JPH11210452A - 触媒用金属担体ユニットおよびその製造方法 - Google Patents

触媒用金属担体ユニットおよびその製造方法

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JPH11210452A
JPH11210452A JP10010234A JP1023498A JPH11210452A JP H11210452 A JPH11210452 A JP H11210452A JP 10010234 A JP10010234 A JP 10010234A JP 1023498 A JP1023498 A JP 1023498A JP H11210452 A JPH11210452 A JP H11210452A
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JP
Japan
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catalyst
outer cylinder
metal carrier
metal
plate
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JP10010234A
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English (en)
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Junichiro Hirohashi
順一郎 広橋
Katsufumi Inoue
勝文 井上
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、自動車等に搭載される排ガスを浄
化するための触媒コンバータに用いられる触媒用金属担
体ユニットおよびその製造方法に関し、板材の亀裂およ
び欠落を確実に防止するとともに、平板と波板との圧接
力を、どの位置でも均一にすることができる触媒用金属
担体ユニットおよびその製造方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 金属製の平板27と波板29とを交互に
積層した触媒用金属担体25を、金属製の外筒21内に
収納してなる触媒用金属担体ユニットにおいて、触媒用
金属担体25の平板27と波板29とを、U字形状に積
層するとともに、このU字開放端27a,29aを、外
筒21内に収納し、平板27と波板29とを拡散接合す
ると共に、これらを外筒21の内周に接合してなること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に搭載さ
れる排ガスを浄化するための触媒コンバータに用いられ
る触媒用金属担体ユニットおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の排気系には、排ガスを
浄化するために触媒コンバータが配置されており、この
触媒コンバータに用いられる触媒用金属担体ユニットと
して、例えば、特開平2ー14747号公報等に開示さ
れているものが知られている。図9は、この種の触媒用
金属担体ユニットを示すもので、図において符号1は金
属からなる円筒形状の外筒を示している。
【0003】この外筒1内には、円柱形状の触媒用金属
担体3が収納されている。触媒用金属担体3は、金属製
の平板5と波板7とを交互に重ね、多重に巻回して形成
されている。
【0004】上述した触媒用金属担体ユニットは、外筒
1内に触媒用金属担体3を収納した後、外筒1の外周を
絞り込んで縮径し、平板5と波板7との接触部9を圧接
した後、真空炉内で熱処理を行い、接触部9を拡散接合
することにより製造される。しかしながら、このような
従来の触媒用金属担体ユニットの製造方法では、平板5
と波板7とを多重に巻回して触媒用金属担体3を形成し
たため、外筒1の外周の絞り込みの際に、圧接力が、外
周側の平板5と波板7には伝わるが、中心側までは十分
に伝わらず、拡散接合の接合力が触媒用金属担体の中心
側ほど弱くなるという問題があった。
【0005】このため、高温,高圧の排ガス流により、
中心側の接触部9の拡散接合部が剥がれ、板材の亀裂お
よび亀裂に伴う欠落などが発生する虞があった。従来、
このような不具合の発生を防止した触媒用金属担体ユニ
ットとして、例えば、特開平6−218289公報に開
示されるものが知られている。図10は、この公報に開
示される触媒用金属担体ユニットを示すもので、外筒1
1内には、S字形状の平板12と波板13とを交互に積
層した触媒用金属担体15が収納されている。
【0006】この触媒用金属担体ユニットでは、先ず、
平坦形状の平板12と波板13とが交互に積層され、こ
れらの平板12と波板13とを、支点16,17を中心
にして巻回することで触媒用金属担体18が製造され
る。そして、この触媒用金属担体18を外筒11内に収
納し、外筒11の内周に当接する平板12と波板13と
の開放端を溶接し、さらに、平板12と波板13との接
触部19を溶接することにより触媒用金属担体ユニット
が製造される。
【0007】このような触媒用金属担体ユニットでは、
平板12と波板13との開放端が、全て外筒11の内周
に溶接されるため、前述した平板12と波板13との開
放端近傍での接合剥がれ、およびそれに伴う板材の亀裂
ないしは欠落を防止することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の触媒用金属担体ユニットでは、平板12が支
点16,17を軸として外周側に向けて放射状に広がる
ため、外周側の平板12の積層間隔が支点16,17近
傍の積層間隔より大きくなる傾向があり、外周側の平板
12と波板13との接触部19の圧接力が中心側に較べ
て弱くなり、外周側の接触部19が剥がれやすいという
問題があった。
【0009】また、触媒用金属担体ユニットでは、平板
12と波板13とを溶接で行っているが、端面の接触部
以外の溶接は困難であるので、平板12,波板13間の
接合強度が充分でなく、経年使用により、亀裂ないしそ
れに伴う欠落を生ずる虞があった。本発明は、かかる従
来の問題点を解決するためになされたもので、板材の亀
裂および欠落を確実に防止するとともに、平板と波板と
の圧接力を、どの位置でも均一にすることができる触媒
用金属担体ユニットおよびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の触媒用金属担
体ユニットは、金属製の平板と波板とを交互に積層した
触媒用金属担体を、金属製の外筒内に収納してなる触媒
用金属担体ユニットにおいて、前記触媒用金属担体の前
記平板と前記波板とを、U字形状に積層するとともに、
このU字開放端を、前記外筒内に収納し、前記平板と前
記波板とを拡散接合すると共に、これらを前記外筒の内
周に接合してなることを特徴とする。
【0011】請求項2の触媒用金属担体ユニットは、請
求項1記載の触媒用金属担体ユニットにおいて、前記平
板と前記波板との前記U字開放端と、前記外筒の内周と
をろう材によりろう付けしてなることを特徴とする。請
求項3の触媒用金属担体ユニットは、請求項2記載の触
媒用金属担体ユニットにおいて、前記U字開放端の軸長
方向の一部を、前記外筒の内周にろう付けしてなること
を特徴とする。
【0012】請求項4の触媒用金属担体ユニットの製造
方法は、金属製の平板と波板とを交互に積層したU字形
状の触媒用金属担体を形成する担体形成工程と、前記触
媒用金属担体の前記平板と前記波板とのU字開放端に、
ろう材を配置するろう材配置工程と、前記ろう材を配置
した前記触媒用金属担体を、金属製の外筒に収納する収
納工程と、前記外筒に収納された前記触媒用金属担体
を、前記平板と前記波板とを拡散接合すると共に、前記
ろう材により外筒に固定する熱処理工程とを備えてなる
ことを特徴とする。
【0013】請求項5の触媒用金属担体ユニットの製造
方法は、請求項4記載の触媒用金属担体ユニットの製造
方法において、前記収納工程と前記熱処理工程との間
に、前記外筒を絞り込み、前記平板と前記波板とを互い
に圧接する圧接工程を備えてなることを特徴とする。請
求項6の触媒用金属担体ユニットの製造方法は、請求項
5記載の触媒用金属担体ユニットの製造方法において、
前記収納工程の前記外筒には、予め軸長方向にスリット
が形成されていることを特徴とする。
【0014】請求項7の触媒用金属担体ユニットの製造
方法は、請求項6記載の触媒用金属担体ユニットの製造
方法において、前記圧接工程は、前記外筒の前記スリッ
トを閉じることにより行われることを特徴とする。請求
項8の触媒用金属担体ユニットの製造方法は、請求項7
記載の触媒用金属担体ユニットの製造方法において、前
記収納工程の前記触媒用金属担体は、前記平板と前記波
板との前記U字開放端を、前記外筒の前記スリット側に
向けて配置されることを特徴とする。
【0015】なお、請求項5における「外筒を絞る」と
は、スリットが入って拡径されている外筒のそのスリッ
トをすぼめて径を縮小すること、およびある管径の外筒
をダイス等で絞って径を縮小することの両者を意味す
る。
【0016】(作用)請求項1の触媒用金属担体ユニッ
トでは、平板と波板とのU字開放端が、外筒の内周に接
合され、触媒用金属担体を構成する全ての平板と波板と
が、確実に外筒に固定される。また、平板および波板が
U字開放端のみで接合されるため、外筒内周に全周に亘
って接合した場合に比較して、触媒用金属担体の拘束が
減り、熱応力が緩和される。
【0017】また、平板および波板が拡散接合されてい
るので、これら板材の亀裂およびそれに伴う欠落が防止
される。請求項2の触媒用金属担体ユニットでは、平板
と波板とのU字開放端と、外筒の内周とが、ろう材によ
り、容易かつ確実にろう付けされる。請求項3の触媒用
金属担体ユニットでは、U字開放端の軸長方向の一部
が、外筒の内周にろう付けされるため、ろう材の使用量
が低減されると共に、該ユニットの上下流両端での温度
条件の相違に伴って発生する熱応力を低減できる。
【0018】請求項4の触媒用金属担体ユニットの製造
方法では、先ず、平板と波板とを交互に積層したU字形
状の触媒用金属担体が形成される担体形成工程が行われ
る。この際、平板の積層間隔は、触媒用金属担体のどの
位置でも一定になり、平板と波板との接触部の圧接力
は、どの位置でも均一にされる。次に触媒用金属担体の
U字開放端にろう材が配置され、触媒用金属担体の断面
形状を整えるろう材配置工程が行われる。
【0019】さらに、触媒用金属担体が外筒に収納され
る収納工程が行われる。そして、平板と波板とが拡散接
合されると共に、触媒用金属担体のU字開放端と、外筒
の内周とがろう付けされ、触媒用金属担体を構成する全
ての平板と波板とを外筒に接合する熱処理工程が行われ
る。請求項5の触媒用金属担体ユニットの製造方法で
は、収納工程と熱処理工程との間に、圧接工程が行われ
る。
【0020】この圧接工程では、触媒用金属担体を収納
した外筒が絞られ、外周側の平板と波板とが圧接され
る。そして、波板がU字形状の円弧側からU字開放端側
に向けて僅かに変形しながら、圧接力が内側の平板と波
板とに順次伝えられていき、触媒用金属担体を構成する
全ての平板と波板との接触部が均一に圧接される。
【0021】また、触媒用金属担体の横断面のU字開放
端側は、平板が直線状に形成されているため、容易に外
筒の圧接力が、触媒用金属担体の中心側まで伝えられ
る。請求項6の触媒用金属担体ユニットの製造方法で
は、収納工程で用いられる外筒の軸長方向に、予めスリ
ットが形成される。そして、このスリットにより、外筒
の内径が変形可能にされ、容易に触媒用金属担体が外筒
に収納される。
【0022】請求項7の触媒用金属担体ユニットの製造
方法では、圧接工程により、スリットが閉じるまで外筒
が圧接され、外筒が常に所定の外径にされ、かつ平板と
波板とが常に所望の圧接状態に保たれる。請求項8の触
媒用金属担体ユニットの製造方法では、収納工程での触
媒用金属担体の外筒への収納は、U字開放端を外筒のス
リット側に向けて行われるため、外筒を絞る際に、平板
と波板とがU字形状の円弧側からU字開放端側に向けて
無理なく変形されて、板材の片ずれや変形が防止され、
平板と波板との接触部が均一に圧接される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて詳細に説明する。図1は、本発明の触媒用金属担
体ユニットの一実施形態(請求項1ないし請求項3に対
応する)を示しており、図1において符号21は円筒状
をした金属製の外筒である。
【0024】外筒21には、例えば、板厚1.5mm〜
2.0mmのフェライト系ステンレス鋼等が用いられ、
軸長方向に形成されるスリット21aを閉じ溶接23さ
れている。この外筒21内には、触媒用金属担体25が
収納されている。触媒用金属担体25は、金属製の平板
27と波板29とを、交互にU字形状に積層して形成さ
れている。
【0025】これらの平板27および波板29には、例
えば、板厚0.05mmのCr20%,Al(アルミニウ
ム)5%を含有するフェライト系ステンレス鋼等が用い
られている。また、平板27と波板29とのU字開放端
27a,29aは、外筒21の内周に当接されている。
【0026】そして、このU字開放端27a,29aの
軸長方向の一端側は、図4に示すように、例えば、Niろ
う箔等からなるろう材31により、外筒21の内周にろ
う付けされている。上述した触媒用金属担体ユニット
は、本発明の触媒用金属担体ユニットの製造方法の一実
施形態(請求項4ないし請求項8に対応する)により、
以下に述べるように製造される。
【0027】この製造方法では、担体形成工程,ろう材
配置工程,収納工程,圧接工程,熱処理工程が、順次行
われる。すなわち、先ず、担体形成工程では、図2に示
すように、大きさの異なる平板27と波板29とが、断
面台形形状になるように交互に積層される。そして、図
3に示すように、積層された平板27と波板29とが、
中央からU字形状に折曲され、円柱形状の触媒用金属担
体25が形成される。
【0028】次に、ろう材配置工程では、図4に示すよ
うに、触媒用金属担体25の断面形状が、外筒21の内
周形状に合わせて整えられた後、この形状を保ったま
ま、U字開放端27a,29aの軸長方向の一端側に、
箔状のろう材31が巻回される。次に、収納工程では、
図5に示すように、触媒用金属担体25が、U字開放端
27a,29aをスリット21a側に向けて外筒21内
に収納される。
【0029】次に、圧接工程では、図6に示すように、
圧接ジグ等により外筒21が絞られて縮径し、平板27
と波板29とのU字開放端27a,29aが、外筒21
の内周に当接される。さらに、外筒21が、そのスリッ
ト21aが接触するまで絞られ、平板27と波板29と
の接触部35が圧接される。
【0030】そして、このスリット21aが溶接23さ
れる。すなわち、このスリット21aのスリット巾は、
スリット21aが接触した時に平板27と波板29とが
所望の圧力で圧締されるように決められている。次に、
熱処理工程では、触媒用金属担体25を収納した外筒2
1が、真空炉内に収容され、所定の温度で熱処理される
ことにより、平板27と波板29との接触部35が拡散
接合される。
【0031】同時に、U字開放端27a,29aと外筒
21の内周とが、ろう材31によりろう付けされ、図1
に示した触媒用金属担体ユニットが完成される。以上の
ように構成された触媒用金属担体ユニットでは、平板2
7と波板29とのU字開放端27a,29aを、外筒2
1の内周に接合したので、触媒用金属担体25を構成す
る全ての平板27と波板29とを、確実に外筒21に固
定することができ、亀裂および欠落の発生を防止するこ
とができる。
【0032】また、平板27と波板29との接触部35
を、拡散接合したので、均一かつ強固に接触部35を接
合することができ、この担体ユニットの経時耐久性を著
しく向上させることができる。そして、平板27と波板
29とのU字開放端27a,29aと、外筒21の内周
との固定を、ろう材31を用いて行ったので、簡易な手
段で確実に固定することができる。
【0033】また、U字開放端27a,29aの軸長方
向の一部にのみを、外周の内周にろう付けしたので、ろ
う材31の使用量を大幅に低減することができる。そし
て、触媒用金属担体ユニットの製造方法では、担体形成
工程で、台形形状に積層した平板27と波板29とを、
中央からU字形状に折曲したので、平板27の変形と同
時に、波板29を平板27の変形に追従して変形するこ
とができ、平板27と波板29との接触部35の圧接力
を均一に保ちながら、外筒21の内周形状に対応するU
字開放端27a,29aを有する触媒用金属担体25を
形成することができる。
【0034】その上、この担体ユニットにおいては、そ
の上流側と下流側とで、熱応力が大きく相違するので、
その熱応力が過大な上流側を未接合部に、下流側をろう
付け部になるように排気系に設置すれば、上流側は過大
な熱応力による板材の膨張・収縮を無理なく吸収するこ
とができ、その亀裂・欠落を防止することができる。さ
らに、圧接工程で、U字形状に形成した触媒用金属担体
25を収納した外筒21を絞ったので、先ず、外筒21
が外周側の平板27と波板29とを圧接し、次に、波板
29がU字形状の円弧側からU字開放端29a側に向け
て僅かに変形しながら、この圧接力を内側の平板27と
波板29とに順次伝えることができ、触媒用金属担体2
5を構成する全ての平板27と波板29との接触部35
を可及的均一に圧接することができる。
【0035】そして、触媒用金属担体25の横断面のU
字開放端27a,29a側は、平板27を直線状に形成
しているので、容易に外筒21の圧接力を、触媒用金属
担体25の中心側まで伝えることができる。さらに、熱
処理工程で、均一に圧接された平板27と波板29との
接触部35を拡散接合したので、接触部35を均一かつ
強固に接合することができる。
【0036】そして、収納工程で用いる外筒21の軸長
方向にスリット21aを形成したので、このスリット2
1aにより、外筒21を横断面方向に変形するとがで
き、特別のジグを用いることなく、容易に触媒用金属担
体25を外筒21に収納することができる。また、圧接
工程で平板27と波板29との圧接をスリット21aを
閉じることで行ったので、容易に外筒21の絞り込みを
行うことができると共に、スリット21a間が接触する
までの変形量を加減することによって、平板27と波板
29との圧締力を所望の値にすることができ、常に外筒
21を所定の外径に保って、平板27と波板29とを一
定かつ所望の圧接状態にすることができる。
【0037】そして、収納工程で、U字開放端27a,
29aを外筒21のスリット21a側に向けて触媒用金
属担体25を配置したので、外筒21を絞る際に、波板
29をU字形状の円弧側からU字開放端29a側に向け
て無理なく変形することができ、平板27と波板29と
の接触部35を、中心から外周に亘って均一に圧接する
ことができる。
【0038】なお、上述した実施形態では、平板27お
よび波板29に、板厚0.05mmのCr20%,Al(ア
ルミニウム)5%を含有するフェライト系ステンレス鋼
を用いた例について述べたが、本発明はかかる実施形態
に限定されるものでなく、例えば、平板と波板とを巻回
して形成していた触媒用金属担体では、外周からの加圧
力を中心部までほとんど届かなかった0.05mm以上
0.1mm以下の厚めの板材にも適用可能であるし、ま
た、板厚0.03mmのCr18%,Al(アルミニウム)
3%を含有するフェライト系ステンレスを用いても良
い。
【0039】また、上述した実施形態では、平板27に
平坦な金属薄板を用いた例について述べたが、本発明は
かかる実施形態に限定されるものでなく、例えば、平板
27の代わりに、波板29の波高より低い小波形状を有
する小波板を用いても良く、この場合、熱膨張により波
板29と小波板との接触部35に発生する熱応力を緩和
することができ、さらに、排ガスの触媒用金属担体25
内での触媒接触面積を大きくできるので、排ガスの浄化
効率を向上することができる。
【0040】さらに、上述した実施形態では、触媒用金
属担体25および外筒21を断面円形状に形成した例に
ついて述べたが、本発明はかかる実施形態に限定される
ものでなく、例えば、断面長円形状に形成しても良い。
また、上述した実施形態では、外筒21のスリット21
a全体を溶接した例について述べたが、外筒21に収納
された触媒用金属担体25を、さらに、密閉ケーシング
に載置する場合には、本発明はかかる実施形態に限定さ
れるものでなく、例えば、閉じたスリット21aが開か
ない程度に、スリット21aの数箇所を溶接しても良
い。
【0041】そして、上述した実施形態では、外筒21
のスリット21a部には何も形成しない例について述べ
たが、本発明はかかる実施形態に限定されるものでな
く、例えば、図7に示すように、スリット21aから外
周方向に向けて突出部21bを形成し、圧接工程で、こ
の突出部21bを互いに密着させ溶接しても良い。さら
に、上述した実施形態では、外筒21の軸長方向に等間
隔の隙間を有するスリット21aを形成した例について
述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるもので
なく、例えば、図8に示すように、スリット21aの隙
間を徐々に広げて形成しても良い。
【0042】この場合、圧接工程で外筒21を絞った時
に、外筒21が軸長方向にテーパ形状になるため、外筒
21の細径側の平板27と波板29との接触部35をよ
り強く圧接することにより軸長方向で接合力に変化を持
たすことができ、外筒21の細径側を排ガス出口側に向
けて配置することで、熱応力の相違を、より合理的に緩
和することができる。
【0043】そして、上述した実施形態では、外筒21
にスリット21aを形成した例について述べたが、本発
明はかかる実施形態に限定されるものでなく、例えば、
スリット21aを形成せず、圧接工程で外筒21を縮径
変形させ、平板27と波板29とを圧接して良い。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の触媒用金
属担体ユニットでは、平板と波板とのU字開放端を、外
筒の内周に接合すると共に、平板と波板とを拡散接合し
たので、触媒用金属担体を構成する全ての平板と波板と
を、確実に外筒に固定すると共に、触媒用金属担体を強
固に接合することができ、板材の亀裂およびそれに伴う
欠落を防止し、該ユニットの耐久性を増すことができ
る。
【0045】請求項2の触媒用金属担体ユニットでは、
平板と波板とのU字開放端と、外筒の内周との固定を、
ろう材を用いて行ったので、板材を外筒に確実に固定す
ることができる。請求項3の触媒用金属担体ユニットで
は、U字開放端の軸長方向の一部のみを、外筒の内周に
ろう付けしたので、ろう材の使用量を大幅に低減するこ
とができると共に、該ユニットの上下流両端での温度条
件の相違に伴って発生する熱応力を軽減することができ
る。
【0046】請求項4の触媒用金属担体ユニットの製造
方法では、平板と波板とを交互に積層したU字形状の触
媒用金属担体のU字開放端に、ろう材を配置し、このU
字開放端と外筒の内周とをろう付けすると共に、その平
板と波板とを拡散接合したので、触媒用金属担体を構成
する全ての平板と波板とを、確実に外筒に固定すること
ができると共に、触媒用金属担体を強固に作ることがで
きる。
【0047】請求項5の触媒用金属担体ユニットの製造
方法では、圧接工程で、U字形状の触媒用金属担体を収
納した外筒を絞ったので、先ず、外筒が外周側の平板と
波板とを圧接し、次に、波板がU字形状の円弧側からU
字開放端側に向けて僅かに変形しながら、この圧接力を
内側の平板と波板とに順次伝えることができ、触媒用金
属担体を構成する全ての平板と波板との接触部を可及的
均一に圧接することができる。
【0048】また、触媒用金属担体の横断面のU字開放
端側は、平板を直線状に形成しているので、容易に外筒
の圧接力を、触媒用金属担体の中心側まで伝えることが
できる。請求項16の触媒用金属担体ユニットの製造方
法では、収納工程で用いる外筒の軸長方向に、予めスリ
ットを形成したので、このスリットにより、外筒を横断
面方向に変形するとができ、特別のジグを用いることな
く、容易に触媒用金属担体を外筒に収納することができ
る。
【0049】請求項7の触媒用金属担体ユニットの製造
方法では、圧接工程で、外筒の圧接をスリットを閉じる
ことで行ったので、容易に外筒の絞り込みを行うことが
でき、常に外筒を所定の外径に保って、平板と波板とを
所望の圧接状態にすることができる。請求項8の触媒用
金属担体ユニットの製造方法では、収納工程で、U字開
放端を外筒のスリット側に向けて触媒用金属担体を配置
したので、圧接工程で外筒を絞る際に、波板をU字形状
の円弧側からU字開放端側に向けて無理なく変形するこ
とができて、板材の片ずれや変形が防止され、平板と波
板との接触部を可及的均一に圧接することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒用金属担体ユニットの一実施形態
を示す斜視図である。
【図2】本発明の触媒用金属担体ユニットの製造方法の
一実施形態の担体形成工程を示す側面図である。
【図3】本発明の触媒用金属担体ユニットの製造方法の
一実施形態の担体形成工程を示す側面図である。
【図4】本発明の触媒用金属担体ユニットの製造方法の
一実施形態のろう材配置工程を示す斜視図である。
【図5】本発明の触媒用金属担体ユニットの製造方法の
一実施形態の収納工程を示す斜視図である。
【図6】本発明の触媒用金属担体ユニットの製造方法の
一実施形態の圧接工程を示す断面図である。
【図7】外筒のスリットに突出部を形成した例を示す断
面図である。
【図8】外筒のスリットを軸長方向に斜めに形成した例
を示す側面図である。
【図9】従来の触媒用金属担体ユニットを示す斜視図で
ある。
【図10】従来の触媒用金属担体ユニットを示す断面図
である。
【符号の説明】
21 外筒 21a スリット 25 触媒用金属担体 27 平板 29 波板 27a,29a U字開放端 31 ろう材 35 接触部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B21D 47/00 ZAB B01D 53/36 ZABC

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の平板(27)と波板(29)と
    を交互に積層した触媒用金属担体(25)を、金属製の
    外筒(21)内に収納してなる触媒用金属担体ユニット
    において、 前記触媒用金属担体(25)の前記平板(27)と前記
    波板(29)とを、U字形状に積層するとともに、この
    U字開放端(27a,29a)を、前記外筒(21)内
    に収納し、前記平板(27)と前記波板(29)とを拡
    散接合すると共に、これらを前記外筒(21)の内周に
    接合してなることを特徴とする触媒用金属担体ユニッ
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の触媒用金属担体ユニット
    において、 前記平板(27)と前記波板(29)との前記U字開放
    端(27a,29a)と、前記外筒(21)の内周とを
    ろう材(31)によりろう付けしてなることを特徴とす
    る触媒用金属担体ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の触媒用金属担体ユニット
    において、 前記U字開放端(27a,29a)の軸長方向の一部
    を、前記外筒(21)の内周にろう付けしてなることを
    特徴とする触媒用金属担体ユニット。
  4. 【請求項4】 金属製の平板(27)と波板(29)と
    を交互に積層したU字形状の触媒用金属担体(25)を
    形成する担体形成工程と、 前記触媒用金属担体(25)の前記平板(27)と前記
    波板(29)とのU字開放端(27a,29a)に、ろ
    う材(31)を配置するろう材配置工程と、 前記ろう材(31)を配置した前記触媒用金属担体(2
    5)を、金属製の外筒(21)に収納する収納工程と、 前記外筒(21)に収納された前記触媒用金属担体(2
    5)を、前記平板(27)と前記波板(29)とを拡散
    接合すると共に、前記ろう材(31)により外筒(2
    1)に固定する熱処理工程と、 を備えてなることを特徴とする触媒用金属担体ユニット
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の触媒用金属担体ユニット
    の製造方法において、 前記収納工程と前記熱処理工程との間に、前記外筒(2
    1)を絞り込み、前記平板(27)と前記波板(29)
    とを互いに圧接する圧接工程を備えてなることを特徴と
    する触媒用金属担体ユニットの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の触媒用金属担体ユニット
    の製造方法において、 前記収納工程の前記外筒(21)には、予め軸長方向に
    スリット(21a)が形成されていることを特徴とする
    触媒用金属担体ユニットの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の触媒用金属担体ユニット
    の製造方法において、 前記圧接工程は、前記外筒(21)の前記スリット(2
    1a)を閉じることにより行われることを特徴とする触
    媒用金属担体ユニットの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の触媒用金属担体ユニット
    の製造方法において、 前記収納工程の前記触媒用金属担体(25)は、前記平
    板(27)と前記波板(29)との前記U字開放端(2
    7a,29a)を、前記外筒(21)の前記スリット
    (21a)側に向けて配置されることを特徴とする触媒
    用金属担体ユニットの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008546940A (ja) * 2005-06-17 2008-12-25 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング 移動式排出ガス後処理用の特に大きなハニカム体の製造方法

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JP2008546940A (ja) * 2005-06-17 2008-12-25 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング 移動式排出ガス後処理用の特に大きなハニカム体の製造方法

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