製モノリスタイプの主触媒担持母
体の製法を説明するが、本発明に適用できる主触媒担持
母体はこれらに限定されない。なお、触媒の担持法は後
述する。
【0031】まず、断面形状が円形の巻回タイプの主触
媒担持母体がある。これは耐熱性で薄肉金属板製の平板
状帯材(1)と波板状帯材(2)を相互に当接するよう
に重積し、これを一括渦巻状に巻回積層して製作され
る。巻回積層により排気ガスの通路となる多数の網目状
通気孔路(セル)(3)が自動的に形成される。前記し
た電気加熱式ハニカム体(EHH)の主要な構成要素で
ある巻回タイプの各要素ハニカム体(H1 〜Hn )も、
この方式により製作されるものである。より具体的に
は、次のようにして製作すればよい。Fe−Cr 20
%−Al 5%−Ce 0.02%の耐熱鋼の厚さ0.
04mm、幅38mmの薄肉鋼帯からなる平板状帯材をフォ
ーミングギアの間を通過させ、ピッチ幅(3.0mm) ,波高
(1.4mm) の波板状帯材とする。次いで、前記平板状帯材
と該平板状帯材を波付加工して製作した波板状帯材を相
互に重積し、スリット入り巻回成形棒のスリット部にそ
の端部を挿入し、一括巻回積層して、例えば軸方向に多
数の網目状通気孔路(セル密度 300cpsi)を有する外径
70mmのメタル製主触媒担持母体とすればよい。
【0032】次に、断面形状が円形の階層タイプの主触
媒担持母体がある。これは耐熱性で薄肉金属板製の平板
状帯材(1)波板状帯材(2)を相互に当接するように
階層状に重積して製作される。
【0033】断面形状が円形の放射状タイプの主触媒担
持母体がある。これは耐熱性で薄肉金属板製の平板状帯
材(1)と波板状帯材(2)を当接させて浄化エレメン
ト(E)とし、該浄化エレメント(E)の所望の数を固
定軸(S)を起点として放射状に外延させて製作され
る。
【0034】断面形状が円形のS字状タイプの主触媒担
持母体がある。これは耐熱性で薄肉金属板製の平板状帯
材と波板状帯材を当接させて浄化エレメント(E)と
し、該浄化エレメント(E)を最外面が平板状帯材とな
るように階層状に重積するとともに、上下両最外面に設
定された二つの固定点(S1 ,S2 )を中心に各浄化エ
レメント(E)を逆向きに折曲げて、即ち各浄化エレメ
ント(E)を略S字状カーブに変曲させて製作される。
【0035】以上のようにして製作される各種構造の主
触媒担持母体に、Pt,Pd,Rhなどの排気ガス浄化
用触媒を担持させるためには、通常の方法を採用すれば
よい。例えば、まず、前記触媒をハニカム構造の主触媒
担持母体の壁面に担持させるための触媒担持層を形成す
る。これには、活性アルミナ(r−Al2 3 )粉末と
アルミナゾルを配合したスラリーを塗布し、これを60
0℃に加熱処理すればよい。次いで、このようにして形
成された触媒担持層にPt,Pd,Rh触媒などの触媒
を担持させるためには、含浸処理などの通常の方法を採
用して触媒成分を担持させればよい。以上のようにして
主触媒(MC)が製作される。
【0036】本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)
は、一般的には図4に示されるように排気ガス浄化装置
(A)を製作するために前記した主触媒(MC)と共に
金属製ケース(C)内に固着されるものである。このよ
うな金属製ケース(C)は、前記電気加熱式ハニカム体
(EHH)と主触媒(MC)を内部に収容し固着するた
めものもであり、両端が開口しているものであれば、そ
の形状に何らの制約を受けるものではない。金属製ケー
ス(C)の素材として、前記主触媒担持母体と同種の耐
熱鋼を用いてもよいし、更に耐熱耐食性に富むものを用
いてもよい。また、外側部分の金属材料を内側部分より
耐熱耐食性に富むものとした二重構造のもの、具体的に
は内側部分にフェライト系ステンレス鋼を、外側部分に
オーステナイト系ステンレス鋼を使用したものを用いて
もよい。
【0037】
【発明の効果】本発明の電気加熱式ハニカム体(EH
H)は、一般的には排気ガス浄化装置(A)の主要な構
成要素(プレキャタライザー)として金属製ケース(C
1 )内において主触媒(MC)の上流側に配設されて使
用されるものであるが、前記主触媒(MC)に代替して
(メインキャラタライザーとして)使用することもでき
る。そして、本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)
において、その主要な構成要素である要素ハニカム体
(H1 〜Hn )は、通電時に内部の温度分布が均一でか
つ十分な抵抗加熱が得られるように新規なろう付手段を
採用している。更に、該ハニカム体(H)は、ヒータ特
性(加熱特性)を向上させるために、その壁面に排気ガ
ス浄化用触媒を担持させることができる。
【0038】従って、本発明においては次のような優れ
た効果が達成される。 (1) 排気ガスが電気加熱式ハニカム体(EHH)におい
て均一に、かつ触媒反応に好適な温度に加熱昇温される
ため、排気ガス処理において特に問題となるゴールドス
タート時の排気ガス浄化能力を大幅に改善することがで
きる。 (2) 電気加熱式ハニカム体(EHH)の要素ハニカム体
(H1 〜Hn )に排気ガス浄化用の触媒を担持する場
合、ヒータ特性の向上はもとより排気ガス浄化装置
(A)全体の排気ガス浄化能を向上させることができ
る。 (3) 電気加熱式ハニカム体(EHH)の構成部材が局部
的に加熱されることがないため、部材劣化に伴う耐振耐
久性(機械的強度)の低下を防止することができる。 (4) 電気加熱式ハニカム体(EHH)それ自体がヒータ
となるため、別途にヒータ材を製作し、配設しなくても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例の電気加熱式ハニカム体
(EHH)の正面図である。
【図2】 本発明の第一実施例の電気加熱式ハニカム体
(EHH)の側面断面図である。
【図3】 本発明の第二実施例の電気加熱式ハニカム体
(EHH)の正面図である。
【図4】 本発明の電気加熱式ハニカム体(EHH)を
組込んだ排気ガス浄化装置の一部を省略した断面図であ
る。
【符号の説明】
A……………… 排気ガス浄化装置 MC…………… 主触媒 EHH………… 電気加熱式ハニカム体 H1 ,H2 …… 電気加熱式ハニカム体を構成する要素
ハニカム体 B1 ,B2 …… 絶縁材 I1 ,I2 …… 電極材 C……………… ケーシング F……………… 排気ガス流方向 1……………… 平板状帯材 2……………… 波板状帯材 3……………… セル(網目状通気孔路) 4……………… 外部電源部 41,42…… リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/20 ZAB K 3/24 ZAB L 3/28 301 H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材
    を相互に当接するように重積して製作した少なくとも二
    つ以上の要素ハニカム体(H1 〜Hn )からなる電気加
    熱式ハニカム体において、 (i)各要素ハニカム体(H1 〜Hn )が、絶縁材を介し
    て隣接したものであり、かつ(ii)各要素ハニカム体(H
    1 〜Hn )が、電気的に直列に接続したものである、こ
    とを特徴とする電気加熱式ハニカム体。
  2. 【請求項2】 第1要素ハニカム体(H1 )と最終要素
    ハニカム体(Hn )が、それぞれ外部の電源部に接続し
    たものである請求項1に記載の電気加熱式ハニカム体。
  3. 【請求項3】 各要素ハニカム体(H1 〜Hn )が、平
    板状帯材と波板状帯材を巻回状に重積された巻回タイプ
    のハニカム体であり、かつ各要素ハニカム体(H1 〜H
    n )が同心円状に管状絶縁材を介して隣接したものであ
    る請求項1に記載の電気加熱式ハニカム体。
  4. 【請求項4】 各要素ハニカム体(H1 〜Hn )が、平
    板状帯材と波板状帯材を階層状に重積された階層タイプ
    のハニカム体であり、かつ各要素ハニカム体(H1 〜H
    n )が縦方向または横方向に板状の絶縁材を介して隣接
    したものである請求項1に記載の電気加熱式ハニカム
    体。
  5. 【請求項5】 各要素ハニカム体(H1 〜Hn )が巻回
    タイプのハニカム体であるとき、中心部の第1ハニカム
    体(H1 )の中央部に棒状の電極材を配設したものであ
    る請求項3に記載の電気加熱式ハニカム体。
  6. 【請求項6】 各要素ハニカム体(H1 〜Hn )が階層
    タイプのハニカム体であるとき、少なくとも第1ハニカ
    ム体(H1 )と最終ハニカム体(Hn )の両端部に板状
    の端部電極材を配設したものである請求項4に記載の電
    気加熱式ハニカム体。
  7. 【請求項7】 各要素ハニカム体が、排気ガス浄化用の
    酸化触媒を担持したものである請求項1に記載の電気加
    熱式ハニカム体。
  8. 【請求項8】 各要素ハニカム体が、排気ガス浄化用の
    酸化還元触媒を担持したものである請求項1に記載の電
    気加熱式ハニカム体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009279482A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Gifu Univ 揮発性有機化合物処理装置

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