JPH07166848A - 通電発熱式メタル担体 - Google Patents

通電発熱式メタル担体

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JPH07166848A
JPH07166848A JP5343342A JP34334293A JPH07166848A JP H07166848 A JPH07166848 A JP H07166848A JP 5343342 A JP5343342 A JP 5343342A JP 34334293 A JP34334293 A JP 34334293A JP H07166848 A JPH07166848 A JP H07166848A
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JP
Japan
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metal
hollow tube
electric heating
heating type
metal carrier
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JP5343342A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Usui
正佳 臼井
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Publication date
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の高価な平板及び/又は波板状帯材(箔
材)から成るメタルハニカム体を主要な構成要素とする
通電発熱式メタル担体に対し、経済性に優れるとともに
耐熱性、発熱特性などに優れる新しい構造の通電発熱式
メタル担体を提供する。 【構成】 外部電源部に接続されて発熱する通電発熱式
メタル担体において、前記メタル担体が、(i) 筒状のメ
タルケーシング内に所望本数の任意断面形状を有する金
属製細径中空チューブがメタルワイヤーをもって配列、
固定されるとともに、(ii)メタルケーシング内の所望部
位の所望本数の前記細径中空チューブが外部電源部に接
続されて構成されたもの、であることを特徴とした通電
発熱式メタル担体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、自動車の排気
ガス浄化手段として排気管系統に介装されて使用される
排気ガス浄化用装置に適用される発熱式のメタル担体に
関する。更に詳しくは、本発明は、この種の排気ガス浄
化装置における大きな欠点、即ちエンジン始動時(コー
ルドスタート時)の排気ガスの低浄化率の問題を改善す
るために、排気ガス浄化装置に組み込まれて使用される
通電発熱式メタル担体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の排気ガス浄化装置におい
て、その主要な構成要素である触媒担持母体(主触媒、
触媒コンバータとも言われる。)として、コーディエラ
イトなどのセラミックス材を用いたセラミックス製のモ
ノリスタイプのものと、金属(メタル)製のモノリスタ
イプのものが知られている。特に最近においては、機械
的強度、耐久性、電気抵抗、浄化効率、装置の小型化、
などの観点から金属製のモノリスタイプのものが盛んに
研究されている。なお、以下の説明においては、説明の
便宜のために後者の金属製モノリスタイプのものを主と
して説明する。
【0003】排気ガス浄化装置の主要な構成要素である
金属製モノリスタイプの触媒担持母体(主触媒)は、一
般に耐熱性の薄肉鋼板からの平板状帯材と前記薄肉鋼板
を波付形成した波板状帯材とを、相互に当接部を有する
ように重積し、これを一括渦巻状に巻回積層して製作し
た軸方向に排気ガス通路のための多数の網目状通気孔路
(以下、セルという。)を有するハニカム構造としたも
の(以下、メタルハニカム体という。)と、前記メタル
ハニカム体を填装し固着するための両端が開口した筒状
の金属製ケーシング(メタルケーシング)とから構成さ
れている。そして、前記メタルハニカム体とメタルケー
シングとは、排気ガス自体の高温度及び排気ガスと排気
ガス浄化用触媒との発熱反応による高い温度雰囲気下で
生起する熱膨張や熱的応力に耐え得るように、また自動
車走行時の激しい振動に耐え得るようにろう接または溶
接などにより強固に固着される。なお、メタルハニカム
体を構成する平板状帯材と波板状帯材の当接部は種々の
方法により固着されることはいうまでもないことであ
る。
【0004】前記メタルハニカム体として、前記した巻
回タイプのもの以外に、平板状帯材と波板状帯材からメ
タルハニカム体を製作する方法の相違により、各種のも
のが提案されている。例えば、両帯材を階層状に積層し
た積層タイプのもの、このほか、特開昭62−2730
50号、特開昭62−273051号、特開平1−21
8637号、特公表3−502660号、特開平4−2
27855号などに、放射状タイプ、S字状タイプ、巴
状タイプ、X−ラップ(卍状)タイプなどのメタルハニ
カム体が提案されている。
【0005】この種の排気ガス浄化装置における大きな
問題点は、次の点にある。即ち、エンジン始動(コール
ドスタート時)において、メタルハニカム体の壁面に担
持された、Pt,Pd,Rhなどの排気ガス浄化用触媒
が、排気ガスと効率的に触媒反応を起こす最適な温度条
件に達していないことであり、例えば自動車エンジンか
ら排出されるCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素化合
物)などの有害な物質のほとんどが浄化されずに大気中
に放出されてしまうという点にある。そして、この点は
公害規制の観点から問題にされようとしている。
【0006】前記したエンジン始動時(コールドスター
ト時)の問題点を解決するために、従来より種々の提案
がなされている。例えば、(i) 実開昭63−67609
号には、セラミックス製モノリスタイプを触媒担持母体
(主触媒)としたものにおいて、該触媒担持母体の排気
ガス上流側の近傍部位に、予めハニカム状に製作した巻
回タイプのメタル担体にアルミナをコートし、かつ通電
可能とされたメタルモノリス触媒を配設する方式、(ii)
実開平61−10022号や実開平2−94316号
には、触媒本体の前面部にヒータを配設したり外周部に
遠赤外線ヒータを配設する方式、(iii) 特開平2−27
7916号には、波板状帯材の所望枚数を蛇腹状に折り
畳んで1つの束体とし、該束体の隣接する層間に電気絶
縁体を配設するとともに束体の各部に電気接点を固定す
る方式、(iv) 実開平3−72593号には、通電発熱
式のメタルハニカム体を波板状帯材のみで放射状タイプ
やS字状タイプに構成する方式、などが提案されてい
る。
【0007】しかしながら、これら従来の提案におい
て、ヒータ機能を有するハニカム体や加熱媒体を主触媒
の前面側に配設するものは主触媒を十分に高く昇温させ
て触媒反応を効率的に行なわしめるという要請からみる
と、昇温温度が不十分でかつ昇温の温度分布が不均一で
あったり、解決のためにコストアップを強いられたりす
るものである。また、メタルハニカム体自体を通電発熱
式にするものにおいては、その強度や耐久性が不十分で
あったり、所要の抵抗発熱量を得るための抵抗値を得る
のに満足のいくものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、前記した
従来のヒータ機能を有するメタルハニカム体にみられる
問題点を解決すべくなされたものである。
【0009】本発明は、従来の高価な平板状帯材(箔
材)と波板状帯材(箔材)から成るハニカム構造のメタ
ルハニカム体を主要な構成要素を有する金属製の触媒担
持母体(以下、メタル担体という。)に対して、価格競
争力はもとより諸特性を向上させるという観点から本発
明者らが発案した帯材(箔材)を使用しない新規な構造
の金属製触媒担持母体(メタル担体)をベースとするも
のである。即ち、本発明者らは、高価な平板状帯材(箔
材)と波板状帯材(箔材)を使用せず、メタル担体をメ
タルケーシング内に多数本の金属製細径中空チューブを
メタルワイヤー材で配列、固定して構成することによ
り、前記した価格競争力はもとより、排気ガスの浄化特
性などの諸特性を向上させることが出来るという知見を
見い出した。
【0010】本発明は前記本発明者らの発案をベースと
するものであり、メタルケーシング内にメタルワイヤー
材を介して配設、固定される金属製の細径中空チューブ
が、電力の供給体として、またメタル担体内の所定部位
の加熱などに好適な形態のものであることからして、前
記本発明者らの発案を通電発熱式メタル担体に発展させ
たものである。本発明により、コールドスタート時に触
媒を十分に活性化温度に加熱するための抵抗発熱量を確
保することができ、耐久性や加熱部位の選択性など優れ
た特性を有する通電発熱式のメタル担体が提供される。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、外部電源部に接続されて発熱する通電発熱式
メタル担体において、前記メタル担体が、(i) 筒状のメ
タルケーシング内に所望本数の任意断面形状を有する金
属製細径中空チューブがメタルワイヤーをもって配列、
固定されるとともに、(ii) メタルケーシング内の所望
部位の所望本数の前記細径中空チューブが外部電源部に
接続されて構成されたもの、であることを特徴とした通
電発熱式メタル担体に関するものである。
【0012】以下、本発明の技術的構成及び実施態様の
図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は図示の
ものに限定されないことはいうまでもないことである。
【0013】まず、本発明の技術的構成の理解の便宜の
ために、その開発過程について説明する。本発明者ら
は、前記したように(「発明が解決しようとする問題
点」で言及したように)、従来の高価な平板状帯材と波
板状帯材を使用したメタルハニカム体の構造について検
討し、下記の構造のメタル担体を開発するに至った。そ
して、本発明者らは、新たに開発したメタル担体を通電
発熱式のメタル担体に適用した場合、優れた特性を発揮
することを見い出した。
【0014】即ち、本発明者らは、従来の高価な平板状
帯材と波板状帯材から成るハニカム構造のメタルハニカ
ム体に置換し得る新しい構造の排気ガス浄化用触媒を担
持するための担体を検討したところ、メタル担体を、
(1) 筒状のメタルケーシング、(2) 前記メタルケーシン
グ内に配設される所望本数の任意断面形状の金属製細径
中空チューブ、(3) 前記メタルケーシング内に前記細径
中空チューブを配列し、固定するためのメタルワイヤ
ー、で構成したとき、優れた特性が発揮されることを見
い出した。
【0015】即ち、高価な平板及び波板状帯材(箔材)
の使用を排除できることからコストメリットが引き出せ
るとともに、メタル担体内部に発生する大きな熱応力が
細径中空チューブにより吸収、緩和されること、該チュ
ーブの全表面積(細管体の内外表面)を触媒の担持に活
用できること(単位重量当たりの比表面積が大きいこ
と)、細管体間の空間スペースにおいて排気ガスが効率
的に撹拌、乱流化されるためメタル担体内部の温度が均
一化することから均一な排気ガスの浄化及び浄化率の向
上、など優れた特性を有することを見い出した。
【0016】ところで、前記した本発明者らの発案した
前記メタル担体において、前記(2)の技術的構成、即ち
金属製細径中空チューブを主たる排気ガス浄化用触媒の
担体として使用するという技術的構成は、該細径中空チ
ューブを電気的に外部電源部と接続して通電発熱式のも
のとするのに極めて都合の良いことが判る。即ち、各金
属製の細径中空チューブは外部電源部に接続されて抵抗
発熱体となること、各金属製の細径中空チューブは相互
に電気的に絶縁されて配設しやすいこと、などからみ
て、夫々の細径中空チューブの電気的接続の仕方により
所望の抵抗発熱量が得られること、メタル担体内部にお
いて所望部位、例えばメタルケーシングに接する部位あ
るいはその近傍部位などを選択的に通電発熱させること
ができること、などの特性が得られるからである。
【0017】この点、従来の通電発熱式のメタル担体
(MS´)は、図12〜図13に示されるものである。
図12に示されるように、従来の通電発熱式のメタル担
体(MS´)は、平板状帯材(1) と波板状帯材(2) から
形成されるメタルハニカム体(H)が金属製ケーシング
(C)内に填装固着され、リード線(l1 、l2 )を介
して外部電源(B)に接続されて構成される。図12は
従来の通電発熱式メタル担体の斜視図であり、図13は
図12のI−I線断面図である。従って、従来において
はその主要な構成要素としてのメタルハニカム体(H)
が単一体で構成されるため、通電距離を長くし、十分な
抵抗発熱量を確保することが困難なものである。そし
て、従来技術のところで説明したように、メタルハニカ
ム体(H)の構成部材間に絶縁材を介在させることによ
り通電距離を長くするものにおいては、メタルハニカム
体の全体的な強度の点、絶縁材の配設の煩雑さなどの点
から問題を残すものである。
【0018】以下、本発明の通電発熱式メタル担体の実
施態様を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の
外部電源部に接続されて発熱する通電発熱式メタル担体
(MS)の一部を透視し、かつ一部を省略した斜視図で
ある。図示されるように、本発明の通電発熱式メタル担
体(MS)は、耐熱鋼製のメタルケーシング(C)と該
メタルケーシング(C)内に配設される耐熱鋼製の細径
中空チューブ(t)、及び該中空チューブ(t)をメタ
ルケーシング内に配設、固定するためのメタルワイヤー
(W)という三つの構成要素から成るものである。そし
て、前記通電発熱式メタル担体(MS)は、所望部位の
所定本数の細径中空チューブ(t)、図1の場合、チュ
ーブ(t1 )がリード線(l1 、l2 )を介して外部電
子部(B)に電気的に接続されて通電発熱式とされる。
なお、図1には、図を明確化するために金属製の細径中
空チューブ(t)は一部しか示されていない。
【0019】本発明において、細径中空チューブ(t)
の外部電源部(B)への接続態様は、図示のものに限定
されず、種々の変形例が可能である。なお、本発明にお
いて外部電源部(B)は直流であっても交流であっても
よいことはいうまでもないことである。更に、以下の図
面において、細径中空チューブ(t)をメタルケーシン
グ(C)内に相互に電気的に絶縁して配設する態様を図
示しないが、これは公知の所望の絶縁材をもって所定の
態様で行なえばよい。
【0020】本発明の通電発熱式メタル担体(MS)を
構成するメタルケーシング(C)は、図示されるよう
に、前記細径中空チューブ(t)を内部に収容し、かつ
前記メタルワイヤー(W)で前記細径中空チューブ
(t)を固定するのに適した構造のものであればよく、
特段に制約を受けるものではない。メタルケーシング
(C)内で細径中空チューブ(t)を固定する方式は、
任意方式のものであってよい。図1には、メタルケーシ
ング(C)の両端面部においてメタルワイヤー(W)を
クロスに張設し、該メタルワイヤー(W)の間で細径中
空チューブ(t)を保持する態様のものが示されてい
る。図示しないが、メタルケーシング(C)の両端面か
ら所定の長さの部位に外周壁に沿って所定ピッチの穴を
穿設し、これにメタルワイヤー(W)を張設し、このワ
イヤー間で細径中空チューブ(t)を固定してもよい。
【0021】本発明の通電発熱式メタル担体(MS)に
おいて、前記メタルケーシング(C)の素材としては、
図12〜図13で示される従来の通電発熱式メタル担体
(MS´)を構成するメタルハニカム体(H)の製造に
際して使用されているものと同種の耐熱鋼を用いてもよ
いし、更に耐熱耐食性に富むものを用いてもよい。ま
た、外側部分の金属材料を内側部分より更に耐熱耐食性
い富むものとしたい場合、二重構造のもの、具体的には
内側部分にフェライト系ステンレス鋼を、外側部分にオ
ースラナイト系ステンレス鋼を使用したものを用いても
よい。
【0022】本発明の通電発熱式メタル担体(MS)を
構成するメタルワイヤー(W)の素材としては、図12
〜図13で示される従来のメタルハニカム体の製造に際
して使用されている平板状帯材(箔材)または波板状帯
材(箔材)と同等の特性を有するもの、即ち耐高温酸化
性に優れた材質のものが好ましい。例えば、Fe−20
Cr−5Al製、またはこれにREMを添加したものな
どのワイヤー材が使用される。メタルワイヤー(W)の
断面形状は、一般に円形であるが、楕円形、多角形、長
方形などの異形状のものでも良く、あるいはこれらを組
み合わせてもよい。また、偏平状のリボン材であっても
よいことは、いうまでもないことである。前記メタルワ
イヤー(W)の線径、厚みは所望のものでよく、例えば
断面円形の線材の場合、一般に線径として0.05〜
1.0mmのものが使用される。
【0023】次に、本発明の通電発熱式メタル担体(M
S)を構成する任意断面形状の金属製細径中空チューブ
(t)の構成と外部電源部への接続態様について説明す
る。図2は、図1に示される本発明のメタル担体(M
S)に適用されるメタル担体の中央部位に配設される第
一実施態様の細径中空チューブ(t1 )の構造を示すも
のである。第一実施態様の細径中空チューブ(t1
は、図示されるように所望径の円筒状中空チューブであ
り、メタルケーシング(C)の両端面部より突出した長
さのものである。図2には、該細径中空チューブ
(t1 )が、二本のメタルワイヤー(W1 、W 2 )で固
定部(f1 )で固定されることが示されている。前記固
定手段としては、溶接でもろう接、さらには熱拡散処理
による拡散接合など任意のものが採用される。また、後
述するようにメタルワイヤー間で係止させるような機械
的な係止手段であってもよい。そして前記細径中空チュ
ーブ(t1 )の端部は、端子電極板(B1 )(なお、他
端側にB2 が配設される。)、リード線(l1 )を介し
て外部電源部(B)に電気的に接続される。
【0024】本発明の前記細径チューブ(t)は図2に
示されるように、その壁部に長さ方向全長にわたり開口
部をもたない中空チューブのほかに、後述するように壁
部の長さ方向全長にわたり開口部を有するオープンチュ
ーブであってもよい。本発明の前記細径中空チューブ
(t)の素材としては、通常のメタルモノリスタイプの
ハニカム体を構成する平板状帯材あるいは波板状帯材と
同じ材料、例えばクロム鋼、あるいはこれに耐高温酸化
性を改善するために希土類を加えた耐熱性のステンレス
鋼などが使用される。また、高温下での通電性を考慮し
てNi−Cr合金、Ni−Cr−Fe合金、Ni−Cr
−Al−Fe合金なども使用される。
【0025】また、本発明においては、後述する理由に
より通電加熱式メタル担体(MS)のヒータ特性を向上
させるために、細径中空チューブとメタルワイヤーの表
面に排気ガスの浄化用触媒を担持させて使用することも
できる。このような場合、前記細径中空チューブとメタ
ルワイヤーを構成する部材として、Alを含有させたも
のやあるいはその表面にAl層を設けたものを熱処理し
て、その表面にウィスカー状もしくはマッシュルーム状
のアルミナ(Al2 3 )を析出させたものが好まし
い。前記ウィスカー状などのアルミナ層は、Pt,P
d,Rhなどの排気ガス浄化用触媒を担持するためのウ
ォッシュコート層を強固に保持することができるので好
ましいものである。
【0026】前記したように、本発明の通電発熱式メタ
ル担体(MS)においては、そのヒータ特性(加熱特
性)を向上させるために、電気加熱式メタル担体(M
S)を構成する細径中空チューブ(t)やメタルワイヤ
ー(W)の表面に排気ガスの浄化用触媒を担持させて使
用することが出来るものである。なお、このような態様
の場合、通電発熱式メタル担体(MS)自体が主触媒
(メインコンバータ)となるものであり、主触媒用のプ
レヒータ(加熱媒体)を特に設けなくてもよい。周知の
ように、排気ガス中のHC(炭化水素化合物)やCO
(一酸化炭素)は、酸化触媒(Pt,Pd,Cr,V,
Cuなど)のもとで発熱反応によりCO2やH2 Oに無
害化される。また、理論空燃比近傍で排気ガス中に排出
されるHC、CO及びNOX を同時に浄化する酸化還元
(三元)触媒(Pt−Rh系、Pt−Pd−Rh系な
ど)はよく知られているものであり、これら排気ガス成
分はCO2 やH2 Oに酸化されたりN2 に還元されたり
する。なお、三元触媒系でも全体的には発熱的に触媒反
応が進行する。
【0027】本発明において、前記細径中空チューブ
(t)などの側に排気ガスの浄化用触媒を担持する意味
は、排気ガス浄化システム全体の浄化能を向上させる一
方、前記したように触媒反応に基づく発熱量の有効活用
にあり、この発熱量をヒータ特性の向上に使用するとい
う点にある。本発明において、前記細径中空チューブ
(t)などの壁面に担持させる触媒としては、前記した
触媒反応からわかるように発熱量の大きさからみて酸化
触媒が好ましいが、酸化還元(三元触媒)(a three-wa
y catalyst)であってもよい。
【0028】前記したように本発明の通電発熱式メタル
担体(MS)は、主触媒(メインコンバータ)として使
用することができる。この場合、細径中空チューブ
(t)の使用本数は、排気ガスの目標浄化能などの観点
から適宜、決めればよい。例えば、図12〜図13に示
される従来の平板状帯材と波板状帯材とで構成される巻
回または積層タイプのメタルハニカム体と同程度の排気
ガス浄化能を達成するためには、次の使用本数の設定値
が参考になる。例えば、φ60.5mm、長さ40mmの円筒状の
巻回タイプのメタルハニカム体(箔の厚さ50μm 、セ
ル密度200cpsi)と同等の浄化能を達成するために
は、本発明のメタル担体は、排気ガス浄化用触媒に対し
て同等の担持表面積をもつことが必要である。この場
合、円筒状細径中空チューブ(t)として、内径1.4
mm、外径1.5mm、長さ40mmのものを使用すると、使
用する本数は720本である。また、円筒状細径中空チ
ューブ(t)として、内径1.0mm、外径1.1mm、長
さ40mmのものを使用すると、使用する本数は1040
本である。
【0029】図3〜図4は、本発明の通電発熱式メタル
担体(MS)に適用される第二実施態様の細径中空チュ
ーブ(t2 )を説明する図である。第二実施態様の細径
中空チューブ(t2 )は、円筒状チューブのものであ
り、所望部位にメタルワイヤー(W)による固定部とし
て凹部(f2 )を有するものである。前記細径チューブ
(t2 )は、凹部(f2 )において、二枚のリボン状ワ
イヤー(W3 、W4 )により係止固定されるだけでな
く、更に該凹部(f2 )において溶接、ろう接などの固
着手段を適用してもよい。
【0030】図5は、本発明の通電発熱式メタル担体
(MS)に適用される第三実施態様の細径中空チューブ
(t3 )を説明する図である。第三実施態様の細径中空
チューブ(t3 )は、円筒状チューブのものであり、所
望部位にメタルワイヤー(W)による固定部として、チ
ューブ側部に切欠部(f3 )を有するものである。
【0031】図6は、本発明の通電発熱式メタル担体
(MS)に適用される第四実施態様の細径中空チューブ
(t4 )を説明する図である。第三実施態様の細径中空
チューブ(t4 )は、円筒状で凹凸蛇腹状の周壁部を有
するチューブのものであり、メタルワイヤー(W)によ
る固定部(f4 )は、前記凹凸の蛇腹部となる。なお、
第三実施態様の細径中空チューブ(t4 )においては、
その外周壁が凹凸蛇腹状であるため、表面積が円筒状の
ものより大きくなるため触媒担持量を増大させることが
出来る。
【0032】図7は、本発明の通電発熱式メタル担体
(MS)に適用される第五実施態様の細径中空チューブ
(t5 )を説明する図である。第五実施態様の細径中空
チューブ(t5 )は、円筒状チューブのものであり、メ
タルワイヤー(W)による固定部として、チューブの両
端面部の壁部に1/4周毎に形成された切欠部(f5
を有するものである。
【0033】本発明の通電発熱式メタル担体(MS)に
適用される細径中空チューブ(t)としては、前記した
断面形状が円形のものに限定されず、所望形状のもので
あってもよい。図8は、第六実施態様の細径中空チュー
ブ(t6 )を示し、その断面形状は菱形である。図9
は、第七実施態様の細径中空チューブ(t7 )を示し、
その断面形状は六角形である。
【0034】本発明の通電発熱式メタル担体(MS)に
適用される細径中空チューブ(t)の構造としては、更
に他の変形例がある。本発明の細径中空チューブ(t)
はオープンチューブを包含する。前記オープンチューブ
とは、チューブ(管体)外壁部に一条のスリット(空間
溝)があるものをいう。そして、前記オープンチューブ
には、薄板材を巻回し巻回最終端をオープンにして製作
された管状体が含まれる。前記したオープンチューブの
例示として、図10は第八実施態様の細径中空チューブ
(t8 )を示し、図11は第九実施態様の細径中空チュ
ーブ(t9 )を示すものである。なお、図10のもの
は、図2に対応するオープンチューブであるが、本発明
の細径中空チューブは図3〜図9に対応するオープンチ
ューブであってもよいことはいうまでもないことであ
る。
【0035】本発明において、前記細径中空チューブ
(t)の構造及びその配設方式としては、種々の変形例
が可能である。例えば、図示しないが、メタル担体(M
S)の中央部に他部と比較して小径のものを配設した
り、あるいは配設密度を高くしたりしてもよい。また、
細径中空チューブ(t)の配設方式として、縦方向のみ
または横方向にのみ配設されたメタルワイヤーの間に配
設してもよい。この場合、上下間または左右間で各細径
中空チューブ(t)を当接させてもよく、あるいは所望
の間隙を設けるようにしてもよい。特に、所望の発熱温
度、発熱量を得るために、通電経路を長くすることが好
ましく、そのために細径中空チューブとメタルワイヤー
の導通、絶縁を組合わせて配設すればよい。例えば、絶
縁方法として、セラミック材をはさんだり、無機質材の
コーティングを施こしたりすればよい。
【0036】
【発明の効果】本発明の通電発熱式メタル担体(MS)
は、従来のメタルハニカム体を主要な構成要素とする通
電発熱式のメタル担体と比較して、以下のような優れた
効果を奏する。本発明の通電発熱式のメタル担体は、メ
タルケーシング内にメタルワイヤー材をもって配列固定
された複数本の金属製細径中空チューブを主要な構成要
素とするため、前記各細径中空チューブが外部電源部に
電気的に接続されて抵抗発熱体となること、かつ前記各
細径中空チューブを相互に電気的に絶縁された状態で配
設しやすいことからみて、 ・夫々の細径中空チューブの電気的接続の仕方により所
望の抵抗発熱量を得ることが出来ること、また、 ・メタル担体内部において、所望部位、例えばメタル担
体の中心部と比較して低温になりやすいメタル担体の外
周部を選択的に通電発熱させることが容易であること、 など、設計の自由度をもって排気ガス系統に最適な通電
発熱式メタル担体を提供することが出来る。
【0037】このほか、次のような効果を奏する。 ・メタル担体内部に発生する大きな熱応力に基づく変形
力を、前記細径中空チューブ及びメタルワイヤーで効果
的に吸収、緩和させることが出来るため耐久性の優れた
通電発熱式メタル担体が得られる。 ・各細径中空チューブがメタルワイヤーを介して配設、
固定されるため、各細径中空チューブは相互に当接しな
いように空間スペース形成して配設されるため発熱面が
増大するとともに該空間スペースで排気ガスが攪拌、乱
流化、するため排気ガスは均一に加熱される。また、排
気ガスの均一加熱によりメタル担体内部での局所的な熱
応力の発生が抑制される。 ・従来の高価な帯材(箔材)を使用したハニカム構造の
ものと比較して、コストメリットが得られ安価な通電発
熱式メタル担体を提供できる。
【0038】更に、本発明の通電発熱式のメタル担体
は、セラミックタイプモノリスまたはメタルタイプモノ
リスの主触媒(メインコンバータ)の前面側に配設され
て該主触媒のプレヒータとして使用されるだけでなく、
排気ガス浄化用触媒を担持させて主触媒として使用する
ことが出来る。この場合、本発明の通電発熱式メタル担
体(主触媒)は、前記した諸々の効果を享受しながら、
均一な排気ガスの浄化と高い浄化能を達成することが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の通電発熱式メタル担体を示す一部を
透視し、かつ一部を省略した斜視図である。
【図2】 本発明の通電発熱式メタル担体に適用される
第一実施態様の細径中空チューブの構造を説明する図で
ある。
【図3】 本発明の通電発熱式メタル担体に適用される
第二実施態様の細径中空チューブの構造を説明する図で
ある。
【図4】 図3の一部を透視した側面図である。
【図5】 本発明の通電発熱式メタル担体に適用される
第三実施態様の細径中空チューブの構造を説明する図で
ある。
【図6】 本発明の通電発熱式メタル担体に適用される
第四実施態様の細径中空チューブの構造を説明する図で
ある。
【図7】 本発明の通電発熱式メタル担体に適用される
第五実施態様の細径中空チューブの構造を説明する図で
ある。
【図8】 本発明の通電発熱式メタル担体に適用される
第六実施態様の細径中空チューブの構造を説明する図で
ある。
【図9】 本発明の通電発熱式メタル担体に適用される
第七実施態様の細径中空チューブの構造を説明する図で
ある。
【図10】 本発明の通電発熱式メタル担体に適用され
る第八実施態様の細径中空チューブの構造を説明する図
である。
【図11】 本発明の通電発熱式メタル担体に適用され
る第九実施態様の細径中空チューブの構造を説明する図
である。
【図12】 従来の巻回タイプのメタルハニカム体の斜
視図である。
【図13】 従来の積層タイプのメタルハニカム体の斜
視図である。
【符号の説明】
MS ………通電発熱式メタル担体 C ………メタルケーシング t,t1 ,t2 ,t3 ………細径中空チューブ w,w1 ,w2 ,w3 ………メタルワイヤー f,f1 ,f2 ,f3 ………固定部 MS´ ………従来の通電発熱式メタル担
体 H ………従来の通電発熱式メタル担
体を構成するメタルハニカム体 1 ………平板状帯材 2 ………波板状帯材 3 ………網目状通気孔路(セル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 35/04 ZAB Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部電源部に接続されて発熱する通電発
    熱式メタル担体において、前記メタル担体が、 (i) 筒状のメタルケーシング内に所望本数の任意断面形
    状を有する金属製細径中空チューブがメタルワイヤーを
    もって配列、固定されるとともに、 (ii) メタルケーシング内の所望部位の所望本数の前記
    細径中空チューブが外部電源部に接続されて構成された
    もの、であることを特徴とした通電発熱式メタル担体。
  2. 【請求項2】 細径中空チューブが、壁部の長さ方向全
    長にわたり開口部を有するオープンチューブであるか、
    または非オープンチューブである請求項1に記載の通電
    発熱式メタル担体。
  3. 【請求項3】 細径中空チューブが、筒状メタルケーシ
    ングの全長より長く、その両端面から突出しているもの
    である請求項1に記載の通電発熱式メタル担体。
  4. 【請求項4】 細径中空チューブが、筒状メタルケーシ
    ングの両端部に張設されたメタルワイヤーで固定される
    ものである請求項3に記載の通電発熱式メタル担体。
  5. 【請求項5】 細径中空チューブが、メタルワイヤーを
    介して溶接、ろう接、または拡散接合により固定される
    ものである請求項1に記載の通電発熱式メタル担体。
  6. 【請求項6】 細径中空チューブが、メタルワイヤーに
    より機械的に係止される係止部を有するものである請求
    項1に記載の通電発熱式メタル担体。
  7. 【請求項7】 係止部が、チューブ側部に形成された凹
    部、切欠部、及び凹凸部である請求項6に記載の通電発
    熱式メタル担体。
  8. 【請求項8】 係止部が、チューブ端面部に形成された
    切欠部である請求項6に記載の通電発熱式メタル担体。
  9. 【請求項9】 メタルワイヤーが、任意断面形状を有す
    る線材である請求項1に記載の通電発熱式メタル担体。
  10. 【請求項10】 メタルワイヤーが、偏平状のリボン材
    である請求項1に記載の通電発熱式メタル担体。
  11. 【請求項11】 細径中空チューブとメタルワイヤー
    が、その固定部位の一部もしくは全部において、電気的
    に絶縁されたものである請求項1〜10のいずれか1項
    に記載の通電発熱式メタル担体。
JP5343342A 1993-12-17 1993-12-17 通電発熱式メタル担体 Pending JPH07166848A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011106308A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Toyota Motor Corp 排気浄化装置

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