JPH08206515A - メタル担体とその製造方法 - Google Patents

メタル担体とその製造方法

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JPH08206515A
JPH08206515A JP7035892A JP3589295A JPH08206515A JP H08206515 A JPH08206515 A JP H08206515A JP 7035892 A JP7035892 A JP 7035892A JP 3589295 A JP3589295 A JP 3589295A JP H08206515 A JPH08206515 A JP H08206515A
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JP
Japan
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metal
honeycomb body
peripheral surface
casing
outer peripheral
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JP7035892A
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English (en)
Inventor
Yasuji Sakamoto
保司 坂本
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 メタルハニカム体とメタルケーシングに新し
い係合機構と溶接固着方式を適用したメタル担体を提供
する。 【構成】 平板状帯材と波板状帯材が交互に重積したハ
ニカム構造を有する排気ガス浄化用触媒担体のハニカム
体MS、及びハニカム体Hを外包するケーシングC、と
から成るメタル担体において、(i) ハニカム体Hが、後
端部外周面において外周面から押圧して形成した所望幅
の縮径部H、縮径部H以外の領域の非縮径部H
を有するものより成り、(ii)ケーシングCが、ハニカム
体Hの縮径部Hの外周面に密着する密着ケース部
、及びハニカム体Hの非縮径部Hを所望の空間ス
ペースをおいて外包する外包ケース部C、を有するも
ので構成され、(iii)ハニカム体の非縮径部Hの外周
面とケーシングCの外包ケース部Cの内周面が、溶接
補助部材を介して固着されて成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的に自動車の排気
ガスの浄化手段として排気系統の途中に介装されて使用
される排気ガス浄化用メタル担体に関する。
【0002】詳しくは、本発明は、ハニカム構造の排気
ガス浄化用触媒を担持するための金属製ハニカム体(以
下、メタルハニカム体という。)と前記メタルハニカム
体を収容する金属製ケーシング(以下、メタルケーシン
グという。)とから成るメタル担体に関する。更に詳し
くは、本発明は、特に前記メタル担体の主要な構成要素
であるメタルハニカム体とメタルケーシングに対して新
規な固着方式を適用し、耐久性はもとより生産性、経済
性に優れた排気ガス浄化用のメタル担体を提供するもの
である。
【0003】
【従来の技術】排気ガス浄化用のメタル担体は、平板状
帯材と波板状帯材で構成されるハニカム構造の排気ガス
浄化用触媒(例えばPt,Rh,Pdなどを使用した触
媒系)を担持するための金属製のメタルハニカム体、及
び前記メタルハニカム体を内部に収容し、固定するため
の金属製のメタルケーシング、とから構成されるもので
ある。なお、前記メタル担体は、当業界においては、メ
タルサポート(Metal Support) またはメタルサブストレ
ート(Metal Substrate) といわれており、略記号(M
S)で表示される場合がある。本発明の説明において
も、略記号MSが使用される。
【0004】前記したメタル担体(MS)の主要な構成
要素であるメタルハニカム体(以下、略記号Hが使用さ
れる。)としては、従来から種々の構造のものが提案さ
れている。例えば、図12〜図13に示されるメタルハ
ニカム体(H)は、特に図13(正面図)から明らかの
ように、平板状帯材と波板状帯材を重積したものを一括
渦巻状に巻回成形して製造した巻回タイプのものであ
る。前記した巻回タイプのメタルハニカム体(H)は、
具体的には例えば100μm以下(好ましくは50μm
以下)の耐熱性の薄肉鋼板からなる平板状帯材(1)
と、前記薄肉鋼板を波付加工して調製した波板状帯材
(2)とを、相互に当接部を有するように重積し、これ
を一括渦巻状に巻回成形して軸方向に排気ガス通路のた
めの多数の網目状通気孔路(セル)(3)を持つハニカ
ム構造体としたものである。
【0005】このほか、当業界において前記メタルハニ
カム体として、前記した巻回タイプのもの以外に、平板
状帯材と波板状帯材からメタルハニカム体を製造する方
法の相違により、各種の構造のものが知られている。例
えば、両帯材を階層状に積層した階層タイプ(図14参
照)のもの、このほか、特開昭62−273050号、
特開昭62−273051号、特開平1−218637
号、特公表3−502660号、特開平4−22785
5号などに開示されている放射状タイプ(図15参
照)、S字状タイプ(図16参照)、巴状タイプ(図1
7参照)、及びX−ラップ(卍状)タイプ(図18参
照)のメタルハニカム体が知られている。なお、図示さ
れた前記各種構造のメタルハニカム体(H)の正面(断
面)形状は円形のものであるが、他の断面形状のもので
あってもよいことはいうまでもないことである。
【0006】従来の典型的なメタル担体(MS)は、そ
の主要な構成要素である前記した各種構造のメタルハニ
カム体(H)、例えば前記した巻回タイプのメタルハニ
カム体を、図12に示されるようにメタルケーシング
(以下、略記号Cが使用される。)内に配設し、固着し
て構成されるものである。そして、メタル担体(MS)
は、排気ガス系統という厳しい熱的環境の条件のもとで
使用されるため、メタルハニカム体(H)とメタルケー
シング(C)は強固に固着されて製造されるものであ
る。これは、メタルハニカム体(H)とメタルケーシン
グ(C)が排気ガス自体の高温度及び排気ガスと排気ガ
ス浄化用触媒との発熱反応により発生する高温度にさら
され、このような高温雰囲気のもとで各要素に大きな熱
応力が印加されるためであり、熱応力に耐え得るように
ろう接合や溶接などの固着方式により強固に固着され
る。また、メタル担体(MS)は、激しい振動付加の条
件のもとで使用されるため、耐振性の向上という観点か
らも前記両要素は強固に固着されるものである。
【0007】前記したメタル担体(MS)のメタルハニ
カム体(H)とメタルケーシング(C)の当接面の固着
方式において、両要素の離体防止やメタルハニカム体
(H)内部に発生する熱応力の吸収・緩和の観点から、
特定部位をろう接合するという方式が提案されている
(例えば、実開昭62−19443号参照)。更に、メ
タルハニカム体(H)とメタルケーシング(C)の両要
素のろう接合方式にかえて、両要素を機械的係合により
保持する方式も各種のものが提案されている(例えば、
実開昭62−162232号、同64−11316号参
照)。
【0008】一方、メタルハニカム体(H)自体も、前
記した過酷な使用条件下において耐久性を確保しなけれ
ばならないことはいうまでもないことである。このた
め、その構成部材である平板状帯材と波板状帯材の当接
部も、種々の方法及び方式により固着されている。例え
ば、メタルハニカム体内部の所定部位の平板状帯材と波
板状帯材との当接部をろう接合や溶接などにより固着す
る方式が提案されている(例えば、特公昭63−444
66号、特開昭2−218442号参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】前記したように、従
来のメタル担体(MS)は、主要な構成要素であるメタ
ルハニカム体(H)の構成部材(平板状帯材と波板状帯
材)の当接部の固着、更にはメタルハニカム体(H)と
メタルケーシング(C)の当接面の固着に際して、ろう
接合や溶接などの固着手段が適用されて製造されてい
る。しかしながら、従来技術によるメタル担体(MS)
の製造において、前記したようにメタル担体(MS)の
耐久性を考慮した多くの固着方式が提案されてはいる
が、固着部位における均一な固着強度や長期の耐久性と
いう観点からみると未だ不十分なものである。
【0010】また、メタル担体(MS)の製造において
採用されている固着手段は、生産性や固着の確実性など
の観点から、一般にろう接合方式が採用されているが、
この方式も経済的な問題点を内包するものである。より
具体的には、前記ろう接合方式に適用されるろう材は、
メタル担体が高温雰囲気下で使用されるということから
して、例えばNi系、Ni−Cr系などの高価な高温用
ろう材であり、経済性の観点からその使用量の低減化が
強く求められているが、未だ不十分なものである。
【0011】更には、従来のメタル担体(MS)の製造
技術も大きな問題点を抱えている。具体的には、メタル
ハニカム体(H)のメタルケーシング(C)内への填装
・固着方式として圧入填装方式(以下、圧入方式とい
う。)がある。この場合、メタルケーシング(C)内に
圧入填装されるメタルハニカム体(H)の外径寸法は厳
しく管理されており、生産性や生産歩留りに問題があ
る。また、メタルハニカム体のメタルケーシング内への
圧入填装時に、その構成部材である平板状帯材と波板状
帯材の変形(従ってセル形状の不均一化)や座屈などが
随伴し、これがメタル担体(MS)の耐久性を損ねてい
る。
【0012】このほか、メタルハニカム体(H)をメタ
ルケーシング(C)内に遊嵌、配置し、次いで引抜き加
工によりメタルケーシング(C)を縮径させて両要素を
密着させる方式(以下、ダイス絞り方式という。)があ
る。この場合、前記した欠点を伴うものである。なお、
いうまでもないことであるが、前記した欠点は、メタル
ハニカム体(H)部においては帯材(平板状帯材と波板
状帯材)の各当接部における当接(密着)強度の不均一
化をもたらし、またメタルハニカム体(H)とメタルケ
ーシング(C)の間においても当接(密着)強度の不均
一化をもたらし、これが耐久性を損ねる誘因になること
はいうまでもないことである。
【0013】本発明は、前記した従来技術の問題点を解
消するために創案されたものである。本発明者らは、前
記した従来技術の問題点を解消するべく、鋭意、検討を
加えた。その結果、本発明者らは、 ・ メタルハニカム体部の構成を、その後端部外周面に
おいて、外周回りに所望幅の部分を外周部から中心部に
押圧して縮径させた縮径部と前記領域以外の領域に縮径
されない部分(非縮径部)を有するように構成し、か
つ、 ・ メタルケーシング部の構成を、前記メタルハニカム
体の縮径部の外周面に密着する密着ケース部と前記メタ
ルハニカム体の非縮径部の外周面を所望の空間スペース
をおいて外包する外包ケース部を有するように構成し、
更に、 ・ 前記メタルハニカム体の非縮径部の外周面とメタル
ケーシングの外包ケース部の内周面を溶接補助部材を介
して固着するように構成したとき、 両構成要素(メタルハニカム体部とメタルケーシング
部)の機械的係合と溶接固着により耐久性はもとより、
ろう材の節減、生産性の向上などの諸点において優れた
メタル担体(MS)が得られるという知見を得た。
【0014】前記した技術的構成、特にメタルハニカム
体部に対して外部から押圧力を印加して縮径部と非縮径
部を形成するというアプローチ、別言すれば縮径部と非
縮径部を形成するとともにその境界部に段差部を形成す
るというアプローチは、従来にない創意である。本発明
は、前記知見をベースにして完成されたものであり、本
発明により耐久性に優れ、かつ生産性と経済性に優れた
排気ガス浄化用のメタル担体(MS)が提供される。
【0015】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材が交
互に重積したハニカム構造を有する排気ガス浄化用触媒
を担持するためのメタルハニカム体、及び前記メタルハ
ニカム体を外包するメタルケーシング、とから成るメタ
ル担体において、(i) 前記メタルハニカム体が、その後
端部外周面において外周面から押圧して形成した所望幅
の縮径部、及び前記縮径部以外の領域の非縮径部、を有
するもので構成され、(ii)前記メタルケーシングが、前
記メタルハニカム体の縮径部の外周面に密着する密着ケ
ース部、及び前記メタルハニカム体の非縮径部を所望の
空間スペースをおいて外包する外包ケース部、を有する
もので構成され、更に、(iii)前記メタルハニカム体の
非縮径部の外周面とメタルケーシングの外包ケース部の
内周面が、溶接補助部材を介して固着されて構成された
こと、を特徴とするメタル担体に関するものである。
【0016】また、本発明は、前記構造のメタル担体の
製造方法に関するものである。即ち、本発明は、前記構
造のメタル担体の製造方法において、 (i) 所望外径のメタルハニカム体を、前記メタルハニカ
ム体の外径よりも大径の内径を有するメタルケーシング
内に遊嵌、配置する工程、 (ii)メタルケーシングの外周面に回転絞り手段を適用
し、(ii)-1. メタルハニカム体部において、その後端部
外周面に所望幅の縮径部を形成するとともに、前記縮径
部以外の領域に非縮径部を形成し、かつ、(ii)-2. メタ
ルケーシング部において、前記メタルハニカム体の縮径
部の外周面に密着する密着ケース部を形成するととも
に、前記メタルハニカム体の非縮径部の外周面を所望の
空間スペースをおいて外包する外包ケース部を形成する
工程、 (iii)前記空間スペースに溶接補助部材を配設するとと
もに、前記溶接補助部材を介してメタルハニカム体の非
縮径部の外周面とメタルケーシングの外包ケース部の内
周面を固着する工程、から成ることを特徴とするメタル
担体の製造方法に関するものである。
【0017】以下、本発明の技術的構成及び実施態様を
図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は図示の
ものに限定されないことはいうまでもないことである。
【0018】図1〜図5は、本発明の第一実施態様のメ
タル担体(MS)を説明するための図である。図1は、
メタル担体(MS)の軸心を取る断面の断面図である。
図示されるように、メタル担体(MS)は、円筒状のメ
タルハニカム体(H)と前記メタルハニカム体(H)を
外包するメタルケーシング(C)、及び前記メタルハニ
カム体(H)の外周面とメタルケーシング(C)の内周
面の間の空間スペース内に配設される溶接補助部材
(A)とからなるものであり、次の点に特徴を有するも
のである。
【0019】まず、本発明のメタルハニカム体(H)
は、次の構成からなることを特徴としている; ・ その後端部外周面において、外周面から押圧して形
成された(メタルハニカム体の軸方向にみて)所望幅の
縮径部(H1 )(外径d1 )、及び、 ・ 前記縮径部以外の領域の非縮径部(H2 )(外径d
2 )、を有するもので構成される。前記構成から明らか
のように、縮径部(H1 )の外径(d1 )と非縮径部
(H2 )の関係は、d2 >d1 に維持されることはいう
までもないことである。また、図示されるように、本発
明のメタルハニカム体(H)は、縮径部(H1)と非縮
径部(H2 )の境界部に段差部(H3 )を有することは
いうまでもないことである。本発明において、前記メタ
ルハニカム体(H)として、当業界において周知の巻回
タイプ、S字状タイプなどの所望の構造のものが使用さ
れることはいうまでもないことである。
【0020】また、本発明の前記メタルハニカム体
(H)を外包するメタルケーシング(C)は、前記メタ
ルハニカム体(H)の構成に対応して、次の構成からな
ることを特徴としている; ・ メタルハニカム体(H)の縮径部(H1 )の外周面
に密着する密着ケース部(C1 ) ・ メタルハニカム体(H)の非縮径部(H2 )の外周
面を所望の空間スペース(S)をおいて外包する外包ケ
ース部(C2 )、を有するもので構成される。前記構成
から明らかのように、本発明のメタルケーシング(C)
は、密着ケース部(C1 )と外包ケース部(C2 )の境
界部に、段差部(C3 )を有することはいうまでもない
ことである。
【0021】更に、本発明の前記溶接補助部材(A)
は、次の構成からなることを特徴としている;前記溶接
補助部材(A)は、前記メタルハニカム体(H)の非縮
径部(H2 )の外周面と前記メタルケーシング(C)の
外包ケース部(C2 )の間に形成される空間スペース
(S)内に配設されるものである。そして、前記溶接補
助部材(A)は、メタルケーシング(C)内にメタルハ
ニカム体(H)を固定する機能を有するものであり、前
記機能を有するものであれば、その構造に特段の制約を
受けない。本発明において、溶接補助部材(A)の前記
した機能は、その名称からして、メタルケーシング
(C)の外包ケース部(C2 )の内周面と溶接補助部材
(A)の少なくとも一部が溶接固着されることにより達
成される。図1において、前記溶接固着部は(W)で示
されている。本発明の溶接補助部材(A)は、図1に示
されるように前記空間スペース(S)内においてメタル
ハニカム体(H)の前端部外周面の全周にわたって配設
してもよいし、間欠的に配設してもよい。なお、前者の
全周にわたり、かつ空間スペース(S)を閉塞するよう
に配設した場合、空間スペース(S)での断熱効果が向
上することになる。
【0022】図2は、本発明の前記メタルハニカム体
(H)の縮径部(H1 )の構成を説明するための模式図
である。図2(a)は、初期状態にあるメタルハニカム
体(H)の外周部近傍の平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)の当接構造を示す。従って、この当接状態は、非
縮径部(H2 )の外周部近傍のものと同じである。図2
(b)は、前記図2(a)の状態のメタルハニカム体
(H)を外周面から押圧して形成した縮径部(H1 )の
平板状帯材(1)と波板状帯材(2)の当接状態を示
す。なお、図2(b)において、点線は初期状態の平板
状帯材(1)同士の間の幅を示しており、縮径されてい
ることを示すものである。
【0023】本発明において、縮径により平板状帯材
(1)と波板状帯材(2)の当接構造は、波板状帯材
(2)の山部または谷部に注目すれば、図2(a)の点
接触の状態から図2(b)の面接触の状態に変化する。
前記縮径加工は、後述する図6(従来技術)に示される
ように帯材(1、2)が座屈変形するような大きな縮径
率を意図していないことはいうまでもないことである。
一般的には、最外周の波板状帯材(2)の波高に注目す
れば、波高が10〜50%程度圧縮される範囲の縮径率
が採用される。
【0024】図3は、本発明の第一実施態様のメタル担
体(MS)の平面図である。なお、図3は、前記した溶
接補助部材(A)を介して、メタルハニカム体(H)と
メタルケーシング(C)が溶接固着(W)されているこ
とを示している。なお、本発明において、溶接固着はメ
タルケーシング(C)の外包ケース部(C2)の全周方
向に全てを溶接してもよいし、あるいは間欠的に溶接し
てもよいことはいうまでもないことである。
【0025】ここで、本発明のメタル担体(MS)にお
いて、主要な構成要素であるメタルハニカム体(H)と
メタルケーシング(C)の固着方式について説明する。
本発明のメタル担体(H)とメタルケーシング(C)の
固着方式は、従来技術で説明した高価なろう材を使用し
たろう接合方式を改善するものである。即ち、本発明に
おいて、両構成要素の固着は、 ・ メタルハニカム体(H)とメタルケーシング(C)
の構造による係合固定、即ちメタルハニカム体側段差部
(H3 )とメタルケーシング側段差部(C4 )の機械的
係合、及び、 ・ 前記溶接補助部材(A)による溶接固着、 により行なわれるものである。従って、ろう材の使用を
大幅に低減化したり、あるいは不要化するものである。
また、本発明において、メタルハニカム体(H)の構成
部材である平板状帯材と波板状帯材の当接部をろう接合
により固着するにしても、前記した本発明の技術的構成
のもとに高価なろう材の使用量を大幅に低減化させるこ
とができる。
【0026】本発明において、溶接補助部材(A)を使
用することの利点は、次の点にある。この種のメタル担
体(MS)において、メタルハニカム体(H)は前記し
たように数10μmの耐熱鋼製の箔材(平箔及び波箔)
が使用され、メタルケーシング(C)は前記箔材より相
互に厚い肉厚(例えば1mm前後のもの)が使用されてい
る。従って、両構成要素の当接面部を直接、溶接固着す
る場合、熱容量の差が大きいため溶接時の熱によりメタ
ルハニカム体(H)の箔材が溶断、溶融するという欠点
がある。一方、本発明においては、前記溶接補助部材
(A)として、メタルケーシング(C)と略同一の肉厚
のものを使用できるので、前記した欠点を排除すること
ができる。なお、本発明において、前記溶接補助部材
(A)のメタルハニカム体(H)の非縮径部の外周面に
当接する部位は、ろう材によって前記外周面にろう接合
されていてもよく、あるいは単なる機械的に押圧してい
るだけでもよいことはいうまでもないことである。
【0027】図4〜図5は、本発明の第一実施態様のメ
タル担体(MS)の製造プロセスを説明する図である。
図示されるように、第一実施態様のメタル担体(MS)
は、次のようにして製造されるものである; (i).外径(d2 )のメタルハニカム体(H)を、前記外
径より大径の内径(d3 )を有するメタルケーシング
(C)内に遊嵌、配置する工程(図4参照)、 (ii).前記メタルケーシング(C)の外周面に回転絞り
手段を適用する工程(図5及び図1参照)、具体的に
は、回転絞り手段により、(ii)-1. メタルハニカム体
(H)部において、その後端部外周面にメタルハニカム
体(H)の軸方向にみて、所定幅の縮径部(H1 )を形
成するとともに、前記縮径部(H1 )以外の領域に非縮
径部(H2 )を成形し、(ii)-2. メタルケーシング
(C)部において、前記メタルハニカム体部の縮径部
(H1 )の外周面に密着する密着ケース部(C1 )を形
成するとともに、前記メタルハニカム体部の非縮径部
(H2 )の外周面を所望の空間スペース(S)をおい
て、外包する外包ケース部(C2 )を成形する工程、 (iii) 前記空間スペース(S)に溶接補助部材(A)を
配設するとともに、前記溶接補助部材を介してメタルハ
ニカム体(H)の非縮径部(H2 )の外周面とメタルケ
ーシング(C)の外包ケース部(C2 )の内周面を固着
する工程、に従ってメタル担体(MS)が製造される。
前記メタルハニカム体(H)がメタルケーシング(C)
内に遊嵌配置されることは、図4において空間スペース
(S)が形成されていることにより示されている。
【0028】図5は、本発明の第一実施態様のメタル担
体(MS)の製造に使用される回転絞り装置(T)と前
記装置を使用した製造プロセスを説明する図である。図
示されるように、メタルハニカム体(H)を所望の空間
スペース(S)をもって遊嵌配置したメタルケーシング
(C)は、回転絞り装置(T)の保持チャック(12)
により締付、固定される。前記メタルケーシング(C)
用保持チャック(12)の締付は、 ・ メタルハニカム体(H)の後端面(Hb)とメタル
ケーシング(C)の後端部を位置決めガイド(13)に
より位置決めされ、かつ、 ・ メタルハニカム体(H)の前端面(Ha)を位置決
めガイド(14)により位置決めされた後で行なわれる
ことはいうまでもないことである。 なお、図5に示されているように、メタルハニカム体
(H)用位置決めガイド(14)は、バネ体(141)
によりバネ付勢される。
【0029】前記した要領でメタルケーシング(C)が
保持チャック(12)により締付、固定された後、図示
のようにメタルハニカム体(H)に回転を与えながら、
一対の回転絞りロール(10、10)を相互に逆方向に
遊星回転させ、かつ図示の方向(D)に進行させて回転
絞りを行なう。なお、図中、(11)は、回転絞りロー
ル(10)の軸心である。また、回転絞りロール(1
0)の数は、図5のものは周方向に3個配設されたもの
を一組(計3個)使用したものであるが、これに限定さ
れず所望のロール数を用いてもよい。前記プロセスによ
り、図1に示されるメタル担体(MS)が製造される。
【0030】本発明において、前記回転絞り加工を実現
する装置は、前記したものに限定されず、最終メタル担
体(MS)の構造に適合させた所望の回転絞り装置が何
等の制約を受けずに使用することができる。即ち、本発
明において、回転絞りを実現させる装置は、回転絞り機
能を有する装置であれば特段の制約を受けずに使用する
ことができる。例えば当業界において既知のスウェージ
ングマシンやスピニングマシンなどを活用すればよい。
その際、回転絞り時に、図5に示されるようにメタルハ
ニカム体(H)を固定して回転絞りロールを遊星回転さ
せながらロール移動を行なったり、あるいは図6に示さ
れるようにメタルハニカム体(H)を回転させながら行
なってもよいことはいうまでもないことである。
【0031】本発明のメタル担体(MS)の前記した製
造プロセスにおいて、メタルハニカム体(H)とメタル
ケーシング(C)の当接部の固着のために、予めメタル
ハニカム体(H)及び/又はメタルケーシング(C)の
当接部となる所望部位にろう材層を形成したものを使用
できることはいうまでもないことである。前記ろう材層
は、Ni基ろう箔で構成してもよく、あるいは、Ni基
ろう粉を塗布することにより構成してもよい。
【0032】本発明のメタル担体(MS)の製造方法
は、前記したものに限定されず、種々の変形例が可能で
ある。例えば、前記製造プロセスの(iii) 工程におい
て、空間スペース(S)に図1に示される形状の溶接補
助部材(A)を固定配置し、かつ溶接補助部材(A)の
凸部が外包ケース部内周面に当接する部位に対して、外
包ケース部の外周面から前記した回転絞り手段を適用
し、溶接補助部材(A)をメタルハニカム体(H)の前
端部外周部に食い込ませてもよい。なお、前記した変形
例は、後述する図9〜図10に示される。
【0033】図4〜図5及び図6(a)(b)に、本発
明の前記メタル担体(MS)の製造プロセスの利点が示
されている。 (1).図4に示されるように、メタルケーシング(C)内
に填装されるメタルハニカム体(H)において、従来の
ようにその外形寸法が厳しく管理されなくともよいとい
う利点がある。従って、メタルハニカム体(H)の生産
性や歩留りが向上する。これは、規格寸法から多少外れ
ていても、次工程で吸収されるからである。 (2).また、従来技術において、メタルケーシング(C)
内へのメタルハニカム体(H)の填装作業や填装後の両
要素の固着作業は、圧入方式やダイス絞り方式などで行
なわれているが、この場合、図6に示される欠点を招来
するものである。なお、前記圧入方式とは、前記したよ
うに所定外径のメタルハニカム体(H)を、前記外径よ
り小さい内径のメタルケーシング内にプレス等により圧
入する方式のものである。また、ダイス絞り方式とは、
前記したようにメタルケーシング(C)内にメタルハニ
カム体(H)を遊嵌させ、次いでメタルケーシング
(C)に引抜加工(ドローイング)あるいはプレス加工
絞りなどを適用し、メタルケーシング(C)全体を縮径
させ、メタルハニカム体(H)の外周面とメタルケーシ
ング(C)の内周面を密着させる方式のものである。こ
こで本発明との関係で留意しなければならない点は、本
発明の前記した回転絞り手段は後者(ダイス絞り方式)
とは全く異質のものであること、かつ後者には両構成要
素が係合する段差部(H3 ,C3 )を配設するという技
術的構成を欠落している点である。
【0034】前記した従来の圧入方式やダイス絞り方式
により招来される欠点として、図6(a)は、特にメタ
ルハニカム体(H)の外周近傍部位の平板状帯材(1)
が座屈変形していること、また図6(b)は平板状帯材
(1)と波板状帯材(2)の両者が大きく変形している
ことを示している。前記した従来の圧入方式及びダイス
絞り(ドローイング)あるいはプレス絞り方式の欠点
は、メタルハニカム体(H)の外周部近傍に急激な縮径
応力が印加されるため、メタルハニカム体(H)の構成
部材である平板状帯材(1)及び/又は波板状帯材
(2)が追随できず、これら帯材が局所的に変形や座屈
をおこしてしまうことに由来する。
【0035】これらの欠点は、帯材(1、2)の亀裂や
破損をもたらし、かつ均一なセル形状やセル密度のメタ
ルハニカム体の製造を困難なものにするものでる。更
に、前記した帯材(1、2)の局所的な変形や座屈は、
メタルハニカム体(H)の高温強度(例えば800℃〜
850℃における保持力)を低下させるものである。即
ち、前記帯材(1、2)の変形や座屈は、メタルハニカ
ム体(H)とメタルケーシング(C)の当接部の接合力
の低下及び帯材(1、2)の当接部の密着度の低下にも
とづく接合力の低下を引き起こす。この点、本発明にお
いては、前記した欠点が解消されることはいうまでもな
いことである。即ち、本発明においては、両構成要素
(メタルハニカム体とメタルケーシング)は遊嵌配置さ
れ、次いで回転絞り手段を適用するため、加工対象物に
過大な加工応力が印加されず、図2に示される両帯材
(1、2)の当接構造が実現される。別言すれば、本発
明の回転絞り方式においては、メタルケーシング(C)
の外周部から徐々にかつ局所的に回転絞りロール(加圧
ロール)により縮径加工されるため、前記した従来方式
の欠点が解消される。
【0036】(3).また、本発明のメタル担体(MS)
は、メタルハニカム体(H)とメタルケーシング(C)
の構造にもとづいて耐久性に優れたものである。即ち、
本発明のメタル担体(MS)は、メタルハニカム体
(H)の段差部(H3 )とメタルケーシング(C)の段
差部(C3 )が共同して両要素の相対的変位を規制する
ことができる。前記したように、メタルハニカム体
(H)の内部には大きな熱応力に基づく変形力が生ま
れ、更には外部からの振動力が加わるためメタルハニカ
ム体(H)とメタルケーシング(C)は離体しようとす
るが、前記段差部(H3 ,C3 )により離体は防止され
る。
【0037】(4).更に、本発明のメタル担体(MS)に
おいて、メタルハニカム体(H)を構成する両帯材
(1、2)の当接部の固着、及びメタルハニカム体
(H)とメタルケーシング(C)の当接部の固着を経済
的に行なうことができる。即ち、メタルハニカム体
(H)の縮径部(H1 )においては、図2に示されるよ
うに両帯材(1、2)が確実な当接構造をしているた
め、高価なろう材の適用量を節約しても強固な固着強度
が得られ、あるいは当接部を確実に拡散接合することが
できる。また、両構成要素の当接面(メタルハニカム体
の縮径部の外周面とメタルケーシングの密着ケース部の
内周面との当接面)の固着も、前記した段差部(H3 ,
C3 )により強固な機械的係合が実現されているため、
従来より経済的に行なうことができる。
【0038】(5).更にまた、両構成要素(メタルハニカ
ム体とメタルケーシング)の溶接固着は、溶接補助部材
(A)を介して行なわれるため、溶接に際して従来のよ
うにメタルハニカム体側の構成部材(箔材)の溶断や溶
融抜けが防止される。
【0039】本発明において、前記メタル担体(MS)
を構成するメタルハニカム体(H)を製作するために使
用される平板状帯材(1)としては、通常のメタルモノ
リスタイプのメタルハニカム体を製作するときに使用さ
れている帯材、例えばクロム鋼(クロム13%〜25
%)、Fe−Cr20%−Al5%などの耐熱性ステン
レス鋼、あるいはこれに耐高温酸化性を改善するために
希土類金属(CeやYなどのREM)を加えた耐熱性の
ステンレス鋼など、厚さが30μm〜100μm程度の
帯材が使用される。また、前記波板状帯材(2)として
は、前記平板状帯材(1)から所望の略正弦波もしくは
略台形波を有するように波付加工したものが使用され
る。なお、平板状帯材(1)と波板状帯材(2)は互い
に異なった板厚でもよく、また異なった材質のものであ
ってもよい。特に、平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)にAlを含有させたものやあるいはその表面にA
l層を設けたものを熱処理して、その表面にウィスカー
状もしくはマッシュルーム状のアルミナ(Al2 3
を析出させたものが好ましい。前記ウィスカー状などの
アルミナ層は、Pt,Pd,Rhなどの排気ガス浄化用
触媒を担持するためのウォッシュコート層を強固に保持
することができるので好ましいものである。
【0040】また、本発明において、前記メタル担体
(MS)を構成するメタルケーシング(C)を製作する
ために使用される材料としては、前記メタルハニカム体
(H)を構成する帯材(1、2)と同種の耐熱鋼を使用
してもよい。あるいは、耐熱耐食性に富む二重構造とし
たもの、具体的には内側部分にフェライト系ステンレス
鋼を、外側部分にオーステナイト系ステンレス鋼を使用
した二重構造のメタルケーシングを使用してもよい。な
お、本発明において、前記メタルケーシング(C)の材
料の肉厚は、一般に0.5mm〜2.0mmである。従っ
て、前記肉厚との関係で溶融補助部材(A)の肉厚が設
定されることが好ましい。
【0041】本発明のメタル担体(MS)には、種々の
変形例が可能である。以下、幾つかの変形例について説
明するが、本発明はこれらのものに限定されないことは
いうまでもないことである。
【0042】図7は、本発明の第二実施態様のメタル担
体(MS)を説明する図であり、第一実施態様に関係す
る図1に対応する図である。第二実施態様のメタル担体
(MS)が、前記第一実施態様のものと大きく異なる点
は、メタルハニカム体(H)部に注目すれば、メタルハ
ニカム体(H)の前端部外周部に凹部(B)形成してい
る点である。なお、溶接補助部材(A)は、前記凹部
(B)内に配座される。本発明において、前記凹部
(B)は、メタルハニカム体(H)の構成部材である帯
材(1、2)を単純に切欠いて形成してもよく、あるい
は製造プロセスのところで説明したように、メタルケー
シング(C)の外周面から適用される回転絞り手段によ
って形成してもよい。前記凹部(B)の形成により、メ
タルハニカム体(H)はメタルケーシング(C)内に安
定かつ確実に収容固定されることになる。これは、メタ
ルハニカム体(H)の前端部が凹部(B)内に配設され
た溶接補助部材(A)と係合し、後部が段差部(H4 、
C4 )で係合固定されるためである。
【0043】図8は、本発明の第三実施態様のメタル担
体(MS)を説明する図であり、第一実施態様に関係す
る図1に対応する図である。第三実施態様のメタル担体
(MS)が、第一実施態様のものと大きく異なる点は、
外包ケース部(C2 )の外周面から図4〜図5で説明し
た回転絞り手段を適用し、溶接補助部材(A)の凸部に
当接する凹溝(C4 )を形成している点である。前記凹
溝(C4 )の形成により、外包ケース部(C2 )と溶接
補助部材(A)の溶接固着が、前記凹溝を作業案内とし
て効率的にかつ確実に行なうことができる。
【0044】図9は、本発明の第四実施態様のメタル担
体(MS)を説明する図であり、第一実施態様に関係す
る図1に対応する図である。第四実施態様のメタル担体
(MS)は、前記第三実施態様のものと似ているが、第
二実施態様のものと同様にメタルハニカム体(H)の前
端部外周部に凹部(B)を形成している点である。第四
実施態様のものも、第二実施態様と同様に、メタルハニ
カム体(H)がメタルケーシング(C)内に安定かつ確
実に収容固定される。
【0045】図10は、本発明の第五実施態様のメタル
担体(MS)を説明する図であり、第一実施態様に関係
する図1に対応する図である。第五実施態様のメタル担
体(MS)は、前記第四実施態様のものと似ているが、
外包ケース部(C2 )に形成された凹溝(C4 )内に溶
接材(W1 )が配設され、これにより溶接固定される点
が相違している。
【0046】図11は、本発明の第六実施態様のメタル
担体(MS)を説明する図であり、第一実施態様に関係
する図3に対応する図である。第六実施態様は、前記図
10に示されるメタル担体(第五実施態様)の変形例で
あり、メタルケーシング(C)の密着ケース部(C1 )
の内周面とメタルハニカム体(H)の縮径部(H1 )の
外周面が、ろう材によりろう接合されている領域(X)
を有することを示している。なお、前記ろう接合領域
(X)は、従来のものに比較して小領域で十分であり経
済的にろう接合が行なえる。
【0047】
【発明の効果】本発明のメタルハニカム体と前記メタル
ハニカム体を外包するメタルケーシングとから成るメタ
ル担体は、 ・ メタルハニカム体部の構成を、その後端部外周面に
おいて、外周面から押圧して形成した所定幅の縮径部と
前記領域以外の領域に縮径されない(非縮径部)を有す
るもので構成し、かつ、 ・ メタルケーシングの構成を、前記メタルハニカム体
の縮径部の外周面に密着する密着ケース部と前記メタル
ハニカム体の非縮径部を所望の空間スペースをおいて外
包する外包ケース部を有するもので構成し、更に、 ・ 前記メタルハニカム体の非縮径部の外周面とメタル
ケーシングの外包ケース部の内周面を溶接補助部材を介
して固着したことに特徴を有するものである。 そして、前記両構成要素(メタルハニカム体とメタルケ
ーシング)は、相互に機械的に係合され、かつ溶接補助
部材を介して固着されるため、本発明のメタル担体(M
S)は耐久性に優れている。
【0048】また、前記した両構成要素の技術的構成に
より、次のような特性上および生産上の利点を享受する
ことができる。 (1) 両構成要素は機械的に係合固定されているため固有
的に耐久性に優れている。従って、メタルハニカム体と
メタルケーシングの当接面のろう接合や溶接などにより
固着を低減化することができる。別言すれば、ろう接合
の場合に高価なろう材を節約することができること、あ
るいは溶接の場合に溶接領域を少なく設定することがで
きることなど、両構成要素の固着を経済的に行なうこと
ができる。
【0049】(2) メタルハニカム体の縮径部において、
メタルハニカム体部の平板状帯材と波板状帯材の当接部
は、均一な当接(密着)強度で強固に当接しているた
め、前記当接部はろう接合や拡散接合などにより確実か
つ経済的に固着することができる。 (3) メタルハニカム体の非縮径部において、その外周面
はメタルケーシングと略同一の肉厚の溶接補助部材を介
してメタルケーシングの外包ケース部の内周面に固着さ
れるため、従来の両構成要素の溶接固着時にみられたメ
タルハニカム体の帯材(平板状帯材及び波板状帯材)の
溶断、溶融抜けが解消される。
【0050】(4) 本発明のメタル担体は、メタルハニカ
ム体をメタルケーシング内に遊嵌させ、次いで回転絞り
手段を適用して製造されるため、メタルハニカム体の中
間製造工程における外径寸法は従来より格段に許容範囲
が大きい。このため、メタルハニカム体の生産性や歩留
りに優れている。 (5) 従来のメタルハニカム体とメタルケーシングの填
装、固着方式として採用されている圧入方式やダイス絞
り方式と比較して、メタルハニカム体部の構成部材であ
る平板状帯材及び/又は波板状帯材の局部的な変形や座
屈が防止される。このため、両帯材の当接部及びメタル
ハニカム体とメタルケーシングの当接面は均一な当接
(密着)強度で当接するようになり、長期に亘り耐久性
に優れたメタル担体(MS)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)
の断面図である。
【図2】 本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)
のメタルハニカム体(H)における縮径部の構造を説明
する図である。
【図3】 本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)
におけるメタルケーシング(C)の段差部(C3 )近傍
の拡大断面図である。
【図4】 本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)
の製造プロセスを説明する図であり、メタルハニカム体
とメタルケーシングの組付け工程(メタルハニカム体の
メタルケーシング内への遊嵌、配設工程)を示す。
【図5】 本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)
の製造プロセスを説明する図であり、前記図4の状態の
ものを回転絞り手段により縮径させている回転絞り工程
を示す。
【図6】 従来のメタル担体の製造プロセスの欠点、特
にメタルハニカム体の外周近傍での帯材(平板状帯材及
び/又は波板状帯材)の変形、座屈を説明する図であ
る。
【図7】 本発明の第二実施態様のメタル担体(MS)
を説明する図であり、図1に対応する図である。
【図8】 本発明の第三実施態様のメタル担体(MS)
を説明する図であり、図1に対応する図である。
【図9】 本発明の第四実施態様のメタル担体(MS)
を説明する図であり、図1に対応する図である。
【図10】 本発明の第五実施態様のメタル担体(M
S)を説明する図であり、図1に対応する図である。
【図11】 本発明の第六実施態様のメタル担体(M
S)を説明する図であり、図3に対応する図である。
【図12】 従来の巻回タイプのメタルハニカム体とメ
タルケーシングとから成るメタル担体(MS)の斜視図
である。
【図13】 図12の従来のメタル担体(MS)に使用
される巻回タイプのメタルハニカム体の正面図である。
【図14】 従来の積層タイプのメタルハニカム体の正
面図である。
【図15】 従来の放射状タイプのメタルハニカム体の
正面図である。
【図16】 従来のS字状タイプのメタルハニカム体の
正面図である。
【図17】 従来の巴状タイプのメタルハニカム体の正
面図である。
【図18】 従来のX−ラップタイプのメタルハニカム
体の正面図である。
【符号の説明】
MS ……… メタル担体 H ……… メタルハニカム体 H1 ……… 縮径部 H2 ……… 非縮径部 H3 ……… 段差部 C ……… メタルケーシング C1 ……… 密着ケース部 C2 ……… 外包ケース部 C3 ……… 段差部 C4 ……… 凹溝 S ……… 空間スペース d1 ……… 縮径部の外径 d2 ……… 非縮径部の外径 A ……… 溶接補助部材 B ……… (メタルハニカム体)凹部 1 ……… 平板状帯材 2 ……… 波板状帯材 3 ……… セル

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材
    が交互に重積したハニカム構造を有する排気ガス浄化用
    触媒を担持するためのメタルハニカム体、及び前記メタ
    ルハニカム体を外包するメタルケーシング、とから成る
    メタル担体において、 (i) 前記メタルハニカム体が、その後端部外周面におい
    て外周面から押圧して形成した所望幅の縮径部、及び前
    記縮径部以外の領域の非縮径部、を有するもので構成さ
    れ、 (ii)前記メタルケーシングが、前記メタルハニカム体の
    縮径部の外周面に密着する密着ケース部、及び前記メタ
    ルハニカム体の非縮径部を所望の空間スペースをおいて
    外包する外包ケース部、を有するもので構成され、更
    に、 (iii)前記メタルハニカム体の非縮径部の外周面とメタ
    ルケーシングの外包ケース部の内周面が、溶接補助部材
    を介して固着されて構成されたこと、を特徴とするメタ
    ル担体。
  2. 【請求項2】メタルハニカム体が、縮径部と非縮径部の
    境界部に、メタルハニカム体側段差部を有するものであ
    る請求項1に記載のメタル担体。
  3. 【請求項3】 メタルケーシングが、密着ケース部と外
    包ケース部の境界部に、メタルケーシング側段差部を有
    するものである請求項1に記載のメタル担体。
  4. 【請求項4】 溶接補助部材が、メタルケーシングの外
    包ケース部の肉厚と略同一の肉厚のもので構成されたも
    のである請求項1に記載のメタル担体。
  5. 【請求項5】 溶接補助部材が、少なくともメタルハニ
    カム体の非縮径部の外周面とメタルケーシングの外包ケ
    ース部の内周面に当接するもので構成されたものである
    請求項1に記載のメタル担体。
  6. 【請求項6】 溶接補助部材が、メタルハニカム体の非
    縮径部の外周面とメタルケーシングの外包ケース部の内
    周面の間に形成される空間スペース内の所望部位に配設
    されるものである請求項1に記載のメタル担体。
  7. 【請求項7】 溶接補助部材が、メタルハニカム体の前
    端部外周面に配設されたものである請求項6に記載のメ
    タル担体。
  8. 【請求項8】 溶接補助部材が、メタルハニカム体の前
    端部外周面に設けられた凹部の外周面に配設されたもの
    である請求項7に記載のメタル担体。
  9. 【請求項9】 メタルハニカム体の凹部が、切欠きまた
    は外周面から押圧成形されて形成されたものである請求
    項8に記載のメタル担体。
  10. 【請求項10】 メタルハニカム体の縮径部の外周面と
    メタルケーシングの密着ケース部の内周面が、固着され
    たものである請求項1に記載のメタル担体。
  11. 【請求項11】 薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯
    材が交互に重積したハニカム構造を有する排気ガス浄化
    用触媒を担持するためのメタルハニカム体、及び前記メ
    タルハニカム体を外包するメタルケーシング、とから成
    るメタル担体の製造方法において、 (i) 所望外径のメタルハニカム体を、前記メタルハニカ
    ム体の外径よりも大径の内径を有するメタルケーシング
    内に遊嵌、配置する工程、 (ii)メタルケーシングの外周面に回転絞り手段を適用
    し、(ii)-1. メタルハニカム体部において、その後端部
    外周面に所望幅の縮径部を形成するとともに、前記縮径
    部以外の領域に非縮径部を形成し、かつ、(ii)-2. メタ
    ルケーシング部において、前記メタルハニカム体の縮径
    部の外周面に密着する密着ケース部を形成するととも
    に、前記メタルハニカム体の非縮径部の外周面を所望の
    空間スペースをおいて外包する外包ケース部を形成する
    工程、 (iii)前記空間スペースに溶接補助部材を配設するとと
    もに、前記溶接補助部材を介してメタルハニカム体の非
    縮径部の外周面とメタルケーシングの外包ケース部の内
    周面を固着する工程、から成ることを特徴とするメタル
    担体の製造方法。
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