JPH06205984A - Ｘ−ラップタイプのメタルハニカム体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気ガス浄化用触媒を担持するためのＸ−ラ
ップタイプのメタルハニカム体において、特に中心部の
耐久性に優れ、かつ該耐久性の改善に連動して浄化効率
などの種々の点で優れた効果を発揮するＸ−ラップタイ
プのメタルハニカム体を提供する。 【構成】 少なくとも二つのスタック（Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）か
ら構成されるＸ−ラップタイプのメタルハニカム体（Ｘ
Ｈ）において、該メタルハニカム体（ＸＨ）が、(i) 各
スタック（Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）の前記平板状帯材と波板状帯材
の少なくとも一方を、当接端において他のスタックに対
して面状に当接する面状当接端を有するもので構成し、
かつ、(ii) 前記面状当接端を介して各スタック（Ｘ₁
〜Ｘ_n ）の当接端を固着したものである、ことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般に、自動車の排気
ガス浄化手段として排気管系統に介装されて使用される
メタルハニカム体に関する。更に詳しくは、本発明はメ
タルハニカム体、特に排気ガス浄化用触媒を担持するた
めのＸ−ラップタイプのメタルハニカム体において、該
メタルハニカム体の中心部における担持表面積が増大さ
れ、かつ耐久性などが改善されたものを提供しようとす
るものである。

【０００２】

【従来技術】従来、この種の自動車の排気ガス浄化手段
として、セラミックス製のモノリスタイプの排気ガス浄
化用触媒を担持するための担持母体に代ってメタル製の
モノリスタイプのものが注目されて来ている。一般に、
金属製モノリスタイプの排気ガス浄化用の触媒を担持さ
せるための、担持母体、即ちメタル担体は、耐熱性の薄
肉鋼板の平板状帯材と波板状帯材を相互に当接するよう
に重積し、これを一括渦巻状に巻回成形して製作した軸
方向に排気ガス通路のための多数の網目状通気孔路（以
下、セルという。）を有するハニカム状積層体（以下、
メタルハニカム体という。）と、前記メタルハニカム体
を内部に填装し、固着するための両端が開口した筒状の
金属製ケーシングとから構成されるものである。

【０００３】そして、前記メタルハニカム体と金属製ケ
ーシングとは、排気ガス自体の高温度及び排気ガス浄化
用触媒との発熱反応による高い温度雰囲気下で生起する
熱膨張や熱的応力に耐えるように、また自動車走行時の
激しい振動に耐え得るようにろう接または溶接などによ
り強固に固着される。なお、メタルハニカム体を構成す
る平板状帯材と波板状帯材の当接部は種々の方法により
固着されることはいうまでもないことである。

【０００４】前記したメタル担体の主要な構成要素であ
る巻回タイプのメタルハニカム体は、セラミック製のモ
ノリスタイプのものより種々の点で優れているものの、
前記した厳しい熱的条件下で生起する大きな熱応力に対
して、まだ改善の余地を残すものである。特に、金属ケ
ーシングの内壁面と当接するメタルハニカム体の外周部
及びその近傍部位に、過大な熱応力が集積するため、メ
タルハニカム体を構成する平板状帯材や波板状帯材が座
屈したり、破損や亀裂を起し、メタル担体の耐久性を低
下させる。

【０００５】最近、前記した渦巻状巻回タイプのメタル
ハニカム体にかえて、ハニカム構造のメタルハニカム体
を構成する最小単位、即ち当接関係にある一組の平板状
帯材と波板状帯材から成る最小単位において、その最小
単位の端部が夫々、金属ケーシングの内壁面に当接する
構造のメタルハニカム体が提案されている。例えば、特
開昭６２−２７３０５１号、特開平１−２１８６３７
号、特開平４−２２７８５５号などに、Ｓ字状タイプ、
Ｘ−ラップタイプのメタルハニカム体が提案されてい
る。

【０００６】この種のものは、前記した渦巻状巻回タイ
プのメタル担体における一つの最小単位の端部が金属ケ
ーシングの内壁面に当接するのに対し、所定の数の複数
の最小単位の端部が金属ケーシングの内壁面に当接する
ため、各端部において熱応力を吸収、緩和させることが
出来、耐久性を向上させることができる。なお、前記メ
タルハニカム体の各種形状は、次のように規定されるも
のである。メタルハニカム体の最小単位、即ち平板状帯
材と波板状帯材の一つの積層単位に注目したとき、メタ
ルハニカム体の正面からみて該最小単位がＳ字状に湾曲
しているものをＳ字状タイプという。また、該最小単位
を所望の段数に積重ねたブロックを一端部で当接させ、
典型的には四個のブロックを当接させ、該当接部で同一
方向に各ブロックを巻回したとき、四個のブロックがＸ
字状（巴状）に巻回するので、この種のメタル担体をＸ
−ラップタイプという。

【０００７】しかしながら、前記した渦巻状巻回タイプ
でないＳ字状タイプ及びＸ−ラップタイプのメタルハニ
カム体においては、次の欠点を有するものである。 (i) Ｓ字状タイプのものにあっては、平板状帯材と波板
状帯材とから成る最小単位において、必ず１８０゜反転
する部位が存在し、加工応力の印加により特に波板状帯
材の波形が変形してしまい均一なセルを有するメタルハ
ニカム体を製作することができない。また、(ii) Ｘ−
ラップタイプのものにあっては、中心部における各ブロ
ックの当接部の当接態様が、一つのブロックの平板状帯
材に対し、即ち一つのブロックの平面に対し、他のブロ
ックを構成する各平板状帯材と波板状帯材の端部を当接
させるようにおこなわれるものである。別言すれば、一
つのブロックの平板状帯材に対し、他のブロックは、該
ブロックを構成する各帯材の端部がエッジ部で、例えば
点状に当接、かつろう接などにより固着される。従っ
て、各ブロック同士の当接、固着が十分なものでなく、
当接部に熱応力に基づく変形力や振動などが印加される
とその耐久性が大きく損なわれる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】前記したように、メタ
ル担体の主要な構成要素であるメタルハニカム体が渦巻
状巻回タイプのメタルハニカム体以外のものにおいて、
特にＸ−ラップタイプのメタルハニカム体において、そ
の構造上、中心部の耐久性については特段の配慮がなさ
れなければならないものである。本発明は、Ｘ−ラップ
タイプのメタルハニカム体の中心部において、耐久性を
向上させる手段を講じ、耐久性に優れたＸ−ラップタイ
プのメタルハニカム体を提供しようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材を交互
に所望段数に積重ねた少なくとも二つのスタック（Ｘ₁
〜Ｘ_n ）から構成される排気ガス浄化用触媒を担持する
ためのＸ−ラップタイプのメタルハニカム体（ＸＨ）に
おいて、前記Ｘ−ラップタイプのメタルハニカム体（Ｘ
Ｈ）が、(i) 各スタック（Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）として、夫々の
中央部に切欠嵌合部を有するものであって、前記切欠嵌
合部において各スタックが相互に嵌合され、かつ嵌合組
合わせてメタルハニカム体（ＸＨ）としたときに、該メ
タルハニカム体（ＸＨ）の前面部と後面部を形成するこ
とができる形状の切欠嵌合部を有するもので構成し、(i
i) 前記各スタック（Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）を、前記切欠嵌合部
において相互に嵌合組合わせ、前記切欠嵌合部を巻回形
成の中心として同一方向に巻回成形して構成されたもの
である、ことを特徴とするＸ−ラップタイプのメタルハ
ニカム体に関するものである。

【００１０】以下、本発明の技術的構成及び実施態様を
図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は、図示
のものに限定されないことはいうまでもないことであ
る。

【００１１】まず、本発明が改善の対象としている従来
のＸ−ラップタイプのメタル担体について、図面を参照
して説明する。この種のＸ−ラップタイプのメタル担体
（ＭＣ′）は、図８に示されるものである。即ち、Ｘ−
ラップタイプのメタル担体（ＭＣ′）は、Ｘ−ラップタ
イプのメタルハニカム体（ＸＨ）と、該ハニカム体（Ｘ
Ｈ′）を内部に収容し、固着するための金属製ケーシン
グ（Ｃ′）とから構成される。なお、図９は、Ｘ−ラッ
プタイプのメタルハニカム体（ＸＨ′）の中心部の拡大
図である。本発明に係わるＸ−ラップタイプのメタル担
体の断面形状、構造は図８のものに限定されず、例えば
特開平４−２２７８５５号などに開示されたものが対象
となる。前記した従来のＸ−ラップタイプのメタル担体
（ＭＣ′）の主要な構成要素であるメタルハニカム体
（ＸＨ′）は、（イ）薄肉金属板製の平板状帯材と波板
状帯材を交互に所望段数に積み重ねて少なくとも二つ以
上の複数のスタック（stack ）を形成し、（ロ）前記各
スタックを一端で相互に所望の治具等を用いて当接さ
せ、（ハ）次いで当接体を同一方向に巻回成形する、と
いう製作工程により製作されるものである。図８のもの
は、（イ）の段階で４個のスタック（Ｘ′₁ 〜Ｘ′₄ ）
を形成し、（ロ）の段階で各スタックの一端を９０°の
交角をもって当接させ、（ハ）の段階で巻回成形してＸ
−ラップタイプのメタルハニカム体（ＸＨ′）としたも
のである。

【００１２】前記した従来のＸ−ラップタイプのメタル
ハニカム体（ＸＨ′）は、金属ケーシング（Ｃ）（図８
参照）に当接する部位及びその近傍部位の耐久性は、前
記した理由により改善されるものの、その中心部におい
て、次のような欠点を有するものである。即ち、Ｘ−ラ
ップタイプのメタル担体（ＸＨ′）の中心部において
は、図９に示されるように、例えば第１スタック（Ｘ′
₁ ）と第４スタック（Ｘ′₄ ）に注目すると、第１スタ
ック（Ｘ′₁ ）の当接端は、第４スタック（Ｘ′₄ ）を
構成する平板状帯材（箔材）に直角に当接するものであ
る。

【００１３】しかしながら、前記当接部をミクロ的にみ
ると、第１スタック（Ｘ′₁ ）の各平板状帯材（１′）
と各波板状帯材（２′）の当接部のエッジ部は、第４ス
タック（Ｘ′₄ ）の平板状帯材に直角に当接しており、
該当接部をろう接などにより固着しても十分な固着状態
が得られないものである。そして、この固着部分にメタ
ル担体（ＸＨ′）の使用下における大きな熱応力や、振
動が印加されると、当接部に間隙を生じて相互に分離し
たり、分離と並行して各帯材（１′，２′）の破損、亀
裂などが生起し、著しく耐久性を損ねてしまう。図７
中、（３′）はセルである。なお、Ｘ−ラップタイプの
メタルハニカム体（ＸＨ′）の断面形状、構造により、
各スタック（Ｘ′₁ 〜Ｘ′_n ）の当接関係は必ずしも９
０゜でなく、任意の角度で当接されるが、その場合でも
前記した状況は同じである。

【００１４】本発明は、前記したように従来のＸ−ラッ
プタイプのメタルハニカム体（ＸＨ′）の中心部におけ
る低い耐久性に鑑み、中心部の耐久性を向上させる手段
を講じた点に最大の特徴を有するものである。このた
め、本発明においては、従来のようにＸ−ラップタイプ
のメタルハニカム体（ＸＨ′）を構成する所望の数の各
スタック（Ｘ′₁ 〜Ｘ′_n 、n は任意の整数）におい
て、各スタックの一端部を単純に当接させるという手段
を採用しない。

【００１５】本発明においては、Ｘ−ラップタイプのメ
タルハニカム体（ＸＨ）を構成する各スタック（Ｘ₁ 〜
Ｘ_n ，n ＝２〜３）として、その中央部に相互に嵌合す
る切欠嵌合部（Ａ）を設けたものを採用する点に特徴を
有する。特に、各スタック（Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）の前記切欠嵌
合部（Ａ）の切欠部の構造として、(1) 各スタック（Ｘ
₁ 〜Ｘ_n ）の中央部の部位において、相互に嵌合するこ
とができるものであって、かつ(2) 各スタック（Ｘ₁ 〜
Ｘ_n ）を該切欠嵌合部において相互に嵌合し、かつ該切
欠嵌合部を巻回形成の中心軸とに同一方向に巻回してＸ
−ラップタイプのメタルハニカム体（ＸＨ）としたと
き、該メタルハニカム体（ＸＨ）の前面部（ＸＨ_f ）と
後面部（ＸＨ_b ）を形成、好ましくは同一平面上に揃う
面一の前面部（ＸＨ_f ）と後面部（ＸＨ_b ）を形成する
ことができる構造のものである。以下、Ｘ−ラップタイ
プのメタルハニカム体（ＸＨ）において、その中心部の
耐久性を向上させる手段、より具体的には各スタック
（Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）の中心部に配設される切欠嵌合部につい
て、図面を参照して説明する。

【００１６】図１〜図３は、Ｘ−ラップタイプのメタル
担体（ＭＣ）に適用される本発明の中心部の耐久性を向
上させたＸ−ラップタイプのハニカム体（ＸＨ）の第一
実施態様を説明する図（フローシート）である。図１
は、本発明のＸ−ラップタイプのメタルハニカム体（Ｘ
Ｈ）の主構成要素である二つのスタック（Ｘ₁ 〜Ｘ₂ ）
の斜視図である。図２は、図１に示される各スタックを
嵌合組合わせたものの正面図である。図３は図２のもの
を嵌合部を中心に巻回してＸ−ラップタイプのメタルメ
タルハニカム体（ＸＨ）とし、該ハニカム体（ＸＨ）を
金属製ケーシング（Ｃ）内に固定して製作したメタル担
体（ＭＣ）の正面図である。図示のように、各スタック
（Ｘ₁ 〜Ｘ₂ ）は、薄肉金属板製の平板状帯材（１）と
該平板状帯材を波付加工した波板状帯材（２）を所定段
数、交互に積層し、かつ各スタックの中心部に切欠嵌合
部（Ａ₁ 〜Ａ₂ ）を設けたもので構成される。

【００１７】前記各スタック（Ｘ₁ 〜Ｘ₂ ）の中心部に
設けられる切欠嵌合部（Ａ₁ 〜Ａ₂）の形状は、各スタ
ックが嵌合組合わされ（図２の状態）、かつ切欠嵌合部
を巻回成形の中心軸として各スタックを同一方向に巻回
してＸ−ラップタイプのメタルハニカム体（ＸＨ）とさ
れたとき（図３の状態）、メタルハニカム体（ＸＨ）の
前面部（ＸＨ_f ）と後面部（ＸＨ_b ）がそれぞれ同一平
面上に揃う態様のもの（面一になるもの）が好ましい。

【００１８】本発明において、前記Ｘ−ラップタイプの
メタルハニカム体を製作するために使用される平板状帯
材（１）として、通常のメタルモノリスタイプの主触媒
担持母体（ＭＣ,main converter ）の製作に使用されて
いる帯材、例えばクロム鋼（クロム13〜25％）、Ｆe −
Ｃr ２０％−Ａｌ ５％などの耐熱性のステンレス
鋼、あるいはこれに耐酸化性を改善するために希土類を
加えた耐熱性のステンレス鋼などの厚さ０．０４mm〜
０．１mmの帯材が使用される。また、波板状帯材（２）
として、前記平板状帯材（１）から所定の略正弦波もし
くは略台形波を有するように波付加工したものが使用さ
れる。特に、平板状帯材（１）と波板状帯材（２）にＡ
ｌを含有させたものやあるいはその表面にＡｌ層を設け
たものを熱処理して、その表面にウィスカー状もしくは
マッシュルーム状のアルミナ（Ａｌ₂ Ｏ₃ ）層を屈出さ
せたものが好ましい。前記ウィスカー状などのアルミナ
層は、Ｐt ，Ｐd ，Ｒh などの排気ガス浄化用触媒を担
持するためのウォッシュコート層を強固に保持すること
ができるので好ましいものである。

【００１９】本発明において、図３に示されるメタル担
体（ＭＣ）は、前記したように各スタック（Ｘ₁ 〜
Ｘ_n ）が一端で当接され、巻回形成されてメタルハニカ
ム体（ＸＨ）とされ、次いで金属製のケーシング（Ｃ）
内に固着されて製作されるものである。前記した金属製
ケーシング（Ｃ）は、Ｘ−ラップタイプのメタルハニカ
ム体（ＸＨ）を内部に収容し固着するためのものであ
り、両端が開口し、該メタルハニカム体（ＸＨ）の断面
形状と同じ形状のものであれば何らの制約を受けるもの
ではない。前記した金属製ケーシング（Ｃ）の素材とし
て、前記ハニカム体を構成する帯材（１，２）と同種の
耐熱鋼を用いてもよいし、更に耐熱耐食性に富むものを
用いてもよい。また、外側部分の金属材料を内側部分よ
り耐熱耐蝕性に富むものとした二重構造のもの、具体的
には内側部分にフェライト系ステンレス鋼を、外側部分
にオーステナイト系ステンレス鋼を使用したものを用い
てもよい。

【００２０】図４〜図６は、本発明の中心部の耐久性を
向上させたＸ−ラップタイプのメタルハニカム体（Ｘ
Ｈ）の第二実施態様を説明する図である。図４に図示さ
れるように、第二実施態様においては、三つのスタック
（Ｘ₁ 〜Ｘ₃ ）が使用される。図４は、前記第一実施態
様の図２に対応するものであり、三つのスタック（Ｘ₁
〜Ｘ₃ ）が切欠嵌合部で組合わされたものの正面図であ
る。図５は、第二実施態様のＸ−ラップタイプのメタル
ハニカム体（ＸＨ）の製作される第二スタック（Ｘ₂ ）
の斜視図である。図６は、第二実施態様のＸ−ラップタ
イプのメタルハニカム体の正面図である。

【００２１】本発明の第二実施態様において、真中のス
タック（Ｘ₂ ）は図５に示されるものを使用すればよ
い。図５に示されるスタック（Ｘ₂ ）において、その中
央部に設けられる切欠嵌合部（Ａ）の形状、構造は第一
スタック（Ｘ₁ ）と第三スタック（Ｘ₃ ）を図４に示さ
れるような配置関係で第三スタック（Ｘ₃ ）からサンド
イッチ状に嵌合される形状のものであればよい。即ち、
第二スタック（Ｘ₂ ）に対し、第一スタック（Ｘ₁ ）と
第三スタック（Ｘ₃ ）が、第二スタック（Ｘ₂ ）の前後
方向から、交角１２０゜（第二スタックに対しては６０
゜）をなすように嵌合される切欠部の形状であれよい。

【００２２】本発明の第三実施態様を図１を利用して説
明する。図１において、各スタック（Ｘ₁ ，Ｘ₂ ）の切
欠嵌合部の深さをｈ₁ ，ｈ₂ ，高さをＨ（なお、高さは
メタルハニカム体としたとき、メタルハニカム体の幅を
示すことになる。）とするとき、Ｈ＞ｈ₁ ＋ｈ₂ の関係
で切欠嵌合部を設ける。このような態様のもとにおい
て、各スタックを嵌合組合わせたとき、切欠嵌合部に空
間が形成され、熱応力に基づく変形力を該隙間で効果的
に吸収、緩和することができる。

【００２３】本発明の第四実施態様を図７で説明する。
本発明のＸ−ラップタイプのメタルハニカム体（ＸＨ）
の形状は、第一実施態様のように断面円形のものに限定
されず、図７に示されるように断面がレーストラック形
状のものであってもよい。

【００２４】本発明のＸ−ラップタイプのメタル担体
（ＭＣ）のメタル担体（ＸＨ）は、従来のように該メタ
ルハニカム体（ＸＨ′）を構成する各スタック（Ｘ′₁
〜Ｘ′_n ）が、夫々の一端部を当接、固着させたもの
（例えば４個のスタックの一端部を当接、Ｘ字状（十字
状）に固着したもの）を、同一方向に巻回して製作され
るものではない。即ち、本発明のＸ−ラップタイプのメ
タルハニカム体（ＸＨ）は、各スタック（Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）
として、その略中央部に、相互に嵌合する切欠嵌合部を
設けたものを使用し、該切欠部で相互に嵌合組合わせた
もの（例えば二個のスタックを切欠嵌合部でＸ字状（十
字状）に嵌合固定したもの）を同一方向に巻回して製作
されるものである。

【００２５】従って、本発明のＸ−ラップタイプのメタ
ルハニカム体（ＸＨ）は、その中央部において従来のよ
うな各スタック同士の一端部を当接、固着する方式を採
用せず、各スタックを相互に嵌合組合わせているため、
中央部の耐久性は格段に優れたものとなる。即ち、本発
明のＸ−ラップタイプのメタルハニカム体（ＸＨ）は、
従来のように中心部において各スタックが大きな熱応力
及び激しい振動の印加を受けることにより当接部の剥
離、該剥離に連動した各構成帯材（平板状帯材と波板状
帯材）の破損、亀裂などの生起が防止ないし抑制され、
更には、これら欠点に関連して誘因される担持された触
媒層の落下、排気ガスの浄化効率の低下が効果的に防止
ないし抑制される。更にまた、本発明のＸ−ラップタイ
プのメタルハニカム体（ＸＨ）においては、メタルハニ
カム体の中心部においてその構成要素である各スタック
が嵌合固着されているため、従来の中心部にみられるス
コーピング現象（熱応力に基づく中心部の張出し現象、
フィルムアウト現像）が防止される。これは嵌合部にお
いて熱応力が分断、かつ相互に、変形力が干渉しあうた
めである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第一実施態様のＸ−ラップタイプの
メタルハニカム体を構成する各スタックの斜視図であ
る。

【図２】 本発明の第一実施態様のＸ−ラップタイプの
メタルハニカム体を構成する各スタックの嵌合組合わせ
たものの正面図である。

【図３】 本発明の第一実施態様のＸ−ラップタイプの
メタルハニカム体を利用したメタル担体の正面図であ
る。

【図４】 本発明の第二実施態様のＸ−ラップタイプの
メタルハニカム体を構成する各スタックの嵌合組合わせ
たものの正面図である。

【図５】 本発明の第二実施態様のＸ−ラップタイプの
メタルハニカム体を構成する第二スタックの斜視図であ
る。

【図６】 本発明の第二実施態様のＸ−ラップタイプの
メタルハニカム体を利用したメタル担体の正面図であ
る。

【図７】 本発明の他の実施態様のＸ−ラップタイプの
メタルハニカム体を利用したメタル担体の正面図であ
る。

【図８】 従来のＸ−ラップタイプのメタルハニカム体
を利用したメタル担体の正面図である。

【図９】 従来のＸ−ラップタイプのメタルハニカム体
の正面中心部の拡大図である。

【符号の説明】

ＸＨ………………………… 本発明のＸ−ラップタイプ
のメタルハニカム体 ＸＨ′……………………… 従来のＸ−ラップタイプの
メタルハニカム体 ＸＨ_f ……………………… メタルハニカム体前面部 ＸＨ_b ……………………… メタルハニカム体後面部 Ｘ₁ 〜Ｘ_n ，Ｘ′₁ 〜Ｘ′_n … 各スタック Ａ，Ａ₁ ，Ａ₂ ………………… 切欠嵌合部 Ｃ………………………………… 金属製ケーシング １，１′………………………… 平板状帯材 ２，２′………………………… 波板状帯材 ３，３′………………………… 網目状通気孔路（セ
ル）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材
   を交互に所望段数に積重ねた少なくとも二つのスタック
   （Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）から構成される排気ガス浄化用触媒を担
   持するためのＸ−ラップタイプのメタルハニカム体（Ｘ
   Ｈ）において、前記Ｘ−ラップタイプのメタルハニカム
   体（ＸＨ）が、 (i) 各スタック（Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）として、夫々の中央部に
   切欠嵌合部を有するものであって、前記切欠嵌合部にお
   いて各スタックが相互に嵌合され、かつ嵌合組合わせて
   メタルハニカム体（ＸＨ）としたときに、該メタルハニ
   カム体（ＸＨ）の前面部と後面部を形成することができ
   る形状の切欠嵌合部を有するもので構成し、 (ii) 前記各スタック（Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）を、前記切欠嵌合
   部において相互に嵌合組合わせ、前記切欠嵌合部を巻回
   形成の中心として同一方向に巻回成形して構成されたも
   のである、ことを特徴とするＸ−ラップタイプのメタル
   ハニカム体。
2. 【請求項２】 スタック（Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）が、２個（ｎ＝
   ２）で構成されるものである請求項１に記載のＸ−ラッ
   プタイプのメタルハニカム体。
3. 【請求項３】 スタック（Ｘ₁ 〜Ｘ_n ）が、３個（ｎ＝
   ３）で構成されるものである請求項１に記載のＸ−ラッ
   プタイプのメタルハニカム体。