JPH09170057A - 鋼板の溶融金属めっき方法 - Google Patents

鋼板の溶融金属めっき方法

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JPH09170057A
JPH09170057A JP33045795A JP33045795A JPH09170057A JP H09170057 A JPH09170057 A JP H09170057A JP 33045795 A JP33045795 A JP 33045795A JP 33045795 A JP33045795 A JP 33045795A JP H09170057 A JPH09170057 A JP H09170057A
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flow velocity
steel sheet
dross
hot
molten metal
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Toshio Ishii
俊夫 石井
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融金属めっき浴槽内の溶融金属の流速を測
定し、そお流速を、槽底部に堆積したボトムドロスを巻
上げる流速以下に制御することにより、ボトムドロスの
再浮上を防止してドロス欠陥の発生を防止する。 【解決手段】 鋼板を案内するためのシンクロールを備
えた溶融金属めっき浴で鋼板に溶融金属めっきを行うに
際して、溶融金属めっき浴槽内の溶融金属の流速を浸漬
型流速測定センサーにより測定し、その流速値が流速測
定場所に応じて堆積したボトムドロスを巻上げる流速以
下の速度になるように、鋼板の走行速度、溶融金属の加
熱装置出力、めっき用固相金属の供給タイミングの何れ
か一つ以上を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属めっき浴
槽の底部に堆積したドロスの巻上げを防止することによ
り、ドロス欠陥の発生を減少し、高品質の溶融金属めっ
き鋼板の製造に適した溶融金属めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属めっき鋼板は、優れた耐食性を
示す安価な表面処理鋼板として広く使用されている。溶
融金属めっき鋼板として、最も広く使用されている溶融
亜鉛めっき鋼板を例に挙げて、以下に説明する。
【0003】連続溶融亜鉛めっきラインでは、通常の溶
融亜鉛めっき鋼板と溶融亜鉛めっき後に熱拡散処理を行
なうことによって亜鉛めっき層を鉄と亜鉛の合金層とし
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板とが製造されている。一般
に両者は同一ラインで適宜製造条件を切り換えて連続的
に製造される。このような操業形態で合金化溶融亜鉛め
っき鋼板を製造する場合、溶融亜鉛めっき浴中に、鋼板
から溶出した鉄と亜鉛を主体とする金属間化合物、いわ
ゆるドロスが生成する。このドロスは、溶融亜鉛より密
度が僅かに大きいので、比較的大きいものは溶融亜鉛め
っき浴槽の底部に沈降して堆積するが、小さいものは溶
融亜鉛めっき浴中を走行する鋼板によって随伴される溶
融亜鉛の流れによって撹拌されて沈降できず、常に溶融
亜鉛めっき浴中を浮遊している。
【0004】この溶融亜鉛めっき浴中を浮遊するドロス
が鋼板に付着すると、鋼板の表面外観が悪化したり、プ
レス成形時に表面欠陥を生じる等の品質低下の原因とな
るため、特に優れた表面性状が要求される自動車外板用
鋼板を製造する場合において大きな問題点になってい
る。
【0005】このようなドロス付着による品質低下の問
題を解決するために以下のような技術が開示されてい
る。特開平4−168256号公報、特開平4−168
257号公報には、溶融亜鉛めっき浴槽内に整流板を設
け、溶融亜鉛の流れを従来の流れと変えることによりド
ロスの沈降を促進する方法が記載されている。また特開
平4−337056号公報には、一部が開放された複数
の箱型集合体からなるドロス回収箱を溶融亜鉛めっき浴
槽底部に設置して、この回収箱中に沈降するドロスを回
収する方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】溶融亜鉛めっき浴槽底
部に堆積したドロスが再浮上すると鋼板に付着して表面
欠陥となる。前記した公報に記載される方法では、堆積
したドロスが再浮上してめっき鋼板に付着することを防
止するため、堆積したドロスを頻度高く回収しなければ
十分にドロス防止効果を発揮できないので、安全を見て
不必要なドロス回収を行ったり、異常なドロス堆積があ
った場合には、めっき作業を中断して不定期のドロス回
収を行わなければならなくなるという問題がある。
【0007】この問題は、堆積したドロスが再浮上する
か否かと再浮上した場合の品質への影響を把握できてい
ないことによるものである。適切な方法でドロスの再浮
上を検知ないし予知することが可能であれば、不必要な
ドロス回収を行わなくても、堆積したドロスを再浮上さ
せることなく操業することができる可能性がある。
【0008】ドロスの再浮上は、溶融亜鉛めっき浴槽内
における溶融亜鉛の流れによる影響であり、ドロス堆積
部での溶融亜鉛の流動が大きくなれば、つまり溶融亜鉛
の流速が速くなれば堆積したドロスが巻上げられ再浮上
する。つまり、ドロス堆積部近傍の溶融亜鉛の流速が適
切に測定でき、その流速をドロスが巻上げられる流速以
下に制御することで、ドロスの再浮上を防止できると考
えられる。
【0009】従来からバルク状態の導電性液体の流速を
測定する浸漬型電磁流速センサーとして、導電性液体の
流れの方向に垂直で、導電性液体の流れを挟んで一対の
永久磁石を相引合う向きに設置し、その永久磁石の磁力
と導電性流体の流れにより生じる誘導電流の起電力を、
導電性流体の流れおよび磁場の方向に垂直で、導電性流
体の流れを挟むように設置した端子により測定すること
により、導電性流体の流速を測定するVives型セン
サーが知られている(例えば、鉄と鋼第73巻第5号S
688(1987))。
【0010】しかし、図5に示されるCo−Fe系永久
磁石に見られるように、永久磁石の磁力は、磁石のキュ
ーリー点の関係から400℃を超えるような高温域で低
下するので、前記センサーを用いて、400℃を超える
高温域の導電性液体の流速を測定することは不可能であ
る。さらに、このような高温域では、直流の微少起電力
を測定する場合、周辺の温度変化に伴う熱起電力変化に
よる外乱が発生するという問題もある。溶融亜鉛めっき
浴槽における溶融亜鉛の温度は460℃前後の高温であ
るので、前記センサーを用いて溶融亜鉛めっき浴槽にお
ける溶融亜鉛の流速を測定することは不可能であった。
【0011】本発明では、高温域にある溶融亜鉛めっき
浴槽内における溶融亜鉛の局部的な流速を精度よく測定
し、溶融亜鉛めっき浴槽内の溶融亜鉛の流速を、槽底部
に堆積したボトムドロスを巻上げる流速以下に制御する
ことにより、不必要なドロス回収を行うことなく、ボト
ムドロスの再浮上を防止することにより、ドロス欠陥の
発生を防止し、高品質の溶融亜鉛めっき鋼板を製造する
ことを可能にする等、高品質の溶融金属めっき鋼板の製
造に適した溶融金属めっき方法を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の手段は下記のとおりである。 (1)鋼板を案内するためのシンクロールを備えた溶融
金属めっき浴で鋼板に溶融金属めっきを行うに際して、
浸漬型流速測定センサーにより溶融金属めっき浴槽内の
溶融金属の流速を測定し、その流速が流速測定場所に応
じて、堆積したボトムドロスを巻上げる流速以下の流速
になるように、鋼板の走行速度、溶融金属の加熱装置出
力、めっき用固相金属の供給タイミングの何れか一つ以
上を制御する溶融金属めっき方法。 (2)上記の(1)の鋼板の溶融金属めっき方法におい
て、流速測定をシンクロール端部下部から500mm以
内の場所で行い、その場所の溶融金属の流速の最大値を
0.5m/s以下にする。
【0013】以下に本発明の作用について説明する。溶
融金属めっき浴槽の底部に堆積したドロスの再浮上は溶
融金属の流動速度による影響が大きく、この流動速度
は、主に鋼板の走行速度、溶融金属の加熱装置出力、め
っき用固相金属の供給タイミングにより影響される。従
って、溶融金属めっき浴槽内の所定場所の流速を浸漬型
流速測定センサーにより精度よく測定し、鋼板の走行速
度、溶融金属の加熱装置出力、めっき用固相金属の供給
タイミングの何れか一つ以上を制御し、流速測定値を流
速測定位置に応じて堆積したドロスを巻上げることのな
い流速範囲にすることにより、ドロスの再浮上を防止す
ることができる。
【0014】流速測定センサーとしては、溶融金属の局
部的な流速を精度よく測定することのできる電磁流速セ
ンサーを用いるのがよい。電磁流速センサーとしては、
溶融金属が磁石のキューリー点を超える高温域にある場
合においても流速測定ができるように、磁石の温度が磁
石のキューリー点を超えないように磁石が冷却されると
ともに、磁石の温度を測定して磁石の磁束密度の温度補
償ができる電磁流速センサーを用いることがより好まし
い。
【0015】シンクロールの端部下部に堆積したドロス
が最も再浮上しやすい。シンクロール端部下部から50
0mm以内の場所の溶融金属の流速を測定し、その最大
流速が0.5m/s以下になるようにすることによっ
て、溶融金属めっき浴槽底部に堆積したドロスの再浮上
を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、溶融亜鉛めっきの場合について、図3〜7により説
明する。
【0017】図3は、浸漬型流速測定センサーとして浸
漬型電磁流速センサーを用いた場合について、溶融亜鉛
の流速を測定するための流速測定装置を示す図であり、
(a)は流速測定装置の斜視図、(b)は(a)に示し
た装置におけるG−G断面の断面図である。
【0018】図3において、21、22は、電磁流速セ
ンサー12に磁場を発生するための永久磁石であり、耐
火物25の内部に設けられている。耐火物25内部の永
久磁石21、22に挟まれる部分に、耐火物25を貫通
して穴が設けられ、その中を溶融亜鉛が流れるようにな
っている。永久磁石21、22により発生する磁界の方
向は矢印Eの方向である。
【0019】23、24は、誘導電流による起電力測定
端子であり、耐火物25の中央に設けられた穴の両側壁
に、磁界の方向E及び溶融亜鉛の流れの方向Fと垂直な
方向に設けられている。
【0020】27、28はその一端が、それぞれの誘導
電流による起電力測定端子23、24に接続され、その
他端が流速演算装置13に接続されている導線である。
29、30は、永久磁石21、22の温度を測定するた
めの熱電対であり、それぞれ永久磁石21、22中に埋
め込まれている。また、31、32はその一端が熱電対
29、30に接続され、その他端が流速演算装置13に
接続されている導線である。
【0021】33は、導線27、28、31、32の溶
融亜鉛中に浸漬される部分を保護する保護管であり、そ
の内部に導線27、28、31、32を収納している。
また永久磁石21、22は、保護管33の内部および耐
火物中の導線31、32の走行路を流れる気体により冷
却されている。
【0022】13は、端子23、24により測定される
誘導電流による起電力および熱電対29、30により測
定される永久磁石の温度に基づいて、耐火物25の穴内
を流れる溶融亜鉛の流速を演算する演算装置であり、溶
融亜鉛めっき浴槽の外部に設置されている。
【0023】磁束密度Bの磁場中で運動する導電性流体
の誘導電流による起電力V、流動速度U、誘導電流によ
る起電力測定用端子の間隔Dの間には下記の(1)式で
与えられる関係がある。 V=k・B・U/D ・・・(1)
【0024】但し、kは定数である。この式から流速U
は下記の(2)式で与えられる。 U=V・D/(k・B)・・・(2)
【0025】誘導電流による起電力測定用端子の間隔が
一定の場合、流速Uは下記の(3)式で与えられる。 U=k0 ・V/B ・・・(3)
【0026】但し、k0 =D/kで定数である。従っ
て、溶融亜鉛の場合について予め定数k0 を求めた電磁
流速センサーを用いて、磁束密度Bと誘導起電力Vを測
定することにより溶融亜鉛の流速Uを求めることができ
る。
【0027】この場合、電磁流速センサーを溶融亜鉛中
に浸漬し、耐火物に設けたた穴内を溶融亜鉛が流動する
場合、溶融亜鉛の流速Uを図6に示す手順によって求め
ることができる。先ず、熱電対29、30により検出さ
れる永久磁石の温度から、図5に示される永久磁石の温
度と磁束密度との関係を示す線図に基づき、永久磁石の
磁束密度Bを求める。磁束密度が小さい場合、流速測定
精度が不十分となるので、永久磁石の場合、良好な流速
測定精度を得るためには、300ガウス以上の磁束密度
であることが望ましい。必要な流速測定精度を得ること
のできない磁束密度の場合にはアラームを発して、流速
計算を中止する。必要な磁束密度が得られている場合、
この磁束密度Bと、端子23と24の間の誘導電流によ
る起電力の測定値Vに基づき、演算装置13により溶融
亜鉛の流速Uを求める。
【0028】電磁流速センサーの磁場発生手段として使
用する永久磁石は、熱伝導率の低い耐火物中に埋め込ま
れ、さらに気体冷却されるているので、溶融亜鉛浴中に
浸漬されても、磁石自体の温度上昇が押さえることがで
きるので、高温域における磁力の低下が防止され、流速
測定に必要な磁束密度を得ることができる。
【0029】また、永久磁石に埋め込んだ熱電対によ
り、永久磁石の温度を測定することにより、周囲の条件
変化によって発生する永久磁石の温度変動による磁束密
度が変化しても、永久磁石が発生している磁束密度を正
確に求めることができる。
【0030】この流速測定装置による流速測定値を検定
するために、浅い樋に溶融亜鉛を流して、前記流速測定
装置により測定した流速とロードセルを取り付けた浸漬
棒により測定した検定流速との相関について調査した。
調査結果を図7に示す。図7において、横軸は、この流
速測定装置による流速測定値であり、縦軸はロードセル
による検定流速値であり、両者の流速値は良く一致して
いる。
【0031】なお、ロードセルを取り付けた浸漬棒によ
る流速測定の場合、浸漬棒のあたる流れの平均流速は計
測できるが、浴槽深部の一点の流速を精度よく計測する
ことはできないので、本発明の実施に使用する流速測定
センサーとしては不適当である。
【0032】電磁流速センサーに永久磁石を用いた場
合、磁束密度を大きくできるのでSN比が大きく取れ、
かつ非定常の温度変動により生じるノイズを低減できる
ので、流速測定精度を向上できる。
【0033】磁場発生手段は、直流または交流によるも
のであってもよい。交流磁場による場合、50ガウス程
度以上の磁束密度であれば、必要な流速測定精度を得る
ことができる。
【0034】溶融亜鉛は、多くの金属と合金を作り、金
属が溶損する。従って、誘導起電力測定用端子は、溶融
亜鉛による溶損性を配慮する必要がある。この端子が溶
融亜鉛と反応して溶損する場合、溶融亜鉛及び端子のい
ずれとも反応しない導電性金属や導電性セラミックスを
介して溶融亜鉛と接触させればよい。通常、シンクロー
ル等の溶融亜鉛めっきの浴中機器は、使用に伴う溶損、
摩耗によるめっき作業の不安定化を防止するため、比較
的短期間で定期的に交換されるので、この交換に併せて
端子を取替えることを前提にして、溶融亜鉛に対して優
れた耐食性を示すSUS316Lの端子を使用してもよ
い。
【0035】導線29、30、31、32は、耐火物中
に埋め込んだり、断熱性を有する材料でコーティングを
施して溶融亜鉛浴から取り出してもよい。
【0036】図4(a)は溶融亜鉛めっき装置の側面
図、図4(b)はその正面図である。図4において、1
は鋼板、2はスナウト、3は溶融亜鉛めっき浴槽、4は
シンクロール、5はガワイピングノズル、6は誘導加熱
装置、7は亜鉛インゴット、8は亜鉛インゴット装入装
置、10はスタビライジングロール、11はコレクティ
ングロール、14は溶融亜鉛、15は溶融亜鉛めっき浴
槽底部に堆積したドロスである。また、12は流速測定
装置の電磁流速センサーであり、溶融亜鉛浴中に浸漬し
て取付けられ、13は流速測定装置の流速演算装置であ
り、溶融亜鉛めっき浴外に取付けられている。
【0037】この装置を用いて鋼板の溶融亜鉛めっきを
以下のように行う。鋼板1はその下部が溶融亜鉛めっき
浴槽3中に浸漬されているスナウト2を通って、溶融亜
鉛めっき浴槽3の溶融亜鉛14に浸漬され、シンクロー
ル4に案内されて上方に方向転換した後、スタビライジ
ングロール10およびコレクティングロール11の間を
通過して浴面上に出る。次いで、浴面上に設けられてガ
スワイピングノズル5により、所定の付着量に調整され
た後、熱拡散処理によりめっき層を鉄と亜鉛の合金層と
した合金化溶融亜鉛めっき鋼板となる。
【0038】このような操業形態で合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造を行なう場合、溶融亜鉛めっき浴槽内で鋼
板から溶融亜鉛浴中に溶出した鉄と亜鉛を主体とする金
属間化合物、いわゆるドロスが生成される。比較的大き
いドロスは沈降し、溶融亜鉛めっき浴槽の底部に堆積し
ている。
【0039】通常操業におけるドロスの堆積状況やドロ
ス欠陥の発生状況を調査するとともに、水モデル実験に
おいて堆積したドロスが再浮上する場所を検討した結
果、ドロスの再浮上は溶融亜鉛の流動によるものであ
り、この流動が鋼板の走行による随伴流れ、溶融亜鉛を
保熱あるいは加熱するための誘導加熱装置の電磁気力に
よる溶融亜鉛の流れ及び鋼板に付着して減少した溶融亜
鉛を補うために供給される固相の亜鉛インゴットの投入
により生じる温度不均一による自然対流に起因する流れ
により影響を受けること、またシンクロールの端部下部
にあるドロスが最も再浮上しやすいこと、さらに鋼板の
走行速度、誘導加熱装置の出力、固相亜鉛インゴットの
投入タイミングを制御することにより溶融亜鉛の流動速
度を調整できることがわかった。
【0040】従って、溶融亜鉛めっき浴槽内における溶
融亜鉛の流速を流速測定装置により測定し、鋼板の走行
速度、誘導加熱装置の出力、固相亜鉛インゴットの投入
タイミングを制御することにより、その流速が堆積した
ドロスが巻上がる速度を超えないようにすることによ
り、ドロスの再浮上が防止される。流速測定をシンクロ
ール端部下部から500mm以内の場所で行い、そこの
溶融亜鉛の流速を0.5m/s以下にすることにより、
溶融亜鉛めっき浴槽底部に堆積しドロスの再浮上を防止
できる。
【0041】測定された流速が、設定値になった場合
に、アラームを発し、マニュアル操作により前記したよ
うに操業方法を変えて、流速が設定値を超えないように
すればよい。また、設定値を超えないように予めプログ
ラム化して操業条件を自動的に変更することもできる。
【0042】なお、溶融亜鉛めっき浴に侵入する鋼板の
温度変化やめっき浴成分調整のために成分組成の異なる
亜鉛合金インゴットを使用する場合にも対流による溶融
亜鉛の流動が大きくなることもある。従って、測定流速
が大きい場合、前記した条件に加えて鋼板温度や亜鉛合
金インゴットの使用タイミングを調整すればよりよい結
果がえられる。
【0043】電磁流速センサーをシンクロール両端部下
部に設けて、流速測定を2ケ所としてもよい。
【0044】上記説明は溶融亜鉛めっきの場合について
であるが、本発明は溶融亜鉛めっきに限定されるもので
はなく、亜鉛−アルミ合金めっき、アルミめっきなどの
溶融金属めっきに広く適用することができる。
【0045】
【実施例】
(実施例1)上記の本発明の実施形態に説明した溶融亜
鉛めっき方法により、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造
した。その際に、電磁流速センサーをシンクロールの端
部直下からの距離を変えて取り付け、前記した図6に示
される手順に従って鋼板走行方向の水平方向の流速を測
定し、その流速が変化した場合のドロス欠陥の発生状況
を調査した。溶融亜鉛浴中に浸漬された電磁流速センサ
ーの永久磁石は時間の経過と共に温度が上昇し、3分程
度で定常状態になった。温度上昇に伴い磁束密度が低下
したが、定常状態では、流速測定に必要な磁束密度を得
ることができた。
【0046】なお、電磁流速センサーの永久磁石21、
22はCo−Fe系永久磁石、導線27、28はタンタ
ル製の材料、熱電対29、30はシース熱電対を使用し
た。また、永久磁石21、22を冷却するために保護管
33中に窒素ガスを供給した。
【0047】調査結果を図1に示す。図1の横軸は溶融
亜鉛の流速値であり、縦軸はドロス欠陥の発生状況を示
す指数であり、ドロスの発生程度に応じて0〜5まで5
段回の評価を行い、0が最もよく、5が最も悪く、ま
た、自動車外板用材の目標ドロス欠陥指数は評価2以下
である。図1に示すようにシンクロール下300mmの
位置では、流速が0.5m/s以上になるとめっき鋼板
のドロス欠陥が増加する傾向が見られた。また、シンク
ロールの端部近傍における溶融亜鉛流速とめっき鋼板の
品質については、シンクロールから概ね500mmを超
える位置では溶融亜鉛流速とドロス欠陥の発生程度との
相関が弱くなり、かつその位置でのドロス欠陥自体も減
少している。これはドロス欠陥の発生がシンクロール近
傍での流速依存性が大きいことを意味すると同時に、シ
ンクロール近傍500mm以内の範囲の溶融亜鉛の流速
を計測することにより、ドロスの再浮上を防止できるこ
とを示している。
【0048】(実施例2)次に、実施例1と同様の装置
を用いて、電磁流速センサーをシンクロール端部下部5
00mmの位置に取り付け、鋼板の走行速度、溶融亜鉛
の加熱装置の出力、固相亜鉛インゴットの供給タイミン
グを変えてめっきした場合について、ドロス欠陥の発生
状況の変化を調査した。めっき条件と調査結果を図2に
示す。ドロス欠陥の評価は実施例1と同様に行った。
【0049】鋼板の走行速度を上昇させた160mpm
の高速操業時には設置した流速計の流速値が0.5m/
sを超えてドロス欠陥が増加したが、流速を120mp
mに低下することにより、流速が0.5m/s以下に低
下し、ドロス欠陥の発生が減少した(図2のX部)。
【0050】溶融亜鉛めっき浴槽内の溶融亜鉛を誘導加
熱装置の出力を最大の高出力にして加熱したところ、
0.5m/sを超える誘導加熱による溶融亜鉛の流れが
発生し、流速の増加と共にドロス欠陥が増加した。誘導
加熱装置の出力を低下することにより、溶融亜鉛の流速
が0.5m/s以下に低下し、それに応じてドロス欠陥
の発生が減少した(図2のY部)。
【0051】固相亜鉛インゴット投入時に、溶解した温
度の低い溶融亜鉛の対流による溶融亜鉛の流れが発生し
たが、流速は0.5m/sを超えなかったので、ドロス
欠陥が増加したものの、その発生程度は、目標とする品
質水準の範囲内に止まった(図2のZ部)。
【0052】また、鋼板の走行速度が160mpmの高
速操業の際に、固相亜鉛インゴットを投入しつつ溶融亜
鉛を誘導加熱装置により高出力の加熱した場合、、溶融
亜鉛めっき浴槽内の溶融亜鉛が大きく撹拌流動され、流
速が0.5m/sを大きく超え、ドロス欠陥の発生が著
しかった(図2のW部)。
【0053】鋼板の走行速度が160mpmの高速操業
では流速が0.5m/sを超えるため、ドロス欠陥指数
が2を超えるので自動車外板用鋼板の製造が困難であ
る。また、120mpmの低速操業で行うとともに溶融
亜鉛の最大加熱と固相亜鉛の投入のタイミングを同時に
行なわなければ、流速が0.5m/sを超えることがな
く、ドロス欠陥指数を2以下にできるので、自動車外板
用鋼板の製造を行うことができる。このように品質グレ
ードによって設定する流速値を変更し、それに応じて、
鋼板走行速度、溶融金属の加熱装置出力、めっき用固相
金属の供給タイミングの何れか一つ以上を制御すること
により、ドロス欠陥を低減した最適な品質を保持するこ
とが可能になる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、溶融金属めっき浴槽に
堆積したドロスの巻上げが防止できるので、ドロス欠陥
の発生を減少し、高品質の溶融金属めっき鋼板の製造が
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】流速とドロス欠陥の発生状況との関係を示す
図。
【図2】操業条件を変化させた場合のドロス欠陥の発生
状況の変化を示す図。
【図3】本発明の実施形態を説明するための流速測定装
置を示す図。
【図4】本発明の実施形態を説明するためのめっき装置
を示す図。
【図5】永久磁石の使用温度と磁束密度との関係を示す
図。
【図6】流速を求める手順を示すフロー図。
【図7】流速測定装置による流速測定と検定流速との相
関を示す図。
【符号の説明】
1 鋼板 2 スナウト 3 溶融亜鉛めっき浴槽 4 シンクロール 5 ガスワイピングノズル 6 誘導加熱装置 7 亜鉛インゴット 8 亜鉛インゴット投入装置 12 電磁流速センサー(流速測定センサー) 13 流速演算装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板を案内するためのシンクロールを備
    えた溶融金属めっき浴で鋼板に溶融金属めっきを行うに
    際して、浸漬型流速測定センサーにより溶融金属めっき
    浴槽内の溶融金属の流速を測定し、その流速が流速測定
    場所に応じて堆積したボトムドロスを巻上げる流速以下
    の流速になるように、鋼板の走行速度、溶融金属の加熱
    装置出力、めっき用固相金属の供給タイミングの何れか
    一つ以上を制御することを特徴とする鋼板の溶融金属め
    っき方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋼板の溶融金属めっき方
    法において、流速測定をシンクロール端部下部から50
    0mm以内の場所で行い、その場所の溶融金属の流速の
    最大値を0.5m/s以下にすることを特徴とする鋼板
    の溶融金属めっき方法。
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