JPH08131846A - メタル担体の製造方法 - Google Patents

メタル担体の製造方法

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JPH08131846A
JPH08131846A JP6299053A JP29905394A JPH08131846A JP H08131846 A JPH08131846 A JP H08131846A JP 6299053 A JP6299053 A JP 6299053A JP 29905394 A JP29905394 A JP 29905394A JP H08131846 A JPH08131846 A JP H08131846A
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metal
metal honeycomb
honeycomb body
honeycomb bodies
brazing
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JP6299053A
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English (en)
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Yuuzou Tsukiide
雄三 月出
Haruo Serizawa
治夫 芹沢
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱疲労性に優れるとともに経済性に優れた
排気ガス浄化用のメタル担体の新規な製造方法を提供す
る。 【構成】 薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材が交
互に当接したハニカム構造の排気ガス浄化用触媒を担持
するためのメタルハニカム体、及び前記メタルハニカム
体を収容する金属製ケーシング、とから成るメタル担体
の製造方法において、前記メタル担体が、(i) 複数のメ
タルハニカム体を使用すると共に、各メタルハニカム体
の相互に隣接させる端面部及びその近傍部位にろう材固
定用結合剤を適用する工程、(ii) 複数のメタルハニカ
ム体を金属製ケーシング内に相互に隣接させて配置する
工程、(iii) ろう材固定用結合剤が適用された部位にろ
う材粉を供給、付着させる工程、(iv) 前記ろう材を介
して複数のメタルハニカム体を接合する工程、により製
造されることを特徴とするメタル担体の製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に自動車の排気ガ
スの浄化手段として排気系統の途中に介装されて使用さ
れる排気ガス浄化用メタル担体の製造方法に関する。
【0002】詳しくは、本発明は、ハニカム構造の排気
ガス浄化用触媒を担持するためのメタルハニカム体と前
記メタルハニカム体を収容する金属製ケーシングとから
成るメタル担体の製造方法に関する。更に詳しくは、本
発明は、特に前記メタルハニカム体の主要な構成要素で
あるメタルハニカム体が、隣接配置される複数個のメタ
ルハニカム体の隣接端面部に予めバインダを塗布し、各
メタルハニカム体を金属製ケーシング内で隣接配置さ
せ、次いでろう材の供給、ろう接合して製造することを
特徴とする耐熱疲労性に優れるとともに経済性に優れた
排気ガス浄化用のメタル担体の新規な製造方法を提供す
るものである。
【0003】
【従来の技術】排気ガス浄化用のメタル担体は、平板状
帯材と波板状帯材で構成されるハニカム構造の排気ガス
浄化用触媒(例えばPt,Rh,Pdなどを使用した触
媒系)を担持するための金属製のメタルハニカム体(以
下、メタルハニカム体という。)、及び前記メタルハニ
カム体を内部に収容し、固定するための金属製のケーシ
ング(以下、金属製ケーシングという。)、とから構成
されるものである。なお、前記メタル担体は、当業界に
おいては、メタルサポート(Metal Support) またはメタ
ルサブストレート(Metal Substrate) といわれており、
略記号(MS)で表示される場合がある。本発明の説明
においても、略記号MSが使用される。
【0004】前記したメタル担体(MS)の主要な構成
要素であるメタルハニカム体(以下、略記号Hが使用さ
れる。)としては、種々の構造のものが提案されてい
る。例えば、本発明を説明するために使用される後述の
図3に示されるメタルハニカム体(H1 )は巻回タイプ
と称されるものである。前記した巻回タイプのメタルハ
ニカム体(H1 )は、例えば100μm以下(好ましく
は50μm以下)の耐熱性の薄肉鋼板からなる平板状帯
材と、前記薄肉鋼板を波付加工して調製した波板状帯材
とを、相互に当接部を有するように重積し、これを一括
渦巻状に巻回成形して軸方向に排気ガス通路のための多
数の網目状通気孔路(セル)を持つハニカム構造のハニ
カム体(H1 )としたものである。
【0005】このほか、当業界において前記メタルハニ
カム体として、前記した巻回タイプのもの以外に、平板
状帯材と波板状帯材からメタルハニカム体を製造する方
法の相違により、各種の構造のものが知られている。例
えば、両帯材を階層状に積層した階層(後述する図6参
照)タイプのもの、このほか、特開昭62−27305
0号、特開昭62−273051号、特開平1−218
637号、特公表3−502660号、特開平4−22
7855号などに開示されている放射状タイプ(後述の
図7参照)、S字状タイプ(後述の図8参照)、巴状タ
イプ(後述の図9参照)、及びX−ラップ(卍状)タイ
プ(後述の図10参照)のメタルハニカム体が知られて
いる。
【0006】従来の典型的なメタル担体(MS)は、そ
の主要な構成要素である前記した構造のメタルハニカム
体(H)を1個使用して、例えば図3で示される巻回タ
イプのメタルハニカム体(H1 )の1つをメタルケーシ
ング(以下、略記号Cが使用される。)内に配設して構
成されるものである。そして、メタル担体(MS)は、
排気ガス系統という厳しい熱的環境の条件のもとで使用
されるため、メタルハニカム体(H)と金属製ケーシン
グ(C)は強固に固着されて製造されるものである。こ
れは、メタルハニカム体(H)と金属製ケーシング
(C)が排気ガス自体の高温度及び排気ガスと浄化用触
媒との発熱反応により発生する高温度にさらされ、この
ような高温雰囲気下のもとで各要素に大きな熱応力が印
加されるためであり、熱応力に耐え得るようにろう接合
や溶接などの固着方式により強固に固着される。なお、
メタルハニカム体(H)と金属製ケーシング(C)の境
界面の固着において、両要素の離体を防止する観点など
から、特定部位の固着という方式も提案されている(例
えば、実開昭62−19443号参照)。
【0007】一方、メタルハニカム体(H)自体も、前
記した過酷な使用条件下における耐久性の確保という観
点から、その構成部材である平板状帯材と波板状帯材の
当接部も、種々の方法及び方式により固着される。例え
ば、メタルハニカム体内部の所定部位の平板状帯材と波
板状帯材との当接部がろう接合や溶接などにより固着さ
れる(例えば、特公昭63−44466号、特開昭2−
218442号参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】前記したように、従
来のメタル担体(MS)は、主要な構成要素であるメタ
ルハニカム体(H)の構成部材(平板状帯材と波板状帯
材)の固着、更にはメタルハニカム体(H)と金属製ケ
ーシング(C)の固着に際して、ろう接合や溶接などの
固着手段が適用されて製造されるものである。なお、前
記固着手段としては、生産性や固着の確実性などの観点
から、一般にろう接合方式が採用されている。しかしな
がら、従来技術によるメタル担体(MS)の製造におい
て、前記したようにメタル担体(MS)の耐久性を考慮
した固着方式が提案されているが、長期の耐久性という
観点からみて未だ不十分なものである。
【0009】また、メタル担体(MS)の製造におい
て、前記したように固着手段としてろう接合方式が広く
採用されており、前記ろう接合方式に適用されるろう材
は、メタル担体の高温雰囲気下の使用条件ということか
ら、例えばNi系、Ni−Cr系などの高価な高温用ろ
う材であり、経済性の観点からその使用量の低減化が強
く求められているが、未だ不十分なものである。
【0010】本発明は、前記した従来技術の問題点を解
消するために創案されたものである。本発明者らは、前
記した従来技術の問題点を解消するべく、鋭意、検討を
加えた。その結果、本発明者らは、メタル担体を従来の
一つのメタルハニカム体で構成するのではなく、二つ以
上の複数のメタルハニカム体とし、かつ各メタルハニカ
ム体の相互に隣接する端面部を主体的に接合するという
固着方式を採用したとき、従来技術の問題点が解消さ
れ、耐久性に優れるとともに経済性に優れたメタル担体
(MS)が得られるという知見を得た。本発明は、前記
知見をベースにして完成されたものであり、本発明によ
り耐久性に優れ、かつ経済性に優れた排気ガス浄化用の
メタル担体の新規な製造方法が提供される。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、薄肉金属板製の平板状帯材と波板上帯材が交
互に当接したハニカム構造の排気ガス浄化用触媒を担持
するためのメタルハニカム体、及び前記メタルハニカム
体を収容する金属製ケーシング、とから成るメタル担体
の製造方法において、前記メタル担体が、(i) 複数のメ
タルハニカム体を使用すると共に、各メタルハニカム体
の相互に隣接させる端面部及びその近傍部位にろう材固
定用結合材を適用する工程、(ii) 複数のメタルハニカ
ム体を金属製ケーシング内に相互に当接させて配置する
工程、(iii) ろう材固定用結合剤が適用された部位にろ
う材粉を供給、付着させる工程、(iv) 前記ろう材を介
して複数のメタルハニカム体を接合する工程、により製
造されることを特徴とするメタル担体の製造方法に関す
るものである。
【0012】以下、本発明の技術的構成及び実施態様を
図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は図示の
ものに限定されないことはいうまでもないことである。
【0013】図1〜図5は、本発明の第一実施態様のメ
タル担体(MS)の構造と製造方法を説明する図であ
る。図1はメタル担体(MS)の斜視図、図2はメタル
担体(MS)の軸方向の断面図である。図3は、メタル
担体(MS)を構成するメタルハニカム体(H)の構造
を説明するための図であり、図2のメタルハニカム体
(H1 )側からみた正面図である。なお、メタルハニカ
ム体(H1 )の構造は、図示されるように巻回タイプの
ものである。図4は、隣接配置されるメタルハニカム体
(H1 )の隣接端面部へのろう材固定用結合材(バイン
ダ)の塗布工程を説明する図である。なお、ろう接合部
は、図2の(A)で示されている。
【0014】図示されるように、本発明の第一実施態様
のメタル担体(MS)は、次の工程により製造されるも
のである。 (i) まず、二個のメタルハニカム体(H1 ,H2 )を使
用するとともに、各メタルハニカム体の端面部及びその
近傍部位にろう材固定用結合材(バインダ)を適用す
る。前記バインダの所望部位への塗布は、高分子系接着
剤(水溶性系または水分散系)、具体的にはポリビニル
アルコール水溶液などを使用すればよい。あるいは特公
昭63−44466号公報などに開示されているニクロ
ブレイズセメント(Nicrobraz cement)などのセメント状
物質であってもよい。前記図4に示される態様は、メタ
ルハニカム体(H1 )をろう材粉固定用バインダ(結合
剤)の水溶液浴(4)に浸漬処理するものである。な
お、バインダの塗布は、各メタルハニカム体の隣接端面
部の一方であっても両方に行なってもよいことはいうま
でもないことである。
【0015】(ii) 次いで、バインダ塗布された二個の
メタルハニカム体(H1 ,H2 )を金属製ケーシング
(C)に填装、隣接配置させる。
【0016】(iii) 次に、ろう材を前記バインダ塗布部
に供給する。前記ろう材の供給は所望の方式で行なえば
よい。前記図5のろう材供給方式は、散布機(5)を用
いてろう材粉末をエアーにより散布する方式である。こ
のほか、振動装置を使用して散布する方式などを採用し
てもよい。なお、前記ろう材としては、粒径が50〜1
00μmの粉末状高温Ni基ろう材(Ni−Cr−Si
系)などを使用すればよい。
【0017】次いで、前記ろう材を介して二個のメタル
ハニカム体(H1 ,H2 )を接合一体化してメタル担体
(MS)を製造する。前記ろう接合の条件は、使用する
ろう材にも関連するが、例えば高温Ni基ろう材の場
合、真空炉を使用して真空度1×10-3Torr以下、不活
性または還元性雰囲気下、1100〜1300℃の条件
で行なえばよい。
【0018】本発明のメタル担体(MS)に適用される
二個のメタルハニカム体(H=H1+H2 )の構造とし
ては、前記したように第一メタルハニカム体(H1 )を
図3に示される巻回タイプのものとし、他方の第二メタ
ルハニカム体(H2 )を前記第一メタルハニカム体と同
種の構造のもの(巻回タイプ)としてもよい。あるい
は、後述するように第二メタルハニカム体(H2 )を異
種の構造のものに置換してもよいことはいうまでもない
ことである。
【0019】本発明のメタル担体(MS)における最大
の特徴点は、金属製ケーシング(C)内に二個のメタル
ハニカム体(H=H1 +H2 )を軸方向に隣接配置する
とともに、相互に隣接する端面部及びその近傍部位にろ
う材を確実に供給し、前記部位において二個のメタルハ
ニカム体を一体化接合させるという点にある。前記第一
実施態様において、ろう接合部(A)は、図2に示され
るように二個のメタルハニカム体(H1 ,H2 )の隣接
する端面部の全域において、前記供給方式で供給された
ろう材を介して行なわれる。なお、本発明において、後
述するように接合領域は、隣接端面部の全域であっても
よく、あるいはその一部であってもよいものである。
【0020】本発明において、前記した態様により特定
部位に供給されたろう材は、ろう接合時に融解するが、
各メタルハニカム体の当接する両端面部の複雑構造(二
つのハニカム構造体が当接し、当接面で形成される複雑
な構造のことを意味する。)のために、前記溶融ろう材
は毛細管現象により前記部位に滞留する。従って、前記
部位において強固なろう接合が実現される。
【0021】本発明において、前記二個のメタルハニカ
ム体(H1 ,H2 )の隣接端面部は、前記したようにろ
う材を介して夫々のメタルハニカム体(H1 ,H2 )が
十分な強度をもって接合される。従って、夫々のメタル
ハニカム体(H1 ,H2 )において、前記ろう接合され
る隣接端面部以外の部位、例えば隣接端面部とは反対側
の端面部及びその近傍部位、各メタルハニカム体内部あ
るいは金属製ケーシング(C)に当接する部位など、熱
応力による変形を受けやすい部位のろう接合を低減化す
ることが出来る。別言すれば、前記したろう接合方式の
採用により、全体としてろう接合部位を低減化させるこ
とが出来るため、隣接端面部でろう接合されたメタルハ
ニカム体(H=H1 +H2 )は、全体が柔構造のものと
なり、耐熱応力、耐熱衝撃性に優れた構造のものとな
る。また、ろう接合部位の低減化は、高価なNi系高温
ろう材の使用量を低減化させるものであり、経済性に優
れたメタル担体が得られる。
【0022】本発明において、メタルハニカム体(H=
1 +H2 )と金属製ケーシング(C)の隣接面、即ち
隣接端面部がろう接されたメタルハニカム体(H=H1
+H2 )の外周面と金属製ケーシング(C)の内周面の
固着は、適宜の態様で行なえばよい。例えば、図2に示
されるように、各メタルハニカム体(H1 ,H2 )にお
いて、ろう接合される隣接端面部の近傍の外周面(B)
を金属製ケーシング(C)の内周面にろう接合すればよ
い。前記したメタルハニカム体(H=H1 +H2 )と金
属製ケーシング(C)のろう接合態様、即ち(B)領域
でのろう接合により、メタルハニカム体(H)は金属製
ケーシング(C)内で柔構造を維持することができ、熱
応力の吸収・緩和特性に優れたものとなる。これは、ろ
う接合部位が図2の(A1 )と(B)であり、その他の
部位が非固着状態であるためである。なお、メタルハニ
カム体(H=H1 +H2 )と金属製ケーシング(C)と
の前記した隣接部位での固着は、各メタルハニカム体
(H1 ,H2 )の隣接端面部でのろう接合時に同時に行
ってもよく、あるいは予め隣接端面部でろう接合された
メタルハニカム体(H)を金属製ケーシング(C)内に
収容し、その後に溶接やろう接合などの固着手段により
行なってもよい。
【0023】本発明において、前記図3に示される巻回
タイプのメタルハニカム体(H1 )は、公知の方法で製
造されたものである。即ち、耐熱性の薄肉鋼板からなる
平板状帯材(1)と、前記平板状帯材(1)を波付加工
した波板状帯材(2)とを相互に当接部を有するように
重積し、これを一括渦巻状にして製作されたものであ
り、前記巻回成形により軸方向に排気ガス通路のため多
数の網目状通気孔路(セル)(3)が自動的に形成され
る。
【0024】本発明において、前記した巻回タイプのメ
タルハニカム体(H1 )を製作するために使用される平
板状帯材(1)としては、通常のメタルモノリスタイプ
のメタルハニカム体を製作するときに使用されている帯
材、例えばクロム鋼(クロム13%〜25%)、Fe−
Cr 20%−Al 5%などの耐熱性ステンレス鋼、
あるいはこれに耐高温酸化性を改善するために希土類金
属(CeやYなどのREM)を加えた耐熱性のステンレ
ス鋼など、厚さが40μm〜100μm程度の帯材が使
用される。また、前記波板状帯材(2)としては、前記
平板状帯材(1)から所定の略正弦波もしくは略台形波
を有するように波付加工したものが使用される。なお、
平板状帯材(1)と波板状帯材(2)は互いに異なった
板厚でもよく、また異なった材質のものであってもよ
い。特に、平板状帯材(1)と波板状帯材(2)にAl
を含有させたものやあるいはその表面にAl層を設けた
ものを熱処理して、その表面にウィスカー状もしくはマ
ッシュルーム状のアルミナ(Al2 3 )を析出させた
ものが好ましい。前記ウィスカー状などのアルミナ層
は、Pt,Pd,Rhなどの排気ガス浄化用触媒を担持
するためのウォッシュコート層を強固に保持することが
できるので好ましいものである。
【0025】本発明において、メタル担体(MS)の構
成要素として使用される複数のメタルハニカム体(H=
1 ………Hn ,nは2以上の整数)の構造は、夫々の
メタルハニカム体が同種構造のものであっても、あるい
は異種構造のものであってもよいことはいうまでもない
ことである。即ち、メタルハニカム体(H)の構造は、
前記した巻回タイプのものに限定されず、異種の構造の
ものであってもよく、これらを適宜に組合わせればよ
い。また、本発明において各メタルハニカム体におい
て、セル形状やセル密度、帯材(1、2)の厚さ(肉
厚)などが相互に異なっていてもよく、更には外径が異
なったものであってもよい。以下、前記した巻回タイプ
以外の各種の構造のメタルハニカム体について説明す
る。
【0026】図6は、図3に対応する図であり、第一メ
タルハニカム体(H1 )の構造が、積層(階層)タイプ
であることを示している。図7は、図3に対応する図で
あり、第一メタルハニカム体(H1 )の構造が、放射状
タイプであることを示している。図8は、図3に対応す
る図であり、第一メタルハニカム体(H1 )の構造が、
S字状タイプであることを示している。図9は、図3に
対応する図であり、第一メタルハニカム体(H1 )の構
造が、巴状タイプであることを示している。図10は、
図3に対応する図であり、第一メタルハニカム体
(H1 )の構造が、X−ラップタイプであることを示し
ている。
【0027】前記した各種構造の第一メタルハニカム体
(H1 )において、図6に示される積層(階層)タイプ
のメタルハニカム体は、薄肉金属板製の平板状帯材
(1)と波板状帯材(2)を相互に当接するように階層
状に積層(重積)して製作したものである。
【0028】また、図7に示される放射タイプのメタル
ハニカム体(H1 )は、平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)からなる浄化エレメントの所望数を用い、前記浄
化エレメントの一端部を固定軸(中心軸)に固定すると
ともに、前記固定軸から各浄化エレメントを外延させ
(放射させ)て製造したものである。なお、図を明確に
するため一部の浄化エレメントしか図示されていない。
【0029】更に、前記した各種構造の第一メタルハニ
カム体(H1 )において、図8〜図9に示されるS字状
または巴状タイプのメタルハニカム体は、以下のように
して製造されるものである。即ち、薄肉金属板製の平板
状帯材(1)と波板状帯材(2)を交互に所望段数に積
層して形成したスタック(stack)の所望数を使用
して製造されるものであり、各スタックのそれぞれの平
板状帯材と波板状帯材の両端部が外包する金属製ケーシ
ングの内壁面に当接した構造のものである。前記した製
造方法において、一個のスタックを使用したときは図8
に示されるように中心部位において構成部材がS字状に
湾曲したS字状タイプのものが、また三個のスタックを
使用したときは図9に示されるように中心部位において
三つのスタックが三つ巴状になった巴状タイプのものが
得られる。なお、図を明確にするために一部の帯材
(1、2)しか示されていない。
【0030】また、図10に示されるX−ラップタイプ
のメタルハニカム体は、薄肉金属板製の平板状帯材
(1)と波板状帯材(2)を交互に所望段数に積層し形
成したスタック(stack)を四つ(X1 〜X4 )を
使用し、前記各スタックを一端の当接端部で相互に当接
させるとともに、該当接端部を中心に同一方向に巻回成
形して製造されるものであり、各スタックの各平板状帯
材と波板状帯材の一端部が外包する金属製ケーシングの
内壁面に当接した構造のものである。前記した製造方法
において、図10に示されるようにメタルハニカム体の
中心部位において四つのスタックの当接端部がX字状
(+文字状)に配置され、これを巻回した状態(ラッ
プ)であるため、当業界においてこの種のメタルハニカ
ム体をX−ラップタイプと俗称している。なお、図を明
確にするために、一部の帯材(1、2)しか示されてい
ない。
【0031】本発明において、メタルハニカム体(M
S)を構成する複数のメタルハニカム体の正面(断面)
形状は、図3に示される円形のものに限定されない。例
えば、自動車の排気ガス浄化装置に利用される場合、車
体下部の空間スペースに適合させて、メタルハニカム体
の正面(断面)形状が、レーストラック形状、楕円形
状、多角形状、その他の異形形状のものであってもよ
い。
【0032】本発明のメタルハニカム体(MS)は、複
数のメタルハニカム体(H=H1 ………Hn )を前記し
たように金属製ケーシング(C)内に収容し固着して構
成されるものである。前記した金属製ケーシング(C)
は、メタルハニカム体(H)を内部に収容し固着するも
のであり、両端が開口し、メタルハニカム体(H)の断
面形状と同じ形状のものであれば何らかの制約を受ける
ものではない。即ち、メタルハニカム体(H)の正面
(断面)形状に合致させた形状のもの、例えば、円形の
みならず、レーストラック形状、楕円形、多角形、その
他の異形形状のものであってもよい。前記した金属製ケ
ーシング(C)の材料として、メタルハニカム体(H)
を構成する帯材(1、2)と同種の耐熱鋼を使用しても
よい。あるいは、耐熱耐食性に富む二重構造としたも
の、具体的には内側部分にフェライト系ステンレス鋼
を、外側部分にオーステナイト系ステンレス鋼を使用し
た二重構造のメタルケーシングを使用してもよい。
【0033】図11は、本発明の第二実施態様のメタル
担体(MS)の軸方向の縦断面図であり、前記第一実施
態様に関係する図2に対応する図である。第二実施態様
が前記第一実施態様と大きく異なる点は、二つのメタル
ハニカム体(H1 ,H2 )の隣接端面部におけるろう接
合方式が、当接端面部の一部であるという点であり、そ
の他の構成は実質的に同一である。図示されるように、
隣接端面部において、ろう接合部は、中心部(A1 )と
外周面(A2 )が行なわれる。この場合、ろう材が前記
部位以外に供給されないようにマスキング処理されなけ
ればならないことはいうまでもない。前記したろう接合
態様は、メタルハニカム体内部において最高の温度領域
にあるメタルハニカム体の中心部位、及び熱応力に基づ
く変形力が集中、集積するメタルハニカム体の外周部位
をろう接合により強固に接合し、耐久性を向上させるも
のである。なお、メタルハニカム体(H)と金属製ケー
シング(C)との当接面の固着は、所望の態様で行なえ
ばよく、図示していない。
【0034】図12は、本発明の第三実施態様のメタル
担体(MS)の軸方向の縦断面図であり、前記第一実施
態様に関係する図2に対応する図である。第三実施態様
が前記第一実施態様と大きく異なる点は、メタルハニカ
ム体(H)を三個により構成した点(H=H1 +H2
3 )、及び二つの隣接端面部でろう接合部(A1 ,A
2 )を形成した点である。なお、第三実施態様におい
て、第二メタルハニカム体(H2 )は、ろう接合により
他のものと比較して剛構造のものとなる。従って、例え
ば、第二メタルハニカム体(H2 )の厚味(軸方向の
幅)、あるいはろう接合を前記第二実施態様で行なうな
ど第二メタルハニカム体(H2 )の部位における耐久
性、熱応力緩和性の向上を図ることが好ましい。
【0035】図13は、本発明の第四実施態様のメタル
担体(MS)の軸方向の縦断面図であり、前記第一実施
態様に関係する図2に対応する図である。第四実施態様
が前記第一実施態様と大きく異なる点は、メタルハニカ
ム体(H)を異なる外径の二個のメタルハニカム体(H
1 ,H2 )で構成した点であり、その他の構成は実質的
に同一である。前記第四実施態様の場合、メタルハニカ
ム体(H1 ,H2 )を収容する金属製ケーシング(C)
は、前記メタルハニカム体(H1 ,H2 )の外径に対応
した形状のものでなければならないことはいうまでもな
いことである。前記第四実施態様において、大径のメタ
ルハニカム体(H2 )の外周部領域、即ち金属製ケーシ
ング(C)の内周面に当接する部位及びその近傍部位
は、図示されるように排気ガスが流入しないため断熱層
として作用することになる。なお、前記部位に排気ガス
が流入するように、メタルハニカム体(H2 )の帯材に
穴を穿孔したりしてもよいことはいうまでもないことで
ある。
【0036】
【発明の効果】本発明の排気ガス浄化触媒を担持するた
めのハニカム構造のメタルハニカム体と前記メタルハニ
カム体を収容する金属製ケーシングとから成るメタル担
体(MS)は、その主要な構成要素であるメタルハニカ
ム体(H)を従来のように一個(単一体)で構成するの
でなく、複数のもので構成し(H=H1 ………Hn ,n
は2以上の整数)、かつ各メタルハニカム体の相互に隣
接させる端面部にろう材を供給し、前記部位を主体的に
接合して製造されるものである。これにより、前記隣接
端面部において前記部位でのハニカム構造が当接して形
成される複雑構造により、ろう接合時に毛細管現象によ
り溶融ろう材が確実に保持されることから各メタルハニ
カム体は強固に接合されるため、前記隣接端面部以外の
部位の接合強度や接合部位それ自体を減らすことができ
る。例えば、従来技術においては、隣接端面部とは反対
側の端面部及びその近傍部位、各メタルハニカム体の内
部(中心部あるいは金属製ケーシングに当接する部位及
びその近傍部位)など、熱応力により変形を受けやすい
部位の接合は不可欠であるが、本発明によりこれら接合
部位での高価なろう材の使用量を減らしたり、これら接
合部位を接合しないですむことが出来る。
【0037】前記接合部位の低減化は、メタルハニカム
体の柔構造化に寄与し、メタルハニカム体の耐熱応力
性、耐熱衝撃性を改善するものである。また、接合部位
の低減化は、メタル担体の製造において、接合手段とし
て一般に高価な高温ろう材を使用されていることから経
済性に優れたメタル担体の提供を可能にするものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)
の斜視図である。
【図2】 本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)
の軸方向縦断面図である。
【図3】 本発明の第一実施態様のメタル担体(MS)
を構成する第一メタルハニカム体(H1 )の構造(巻回
タイプ)を説明する図である。
【図4】 ろう材固定用結合材(バインダ)の塗布工程
を説明する図である。
【図5】 散布機によるろう材粉の供給工程を説明する
図である。
【図6】 本発明のメタル担体(MS)に適用される他
の第一メタルハニカム体(H1 )の構造(積層タイプ)
を説明する図である。
【図7】 本発明のメタル担体(MS)に適用される他
の第一メタルハニカム体(H1 )の構造(放射タイプ)
を説明する図である。
【図8】 本発明のメタル担体(MS)に適用される他
の第一メタルハニカム体(H1 )の構造(S字状タイ
プ)を説明する図である。
【図9】 本発明のメタル担体(MS)に適用される他
の第一メタルハニカム体(H1 )の構造(巴状タイプ)
を説明する図である。
【図10】 本発明のメタル担体(MS)に適用される
他の第一メタルハニカム体(H1 )の構造(X−ラップ
タイプ)を説明する図である。
【図11】 本発明の第二実施態様のメタル担体(M
S)の軸方向縦断面図である。
【図12】 本発明の第三実施態様のメタル担体(M
S)の軸方向縦断面図である。
【図13】 本発明の第四実施態様のメタル担体(M
S)の軸方向縦断面図である。
【符号の説明】
MS ……… メタル担体 H,H1 ,H2 ,H3 ……… メタルハニカム体 C ……… 金属製ケーシング A ……… ろう接合領域 B ……… メタルハニカム体と金属ケーシングのろう
接合部 1 ……… 平板状帯材 2 ……… 波板状帯材 3 ……… セル 4 ……… ろう材固定用結合剤の水溶液浴 5 ……… ろう材粉の散布機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/86 ZAB F01N 3/28 ZAB 301 P Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材
    が交互に当接したハニカム構造の排気ガス浄化用触媒を
    担持するためのメタルハニカム体、及び前記メタルハニ
    カム体を収容する金属製ケーシング、とから成るメタル
    担体の製造方法において、前記メタル担体が、 (i) 複数のメタルハニカム体を使用すると共に、各メタ
    ルハニカム体の相互に隣接させる端面部及びその近傍部
    位にろう材固定用結合剤を適用する工程、 (ii) 複数のメタルハニカム体を金属製ケーシング内に
    相互に隣接させて配置する工程、 (iii) ろう材固定用結合剤が適用された部位にろう材粉
    を供給、付着させる工程、 (iv) ろう材を介して複数のメタルハニカム体を接合す
    る工程、により製造されることを特徴とするメタル担体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 ろう材固定用結合剤が、端面部及び/又
    はその近傍部位の少なくとも一部に適用されるものであ
    る請求項1に記載のメタル担体の製造方法。
  3. 【請求項3】 複数のメタルハニカム体が、異種のハニ
    カム構造を有するものである請求項1に記載のメタル担
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 メタルハニカム体が、巻回タイプ、積層
    タイプ、放射状タイプ、S字状タイプ、巴状タイプ、及
    びX−ラップタイプが選ばれたものである請求項3に記
    載のメタル担体の製造方法。
  5. 【請求項5】 複数のメタルハニカム体が、異なるセル
    形状またはセル密度のもので構成されたものである請求
    項1に記載のメタル担体の製造方法。
  6. 【請求項6】 複数のメタルハニカム体が、異なる板厚
    の帯材で構成されたものである請求項1に記載のメタル
    担体の製造方法。
  7. 【請求項7】 複数のメタルハニカム体が、異なる外径
    のもので構成されたものである請求項1に記載のメタル
    担体の製造方法。
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