JPH09173935A - フローコート塗装状態の検出方法およびその装置 - Google Patents

フローコート塗装状態の検出方法およびその装置

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JPH09173935A
JPH09173935A JP7336342A JP33634295A JPH09173935A JP H09173935 A JPH09173935 A JP H09173935A JP 7336342 A JP7336342 A JP 7336342A JP 33634295 A JP33634295 A JP 33634295A JP H09173935 A JPH09173935 A JP H09173935A
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秀和 荒木
Tomoharu Nakahara
智治 中原
Katsuhiro Sasada
勝弘 笹田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フローコーティングによる塗装状態の良否を精
度よく判断する。 【解決手段】フローコーティングの過程において被塗装
物1と塗料膜2との境界線Bを含む領域をTVカメラ4
により撮像し、得られた画像から境界線Bの上の点列を
抽出する。その後、点列を代表する直線を基準線として
設定し、基準線と点列の各点との距離を用いて境界線B
の形状に対する評価値を求め、この評価値を用いて塗装
状態の良否を評価する。このようにして境界線Bの形状
から評価値を求めることによって塗装状態の良否を判定
するから、塗装の不良を直接的に検出することができ、
塗料膜2での膜切れのみを検出する場合に比較すると塗
装状態の良否を精度よく行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フローコーティン
グを施している過程において塗装状態の良否を評価する
フローコート塗装状態の検出方法およびその装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、塗料が送り込まれるヘッド部
に設けたスリット状のリップ部ないし多数個のノズルか
ら塗料を流下させることによりカーテン状の塗料膜を形
成し、コンベアのような搬送装置を用いて被塗装物を塗
料膜に略直交する方向に搬送することにより、被塗装物
の表面に塗料を被着するようにしたフローコーティング
ないしカーテンフローコーティングと称する塗装技術が
知られている。余剰の塗料は樋に集められてポンプなど
で循環使用される。
【0003】この種の塗装技術では、塗料の吐出口で塗
料が固まったり吐出口に異物が付着したりするなどの原
因で、塗料膜に孔や気泡が形成されて塗料膜に膜切れが
生じることがある。塗料膜に膜切れが生じると塗料の流
下に伴って孔や気泡が被塗装物の位置まで移動すること
があり、このときに被塗装物には塗りむらが生じること
になる。
【0004】そこで、塗料膜に形成される孔や気泡に起
因する塗りむらを防止するために、特開平4−1569
72号公報に記載されているように、塗料膜の幅方向の
全長に亙って線状に光を照射するとともに、塗料膜を通
過した光をCCDイメージセンサのような受光素子を用
いて受光し、その出力画像に基づいて光の明暗を判別す
ることにより塗料膜の膜切れを検出する技術が提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術を採
用すれば塗料膜の膜切れを検出することは可能である。
しかしながら、塗料膜に膜切れが生じても被塗装物には
正常に塗装される場合もあるから、塗料膜の膜切れが検
出されただけで不良品と判断することはできないもので
ある。つまり、塗料膜の膜切れのみを検出しても被塗装
物の上に生じた未塗装部位の大きさは検出することはで
きないから、塗装の良否を正確に判断することはできな
いものである。
【0006】本発明は前記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、塗装状態の良否を精度よく判断する
ことを可能にしたフローコート塗装状態の検出方法およ
びその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、塗料
をヘッド部からカーテン状に流下させることにより塗料
膜を形成し、前記塗料膜に交差する方向に被塗装物を搬
送することにより前記被塗装物に塗料を塗るフローコー
ティングの過程において塗装状態を検出する方法であっ
て、前記被塗装物と前記塗料膜との境界線を含む領域を
画像入力手段により撮像し、得られた画像から前記境界
線の上の点列を抽出した後、点列を代表する直線を基準
線として設定し、前記基準線と点列の各点との距離を用
いて前記境界線の形状に対する評価値を求め、前記評価
値を用いて塗装状態の良否を評価することを特徴とす
る。
【0008】この方法によれば、被塗装物と塗料膜との
境界線の形状を画像入力手段により撮像した画像に基づ
いて検出し、境界線の形状から評価値を求めることによ
って塗装状態の良否を判定するから、塗装の不良を直接
的に検出することができ、塗料膜での膜切れのみを検出
する場合に比較すると塗装状態の良否を精度よく行なう
ことができる。
【0009】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、前記画像の各画素の濃度を適宜閾値で2値化する
ことにより得られる2値画像の中での白領域と黒領域と
の境界線を前記境界線として採用することを特徴とす
る。請求項3の発明では、請求項1の発明において、前
記画像内において前記被塗装物のテクスチャを識別して
2値化することにより得られる2値画像の中での白領域
と黒領域との境界線を前記境界線として採用することを
特徴とする。
【0010】請求項4の発明では、請求項1の発明にお
いて、前記画像内において前記被塗装物と前記塗料膜と
の色を識別して2値化することにより得られる2値画像
の中での白領域と黒領域との境界線を前記境界線として
採用することを特徴とする。請求項5の発明では、請求
項1の発明において、画像入力手段により撮像された濃
淡画像を前記境界線に交差する方向に微分するとともに
適宜閾値を用いて微分値を2値化することにより2値画
像を生成し、前記2値画像の中で境界線に交差する方向
に多数本の境界線検出ラインを設定するとともに境界線
検出ライン上を塗料膜から被塗装物に向かう向きに追跡
することにより画素値の変化点を求め、前記変化点を前
記境界線上の点として採用することを特徴とする。
【0011】請求項6の発明では、請求項1の発明にお
いて、画像入力手段により撮像された濃淡画像を互いに
直交する2方向に微分するとともに適宜閾値を用いて微
分値を2値化することにより2値画像を生成し、前記2
値画像の中で境界線に交差する方向に多数本の境界線検
出ラインを設定するとともに境界線検出ライン上を塗料
膜から被塗装物に向かう向きに追跡することにより画素
値の変化点を求め、前記変化点を前記境界線上の点とし
て採用することを特徴とする。
【0012】請求項2ないし請求項6の発明は、請求項
1の発明の望ましい実施態様であって、請求項2ないし
請求項4の発明では被塗装物と塗料膜との画像上での性
質の相違を利用して2値化し、この2値画像から境界線
の形状を検出し、また請求項5および請求項6の発明で
は境界線での濃度変化を利用して境界線の形状を検出し
ている。
【0013】請求項7の発明は、塗料をヘッド部からカ
ーテン状に流下させることにより塗料膜を形成し、前記
塗料膜に交差する方向に被塗装物を搬送することにより
前記被塗装物に塗料を塗るフローコーティングの過程に
おいて塗装状態を検出する方法であって、前記被塗装物
と前記塗料膜との境界線を含む領域を塗料がヘッド部か
ら被塗装物に達するまでの時間よりも十分に短い時間間
隔で画像入力手段により複数回撮像した後、各画像で得
られた境界線の位置と各画像の撮像時刻とを3次元空間
にマッピングして得られる3次元図形を前記境界線から
一定の距離に設定した閾値で切断し、切断面の面積の大
小により塗装状態の良否を評価することを特徴とする。
【0014】請求項8の発明は、塗料をヘッド部からカ
ーテン状に流下させることにより塗料膜を形成し、前記
塗料膜に交差する方向に被塗装物を搬送することにより
前記被塗装物に塗料を塗るフローコーティングの過程に
おいて塗装状態を検出する方法であって、前記被塗装物
と前記塗料膜との境界線を含む領域を塗料がヘッド部か
ら被塗装物に達するまでの時間よりも十分に短い時間間
隔で画像入力手段により複数回撮像した後、各画像で得
られた境界線の位置と各画像の撮像時刻とを3次元空間
にマッピングして得られる3次元図形を前記境界線に直
交し時間軸に平行な閾値で切断し、切断面の面積の大小
により塗装状態の良否を評価することを特徴とする。
【0015】請求項7、8の方法によれば、特定の時刻
の画像のみを検出するのではなく膜切れ部の時間変化を
考慮して塗装状態の良否を判定することができ、良否判
定の精度がより高くなる。請求項9の発明は、塗料をカ
ーテン状に流下させることにより塗料膜を形成し、前記
塗料膜に交差する方向に被塗装物を搬送することにより
前記被塗装物に塗料を塗るフローコーティングを施して
いる過程で塗装状態を検出する方法であって、前記塗料
膜を含む領域を画像入力手段により撮像して得られた画
像から塗料膜の膜切れ部を検出し、膜切れ部の大きさお
よび位置を用いて、前記膜切れ部が前記被塗装物に到達
したときの前記境界線の形状を予測した評価値を求め、
前記評価値を用いて塗装状態の良否を評価することを特
徴とする。
【0016】この方法では、塗料膜の膜切れ部の画像か
ら良否を判定するものではあるが、塗料膜の膜切れ部の
大きさおよび位置を評価値に対応付けることによって、
定量的な再現性のよい良否判定が可能になる。請求項1
0の発明では、請求項9の発明において、前記画像の各
画素の濃度を適宜閾値で2値化することにより得られる
2値画像における塗料膜に相当する領域の中で周囲とは
画素値の異なる部位を膜切れ部として採用することを特
徴とする。
【0017】請求項11の発明では、請求項9の発明に
おいて、前記画像内において前記被塗装物と前記塗料膜
との色を識別して2値化することにより得られる2値画
像における塗料膜に相当する領域の中で周囲とは画素値
の異なる部位を膜切れ部として採用することを特徴とす
る。請求項12の発明では、請求項9の発明において、
画像入力手段により撮像された濃淡画像を前記境界線に
交差する方向に微分するとともに適宜閾値を用いて微分
値を2値化することにより2値画像を生成し、前記2値
画像における塗料膜に相当する領域の中で境界線に交差
する方向に多数本の孔検出ラインを設定するとともに孔
検出ライン上を塗料膜から被塗装物に向かう向きに追跡
することにより画素値の変化点を求め、求めた変化点に
囲まれる範囲を膜切れ部として採用することを特徴とす
る。
【0018】請求項13の発明では、請求項9の発明に
おいて、画像入力手段により撮像された濃淡画像を互い
に直交する2方向に微分するとともに適宜閾値を用いて
微分値を2値化することにより2値画像を生成し、前記
2値画像における塗料膜に相当する領域の中で境界線に
交差する方向に多数本の孔検出ラインを設定するととも
に孔検出ライン上を塗料膜から被塗装物に向かう向きに
追跡することにより画素値の変化点を求め、求めた変化
点に囲まれる範囲を膜切れ部として採用することを特徴
とする。
【0019】請求項10ないし請求項13の発明は、請
求項9の発明の望ましい実施態様であって、いずれの方
法を適用しても塗料膜に形成された膜切れ部の大きさお
よび位置を正確に検出することができる。請求項14の
発明では、請求項1ないし請求項13の発明において、
前記TVカメラにより撮像した画像内の検出領域におけ
る被塗装物の存在を検出し、塗装状態の良否判定に用い
る画像を前記検出領域に被塗装物が存在する期間にのみ
塗装状態の検出を行なうことを特徴とする。
【0020】この方法では、被塗装物が存在しない期間
に塗装状態の検出を無駄に行なうことがなくしかも被塗
装物の検出に画像入力手段を兼用することができる。請
求項15の発明は、塗料をヘッド部からカーテン状に流
下させることにより塗料膜を形成し、前記塗料膜に交差
する方向に被塗装物を搬送することにより前記被塗装物
に塗料を塗るフローコーティングの過程において塗装状
態を検出する装置であって、前記被塗装物と前記塗料膜
との境界線を含む領域を撮像するTVカメラと、前記被
塗装物および前記塗料膜を照明する光源と、前記TVカ
メラにより撮像した濃淡画像から前記境界線の形状を抽
出し前記境界線の形状に応じた評価値を求めることによ
り前記評価値に基づいて塗装状態の良否を判定する画像
処理装置とを備え、前記光源は前記塗料膜に対して前記
TVカメラと同じ側であって前記塗料膜での正反射光が
前記TVカメラに入射する位置に配置されていることを
特徴とする。
【0021】この構成では、光源から塗料膜に照射され
正反射した光をTVカメラに入射されるから、TVカメ
ラで撮像された画像において被塗装物と塗料膜との光量
に明瞭な差が生じ、被塗装物と塗料膜との境界線の検出
が容易になる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下の実施形態において用いる装
置を図1に示す。被塗装物1は板状であって2台のベル
トコンベア6a,6bの上を順次搬送される。両ベルト
コンベア6a,6bの間には隙間が形成され、この隙間
に対応する部位には被塗装物1の上方となるようにヘッ
ド部3が配置されている。ヘッド部3は下面側に幅狭の
スリットであるリップ(図示せず)ないし多数個の孔が
吐出口として開設されている。したがって、ヘッド部3
にポンプなどによって塗料が送り込まれることによって
ヘッド部3の下面側にカーテン状に流下する塗料膜2が
形成される。塗料膜2の幅は被塗装物1の幅よりも大き
く設定され、被塗装物1の搬送方向は塗料膜2の幅方向
に略直交するように設定される。したがって、被塗装物
1がベルトコンベア6a,6bにより搬送されると塗料
膜2の中を被塗装物1が通過することになり、結果的に
被塗装物1の表面に塗膜が形成されるのである。ヘッド
部3から流下して被塗装物1に被着しなかった余剰の塗
料は、被塗装物1の下方に配置された図示しない樋に回
収されヘッド部3に再度送られることによって循環使用
される。
【0023】ところで、本発明では塗装中に塗装状態の
良否を判定するために、被塗装物1と塗料膜2との接触
部位である境界線Bの形状を用いる。この境界線Bを検
出するために、被塗装物1と塗料膜2との境界線Bの全
長を含む領域を視野に持つ画像入力手段としてTVカメ
ラ4を用い、光源5からの光が塗料膜2により正反射し
てTVカメラ4に入射するように光源5を配置してあ
る。したがって、被塗装物1については光源5から照射
された光の拡散反射光がTVカメラ4に入射する。ただ
し、光源5はTVカメラ4の視野には入らないように配
置される。また、TVカメラ4にはCCDカメラを用
い、撮像した画面の水平方向が被塗装物1と塗料膜2と
の境界線Bの延長方向にほぼ一致するように配置され
る。TVカメラ4で撮像された画像は画像処理装置10
に入力され、以下で説明する処理が施されることによっ
て塗装状態の良否判定が行なわれる。また、塗装状態は
被塗装物1に塗料膜2が接触していない状態で検出して
も無駄であるから、塗料膜2への被塗装物1の導入部位
には図示しない光電センサが配置され、被塗装物1が塗
料膜2に近づいたことを非接触で光学的に検出し、画像
処理装置10に画像の処理を指示するようにしてある。
【0024】ただし、光電センサを設ける代わりにTV
カメラ4により撮像した画像内の所定領域を被塗装物1
の検出領域として設定しておき、この検出領域内の画素
の中で濃度が所定の閾値を越えるものの個数が所定個以
上であるときに被塗装物1が導入されたと判断するよう
にしてもよい。この方法では光電センサが不要であり、
必須構成であるTVカメラ4を被塗装物1の検出に用い
るから低コストで提供することが可能になる。
【0025】(実施形態1)本実施形態では、画像処理
装置10は基本的には図2のような構成を有する。すな
わち、TVカメラ4で撮像した画像はA/D変換が施さ
れた後に画像記憶部11に格納され、画像記憶部11に
格納された原画像に対して後述する画像処理を施すこと
によって被検査物1と塗料膜2との境界線Bを抽出する
境界線形状検出部12と、境界線形状検出部12により
検出された境界線の形状に基づいて塗装状態の良否を判
定する塗装状態判定部13とを備える。境界線形状検出
部12においては2値画像を生成し、2値画像の白領域
(白画素のみからなる領域)と黒領域(黒画素のみから
なる領域)との境界線を被塗装物1と塗料膜2との境界
線Bとみなし、境界線Bを代表する基準線Ls(図7参
照)を抽出するとともに、基準線Lsに基づいて境界線
Bの形状の評価値Eを算出する。塗装状態判定部13で
はこの評価値により塗装状態の良否を判定するのであ
る。
【0026】したがって、本実施形態の要部は境界線形
状検出部12での処理にある。境界線形状検出部12で
の処理の基本的な処理手順は図3のようになる。すなわ
ち、画像記憶部11から原画像を取り込む段階(S
1)、原画像を2値化した2値画像を生成する段階(S
2)、2値画像から基準線Lsを求める段階(S3,S
4)、基準線Lsに基づいて境界線Bの形状の評価値を
求める段階(S5〜S7)を有している。その後、塗装
状態判定部13において塗装状態を判定するのである
(S8)。
【0027】2値画像を生成するには以下のような方法
を採用している。2値画像を生成する第1の方法は、画
像記憶部11に格納された原画像(濃淡画像)の各画素
の濃度値を適宜閾値で2値化する方法であって、2値化
のための閾値を被塗装物1と塗料膜2との間の濃度に設
定すれば、2値化後の明領域と暗領域との境界線が被塗
装物1と塗料膜2との境界線にほぼ一致することにな
る。上述したように光源5からの光は被塗装物1で拡散
反射し、また塗料膜2で正反射してTVカメラ4に入射
するから、塗料膜2からTVカメラ4に入射する光量の
ほうが被塗装物1から入射する光量よりも多くなる。そ
こで、この光量差を利用して2値画像を生成するのであ
る。つまり、原画像の画素のうち濃度が前記閾値を越え
る画素を白画素、閾値以下の画素を黒画素とし、白画素
からなる白領域Dwと、黒画素からなる黒領域Dbとを
生成することができる。
【0028】2値画像を生成する第2の方法は、図4に
示すように、被塗装物1に凹凸模様1aなどが形成され
ていることによって、TVカメラ4により撮像した画像
にテクスチャが認められる場合に適用される。このよう
な被塗装物1であればテクスチャを認識することによっ
て塗料膜2と区別することができる。すなわち、原画像
1 においては図5(a)のように被塗装物1に凹凸模
様によるテクスチャが認められるから、テクスチャを有
する領域と他の領域とを区別することによって原画像を
2値化することができる。ただし、テクスチャを境界線
Bの不良と識別するためにテクスチャは境界線Bに形成
される不良部分よりも十分に小さいパターンを含んでい
ることが必要である。
【0029】テクスチャを有する領域の認識には、TV
カメラ4により撮像した画像を適宜大きさに区切って小
領域を形成したときに、テクスチャの認められる部位が
他の部位に比較すると小領域内の濃度の分散値が大きい
という性質を利用する。すなわち、塗料膜2の部分に比
較すると被塗装物1の部分のほうが小領域内の濃度の分
散値が大きくなる。そこで、TVカメラ4の視野内にお
いて被塗装物1を除く領域にほぼ一様な画像が得られる
ようにしておけば、各小領域のうち分散値が所定の閾値
以上の小領域を統合することによって被塗装物1と他の
部材とを識別することができる。すなわち、分散値が所
定の閾値以上となる小領域を統合してその領域の画素を
黒画素とし、他の領域の画素を白画素とすれば、図5
(b)に示すように、被塗装物1側が黒画素、塗料膜2
側が白画素となる関係で白領域Dwと黒領域Dbとを生
成することができる。ここで、この2値画像I2 では被
塗装物1と塗料膜2との境界線B以外にも境界線が存在
するが、被塗装物1と塗料膜2との境界線Bのおよその
位置は既知であるから、境界線Bについての基準線Ls
を求める処理が困難になることはない。
【0030】2値画像を生成する第3の方法は、被塗装
物1と塗料膜2との色の相違を利用する方法である。こ
の場合には、TVカメラ4としてカラー画像を得ること
ができるものを用い、境界線形状検出部12には色抽出
処理部(図示せず)を設けてある。色抽出処理部には塗
料膜2の色に類似した色範囲があらかじめ設定してあ
り、塗料膜2の色に類似した色範囲を抽出し、他の範囲
の色と区別して2値化する。塗料膜2を含む範囲の色の
画素を白画素とし、残りの画素を黒画素とすれば、第1
の方法と同様に被塗装物1側を黒領域Db、塗料膜2側
を白領域Dwとすることができる。つまり、図6(a)
のような原画像I1 が得られたときに、図6(b)のよ
うに塗料膜2が白領域Dwになり、他の領域が黒領域D
bになるような2値画像I2 が得られることになる。
【0031】上述の3方法のいずれかによって2値画像
が生成されると、次は、境界線Bを代表する基準線Ls
が求められる。基準線Lsを求めるには、まず図7に示
すように、白領域Dwと黒領域Dbとに跨がるように互
いに平行な多数本の境界線検出ラインL1 ,L2 ,……
を設定し、各境界線検出ラインL1 ,L2 ,……の上で
白領域Dwから黒領域Dbに移行する画素を抽出する
(S3)。たとえば、境界線検出ラインL1 ,L2 ,…
…の上で隣接する2つの画素Py+i ,Py+i+1 の一方が
白領域Dwに含まれ他方が黒領域Dbに含まれる場合
に、両画素Py+i ,Py+i+1 の一方を採用する。どちら
を採用するかは任意であるが、すべての境界線検出ライ
ンL1 ,L2 ,……について採用の仕方は統一しておく
ことが必要である。また、図7では境界線検出ラインL
1 ,L2 ,……を画面の垂直方向(y軸方向)に設定し
た例を示しているが、白領域Dwと黒領域Dbとに跨が
るように設定しているのであれば、境界線検出ラインL
1 ,L2 ,……の方向にはとくに制限はない。
【0032】基準線Lsを求めるには、上述のようにし
て白領域Dwと黒領域Dbとの境界線Bの上に並ぶ点P
1 ,P2 ,……を求めた後、これらの点P1 ,P2 ,…
…の座標値にハフ変換を施し、境界線Bを代表する1つ
の直線を基準線Lsとして決定する(S4)。この種の
手法は周知であるが簡単に説明すると、まず、ハフ変換
によって各点P1 ,P2 ,……の直交座標値を極座標値
に変換し、あらかじめ多数のセルに区切られている(つ
まり、極座標空間を適宜大きさの格子に区分けしたとき
の各格子がセルである)極座標空間に変換後の極座標値
をマッピングしてマッピングの度数が極大付近になるセ
ルを求め、求めたセルの極座標値に基づいて直交座標空
間での直線を求めるのである。こうして求めた直線を境
界線Bの代表となる基準線Lsと決定する。この手法
は、直交座標空間での点は極座標空間では正弦関数ない
し余弦関数の曲線に対応し、極座標空間での点は直交座
標空間での直線に対応することを利用している。このよ
うに、極座標空間での最大度数のセルを求めれば境界線
B上の多少の凹凸を無視して最適とみなすことのできる
基準線Lsを決定することができる。
【0033】上述のようにして求めた基準線Lsは、塗
料膜2に膜切れなどがなく被塗装物1と塗料膜2との境
界線Bがほぼ一直線であれば、点P1 ,P2 ,……のほ
ぼすべてを含む直線になるが、膜切れなどにより境界線
Bに凹凸が生じているときに点P1 ,P2 ,……には前
記曲線Lsからのずれの大きいものが含まれることにな
る。そこで、基準線Lsの上で各点P1 ,P2 ,……の
x座標に対応するy座標値を求め、そのy座標値から各
点P1 ,P2 ,……のy座標値を減算した差dyを求め
て、この差dyを各点P1 ,P2 ,……の基準線Lsか
らのずれの評価に用いる。ここに、y軸は画像の下向き
を正にとっている。しかして、前記差dyが適宜に設定
した閾値THYを越えるときには、その点P1 ,P2
……は基準線Lsからのずれが大きいといえるから、差
dyが閾値THYを越える点列を異常候補点Pi とすれ
ば、異常候補点Pi に基づいて膜切れなどの有無を判定
できることになる。この閾値THYはハフ変換により求
めた基準線Lsと境界線Bとの誤差を考慮し、基準線B
の上の点を含まず、かつ基準線Bから外れた点をできる
だけ多く検出できるように設定される。また、一般に膜
切れが生じたときには差dyは負の値をとらないことが
実験的に確認されているが、必要に応じて差dyの絶対
値を評価に用いてもよい。
【0034】しかして、各点P1 ,P2 ,……について
前記評価を順次行ない(S5)、最初に差dyが閾値T
HY以上(dy≧THY)になった点と、その後に差d
yが閾値未満になる点の一つ前の点と、両点間で差dy
が最大になる点との3点を求める(S6)。要するに、
x方向において連続する異常候補点Pi の点列の両端の
点と、異常候補点Pi の点列のうちで基準線Lsからの
距離が最大になる点とを求めたことになる。ここに、基
準線Lsのx軸に対する傾きが大きいときには差dyと
距離との相違が大きくなるが、境界線Bをx軸にほぼ一
致させているから差dyを距離に代えて用いてもよい。
なお、必要に応じて上述した差dyは距離と読み替えれ
ばよい。
【0035】上述のようにして、異常候補点Pi の点列
(図7では点列P7 〜P11)の両端の点P7 ,P11と、
距離が最大になる点P9 とが求まるから、各点をそれぞ
れP0,P1,P2とする。このようにして求めた点P
0,P1,P2を用いると次式によって評価値Eを求め
ることができる(S7)。 E=|(点P1のx座標)−(点P0のx座標)|×
{(点P2のy座標)−(基準線上で点P2とx座標が
等しい点のy座標)} 一般には、上式の簡易な計算式で評価値Eを求めれば十
分であるが、基準線Lsのx軸に対する傾きが大きいと
きには評価値Eを次式で求めればよい。 E=(点P1と点P0との距離)×(点P2と基準線L
sとの距離) このようにして求めた評価値Eが大きいということは基
準線Lsからのずれの生じている部分が多いということ
であるから、評価値Eは膜切れなどにより生じている被
塗装物1の未塗装部分の面積を反映する。つまり、塗装
状態判定部13において、評価値Eを適宜の基準値と比
較すれば膜切れなどによる塗装の不良の有無を判断する
ことができる(S8)。
【0036】ところで、塗料膜2に膜切れが生じたとき
に境界線Bの形状は時間経過とともに変化するから、評
価値Eも時間経過に伴って変化する。そこで、ヘッド部
3から吐出された塗料が被塗装物1に落下するまでの時
間よりも十分に短い時間間隔で画像を取り込むように
し、各画像ごとに評価値Eを求めるとともに、1枚の被
塗装物1について求めた複数の評価値Eのうちの1つで
も基準値を越えると、塗装状態判定部13では塗装状態
が不良であると判定するようにしてある。このようにし
て、各被塗装物1の塗装状態の良否を精度よく判定でき
るのである。
【0037】上述の例では境界線Bの上の点列P1 ,P
2 ,……から基準線Lsを決定する方法としてハフ変換
を用いているが、点列P1 ,P2 ,……に対して最小二
乗法を適用するなど他の方法によって基準線Lsを決定
してもよい。また、上述の例では1箇所に異常候補点P
i の点列が存在するとみなしているが、複数箇所に連続
する点列Pi が存在するときには各箇所ごとに評価値E
を求め、そのうちの最大値を評価値Eとして採用する。
【0038】(実施形態2)実施形態1では被塗装物1
と塗料膜2との境界線Bが白画素と黒画素との境界線B
にほぼ一致するような2値画像を作成することによっ
て、境界線Bの形状を抽出したが、本実施形態では原画
像を微分することにより境界線Bを抽出する方法につい
て説明する。
【0039】実施形態1と同様に、被塗装物1と塗料膜
2との境界線BはTVカメラ4により撮像された原画像
の水平方向とほぼ一致しているから、境界線Bを抽出す
るには原画像について垂直方向の濃度変化を検出すれば
よいことになる。そこで、まず原画像を濃度について垂
直方向に微分することにより垂直方向における濃度変化
の大きい部位を検出する。垂直方向の微分は、たとえば
着目する画素の8近傍の画素のうち、着目している画素
の上下に水平方向に並ぶ3画素ずつの濃度値をそれぞれ
加算し、両加算値の差を求めることにより行なう。すな
わち、画素(x,y)の濃度をF(x,y)で表すもの
とすれば、画素(x,y)の垂直方向の微分値Gyは次
式で求められる。 Gy={F(x−1,y−1)+F(x,y−1)+F
(x+1,y−1)}−{F(x−1,y+1)+F
(x,y+1)+F(x+1,y+1)} このようにして各画素の微分値を求めれば微分画像が得
られるから、微分値を適宜の閾値で2値化すれば、図8
のように被塗装物1と塗料膜2との境界線Bのように濃
度変化の大きい部分とそれ以外の部分とに分かれた2値
画像I3 が得られる。ただし、垂直方向の微分を行なっ
て2値化しているから、水平方向における濃度変化の大
きい箇所は2値画像I3 には現れない。したがって、境
界線Bの一部が不連続になることがある。
【0040】次に、実施形態1と同様に境界線Bに交差
するように多数本の境界線検出ラインL1 ,L2 ,……
を設定する。境界線検出ラインL1 ,L2 ,……は境界
線B付近にのみ設定される。上述の2値画像内で境界線
検出ラインL1 ,L2 ,……を上から下に向かって(y
軸方向の正の向きに)追跡し、画素値の最初の変化点を
エッジ点P1 ′,P2 ′,……として検出すれば、エッ
ジ点P1 ′,P2 ′,……を境界線B上の点とみなすこ
とができる。つまり、エッジ点P1 ′,P2 ′,……は
実施形態1における境界線B上の点列P1 ,P2 ,……
と等価とみなすことができる。したがって、エッジ点P
1 ′,P2 ′,……が求まれば、実施形態1におけるス
テップS5以降の処理によって塗装状態の良否を判定す
ることができる。
【0041】なお、本実施形態では、境界線検出ライン
1 ,L2 ,……上での画素値の最初の変化点を、境界
線B上の点とみなすことができる場合について説明した
が、画像中のノイズ等の影響により、画素値の最初の変
化点を、境界線B上の点とみなすことができない場合も
ある。その場合は、以下の処理を行なえばよい。すなわ
ち、検出した画素値の変化点の前後の領域内での原画像
における画素値を用いて、変化点前の領域が塗料膜領域
であり、かつ変化点後の領域が被塗装物領域であると判
断された場合に、検出した画素値の変化点を境界線B上
の点とする。また、そのような判断にならなかった場合
は、同じ境界線検出ラインL1 ,L2 ,……上を追跡
し、次の画素値の変化点を検出したときにその変化点に
ついて上記条件の判定を行ない、境界線B上の点が検出
されるまで同様の処理を繰り返す。このようにして、エ
ッジ点P1 ′,P2 ′,……を検出すれば、画像中のノ
イズ等の影響があっても塗装状態の良否を判定すること
が可能になる。
【0042】(実施形態3)実施形態2においては、原
画像を垂直方向にのみ微分して得た微分画像を2値化す
ることにより境界線Bの上のエッジ点を抽出したが、本
実施形態では垂直方向のみではなく水平方向にも微分す
ることにより垂直方向と水平方向との両方の画素の濃度
変化を検出する。
【0043】すなわち、原画像の各画素について、たと
えば8近傍の画素の濃度値に基づいて微分強度値を求め
るのであって、着目する画素の上下に水平方向に並ぶ3
画素ずつの濃度値をそれぞれ加算して両加算値の差の絶
対値を求めるとともに、着目する画素の左右に垂直方向
に並ぶ3画素ずつの濃度値をそれぞれ加算して両加算値
の差の絶対値を求め、垂直方向の差の絶対値と水平方向
の差の絶対値とを加算した値を微分強度値として用いる
のである。いま、画素(x,y)の濃度をF(x,y)
で表すものとすれば、画素(x,y)の微分強度値Gは
次式で求められる。 G=|Gx|+|Gy| Gx={F(x+1,y−1)+F(x+1,y)+F
(x+1,y+1)}−{F(x−1,y−1)+F
(x−1,y)+F(x−1,y+1)} Gy={F(x−1,y−1)+F(x,y−1)+F
(x+1,y−1)}−{F(x−1,y+1)+F
(x,y+1)+F(x+1,y+1)} ここに、Gxが水平方向の微分値を表し、Gyが垂直方
向の微分値を表す。
【0044】このようにして求めた微分強度値Gを適宜
の閾値で2値化すれば、図9(a)のような原画像I1
から図9(b)のような2値画像I4 を得ることができ
る。この2値画像I4 を用いることによって、垂直方向
の画素値の変化だけではなく水平方向の画素値の変化も
検出することができるようになり、被塗装物1と塗料膜
2との境界線Bを挟んで水平方向の濃度変化が大きい箇
所がある場合であっても境界線Bの形状を細部まで抽出
することが可能になる。しかして、上述のようにして求
めた2値画像について、実施形態2と同様の方法でエッ
ジ点P1 ,P2,……を求めることができる。以後は実
施形態2と同様に実施形態1のステップS5以降の処理
によって評価値Eを求め、塗装状態の良否を判定するこ
とができる。しかも、境界線Bの形状を実施形態2より
も正確に検出することができるから、より精度の高い評
価が可能になる。
【0045】(実施形態4)上述した各実施形態では、
特定の瞬間の画像に基づいて塗装状態を評価する方法に
ついて説明したが、本実施形態では画像の時間変化に基
づいて塗装状態を評価する方法について説明する。一般
に、被塗装物1と塗料膜2とを含む画像をTVカメラ4
で撮像しているときに塗料膜2に膜切れ部(孔)Hが生
じたとすれば、各時刻の画像はたとえば図10のように
推移する。図10(a)は被塗装物1が塗料膜2に導入
される状態、図10(b)〜(e)は塗料膜2に形成さ
れた膜切れ部Hが被塗装物1と塗料膜2との境界線Bま
で落下する過程、図10(f)は塗料膜2に形成された
膜切れ部Hが被塗装物1の上に落下し終わった状態を示
している。被塗装物1が塗料膜2を通過している間に塗
料膜2に膜切れ部Hが形成されると上述のような過程で
被塗装物1には塗料の付着しない部分が形成される。
【0046】そこで、図10の(a)〜(f)のような
画像を一定の時間間隔(塗料がヘッド部3から吐出され
て被塗装物1に到達する時間の数分の1程度)で撮像す
るとともに、各画像を画像記憶部11に格納しておき、
複数枚の画像に基づいて被塗装物1の塗装状態を評価す
る。複数枚の画像から塗装状態を評価する方法として
は、以下の方法がある。
【0047】第1の方法は、各画像ごとに実施形態1な
いし実施形態3の方法で評価値Eを求め、時系列で並ぶ
評価値Eを順次規定個数ずつ加算し、その加算値を閾値
と比較する。評価値Eの加算値は未塗装部分の面積にほ
ぼ比例するから、塗装状態の良否を正確に判定できるこ
とになる。第2の方法としては、実施形態1ないし実施
形態3の方法で求めた境界線Bの上の点列P1 ,P2
……(エッジ点P1 ′,P2 ′,……でもよい)の座標
値と、その点列P1 ,P2 ,……を得た時刻とを図11
に示すように3次元空間にマッピングすることにより境
界線Bの時間変化を表す3次元図形を形成し、この3次
元図形を境界線Bを代表する基準線Ls(x軸で代用し
てもよい)と時間軸とに平行な面(つまり、y軸方向の
適宜の閾値Thy)で切断し(図12参照)、前記3次
元図形の切断面(図12に斜線部で示す)の面積を求め
ることによって塗装状態を評価する方法がある。この評
価方法では、切断面の形状は被塗装物1における未塗装
部分の形状にほぼ相似であると考えられるから、切断面
の形状の面積が大きいほど被塗装物1に大きい未塗装部
分があると判断することができる。
【0048】(実施形態5)本実施形態では実施形態4
と同様に複数の画像から再現性よく評価を行なう方法を
示す。以下の説明においてはTVカメラ4で撮像した画
像は実施形態1ないし実施形態3で説明した方法により
2値化され、2値画像において境界線Bの上の点列
1 ,P2 ,……(エッジ点P1 ′,P2 ′,……でも
よい)や基準線Lsはすでに求められているものとす
る。
【0049】すなわち、実施形態4においても説明した
ように、塗料膜2に膜切れ部Hが形成された場合には図
10のような画像が順次得られる。ここで、境界線Bの
上の各点P1 ,P2 ,……の中でのy座標の最小値に着
目すると、図10(c)のように膜切れ部Hが境界線B
につながった瞬間においてy座標の最小値が最小になる
から、境界線Bの上の点列P1 ,P2 ,……のy座標の
最小値を適宜の閾値Thy1と比較することにより、膜
切れ部Hが境界線Bにつながった状態か否かを判定する
ことができる。つまり、図13に示すように、基準線L
s(ここでは境界線Bに一致しているが必ずしも一致し
なくてもよい)よりもy座標値の小さい閾値Thy1を
設定しておき、点列P1 ,P2 ,……のy座標の最小値
をyminとして、ymin ≦Thy1が成立すれば、図1
3(c)のように境界線Bに膜切れ部Hがつながったと
判断するのである。また、y座標が最小値ymin となる
画素のx座標値をxp とし、後述するカウント値Mを1
とする。
【0050】時系列で並ぶ以後の画像では、境界線検出
ラインLi としてx座標がxp となるもののみが用いら
れ他の検出ラインは不要になる。すなわち、以後の画像
について境界線検出ラインLi を上から下に追跡し画素
値の変化する点を検出する。ここでは、被塗装物1を黒
画素、塗料膜2を白画素としているから、白画素から黒
画素への変化点を検出する。変化点として黒画素を採用
するか白画素を採用するかはどちらを採用するかが一貫
していれば適宜に決めてよい。このようにして求めた画
素のy座標はyp として採用される。ここに、xp を求
めた後には、基準線Lsから閾値Thy1よりも小さい
距離だけ離れた閾値Thy2を設定してあり、yp と閾
値Thy2とを比較して、yp <Thy2が成立すると
きには、上述したカウント値Mに1ずつ加算する。つま
り、カウント値Mは境界線Bに膜切れ部Hがつながって
からyp ≧Thy2となるまでの間の画像の枚数を計数
することになる。このようにして、yp ≧Thy2にな
ればカウント値Mの計数を終了する。
【0051】前記説明から明らかなように、カウント値
Mは膜切れ部Hが境界線Bにつながってから塗料膜2の
膜切れ部Hがほぼなくなるまでの画像の枚数であり、こ
れは被塗装物1に膜切れ部Hによって形成された未塗装
部分の長さに対応していることになる。つまり、被塗装
物1の送り速度がvであり、画像間の時間間隔がtであ
るとすれば、膜切れ部Hによって被塗装物1に形成され
る未塗装部分の長さはM×v×tと表すことができる。
したがって、この値を評価値に用いることにより再現性
よく塗装状態を評価することができる。実際には速度v
と時間間隔tとは一定に設定されるからカウント値Mの
みを評価値に用いても差し支えない。
【0052】また、カウント値Mではなく各画像で得ら
れたyp の加算値を用いるようにすれば、基準線Ls
(または境界線B)に直交しかつ時間軸に平行な切断面
での断面積を求めることになるから、この値を用いても
塗装状態を評価することができる。 (実施形態6)上述した各実施形態では、被塗装物1と
塗料膜2との境界線Bの形状に基づいて被塗装物1への
塗装状態を検出していたが、本実施形態では塗装状態の
評価の精度をさらに高めるために、前記各実施形態で求
めた評価値に加えて、塗料膜2に生じた膜切れ部Hの大
きさや位置から被塗装物1の塗装状態を予測することに
よっても塗装状態を評価する例を示す。
【0053】一般に、塗料膜2に膜切れが生じたときの
被塗装物1への塗装状態は塗料成分に依存していること
が確認されており、同一の塗料であれば膜切れの状態と
塗装状態との関係は一定の関係になるという知見が得ら
れている。たとえば、塗料膜2に膜切れ部Hとしての孔
が生じると、塗料が落下する過程で孔が大きくなること
が確認されているから、塗料膜内に生じた孔の大きさと
被塗装物1までの距離とがわかれば被塗装物1の上での
孔の大きさを推定することができる。そこで、TVカメ
ラ4では塗料膜2を撮像して膜切れ部Hを検出するとと
もに膜切れ部Hの大きさおよび発生位置を観測値として
求め、膜切れ部Hの大きさおよび位置と塗装状態の評価
値とをあらかじめ関係付けてある評価値算出手段に、T
Vカメラ4で撮像した画像から求めた観測値を入力する
ことによって評価値を求めるのである。
【0054】評価値算出手段はデータベースを有し、デ
ータベースには塗料成分ごとに膜切れ部Hの面積(大き
さ)と膜切れ部Hの重心位置(発生位置)との比に評価
値を対応付けたテーブルが格納され、塗料成分をあらか
じめ指定しておき、膜切れ部Hの面積および重心位置を
入力すれば評価値を求めることができるようになってい
る。つまり、実施形態1ないし実施形態3において説明
したように被塗装物1と塗料膜2との境界線Bに相当す
る基準線Lsを求めることができるから、重心位置のy
座標値を求めれば基準線Lsとの距離を求めることがで
き(ここに、基準線Lsはx軸方向に平行と仮定してい
る)、この距離によって評価値を得ることができる。な
お、基準線Lsの方向とx軸方向とのずれが大きくなる
と考えられるときには、重心位置のx座標値とy座標値
との両方を用いて基準線Lsとの距離を求めればよい。
【0055】しかして、上述のようにして膜切れ部Hが
境界線Bに到達する前に塗装状態を予測した評価値を求
めることができるから、この評価値によって塗装状態の
良否を判定し、また、実施形態1ないし実施形態5のよ
うに膜切れ部Hが境界線Bに達してから求めた評価値に
よる良否判定の結果とを併せて用いることにより、塗装
状態をより精度よく判定することが可能になる。言うま
でもないが、上述した評価値は実施形態1ないし実施形
態5の評価値に先立って求められるから、2種の評価値
は異なる時点で求められる。
【0056】ところで、塗料膜2に形成された膜切れ部
Hの面積および重心位置を求めるには、塗料膜2に形成
された膜切れ部Hを検出することが必要である。塗料膜
2に形成された膜切れ部Hを検出するには膜切れ部Hの
部分と他の部分とを画像内で区別することが必要であ
る。そこで画像内で膜切れ部Hを抽出するために以下の
方法が採用される。
【0057】第1の方法は、原画像(濃淡画像)の各画
素の濃度値を適宜閾値で2値化する方法であって、実施
形態1で説明したように塗料膜2に対してTVカメラ4
と同じ側に光源5を配置しているから、膜切れ部Hの部
分は塗料膜2に比較するとTVカメラ4での受光量が少
なくなる。すなわち、適宜閾値を設定すれば2値画像に
おいて膜切れ部Hは黒画素として検出することができ
る。そこで、実施形態1の方法により得られる2値画像
2 に対して、図14のように塗料膜2のほぼ全体を含
むような検出ウインドウWを設定し、検出ウインドウW
の中で画素値が周囲とは異なる部位の面積および重心位
置を求めれば、膜切れ部Hの面積および重心位置を求め
ることができる。ここに、境界線Bのおおよその位置は
既知であるから、境界線Bよりもy座標値の小さい領域
で検出ウインドウWが設定される。また、2値画像は実
施形態1の第1の方法においても用いるから、2値化の
ための閾値を適当な値に設定すれば1つの2値画像によ
って被塗装物1と塗料膜2との境界線Bだけではなく膜
切れ部Hも検出することが可能になる。ただし、境界線
Bと膜切れ部Hとの検出に異なる閾値を用いる必要があ
るときには、原画像をそれぞれ異なる閾値で2値化した
2枚の2値画像を求めればよい。
【0058】塗料膜2の膜切れ部Hの部分と他の部分と
を区別する第2の方法は、膜切れ部Hの部分と他の部分
との色の違いを利用する方法である。すなわち、実施形
態1における第3の方法と同様に、TVカメラ4として
カラー画像を得ることができるものを用いるのであっ
て、基本的にはTVカメラ4により撮像した原画像から
所望の色範囲の領域と他の領域とを分離し、分離された
各領域の一方を白画素の領域、他方を黒画素の領域とし
て2値化するのである。この方法は実施形態1の第3の
方法と共通しているから、境界線形状検出部12の色抽
出処理部において塗料膜2の色を抽出するようにすれ
ば、塗料膜2を白画素とし、塗料膜2以外の部分を黒画
素とした2値画像を得ることができる。つまり、この2
値画像を用いれば境界線Bと膜切れ部Hとをともに抽出
することができる。
【0059】(実施形態7)実施形態6においては原画
像を2値化することにより塗料膜2に形成された膜切れ
部Hを抽出していたが、本実施形態では原画像を微分す
ることによって膜切れ部Hを抽出する方法について説明
する。つまり、実施形態2と同様に垂直方向に微分した
微分画像を2値化することにより得られる2値画像に対
して以下の処理を施す。また、本実施形態においてもT
Vカメラ4は、撮像した原画像の水平方向が被塗装物1
と塗料膜2との境界線Bの方向にほぼ一致するように配
置される。
【0060】境界線Bのおおよその位置は既知であるか
ら、まず境界線Bよりもy座標値の小さい領域で、図1
5のように垂直方向の孔検出ラインK1 ,K2 ,……を
設定する。孔検出ラインK1 ,K2 ,……は一定間隔で
設定される。各孔検出ラインK1 ,K2 ,……の上で上
から下に追跡し、画素値の変化点を求めればこの点(図
15ではQ71,Q72〜Q91,Q92)は膜切れ部Hのエッ
ジ上の点(エッジ点)とみなすことができ(エッジ点は
一般に1本の孔検出ラインK1 ,K2 ,……について2
個ずつ得られる)、これらのエッジ点に囲まれた領域を
円形とみなせば、この領域の面積Aは次式により求める
ことができる。 A=kπN2 ただし、kは比例定数である。この面積Aは、エッジ点
の個数Nを円形領域の直径に比例する値と考えることに
よって得られるが、kとπとは一定値であるから、面積
AとしてN2 を用いるようにしてもよい。同様にして各
エッジ点の座標値を(xi ,yi )とすれば、エッジ点
に囲まれた領域の重心の座標(gx,gy)を次式で求
めることができる。 gx=(1/N)Σxi gy=(1/N)Σyi 上述したように、膜切れ部Hの評価には膜切れ部Hの重
心位置のy座標値gyのみを用いるから、上述の面積A
と座標値gyとを用いることによって実施形態6と同様
にデータベースと照合して塗装状態を予測した評価値を
得ることができる。評価値を求めた後の処理は実施形態
6と同様であって、実施形態1ないし実施形態5で求め
た評価値と併用することで塗装状態の正確な良否判定が
可能になる。なお、実施形態2と同様に微分を行なうか
ら、実施形態2の処理と組み合わせれば処理を共通化す
ることができる。
【0061】また、本実施形態では垂直方向の微分値の
みを用いているが、実施形態3と同様に垂直方向と水平
方向との両方向について微分し、微分強度値を用いて2
値化した2値画像を用いてエッジ点を求めるようにして
もよい。
【0062】
【発明の効果】請求項1ないし請求項6の発明は上述の
ように、被塗装物と塗料膜との境界線を含む領域を画像
入力手段により撮像し、得られた画像から境界線の上の
点列を抽出した後、点列を代表する直線を基準線として
設定し、基準線と点列の各点との距離を用いて境界線の
形状に対する評価値を求め、評価値を用いて塗装状態の
良否を評価するものであり、被塗装物と塗料膜との境界
線の形状を画像入力手段により撮像した画像に基づいて
検出し、境界線の形状から評価値を求めることによって
塗装状態の良否を判定するから、塗装の不良を直接的に
検出することができ、塗料膜での膜切れのみを検出する
場合に比較すると塗装状態の良否を精度よく行なうこと
ができるという利点がある。
【0063】請求項7および請求項8の発明は、被塗装
物と塗料膜との境界線を含む領域を塗料がヘッド部から
被塗装物に達するまでの時間よりも十分に短い時間間隔
で画像入力手段により複数回撮像した後、各画像で得ら
れた境界線の位置と各画像の撮像時刻とを3次元空間に
マッピングして得られる3次元図形を適宜の閾値で切断
し、切断面の面積の大小により塗装状態の良否を評価す
るものであり、特定の時刻の画像のみを検出するのでは
なく膜切れ部の時間変化を考慮して塗装状態の良否を判
定するから、良否判定の精度がより高くなるという利点
がある。
【0064】請求項9ないし請求項13の発明は、塗料
膜を含む領域を画像入力手段により撮像して得られた画
像から塗料膜の膜切れ部を検出し、膜切れ部の大きさお
よび位置を用いて、前記膜切れ部が前記被塗装物に到達
したときの前記境界線の形状を予測した評価値を求め、
評価値を用いて塗装状態の良否を評価するものであり、
塗料膜の膜切れ部の画像から良否を判定するものではあ
るが、塗料膜の膜切れ部の大きさおよび位置を評価値に
対応付けることによって、定量的な再現性のよい良否判
定が可能になるという利点がある。
【0065】請求項14の発明は、TVカメラにより撮
像した画像内の所定の検出領域における被塗装物の存在
を検出し、塗装状態の良否判定に用いる画像を検出領域
に被塗装物が存在する期間にのみ塗装状態の検出を行な
うので、被塗装物が存在しない期間に塗装状態の検出を
無駄に行なうことがなくしかも被塗装物の検出に画像入
力手段を兼用することができるという利点がある。
【0066】請求項15の発明は、被塗装物と塗料膜と
の境界線を含む領域を撮像するTVカメラと、被塗装物
および塗料膜を照明する光源と、TVカメラにより撮像
した濃淡画像から境界線の形状を抽出し境界線の形状に
応じた評価値を求めることにより評価値に基づいて塗装
状態の良否を判定する画像処理装置とを備え、光源は塗
料膜に対してTVカメラと同じ側であって塗料膜での正
反射光がTVカメラに入射する位置に配置されているも
のであり、光源から塗料膜に照射され正反射した光をT
Vカメラに入射されるから、TVカメラで撮像された画
像において被塗装物と塗料膜との光量に明瞭な差が生
じ、被塗装物と塗料膜との境界線の検出が容易になると
いう利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明に用いる画像処理装置を示すブロック図
である。
【図3】実施形態1における処理手順を示す動作説明図
である。
【図4】実施形態1に用いる被塗装物の一例を示す斜視
図である。
【図5】実施形態1における2値画像の作成例を示す図
である。
【図6】実施形態1における2値画像の作成例を示す図
である。
【図7】実施形態1における境界線の検出方法を説明す
る図である。
【図8】実施形態2における境界線の検出方法を説明す
る図である。
【図9】実施形態3における境界線の検出方法を説明す
る図である。
【図10】実施形態4において得られる画像の例を示す
図である。
【図11】実施形態4において得られる3次元図形の例
を示す図である。
【図12】実施形態4において得られる切断面の概念を
説明する図である。
【図13】実施形態5の処理手順の概念を説明する図で
ある。
【図14】実施形態6における膜切れ部の検出方法を説
明する図である。
【図15】実施形態6における膜切れ部の他の検出方法
を説明する図である。
【符号の説明】
1 被塗装物 2 塗料膜 3 ヘッド部 4 TVカメラ 5 光源 6a,6b コンベア 10 画像処理装置 11 画像記憶部 12 境界線形状検出部 13 塗装状態判定部 B 境界線 Db 黒領域 Dw 白領域 H 膜切れ部 L1 ,L2 ,…… 境界線検出ライン Ls 基準線 P1 ,P2 ,…… 点 P1 ′,P2 ′,…… エッジ点 W 孔検出ウインドウ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06T 7/00 G06F 15/62 400

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料をヘッド部からカーテン状に流下さ
    せることにより塗料膜を形成し、前記塗料膜に交差する
    方向に被塗装物を搬送することにより前記被塗装物に塗
    料を塗るフローコーティングの過程において塗装状態を
    検出する方法であって、前記被塗装物と前記塗料膜との
    境界線を含む領域を画像入力手段により撮像し、得られ
    た画像から前記境界線の上の点列を抽出した後、点列を
    代表する直線を基準線として設定し、前記基準線と点列
    の各点との距離を用いて前記境界線の形状に対する評価
    値を求め、前記評価値を用いて塗装状態の良否を評価す
    ることを特徴とするフローコート塗装状態の検出方法。
  2. 【請求項2】 前記画像の各画素の濃度を適宜閾値で2
    値化することにより得られる2値画像の中での白領域と
    黒領域との境界線を前記境界線として採用することを特
    徴とする請求項1記載のフローコート塗装状態の検出方
    法。
  3. 【請求項3】 前記画像内において前記被塗装物のテク
    スチャを識別して2値化することにより得られる2値画
    像の中での白領域と黒領域との境界線を前記境界線とし
    て採用することを特徴とする請求項1記載のフローコー
    ト塗装状態の検出方法。
  4. 【請求項4】 前記画像内において前記被塗装物と前記
    塗料膜との色を識別して2値化することにより得られる
    2値画像の中での白領域と黒領域との境界線を前記境界
    線として採用することを特徴とする請求項1記載のフロ
    ーコート塗装状態の検出方法。
  5. 【請求項5】 画像入力手段により撮像された濃淡画像
    を前記境界線に交差する方向に微分するとともに適宜閾
    値を用いて微分値を2値化することにより2値画像を生
    成し、前記2値画像の中で境界線に交差する方向に多数
    本の境界線検出ラインを設定するとともに境界線検出ラ
    イン上を塗料膜から被塗装物に向かう向きに追跡するこ
    とにより画素値の変化点を求め、前記変化点を前記境界
    線上の点として採用することを特徴とする請求項1記載
    のフローコート塗装状態の検出方法。
  6. 【請求項6】 画像入力手段により撮像された濃淡画像
    を互いに直交する2方向に微分するとともに適宜閾値を
    用いて微分値を2値化することにより2値画像を生成
    し、前記2値画像の中で境界線に交差する方向に多数本
    の境界線検出ラインを設定するとともに境界線検出ライ
    ン上を塗料膜から被塗装物に向かう向きに追跡すること
    により画素値の変化点を求め、前記変化点を前記境界線
    上の点として採用することを特徴とする請求項1記載の
    フローコート塗装状態の検出方法。
  7. 【請求項7】 塗料をヘッド部からカーテン状に流下さ
    せることにより塗料膜を形成し、前記塗料膜に交差する
    方向に被塗装物を搬送することにより前記被塗装物に塗
    料を塗るフローコーティングの過程において塗装状態を
    検出する方法であって、前記被塗装物と前記塗料膜との
    境界線を含む領域を塗料がヘッド部から被塗装物に達す
    るまでの時間よりも十分に短い時間間隔で画像入力手段
    により複数回撮像した後、各画像で得られた境界線の位
    置と各画像の撮像時刻とを3次元空間にマッピングして
    得られる3次元図形を前記境界線から一定の距離に設定
    した閾値で切断し、切断面の面積の大小により塗装状態
    の良否を評価することを特徴とするフローコート塗装状
    態の検出方法。
  8. 【請求項8】 塗料をヘッド部からカーテン状に流下さ
    せることにより塗料膜を形成し、前記塗料膜に交差する
    方向に被塗装物を搬送することにより前記被塗装物に塗
    料を塗るフローコーティングの過程において塗装状態を
    検出する方法であって、前記被塗装物と前記塗料膜との
    境界線を含む領域を塗料がヘッド部から被塗装物に達す
    るまでの時間よりも十分に短い時間間隔で画像入力手段
    により複数回撮像した後、各画像で得られた境界線の位
    置と各画像の撮像時刻とを3次元空間にマッピングして
    得られる3次元図形を前記境界線に直交し時間軸に平行
    な閾値で切断し、切断面の面積の大小により塗装状態の
    良否を評価することを特徴とするフローコート塗装状態
    の検出方法。
  9. 【請求項9】 塗料をカーテン状に流下させることによ
    り塗料膜を形成し、前記塗料膜に交差する方向に被塗装
    物を搬送することにより前記被塗装物に塗料を塗るフロ
    ーコーティングを施している過程で塗装状態を検出する
    方法であって、前記塗料膜を含む領域を画像入力手段に
    より撮像して得られた画像から塗料膜の膜切れ部を検出
    し、膜切れ部の大きさおよび位置を用いて、前記膜切れ
    部が前記被塗装物に到達したときの前記境界線の形状を
    予測した評価値を求め、前記評価値を用いて塗装状態の
    良否を評価することを特徴とするフローコート塗装状態
    の検出方法。
  10. 【請求項10】 前記画像の各画素の濃度を適宜閾値で
    2値化することにより得られる2値画像における塗料膜
    に相当する領域の中で周囲とは画素値の異なる部位を膜
    切れ部として採用することを特徴とする請求項9記載の
    フローコート塗装状態の検出方法。
  11. 【請求項11】 前記画像内において前記被塗装物と前
    記塗料膜との色を識別して2値化することにより得られ
    る2値画像における塗料膜に相当する領域の中で周囲と
    は画素値の異なる部位を膜切れ部として採用することを
    特徴とする請求項9記載のフローコート塗装状態の検出
    方法。
  12. 【請求項12】 画像入力手段により撮像された濃淡画
    像を前記境界線に交差する方向に微分するとともに適宜
    閾値を用いて微分値を2値化することにより2値画像を
    生成し、前記2値画像における塗料膜に相当する領域の
    中で境界線に交差する方向に多数本の孔検出ラインを設
    定するとともに孔検出ライン上を塗料膜から被塗装物に
    向かう向きに追跡することにより画素値の変化点を求
    め、求めた変化点に囲まれる範囲を膜切れ部として採用
    することを特徴とする請求項9記載のフローコート塗装
    状態の検出方法。
  13. 【請求項13】 画像入力手段により撮像された濃淡画
    像を互いに直交する2方向に微分するとともに適宜閾値
    を用いて微分値を2値化することにより2値画像を生成
    し、前記2値画像における塗料膜に相当する領域の中で
    境界線に交差する方向に多数本の孔検出ラインを設定す
    るとともに孔検出ライン上を塗料膜から被塗装物に向か
    う向きに追跡することにより画素値の変化点を求め、求
    めた変化点に囲まれる範囲を膜切れ部として採用するこ
    とを特徴とする請求項9記載のフローコート塗装状態の
    検出方法。
  14. 【請求項14】 前記TVカメラにより撮像した画像内
    の検出領域における被塗装物の存在を検出し、塗装状態
    の良否判定に用いる画像を前記検出領域に被塗装物が存
    在する期間にのみ塗装状態の検出を行なうことを特徴と
    する請求項1ないし請求項13に記載のフローコート塗
    装状態の検出方法。
  15. 【請求項15】 塗料をヘッド部からカーテン状に流下
    させることにより塗料膜を形成し、前記塗料膜に交差す
    る方向に被塗装物を搬送することにより前記被塗装物に
    塗料を塗るフローコーティングの過程において塗装状態
    を検出する装置であって、前記被塗装物と前記塗料膜と
    の境界線を含む領域を撮像するTVカメラと、前記被塗
    装物および前記塗料膜を照明する光源と、前記TVカメ
    ラにより撮像した濃淡画像から前記境界線の形状を抽出
    し前記境界線の形状に応じた評価値を求めることにより
    前記評価値に基づいて塗装状態の良否を判定する画像処
    理装置とを備え、前記光源は前記塗料膜に対して前記T
    Vカメラと同じ側であって前記塗料膜での正反射光が前
    記TVカメラに入射する位置に配置されていることを特
    徴とするフローコート塗装状態の検出装置。
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